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JAIST Repository: 超並列シミュレーションとビジュアライゼーション

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Japan Advanced Institute of Science and Technology

JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/ Title 超並列シミュレーションとビジュアライゼーション Author(s) 堀口, 進; 井口, 寧; 山森, 一人; 林, 亮子; 加藤, 聡 Citation

Research report (School of Information Science, Japan Advanced Institute of Science and

Technology), IS-RR-97-0023: 1-81 Issue Date 1997-05-23

Type Technical Report Text version publisher

URL http://hdl.handle.net/10119/8375 Rights

Description リサーチレポート(北陸先端科学技術大学院大学情報 科学研究科)

(2)

超 並 列 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン と ビ ジ ュ ア ラ イ ゼ ー シ ョ ン 堀 口 進,井 口 寧,山 森 一人,林 亮子,加 藤 聡 23/May/1997 1S-RR-97-0023 北 陸 先 端 科 学 技 術 大 学 院 大 学 情 報 科 学 研 究 科 〒923-12石 川 県 能 美 郡 辰 口 町 旭 台1-1 [email protected] OS.Horiguchiet.al1997 1SSNO918-7553

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要 旨 コン ピュ.___タ・シ ミュ レー シ ョンは、様 々な科学 技術分 野で 用 い られ 実用 規模 の数 値模 擬 実験 に は巨大な メモ リ空間 と膨大 な計 算時 間が必要 と され てい る。現在 、 こ の分 野で はスーパ ー コン ピュー タに代 わ って多数 の高速 プ ロセ ッサ か らな る超 並列 コン ピュー タが注 目され 、最先 端 分野 の大 規模 シ ミュ レー シ ョン法お よび可視化 に 関す る研究 が切 に望 まれ てい る。 本 研究 では 、基礎 物理 ・化学 ・物 性材料設 計 ・流体 問題 や神経 回路 学習 な どの最 先 端 分 野 にお け るコン ピュー タ ・シ ミュ レー シ ョンを疎 結合型 超並列 コン ピュー タで 実 行 す る超 並列 シ ミュ レー シ ョン とそ の可視 化 につ いて詳 し く検討 して きた 。そ の 結 果 、超並 列 コン ピュ.__.タは 、そ の 巨大実 メモ リと多数 の高 速 プ ロセ ッサ に よ り、 従 来 困難 で あ った大規模 シ ミュ レー シ ョンが 出来 る こ とが明 か にな った。例 えば 、 物 理 ・化学分 野 での分子 の振 舞 い をシ ミュ レー シ ョンす る分 子動 力学 法 で は、分 子 数 が 数千個 に限 られ てい た物 を数 万個 に容 易 に拡 張で き る。ま た 、シ ミュ レー シ ョ ンデ._..タの 可視化 に よ り気 体 か ら液 体 へ の相 移転 な どの分子 の振舞 い を確 認 で き た 。更 に、超 並列 シ ミュ レー シ ョンの高速 化 につ いて は、プ ロセ ッサ 間ネ ッ トワー ク、メッセー ジパ ッシング、デー タ配置 を考慮 した動 的負 荷分散 並列 シ ミュレー シ ョ ン ・アル ゴ リズムの提 案 を行 ない そ の有用 性 を確 認 した。 本論 文 で は、分子動 力学 の他 に流 体 シ ミュ レー シ ョン、3次 元 ウェーハ ス タ ック 構 造超 並列 コ ンピュー タの発熱 シ ミュ レー シ ョン、脳 にお け る視 覚 野神 経 細胞 の学 習 時 の活性 化 シ ミュ レー シ ョンや 自己組織 化 の超並列 シ ミュレー シ ョン を行 ない そ の高 速性 と有効性 を明 らかに した。更 に 、超並列 シ ミュ レー シ ョンか らの膨 大 なシ ミュ レー シ ョンデー タの可視化 を3次 元 コン ピュー タ ・グ ラ フ ィックス を用 いた行 な った 。そ の結 果 、超並 列 シ ミュ レー シ ョンデー タの カ ラ._._可視 化や3次 元 可視化 手 法 の有効性 を明か に した 。 _____圏 國闘_一 一 ■一 一 ■一 ■一 一 ■■匿

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第1章

研究 の背景

資源 の乏 しい我 が 国が今 後 工業 立 国な らび に経 済 国家 と して発 展 を続 け るた め に、今 ま で 以上 に先 端科 学技 術 分 野 にお い て効 率 の よい知 的活 動 を支 援 す る コ ン ピュー タシ ステ ム が 要求 され て い る。 コ ン ピュー タを用 いた シ ミュ レー シ ョン技術 は 、 自然科 学 ・工学 だ け でな く経 済学 な ど広 く社会 的分 野 に も頻 繁 に用 い られ てい る。1950年 代以 降 の コン ピュー タの実用 化 と進 歩 に よ りシ ミュ レー シ ョン技術 は発 展 して きた 。特 に 、最 先 端科 学 技術 分 野 で は、 シ ミュ レー シ ョンは不 可欠 な技 術 で あ り、大 規模 シ ミュ レー シ ョンに必 要 と され る コン ピュー タ能 力 は膨 大 に な って きてい る。 ま た 、物理 分 野 にお いて シ ミュ レー シ ョン は 、理論 物理 、実 験物 理 に分 類 され ない第3の 物理 分 野 と して注 目され てい る。 最 先端 科学 技術 分 野 にお け る大規模 シ ミュ レー シ ョンは 、巨大 な メモ リ空 間 と膨 大 な計 算 時 間 を必用 としてお り、従 来 のスーパ ・コン ピュー タに代 り、多数 のプ ロセ ッサ か らな る 超 並列 コン ピュー タ上 で のシ ミュ レー シ ョン技術 開発 が必 要 にな って きてい る。また 、1983 年 に誕 生 した コン ピ ュー タグ ラ フ ィクワー クス テー シ ョンの処 理性 能 の著 しい 向上 と操 作 性 に よ り、 シ ミュ レー シ ョンデ ー タを種 々の表 現 法 で可視 化 す る技術 の 開発 が期待 され て い る。 本研 究 で は、計算 機 科 学 、画像 処理 、計 算物 理 、材 料 科 学や ソ フ トウェ ア工学 の研 究者 が超 並列 コン ピュー タ上 でのシ ミュ レー シ ョン技術 の 開発 と膨 大 なデー タの可視 化(ビ ジ ュ アル 化)技 術 に関 して総合 的 に研 究 を行 って きた 。具 体 的 に は 、物 理化 学 分野 にお け る分 子 の振舞 い を詳 細 に シ ミュ レー シ ョンす る分 子 動力 学 法 、高分子 化 学分 野 にお け るモ ンテ カル ロ法 を用 いた星状 ポ リマー の成長 シ ミュ レ.___ション 、機 械 工学 にお け る流 体力 学 シ ミュ レー シ ョン、大脳 視 覚 野 にお け る学習 時 におけ る神 経 細胞 活性 化 シ ミュ レー シ ョン 、ニュー ラル ネ ッ トワー クの 自己組織化 シ ミュ レー シ ョン 、3次 元実 装超 並列 コン ピュー タの発熱 シ ミュ レー シ ョン 、海 流 の シ ミュ レー シ ョン、照 明 シ ミュ レー シ ョンや 粒子 を用 い た ダ ク ト 内の障害物 の影 響 シ ミュ レー シ ョンな どの広 い 分野 で超 並列 シ ミュ レー シ ョンを行 な った 。 これ らのシ ミュ レー シ ョアル ゴ リズムは 、超 並列 計算機CM-5、nCUBE/2、ParsytecGC 上 に インプ リメン トされ 並列化 性能お よび シ ミュ レー シ ョン結 果 の検 討 を行 な った。シ ミュ レー シ ョン デ ー タ は 、 カ ラー 画 像 や3次 元 コ ン ピ ュ ー タグ ラ フ ィッ ク ス に よ り可 視 化 し イ ン タラ クテ ィブ な シ ミュ レー シ ョンの遂行 が 可能 で あ る。 本 報告書 は 、 これ らの研 究成 果 を ま とめた もの で8章 か ら成 ってい る。第1章 は 、研 究

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CHAPTER1.研 究 の 背 景 の背景 を説 明 し、本研 究 の 目的 につ いて簡 潔 に述べ る。 第2章 で は 、物 理 化学 分 野 にお け る分子 の振 舞 い を詳細 に検 討 で きる分子 動 力 学 法 の大 規模 シ ミュ レー シ ョン につ い て検討 す る。 第3章 で は、流体 力学分 野 におけ る問題 を超並 列計算機CM-5で 実行 す る並 列 流体 シ ミュ レ._._ション につ い て議論 す る。 第4章 で は 、大脳 視 覚野 にお け る階層神 経細 胞 ネ ッ トワー クの学 習 にお け る神 経 細胞 活 性 化 パ ター ンの シ ミュ レー シ ョンを行 ない生理 学分 野 で の実験 結 果 と比 較 検 討 す る。 第5章 で は 、 自己組織 化 ニ ュー ラル ネ ッ トワー クの並列 学 習 法 につ い て提 案 し、 自己組 織 化 マ ップ の シ ミュ レー シ ョンデ ー タの可視 化 を行 な う。 自己 組織 化 シ ミュ レー シ ョンは 256台 の プ ロセ ッサ か らな る超並 列計 算 機nCUBE/2に 実 装 した。 第6章 で は 、 ウ ェーハ ス タ ック構造 の3次 元超並 列 コン ピュー タの 実装 時 にお け る発 熱 シ ミュ レー シ ョンを行 ない 、発 熱 に よる ウェーバ 上 のプ ロセ ッサ故 障 回避 を行 な うアー キ テ クチ ャにつ い て検 討 す る 。1 第7章 で は 、 ラ ジ ィオ シテ ィ法 を用 い た コ ン ピュー タグ ラフ ィックス に よる室 内 照 明 シ ミュ レー シ ョンを行 な った。 シ ミュ レー シ ョンは超 並列 計算 機ParsytecGC上 で 、ラ ジオ シテ ィ法 を並列 化 した もの で あ る。 第8章 は 、 ま とめで あ る。 2

(6)

第2章

超 並 列 計 算機 を用 い た分 子 動 力学 法 に よ る

大規 模 シ ミュ レー シ ョン と可 視 化

2.1

は じめ に

近 年 、計 算機 の高速 化 に ともな って先 端科 学技術 分野 にお ける コンピュー タ ・シ ミュ レー シ ョンの果 たす 役割 が 大 き くな って い る。本論 文 で は 、材料 設計 へ の応 用 が期 待 され る手 法 の一つ で あ る 、分 子動 力 学法[1]に よって得 た計 算 結果 の可視 化 につ い て検 討 す る 。 分子 動 力 学法 は、分 子 一つ 一 つの運 動 を模擬 す る こ とに よ り、安 定 な分 子 構造 や 、熱伝 導度 お よび拡散 係 数 な どの物 質 の動 的 な性 質 を調 べ る手 法 であ る。物 理 や 化学 をは じめ と す る材 料 科 学 の分 野 で 、盛 ん に用 い られ てい る。 逐次 処 理 で計 算 で きる分 子 の数 は、計 算 時 間お よび メモ リ使 用 量 の 限界 か ら、数千 個 か ら非常 に簡単 な相 互作 用 の場 合 で百 万個 程 度 で あ る。 そ れ に対 して 、本 来 物 質 は ア ボ ガ ドロ数6.02×1023程 度 の分 子 の 集 ま りで あ る。現 実 の物 質 に比較 して 、現在 計算 可 能 な物性 は量 的 、質 的 に限 られ た もので あ り、複 数 プ ロセ ッサ を用 い て膨 大 な計算 を行 な うこ とがで きる並 列 計算 機 に よる高 速化 が期待 さ れて い る。 扱 う分 子 の量 的 な拡 大 を主 な 目的 と して 、 これ まで にプ ロセ ッシ ング エ レ メ ン ト(PE) 数 、CPU、 結 合 方式 の 面 で様 々な並 列計 算 機 を用 い た研 究が行 なわれ て い る。Beazleyや

Lomdahl等[2][3]は1024PEの 超並 列計算機 上で 、空 間 を分割 してPEに 割 り当 て

るcoarce-grainedcellmethod(以 下CGC法 と称 す)を 用 い て1.3×108分 子 の シ ミュ レ._._ショ ンを 行 な ってい る。 この よ うに 、並 列計 算機 を使 用 す る こ とに よ って一億 個 の分 子 の ふ るまい を模擬 す る こ とも可 能 とな って きて い る。 これ まで分子 動 力学 法 の計 算 結 果 は 、分子 の位 置 座標 に球 を表 示 して直 観 的 に表 現 されて い た。 しか し、一億 個 程度 の分子 を扱 うシ ミュ レー シ ョンで は 、 もはや分 子 の位 置 を表示 す る だけ で は全 体像 を把 握 す る こ とが 困難 で あ る。そ の ため 、 よ りわか りや す い可視 化表 現 が必 要 であ る。 科 学 技 術 で は 可 視 化 は大 き な 問 題 で あ り、種 々 の 可 視 化 シ ス テ ム が 開 発 さ れ て い る。 高 機 能 の可 視化 シス テ ムの一 つ と してAVS[4][51[6]が あ る。本 稿 で は 、3次 元 空 間 での 短 距 離相 互作 用 を扱 う分 子 動力 学 法 シ ミュ レー シ ョンにおけ る可視 化 手 法 を検討 す る。 ここで

(7)

CHAPTER2.超 並 列 計算 機 を用 いた 分子 動 力 学法 に よる大 規模 シ ミュ レー シ ョ ン と可視 化 は低温 、低 密 度 の シ ミュ レーシ ョンで気 相 と液相 が 共存 す る状態 を 、AVSを 用 い て可視 化 す る。 本稿 の構 成 は以 下 の通 りで あ る。第2節 で は分子 動 力 学法 に簡単 に触 れ る。 第3節 で は 可視化 の 目的お よびデ ー タの可視 化前 処理 につい て述べ る。第4節 で はAVSを 使用 した可 視化 結果 を示す 。第5節 は ま とめ であ る。

2.2分

子 動 力 学 法 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン

2.2.1分 子 動 力 学 法 の 概 要 分 子動 力 学法 とは、物 質 を構成 す る分子 一 つ一 つ の運動 を模 擬 す る こ とに よって 、物 質 の状 態 を調 べ る計算 手 法 で あ る。多 くの場 合 、分 子 の運 動 はニ ュー トンの運動 方程 式 に従 ゑ う もの と し、分 子 に働 く力 は分 子 の2体 力め 和 に よって与 え る。扱 う分子 の数 を1Vと す る と、分 子 の組 み あ わせ は

N(N-1)(2

.1)

NO2=2 通 りであ る。 その ため 、一般 に計 算 時 間は0(N2)で 増 加す る。分 子 の 間 に働 く力 は 、ポテ ンシ ャル関数 で表 した分 子 間相 互作 用 として与 え られ る こ とが 多 い 。 こ こで は 、相 互作 用 と して レナ ー ド ・ジ ョー ンズ型 ポテ ンシ ャル V(r)=4E{(Q r)12(要)6}

(2.2)

を用 い る。式 中 のrは 分子 間距離 、Eお よびσは物 質 に よって異 な る定 数 で あ る。この ポテ ン シ ャルは 、 アル ゴ ンやヘ リウ ムな どの 、電 気 的 に 中性 な稀 ガス元 素 の単 原 子 分子 の気体 お よび液体 に適用 されて きた球対 称 ポ テ ンシャルであ る。 レナ ー ド ・ジ ョー ンズ型 ポ テ ンシ ャ ルで は 、分 子 間距 離 が増 大す る と相 互作 用 の大 きさが急 速 に零 に近づ く。そ の ため 、あ る 距離 以 上 で は相 互 作用 を零 と して 、力の計 算 時 間 を短縮 す る。 この と き、相 互作 用 の有 効 範 囲 を 「力 の切 断距離 」 といい 、 この よ うな相 互 作 用 を短距 離相 互 作 用 と呼 ぶ 。 時刻tで の位 置r(孟)、速 度v(t)か ら微 小 時 間△t後 の位 置 お よび速 度 を求 め るため に用 い る数値 積分 は多 くの場合 、ベ ル レの方法 の速 度形 式 国 と して知 られ る 煎+ム オ)一 綱+△ 勧(t)+撫 ∫暢(オ)) 礁+△ 亡)一 姻+Ot2(f¥ri.7¥tl ゴ≠Z)+裁 ∫暢(t+△ 亡)))

(2.3)

(2.4)

を用 い る。 こ こでf(rZ7(t))は 分 子2と 分子 ゴの 問 に働 く力 、%(t)は 分 子 間距離 であ る・微 小 時 間 ご とに全 ての分 子 につい て数値積 分 と相 互 作用 の計 算 を行 ない 、 これ を1タ イムス テ ップ と呼 ぶ 。計 算 す る空 間全体 の境 界 条件 は、通常 周期 境界 条 件 が用 い られ る。 4

(8)

CHAPTER2.超 並 列計 算 機 を用 いた分 子 動 力学 法 に よる大 規模 シ ミュ レー シ ョ ン と可 視 化 cut-offdistance

/

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、 、 、 ' ' ' !

撚 allocation 一

PEO PE1 PE2 PE3 } 口:cell@:particle,m・lecule ← →:interprocessorcommunication(required) く× レ:interprocessorcommunication(notrequired) Figure2.1:coarse-grainedcellmethod(CGC法)の 概 要 2.2.2並 列 計 算 機 を用 い た分 子 動 力 学 法 シ ミュ レ ー シ ョ ン 並 列計 算機 上で分子 動力 学法 シ ミュ レー シ ョン を実行 す るため 、種 々の計算 法 が考案 され て きた。coarse-grainedcellmeth・d(CGC法)は 最 も有効 な並 列 化手 法 の一つ で あ る。CGC 法 は 、2次 元 空 間の場 合 は正 方形 、3次 元 空 間の場 合 は立方体 に シ ミュ レー シ ョンを行 な う 空 間 を分割(セ ル)し 、セ ル単位 でPEに 割 り当 て る方法 で あ る。2次 元 の シ ミュ レーシ ョ ンを例 に して 、CGC法 の概 要 を図2.1に 示 す。力 の 切 断距 離 よ りもセ ルが大 きい な らば 、 各 セ ル 中の分子 は近傍 セ ル(2次 元 空 間で は8近 傍 、3次 元 空 間 で は26近 傍)中 の分子 との 相 互作 用 の み を考慮 す れ ば よい。 2.2.3シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 条 件 こ こ で は 、 レ ナ0ド ・ジ ョ ー ン ズ ポ テ ン シ ャ ル の 定 数 に ア ル ゴ ン の 数 値 を 用 い た.分 子 の 直 径 を 単 位 と し て 、 力 の 切 断 距 離 は 通 常2.5∼3.5が 用 い ら れ る が 、 こ こ で は2.5を 使 用 し た 。 数 値 積 分 の 微 小 時 間 と し て 、 無 次 元 化 時 間 △t=o.064を 用 い た 。 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の 間 は 分 子 の 数N,体 積V,エ ネ ル ギ ーEを 一 定 に 保 ち,温 度 は50タ イ ム ス テ ッ プ ご と にTTefに 補 正 す る.密 度 は ρ=0.256と し 、 温 度 は 高 温 の 場 合(無 次 元 化 温 度TT。f=2・53) お よ び 低 温 の 場 合(無 次 元 化 温 度TT。f=0.722)で あ る 。

(9)

CHAPTER2.超 並 列 計 算機 を用 い た分子 動 力 学 法 に よ る大 規 模 シ ミュ レー シ ョン と可 視化

2.3シ

ミ ュ レ ー シ ョ ン デ ー タ の 可 視 化

2.3.1AVSの 概 要 AVS(AdvancedVisualSystems)は 科 学技 術 の あ らゆ る分 野 に適 用可 能 な可 視 化 ツー ル で あ る。処 理単 位 をモ ジ ュー ル化 し、 ビジュア ルプ ログ ラ ミング に よって結 合 す る こ とに よって 、容 易 に可 視化 を行 な うこ とがで きる。等値 面 や断面 図 の作 成 お よび画像 処 理 な ど を行 な う豊 富 なモ ジ ュー ル を持 ち、最 も高機 能 な可視 化 ツー ルの 一 つで あ る。 適用 分 野 は 多 岐 にわ た り、医療画 像 や構造 体 力学 、材料 科 学 な どに用 い られ てい る。AVSの 特 徴 的 な 機 能 の ひ とつ は 、3次 元 物体 を詳 細 に描画 す るボ リュー ム ・レ ンダ リングで あ る。 こ こで はボ リュー ム ・レ ンダ リング を利 用 して可視 化 を行 な う。 2.3.2低 密 度 に お け る 分 子 位 置 ノ 512分 子 の シ ミュ レー シ ョン結 果 を、分子位 置 の表示 に よって示 す。高温 、低密 度 の結 果 を図1、 低 温 、低 密度 の結 果 を図2に 示す 。 この程度 の数 の シ ミュ レー シ ョ ンで は 、分子 の位 置 を表示 す る こ とに よって 、低 温 の場 合 に分子 が 集 中 して液体 とな る直 観 的 な様 子 が わか る。 しか し、数 十 万 、数百 万個 の分子 を扱 う場 合 には 、分 子 の位 置 を表 示 す るだけ で は分子 の集 中す る様 子 を把 握 す る こ とがで きない 。 その ため 、分子 が集 中す る こ とを数値 化 して可視 化 す る こ とが必 要で あ る。分子 の集 中 を示す量 の一つ は 、局所 的 な密 度 で あ る。 非 平衡 状 態 を調べ る と き、局 所 的 な物 理量 の変 化 は興 味 深 い 。局所 的 な物 理 量 と して 、 密 度 だ けで な く温 度 も考 え られ る。気 体分 子運 動論 に よ り、理 想気 体 のN個 の分 子 を含 む 物理 系 におい て 、分子 の 速度 と温 度 の関係 は

lm童v3-1湿

i=1

(2.5)

で あ る(こ こでrmは 分 子 の 質量 、vは 分 子 の速 度 ベ ク トル 、砺 は ボル ツマ ン定数 、Tは 温 度 で あ る)。(2.5)式 か ら、逆 に分子 一 つ の温 度や 、空 間の 局所 的 な温 度 を求 め る こ とが で き る 。 こ こ で は ・局所 的な密度 ・局所 的な温度 につい て可 視化 を行 な うの で 、 これ らの量 を可視 化前 に求 め る必 要 が あ る。 空 間 を規則 的 に小 さな立方体 に分割 し、各小 立方体 中 に位置 す る分子 の個 数か ら局所 的 な密 度 を求 め る。 こ こで は小 立 方体 の大 きさ を力 の切 断距 離 の半分 と した。 さ らに、小 立方 体 中の分 子 の速 度 か ら、局所 的 な温度 を求 めた。 この手 法 は、2.2.2節 で述べ た並列 化 手法 と容易 に組 みあ わせ る こ とが で きる。 6

(10)

CHAPTER2.超 並 列 計 算機 を用 い た分子 動 力 学法 に よる大 規 模 シ ミュ レー シ ョン と可視 化 2.3.3

局所密度 と局所温度の可視化

TT。f=0.722,ρ=0.256の 条件 で3375分 子 の シ ミュ レー シ ョンを行 ない 、可 視化 を行 なった。そ の結果 を図2。6お よび図2.7に 示 す。図2.6は 局所 密 度 と局所 温度 を3次 元 の ボ リュー ム上 に色づ け して表示 し、同時 に座標軸 方 向の断面 を表示 した もの であ る。図2 .7は 同 じデ ー タ を3次 元 の ボ リュー ム上 に透 明 に色 づ け して表 示 し、斜 め方 向の 断面 を作 成 し て 同時 に表示 した もの で あ る。 これ らの断面 は 、任 意 の位 置 に対 して作 成 す る こ とがで き る。分 子 の数 が小 さい た め に、表示 にあ た っての解 像度 は小 さい。逆 に 、表 示 の解像 度 を 上げ る こ とに よ って 、大 規模 シ ミュ レー シ ョンの結 果 を扱 うこ とが 充分 可 能 で あ る。 図2.6に よる と、局 所 密度 の 図 か らは高密 度 の部 分 を中心 に分 子 が集 ま ってい る こ とが わか る。局 所温 度 の 図 で は、 ほ とん どの空 間で局 所 温度 は低 くな ってい るが 、 まれ に温度 が 高 くな る部分 が あ る。 この 部分 は局所 密 度 の 図 で密度 が低 い 部分 に相 当す る こ とか ら、 全体 と して低温 で あ るが 、 まれ に速 度 の大 きい分子 が存 在 す る こ とに よ り、高温 部 分 が で ノ きる こ とを示 す。 図2・7に よる と・局 所 密度 の図 か らは 、分 子 が集 中す る 中核 とな る部 分(図 中の赤 色 の 部分)が い くつか あ り、そ の周辺 に分子 が 集 まって きてい る こ とが わか る。局 所 温度 の 図 か らは、局所 的 に高 温 とな る部 分 は さほ ど多 くない こ とが わか る。 図2.6は 断面 を移動 させ なが ら、各 部分 の物理 状態 を調べ る こ とに適 し、図2.7は 全 体 の分 布 を把 握 して注 目すべ き断面 を作 成 す る こ とに適 して い る。 さ らに、局所 密 度 の 図 と 局所 温度 の図 を画像 処 理 に よって合成 す れ ば、液相 部 分 を決 定 し、液相 部 分 の境 界 面 を表 示 させ る こ とも可 能 で あ る。

2.4

ま とめ

本 稿 で は 、分 子動 力 学 法 の大規模 シ ミュ レー シ ョン結 果 の可視 化 につ い て検 討 した。 ボ リューム ・レンダ リング を利 用 す る こ とに よ り、全 体 の構 造 を把握 しなが ら局所 的 な構造 を 調べ る こ とが可 能 で あ った 。 さ らに、種 々の物 理量 を表示 して比 較 す る こ とに よって 、計 算結 果 を多 角 的 に検討 す る こ とが可 能 で あ る こ とを示 した。 分子 動 力学 法 シ ミュ レー シ ョ ンの大規模 化 に と もな って 、ボ リュー ム ・レンダ リング を用 い た可視 化 の 重要 性 は ます ま す大 き くな る と考 え られ る。

(11)

CHAPTER2.超 並 列計 算 機 を用 い た分 子 動 力学 法 に よる大 規模 シ ミュ レー シ ョ ン と可 視 化

Figure2.4:高 温 、 低 密 度 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 結 果 (N=512,Tref=2.53,ρ=0.256,Tc=2.5)

(12)

CHAPTER2.超 並列 計 算 機 を用い た分 子動 力 学法 に よ る大 規 模 シ ミュ レ ー シ ョ ン と可 視 化

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(13)

CHAPTER2.超 並 列 計 算 機 を 用 い た 分 了一動 力 学 法 に よ る 大 規 模 シ ミュ レ ー シ ョ ン と 可 視 化

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(14)

第3章

超 並 列 計 算機 を用 い た流 体 力学 シ ミュ レー

シ ョ ン と可 視 化

︾ 3.1は じ め に 流体 力 学 の数値 シ ミュ レ.___ションで は本 質 的 に並 列 処理 が 可能 な こ とか ら、マ ル チプ ロ セ ッサ ・シス テム に よる高 速処 理 に期待 が 寄せ られ てい る。本 章 で は代 表 的 な超並 列計 算 機 で あ るThinkingMachines社 のCM-5[7]を 用 い て 、流 体 の 数値 シ ミュ レー シ ョンの典 型 的 な検 証 問題 で あ る2次 元 正方 流 れ をMAC法[8]に よ り解 き、そ の実 行 速度 につ い て 評 価 を行 な う。 最初 に流 体 力学 の基 礎 方程 式 の差 分法 に基 づ く離 散化 を行 ない 、 この離 散 化 方程 式 に基 づ く流体 の数値 シ ミュ レー シ ョン をCM-5に 実 装 し、実行 速度 の評価 を行 な う。離 散化 の 方式 は、差 分 法 に基 づ くMAC法 を用 い る。差分 法[9]は 対 象領 域 を格子状 に区切 り、格 子 問 で離散 的 に積 分 し、各点 の物 理 量 を時 間積分 す る数 値解 法 で あ る。 使 用す る超 並 列計算 機CM-5は 、SIMD型 、MIMD型 な ど複 数 の並 列処 理 形態 を統 合 し たハ イブ リッド型 の超並 列 計算 機 であ る 。プ ログ ラム言 語 はFORTRAN90の 規 格 に基 づ

くCM-FORTRANを 使 用 し、DataParallelModel[10]に 従 い 、SIMD型 の並 列処 理 を行

な う。 求 め た差分 方程 式 をCM-5上 に実 装 し、実行 速 度 につ い て検討 す る。 デ ー タのPE へ の割 り当 て方式 が実行 速 度 に及 ぼす影 響 につ い て議論 す る また 、流体 力学 シ ミュ レー シ ョンで 求め た差分 方 程式 を、圧 力分 布 や 流速 な どの可視 化 につ い て議 論 す る。

3.2差

分 法

3.2.1基 礎 方 程 式 流 体力 学 の 数値 シ ミュ レー シ ョンは 、次 の基 礎 方程 式 を離 散化 す る こ とに よ り計算 され る。流体 力学 の基礎 的 な方程 式 は 、連続 の式 と運動 方程 式(ナ ビエ ー ス トー クス方程 式)で

(15)

CHAPTER3.超 並列 計 算機 を用 い た流 体 力学 シ ミュ レー シ ョ ンと可 視化 あ る。連 続 の式 は 、流 体 が連 続 してい る こ とか ら、次 の様 に書 け る。 at 運動方 程式(ナ ビエ ー ス トー クス方程 式)は 、微 少空 間 内の運動 方程 式 で あ り、次式 で与 え られ る。 Dt=-8x+Re(∂ 勿2+∂y・+∂z2) で あ る が 、 こ こ で Du8uauauau Dt-at+uax+va+wazy で あ る か ら 、 こ れ を 式(3.8)に 代 入 し て 定 常 非 圧 縮 粘 性 流 体 の 運 動 方 程 式 8u at-一(auau8uu-十v-十w-∂x∂y∂z)ap8x+1Re(82uaxe+券+a2u8z2) を 得 る 。v,wに つ い て も 同 様 に 求 め ら れ る 。 12 Dv1_1 DtgP「adp+3vg・ad'divv+〃 ▽av 簡 単 の た め 、 非 圧 縮 粘 性 流 体 を対 象 と す る と 、 非 圧 縮 の 条 件 よ り p=const. で あ る か ら 、 連 続 の 式 は 、 ヱ div(v)=0 と 書 け る 。 こ れ を 式(3.2)に 代 入 す る と 、 Dy __1gradp Dtp+晒 で あ る 。 レ イ ノ ル ズ 数 を 用 い て 無 次 元 化 す る と 、 Dv Dt-9・adp+1Re▽ ・v が 得 ら れ る 。 こ れ ら 連 続 の 式(3.4)及 び 運 動 方 程 式(3 .6)を ス カ ラ ー形 式 で 書 け ば 、 そ れ ぞ れ 8u8v8w 十 一 十..=Oa xayaz Duap ,1,a2u.a2u.a2u

(3.2)

(3.3)

(3.4)

(3.5)

(3.6)

(3.7)

(3.8)

(3.9)

(3.10)

一… 醐 幽 ■欄■■閲■■■ ■■■ ■■ ■圏圏 ■圏 ■■■■■■■ ■ 騨

(16)

CHAPTER3.超 並列 計 算 機 を用 い た流 体 力学 シ ミュ レー シ ョ ンと可 視化 3 \ 一 -咽

Vi,j+1/2

・ Pi,j Vi,j-1/2 ノ 3 \ 一 + 咽 Figure3.1:食 い 違 い 格 子 3.2.2離 散 化 方 程 式 次 に こ れ を離 散 化 す る こ と を考 え る ・ 図3.1の 様 な3次 元 食 い 違 い 格 子 を 考 え る 。 式(3.7) を 中 心 差 分 す る と 、 Di ,i,k一 鋭歪+1篭 許 あた+vi,7+1,k-vi,j,kD y+wi,.7,k+云 ヲ ω 悌 一 〇 ま た 式(3.10)をUi ,j,kにつ い て 時 間 微 分 を 前 進 差 分 で 離 散 化 す る と 、 鴫 是=uz.7,k+△t(縣 一 蹄 云pix-1,j,k) 螺 一 賑+△ 孟(Gi,j,k-pz,j,kpi,j-1,kDy) ω 課=ω 蘇+△t(Pぜ,ゴ,k-pZ,ゴ,ん,k-Oz) 一1Hiゴ

(3.11}

(3.12)

(3.13)

(3.14)

Fi ,ゴ,kは 馬 た=一(U譜+1,j,k-ui20x-1淋 悔 鋭ちゴ+1'圭云 許 一1,k+ω1瀞+ち 云 弊 一1) +毒(鋭 椰 一 箒 幽 一1,j,k+駕 病ゴ+1,k一 簿 ん+駕 らゴー1,k +鰍+r2鰍+ui,7,k-・) i り 歪 ,ゴ,k=   ω 歪 ,ゴ,k= Oz2 vZ,ゴ,た十"ご,ゴ+1,k十vi-1,ゴ,k十vZ-i,ゴ+1,k 4 wZゴ ,た 十wz,ゴ,k+1十 ω ト1,ゴ,k十wi-1,ゴ,k+1 4

(3.15)

(3.16)

(3.17)

(3.18)

(17)

CHAPTER3.超 並 列 計 算機 を用 い た流体 力 学 シ ミュ レー シ ョン と可視 化 で あ る 。 σ燃,瓦 淋 も 同 様 で あ る 。 t+△tで の 値 を 正 規 化 す る た め 、 こ こ で 式(3 .12),(3.15)を 式(3.11)に 代 入 す る と 、 Diあ た 一(ui+O xあ た+勿 ら3+1去デ らあた+wZ斑 云葦 ω悌) +△ 孟(Fi+・j,k『F"i,j,k+σ△ らゴ+・,k一 σ 悌+瓦 瀞+一 玖 あた ω △y△z) 一 ム オ(pZ琳 一 難+廊+馬 杁 た一2p=,i, Dya画 一1,k+ =0 pi,j,k-}-1-2pi,j,k十Zi,j,k-1

)

Oz2

(3.19)

即 ち 、 Pゴ+1,ゴ,k-2pZ,ゴ,た →-Zi-1,ゴ,k Qx2 一 毒(ui+1,ゴ,k-ui,j,k Ox+ +聖+・ 声 一2P轍+2歪 ゴー・,k+ Dye vzゴ 十1 ,ん 一 砂 ゴ,ゴ,た pz,ゴ,k+1-2pZ,ゴ,た 十Zz,ゴ,た_1 0z2

+(Fi+1,.7,k-Fi,.7,kO

x+

Dy Gi ,ゴ+1,た 一 α,ゴ,た Dy wi ,ゴ,k十1-wi,ゴ,k

+)

Oz HZ ,j,k+1_HZ,ゴ,k

)

Oz

(3.20)

を得 る 。

3.3並

列 計 算 機 に よ る流 体 力学 シ ミュ レ0シ

ョ ン

本節 で は 、差分 法 に よる流 体力 学 シ ミュ レー シ ョンの典型 的 な検 証 問題 で あ る2次 元正 方流 れ を、代 表 的 な超並 列計算機 であ るThinkingMachines社 のCM-5[7]を 用 い て、MAC 法[8]に よ り解 き、各 処 理 の実 行 速 度 につ い て評 価 を行 な う。CM.5はSIMD型 、MIMD 型 な ど複 数 の並 列 処 理 形 態 を統 合 したハ イブ リッド型 計 算 機 で あ る。プ ロ グ ラム言 語 は

FORTRAN90を 使 用 し、DataParallelModel[10]に 従 い 、SIMD型 の並 列 処 理 を行 な う。

差分法 を超 並 列計算 機 上で実 行 した場 合 の、演算 速 度 に影 響 を及 ぼす 要 因 を明 らか にす る。 計 算 速度 の評価 の ため 、MAC法 に よる2次 元 正方 流 れ の シ ミュ レー シ ョンプ ログ ラム を修 正 した試験 プ ログ ラム を作 成 した。差 分法 を用 い た流 体 力学 シ ミュ レー シ ョンの手順 は以 下 の よ うに な る。 1.式(3.15)の 瓦 瀞 を 計 算 す る 。 2.Fi ,j,kを用 い て 式(3.12)を 計 算 し 、 時 間t+△tの 状 態 を 得 る 。 3.u,v,w,pに つ い て 、 誤 差 平 均 を と る 。 4.式(3.20)をSOR法 に よ り解 き 、 系 を 正 規 化 す る 。 14

(18)

CHAPTER3.超 並列 計 算 機 を用 い た流 体 力 学 シ ミュ レー シ ョ ン と可 視化 (cm5n) } (cm5s) Figure3.2:配 列 の 分 割 方 法 これ を繰 り返 し、誤 差 が 一定 以下 あ るい は所 定 の 回数 を繰 り返 した後 、結 果 を 出力 す る。 誤 差 は (F-ap8x<Eand(G-apay<Eand(H-apaz〈 う(3.2・) で 求 め る。 こ こで は他 の計 算 機 との比 較 の ため 、 ループ を規 定 の 回数実 行 す る こ とで終 了 す る。 並 列処 理 を行 な うため には 、配列 変数 を部分 配列 に分 割 し、この部分 配列 を各Processing Node(PN)に 割 り当 てる必 要が あ る。配 列 の分割 方法 には複 数 の方 法が あ るが 、本 試験 プ ログ ラ ムで は、2次 元 配列 を正 方形 の部 分配 列 に分割 す る方 法(cm5n)、 及 び短 冊状 の部分 配 列 に分 割す る方法(cm5s)の 、2種 類 の分 割方 法 で計算 を行 な った。分 割 の様 子 を図3.2 に示 す 。短冊 状 の分 割 で は 、 イ ンプ リメ ン トが単 純 で 、各 短 冊 の幅 を変化 させ る こ とに よ り、動 的 な負 荷 分散 が行 ないや すい 。 また 、短冊 状 のデ ー タ配 置 は 、各短 冊 を直線 状 に並 べ た もの と考 える こ とが で きるの で 、CM-5の 結 合網FatTreeに 適 合 しや す い とい う利 点 があ る。一 方 、格 子状 の分 割 は、PN間 の境 界要 素数 が短冊 状 の分割 に比べ 少 ない た め 、プ ロセ ッサ 間通信 の通信 量 を減 らす こ とがで きる。 なぜ な らば 、m×mの 要 素 をN個 のPN にマ ッピングす るこ とを考 える と、境 界線 の長 さは、短冊 状 の分 割 だ とmNで あ るの に対 し、格 子 状 の分 割 で は2m>Nと なるか らで あ る。分割 方 法 は 、FORTRANコ ンパ イラ に 対 す る並 列化 指 示行 で指 示 す る。 こ こで配 列変 数 の大 きさを次 の よ うに定 義す る。 大 き さ(size)配 列 の1次 元 当 りの 要 素 数 要 素 数 配 列 に含 まれ る要素 の数2次 元 配列 の場 合size2 また 、計算 で消 費 す る時 間 を次 の よ うに定 義 す る。

(19)

CHAPTER3.超 並 列 計 算機 を用 い た流 体力 学 シ ミュ レー シ ョン と可 視化 100.0 80.0 0 0 6 0 0 4 (8 の ) o 鎖 芒 o 琶 8 × 国 20.0 ロcm5n △cmsn-vector Ocmss OcmSs-vector ,

藤 鷺 

1

轟l/i

0 20 40 ・1:1 Arransize 100120140 Figure3.3:実 行 時 間 ノー ドcpu時 間 プ ログ ラムがPNで 演算 に消 費 した時 間 通信 時 間 プ ログ ラムが ノー ド間通信 に消費 した時 間 計算 時間 プ ログ ラムが 処理 に消 費 した時 間(ノ ー ドcpu時 間+通 信 時 間) 測 定 に用 い た超 並 列計 算 機 はPN数 が64のCM-5で ある 。CM.5上 で の実 行 時 間 内訳 は ・CM-5の デ バ ッガprism[11]を 用 いて測 定 した。 配 列 の大 きさ に対 す る実 行 時 間 のグ ラフ を図3.3に 示 す。 図 中 、cm5nは 格 子 状 の分割 、 cm5sは 短 冊状 の分割 を用 い た場合 の実行 時 間 であ る。 またcm5nv,cm5svは 、ベ ク トルユ ニ ッ トを使用 した場 合 の 、格子 状 、短冊 状 の配 列分 割 法 に よる実行 時 間で あ る。 格子 状 の 分割 と短冊 状 の分 割 を比 較す る と、ベ ク トルユ ニ ッ トを使用 した場 合 も使 用 しない場 合 も、 そ れぞ れ格子 状 の分 割 の 方が 高速 に実行 で きた。 次 に、格子 状 の 分割 に よる 、各 処理 の処理 時 間 につ い て検 討 す る。図3.4に 配 列 の大 き

さが64の 時 の 、 ノー ドcpu時 間 を示す。上段左 のグ ラフのNodecpu(user)が ノー ドcpu

時 間、Comm(NEWS)が 隣接 ノー ド間通信 時 間 で ある。 上段 右 の グ ラ フは 、各 サ ブ ル ーチ

ンの 処 理 時 間 で あ る 。 全 体 の 処 理 時 間 の 殆 ど を 、SOR法 に よ っ て圧 力 に 関 す る ボ ア ソ ン方

程 式(3.20)を 解 くサブ ル ーチ ンp・isnで 消 費 してい る こ とが分 る。下段 は 、サ ブ ル ーチ ン

p・isnに お け る各 文 の実行 時 間 を示 す。740∼800行 は全 配 列 要素 に対 す る計算 を行 な って

(20)

CHAPTER3.超 並列 計 算機 を用 い た流 体 力 学 シ ミュ レー シ ョ ンと可 視化 い る。DataParallelModelに よるプ ログ ラムで は、配列変 数 をス カラー変 数 の よ うに一括 して扱 うこ とがで きる。境界 条件 設 定(730行)は 、全 配列 要素 に対 す る演算(740∼800行) よ りも処理 す る配列要 素 数が 大幅 に少 ないが 、 ノー ドcpu時 間 は同 じ時 間消 費 す る 。 また 差 分式 の計算(720行 、上下左 右 の配 列要 素 との演算)で は 、配列 の全 要 素 を処 理 す るが 、 演算 が 複雑 で あ る ため 、 ノー ドcpu時 間が長 く必 要 とな って い る。 図3.5に 、同サブ ル ーチ ンの 隣i接ノー ド問通信 時 間 を示 す。通信 時 間 は差分 式 の計算(720 行:式(3.20))で 全 て消 費 され てい る。 この時 、通信 時 間は ノー ドcpu時 間の約3倍 で あ るの で 、差 分式 にお け る隣i接ノー ド間通信 は 、並 列処 理 の処 理効 率 に大 き く関係 す る こ とが 分 る。 ノー ドcpu時 間 に対 す る通信 時 間の割合 は、配列 の大 きさが増大 す る に従 い減少 す る。

3.4流

体 力 学 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の 可 視 化

Y 図3.6に 正 方流 れ の圧力 分布 を示 す。圧 力 が低 い領域 は青色 、圧力 が 高 い領域 は赤色 で示 してい る。図 の右 上 の一 部分 に、非 常 に高 い圧 力 の領域 が あ り、 この た め 、右 上 の領 域 以 外 の 図全 体 で は 、殆 ど差 が 分 らな くな ってい る。 図3.8は 、等 圧 線 に よる圧 力 分布 図 で あ る。直 観 的 には図3.6の 方 が分 りや すい が 、この図 で は、圧 力 が高 い領域 が どの よ うにな っ てい るか が 、 よ り正確 に分 る。 図3.7は 、正 方流 れ の流速分 布 で ある。流速 が遅 い領域 は青 色 、流 速 が速 い領域 は赤色 で 示 してい る。全 体 で い びつ な ドー ナ ツ状 の流 れ が生 じてい るの が分 る。 この場 合 も図面 上 端 の領域 の流 れが 非常 に速 い ため 、全 体 の流 速分 布 が分 りに くくな って い る。一 方 、各 点 で の流 れのベ ク トル を示 した図3.9で は、多少 細 か く入 りま じって混雑 してい るが 、全 体 の 様 子 を把 握 しやす く、 また図 の四 隅 に二次 渦が 形成 され てい る様 子 まで 良 く分 る。 3.5ま と め 本 章 で は 、超 並 列計 算 機 を用 い た流体 力学 シ ミュ レー シ ョン とその 可視 化 につ い て議 論 した。 最初 に流 体 力 学 の基礎 方程 式 の差分 法 に基 づ く離 散化 を行 ない 、 この離散 化 方程 式 を用 いて流 体 の数 値 シ ミュ レー シ ョンの典 型 的 な検証 問題 で あ る2次 元 正 方 流 れ を、超 並 列計 算機 の1つ で あるCM-5に 実装 し、その実行 速度 につい て評 価 を行 な った。そ の結 果 、 並列計 算機 へ のデ ー タの割 り当 て方式 は 、短 冊状 に分割 す る よ りも格 子状 に分 割 して各PE に割 り当 て る方式 が よ り効 率 的 に実行 で きる こ とが分 っ た。 また 、求 め た正 方 流 れの圧 力分 布 や流速 分布 を、色 分 け や 、等 圧 線及 び流 線 に よって可 視化 した 。

(21)

CHAPTER 3. MANritUgt ~a

File Options Help

Resources

Total time: 64.27 s Mode: flat

Resource : Node cpu (user) Node Node Comm Comm Comm Comm Node Node cpu cpu (user) (system) (Send/Get) (NEWS) (Reductions) (PM not I/O Node+Comm <--> Node) profiled Total ^ 13.037 s ^ 9.097 s ---133 El 5.864 s U 2.729 s .543 s 1---164.271 MAIN inituvp nseq poisn ^ 13.037 s Procedure: poisn 640 510 700 710 720 730 740 750 800 810 820 830 a a a a a a a Yv cmpp(i,J)= pp(1,J) continue do 20 n = 1,1000 resp = 0.0 ss2(1:ie-1,1:Je-1) = ( cmpp(2:ie,1:Je-1) - 2.0*cmpp(1:ie-1,1:Je-1) + cmpp(0:ie-2,1:je-1) ) / dx2 + ( cmpp(1:ie-1,2:Je) - 2.0*cmpp(1:ie-1,1:je-1) + cmpp(1:ie-1,0:je-2) ) / dy2 ss2( 0:ie:ie , 0:je:je) = 0.0 ss2 = ss2 - ssl cmpp(1:ie-1,1:Je-1) = cmpp(1:ie-1,1:je-1) + omega*ss2(1:ie-1,1:Je-1) ss2 = ss2 * ss2 resp = sum(ss2)

resp = sqrt( resp / float( ( ie-1 )*( Je-1 ) ) ) resat = respl + resp

5. pi Oi Ui • • Ui. 498 s 106 106 106 s s s 106 s a 3.109 s Figure

3.4: J —1 w

nu RAI

Procedure: poisn 640 510 700 710 720 730 740 750 800 810 820 830 a a a a a a a Vv cmpp(i,J)= pp(i,J) continue do 20 n = 1,1000 resp = 0.0 ss2(1:ie-1,1:Je-1) = ( cmpp(2:ie,1:je-1) - 2.0*cmpp(1:ie-1,l:je-1) + cmpp(0:ie-2,1:je-1) ) / dx2 + ( cmpp(1:ie-1,2:Je) - 2.0*cmpp(1:ie-1,1:je-1) + cmpp(1:ie-1,0:je-2) ) / dy2 ss2( 0:ie:ie , 0:Je:Je) = 0.0 ss2 = ss2 - sst cmpp(1:ie-1,1:Je-1) = cmpp(1:ie-1,1:je-1) + omega*ss2(1:ie-1,1:je-1) ss2 = ss2 * ss2 resp = sum(ss2)

resp = sqrt( resp / float( ( ie-1 )*( Je-1 ) ) ) respl = respl + resp

i 111.45

Figure 3.5: !WV Ta*rim

(22)

CHAPTER3.超 並 列計 算機 を用 い た流 体力 学 シ ミュ レ ー シ ョン と可 視化 ■ 一 Figure3.6:正 方 流 れ の 圧 力 分 布(1) 塁 ≡垂 Figure3.7:正 方 流 れ の 流 速 分 布

(23)

CHAPTER3 . 超 並 列 計 算機 を用 い た流 体 力学 シ ミュ レー シ ョ ン と可 視 化 ' PressurofCavity Pressure 'p-mac脚 1.6-。-1.45・ ・・… 1.3... 1.15-・ 一 ・-1-・ … 2 忍 ゐ 4 2 1 8 6 4 2 0 1 1 1 1 . 0 0 0 0 1 0 Y x 1 0 Figure3.8:正 方 流 れ の 圧 力 分 布(2) .

1で

一_

1ミ

ミ1ミ

鰹楕霧一

ALLLLし し AAA轟 轟轟 AAAn`

ー 、 し ム ` ` 4 辱 ﹂ ﹂ ム ム 4 4 4 ` ` ` 亀 & ﹂ ﹂ ム ^ ^ ^ 4 ﹂ 轟 4 4 4 ' ` 4 ` ⋮ δ ` ` ` ` 畠 ﹂ ム ^ ^ ^ ^ ^ 瀦 ^ ^ ^ ^ 4 ^ 4 4 ^ 轟 ム ﹂ ▲ ^ ^ ム 4 ム ム ム ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ 貞 ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^

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9 , ﹁ ワ ワ u ワ げ 蟹 サ リ リ ﹃ ﹁ レ サ サ , , 7 7 7 ﹃ ﹁ レ レ レ , 7 レ レ レ レ 多 " P レ Figllre3.9:正 方 流 れ の 流 線 20   幽 藺一醐 闇幽■■日■■■ 關 ■■■ ■ ■■嗣 ■圃 ■■■ ■ 圏■

(24)

第4章

大脳 視 覚 野 に お け る学 習 シ ミュ レー シ ョ ン

と神 経 細 胞 活 性 パ タ ー ンの 可 視 化

1 4.1は じ め に 大 脳 の視 覚野 におけ る刺 激 選択性 細胞 と して は 、第1次 視 覚野 にお い て、 あ る特 定 の傾 きを持 つ ス リ ッ ト光 が 呈示 され た ときに限 り強 く活性 化 す る方位 選択 性 細胞 が古 くか ら知 られて い る[12]。 近年 、Tanaka【13]ら はマ カカ属 のサ ルの下 部側 頭葉 皮 質(IT野)に おい て 、特定 の単純 図形 や テ クス チ ャ、 コン トラス トの変 化 な ど、中程度 に複 雑 な図形 に対 し て選択 的 に活性 化 す る細 胞 を発見 した。 さ らに、Fujita[14]ら は類似 した図形 特徴 に選択 的 に活性 化 す る細 胞 が皮 質表 面 に対 し垂 直 に分布 し、第1次 視 覚 野 と同様 の コ ラム構 造 を形 成 してい る こ とを報告 してい る。 しか しなが ら、一 つ の コラム 内 にお け る細 胞 間 の結 合 、 コ ラム細 胞 間の結 合 や学 習方 式 が ど うな ってい るか は まだ 明 らか に な ってい ない 。 本研 究 で は、生理 学 的知 見 に基づ い て 、V1野 か ら下部側 頭 葉皮 質IT野 の階層 型 神経 結 合 モデ ル[15]に お け る神経 細胞 の活 性パ ター ンを詳細 に検 討 す る。最 初 に、K・honen自 己 組織 化 モデ ル[16]に 基 づ い た神 経細 胞結 合 モデ ル につ い て述 べ 、学習 シ ミュ レー シ ョンに よ りV1野 の 方位 選 択性 細胞 にお け る生 理学 的 知見 との比 較検 討 を行 な う。 さ らに 、階層 型神 経細 胞 結合 モデ ル の シ ミュ レー シ ョンに よ り、 中程 度 に複 雑 な視 覚 パ ター ンに対 す る IT野 の コラム構造 細胞 の 活 性反応 につ い て詳 し く検討 す る。 また 、階層 型神 経 細胞 結 合 モ デ ルが 、人 間の視 覚現 象 の一 つ で あ るブ ル ドン効 果[17]を 再 現可 能 で あ る こ とを示 す。

4.2大

脳 視 覚 野

4.2.1V1野 視 覚 系 は機 能 的側面 か ら約40の 小 領 野 に分 け られ る こ とが 明 らか に され て い る。外界 の視 覚1青報 は 、 まず第1次 視 覚野(V1野)へ と送 られ る。V1野 は 、送 られ て きた視 覚情 報 を統 合 し、処理 され た情 報 をその属 性 に よ ってV1野 以 降の各 領 野(V2野 、V3野 、V4

(25)

CHAPTER4.大 脳 視 覚 野 にお け る学 習 シ ミュ レー シ ョ ン と神 経 細胞 活 性 パ ター ンの 可視 化 野 、MT野)へ 分 配す る こ とで あ る。 V1野 に は 、特 定 の傾 きを持 つ ス リ ッ ト光 に対 して選択 的 に活性 化 す る細 胞 が多 数 存 在 す る。 これ らの細 胞 は方 位 選択 性細 胞 と呼 ばれ る。 方位 選択 性 細 胞 はV1野 の皮 質上 で無 秩 序 に分 布 して はお らず 、類 似 した傾 きを持 つス リッ トに対 して選択 的 に活性 化 す る細 胞 が 、皮 質表面 に対 して垂直 方 向 に分布 してい る。 皮 質 に対 して垂 直 な柱 状 を成す この よ う な構 造 は コラム構 造 と呼 ばれ 、方位 選択 性 細胞 の場 合 は方 位 選択性 コラム と呼 ばれ てい る。 また、 隣…合 う方位 選 択性 コラム の間 には 、皮 質表 面 に沿 って細 胞 が 最 も強 く活性 化 す るス リッ トの傾 きが徐 々 に変化 す る とい う関係 が あ る。 これ らの こ とか ら、皮 質 内 の あ る点 を 中心 と して時 計周 り(反 時計 周 り)に 個 々の細 胞 の最 適方 位 が連 続 的 に変 化 す るモ デ ルが 報告 されて い る[18]。 4.2.21T野 1 1T野 を破壊 され たサ ル は 、視 覚対 象 を知覚 あ るい は記 憶す る よ うな行 動 課題 が 著 し く困 難 とな る。 この こ とか ら、IT野 は図形 の識 別や 、物体 の認 知 に関 わ ってい る と考 え られ る。 IT野 の細胞 が 選択 的 に活性 化 す る図形 と しては 図4.1に 示 す よ うな逆T字 型 、 ド ッ トで 出 来 た傾 い た線 、星 型 、赤 の よ うな飽和 色 、は だ色 の よ うな不 飽 和色 、2つ の色 が組 み合 わ さった色 、横 縞 、 ド ッ トパ ター ン、濃淡 の勾 配 とい った テ クスチ ャ、及 び これ らの組 み合 わせで あ る[14]。 これ らの図形特 徴 は 、一 つ の物 体 を特 定 で きるほ ど複 雑 で は な く、V1野 の細 胞 の活 性 反 応 を引 き起 こす よ うなス リッ トの よ うに単純 で もない。 また 、IT野 はV1 野 か ら間接 的 な神 経投 射 を受 け てい る。以 上 の こ とか ら、IT野 の細 胞 はV1野 が抽 出す る ス リッ トの 晴報 を統 合 した、単 純 な幾 何学 図形 に選択 的 に活性 化 してい る と考 え られ る。

」」 ⑤

垂 楽.

、 。㊥iiiiiiiiiiiii△

*賦o㊥

Figure4.1:IT野 の 細 胞 が 選 択 的 に 活 性 化 す る 図 形 の 例[14] 22

(26)

CHAPTER4.大 脳 視 覚野 にお け る学 習 シ ミュ レーシ ョン と神経 細 胞 活性 パ ター ンの可 視 化

4.3階

層 型 神 経 結 合 モ デ ル

4.3.1ネ ッ ト ワ0ク 構 造 大脳 視 覚 野 で は、機 能 的 に独 立 したV1野 やIT野 と言 っ た領 野が 階 層 的 に結 合 してい る。物体 認 知 はV1野 に始 ま り、V2野 、V4野 を経 てIT野 でほ ぼ完 了す る と考 え られ てい る[19]。 これ らの 生理 学 的知 見 か ら、IT野 は階層 構造 に よってV1野 の抽 出 した ス リ ッ ト の情報 を統合 す る と仮 定 す る。以 下で は、V1野 一IT野 階層 型神 経結 合 モ デ ル につい て詳 細 に述べ る。 まず 網 膜 か ら第1次 視 覚 野 に相 当 す る神 経結 合 モデ ル と して 、入 力層 と競 合層 か らな る 図4.2(a)に 示 す ネ ッ トワー クを用 い る。 これ をV1野 の神経 結 合モ デ ル と してV1野 モ デ ル と呼 ぶ 。入 力層 に はn×nの ノー ドが 、競 合層 にはm×mの ノー ドが それ ぞ れ2次 元 格 子 状 に配置 され てい る。入 力層 は網 膜 に相 当 し、競合 層 の ノー ドはV1野 におけ る神 経 細 胞 に相 当す る。入 力層 の各 ノー ドは0.0∼1.0ま で の値 を と り、n×nの 視 覚 イ メー ジ を表 現 で きる。視覚 イメー ジ は、入 力層 と完全 結合 したm×mの ノー ドか ら構成 され る競 合層 の各 ノー ドに結 合重 みwiiを 介 して伝 達 され る。V1野 モデ ルの 自己組織 化 学 習 は 、入 力層 に任 意 の位 置 、傾 きを持 つ ス リッ トパ ター ンをラ ンダ ム に呈 示す る こ とに よ って行 な う。 V1野 モデ ルの学 習が 終 了 した時点 で 、図4.2(b)に 示 す よ うに競 合 層 を階層 的 に追 加 した 階層 構造 の神 経結 合 モデ ル(V1野 一IT野 モデ ル)を 構 成 す る。図4.2(c)に 示 すV1野 一IT野 モデ ル にお い て 、入力 層 は網膜 に相 当 し、第1競 合層 はV1野 に、第2競 合 層 はIT野 に相 当す る。 こ こで 、第1競 合層 の結合 重 みベ ク トルはV1野 モ デ ル にお い てス リッ トパ ター ンを学 習 した時 の結合 重 みベ ク トル を用 い る。 第2競 合 層 の学 習 時 に は第1競 合 層 は新 た な学習 をせ ず 、wZゴの更 新 は行 なわれ ない 。 第1競 合層 が第2競 合層 に与 える入力信号 は、図4.2(c)に 示 す よ うに、第1競 合層 が持 つ 入 力層 に図形 パ ター ンが呈示 され た時 の 、第1競 合層 の各 ノー ドブの 活性 値(式(4.4)に おけ る ∫ゴ(u)の値)と な る。学 習 を行 な うの は第2競 合 層 だ けで あ る。第2競 合層 は 、第 1競 合 層 の活 性パ ター ン を入力 ベ ク トル と して ωゴ発を更新 し、学 習 を行 な う。 4.3.2学 習 ア ル ゴ リ ズ ム 階層 構 造神 経結 合 モ デ ル の学 習 に はKohonen自 己組 織化 モデ ル[161に お け る学 習 ア ル ゴ リズ ム を用 い る。入 力層 か ら競合 層 に入力 パ ター ンが 与 え られ た と き、入 力 ベ ク トルE と最 も良 く一 致 す る結 合 重 みベ ク トル を 毘 と し、肌 を持 つ競 合 層 の ノー ドcを 勝 者 ノー ドとす る。す な わ ち、勝 者 ノー ドcお よびW,.は 次 式 に よって定義 され る。 llE一 毘ll=min{llE-w;ll}(4・1) 7 次 に 、 勝 者 ノ ー ドcお よ び そ の 近 傍 …に あ る ノ.___ドの 重 み ベ ク トルw}の 各 要 素 砺 を 次 式 に 従 っ て 修 正 す る 。

(27)

CHAPTER4.大 脳視 覚 野 にお け る学 習 シ ミュ レー シ ョン と神 経 細胞 活 性 パ ター ンの 可 視化 Jk l lW、 」 熱mWjk ・m・g・d・t・ 蕊 ◇ni 割m ... . ...Input -layer competitive-layer1(V1)competitive-layer2(「 「) competitive-layer(V1)(20x20)(20x20) (a)V1野 モデ ル の ネ ッ トワー ク構 成(b)競 合層 の 階層 構造 jR。,p。.sek

¥(Layei2'slnput)

Imagedata

購[》

羅_陶wjk

... .. ... ... ... (30x30) competitive-layerl(V1》competitive・1ayer2(1η (20x20)(20x20》 」 (c)V1野 一IT野 モ デ ル 間 の 階 層 構 造 神 経 結 合 モ デ ル Figure4.2:V1野 一IT野 の 神 経 結 合 モ デ ル 24

(28)

CHAPTER4.大 脳 視 覚野 にお け る学 習 シ ミュ レー シ ョ ンと神経 細 胞 活性 パ ター ンの可 視 化 △賜 一{α(eZ‐wiゴ 0)翻1ぞ 近傍 にある

(4.2)

ω 穿 ω 一 ω 疹d+△ ω 歪ゴ(4.3) こ こ で 、 αは 学 習 率 で あ る 。 ま た 、 図4.3に 示 す よ う に 、 近 傍 ノ ー ド と は 勝 者 ノ ー ド を 中 心 と し た8一 近 傍 距 離dの 範 囲 に 含 ま れ る ノ ー ド を 指 す 。 d=1の 近 傍 d=2の 近 傍 d=3の 近 傍 O O O O 一 〇 0000 000 :。 暑 0O0 0く ラ0ロ レ0 :。 。 。 。 。 0

(Xw・ywin:勝 者 ノ ー ド Figure4.3:近 傍 の 定 義 以 上 の操作 を繰 り返 す こ とに よ り学 習 を進 め 、更 に近傍 半径dと 学習 率 α を徐 々 に減 少 させ る。

4.4V1野

細 胞 の 自己 組 織 化

4.4.1自 己 組 織 化 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン と 重 み ベ ク ト ル の 可 視 化 図4.2(a)に 示 すV1野 モ デ ル を 用 い 、V1野 に お け る 方 位 選 択 性 細 胞 の 自 己 形 成 を 行 な う。 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン で は 、 入 力 層 に30×30個 の ノ ー ド(n=30)、 競 合 層 に20×20個 の ノ ー ド(m=20)を 配 置 す る 。 各 ノ ー ド が 持 つ 結 合 重 み ベ ク ト ル の 各 要 素 は 、 学 習 の 初 期 状 態 に お い て0.0∼1.0ま で の 乱 数 値 で 初 期 化 さ れ る 。 こ の よ う に 構 成 し た ネ ッ ト ワ ー ク に 対 して 、 中 心 位 置 、 傾 き 共 に ラ ン ダ ム な 値 を 持 つ ス リ ッ トパ タ ー ン を25000回 入 力 層 に 呈 示 し 、 先 に 述 べ た 自 己 組 織 化 ア ル ゴ リ ズ ム を用 い て 学 習 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を行 な う 。 学 習 前 の 結 合 重 み ベ ク ト ル の 初 期 状 態 を 図4.4(a)に 示 す 。 結 合 重 み ベ ク トル は 、 図4.4(b) に 示 す よ う に 、 競 合 層 の20×20の 各 ノ ー ド に 対 し て 、 そ の ノ ー ド が 持 つ 結 合 重 み ベ ク ト ル の 各 要 素 の 値 を30×30の2次 元 平 面 に 表 示 さ れ て い る 。 各 要 素 は0.0∼1.0の 値 を と り、 要 素 の 値 が 大 き い 点 ほ ど 明 る く な る よ う に 表 示 し て い る 。 ま た 、 学 習 率 の 初 期 値 αi。i=0.2 に対 し て 近 傍1の初 期 値dini=10の 時 の 学 習 終 了 後 の 結 合 重 み ベ ク ト ル を 図4.4(c)に 示 す 。 図4.4(c)よ り、 競 合 層 の 各 ノ ー ド に お け る 結 合 重 み ベ ク ト ル は 、30×30の 配 列 の 中 で ほ ぼ ス リ ッ ト状 の 形 状 を 示 し て い る こ と が わ か る 。 競 合 層 の 一 つ の ノ ー ド に お け る 重 み 結 合 の 一一つ 一 つ は 、 入 力 層 の ノ ー ド と 一 対 一 に 対 応 し て い る 。 学 習 に お い て 結 合 重 み ベ ク トル は

(29)

CHAPTER4.大 脳 視 覚 野 にお け る学 習 シ ミュ レー シ ョ ンと神 経細 胞 活 性 パ タ ー ンの 可視 化

熱 30_ こ い' ノ ノ , ,, 1 -1 ー / / ノ ー ー ー ー ー ー 1 ー 、 、 ' / , , ' " , , , , ' " 〆 ! ノ ノ " , ∼ ﹁ ノ ' ノ / ! ! ' ノ ノ 〆 ! ノ , , ' ノ ノ / ' ノ ノ ' ノ ノ ・ . ' , ∼ " . ρ ' げ げ " 一 〆 . ノ , 、 、 、 、 隔 一 ﹁ 剛 一 一 ・ , ' , . ﹁ " ! ノ ' ー ー " ノ ' ノ 〆 ー ' ,' 〆 / 〆 〆 ー i ' ! 〆 ・ ' ー r , / / 1 ' " ノ / ' 6 . ノ ー ノ ノ " ノ ・ " ノ ー ノ , 卜 二 二J二. に ∵ 、..1

◎i黙

るち "い こ1:1二 r' (a)初 期 状 態 (b)各 ノ己 ドの結 合 重 み(c)学 習 終 了後 の結 合 重 みベ ク トル ベ ク トルの表 示方 法 Figure4.4:結 合 重 み ベ ク トル の 状 態 変 化 入 力 ベ ク トル との差 分 が小 さ くな る よ うに各 要 素 の更新 を受 け る。 したが って入 力層 に与 え られ たス リッ ト状 のパ ター ンが 、結合 重 み の2次 元 パ ター ンに反 映 され て い る。 4.4.2V1野 細 胞 活 性 パ タ ー ンの 可 視 化 出力関数の定義 学習 時 にお い て は、各 ノー ドの 出力 関数 は特 に定 義 してい なか った。各 ノー ドの活性 値 を調 べ る に当た り、そ の 出力 関数 を以 下 の よ うに定義 す る。 1 ん(u)=1+exp{ ,Q(u一 θ)}

(4.4)

駕=Σ(W;・ ・E)(4.5) ゴ こ こで ・以u)を 競 合層 の ノー ド ゴの 活 性値 、W;は 競 合層 の ノー ド ゴが持 つ結 合 重 みベ ク ト ル、Eは 入 力 ベ ク トルで あ る。式(4.4)は シグモ イ ド関 数 と呼 ばれ る。βは シ グモ イ ドの 立 ち上 が りの急竣 度 を決 め るパ ラ メー タであ り、θは 閾値 で あ る。β、θを適 当 に調節 す るこ とによ って式(4.4)は 閾値 関数 と して用 い る こ とが 出来 る。す なわ ち、 こ こで競 合 層 の各 ノー ドは典 型 的 な人工 ニ ュー ロ ンモ デ ル と して定 義 され る。 ス リ ッ トパ タ ー ン に 対 す る神 経 細 胞 活 性 パ タ ー ン 競 合層 ノー ドの 活性 パ ター ン を調べ るため の テス トパ ター ンは 、中心 の座 標 が 入力層 の 中心 にあ り、ス リッ トパ ター ン を0度 ∼150度 まで30度 ず つ 回転 させ て作 成 す る。学 習終 26

(30)

CHAPTER4.大 脳 視 覚野 にお け る学 習 シ ミュ レー シ ョン と神 経 細 胞 活性 パ ター ンの可 視 化 了後 のV1野 モデ ルの 入力 層 にテ ス トパ タ0ン を呈 示 した時 の競 合 層 ノー ドの活 性 パ ター ンを図4.5(a)に 示 す。各 図 の上段 には呈 示 したス リッ トパ ター一ンを示 した。下 段 は20×20 の競 合 層 ノー ドの活性 値 を立 体 的 に表 してい る。活性 値 の大 きな ノー ドほ ど赤 く着 色 し、 立体 的 に も標 高 を高 く表 示 して い る。 図4.5(a)よ り、特 定 の傾 きに対 して選 択 的 に活 性化 す る ノー ドは 、競 合 層 の 中で ま とまっ て存 在 して い る こ とが分 か る。 また、傾 きの連続 的 な変 化 に対 して競 合層 にお け る活 性化 ノー ドの位 置 もほ ぼ連続 に変化 してい る。す なわ ち 、互 い に傾 きの 近 い ス リッ トパ ター ン に対 して活性 化 す る ノ.__.ドは、競 合層 内 で も互 い に近 い位 置 に存 在 して い る 。 この こ とか ら、V1野 モデ ルの入 力層 と競合 層 との問 で、ス リ ットパ ター ンの傾 きに関 して トポ ロ ジカ ルマ ッ ピングが 学習 に よって形成 され た こ とが 分 か る。 以上 の こ とか ら、V1野 モデ ル はKohonen自 己組 織 化 モデ ル に基 づ く学習 ア ル ゴ リズ ム に よ り、特 定 の傾 きに対 して選 択 的 に活 性化 す る、す な わ ち方 位 選 択性 を持 つ ノー ドを競 合 層 上 に形 成で きる こ とが分 か る。1 図4.5(b)に 、傾 き0度 で 、位 置 の変 化 す るテ ス トパ ター ンを呈 示 した時 の 、競 合 層 ノー ドの活性 パ ター一ンを示す 。傾 きの異 なるス リッ トの呈 示実 験 と同様 、ス リッ トの 中心 位 置 に対 応 して 、活 性 化 す る ノー ドが競 合 層 内 で移 動 して い る。 この こ とか ら、V1野 モ デ ル は、位 置情 報 に も選択 的 に活 性 化 す る ノー ドを競 合層 に形成 で きる事 が 分 か る。

4.4.3生

理 学 的 実 験 結 果 との 比 較検 討

BlasdelとSalama[20]は 、サ ルの脳 の視 覚 皮 質 にお い て 、ス リッ トパ ター ンの傾 きに対 す る細 胞 の活 性分 布 を生 理 学実 験 に よって詳 し く調 べ た。図4.6(a)は 、サ ルの視 覚 皮 質 に おけ るス リッ トパ ター ン に対 す る活性 分布 を、電 圧 感 受性 の あ る色 素 を用 い て 可視 化 した もの で あ る。図4.6(a)よ り、特 定 の傾 きに選択 的 に活 性化す る細 胞 は皮 質表 面 にお い て帯 状 あ るい は斑 点 状 に分 布 してい る こ とが 分 か る。 そ こで 、ス リッ トパ ター ン学 習後 のV1野 神経 結 合 モデ ルにお い て 、Blasdelら と同様 の 観 点 か らス リットパ ター ンの傾 きに対 す る競 合層 ノー ドの活 性パ ター ンを色 分 け し、各 ノー ドにおけ る最 適 方位 の分 布 を調 べ た。図4.6(b)が 可 視 化 の結果 で あ る。 図4.6(b)の 右側 に 示 したス リッ トの色 は、 それ ぞれ の ス リッ トが持 つ傾 きを最 適 方位 とす る競 合 層 ノー ドの 色 と対応 してい る。 図4.6(b)よ り、そ れぞ れ の傾 きに対 して選択 的 に漕 性化 す る ノー ドの 集 合 は 、競 合 層 内 で ほぼ帯 状 あ るい は斑 点状 に分 布 してい る。 この活 性 分 布 は 生理 学 実験 に よ り得 られ た図4.6(a)の 結 果 と定 性的 に一致 す る こ とが 分 か る。

(31)

CHAPTER4. 人」悩 視 覚 野 にお け る 学 習 シ ミュ レ ー シ ョ ン と 神 経 細 胞 活 性 バ タ ー ン の ロ∫視 化 ■ 呈示パ ターン→■■ 呈示パターン」 図 呈示パ ター ン.』薗

1

(a)傾 きの 変 化 に 対 す る 活 性 パ ター ンの 変 化 旱示パ ター ンji旱 示パ ターンー■ (b)呈 示 位 置 の 変 化 に 対 す る活 性 パ ター ンの 変 化 Figure4.5:ス リ ッ ト パ タ ー ン に 対 す る 神 経 細 胞 活 性 パ タ ー ン け ヨコ

、 斡

乱1

1、

」=

墜',

(a)生 理学 実験 に よる方 位選 択生 細 胞 の分布[20】(b)競 合層 にお け る最 適 方位 の分 布 Figure4.6:生 理 学 実 験 結 果 と の 比 較 28

(32)

1 CHAPTER4.大 脳 視覚 野 に おけ る学習 シ ミュ レー シ ョン と神経 細 胞活 性 パ ター ンの 可 視化

4.51T野

細 胞 の 自 己組 織 化

4.5.1V1野 一IT野 の 階 層 型 神 経 結 合 モ デ ル V1野 モデ ルは 自己組織 化 に よる学習 に よ り、入 力層 に呈 示 され た図形 に含 まれ る線分 要 素 の位 置 と傾 きを、競 合層 ノー ドの活 性パ ター ンで表 現 で きる。 こ こで 、方位 選 択性 を学 習 したV1野 モ デ ルの競 合 層(第1競 合 層)に 階層 的 に第2競 合層 を付 加 した神 経結 合 モ デ ル を考 える。 第2競 合 層 の各 ノー ドは 、学習 済 み の第1競 合層 の活性 パ ター ン を用 い て 自己組 織化 に よる学 習 を行 な う。 したが って 、第2競 合 層 の各 ノー ドは 、線 分 の組合 せ で 表 現 され た幾何 学 図形 に対 して選択 的 に活性 化 す る可 能 性が あ る。 そ こで 、 図4.2(c)に 示 すV1野 一IT野 モデ ル を用 い た第2競 合 層 の 自己組織 化 学 習 につ い て詳 し く検 討 す る。 4.5.2自 己 組 織 化 学 習 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 入力層 に呈 示 す る学 習パ タ0ン は図4.7(a)∼4.7(k)に 示 す幾何 学 図形 を ビッ トマ ップ化 し た もの とす る。 それ ぞれ菱 形 、平 行 四辺形 、四角 形 、長 方形 、直角 三角 形 、二等 辺 三角 形 、 三角 形 で あ る。 これ らの図形 をそれ ぞれ0∼350度 まで(た だ し、180度 の 回転 で元 の 図形 に戻 る もの は0∼170度 まで)、10度 ず つ回転 させ合計288の 図 形パ ター ンを作成 した 。288 パ ター ンの うち144を 学 習 に用 い 、残 りの144は 、学習 終了 後 の テス トパ ター ン と して用 い る。 (a) (b) ( C ) (d) (e) ( f) (9) (h) (●-) ●-) ﹂ ( (k) Figure4.7:第2競 合 層 に お け る 学 習 パ タ ー ン 144の 学 習 パ タ ー ン を 用 い て 、 第2競 合 層 の 自 己 組 織 化 学 習 を 行 な う 。 学 習 の 初 期 状 態 に お い て 、 第2競 合 層 の 結 合 重 みwjkは0.0∼1.0の 範 囲 の 乱 数 値 で 初 期 化 さ れ る 。 第1競 合 層 の 結 合 重 み ω歪ゴはV1野 モ デ ル の 方 位 選 択 性 の 学 習 に よ っ て 得 ら れ た 結 合 重 み ベ ク トル を 用 い る 。V1野 一IT野 モ デ ル の 学 習 で は 、 第1競 合 層 の 結 合 重 み ω♂ ま一 定 で あ り、 第2 競 合 層 の み で 自 己 組 織 化 学 習 を行 な う。 第1競 合 層 の 結 合 重 み は 、V1野 モ デ ル の 学 習 シ ミュ レ ー シ ョ ン(学 習 率 の 初 期 値 αi.i=0.3、 近 傍 半 径 の 初 期 値d;。i=10)の 結 果 を 用 い た 。 第2競 合 層 の 学 習 パ ラ メ ー タ も 同 じ く αi。i=0.3、d;。i=10と す る 。 学 習 回 数 は25000回 で あ る 。

Figure 3.5:  !WV  Ta*rim

参照

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