知識の構造と子供の概念
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(2) . 知識の構造と子供の概念. 平. 1. 序. 弘. 論. 受取る子供の概念 がいかに同化 教授・学習過程は基本的に与えようとする知識の構造と, それを ) と如何に 作業 (knowi ngthat すること である, 教育心理学者 は知識 を二つに分類し, これは知る. 1 ( ) (dec ive larat ive knowl edge igurat (knowing how) の 区 別 で あ り, こ れ ら は 各々f 1 9 8 7) 2 i f ( } 最 R 近 ( ばれ る 呼 , edge ) と , e 2 ( } i edgem( ) と operat proceduralknowl veknowl knowl edge d l knowl edge) ( , 行 i edge) i de t ve knowl r , 手 続 的 知 識 proce ura s c 的知識を表示的知識 ( p. 知る か. は科学 ) の三つに分類し, これは知識形成のメカ ニズムそのものを表現し i l edge 動的知識 ( edknowl comp 造の対応を示している, ている, 基本的に, これらの事実は知識の生産過 程と生産物の構 視点に集約され, これらが教授o それ故, 教科教育研 究の視点は子供の側の論理と知識の構造的 る資料 が集積されつつ ある が, そ 学習論, 教育課程論に自然に導かれる, 最近, 子供の概念に関す ムの時期 と考える, 一般的に, これら の系統性と科学性に関 して混迷の段階であり, プレパラダイ. 6 ) ( ), 変則的概念 4 i ) spontaneous reason { ng edge , の 概 念 は自 然 発 生 的 概 念 (spontaneous knowl 1 1 ) ( ) } 1 0 } 9 ( ( ), 先 行 概 念(preconceptons 8 ) a i , 誤 ) ~ ( 6 ( iveconcept ons ternat ivef l (a rameworks ternat , l 1 d 3 ( ) ’ ( i 念 t ‐ e i prva e un r i ldrenssc ( 6埠2 ) 念 (ch ence ) ) , 私的概 謬概念 (misconceptions , 子 供 の概. 一致しないというこ とである, こ 1 4 } ( ) と呼 ばれている が, これらの共通点 は科学的概念と i t ng s and 上げられるかという根本問題 と関連 し れらの子供の概 念に関す る多様性は人間の知識 が如何に作り て い る た め で あ る,. 知識転換 を基に, 所謂子供の先行概念を そのため, この論文 は知識の構造, 科学史的視点からの 分析・総合 し教授・学習過程の基本 的意味を検討する,. 2. 科学史的視点からの知識転換-化石概念を例とし 著者に ) の研究成果を利用 し, 次のパ ラ ダイムと概念の区分, 定義は 1 982 この資料 は Gr ry ( ego よ る,. @ ) 前パ ラ ダイム期 1. 直 観 的 パ ラ ダイ ム. lowざ (Bra toneswal l bi (T i t ) “s. r o es, tstoneざ 二千年前のギリシャ, 中国において化石をでba 比較, 類推に えた 考 , これは現 生動物との ) と呼 ばれ, その成因 は海進による海棲動物と i s opod ch が 部分的にそ の成因を鉱物 一 より推定され, この考え は化石 成因に関する現在の考えと同 である , は他に影響される概 念がないため, と同じく 岩石中で 生成したと考え, これらの化石に対する見方 177.
(3) . 平. 一 弘. 非常 に直観的 である. 2 文化的パ ラダイム 中 世 紀 に お い て 化 石orf igureds t onざと呼ばれ, その成因 は宗教 的起源 の洪水説 を中心 に 海進 , , 自然の気まぐれ 1ast Cforces( i format ivev i tues)と 多 種 多 様 である.この中 でレオナル ド(L r eonardo) と フ ラ コ ス ト ロ (Francos toro) は自然観察とその推 論によ り f i d は本来. t 生物 であり, e s one , gur 生息場所から運 ばれ 海に堆 積したと考えている しかし全 般的 に, この時期の化石の見方は観察 , . に基づく推論が, 形而上学的パ ラダイム を越えることはなか た っ , ( B ) パ ラダイムの形 成期 3 方法論 的パラダイム 16~17世紀 における解剖学 の進歩と顕微鏡の発見 は化石 を生物起 源と認知. した, 不可思議 な問題 はこの種を過 去のある時期に絶 滅した生物の可能性を認めたが 一般 的な考 えは別 の大陸, 深海 に生息する と解 , 釈した, この時期の化 石に関す る重要な進歩 の一つは 化石にお ける相対年代的 意味の萌芽 である , . しかし, 全体的 に洪水説の影響は消 えることがなか た こ っ , の時期の全般 的特 徴は科学的方法論 の 確立 により, 知識が科学的方 式によ り転換したこと であり これ ら方法 の確立は多様な観察と問題 , を提起し, 洪水説の様な宗教的概念もプラスの方 に働いた これら の事実は科学的概念の確立に方 , 法論がいかに重要かを示してし、る . と し た 残 っ た の はア ン モ ナイ ト の 様 な 絶 滅 種 に 関 す る こ. と で あ る. フ ッ ク (Hook. 4 意味論 的パラダイム 18世紀において化石 に関する質 的進歩 は 層序 の確立と絶滅 種の解 決である, , 層序 の基本的意味は1 669年ステノ (St )によ り示されているが この時期に入ると ア ルディ ノ eno ,. ウ(Ardu ino)ら に よ り そ の 意 味 は確 立 す る(現 代 の T t , imary eriary は Pr iary t , Secondary , Ter. の地層 区分から由来す る) h) は1796年頃, 化石 を対比し層序の手段とし 地 t , 英国のスミス (Smi , 質図を完成する,1800年初頭 フランス ニ ュ ーヨークにおい て同様に化石 は地 質学的 に利用され , , , 1 840年代において化石 による地質年 代が完 成する , t t k ”と呼ばれた絶滅種 は 前世 紀フ un nowna ima l n ック (Hook , ラ イ ブ ニ ッ (Leibni , t s) によ り既に地 球上から絶 滅した生物と推定 されたが 一般 的には別の大 陸 海洋に生 息し ていると考 え , , られた. しかし, 外の世界 から新しい情報 はこれ ら一般的考えには 否定的であ り, また新しい化石 の詳細な観察, 同一層準 における別 の化石からの生態の推察等は絶 滅種が過去 のある時期 に生息し ていた生物 と断定した, この時期の全体的特徴 は地層累 重法則 という独立 した概念体系か らの相対 時間が化石に適用 され その結果として化石における相対年代 , の概念が確立 した. これ は化石とい う概念の基本的意味の成立である . 5. 論 理的 パ ラ ダイ ム. 1 9世紀は化石本来の性質としての進化概 念の導 入の時期 である これ は現生生物を対象としたダー , ウィ ン による所が大 であり 古生物学的課題は生物が連続的 に進化する か,不連続的かが問題であっ , た. これは地球の歴史的長さを決定する際の重要な鍵 であり . i ) はパ リ盆 e r , 最初キュ ビァ ‐ (Cuv 地の化石の産状とその環境の変化か ら 化 石 の 絶 滅 は” “ h t t i c な も a a s の と r 予 想 op c し た, そ の後, 各 , 地 の研究から中 間的動物 ( i i t n t ima rmed l ) が発見され, また ライエル(L e e a ean s l ) yl , 漸移主義の 178.
(4) . 知識の構造と子供の概念. な た ck) 等の影響により, 生物進化は漸移的と考 えられる様に っ , ラマルク (Lamar 期の最大の これら化石における 生物進化の問 題は化石概念の意 味の拡大を意味し, これがこの時 特徴である, 上記の歴史過程 は理科教育的視点から次の様に要約される, 的知識 は 化石の概 念形成の過程 はHCIからHC5に分類され(図1) , この過程によると科学 念 (HC2) を経由し形成される, これらの直 観的, 形而上学 直観的概念(HCI) , 形而上学的概 これなくして知識 的概念 は固有の言語を有 し, これらは一時的 に科 学的概 念の前進の妨 げとなる, の成長 はあり えない, ①. プ レパ ラ ダイ ム 期. tone … … … … … …… … … … … … …… … H C 1 1 化石 → Bat s t 2 化石→ Fi one … … … … … … … … … … …… … H C 2 gureds. パラダイム期 3化石→生物 ………………………………………………HC 3 ↑ 方法論 4化石→絶滅種→相対年代 ………………………………HC 4 ↑. ,. 層序 5化石→中間種→進化 ……………………………………HC 5 ↓ 古環境→地球の歴史 図1. ②. 化石概念の歴史的変遷. 一歩 は固 ある自然現象の説明 は固有なパ ラ ダイムの産物であり, 科学的パ ラ ダイムの形成の第. 有な方法論の確立である, り ま 科学的概念 の意味の形成は中間概 念, 関係概 念 (図1-4の層序) が不可欠的要素であ , た意味の成長とは具体的概念への分化と考える.. ③. 3. 知識の構造一化石概念を例とし 19 87 ) は科学的知識 を表示的知識 (DK) , 行動的知識 (CK) に区分 i f( Re , 手続的知識 (PK) 関係であり, 味 した. 表示的知識 は概念の基本的明示であり, 手続的知識 は概念の意 , 即ち概念群の fの定義 とは多少ち がう) と考えられる, i 行動的知識は現象の直観的説明 (Re ’ 1 6 { 〉と明示さ t過去の 生物の遺体また は遺跡が地層 中に埋没・保存されたもの’ 化石の表示的知識はt. 味を内 れる. しかし, 化石概念は年代的意味(地層の対比) , 環境論的意味, 生物学的進化という意 方法 包し, これらの概 念群がある関係を形成し, 手続的知識 を作る, さらに, 古生物学者は科学的 一連の系列から を含む, 知識のパターン から, 一個 の化石の年代と 生息環境を推 定し, 同時にその 進化を論じ, 地球の研史を逆に推察する, このゴつの知識の関係を図2にまとめた,. 179.
(5) . 一 弘. 平 4. 知識 の生成過程と知識の構造. 化石の知識体系 は, 前述したように複雑 な誤謬概念 を経ること により(図1) 新しい科学的 概念 , 体系を形成 する(図2) 1 7 }さら . 知識は基本的 に, その知的環境との対応 で存在することが理解 され{ , に, 知識 の生成過程と最終産物 の間に概念形成 において微妙 なる差が観察される (図1-3と図 2 の表示的知識, 図1-4と図2 の手続的知識 図1の5 と図2の行動的知識) それは絶 滅種の中間 , . 種といっ た中間概念と, 層序とい っ た関係概念であり さらに科学的概念全体 は直観的 , , 文化的な パ ラ ダイムと いう先行仮設 の上に成立している . 知識の形態. 説明・関係概念. 表示的 知識. 過去の生物の遺体または遺跡が地層中に埋没・ 保存されたもの 化石→相対年代 \. 手続的知識. ↓ ↓↑ 環境 進化 ↑. 生物. 化石→示相化石. 行動的知 識. \. } 地球の歴史. 示準化石 図2. 化石概念の構造. これ らの事実は知識形成における”誤謬“は 本来避けられなし・要素であり 完成された知 識はこ , , れらの内的誤謬を除去, 簡素化すること により成立している 基本的 に教えると いう事は, これ ら . 完成さ れた知識を再度溶解 し 各々 の概念から知識体系を再 び作る作業であるなら , , 系統発生的 に 折出された一 連の概念 体系は個体発生的に創造 される誤謬概念を考 える場合の重要視点と 考える. また, この系統発生的概念と個体発生的概念の類似性は多くの研究者 により指適 される事実 でもあ 1 8 1 9 ) ( ) る( .. 5, 子供の誤謬概念. 子供の誤謬概念 は序論 でまとめられている様に多くの報告がなされているが 方法も内容も混然 , としている,これ らを前述した知識の生成過程と知識 の構造的視 点と知識の内的同化過程を考慮 し, 系統的 な配列を試 みる. ①HC1 (図1参 照)/直観的 概念:これ は感 覚的要因 によ り発生す る誤謬概 念を示 し, 所謂. “ 2 0 2 1戸 は こ れ に該 当 す る intui ( ) ( ive no counter t ion t. .. ②HC2/変則的概念:これは文化的 あるグループにおける共通 の形而上学的説 明を基礎とす , る概念群 であ り, 所 謂”al ivef ternat 2 2 { ) l f rameworkず ”se i fy in be l i f ず ば ‐ver と 呼 れ る概念 がこれ e ,. 180. g.
(6) . 知識の構造と子供の概念. に相当する. 2 3 }であり,次の三つ は学校 教育における形式的 ◎( この2つ は生活経験から由来する自然発生的知識 知識の同 化過程で 生れる誤謬に該当する, 理解し, 行動 的知識でそのパター 科学的知識は表示的知識から出発 し, 手続的知識でその意味を ) 短期的記憶 (STM) , 長期的 ンを知 る. 内的過程 からいうと, 人間の知識 は感覚器官 (SIS , がら 復しな ゾーンを往 ) 知識の体系はこの三つの 2 4 ( 2 5 { ) , 記憶 (LTM) の各々の容量により保存 され される知識の構 造は命題, イメージ, エ ピソー ド, 技能 が 2 6 ) 形成さ れる( , 最終的に, 長期的 に記憶 2 7 記憶されている知識体系 は短期 ( ) ある関係を有し ながら有機的に存在している , 一般的に長期的に 造と知識の同化の過程 は生産 2 8 ) 2 4〔 . 基本的に, 科学的知識の構 のより概 念同士の関係が密とされる() 虚像との関係でもある. それ故, 図3 された商品と, 生産する過程との関係であり, これは実 像と は人間の知識形成過程 (記憶の過 程) と知識の構 造との関係を示す, MC 2 C2 -. DK. PK. MC3. C3. -. CK. 工 S) , 図3 知識の構造 (DK, PK, CK) , 記 ・億 (LTM, STM, S 誤謬概念 (MC1,MC2,MC3) ,C2,C3) の関係 , カリキュラム概念 (C1. 示され, これは一時的に記 ③HC3/MCI:科学的知識 は初めに表示的知識 C1という形で提 とする. これに該当する 憶に保存される. この伝達過程と解釈の過程で発生する誤謬概念をMC1 はこれに属する, タイ プ的例はまだ報告されてない が, 一般的にテストで選別されるもの が与えられ, これは概念 ④HC4/MC2:次に知識 はその意味 を理解する ため, 別の概 念C2 教授・学習過程の誤り はこの過 の結合, 分化を意味す る. この時発 生する誤謬概 念をMC2とし, 0 9 3 Champagne(1981) ら に よ る 岩 石 の 分 類 を 取 扱 っ た, 概 念 3 2 } ( ) ) ( 程 に 多 い( , こ の 代 表 的 例 と して,. 供と, 各々の概念 が断 図による概念構 成の5つの分類であり, これらの特徴 は概念関係の密なる子 片的な子供の比較である. 2 3 ) この時発 生する誤謬 ( ⑤HC5/M C3:知識形成の最終段階は知識のパターンの形 成であり , ’ ’ t t が l i ar umentpattern(33), 概念をMC3とする,これに対する分析研究は明確に存在しない , Toum n g 4m によ る 現 象 に 対 す る 説 明 の 分 類 はM C 3測定に役立つ可 能性 がある, ( 3 tvee ma i t ppng. 181.
(7) . 平. 一. 弘. 6, 子供の誤謬概念と教授・学習過程. 教授・学習サイ ク ルは一 般 的 に, awareness(A). l i br ium(ゆ, reformul 4 { }の 流 れ で sequi ion( R ) , di at. あり, これはP i tの同化・調節過程である. この流れと 子供の誤謬概念 から図4に教授・学習 age 過 程のモデルを提示する.. 人間の知識は前述したよう に あ るパ ラダイム の産物であ り 概念の誤 りは避 けられ ない. 教授・ , , 学習過程 とは, 要す るにこれらの誤りを修正 し 新しい概念 に転換し ていくことである. その出発 , 点は自然発生的知 識 (PC:直観的概念 変則的概 念) であり これが カリキュラムの表示的知識 , , C1と同化 し, MC Iを形成する さらにMCIは手 続的知識C2で , その意味 を理解し, MC 2 に 転換する, このMC 2 はその知識固有 のパターンC3と同化し MC3 を作る. そして, 最後に誤 , 謬概念MC3 は再度CIに転換 されなければな らない これらの知識の同化過程 は各々 の固有な概 , 念構造 を調節するか 与えよ うとす る概念を変化 しなければならない , それ故 , , 教授・学 習過程と は, 多様な誤謬概念を検 討しなが ら 教材を通し連続的 に変化する誤謬概念を 科学的概 念に接近さ , せる作業 である. これらは完全に重複 すること は基本的 にありえな い. 何故なら, 科学の知識体系 そ の も の が あ る 種 の“合 意”で 成 立 し て い る か ら で あ る{ 3 2 ) .. 7. 結. 論. この小論文は次の3つの結論 を与える . ①誤謬概念は歴史的過程, 知識 の修得過程 から5 つの概念 に分類される (表1) .. ②誤謬概念発生の要因は感覚的直観 形而上学的先行仮説 問題意識の未分化 , , , 科学的方法論の. 未分化, 関係概念, 中間概念の不成立 知識 の上位概念とそのネ トワー クの未 分化である. これ ッ ,. ら の 要 因 は 知 識 転 換 の 因 子 と し て 既 に 認 知 さ れ て い る“ { 3 5か“ex lanator i metaphys l i cal be ef s y , p 3 ( 5一“methodolo i ideal { 3 6一 に部 分 的 に対 応 す る s gcalchange , ,. ③これ ら概念を基本とする教授・学習過程 のモデルを提供し (図4) これが 学習する側 の論理と , 与えようとする 科学の構造との接点を意味し これが所謂教科教育 学の出発 点と考える, ,. 誓嚢墓灘におけ 護的概念 路喜磁 議 子供の誤謬概念 プレパ ラ ダイ ム 期. A. HCI. 直 観的 概 念. H C2. 変則的概念. l i PC リ ム. パ ラ ダイ ム 期 HC3 HC4 日C5. 表1. ・. CI. MCI. ? リ. PK C K・ ・一. C2. MC 2. i 4. C3. の 関 係,. 182. R. 十C I→MC I. MC I 十 C 2→MC 2. DK. MC 2 + C3→MC 3. MC3. 歴史的過程の概念, 学問的概念 カリキ ラム概念 , , 子 供の概 念. D ,. 図4. MC 3→ C I. 誤謬潔念 による教授.学 習 過 程. ア ル フ ァ ベ ッ トの略 語 は本 文参 照 ,.
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