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Academic year: 2021

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特 集 序 文

特集:「複合微生物が切り拓く環境バイオテクノロジー

∼社会実装のための複合系微生物の有効利用と機能理解∼」に寄せて

前 田 憲 成

Toshinari Maeda 環境中での様々なバイオプロセスは,二種類以上の微生物が複雑に関わり合い,多種多様な微生物活性が 発現する。複合系微生物によるバイオプロセスは,単一微生物系と比較して,複合基質の変換効率が高い, 殺菌が不必要である,エネルギーコストが安いなど,社会実装技術として活用する上で利点が多い。近年, 次世代シーケンサーが登場してから,容易に微生物群集構造が解析でき,主に分類学的位置関係から微生物 の機能を推察できるようになったが,プロセスにおける微生物活性と細胞レベルでの機能や活性を明確にし ていく研究は未だ発展段階であり,複合微生物の機能の理解を深めることが強く求められている。そこで, エコノミーとエコロジーの両立を目指した環境バイオテクノロジーの理念のもと,バイエネルギー生産や環 境保全などに関わる複合微生物の有効利用と機能理解の研究,および実際に社会実装を指向した研究を進め ている新進気鋭な研究者を集めてシンポジウムを開催した。 本特集は,その日本農芸化学会 2016 年度大会にて開催されたシンポジウムの講演内容の一部をまとめた ものである。シンポジウムの講演者は,海洋バイオマスの徹底利用,複合系微生物系を用いた有価物変換法 の制御と体系化,下水汚泥のメタン発酵向上化のための細菌間相互作用の理解,複合系微生物系における細 菌間シグナル伝達の理解,海底メタン生成環境中での共生関係の解明など,極めてホットな話題を提供する ものであった。本特集の寄稿を目にする未来を創る若手研究者が,複合系微生物の難しさと同時に,魅力・ 面白さを感じ,複合系微生物の機能を最大限に活用できる技術を築いていくことは,現在我々が抱えている, 環境問題およびエネルギー問題の解決につながると信じる。この特集が,今後の環境バイオテクノロジー分 野の研究の発展に繋がることを期待する。 (九州工業大学大学院生命体工学研究科)

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