• 検索結果がありません。

効果的な軟膏処置指導を考える

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "効果的な軟膏処置指導を考える"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

効果的な軟膏処置指導を考える

       4階西病棟       ○吉岡 千恵 山下 千砂 田中 啓美        坂本 美和 西浦 美樹 安田 昌美        安岡 秀子 彼末 京子 藤丸香代子 1 はじめに  皮膚科において,再発を繰り返す疾患の中でも,根本的な治療が未だ見いだされず,軟膏 処置を必要とする疾患は少なくない。そのため治療の一環として,軟膏処置の果たす役割は 大きいと思われる。  しかし,現状として軟膏処置に対する患者の認識は浅く,また看護婦側の指導も不十分で あったため,軟膏処置が効果的にできていないのではないかと考えた。そこで入院中の軟膏 処置を徹底させ,退院後も継続できるような指導を再考したのでここに報告する。 2 研究方法  1)現状の把握   a.チェックリストによる軟膏処置の現状調査(対象:入院患者7名)   b.入院前の生活についてのアンケート(乾癖患者2名)  2)軟膏処置に対するパンフレット作成    患者側&看護婦側  3)退院時のパンフレット作成,指導 3 結果・考察  軟膏処置の現状を把握するために,現在軟膏処置を行っている患者に対しアンケートを とった。その結果,軟膏処置の時間が一定していない,指示された軟膏が適切な部位に塗布 できていない,軟膏の塗布方法が悪い,軟膏処置の重要性が認識できていない事がわかった。  その原因として,軟膏処置方法の統一がはかれてないことや,看護婦の軟膏処置に対する 認識不足から患者に対する指導が十分できていなかったと考えた。  そこで,まず看護婦間の軟膏処置方法の統一をはかるために,看護婦全員に軟膏処置につ いての注意事項を手渡した。

(2)

 (資料1)        皮膚科医師よりナースヘ軟膏処置時の注意事項 入浴 :市販の石けんでOK        ただし香料の強いもの,殺菌効果のあるものは使用禁止    :石鹸使用時は良く洗い流す    :ナイロンタオルは使用しない    :タオルは柔らかいガーゼ等が良い    :タオルで身体をこする時は,強くこすらない 軟膏塗布    ・皮膚状態の良くなってきた所には塗布しない         理由:薬には副作用があり健常面にも塗布するとステロイド性の皮疹等の出現が考        えられるため    ・軟膏は少なくよくすりこむ 入浴できる患者は 1日1回の入浴でOK 他にはB・B不要 その都度入浴したり,しなくてよい 入浴できない患者は 毎回B・B必要 落屑の多い患者は毎回入浴するのが最良である 更に,軟膏処置に対する講義を受けることにより,基礎的な理解を深めることが出来た。  次に患者に対しては,指導内容が理解しやすいように“軟膏処置を受けられる方べとい うパンフレットを作成し,指導を試みた。パンフレット作成にあたっては,特に大切と思わ れる a.病棟における軟膏塗布時間 b.人浴について c.軟膏塗布方法を取りあげた。

 (資料2)

軟膏処置を受けられる方へ

軟膏処置は,皮膚の症状を良くする為,又良い状態を保つために大切な治療です では,4階西病棟での軟膏処置について説明します。 (1)軟膏を塗る時間 4階西病棟

(3)

  昼 13時30分∼14時頃 看護婦が行います。   夕 19時頃      医師が行います。    1日に軟膏を塗る回数は症状によって異なります。医師に指示された回数を守りましょう。た   だしかゆみの強い場合などは,いつでも軟膏を塗りにおいでください。    軟膏処置室は2つしかありませんので,順番にこちらからお呼びしますのでお部屋のほうでお   待ち下さい。  (2)入浴について    入浴は,古い軟膏や汗を洗い流す目的があります。又,入浴後は軟膏の吸収もよいので1日1   回は入浴しましょう。(軟膏処置の前毎に入浴する必要はありません。)    入浴できない方は,軟膏を塗る前に清拭タオルをお渡ししますので体を拭いてから軟膏を塗り   ましょう。    皮膚が多くはがれる方は,毎回軟膏処置前に入浴したほうが好ましいです。    石鹸は,特に指定はありませんが,殺菌効果のあるもの,香料の強いものは避けるようにしましょ   う。    入浴時,体をこすりすぎないようにしましょう。にすりすぎると,むしろ皮膚の状態が悪くな   ることがあります。)    石鹸分はよく洗い流しましょう。    入浴後は,タオルで水分をおさえるようにして拭きとりましょう。    ナイロンタオルは使用しないようにしましょう。  (3)軟膏の塗りかた    軟膏を塗るまえには必ず手洗いをしましょう。    軟膏を手のひらに極少量取り,同じ部位を5回以上すりこむようにしましょう。    悪い所のみ塗る様にし,良くなった所には塗らない様にしましょう。(軟膏によっては皮膚が薄   くなったり,毛細血管がうきでてくる副作用があるためです。)    たくさんの種類の軟膏を塗る場合には,塗る部位を間違えない様にしましょう。  (4)その他    爪を短く切りましょう。    かゆくてもひっかかず,できるだけ我慢してください。    肌着は木綿の物を使用し,新しい物は洗濯してから使用しましょう。 おわりに  皮膚の病気治療は根気と努力を必要とします。病気をよく理解したうえで治療にはいりましょう。  そして,治療が継続されれば必ず良くなります。又,難治性の場合も再発を抑えておくことができ ます。

(4)

 そして,指導にあたっては看護婦が説明を行いながら正しい塗布方法を実際に指導し,そ の後患者の塗布方法を確認するようにした。その結果,処置時間が一定し,正しい軟膏処置 方法が身につき患者自身軟膏処置の必要性が認識できるなどの解決が得られた。このことか ら効果的な軟膏処置が行われるようになったと思われる。  しかし,軟膏処置を必要とする患者は,入退院を繰り返すことが多いことから,家庭にお いてもなんらかの増悪因子があるのではないかと考えた。  そこで,入院前の家庭における軟膏処置と日常生活についてのアンケートを取った結果a. 指定された軟膏処置の回数が守られていない b.家族の協力が得られていないということ がわかった。       ’  指定された軟膏処置の回数が守られていない原因としては,仕事などにより日常生活のリ ズムが不規則になり,軟膏処置の機会をのがしてしまうことが多いことや,退院後は軟膏処 置に対する意識が薄れ次第に塗布しなくなるという2点が考えられる。それらの解決策とし て,退院後の日常生活のパターンのなかから軟膏処置時間を決定することとし,更に軟膏処 置に対する継続意識をもつことができるように,入院時から働きかけていくようにした。  家族の協力が得られていない原因としては,家族の疾患および治療に対する理解が乏しい 事が考えられる。その解決策として,入院中に医師より家族に正しい病識をもたせ,家族の 協力がいかに大切であるかを認識してもらう。また,看護婦サイドとしては家族の面会時に, 患者と一緒に“軟膏処置を受けられる方べのパンフレットを用いて軟膏塗布を実際に行い, 更に必要性について指導した。これらにより,軟膏処置に対する理解を得ることができたと 思われる。また,退院後も,効果的な軟膏処置を継続させ,皮疹を増悪させないために,掻 破の予防や衣類についての内容を含んだ退院時のパンフレットを作成し,指導を行った。し かし,現時点では,家庭で退院時の指導内容が徹底できているかは,確認できていないため 外来受診時等に,患者にアンケートをとり,確かめる必要があると思われる。今後,指導内 容もさらに検討し,よりよいものにしていきたい。 4 結  論  軟膏処置を必要とする患者が入院してきた際には,まず“軟膏処置を受けられる方べの パンフレットを手渡し,効果的な軟膏処置が行えるように指導する。  そして,ある一定の期間をおき,効果的な軟膏処置が行えているか確認する。

(5)

らい,家庭での軟膏処置の意識づけを行う。  研究にあたり,御協力頂いた皮膚科の先生方に深く感謝いたします。 参考文献 1)山村秀夫,内尾貞子:成人看護学皮膚科編,真興交易㈱,医書出版部,第1版第1刷,  1987年 2)阿部正和編:対症看護,医学書院,第2版9刷, 1973年 3)安田利顕:お母さんのためのアトピー性皮膚炎読本,臨床医薬研究協会, 1987年 4)根津進:看護研究研修テキスト,学習研究社,初版, 1987年

参照

関連したドキュメント

○本時のねらい これまでの学習を基に、ユニットテーマについて話し合い、自分の考えをまとめる 学習活動 時間 主な発問、予想される生徒の姿

世界的流行である以上、何をもって感染終息と判断するのか、現時点では予測がつかないと思われます。時限的、特例的措置とされても、かなりの長期間にわたり

では,訪問看護認定看護師が在宅ケアの推進・質の高い看護の実践に対して,どのような活動

高崎市役所による『震災救護記録』には、震災 時に市役所、市民を挙げて救護活動を行った記録 が残されている。それによれば、2 日の午後 5

二酸化窒素は 2 時に 0.06ppm を超えたが、10 時までは 0.06ppm を超えなかった。11 時から上昇が始まり 15 時に最高 0.103ppm に達した後、24

・12 時 55 分頃 H4 東エリアのRO濃縮水貯槽5B(No.2)のタンク下部コ ンクリート基礎部に線量が高い箇所を発見、タンクからの漏 えいは確認されず. ・13 時