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TobioPad: Mocapとタブレット端末を組み合わせたARシステムに関する研究

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第 75 回全国大会. 5F-4. TobioPad : Mocap とタブレット端末を組み合わせた AR システムに関する研究 山下 伸一† 武蔵小山ソフトウェア開発室†. 太田 隼人‡. 小島 一成‡. 神奈川工科大学情報学部情報メディア学科‡. 1. はじめに 著者らは、モーションデータの計測・伝送・解 析・表示を統合的にリアルタイムで行うシステム を提案し、そのために必要な要素技術の研究を従 来より進めてきた[1]。一方実社会では、スマートフ ォンや携帯ゲーム機器などが急速に普及し、これ ら携帯情報機器のための、新たなユーザ経験や操 作性の高いユーザインタフェースが求められてお り 、 拡 張 現 実 感 ( Augmented Reality, 以 下 「AR」)技術を応用した様々なシステムが提案・ 製品化されつつある。 このような状況の中、著者らは光学式モーショ ンキャプチャシステム(以下「Mocap」)とタブレ ット端末を組み合わせることで、これまでに提案 されていなかった新たな種類の AR システムが構成 可 能 な こ と を 発 案 し 、 隣 接 現 実 感 (Adjacent Reality)システムと名付けた。そして隣接現実感 システムの価値を実証するため、TobioPad という 実証システムを開発し、その機能を評価した。 本論文では、隣接現実感システムの概要を説明 するとともに、その実装例としての TobioPad の構 成を説明する。そして TobioPad の機能評価の結果 をまとめ、隣接現実感システムの可能性に関して 考察する。. 2. 隣接現実感 Ronald T. Azuma は彼の論文[2]の中で、AR を以下 の 3 つの条件を満たすものと定義している。 (1) 実世界と仮想世界を合成表示 (2) リアルタイムでの対話的処理 (3) 3次元空間でのレジストレーション 最初の要件である合成表示に関して、既存の AR シ ステムの多くは映像オーバレイ技法を使って、仮 想世界のCG映像を実写映像の上に合成するアプ ローチをとっている。しかし Azuma の定義によれ TobioPad: A Research of an AR System Integrating Mocap and Tablet Device †Shinichi Yamashita ‡Hayato Ota ‡Kazuya Kojima †Musashi Koyama Software Lab. ‡Department of Information Media, Kanagawa Institute of Technology. 4-21. ばそれが唯一の解決方法というわけではない。レ ジストレーションさえ3次元的に行われていれば、 ユーザの視野を複数の領域に区分し、それぞれの 領域に実世界あるいは仮想世界の映像を表示する ようなシステム(図1)であってもそれは AR シス テムの1つの実現方法となる。. 図1 一般化された隣接現実感 我 々 は そ の よ う な AR シ ス テ ム を 隣 接 現 実 感 (Adjacent Reality)システムと名付け、隣接現 実感システムがユーザに提供するユーザ経験を隣 接現実感と呼ぶことを提案する。. 3. TobioPad とその実装 図1のシステムでは一般的すぎて実装や評価が 簡単にはできそうもないので、光学式 Mocap とタ ブレット端末(iPad)を組み合わせて「あたかも 手に持った窓枠を通じて別世界を覗いているよう な感覚」をユーザに提供する隣接現実感システム (TobioPad)を我々は実装した(図2)。そして これを使って隣接現実感の評価を行った。このシ ステムでは現実世界の中に(3次元的に)固定サ イズの矩形領域があって、その中に仮想世界が表 示されることで隣接現実感がもたらされる。 TobioPad では、ユーザは Apple 社の iPad を手に 持ちながら現実世界を探索できる。その際、ユー ザ の 視 点 と iPad の 姿 勢 情 報 が 光 学 式 Mocap ( Motion Analysis Corporation Hawk 18-Camera System)によりリアルタイムで計測され、無線 LAN. Copyright 2013 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(2) 情報処理学会第 75 回全国大会. く阻害する要因となる。また今回は仮想世界に Mocap スタジオを採用したが、これでは視覚的な斬 新さに欠けるので、隣接現実感システムの価値を 一般に説明するためには、より具体的で説得力の あるコンテンツの準備が必要にとなるだろう。. 5.考察と今後の課題 隣接現実感システム、特に TobioPad の特徴とし て以下のような点が挙げられる。. 図2 TobioPad の構成 を通じて iPad に伝送される。この情報をもとに iPad 上のソフトウェアが仮想世界のカメラパラメ ータを表示フレームごとに更新することで、ユー ザが移動した場合だけでなく画面を横から見たり、 覗き込んだりした場合でも iPad に表示されるCG 映像が周りの実世界とシームレスに連動する。な おこのようにデバイスと視点の位置関係に依存し て 表 示 映 像 を 連 動 さ せ る 技 術 は HCP[3] ( Head Coupled Projection)として知られている。 TobioPad では、無線 LAN 上のデータ転送プロト コルに CMU で開発された VRPN(Virtual Reality Peripheral Network)を採用し、また iPad 上のソ フトウェアの開発にはゲームエンジンの UNITY を 利用した。評価に使った仮想世界コンテンツは利 用している Mocap スタジオを CG モデルで再現した 室内風景に人物などを配置したシーンとした。こ れは実世界と仮想世界に何らかの関連がないと AR としてあまり意味を成さないからである。. 4. 評価結果 今回の評価の第一の目的は隣接現実感がもたらす 効果を確認することであった。これに関しては iPad や視点をある程度ゆっくり動かす分には期待 した通りの効果、すなわち窓枠を持っているよう な感覚(以下では「窓枠効果」)が得られた。そ してその感覚は、それぞれの被験者にとってこれ まで経験したものとは異質のものであり、隣接現 実感が新しい種類のユーザ経験をもたらすことが 確認できた。 一方 TobioPad システムに関しては以下のような いくつかの問題が明らかになった。 (1) (2) (3) (4). (1) 一般の HMD(Head Mounted Display)を利用 した AR や VR(Virtual Reality)と違って、没入 間がそれほど高くないので、複数人でコミュニケ ーションしながら同じコンテンツを共有すること ができる。これは教育コンテンツなどに有用な特 徴である。 (2) オーバレイ方式と違い、iPad の位置を少し ずらすことで仮想世界と現実世界の表示を簡単に 切り替えることができる。これはインテリアデザ インや建築プレゼンテーションなどの応用で施工 前と施工後の状態を比較するのに適している。 このような特徴をうまく生かすことで、隣接現 実感システムはさまざまな分野に応用可能である ことが期待できる。 前章で指摘した TobioPad に関するいくつかの問 題点に関して、位置あわせを簡単に行えるキャリ ブレーション手順を確立させる必要がある。また 伝送遅延を解決するには、iPad の内蔵ジャイロの 情報を併用する方法や、内蔵カメラ映像を利用し たマーカーレス AR 的な処理を併用する方法が考え られるだろう。当然適切なコンテンツの制作も必 要である。さらに TobioPad は実証を目的としたシ ステムなのでシステムの可搬性やコストは問題と はしなかったが、システムを実用化するためには、 光学式 Mocap に代わる、安価で可搬性の高い姿勢 情報検出手段が求められるであろう。. 参考文献 [1] 小島一成,小林昭博,山下伸一,和田重久,辻野 晃一 :“リアルタイム伝送技術を用いたキャラクター表 示システムの構築”, 情報処理学会研究報告, Vol.2011-CG-143 No.1 pp.1-6, 2011. [2] Azuma, Ronald T. A Survey of Augmented Reality. Presence: Teleoperators and Virtual Environments 6, 4 (August 1997), p355-385.. 現実世界と仮想世界の位置合わせが困難 伝送遅延のため早く動くと表示がずれる キャプチャノイズで表示が細かく振動 より適切なコンテンツが必要. 位置合わせの困難さは人間の目の焦点位置が外部 からは正確にわからないことに起因する。伝送遅 延やキャプチャノイズの問題は、窓枠効果を大き. 4-22. [3] Colin Ware, Kevin Arthur and Kellogg S. Booth, FISH TANK VIRTUAL REALITY, CHI '93 Proceedings of the INTERACT '93 and CHI '93 Conference on Human Factors in Computing Systems p7-42. Copyright 2013 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

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