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政 治 シ ス テ ム へ の NGO の 参 加 と

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(1)

博 士 論 文

政 治 シ ス テ ム へ の NGO の 参 加 と

社 会 的 環 境 の 関 係 性 考 察 •_

フ ィ リ ピ ン ■ナ ガ 市 お よ び セ ブ 市 を 事 例 と し て

立教大学大学院

2 1

世紀社会デザイン研究科 比較組織ネッ卜ワーク学専攻

南 里 隆 宏

審查終了

(2)

目次

1章 本 研 究 の 背 景 と 先 行 研 究 の 分 析 8

1-1. 研 究 の 主 旨 お よ び 意 義 8

1-2. N G Oセ クタ一の台頭 10

1 - 3 .な ぜ ロ ー カ ル .ガ バ ナ ン ス か 12

1-4. N G Oに よ る 「効 果 的 な 参 加 」 とは 13

1-5. 研 究 対 象 と し て の フ イ リ ピ ン の 妥 当 性 14

1 - 6 .本 研 究 の 対 象 と な るN G Oとその定義 19

1-7. 事 例調査の概要 23

1-8. 先行研 究 の 分 析 26

1-9. 本論 文 の 構 成 34

2 章 本 研 究 の 分 析 枠 組 み 36

2 - 1 .社 会 運 動 理 論 の 変 遷 とN G O活動への適用 36

2 _1.社 会 運 動 の 古 典 理 論 36

2 -1-2. 資源動員論 37

2 - 1 - 3 .新 し い 社 会 運 動 論 (NSM) 39

2 - 1 - 4 .資 源 動 員 論 とN S M統合 の 試 み 40

2 -1-5. 政治 的 機 会 構 造 論 41

2 - 1 - 6 .フ レ ーミング理論 43

2-1-7

. 社 会 運 動 理 論 の途上国への適用

44

(3)

2 - 1 - 8 .

社 会 運 動 理 論 の

NGO

活動への適用

46

2-2. 分析枠組み 48

2-2-1. 先 行 理 論 の 適 用 可 能 性 48

2-2-2. 分析モデル 52

3 章 フ ィ リ ピ ン の 社 会 発 展 とNG0 59

3 - 1 . ス ペ イ ン植民 地 時 代 59

3-2. ア メ リ カ に よ る 統 治 か ら 日 本 の 占 領 ま で 63

3-3. 独 立 か ら エ ド サ 革 命 ま で 68

3 - 4 .ポスト•ェドサ期 75

3 - 4 - 1 . コ ラ ソ ン . ア キ ノ政 権 1 9 8 6 年 〜 1 9 9 2年 ) 75 3 - 4 - 2 . ラ モ ス政 権 (1 9 9 2年 〜1 9 9 8年 ) 79 3 - 4 - 3 . エ ス ト ラダ 政 権 (1 9 9 8年 〜2 0 0 1年 ) 80 3 - 4 - 4 .ア ロ ヨ 政 権 (2 0 0 1年 〜2 0 1 0年 ) 83 3 -4-5. ベニグノ .ア キ ノ 政 権 (2 0 1 0年 〜 ) 85

4 章 フ ィ リ ピ ン 社 会 とNG0 90

4 - 1. フ ィリピン社会の仕組み 90

4 - 1 - 1 . フ ィ リ ピ ン の政治 制 度 90

4 - 1 - 2 . フ ィ リ ピ ン の地方自 治 制 度 93

4 - 1- 3. 地 方 政 府 法 の 制 定 と 地 方 分 権 の 推 進 99

4-2. N G 0セクタ一の概要 101

4 - 2 - 1 .登 録 •認 証 101

(4)

4 - 2 - 3 .活動分野 105

4-2_ 4. 構 成 106

4-3. N G 0セ ク タ 一 の 特 徴 と 課 題 109

4-3-1. 資 金 基盤の脆弱性 109

4- 3-2. 優秀 な 人 材 の 確 保 110

4-3-3. 組 織 と し て の 専 門 性 111

4 - 3 - 4 .リ一ダ'— シップの引き継ぎ 113

4-3-5. NGO P0 の関係 113

4-3-6. N G Oの独立•中立性 114

4-3-7. N G Oのアカウンタビリテイ 117

5N G O の政 治シ ス テ ム へ の参加の仕組み 119

5 - 1 . N G 0の 政 治 シ ス テ ム へ の 参 加 に か か わ る 法 制 度 119

5-1-1. 憲 法 お よ び 地 方 政 府 法 119

5 -1-2. 法 制 度 の 実 践 面 で の 課 題 124

5 - 2 .政 府 とN G 0の連携の枠組み 128

5 - 2 - 1 .各 省 庁 とN G Oの連携の枠組み 128

5-2-2. N G Oが 果 た し た 功 績 お よ び 直 面 す る 課 題 と は 135 5-3. N G 0に よ る 政 治 シ ス テ ム へ の 参 加 :その存 在 意 義 と 正 当 性 139

6 章 事 例 調 査 1 : Naga City P e o p l e ’ s C o u n c i l (ナ ガ 市 ) 143

6 - 1 .ナガ市とは 144

4 - 2 - 2 .規 模 103

(5)

6-2. Naga City P e o p l e ’ s Council (NCPC) 147

6-3. N C P Cが 市 政 に 及 ぼ し た 影 響 と は 156

6-4. N C P Cの課題とは 161

6 - 4 - 1 .政治的機会 161

6 - 4 - 2 .受益者 の 支 持 163

6 - 4 - 3 .組織 資 源 167

6 - 4 - 4 .争 点 化 •動員能力 170

6-5. N C P Cの 政 治 シ ス テ ム へ の 参 加 と 社 会 的 環 境 の 関 係 性 172

6 -6. 結論 184

7 章 事 例 調 査 2 : Kaabag sa Sugbo (セ ブ 市 ) 188

7 - 1 .セブ市 188

7-2. Kaabag sa Sugbo (Kaabag) 191

7-3. K a a b a gが市 政 に 及 ぼした影響とは 201

7-4. K a a b a gの課題とは 206

7 - 4 - 1 .政治的機会 206

7-4-2. 受益者の支持 210

7-4-3. 組織資源 211

7 - 4 - 4 .争点化•動員能力 213

7-5. K a a b a gの 政 治 シ ス テ ム へ の 参 加 と 社 会 的 環 境 の 関 係 性 214

7 - 6 . 結論 227

(6)

8 章 政 治 シ ス テ ム へ のN G Oの 参 加 と 社 会 的 環 境 の 関 係 性 231

8 - 1 . N G 0が抱え て い る 課 題 と は 231

8 - 1 - 1 .政治的機会 231

8 - 1 - 2 .受益 者 の 支 持 232

8 - 1 - 3 .組織 資 源 233

8 - 1 - 4 .争 点 化 . 動員能力 234

8-2. N G 0に よ る 政 治 シ ス テ ム へ の 効 果 的 な 参 加 と 社 会 的 環 境 の 関 係 性235

8 - 3 .政 治 シ ス テ ム 内 で のN G 0の機能とは 241

8 - 4 .今 後 のN G 0セクタ 一 の 発 展 に 向 け て 244

参 考 文 献 249

(7)

図表目次

2 フィリピンの政治制度 92

3 N C P Cの組織図 148

4 N C P Cによる市政への参加の仕組み 156

5 N C P Cの 市 政 へ の 参 加 (住 民 参 加 強 化 条 例 制 定 に 至 る ま で 1766 N C P Cの 市 政 へ の 参 加 (ロ コ 市 長の在任期間中) 1807 N C P Cの 市 政 へ の 参 加 (2 0 0 1年 の ロ ブ レ ド 市 長 の 再 登 板 以 降 184

8 N C P Cの市政への参加 187

9 K a a b a gの組織図 193

10 K a a b a gによる市 政 へ の 参 加 の 仕 組 み 201

1 1 K a a b a gの 市 政 へ の 参 加 (1 9 8 8年 の 市 長 選 挙 時 ) 21812 K a a b a gの 市 政 へ の 参 加 (オスメニ ャ.ガ ル シ ア 政 権 期 ) 22113 K a a b a gの 市 政 へ の 参 加 (市 長 選 挙 時 ) 22314 K a a b a gの 市 政 へ の 参 加 (第2 期オスメ ニ ャ 政 権 以 降 ) 226

15 K a a b a gの市政への参カ卩 230

16 N G 0の 政 治 シ ス テ ム へ の 参 加 と 社 会 的 環 境 の 関 係 性 241

1

本 研 究 の 分 析 枠 組 み

58

(8)

1 ア ジ ア1 5か 国 の 国 家 とN G 0の関係,性 15

2 ア ジ ア 諸 国 のN G 0の数とその密度 16

3 N G 0の 行 為 に 影 響 を 及 ぼ す 社 会 的 環 境 (外 部 的内部的要因) 54

4 N G 0に よ る 政 治シ ス テ ム へ の 参加 57

5 年表 「ス ペ イ ン 植 民 地 時 代 」 63

6 年表 「ア メ リ カ に よ る 統 治 か ら 日 本 の 占 領 ま で 」 67

7

年表 「独 立 か ら エ ド サ 革 命 ま で 」 74

8 年表 「ポ ス トェ ド サ 期 」 88

9 州 、市 、 町 、バ ラ ン ガ イ の 設 立 要 件 98

10 フ イ リ ピ ン に お け るC S 0の数 104

11 フイ リピンの憲法および地方政府法における

N G 0に関する主な記載事項 123

12 地 方 特 別 機 関 (LSB) の種類 124

13 N C P Cの主な活動実績 172

14 「民 衆 に よ る 指 針 」 の 主 な 内 容 (1 9 8 8年 〜2 0 1 0年 ) 197

15 K a a b a gの主な活動実績 215

16 N G Oの 政 治 シ ス テ ム へ の 参 加 と 社 会 的 環 境 の 関 係 性 240

(9)

1章 本 研 究 の 背 景 と 先 行 研 究 の 分 析

1-1. 研究の主旨および意義

本 研 究 は 、 フ イ リ ピ ン の 地 方 都 市 に お け るN G Oの 活 動 を 事 例 と し て 、N G Oが政治シ ス テ ム へ 効 果 的 に 参 加 す る こ と と 、N G Oの 行 為 に 影 響 を お よ ぼ す 社 会 的 環 境 、すなわ ちN G Oが お か れ て い る 状 況 やN G Oを 取 り 巻 く 社 会 構 造 と の 関 係 性 に つ い て 因 果 的 な 説 明 を 行 う こ と を 目 的 と す る 。 ま た 、 こ れ ら 一 連 の 分 析 結 果 を 基 に 、N G Oが政治システ ム 内 で い か な る 機 能 を 有 し て い る の か に つ い て も 併 せ て 検 証 す る 。 な お 、 ここでいう

「効 果 的 な 参 加 」 とは、一 過 性 の も の で は な く 、N G Oが 持 続 的 に 政 治 シ ス テ ム へ 参 加 し、諸 問 題 の 解 決 に 貢 献 し て い く こ と を 指 す 。 「政 治 シ ス テ ム 」 は、E a s t o nの政治シ ス テ ム 論 を 参 考 に 、 「あ る 政 体 に お け る 政 治 的 な 諸 行 動行 為 の 総 体 と み な し 、多くの 行 為 の 相 互 関 連 性 か ら 構 成 さ れ る 行 動 シ ス テ ム 」 と考える1。 これら問題解決に取り組 む N G 0の 活 動 は 、 ウ ェ バ ー の 言 葉 を 借 り れ ば 「政 治 団 体 (行 政 ) の指揮に影響を及ぼ し、統 治 権 の 占 有 、剥 奪 、再 配 分 、配 分 を 目 指 し て い る 」とみなすことができるので2、

政 治 シ ス テ ム 内 の 一 主 体 で あ る と 考 え る こ と が で き る 。

現 在 、N G 0が 政 策 提 言 等 を 通 じ て 政 治 シ ス テ ム に 参 画 す る 機 会 が 拡 大 し て い る も の の 、 そ れ が 直 接 の 問 題 解 決 に 繋 が ら ず 、N G 0の主 張 に 政 府 が 耳 を 傾 け ず 讓 論 が 物 別 れ

1 Easton, David. 1957. “An Approach to the Analysis of Political Systems. ” World Politics, Vol9, No3, pp.

1-3. Eastonによると、政 治 と は 「社会的諸価値の権威的配分」であり、政治システムは、外部の社会活動から構成

される別の政体として絶えず変化する「環境」 との間で相互作用する。つまり、世 論選挙•圧力活動といった人々 の要求や支持といった環境からの「入力』を通じて、政治システムが社会に対する価値の権威的配分としての政策な ど を 「出力」する。また、その結果が評価されれば、人々の要求や支持に変化を起こす「フィ一ドパック」が もたら される。彼は、これら一連のプロセスを、入力— 政治システム出力フィードパック入力という循環で描写して いる。

2 マ ッ ク ス. ウューパー,1987, 『社会学の基礎概念』 (阿閉吉男. 内藤莞爾訳), (株)恒星社厚生閣,PP. 74-80.

(10)

に終 わ る 、 た と え 政 策 が 立 案 さ れ て も 適 切 な 実 施 に 結 び っ か な い な ど 、参 加 自 体 が 形 骸 化 す る 事 態 が 各 地 で 頻 発 し て い る 。 っ ま り 、多 く のN G Oにとって門戸が開かれつつ あ る も の の 、与 え ら れ た 機 会 を 十 分 に 活 用 で き ず 、 問 題 解 決 に 効 果 的 に 寄 与 で き な い 状 況 に あ る 。 しかし、N G Oは 政 府 が 果 た せ な い 役 割 を 補 完 し う る 有 力 な 行 為 主 体 で あ る こ と に 変 わ り は な い 。 本 研 究 は 、 フ ィ リ ピ ン を 対 象 に 「N G Oが 問 題 解 決 に 取 り 組 む 行 為 主 体 と し て 、与 え ら れ た 機 会 を 効 果 的 に 活 用 し 機 能 向 上 に 繫 げ ら れ な い の は な ぜ なの か 、 そ し て そ の 背 景 に は ど の よ う な 課 題 や 要 因 が 存 在 す る の か 」 といった問いに 理 論 的 に 答 え る も の で あ る 。

な お 本 研 究 は 次 の5 つ の 特 徴 を 有 し て い る こ と を 明 記 し て お き た い 。 第 1 に、本研 究 は フ ィ リ ピ ン 研 究 の 領 域 に お い て 「政 治 シ ス テ ム へ のN G Oの参加」 というテーマで 学 術 的 な 貢 献 を 果 た す こ と を 試 み る も の で あ る 。 第2 に、本 研 究 はN G Oの政治システ ム へ の 参 加 に か か わ る 「中範 囲 理 論 」 を 提 示 す る こ と を 目 標 と す る 。 つ ま り 、本研究 はN G Oが 効 果 的 な 参 加 を 実 現 し て い く た め の 条 件 や 法 則 の 解 明 を 目 的 と し な い 。ま た 、 N G Oに よ る ガ バ ナ ン ス へ の 参 加 メ カ ニ ズ ム や 手 法 の 探 求 、 あ る い は モ デル構築をテ一 マ と す る も の で も な い 。 す な わ ち 、本 研 究 は 、 フ ィ リ ピ ン と い う 他 国 に 比 べN G Oセク タ ー が 比 較 的 活 発 な 国 の 中 で も 、 住 民 参 加 が 進 ん で い る 自 治 体 を 対 象 に 事 例 調 査 を 行

うことで、N G Oの 効 果 的 な 参 加 に つ い て 考 察 す る が 、 そ の 結 果 は 、政 治 情 勢 、社会文 化 環 境 、住 民 参 加 の 度 合 い が 異 な る 状 況 下 で 活 動 す る す べ て のN G Oに当てはめて一般 化 す る こ と は 意 図 せ ず 、 あ く ま で も 限 定 さ れ た 条 件 の 中 で 、政 治 シ ス テ ム へ のN G Oの 参 加 に 閨 す る 中 範 囲 理 論 を 述 べ る こ と に 主 眼 を 置 く 。 第3 に、本 研 究 は 上 述 の 中 範 囲 理 論 を 述 べ る に あ た り 、 フ ィ リ ピ ン 全 体 の 社 会 発 展 史 の 文 脈 か らN G Oがどのような役 割 を 果 た し て き た の か と い っ た 「縦 軸 」 か ら の 考 察 を 交 え る こ と に よ り 、N G Oが置か れ て い る 状 況 やN G Oを 取 り 巻 く 社 会 構 造 と の 閨 係 性 と い っ た 「横 軸 」 からの検証作業

(11)

に よ り 説 得 力 を 持 た せ る こ と を 試 み る 。 第4 に 、本 研 究 は 、N G Oが 有 す る 機 能 の う ち 、

N G Oが 政 治 ス テ ム へ 持 続 的 に 参 加 し 、 地 域 社 会 に 内 在 す る 諸 課 題 を 政 策 課 題 と し て 提 起.争 点 化 し 、 法 制 度 化 な ど を 経 て 問 題 解 決 に 貢 献 し て い く 」 という一連の行為に 焦 点 を 当 て る も の と し、N G Oが 国 や 行 政 が 実 施 す る 開 発 事 業 等 へ の 参 加 を 通 じ て 、サ 一 ビ ス 提 供 業 務 に 従 事 す る 機 能 は 分 析 対 象 と し な い 。第5 に 、本 研 究 で は 、上 述 のNGO 活 動 」 を 社 会 運 動 の 一 環 と 捉 え 、N G Oの 効 果 的 な 参 加 とN G O活動に 影 響 を 及 ぼ す 社 会 的 環 境 と の 関 係 性 を 分 析 す る に あ た り 、社 会 運 動 研 究 の 先 行 理 論 や 概 念 を 活 用 す る 。

次 に 本 研 究 の 意 義 に つ い て 述 べ た い 。 本 研 究 は 、 フ ィ リ ピ ン 研 究 の な か で も 「政治 シ ス テ ム へ のN G Oの参加」 という 分 野 に お い て 、N G Oが直面している課題を抽出する に と ど ま ら ず 、N G Oが 価 値 創 造 へ 持 続 的 に 貢 献 し て い く に あ た り 、 どのような要因が 関 係 し て い る の か を 検 証 し 、先 に 述 べ た 「縦 軸 」 か ら の 考 察 も 交 え た う え で 、政治シ ス テ ム 内 で のN G Oの 機 能 、す な わ ち 固 有 の 役 割 に つ い て 、新たな 理 論 的 枠 組 み に 基 づ い て 、 そ の 限 界 や 可 能 性 を 分 析 す る も の で あ る 。 こ の よ う な 作 業 は 、従来のフィリピ ン のN G O研 究 に 欠 け て い た も の と い え 、本 研 究 はN G Oが 抱える根本的な問題の改善に 向 け て 、学 術 的 な 視 点 か ら よ り 実 行 性 を 伴 う 方 策 を 導 き 出 す こ と に 貢 献 し う る と 考 え られる。 よって、本 研 究 は 、既 存 の フ ィ リ ピ ン 研 究 に 、 「新 た な ピ ー ス 」 を加えること に な り 、同 領 域 に お い て 学 術 的 な 貢 献 を 果 た す こ と が 期 待 で き る 。

1-2. N G Oセ ク タ 一 の 台 頭

現 在 、国 や 地 方 自 治 体 の み で 公 共 政 策 の 立 案 や 公 共 サ ー ビ ス の 提 供 を 実 施 し て い く こ と に は 限 界 が あ り 、行 政.企 業. NGO •研 究 機 関 •市民などがガバナンスへ積極的に 関 与 し 、効 果 的 な 協 力 関 係 を 築 い て い く こ と が 不 可 欠 と な っ て い る 。 なお 、本稿にお

(12)

け る ガ パ ナ ン ス の 定 義 に つ い て は 、 国 際 協 力 機 構 (J I C A )に よ る 「ある国の安定•発 展 の 実 態 に 向 け て 、 そ の 国 の 资 源 を 効 率 的 に 、 ま た 国 民 の 意 思 を 反 映 で き る 形 で 動 員 し、配 分管 理 す る た め の 政 府 の 機 構 制 度 、政 府市 民 社 会 •民 間 部 門の間の協働関 係 や 意 思 決 定 の あ り 方 な ど 、制 度 全 体 の 構 築 や 運 営 の あ る べ き 姿 」 という捉え方3が本 研 究 の 主 旨 と 合 致 す る と 考 え ら れ る た め 、 これを活 用 す る も の と す る 。

1 9 8 6年 の エ ド サ 革 命 後 の フ イ リ ピ ン に 見 ら れ る よ う に 、N G Oセ ク タ 一 は1 9 9 0年代以 降 急 速 に 発 展 し 、 ト ラ ン ス.ナ シ ョ ナ ル 、 ナ シ ョ ナ ル 、 サ ブ • ナ シ ョ ナ ル の レ ベ ル か ら 医 療 保 健 、教 育 、 ジ ェ ン ダ ー 、環 境 保 全 な ど の 幅 広 い 分 野 に 関 与 す る よ う に な り 、 そ の 活 動 範 囲 も サ ー ビ ス の 提 供 か ら 、 特 定 分 野 の 政 策 立 案 •実施へ の 参 画 に ま で 及 ぶ

ようになった。 例 え ば 、 ト ラ ン ス.ナ シ ョ ナ ル な レ ベ ル で のN G Oの 関 与 は 、1 9 9 2年の 地 球 サ ミ ッ ト (於 リ オ デ ジ ャ ネ イ ロ ) 以 降 、1 9 9 5年 の 社 会 開 発 サ ミ ッ ト (於コペンハ 一 ゲ ン )/ 世 界 女 性 会 議 (於 北 京 )、1 9 9 7年 の 気 候 変 動 枠 組 条 約 締 約 国 会 議 (C 0 P 3、 於 京 都 )、2 0 0 2年 の リ オ プ ラ ス1 0サ ミ ッ ト (ヨハネスバーグ) などの国際会議への参 加 に 加 え 、対 人 地 雷 全 面 禁 止 条 約 (1 9 9 7年 )や ク ラ ス タ ー 爆 弾 禁 止 条 約 (2 0 0 8年) な ど の 政 策 形 成 を 通 じ て 広 く 認 知 さ れ る よ う に な っ た 。 こ の よ う な 背 景 に はN G 0が単に 政 府 が 対 応 で き な い ス ペ ー ス を 補 充補 足 (S u p p l e m e n t a r y )す る だ け で は な く 、それ ら を 補 完 (C o m p l e m e n t a r y )あ る い は 主 導 (Primary) しうる行為主体として注目され るよう に な っ た こ と が あ る 。 多 く の 研 究 者.機 関 がN G 0を 「既存の政治の手に負えな く な っ た 問 題 に 積 極 的 に と り く も う と す る 」4行 為 主 体 、 「これまでよりも政治•社会

3 国際協力機構(JICA)2004 JICAにおけるガパナンス支援一民主的な制度づくり、行政機能の向上、法整備支 援一」国際協力機構,P. 2 1 .JICAは主要な研究者開発援助機関の定義を整理した上で、上述の定義を提示してい るため、本研究を通じてそれを活用することは妥当であると考えられる。

4 アンソニーギデンズ,1999, 『暴走する世界一グローパリゼーシヨンは何をどう変えるか』 (佐和隆光;訳),ダイ

ヤモンド社,p. 149.

(13)

問 題 に か か わ る こ と が 多 く な り 、法 と 秩 序 の 維 持 に 当 た り 政 府 に 代 わ る 存 在 に な っ て きた」5、「政 策 過 程 に お い て 必 要 不 可 欠 な 英 知 を 提 供 し 、貧 困 層 を 代 弁 し え る 存 在 」6な どと認識するに至っている。

1-3. なぜロ ー カ ル■ガバナンスか

グ ロ ー パ リ ゼ ー シ ョ ン が 世 界 各 地 で 様 々 な 形 態 を と り な が ら 浸 透 し て い っ た 結 果 、 地 域 社 会 が 抱 え る 課 題 も 多 様 化複 雑 化 し て い る 。 例 え ば 多 く の 国 で 、I Tをはじめと す る 科 学 技 術 の 発 展 な ど を 通 じ て 、人 ..サ ー ビ ス •情 報 が 国 境 を 越 え て 自 由 に 移 動 す る よ う に な り 、地 域 社 会 に お い て も 市 場 経 済 化 の 影 響 を 直 接 受 け る よ う に な っ た 。 そ の 結 果 、現 地 の 伝 統 的 な 生 活 様 式 や 社 会 文 化 的 構 造 が 変 質 し 、住 民 間 で 貧 富 の 格 差 が 拡 大 す る な ど 、従 来 と は 異 な る 種 類 の 問 題 に#:面 す る よ う に な っ た 。 例えば多くの ア ジ ア 諸 国 で は 、地 方 政 府 の 統 治 能 力 が 弱 く 、民 主 化 も 十 分 進 ん で い る と は い え な い た め 、公 共 政 策 の 立 案 や 公 共 サ ー ビ ス 提 供 の 分 野 で 政 府 が 果 た せ る 役 割 に は 限 度 が あ り、そ の 分N G Oが 補 完 す べ き ス ペ ー ス が 潜 在 的 に 広 く 存 在 し て い る 。 一 方 で 、W T Oド 一 ハ ラ ウ ン ド の 交 渉 凍 結 や 気 候 変 動 枠 組 み 条 約 に か か わ る ボ ス ト 京 都 議 定 書 交 渉 の 難 航 に 例 が み ら れ る よ う に 、格 差 是 正 や 貧 困 削 減 な ど 地 域 住 民 の 生 活 改 善 の 根 幹 と な る よ う な 政 策 や 枠 組 み を 多 国 間 協 議 の 場 で 解 決 し て い く こ と の 限 界 が 露 呈 し っ っ あ る こ とも事実である。 こ う し た 状 況 を 鑑 み る と 、地 域 社 会 の 問 題 は 中 央 政 府 だ け に 依 存 せ ず に 住 民 自 ら が 当 事 者 意 識 を 持 っ て 改 善 •解 決 に 取 り 組 ん で い く 必 要 性 が 高 ま っ て い

5 入江昭,2002, 『グローパ ル. コミュ ニ テ ィ ー国際機関. NG0がっくる世界』(篠原初枝訳),早稲田大学出版部,P.

189.

6 World Bank. 2000. Consultations with Civil Society Organizations: General Guidelines for World Bank Staff.

Washington, DC: World Bank, p. 3.

(14)

ると考えら れる。牛 山 は 、 日 本 の 地 域 社 会 を 例 にN G Oの 役 割 に つ い て 、「地方分権改革 の 進 展 に よ る 地 域 へ の 権 限 移 譲 が あ り 、 さ ら に は 国 •地 方 を 問 わ な い 財 政 危 機 に よ っ て 、行 政 に よ る 公 共 サ ー ビ ス の 独 占 的 供 給 を 困 難 に し 、担 い 手 の 多 様 化 を 不 可 欠 に し た。 企 業 やN P Oと い っ た 民 の 力 を 借 り な け れ ば 、安 全 •安心の地域社会を維持するこ とが難しくなってきたJ と分析している7。 地 域 社 会 を 維 持 す る た め に 「民 』 の力を借 り る べ き と い う 牛 山 の 主 張 は 、 日 本 だ け で は な く フ イ リ ピ ン を 含 む 多 く の ア ジ ア 諸 国 に も 当 て は ま る 。 言 い 換 え れ ば 、 地 域 社 会 に 内 在 す る 様 々 な 課 題 の 改 善 • 解 決 に 取 り 組 ん で い く 上 で 、 中 央 政 府 や 自 治 体 に よ る 上 か ら の イ ニ シ ア チ ブ -^一 方 的 に 依 存 す る の で は な く 、住 民 の 主 導 に よ る ボ ト ム ア ッ プ の 取 り 組 み が 不 可 欠 で あ り 、その過程で N G Oは 重 要 な 役 割 を 果 た せ る 可 能 性 が 高V、ということである。

1-4. NGO

に よ る 「効果的な参加

J

とは

そ の 第 一 歩 と し て 、最 も 重 要 視 さ れ る べ き な の は 、N G Oによるガバナンスへの参加 が 効 果 的 に 行 わ れ る こ と で あ る 。 世 界 銀 行 は 、 「市 民 参 加Civic E n g a g e m e n t )とは、

N G Oや 市 民 が 意 思 決 定 に 影 響 を 及 ぼ し た り 、共 通 の 目 標 を 実 現 し た り す る た め に 、政 府 .多 国 間 機 関. ビ ジ ネ ス セ ク タ 一 の 意 思 決 定 に 直 接 的 あ る い は 間 接 的 に 介 入 し 、民 間 主 体 が 公 共 領 域 に 参 加 す る こ と で あ る 。 そ し て そ の よ う な 行 為 は 、公 共 問 題 の 改 善 や 開 発 の 主 導実 施 に あ た り 、資 源 の 効 果 的 な 活 用 を 促 し 、市 民 や そ の 代 弁 者 ら を 組 織 す る プ ロ セ ス と も な る 。 社 会 的.経 済 的 サ ー ビ ス の 提 供 だ け で は な く 、集団行動を 通 じ て 公 共 問 題 改 善 に 取 り 組 む 主 体 と し て 、N G 0が果たす べ き 役 割 は 重 要 性 を 増 し て

7 牛山久仁彦,2006 社会運動と公共政策一政策形成における社会運動のインパクトと協働政策の課題一!, 『社 会学評論』572号, 日本社会学会,pp. 267.

(15)

いる 』 と指摘している8。

しかし、N G Oが ガ バ ナ ン ス に 参 加 す る 機 会 を 得 た と し て も 、 そ れ が 直接の問題解決 に 繫 が ら ず 、参 加 自 体 が 形 骸 化 し て し ま う 例 が 各 地 で 多 発 し て い る 。 すでに述べたよ

うに、1 9 9 0年 代 に 入 っ てN G Oが 国 際 的 な 課 題 か ら 地 域 社 会 の 問 題 の 解 決 に 至 る ま で 、 活 躍 の 場 を 拡 大 し て き た こ と は 事 実 で あ る が 、N G 0の 参 加 が 実 現 し て も 、 その主張に 政 府 が 耳 を 傾 け ず 議 論 が 物 別 れ に 終 わ る 、 た と え 政 策 が 立 案 さ れ て も 適 切 な 実 施 に 結 び つ か な い な ど 、N G 0が 傾 け た 労 力 が 徒 労 に 終 わ っ て し ま う ケ ー ス も あ る 。 本稿では こ れ ら の 形 骸 化 あ る い は 限 定 さ れ た 参 加 と 差 別 化 す る 意 味 で 「効 果 的 な 参 加 」 という 言 葉 を 使 い 、 こ れ はN G 0が 政 治シ ス テ ム へ持 続 的 に 参 加 し 、地域社会で懸案となって い る 問 題 を 政 策 課 題 と し て 提 起争 点 化 し 、 法 制 度 化 な ど を 経 て 実 際 の 問 題 解 決 に 繫 げ て い く 一 連 の 行 為 を 指 す 。

1-5. 研究対象としてのフィリピンの妥当性

本 研 究 は フ ィ リ ピ ン に 焦 点 を あ て て 実 施 す る 。 これは、 フィリピンがアジアの中で N G 0活 動 が 活 発 で あ る と 考 え ら れ 、政 治 シ ス テ ム に お け るN G 0の 効 果 的 な 参 加 に 関 し 、 比 較 的 デ ー タ の 入 手 が 容 易 で あ る こ と が 見 込 ま れ る た め で あ る 。 そ の 根 拠 に つ い て 、 以 下 何 点 か 例 示 す る 。

1 は 、 フ ィ リ ピ ン のN G 0セ ク タ 一 が 他 国 と 比 較 し て 成 熟 し て い る こ と が 、過去の 調 査 に よ っ て 明 ら か に さ れ て い る 点 で あ る 。 重 富 は 、 フ ィ リ ピ ン を 含 む ア ジ ア1 5の 国 地 域9を 対 象 に 国 家 とN G Oの 関 係 性 に つ い て 、政 治 的 ス ペ ー ス (国 家 に よ るN G O

8 World Bank. 2003. Social Development Notes: The Role of Civic Engagement and Social Accountability in the フィリピン、タイ、ベトナム、ィンドネシ

(16)

対 す る 規 制 の 度 合 い ) と 経 済 的 ス ペ ー ス (N G Oに よ る 活 動 や 資 源 提 供 が 求 め ら れ る 分 野) の2 つ の 組 み 合 わ せ に よ っ て 分 類 し て お り 、双 方 の ス ペ ー ス が 大 き く (N G Oに対 す る 規 制 が 弱 く 、そ の 活 動 へ の 需 要 も 高 い)、活 発 なN G O活 動 が み ら れ る 国 と し て 、フ

イリピン、 タイ、バ ン グ ラ デ ィ ッ シ ュ を 挙 げ て い る 1。。

1

ア ジ ア

15

か 国 の 国 家 と

NGO

の関係性

大 中 国 、 パ キ ス タ ン 、 ベト イ ン ド 、インドネシア フイリピン、バングラデ

1' ナ ム 、 マ レ ー シ ア (非マ イッシュ、 タイ

済 レー人社会)

的 韓 国 、台湾 香港 スリランカ

ス ぺ 1

ス シ ン ガ ポ ー ル 、 マ レ ー シ 日本

I

小 ア (マ レ ー 人 社 会 )

政 治 的 ス ペ ー ス

(出所) 重 富 真 一 ,2001, 「国 家 とN G 0 — 問 題 意 識 と 分 析 視 角 」 (重 富 真 一 編 『アジア の 国 家 とN G 0 - 1 5力 国 の 比 較 研 究 』) , 明 石 書 店 ,PP. 13- 40.を基に筆者が作成。

世 界 最 大 のN G 0ネ ッ ト ワ ー ク で あ るC I V I C U Sは 、各 国 のN G 0セ ク タ 一 を 市 民 参 加 、 組 織 構 造 、価 値 創 造 、イ ン パ ク ト の4 つ の 側 面 か ら 分 析 す る 市 民 社 会 イ ン デ ッ ク ス (CSI) 事 業 を 実 施 し て い る 。同 事 業 は す で に1 0 0か 国 以 上 で 実 施 さ れ て い る が 、2 0 0 8〜 2011 年 に 調 査 を 実 施 し た2 5か 国 の う ち 、フ イ リ ピ ン は イ ン パ ク ト (市民社会による社会問 題 や 政 策 へ の 影 響 度 合 い な ど ) に つ い て は1位 (フ イ リ ピ ン は 最 大 値1 0 0の う ち6 22 5か 国 の 平 均 は4 6 . 1)、住民参カ卩については第3位 (フ イ リ ピ ン は54. 7、平 均 は43. 6)

ア、マレーシア、シンガポール、中国、香港、台湾、韓国、 日本の15か国地域0

1 0重富真一,2001, 「国家とNGO—問題意識と分析視角J (重富真一編『アジアの国家とNG0—15力国の比較研究』),

明石書店,pp. 20-25.

(17)

という結果が出ている11。 ま た 、五 十 嵐 がF i s h e rの デ ー タ を 基 に 作 成 し た 「アジア諸 国 のN G Oの数 と そ の 密 度 」も そ の 根 拠 を 裏 付 け る 一 例 と な り う る 。フ イ リ ピ ン の 場 合 、 人 ロ 百 万 人 あ た り のN G O数 で あ るN G O密 度 は92. 5 9となっており、イ ン ド ネ シ ア の5. 3 4、 タ イ の3. 4 4な ど に 比 べ 突 出 し て い る 12。

2 ア ジ ア 諸 国 のN G Oの数とその密度

国 N G 0の数 人 口 (百 万 ) NG0/人口

アフガニスタン 148 - -

バングラデシュ 1,200 115.2 10. 42

インド 12,000 898.2 13. 36

イン ドネシア 1,000 187.2 5. 34

ネパ一ル 140 20.8 6. 73

フイ リピン 6, 000 64.8 92. 59

スリランカ 500 17.9 27. 93

タイ 200 5 8 . 1 3. 44

(出所 ) 五 十 嵐 誠 一 ,2011, 『民 主 化 と 市 民 社 会 の 新 地 平 一 フ ィ リ ピ ン 政 治 の ダ イ ナ ミ ズ ム 』 , 早 稲 田 大 学 学 術 叢 書 ,P. 281.

2 の 根 拠 と し て 、 フ ィ リ ピ ン で は 、N G Oが 政 治 シ ス テ ム へ 参 加 す る こ と が 法 制 度 で 保 証 さ れ て い る こ と が 挙 げ ら れ る 。 例 え ば 同 国 の 憲 法 (1 9 8 7年 制 定 ) で は 、国家に よ る 福 祉 を 推 進 す る 主 体 と し て のN G Oお よ びPO (草 の 根 組 織 、各部 門 組 織 )の 奨 励 (第 22 3項 )、地 方 開 発 評 議 会 の 設 置 とN G Oの 参 加 (第 1 01 4項 )、国民が平和的かつ

11 CIVICUS World Alliance for Citizen Participation. 2011.

Cutting the Diamonds

A first look at the quantative data of the CIVICUS Civil Society Index, 2008-2011.

CIVICUS, pp. 25-40. 調査対象とな った25 国は、アルゼ

ン チ ン 、 チ リ 、 トーゴ、 ザ ン ビ ア 、 グ ル ジ ア 、 ウ ル グ ア イ 、韓国、トノレコ、日本、ア ル メ ニ ア 、 リ ベ リ ア 、 カザ フ ス タ ン 、 コ ソ ボ 、 ニ カ ラ グ ア 、 フ ィ リ ピ ン 、 ベ ラ ル ー シ 、 ヨ ル ダ ン 、 ク ロ ア チ ア 、 メ キ シ コ 、イ タ リ ア 、 ブ ル ガ リ ア 、 ベ ネ ズ エ ラ 、 ス ロ ベ ニ ア 、 ア ル バ ニ ア 、 ロ シ ア 。

1 2五十嵐誠2 0 1 1 , f民主化と市民社会の新地平一フィリピン政治のダイナミズム』,早摇田大学学術廉書,PP.

280-281.

(18)

合 法 的 な 手 段 を 通 じ て 自 ら の 利 益.要 望 を 追 及.保 護 す る 主 体 と し て のP 0の役 割 の 尊 重 (第 1 31 5項)、社 会政 治 .経 済 分 野 の あ ら ゆ る 意 思 決 定 に 民 間 部 門 が 参 加 す る 権 利 の 保 証 お よ び 民 間 部 門 と 協 議 を 行 う 仕 組 み の 構 築 (第 1 31 6項 ) などが記載さ れ て い る131 9 9 1年 に 制 定 さ れ た 地 方 政 府 法 で は 、N G Oの参加 に つ い て 、地方教育委員 会 (第 9 8)、地 方 保 健 委 員 会 (第 1 0 2)、地 方 開 発 評 議 会 (第 1 0 6項 )、地方平和 秩 序 評 議 会 (第 1 1 6項 ) な ど へ のN G 0 . P 0の 参 加 の 義 務 付 け 、地 方 議 会 へ の 女 性 、農 民.労 働 者 、都 市 貧 困 層先 住 民 族障 害 者 の3 部 門 別 代 表 議 席 の 設 置 (第 4 4 6,457 項,4 6 7項 )、N G Oへ の コ ン サ ル テ ー シ ヨ ン の 実 施 (3 4 - 4 6項 )、地 方 政 府 のPO . N G Oの 奨 励 、合 同 事 業 の 承 認 、財 政 支 援 (第 3 4- 3 6項 ) な ど を 規 定 し て い る 14。

最 後 は フ ィ リ ピ ン のN G Oの 実 施 能 力 や 先 進 的 な 取 り 組 み が 国 際 的 に 高 く 評 価 さ れ て い る 点 を 挙 げ た い 。 ア ジ ア 開 発 銀 行( A D B )は 、 「フ ィ リ ピ ン のN G Oは、 ポスト•エド サ 期 に お い て 歴 代 政 権 か ら 一 貫 し て 一 定 の 支 持 を 受 け て き た 結 果 、途 上 国 の 中 で 、最 も 活 発 で 組 織 化 さ れ た 市 民 社 会 セ ク タ 一 を 有 す る 国 の 一 つ と み な さ れ て い る 。 その証 左 と し て 、N G 0の 国 際 的 な ネ ッ ト ワ ー ク の う ち 、多 数 が そ の 本 部 や 事 務 局 を フ ィ リ ピ ンに置いている。 また、 同 国 の 開 発N G Oが過去に地 域 開 発 や 地 域 経 済 開 発 分 野 で 果 た した役割は、彼 ら が よ り 柔 軟 で 、適 用 性 が あ り 、 か つ 有 能 な 行 為 主 体 で あ る こ と を 証 明し て い る 。」 と指摘している15。 ま た 、1 9 9 8年 の 世 界 銀 行 (世銀) による国別戦略書 ( C A S )策 定 過 程 に 際 し 、N G 0は 、世 銀 と の 間 で 協 議 会 の 進 め 方 や プ ロ グ ラ ム 内 容 の 検 討 、参 加 者 の 組 織 化 、 関 係 者 間 で の 連 絡 調 整 、協 議 会 へ の 積 極 的 な 参 加 と フ ィ ー ド バ

13 Republic o f the P hilippines. 1987. The 1987 Constitution of the Republic of the Philippines. Manila Republic o f the Philippines.

14 Republic o f the Philippines. 1991. Local Government Code of 1991. Manila Republic of the Philippines.

15 Asian Development Bank. 2007. Overview of NGOs and Civil Society-Philippines. Manila, the P h ilip p in e s Asian Development Bank, p. 3.

(19)

ッ ク の と りまとめなど、各 過 程 で 重 要 な 役 割 を 果 た し た 。 世 銀 側 は 、 そ れ をN G Oが世 銀 の 政 策 レ ベ ル に 効 果 的 な 影 響 を 及 ぼ し た 成 功 例 と み な し 、 ア ジ ア 各 国 の 世 銀 事 務 所

に と っ て 、現 在 も モ デ ル と し て 位 置 づ け ら れ て い る 16。

フ ィ リ ピ ン のN G Oに よ る 先 進 的 な 取 組 み も 世 界 的 に 高 い 評 価 を 受 け て い る 。例 え ば 、 現 在 のN G Oに と っ て 、事 業 や 業 務 の 透 明 性 向 上 、 明 瞭 な 会 計 シ ス テ ム の 構 築 、 ステ一 ク ホ ル ダ ー と の 効 果 的 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ヨ ン 方 法 の 確 立 な ど 、 自らのアカウンタピリ テ ィ を い か に 確 保 す る か が 重 要 視 さ れ て い る が 、フ ィ リ ピ ン で は す で に1 9 9 1年 の 段 階 で 、 国 内 最 大 の ネ ッ ト ワ ー ク で あ るC O D E - N G Oが 、 「開 発N G Oの行 動 規 定 」 を策定して いる。 こ れ は ア ジ ア のN G O中 で は 最 初 の 試 み で あ り 、現 在 は 国 内 の1 0 0 0団体以上が署 名 し て い る 。ま た フ ィ リ ピ ン で は 、1 9 9 7年 に 所 得 税 控 除 と 贈 与 税 免 除 の 対 処 と な るNG0 の 認 証 を 行 う 民 間 非 営 利 組 織 で あ る フ ィ リ ピ ン 税 制 優 遇 資 格 審 査 評 議 会 (P CNC) が設 立 さ れ た 。 従 来 のN G 0は 自 動 的 に 税 制 優 遇 措 置 が 取 ら れ て い た が 、 同年に制定された 税 制 改 革 法 に よ り 、所 得 税 以 外 に つ い て は 、P C N Cに認めら れ た 団 体 の み が 税 制 優 遇 措 置 を 受 け ら れ る こ と が 定 め ら れ た 。P C N Cは、税 制 優 遇 に つ い て 、審 査 の 中 立 性 を 確 保 す る と い う 観 点 か ら 、 「N G 0に よ るN G 0の 評 価 」 を可能にしている世界的にもユニーク な 組 織 で あ る と い え る 。 この ほ か に も 、 フ ィ リ ピ ン で は 、欧 米 諸 国 と の 債 務 ス ワ ッ プ の ス キ ー ム を 活 用 し て (欧 米 諸 国 が フ ィ リ ピ ン に 対 し て 有 す る2 国間公的債務につい て 、債 権 国 が 債 務 を 免 除 す る 代 わ り に 、債 務 国 が 免 除 さ れ た 債 務 の 一 部 を 貧 困 削 減 や 環 境 保 全 な ど の 特 定 目 的 の 事 業 の 実 施 に 活 用 す る 仕 組 み )、アメリカ政府との合意の下 で フ ィ リ ピ ン 環 境 財 団 (F P E )お よ び フ イ リ ピ ン 熱 帯 林 保 護 財 団 (P T F C F )を、スイス 政 府 と の 間 で 持 続 可 能 社 会 財 団 (F S S I )を 設 立 し て い る 。 平 和 と 公 正 財 団 (P E F )は、

lD Gonzales, Raul. 2005. Philippines NGOs in 21st Century: Searching for Renewed Relevance. Association of Foundations, p . 18.

(20)

そ の 財 源 を 平 和 債Peace b o n d )の 発 行 を 通 じ て 市 場 か ら 資 金 を 調 達 し て い る 。 これ ら先 駆 的 な 取 組 み を 通 じ て 設 立 さ れ た 財 団 は 、 フ イ リ ピ ン のN G Oセクタ一にとってい ず れ も 重 要 な 資 金 提 供 先 と な っ て お り 、N G 0セ ク タ 一 の 活 動 が 活 発 で あ る フ イ リ ピ ン で あ る か ら こ そ 、 実 現 し た も の と 考 え ら れ る 。

現 在 、 多 く の ア ジ ア 諸 国 で は 民 主 化 が 定 着 し て お ら ず 、N G 0に と っ て' 依然政治シ ス テ ム へ 参 加 す る こ と そ の も の が 大 き な 課 題 に な っ て い る こ と を 考 慮 す る と 、 フイリ

ピ ン は 他 の ア ジ ア 諸 国 に 比 べN G 0が活 動 し や す い 環 境 が 整 備 さ れ て い る こ と は 疑 い な い。 本 研 究 の テ ー マ は 「効 果 的 な 参 加j で あ る た め 、N G O活 動 が 活 発 で 、政治的機会 が 一 定 開 放 さ れ て い る こ と が 前 提 に な る 。 よって、 これらの条件を满たすフイ

リ ピ ン を 対 象 と し て 本 研 究 を 進 め る こ と に 十 分 妥 当 性 が あ る と 考 え ら れ る 。

1 - 6 .本研究の対象となるNG0とその定義

N G Oに つ い て は 、 類 似 あ る い は 頻 繁 に 併 用 さ れ る 呼 称 と し て 、 広 義 の も の で は Non-profit Organization(NP0)、Civil Society O rga nization(CS0)な ど が 、 狭義の も の として Peoples Organization (PO)Community-based Organization (CBO) ^ Social Movement Organizations (SMO)などがある。そ の う ち 、比較的一般 化 さ れ て い る も の に 、 S a l a m o nが 挙 げ た 非 営 利 組 織 (Non-profit Organization = N P O )5 つの構造的機能

(組 織 化 さ れ て い る 、政 府 か ら 独 立 し た 組 織 で 「民』 の 主 導 で 運 営 さ れ て い る 、利益 を 分 配 し な い 、g ら の 活 動 を 自 己 管 理 し て い る 、 自 主 的 な 参 加 に 基 づ い て い る ) があ る17。 フ イ リ ピ ン 最 大 のN G 0ネ ッ ト ワ ー ク で あ るC 0 D E - N G 0は、S a l a m o nの定義を参考

17 Salamon, L. M.Sokolowski, S. W. and Associates. 2004. Global Civil Society: Dimensions of the Non-profit Sector Volume Two. Bloomfiled, CT: Kumarian Press, Inc, pp. 9~10.

(21)

に、 フ ィ リ ピ ン の 非 営 利 組 織( N P O )に つ い て 、1 ) 複 数 の 個 人 が 参 加 し て い る 、2) 非 政 府 自 律 的.独 立 し た 統 治 機 構 を 持 つ 、3 ) 集 団 の 自 由 な 意 思 に よ り 設 立 •運営

されている、4 ) 公 益 に 資 す る こ と を 目 的 と し て い る 、5 ) 利 益 を 役 職 員 の 間 で 分 配 しない、 6 ) 法 人 格 の 有 無 は 問 わ な い 、 7 ) 政 党 や 小 規 模 金 融 組 織(Microfinance) は 含 ま な い 、8 ) 生 活 協 同 組 合 や 宗 教 団 体 は 含 む 、 と定義している18。 このうち、 1)

6 ) は 組 織 形 態 に つ い て 述 べ て い る の に 対 し 、7 )8 ) は 具 体 的 に 対 象 と な る 組 織 そ の も の に つ い て 指 摘 し て い る 。 し か し こ の 定 義 に は 、 フ ィ リ ピ ン の様々な非営利 組 織 が 含 ま れ る と 想 定 で き る の で 、本 研 究 で 焦 点 を あ て るN G 0の範囲をいささか超え

るもの と な っ て い る 。

一 方 でA D Bは 、 フ ィ リ ピ ン のN G Oに つ い て 「国家と住 民 組 織 を 含 む 受 益 者 と の 間 で 仲 介 機 能 を 果 た す 組 織 」 と 定義して いる19。 フ ィ リ ピ ン 人 研 究 者 で あ るC a r i n oは、NG0 に つ い て 「民 衆 と 国 家 の 間 で 仲 介 機 能 を 果 た し 、貧 困 者 や 弱 者 の 立 場 を 代 弁 し う る 耝 織 」 と定義している' しかし、厳 密 に こ れ ら の 定 義 に 従 う 場 合 、例えば 現 場 で 貧 困 者 支 援 を 行 う 組 織 は 、 必 ず し も 政 府 と の 仲 介代 弁 役 を 果 た し て い る 訳 で は な い た め 、 N G 0か ら 除 外 さ れ て し ま う 。S i l l i m a nN o b l eは 、 こ の点に配慮し、N G 0を 「草の根 組 織 の ニ ー ズ 実 現 に 奉 仕 す る 組 織.機 関 」 と よ り 広 義 な 存 在 と し て 位 置 づ け て い る 21。

18 Caucus of Development NGO Networks (CODE-NGO). 2009.

Assessing the Philippine NGO Environment

Regulation, Risks and Renewal.

Manila,the Philippines: CODE-NGO, p . 1.

1 9 Asian Development Bank. 2007. Overview of NGOs and Civil Society—Philippines. Manila,the Philippines Asian Development Bank, p. 3.

2 0 Carino, Ledivina V. 2002. “Between the State and Market Defining the Sector in the Philippines, ’’

Between the State and the Market

The Nonprof it Sector and Civil Society in the Philippines,

edited by Carino, Ledivina V. Manila: Center for Leadership, Citizenship and Democracy, National College of Public Administration and Governance, University of the Philippines, p . 15.

2 1 Silliman, G. Sidney and Noble, Lela Garner. 1998. “Introduction,”

NGOs, Civil Society, and the Philippine

Statei Organizing for Democracy,

edited by Silliman, G. Sidney and Noble, Lela Garner. Manila, the Philippines.

(22)

そ れ ぞ れ の 定 義 に は 概 ね 共 通 点 が あ る と 思 わ れ る が 、本 研 究 で 対 象 と す るN G Oを適切 に 示 す も の は な い 。 よ っ て 本 稿 で は 、 こ れ ら 既 存 の も の を 参 考 に 、N G Oを次のように 定義する。

① フ ィピ ン で最 も 影 響 力 が あ るN G O の 一 つ であ るC O D E - N G Oが 提 示 し た 以 下6 つの

「組 織 形 態 」 を満たしている。

1 ) 複 数 の 個 人 が 参 加 し て い る 。

2 ) 非 政 府 自 律 的独 立 し た 統 治 機 構 を 持 つ 。 3 ) 集 団 の 自 由 な 意 思 に よ り 設 立運 営 さ れ て い る 。 4 ) 公 益 に 資 す る こ と を 目 的 と し て い る 。

5 ) 利 益 を 役 職 員 の 間 で 分 配 し な い 。 6 ) 法 人 格 の 有 無 は 問 わ な い 。

ま た 本 稿 で は 、N G O活 動 の う ち 、サ ー ビ ス提 供 機 能 は 調 査 対 象 に 含 め ず 、 「N G Oが政 治 ス テ ム へ持 続 的 に 参 加 し 、地 域 社 会 に 内 在 す る 諸 課 題 を 政 策 課 題 と し て 提 起 . 争点 化 し 、法 制 度 化 な ど を 経 て 問 題 解 決 に 貢 献 し て い く 」と い う 行 為 に 焦 点 を 当 て る た め 、 以 下 を 加 え る 。

② 上 記 の う ち 、「貧 困 者 や 弱 者 の ニ ー ズ 実 現 に 奉 仕 す る 目 的 で 、彼らの立場を仲介•代 弁 す る 機 能 を 有 す る 組 織 」。

なお 、上 述 のN G Oに 住 民 組 織 (P e o p l e ’ s O r g a n i z a t i o n = P O )は含めない。A D Bは、

Ateneo de Manila University Press, p. 6.

(23)

P Oは 社 会 的 弱 者 の た め の 相 互 扶 助 組 織 で あ り 、構 成 員 の 物 質 •社 会 的 な生活向上を 目的としている。 但 し 、P 0は 草 の 根 組 織 で あ る た め 、 ほとんどがボランティア•ベー スで活動している。」と説明している22。フ ィ リ ピ ン 社 会 福 祉 開 発 省 は 、P 0に つ い て 「公 益 を 推 進 す る 実 施 能 力 を 有 し 、理 想 的 な リ ー ダ ー シ ッ プ 、構 成 員 、組織構 造 を 備 え た 真 の 住 民 組 織 で あ る 」 と述べている23。 本 稿 で は 、P 0につ い て は 、C a r i n oの定義を参 考 に 、 「農 民 、貧 困 層 、障 害 者 、高 齢 者 、先 住 民 族 な ど 、社 会 の あ ら ゆ る セ ク タ 一 を 代 表 す る メ ン バ ー 組 織 で 、構 成 員 自 ら の 共 益 推 進 を 目 的 と す る 組 織 」 と定義する24。なお A D Bは、フ ィ リ ピ ン に お け るN G 0P 0の 閨 係 性 に つ い て 、「N G 0は、社会的弱者のため に 活 動 す る こ と を 目 的 と し 、諸 問 題 の 解 決 の た め に 、財 政 支 援技 術 供 与 を 通 じ てP0 を 支 援 す る ほ か 、 ア ド ボ カ シ ー 活 動 な ど を 通 じ て 共 に 連 携 す る 間 係 に あ る 」 と説明し ている25。

フ ィ リ ピ ン の 非 営 利 セ ク タ 一 に は 、 こ の ほ か に 生 活 協 同 組 合 、 労 働 組 合 、小規模金 融 組 織 、宗 教 団 体 、政 党 な ど が あ る が 、 こ れ ら も 原 則 と し てN G 0に含めない。 Carino は、N G OP 0、生 活 協 同 組 合 、労 働 組 合 、小 規 模 金 融 組 織 、宗教団体などの非営利セク タ ー の 総 称 と し て 市 民 社 会 組 織( C S 0 )と呼んでいる26。本 論 文 で 対 象 と す る 組 織 は 、

2 2 Asian Development Bank. 2007.

Overview of NGOs and Civil Society-Philippines.

Manila, the Philippines Asian Development Bank, p. 3.

2 3社会福祉開発省のウェブサイト(http://www.dswd.gov.ph/)を参照0

2 4 Carino, Ledivina V. 2002. “Between the State and Market Defining the Sector in the Philippines, ’’

Between the State and the Market

The Nonprofit Sector and Ci vii Society in the Philippines,

edited by Carino, Ledivina V. Manila: Center for Leadership, Citizenship and Democracy, National College of Public Administration and Governance, University of the Philippines, p . 15.

2 5 Asian Development Bank. 2007.

Overview of NGOs and Civil Society-Philippines,

Manila, the Philippines Asian Development Bank, p. 3.

26 Carino, Ledivina V. 2002. “Between the State and Market Defining the Sector in the Philippines,”

Between

the State and the Market

The Nonprofi t Sector and Ci vii Society in the Philippines,

edited by Carino, Ledivina V. Manila Center for Leadership, Citizenship and Democracy, National College of Public Administration and

(24)

基 本 的 にN G Oで あ る が 、議 論 の 対 象 がN G OP 0を 含 め た 広 範 に 及 ぶ 場 合 は 、N G OP0 を 併 記 す る こ と に 加 え 、必 要 に 応 じ て 「N G 0セ ク タ 一J あ る い は 「C S O Jという呼称も 使ぅ。

な お 本 研 究 は 、「地 方 」を 例 にN G 0による政治システムへの 参 加 と 社 会 的 環 境 の 関 係 性 を 考 察 す る も の で あ る た め 、 本 稿 で は 「地方に拠点を置く ロ ー カ ルN G 0」 に焦点が 置 か れ る こ と を 明 記 し て お き た い 。 こ こ で い う ロ ー カ ルN G 0とは、マ ニ ラ首都圏など に 拠 点 を 置 き 国 家 レ ベ ル の 問 題 に 取 り 組 ん で い る 組 織 で は な く 、拠点を置く g 治 体 (州 、 市 、町 な ど ) の 問 題 解 決 に 主 眼 を 置 い て い る も の を 指 す 。 す で に 述 べ た よ う に 、現在 のN G Oは、医 療 保 健 、教 育 、ジ ェ ン ダ ー 、環 境 保 全 な ど の 多 岐 に わ た る 分 野 に お い て 、

ト ラ ン スナ シ ョ ナ ル 、ナ シ ョ ナ ル 、 サ ブ.ナ シ ョ ナ ル の レ ベ ル か ら 、様々な形で政 策 や プ ロ グ ラ ム の 立 案実 施監 視.評 価 な ど に 参 画 し て い る 。 そ の 活 動 規 模 •範囲 は、組 織 に よ っ て 異 な り 、 か つ 拠 点 を 置 く 地 域国 の 社 会 情 勢 や 文 化 の 違 い に よ り 、 活 動 形 態 も 異 な る 。 こ れ は フ ィ リ ピ ン に お い て も 同 様 で 、本研究を通じて同国で活動 す る す べ て のN G Oを 対 象 と す る こ と は 現 実 的 で な い 。 よって、本 研 究 を 通 じ て 、フィ リ ピ ン のC S 0全 般 の 概 要 や 発 展 の 経 緯 に つ い て 考 察 は す る も の の 、 あくまでも分析の 対 象 と な る の は 「ロ ー カ ルN G O Jである。

1-7. 事例調査の概要

本 研 究 は 、N G 0に よ る 政 治 シ ス テ ム へ の 参 加 を 単 に 検 証 す る の で は な く 、 「効果的な 参 加 』 と そ の 社 会 的 環 境 の 関 係 性 を 考 察 す る も の で あ る 。 よって、 フィリピンの中で も ロ ー カ ル .ガ バ ナ ン ス の 成 功 事 例 と し て 世 界 的 な 評 価 を 受 け て お り 、N G 0が政治シ

Governance, University of the Philippines, p. 20.

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ステム^へ一定レベルの参加を果たして い る と 考 え ら れ る ナ ガ 市 お よ び セ ブ 市 を 事 例 調 查 の 対 象 地 と し て 選 定 す る 。 ナ ガ 市 は 、2 0 0 2年 の 国 連 人 間 居 住 会 議 で 、 同市の参加型 ガ バ ナ ン ス が 世 界 で ト ッ プ2 0に 入 る と 認 め ら れ た ほ か 、物 品 調 達 、生 産 性 改 善 、都市 貧 困 層 対 策 な ど の 分 野 で も 表 彰 さ れ る な ど 、 フ ィ リ ピ ン に お け る 地 方 自 治 の 成 功 事 例 と し て 国 内 外 で1 4 0回 以 上 の 顕 彰 を 受 け て い る 。ま た1 9 9 5年 に は 、市議会に付随する す べ て の 立 法 委 員 会 へ の 住 民 参 加 を 保 証 す る 「住 民 参 加 強 化 条 例」 (Empowerment O r d i n a n c e )が 制 定 さ れ て お り 、これはフィリ ピ ン 国 内 で 自 治 体 が 制 定 し た 初 の 住 民 参 加 に か か わ る 条 例 で あ っ た 。 セ ブ 市 は 、 国 連 開 発 計 画 (_ P ) に よ っ て 貧困削減にか か わ る 政 府 とN G 0の 協 働 の 成 功 事 例 の 一 つ と し て 選 定 さ れ た ほ か 、地方自治に関する 顕 彰 と し て フ ィ リ ピ ン 国 内 で 最 も 権 威 が あ るGaling Pook A w a r d2 0 0 3年に授与され ている。

す で に 述 べ た よ う に 、本 研 究 は 、N G 0が い か に 政 治 シ ス テ ム へ 持 続 的 に 参 加 し 、 問 題 解 決 に つ な げ て い く か に 主 眼 を 置 い て い る た め 、N G 0の 参 加 が 一 定 レ ベ ル 達 成 さ れ て い る 状 況 に 限 定 し て 行 う 必 要 が あ る 。 よって、本 研 究 の 事 例 調 査 対 象 地 で あ る ナ ガ 市 お よ び セ ブ 市 は 、 ガ バ ナ ン ス へ のN G 0の 参 加 が 国 内 外で高く評価されている実績が あ る た め 、 こ の 条 件 を 満 た し て い る と 判 断 で き る 。 また 、両 市 と も 「独 立 都 市 27」 とし て 分 類 さ れ 、州 の 監 督 を 受 け な い 立 場 に あ る た め 、事 例 調 査 の 対 象 と な るN G 0による 州 お よ び 市 双 方 の 政 治 シ ス テ ム へ の 参 加 で は な く 、後 者 のみに特化して分析すること が 可 能 と な る 。

両 市 を 対 象 に 事 例 調 査 を 実 施 す る に あ た っ て は 、2 つ のN G 0ネットワークを対象に 行 う 。 ナ ガ 市 で は 、 同市に拠点を置く 9 0NG0 • P 0な ど か ら 構 成 さ れ るNaga City

2 7 フィリピンの市は、独立都市と構成都市がある。独立都市は州から独立しており、原則としてその監督を受けない のに対し、構成市は、町と同様に州の監督を受ける。詳細は第4章参照。

表 5 年 表 「ス ペ イ ン 植 民 地 時 代 J 紀 元 前 3 世紀  〜 1 5 世紀頃 「 パランガイ J と呼ばれる帆舟に乗ったマレー人がフィリピン諸島へ 上陸し、島の各地に定住。 _ 1 5 世 紀 後 半   〜 1 6 世紀 イスラム教が伝わり、 ミンダナオ島とスールー諸島を中心に信者数か 広 がり 各地 に ス ル タ ン が 統 治 す る イ ス ラ ム 国 家 を 形 成 。 1 5 2 1 年 マゼランがセブ島のマクタンへ上陸。 1 5 7 1 年 スペイン政府は、 レガスピ
表 1 2 地方特別機関(LSB)の種類 市 民 社 会 の 代 表 の 割 合 州 市 町 村 地 方 開 発 評 議 会 (LDC) 4 分 の 1 が NG0  •  P0  •  PS  (民間  部 門 ) 〇 〇 〇 〇 地 方 入 札 資 格 事 前 審 査 • 裁 定 委   員 会 (PBAC) LD C の 代 表 の NGO  •  P O か ら 2 名 〇 〇 〇 地 方 保 健 委 員 会 (LHB) 保 健 衛 生 に か か わ る N G O _ ro か  ら 1 名 〇
図 5  NCPC の市政への参加( 住民参加強化条例制定に至るまで ) 政治的機会 •住民参加強化条例制定  N C P C 設立に至るまで 能力 ( 出所)筆者作成 設 立 当 初 ( 主 に 1 9 9 8 年のロコ市長就任から 2 0 0 1 年のロブレド市長の再登板までの  時期)、 N C P C の活動には、概 ね 3 つの特徴があったといえる。 第 1 は、当時のロコ市  長 は 、 N C P C の市政への全面的な参加を認めた住民参加強化条例の実施に積極的でなか  ったことが挙げられる。
図 6  NCPC の市政への参加(ロコ市長の在任期間中 ) 政治的機会 組織資源 益者の支持 - ■■•開発事業に対する反対運  動の展開平常時 争 点 化 ,動員  能力 ( 出所)筆者作成 次 に 2 0 0 1 年にロブレド市長が再登板した後の、 N C P C の市政への影饗力について考  察する。 この時期の N C P C を取り巻く環境については、次 の 3 つの特徴が挙げられる。 第 1 は、住民参加強化条例の制定を後押ししたロブレド氏が連続してその後 3 期市長  を 務 め ( 2 0
+2

参照

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