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ことば、いのち、戦争 : その危機への挑戦

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Academic year: 2021

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<書評>齋藤元紀編『連続講義現代日本の四つの危機 : 哲学からの挑戦』(講談社、二〇一五年) 知、

ことば、いのち、戦争 : その危機への挑戦

著者 菅沢 龍文

出版者 法政哲学会

雑誌名 法政哲学

巻 13

ページ 51‑52

発行年 2017‑03‑20

URL http://hdl.handle.net/10114/13294

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本書で現代日本の四つの危機というのは、「知の危機」、「ことばの危機」、「いのちの危機」、「戦争の危機」である。その内容は、現代文明の諸問題を主に西洋哲学の立場から日本とのつながりで問うものである。おのおのの危機についての講義はそれぞれ三講から成っていて、すべての講義が、思想界で現代をリードする異なる論者によるものである。第一部では牧野英二氏が現代社会の危機をめぐり、日本の近代化と「啓蒙」について語り、信原幸弘氏が現代の心の危機でもある「依存症と自律性の喪失」について語り、西山雄二氏が現在の大学の危機と哲学のあり方について語る。第二部では梶谷真司氏がグローバル化で多元化・不安定 化した世界でのコミュニケーション力の危機をめぐり、対話型の哲学について語り、小野原雅夫氏が民主主義の危機を捉えて、自らの哲学カフェでの対話の実践について語り、魚住孝至氏が大量の情報のなかで「無造作に言葉を消費している」ことの危機を診てとり、芭蕉の俳諧について語る。第三部では斎藤慶典氏が、「存在」と「現象」をめぐる二つの「危機」の狭間にあるわれわれについて形而上学的に語り、森一郎氏が「世界の終わり」をめぐって、近現代の西洋の思想家に目配せしつつ、「世代」の意味について語り、高田珠樹氏は現代の諸危機を挙げて、ハイデガーをより所に「価値観の転換」について語る。第四部では澤田直氏が、戦争を通じて「アンガジュマン」の思想へ至るサルトルの足跡をたどって、自分の行為選択

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菅沢龍文 知、ことば、いのち、戦争 その危機への挑戦

齋藤元紀編『連続講義現代日本の四つの危機哲学からの挑戦』講談社、二〇一五年 書評】

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の意味について語り、宮崎裕助氏がアウシュヴィッツ以後にあって、歴史的想像力によって現代人の生を省みることの必要性について語り、矢野久美子氏がアーレントに依拠しつつ、全体主義という危機に対する「はじまり」の意義について語る。以上はあまりにも簡潔な紹介に終わった。じっさい紙幅の関係もあって立ち入れなかった、それぞれの論者の豊穣で深みのある論述がある。そこからは上述に加えていろいろなことを教えられ、気付かされる。この時代になにか不安を感ずる向きには、是非読まれることをお勧めする。なお、これは齋藤元紀氏が勤務先の高千穂大学で開催されたオムニバス形式での公開連続講義の記録である。この時代にあって、齋藤元紀氏のこのようなわれわれへの贈り物に深く感謝したい。

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