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戦略研究 における地域市場 一 特 に,単一市場 としての

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(1)

グ ロ ーバ ル ・マ ー ケ テ ィ ング 戦略研究 における地域市場

一 特 に,単一市場 としてのEU (欧州連合)の設立 との関連 から

テ ィオ フ ィラス ・アサ モ ア

1 は じめに

1‑ 1 この論文の背景

1)

TheodoreLevittが発 表 した論 文 を契機 と して,1980年代 中頃か ら盛 ん に なったグローバ ル ・マ ーケテ イングの議論 は, グローバ ル ・マ ーケテ イング に関す る国際マ ーケテ イングにおいて2つ の主要 な概念 を誕生 させ た。 それ らは,パ ースペ クテ ィブ と しての グローバ ル ・マーケテ イング と戟略 と して

2) のグローバ ル ・マーケテ イングであ る。

パースペ クテ ィブ と しての グローバ ル ・マーケテ イングの支持者 は,世界 市場 を企業 の潜在 的あ るいは実践 的市場 とみ な し,パ ースペ クテ ィブ と して のグローバ ル ・マーケテ イングを地理 的 なアプ ローチ と して提 示 した。 この 支持者 たちは,主 に3つの学派 に分 け られ る。 まず1つの学派 は,国際 マー ケテ イングが異 なる段 階 を経 るべ きもの と考 えてい る。最初 の段 階 は,マ ー ケテ イング活動 において企業が 国内マ ーケテ イング ・アプ ローチ を採用す る 段階であ り,最後 の段 階 は,企 業が グローバ ル ・マ ーケテ イング ・アプ ロー

3,4,5)

チを採用す る段 階であ る。 もう1つの学派 は, グローバ ル ・マーケテ イング 63

(2)

をマーケテ イング ・マ ネー ジメ ン トの 1要素 と考 える人 々であ る。彼 らに と って,マ ーケテ イング ・マ ネー ジメ ン トは企業 の グローバ ル戦略全体 の主要

6,7,8)

な機 能的構 成要素 であ る。第3の学派 は,国際マーケテ イングやサ ー ビス ・ マ ーケテ イング,あるい は非営利組織 のマーケテ イングな どと同様 に, グロ ーバ ル ・マーケテ イングを国境 を越 えた よ り広 い意味 での地理 的意味 におけ る, 国内市場 を前提 と したマ ーケテ イング概 念 ,マ ーケテ イング ・モ デル,

9,10,ll) あ るい はマ ーケテ イング実践活動‑ の応用 と考 えた

上記 の議論 とは別 に, グローバ ル ・マーケテ イングの概念 その もの に関 し ては,企業 がそのマーケテ イング活動 を個 々の国の市場 にカス タマ イズすべ きか どうか, または企業が その国際マーケテ イング活動 の実行 や展 開 におい てマ ーケテ イング活動 を標準化すべ きであ るか どうか とい う問題 を中心 に し て議論 が行 われて きた。 この ようなグローバ ル ・マーケテ イングの概念 に関 す る議論 で は,主 に3つの学派が存在 してい る。 まず1つ は, グローバ ル ・ マ ーケテ ィング戦略 を遂行 す る際 の根本 的要 因 を国際マーケテ イングの標準

12)

化 であ る と考 える学派であ る。 もう1つの学派 は,特定 の国の市場 に影響 を 与 える様 々 な内的 ・外 的要 因 に よって生 じる国際マ ーケ テ イングにお いて, グローバ ル ・マ ーケテ イングの展 開が,各市場 で必 要 とされ る調整 の役割 を

13,14,15)

果 たす と主張す る学派 である。第3の学派 は,国際マーケテ イングの標準化 に関連 して, その議論 が全 く噛 み合 わず不 適 当 に論 じられ て きた と考 え る

16)

人 々であ る。 国際マーケテ イング標準化 ,す なわちグローバ ル ・マーケテ ィ ング戦略 は,標準化が どの程度望 ま しいか,あ るい は実行可能であ るか とい

17,18)

う相対 的 な範 囲での連続性 をよ り現実 的 に考慮 すべ きであ る。 また標準化 の 程度 は,成果 に応 じて様 々な形態が可能であ る。 ただ し彼 らに よれば, トー

19,20) タル なマ ーケテ イングの標準化 は実行不可能である

グローバ ル ・マーケテ イングを定義す るこれ ら2つの アプローチ は,様 々 64 国際経営論集 No.21 2001

(3)

な学派 を生 んだ。 しか しなが ら基本的 に,それぞれの学派 はグローバ ル市場 を単一の世界市場 と捕 らえることを前提 と してい る。 これに対 して,従来の 国際マーケテ イングの一般 的傾 向では,世界市場 を国単位 (基本 的市場単位 として)の数多 くの市場 か ら構成 された もの とみ な して きた。つ ま り政治的 な単位が,国際マーケテ イングを論 じる際の基本 的 な市場単位 とされて きた。

グローバ ル ・マーケテ イングを論 じる際,簡単 な リージ ョナル化 の言及 はあ 21)

って も,地域市場の具体 的所在 に関 してはほ とん ど注意が払 われて こなか っ た。一方,マーケ ッ トと して個 々に独立 した国か ら構成 された世界市場 とい

22)

う観点 は,国際マーケテ イングでは広 く受 け入れ られている グローバ ル ・ マーケテ イングにおける市場細分化 とい う点で は地域化 について多 くが論 じ

られて きたが,実際 にい くつかの地域 ブロ ックの出現 とい う現実 を踏 まえて, 地域市場 と, また グローバ ル ・マ ーケ ッテ ィング戦略 にお け る リー ジ ョナ ル ・マーケテ イングを分析す る必要性が生 じて きた。

1‑2

論文の課題

国際マーケテ イングで は一般 的 に,基本 的単位 と して国 を考 えて きたが, 地域 (リージ ョン) とい う考 え方 もまた国際マーケテ イングや グローバ ル ・ マーケテ イングでは重要 な基本 的単位 となるO この ように,国際マーケテ イ

ングや グローバ ル ・マーケテ イングの議論 では,地域 についてほ とん ど注意 が払われてこなか ったので, ここでは地域 とい う概念 を考察す る。そ こで ま ず,地域 とい う単位 を企業が活動す る市場の単位 として考察す る。民主主義 諸国の間で展 開 される国際マーケテ イングにおいて,地域 は,主 に 2つの観 点か ら考察で きる。第‑ は,個 々の企業が内的 な要 因や基準 に基づいて決定 した地域市場 であ り,第二 は企業 による決定で はな く外 的 な要因やあ る組織 に基づいて決定 された地域市場である。

グローバ ル ・マーケテ ィング戦略研究 における地域市場 65

(4)

1‑ 3 地域市場

第一の,企業の内的な要 因に基づいて決定 された地域市場 は,1980年代 ( ソニーがその例 となるであろ う。 ソニーは, 日本以外 のマーケ ッ トを国際了 場 と名づ け, この国際市場 を,欧州市場 ,北米市場 , ジェネラル ・エ リア 特別市場 に分 けた。欧州市場 は,いわゆる西欧諸国によって構成 され,北う 市場 は,米 国か らなる。 ジェネラル ・エ リアは,アジア,オセアニ ア,オー ス トラ リア, カナ ダ, 中東 (北 ア フ リカを含 む), アフ リカ (サハ ラ以南) 中南米で構成 されている。 これ らの市場が地域市場 と呼 ばれている。

これ らの ソニーの地域市場 は,企業の様 々な内的要因に基づいて区分 さオ ている。この要因は,ユニー クな海外市場 を規定す るため に使用 されている ソニー, またはこの ような分類 を行 う企業では,海外市場 を担当す る ものプ 国際市場 を担 当す る。地域市場 は単一国のみ に よって構成 される場合 もある ソニーの場合 ,企業の国際市場細分化 の結果 として考慮 された地域市場 の七 を提示 している。 また,国際マーケテ イングにおいて企業 自身が市場細分イ の原則 に基づ いて地域市場 の区分 を行 ってい るが, もともと全 世界 は地土

(地域 ブロ ック) ごとに分 け られている。

第二の地域市場 については,世界の地域 ブロ ックが,国際市場細分化 とし て企業 に よって作 られ た地域市場 の境 界 とは必ず しも同 じであ る必 要 はろ い。 これ らの地域市場 は,企業 の外 的要 因の結果 と して作 られてい るので それ らは国際マーケテ イング戟略 において個 々の企業 に よって当然 とみなさ れて きた。あ る場合 において, この ような地域市場 は,個 々の企業 だけでろ く,業界全体 に とって も問題 であ った。外 的要因によって形成 される地域ff 場 によって与 え られる問題 は,次第 に大 きな問題 となって きているが, こ¢

ような市場 は国際マーケテ イングの議論 か らは重要 な問題 とはなって こなカ った。 そ こで この論文では,外 的要因の結果 と して区分 されて きた地域市場

66 国際経営論 集 No.21 2001

(5)

に注 目 したい。個 々の企業のマーケテ イング活動 における外 的要因の様 々な 組み合 わせ か らなる地域市場の研究 を行 う理 由の1つ は,それ らが グローバ ル ・マーケ ッ トにおける企業の制御 を超 えてい るか らである

この論文の主要 な課題 の第1は,いか に (外 的要因の結果 と しての)地域 市場が,国際マーケテ イング標準化 に基づ くグローバ ル ・マーケテ ィング戦 略 と適合 す るか とい う問題 であ る。第2には, 国際 マ ーケテ イング標準化 (国単位 と してではない) に基づ くだけで な く, リー ジ ョナル ・マ ーケテ イ ング ・コンフィギュ レー シ ョンに基づ くグローバ ル ・マーケテ ィング戦略の 議論 の枠組み を作 り出す ことである。

2

グローバル ・マーケテ ィング戦略の研究の傾向

2‑1 グローバル ・マーケテ ィング戦略概念 の展開

グローバ ル ・マーケテ ィング戦略 を基礎 とした体系 的 な標準化概念 の最初 23)

の試みは,1983年 にTheodoreLevittによって提示 された。 しか しなが ら, 1960年代初期 まで さかのぼる と,標準化 とは国際マーケテ イングの有効 な戟

24,25)

略の 1つであ る とい う議論が行 われていた。1983年 Levittに よって発表 さ れるまで,60年代 の国際マーケテ イングにおける標準化 の大部分 は広告 に関

26) する議論であった。

国際マーケテ イングにおける標準化 に関す る議論 の最初の段 階は,国内マ ーケテ イング戟略 を海外市場 に適応 させ る こ とがで きるか どうかであ った。

個々の企業の市場が比較的同一である とみ なされたな らば,標準化 は,魅力 27)

的で適切 な戦略であ った。60年代初期 の時点では,標準化 は国際マーケテ イ ングを展 開す るにあたって1つの ツール と考 え られていた。

グローバ ル ・マ ーケテ ィング戦略研 究 における地域市場 67

(6)

以前 に述べ た

1 9 8 3

年の論文で

,Le v i t

tは

1 9 7 0

年代 と比較す る と,テ クノロ ジー, コ ミュニケーシ ョン,交通 な どで国際的 に飛躍的な進歩 を遂 げた と論

じてい る。 これ らの進歩 によって, (個 々の国のマーケテ イング政策 に関係 な く)世界 中の顧 客や企業 に国 を超 えた大 きな影響 を与 えるこ とになった。

その結果,マーケテ イング,特 に国際マーケテ イングにおけるグローバル戦 略の方向づ けは明 らか となる。マーケテ イングにおけるグローバ ル戟略の方 向づ けは,基本 的なマーケテ イング要素の標準化 に焦点 をあてた。 同時期 の 学者の中には,基本的 なマーケテ イング要素の標準化 は実行不可能である と 論 じた者 もいた。その結果, もしグローバ ル ・マーケテ ィング戦略の うちに 何 かあ る とす るな らば,その ような戟略 は,内的要因そ して外 的要因に基づ く国際マーケテ イングにおける実践 に場所 を適応 させ ることに焦点 を当てる

28,29) ことであ った。

国際マーケテ イングにおける標準化 と適応 の議論 は,特 に

1 9 8 3

年か ら

1 9 8 6

年初期 に集 中的に行 われたが, この間題 は,結局の ところ議論が噛み合 って いなか った。 しか しなが ら

,1 9 8 6

年の中頃 までには国際マーケテ イングの標 準化 は連続性 を持つ と考 え られる と主張 されるようになる。この連続僅 とは, 国際マーケテ イングが望 ま しく実行可能である標準化 の相対 的な程度の範囲

30,31,32) を意味 している。

その結果 として, グローバ ル ・マーケテ ィング戦略 に対す るこの ようなア プローチ を支持す る学者 は,国際マーケテ イングの成果 を向上 させ るための

33)

標準化の様 々な形態 とその程度 を公準化 しようと した。彼 らに共通 な結論 は, 純粋 な標準化 (す なわち,従来の グローバ ル ・マーケテ ィング戦略) は,国 際マーケテ ィング戦略 としては実行不可能である とい うことである

.1 9 8 3

年 の

Le vi t

tの論文 で考 え られていた以上 に,国際マーケテ イングにおける標 準化 の達成 には よ り多 くの要因が存在 した。 これ ら学者 によ り指摘 された幾 つかの要因は,産業界の特徴や製品の特徴 ,為替 レー ト,国の間の違 いなど

68 国際経営論集 No.21 2001

(7)

である。 しか しなが ら

,1 9 8 9

年 にJainは, この問題 に関心 を持 って きた多 くの学者 を満足 させ る国際マーケテ イングの標準化 において生 じる問題全般

34)

に解決 となる突破 口を提示 した。Jainによれば,マーケテ イング ・イ ンフラ ス トラクチ ャが同 じように発展 した国においてのみ,国際マーケテ イングに おける標準化 は可能である と主張 した。 この ような標準化 は,ホス ト国でマ ーケテ イング ・ス トラクチ ャがホーム ・マーケ ッ トと経済的 に同 じように発 展 した場合 に特 に,国際マーケテ イング標準化が実行可能であ る と主張 した のである。彼 の主張 は,他方で適応性が重要であ る とい う問題 も残 した。故 に,標準化 と適応 のそれぞれの概念がいかなる ものであるのか さらに検討す る必要がある。

2‑ 2 グローバル ・マーケテ ィング戦略の議論 における適応概念

1 9 8 3

年の

Le v i t

tの発表 まで,外 国市場 における有効 な適応性 は,国際マ

‑ケテ ィング戦略の中心 的な主題であった。先 に言及 した ように,国際マー ケテ イングにおける標準化 に関す る議論 は

,1 9 6 0

年代 の初期 に学者の関心 を 呼び込 んだに もかかわ らず,国際マーケテ イングの中心的 な戟略 は適応性 で あった。その結果,国際マーケテ イングでの3つの主 なアプローチ,す なは ち,比較 アプローチ,環境 アプローチ,発展段 階 アプローチの中で,海外市

35)

場における適応性 は特 に関心が払 われた。 これ ら3つの アプローチでは適応 性に関心が払 われたが,それぞれ細部 において異 なっていた。基本 的 に, こ れらの海外市場 における適応性 は,以下の3つ に分類 される。

(1) マーケテ イング ・ミクス (特 に製品の)特徴 (2) 国 (海外市場 の)特徴

(3) 顧客 (消費者 を含めての)特徴

グローバ ル ・マーケテ ィング戦略研究 における地域市場 69

(8)

(1) マーケテ イング ・ミクス

長 い間,マ ーケテ イング ・ミクスの要素 (す なはち,製 品,価格 ,流通 , 37) [場所 ], プロモー シ ョン)の組み合 わせ は,偶然 の産物 とみ な されて きた。

国際マーケテ イング ・ミクスは,普遍的universal,修正 的modified,国 ご 38)

とに作 るcountry‑tailored, とい う3つ に分類 され,修正 と国 ご とに作 るは 適応性 に属す る。国際マーケテ イングではマーケテ イング ・ミクスではな く, 国際マーケテ イング ・ミクスの組み合 わせ に よっていか に適応 させ るか とい うことが問題 となる。例 えば,伝統的 な産業材 マーケテ イングと消費財 マー ケテ イングを挙 げるな らば,産業財の国際マーケテ イングは多 くの修正 を受 けるか もしれ ない。他方,消費財 マーケテ イングにおける国際マーケテ イン グの大部分 は,修正的で国 ご とに作 る とい う国際マーケテ イングの適応性 を 必要 とす るであろ う。 だが,国際マーケテ イングの産業財 マーケテ イング ・

ミクスは,ハ イテ ク (特 に,製 品),流通, プロモー シ ョンに大 い に依存 し てい る とい う反論 もある。 この ようなハ イテ クは,多 くの国で しば しば共通 であ る。その結果, まず産業財 の国際マーケテ イングの適応性 は,個 々の国 際ア ‑ケ ッ トに適合す るように修正があ った と して も,それは最低 限 に留 ま るであろ う。 また消費財 マーケテ イングと比較 して,産業財 マーケテ イング は,国の文化 的規範やマーケテ イング ・インフラス トラクチ ャに対 してそれ

39) ほ ど敏感 で はなか った。

消費財 では,耐久財 と非耐久財 に区分 される。非耐久財 は,耐久財 よ り文 化 的傾 向性 を も 。例 えば,食品は文化的傾 向性 を もつため,消費者の時好

40)

だけでな く消費習慣 の影響 を受 ける。国際マーケテ イング .ミクスでは,港 外市場 におけるマーケテ イングに対 して,すべ ての要因かあるいは幾つかの 要因 を適応 させ る必要がある。

70 国際経営論集 No.21 2001

(9)

(2) 国の特徴

国の特徴 は,国際マーケテ イングでは,環境 アプローチの支持者 によって 強調 される。基本 的に,環境 アプローチの支持者 は国際マーケテ イングの展

41)

開に一般 的な形で影響 を与 えた7つの環境要因 をとりあげてきた。 これ らは, 環境 アプローチの外 的な環境要因である。 しか しなが ら,国際マーケテ イン

グの適応性 とい う目的のため に,ChengLuWangは約10項 目を環境要因 と してあげている。それ らの項 目は,社会的要因,政治 システム,経済発展段 階,技術発展段 階,地理的要因,心理的距離,識字率,文化 的同一性,文化 的文脈 での社会移動性,歴史的距離である。外 国の (ホス ト)マーケ ッ トで の適応性が可能である範囲は,誰が これ らの要因に近 いか とい うことにかか っている。 だが,先進 (工業)国,新興工業経済圏

( NI ES )

,発展途上 国な ど の経済発展段 階は最 も広 く使用 されて きた要因であ り,環境 アプローチ支持 者に多 く見 られる。

(3) 顧客の特徴

自国の市場 に比較 して,外 国の (ホス ト)マーケ ッ トでの顧 客 の特徴 は, 適応性 に とって非常 に重要 となる。顧 客の特徴 は,社会階級 ,年齢 ,性別 ,

42)

都会/地方,居住地域 ,生活 ス タイルな どであ る。 これ らの要素 は,顧 客の 態度や行動パ ター ンに影響 を与 えてい る。発展段 階アプローチ によるこの よ うな見解 は,上記 の要素が多 く見出せ る場合,国際マーケテ イングが標準化 するのではな く適応す る とい える。 自国で見 出せ る ような要素 をホス ト国の セグメン トで認識で きる場合,ホス ト国 に進 出す る。ユニー クな市場 まで適 応することによって市場 を細分化す ることがで きる。適応 の程度 は,顧 客の 特徴で述べ られた ように,地理的,心理学的要因に依存す る顧客セ グメ ン ト

43) の中で見出せ る共通性 に基づいて偶発 的 に生 じる と主張 される。

グローバ ル ・マ ーケテ ィング戦略研 究 におけ る地域市場 71

(10)

2‑3

グローバル ・マーケテ ィング戦略の議論 における標準化 の概念 グローバ ル ・マーケテ ィング戦略 としての国際マーケテ イングの標準化 ら 関す る議論 の焦点は,消費財 マーケテ イングに当て られて きた。原材料 マー ケテ イングを含 む産業財 マーケテ イングは,完全 に,あ るいは部分 的 に標‑Zj 化 された と考 え られて きた。産業財マーケテ イングに関 して,その時期 の覇 善のテクノロジーは,生産や製品のマーケテ イングにおいて使用 されて きた さらにそれは,顧客 と市場 に対す るチ ャネル ・コ ミュニケー シ ョン‑の実足 である。先進 の工業製品 を需要す ることによって示 される近代化‑ の欲求は 例外 とい うよ りむ しろ標準 的である。 したが って, グローバ ル ・マーケテ ィ

ング戦略 と しての国際マーケテ イングの標準化 に対 す るLevittの呼 びかい は,国際マーケテ イングには適用で きなか った。

マーケテ イングの文献 や論文 で, グローバ ル とい う用語 は共通す る定義 を 見 出す こ とは困難である グローバ ル とい う用語 を使用す る文献 では,暖明

44)

な一般化や定義の混乱がある と言 われて きた。 しか し,限定的で実践的 な意 味 で, グローバ ル とは,少 な くとも10か国で適用 される場合 にその用語 は月

45)

い られてい る。国際的な経営 とい う観点か ら,グローバ ル とい う用語 は また.

企業が事業可 能 なすべ ての潜在 的 な市場 を意味す るため に使用 されて きたく この場合, グローバ ルは, ワール ドワイ ドを意味す る。 この ような定義のT では,ナ シ ョナル とワール ドワイ ドの間で企業 は, メタマーケ ッ トとして剥 域 を取 り扱 い, この ような地域 に対 して標準化 で きるか もしれない。次のノ亡 につ いては後 に分析 す るが,単一市場 であ る欧州連合 (EU)の市場 は, ク ローパ ル ・マーケテ ィング戦略 とみな される。

国際マーケテ イングの文献 で広 く認め られて きた標準化‑ のアプローチに 46) は主 に2つある。それ らは, プロセス とプログラムの標準化であ る プロセ スの標準化 は,ユニ フォーム ・マーケテ イング ・マ ネージメ ン トの実践展 際

72 国際経営論 集 No.21 2001

(11)

を意味す るために使用 されている。この こ とは,タス クの シー クエ ンシング, 問題解決 プロセス,意思決定 プロセス,パ ー フォーマ ンス評価 プロセスな ど

47,48)

である。RafeeとKreuterによれば,共通の企業言語 の構築, ジ ョブローテ ーシ ョンを通 した親会社 と海外子会社での企業文化 の創造,訓練 や教育の標 準化 によって,企業 は, グローバル ・マーケテ ィング戦略の展 開の成功 に貢 献 している。国際 プロセス ・マーケテ イング標準化 を論 じる学者 グループに よって, グローバ ル ・マーケテ イングの計画策走や意思決定の標準化 はマー ケテ イング ・ミクス全体 の内容の標準化 よ りも重要で, また一般的 に可能で あると主張 されている。

プログラム標準化 は,1980年代 か ら1990年代初期 に,特 に国際マーケテ イ ング標準化で着 目され,国際マーケテ イング標準化 に関す る議論 の中心 であ った。 プログラム標準化 は, グローバ ル市場 に対 す る単 一 のマ ‑ケテ ィン

49,50)

グ ・ミクスの展 開 を意味 している。その純粋 な形態 において, プログラム標 準化は個 々の国 に対す る類似す る流通 システム を通 した,販売促進 の類似す る手段 を使用す る,類似 的な価格 における,類似 的な製品の提供 として定義 できる。一般 に国際マーケテ イング ・プログラムは,製品デザ イン,製品 ブ ラン ド,パ ッケージング,価格設定,広告,販売促進,キ ャンペー ン, メデ

51,52) イア予算配分,中間業者, ロジステ ィックスな どに適用 されて きた。国際マ ーケテ イング ・プログラムが標準化 で きる範 囲は,市場構成 ,製品の特質,

53)

標的市場の特 質,ホス ト国の環境 な どの要因に依存す る。 さらに国際マーケ テイング ・プログラム標準化の展 開や実施 は,企業の国際的方向性 に対す る

54)

哲学によ り影響 を受 けている と言 えよう

マーケテ イング ・ミクスの要素の必ず しもすべ てが,国際マーケテ イング 標準化 とい う点で,等 しい注意 を受 けて きた とい うわけではない ことが明 ら かとなって きた。国際マーケテ イング ・プログラムの標準化 と関連す るほ と

グローバ ル ・マーケテ ィング戦略研究 における地域市場 73

(12)

55)

ん どの研究活動 は,販売促進 の標準化,特 に広告 に集 中 して きた。過去30年 にわた る国際 マ ーケテ イング ・プ ログラム標準化 に対 す る研 究 の半 数以上 は,販売促進 に関す る ものである。製品の標準化 は,マーケテ イング ・ミク スの他 の2つの要素 よ りも考察 されて きた。

さらに国際マーケテ イング ・プログラムの標準化 において,特 にグローバ ル広告戟略の コンテクス トにおいて,プロ トタイプ とパ ター ン標準化 を区別

56,57)

された。 プロ トタイプ標準化 は,標準化 によって多様 な市場 で採用が可能 と なるが,個別要素の適応 の余地 を残 している。例 えば, プロ トタイプ標準化 の下では, グローバルな広告 は,翻訳 の必要性 はあるが同一の広告 やキ ャン ペー ンが世界的 に可能 となる。パ ター ン標準化 は,国際マーケテ イング標準 化 においていつで もどこで も必要 な場合,実行可能 な要素 に適応 で きる基本 的 な概念やテーマの標準化 を意味す る。その例 として,LeviStraussが質の 概念 とアメ リカの遺産 を使用 したことが挙 げ られる。LeviStraussは,キ ャ ンペー ンの広範 囲な概観 を展 開 したが,その特定の詳細 の決定 は個 々の市場

58)

や国の地域性 に委 ね られた。

国際マーケテ イングの標準化 で求め られた ものは,国際 ビジネス ・エ ンテ ィテ ィーが確立 されたこ とによって少 ない努力 で把握す ることが可能 になっ た。 だが,国際経営の歴史 において この こ とは可能ではなかった。 この論文 の始 め に述べ た ようにLevittに よれば,世界 はグローバ ル文化 に関 して定 義で きるグローバル化 を経験 している。 したが って国の文化的選考 によって 既定 される文化的差異 は,過去 の足跡 である。 この現象の結果,一般 にニー ズ とウォンツは同質化 された。マ ク ドナル ド, コカコー ラ,マルポーロ, レ ブロ ン, ソニー,P&G, リーバ イスの ような企業 は,Levittによれば,国ご との差異 よ りも,類似 性 を求め て きた企業 の例 と して引用 され た。 さ らに 59) 1995年以来,ハ リウッド映画の国際売上 は,米国国内 よ りも多 くなっていた。

74 国際経営論集 No.21 2001

(13)

標準化の現在の支持者 は,費用削減,本社機能の完全 な利用,国や文化や 晴好の差異の消滅が Levittの議論 や, グローバ ル ・マ ーケテ ィング戦略 と しての国際マーケテ イング標準化 を支持す る と主張 している。国際マ‑ケテ

60) ィング標準化 を動機付 け支持す る要因は次の ようになる。

1.インフラス トラクチ ャー,流通 チ ャンネル,マーケテ イング ・アプロー チの利用可能性 に関 して国際市場 (国)の増大す る類似性

2.国内市場 を成長 させ グローバ ル市場へ と統合 させ て きた国際投資 の結莱 としての流動 的 グローバ ル市場の拡大

3.企業 間の競争 を再形成す る技術 的再構築。 この こ とは, コンピュー タ産 業で見 出せ る ような技術 革命や革新 の結果 と しての グローバ ルな競争‑

国内的な競争か らビジネス戟略 をシフ トさせ て きた。

4.マーケテ イング‑ の大 きなイ ンパ ク トとなったテ クノロジーの統合 的役 割。 ビジネスのあ らゆる面 に対す るテ クノロジーの統合 は, グローバ ル 消費者/顧客へ アクセス可能 なコス ト ・マーケテ イング ・オファー リング

(製品 とサー ビス) において減少へ と導 く。

5.過去10年 よ りもグローバ ルな ビジネス競合者の新 しい形態の出現

標準化への議論 は,規模 の経済,マーケテ イングの質 (特 に製品 とサ ー ビ ス)を高めるこ と,同質の世界市場 を仮定す るこ と,低価格 による費用 の低 下,販売量 の増加 に基づいていることは明 らかである。 だが, グローバ ル ・ マーケテ イング戟略の形態 における国際マーケテ イング標準化 は国際的 に活 動している多 くの企業 によって好 まれ るが,それ を実行す ることは容易では なかった。 さらに成功 しなかった国際マーケテ イング標準化 に よ り,企業 に 大打撃 となったこともあ った。 フォー ドによって考 え出 された 「ワール ド ・ カー」のマーケテ イングでの失敗 は一つの典型的 な例 である。 フォー ドの汎 欧州車は,その期待 を裏切 った。

グロ‑パ ル ・マーケテ ィング戦略研 究 における地域市場 75

(14)

しか しなが ら,単一欧州市場 の誕生 は特 に, グローバ ル ・マーケテ イング 戟略の基盤である国際マーケテ イング標準化 の展 開における新 しい段 階へ と 導 いた。単一欧州市場 は, フォー ドの 「ワール ド ・カー」 の時代 の汎欧州の 概念 とは異 なっている。汎欧州 は西 ヨーロ ッパの国々の緩やかな関係性 を意 味 していた。一般 的意味 でい くつかの産業 は,国際マーケテ イング標準化 に とって受 け入れ られる産業 に分類 されて きたが,汎欧州の概念 の下では ヨー ロ ッパ市場 は個 々の国の国境が歴然 として存在 していた。各国で異 なる法律 の存在 は, ヨー ロ ッパ において,あるいは汎欧州の特質 を持つ同様 の地域市 場 において,多 くの場合,企業が標準化 を試み る場合 に非常 に重要 となった。

マーケテ イング ・コ ミュニケー シ ョンは,汎欧州時代 において企業が直面 し た最 も大 きな障害の中の一つであ った。

3

欧州連合

EU

3‑ 1 背景

欧州連合EU は, さまざまな人 に とって さまざまなこ とを意味す る。EU は,部分 の寄せ集めだけを意味す るので はない。EU は,単独 の国だけでは 効果 的 に解決で きない問題解決 を助 けるため に参加 国 によって設立 された。

しか し,多 くの人々にとってEU の市民であることで,単一市場であるEUか ら参加 国が享受で きる恩恵や機会 な どをその主要 な 目的内容 と している。 し 61) たがってEUは,制限で な く機会 を提供す るために設立 された と考 えて よい。

基本 的 にEU とい う言葉 は,政治的共 同体 とい う意味 で よ く使用 される。

だがそ もそ も,EU は1957年 の ローマ条約 に基づ く,欧州経済共 同体 の発展 形態である。欧州経済共 同体 EECは,欧州共 同体ECとな り,そ して1991 年のマース トリヒ ト条約 に基づいて欧州連合EU となった。

76 国際経営論集 No.21 2CK)1

(15)

3‑2 EU

の起源

EU

の前 身は,欧州石炭鉄鋼共同体

ECSC

である

。ECS C

は,1952年 に誕 生 した。参加 国は,ベルギー,西 ドイツ, フランス, イタリア,ル クセ ンブ ルク, オラ ンダであった。 これ らの国は,石炭や鉄鋼 の平和 的 な相互利用 を 目的 としたが,欧州統合 の種 をま くこととなった。その後,欧州原子力共 同 体

Eu r a t o m

が,1957年 にこれ ら6各国 によって形成 された。 これが

,EEC

となる。

経済統合 は,1950年代 に始 まったが,政治的統合 もまた将来的 な目標 とさ れた。 この一つの例 としては,1950年の フランス政府 による欧州防衛共 同体

Eu r o p e a nDe f e n s eCo mmu ni t y

の構想があるが,1954年 フランスでの議会の 反対のため に実現で きなか った。1960年代初期 に大 きな動 きがあ った。参加 6ヶ国による

Fo u c h e tPl a n s

として知 られている提案 によ り,政治的統合の 道が開かれた。1970年代 に,緊密 な政治統合の議論が,各国首脳 の間で重要 なテーマ とな っ た。 そ れ らの 一 つ は ,経 済 ・金 融 連 合

Economi ca nd Mo n e t a r yUn i o n

の設立 についてであ った。 これ によ り,1979年 に欧州通貨 制度

Eu r o p e a nMo n e t a r ySy s t e m ( EMS)

が設立 される。 この機 関は,欧州 通貨の安定化 のため ターゲ ッ ト ・ゾー ンを設定す ることを意図 した。

これ らの展 開は,国際市場細分化 の下で地域市場 の概念 を超 えて

EU

を検 62,63) 討する必要があ る。 国際 マーケテ イング ・タス クや環境 アプローチ学派 の 観点か ら

E

U は,国際マーケテ イング ・ユニ ッ ト (国の特徴) によって与 え

られるもの と同 じカテ ゴリー と同等 とみ なす ことがで きる。

3‑3 EU

の制度的枠組

EU

の制度 的枠組 は,国際マーケテ イングにおける地域細分化 の基盤 を形 成する他 の地域 の枠組 とは異 なっている。既 に述べ た ように, ローマ条約 は

グローバ ル ・マーケテ ィング戦略研究 における地域市場 77

(16)

欧州の単一化であり,その後のマーストリヒト条約でさらに進められた。

EU

の制度的枠組の特徴として,五つの機関がある。第一に,欧州評議会で ある。これは,立法機関であるO 第二に,欧州委員会である。これは行政機 関である。第三に,欧州議会である。これは諮問と運営の役割を持っている。 第四に,裁判所である。第五に,監査機関がある。

制度的枠組の権限や役割は,複雑ではあるが一つの国としての入念な枠組

を持つものとして設置されている。国際マーケテイングでは,国は市場の基 本的な単位であったり,またはある場合には国際市場の一つのセグメントで あったりする。特に国際マーケテイングの展開という観点から,はじめの三 つの機関は,国際マーケティング・ユニットにとって最も重要である。欧州 評議会は,

EU

加盟国の最終的な意思決定機関である。欧州委員会は,立法 や行政の調整機関である。さらに競争政策など特定の領域で,委員会は広範 な意思決定権を持っている。欧州議会は 直接選挙で選ばれた組織である。 加盟国には,それぞれの国に議席数が配分されているO それは,加盟国の実 力につりあう形で配分されることが原則とされている。議員の選挙は,

EU 

内で5年ごとに行われる。単一欧州市場の成立の可能性は,他の地域経済圏 では見られない,これら3つの機関に大いに依存している。

単一欧州市場

4‑1  単一市場の意味と目的

単一市場は基本的には欧州連合加盟15国の内的な市場の共通性に基づく。 先進国最大の 「国内市場j となる 3億7千万人の共通市場を意図しているO

この単一市場には四つのゴールがある。移動の自由を軸とするこれらのゴー

64) 

ルは,人の移動,モノの移動,資本の移動,サービスの移動である。単一市 場創造の主な目的一つのは 欧州の経済的政治的統合を促進させることに貢

78  国際経営論集 No.21  2001 

(17)

65)

献す ることである。 したが って,単一市場 の創造 は ビジネスの発展 の触媒 で あ り,経済成長 を刺激 させ,消費者 にはコス トの削減 と低価格化 の恩恵 を与 える。

66) 単一市場が機能す るたに進 め られて きた議論 は,以下の通 りである。

1.広大 な市場 の創造 を通 して,欧州 の企業 は生存 と拡張 のための さらなる 競争力 を持つであろ う。競争 は,健全 な経済現象 とみ な される。

2.単一市場 の創設 は,EU 内 に新 しい市場 を作 り出す ため に加盟 国企業 の 規模 や ビジネス を拡大 させ るであろ う。

3.単一市場 は,企業が ビジネス拡大 のための機 会 を探す際 に必要 となる安 全で質の高い基準 を設定す るための各国の協力 を促進 させ る。

4.国境管理の消滅 は,国際マーケテ イングでの コス ト削減 に大 い に貢献す る。例 えば,輸 出の際の税 関での付加価値税 の手続 きの コス トが削減 さ れる。

5.国境管理の消滅 は また,人の移動 を容易 にす る。人の移動 の 自由は,EU 内で労働 や居住 の権利 が普遍 的で無条件 に実現 され る こ とを意味 す る。

労働 や居住 の権利 は,加盟 国の国境 を越 えた国際マーケテ イング標準化 を促進す る と思 われ る。

4‑2

単一市場の範囲

欧州委員会 によって提 出 された ヨーロ ッパの単一市場 を発展 させ るため に 必要な基本 的要素 となる219項 目の 目標 は,平均 して92%が達成 された。 だ が,これ らの要素の 目標達成度 は国 ご とによって異 なる。 デ ンマー ク,ルク センブル ク, フラ ンス, オラ ンダ,スペ イ ン,スエーデ ンは950/.を越 えて達 成 している。 ドイツ,ギ リシア, フ ィンラン ドでは,達成度 は90%以下であ 67)

る。公的調達,保険,相互公認の職業訓練 ,教育機 関の単位 の認定,居住権 , 知的所有権 ,工業所有権 な ど特定 の領域では,EU 加盟 国は単一市場‑ 向け

グローバ ル ・マーケテ ィング戦略研究 における地域市場 79

(18)

た取組み に消極 的であ った。

最初 の段 階では,単一市場 の法制 は,命令的な形態 をとった。その結果 と して, この ような法制 を一度採用す る とその国の間では比較的 自由が享受て きた。そ して,各国政府や機 関 に とって障壁 をその ままに してお くこ とは堪 力的 となった。 この単一市場 に対す る指令 は,間接 的な形で置 き換 え られた 場合 もあれば,完全 に置 き換 え られた場合 もあった。 また,全 く置 き換 え ら れない場合 もあ った。EU 加盟 国がその義務 を遵守す ることを確実 にす る責 任 を負 ってい るため,欧州委員会 は, これ らのあ らゆる場面 で警察的な役勲 を演 じている。欧州委員会 によって採用 されて きた一つの方法 は,各国政柄 にEU の法 を遵守す るように特別の圧力 をかけることである。 この ような圧 力の一つ は,単一市場 のための法 を,各国が どれ くらい遵守 しているか を比 較 して公表す ることである

欧州委員会の究極 の制裁 は,法廷 で該当国 を訴 えることである。単一市場 が適切 に機能す るには,公訴 に代 えて,欧州委員会が各国政府や市民 と十分 な意思伝達 を果 たす ことである。例 えば フランスの カシス ・デ ・デ イジ ョン な ど,製品の相互認識 の概念 は欧州裁判所か ら始 まっている。欧州裁判所 は, リカー と呼 ばれ る伝統 的な外 国製低 アル コール製品の輸 入禁止 を決めた ドイ ツの法律 を無効 に した。 この決定の結果,加盟国で合法的に製造 されたいか なる製品 も他 の加盟 国内で原則 として販売が可能 とな り, また国内製 品 とは

68) 多少異 なるという理 由で輸入禁止 されることはできなくなった。

単一市場 に村す る各加盟 国の標準化の同質化 によ り, ほ とん どが標準化 さ れていたので,それ まで請負 って きた官僚 の管轄 を減少 させ た。 これ まで調 整 に時 間が掛 か っていたほ とん どの分野 で簡単 に手続 きが済 む ようになっ た。 その結果,い くつかの ヨーロ ッパの国では国際的な輸 出競争力 を持つこ

80 国際経営論集 No.21 2001

(19)

とになった。 ヨー ロ ッパで多様化 されていたマーケテ イング分野 の一つ は, プロモーシ ョン (マーケテ イング ・コ ミュニケー シ ョンと して もよ く知 られ ている)であった。マーケテ イング ・コ ミュニケー シ ョンを標準化す る試み は,単一市場化へ向けた試金石であった。

4‑3 EU単一市場 におけるコマーシャル ・コ ミュニケーシ ョン

コマー シャル ・コ ミュニケーシ ョンにおけるEUの政策 は,1992年11月に 見直 された。見直 しを始 めた欧州委員会 は, コマー シャル ・コ ミュニケー シ ョンを 「他 の製品,サー ビス,企業 イメージを最終顧客や流通業者 (中間業 者)に対 して促進す るためのあ らゆる形態の コ ミュニケー シ ョン」 と規定 し 69)

た。 この定義か らみて とれるように,委員会は広義での コマー シャル ・コ ミ ュニケーシ ョンを定義す る機会 を提供 された といえる。 この ことは, コマー シャル ・コ ミュニケー シ ョン ・サ ー ビスの使用が産業財 ,公共財 ,半公共財, 慈善活動,政治活動 のあ らゆる財 とサ ー ビス を網羅 している事実 に よって示

される。 コマ ー シ ャル ・コ ミュニ ケー シ ョンに関す る関連 法 の法制 化 は, EU加盟国にお ける見直 しの始 め に行 われた。 この こ とに よ り引 き続 き,十

70) 分な市場分析 と多 くの調査が行 われている

委員会の報告書の中心的 な課題 は,国単位 での幅広 い規制 によって妨 げ ら れるコマー シャル ・コ ミュニケー シ ョンの 自由,ITの 自由な伝達 に焦点 を 当てている。 コマーシャル ・コ ミュニケー シ ョンに対す るこれ らの国単位 で の規制は,消費者保護 とい う名 の下 に行 われた。委員会 は,EU の法律 との 一貫性 を持つ解決法 とみ なされるコマー シャル ・コ ミュニケー シ ョンにおけ る分野での将来の国家 による発動 に矛盾 しないセ イフガー ドを支持す る立場 を表明 している。

まず委員会 は,EU加盟 国の代表 による小委員会か ら構成 され, コマ‑ シ

グローバ ル ・マー ケテ ィング戦略研 究 におけ る地域市場 81

(20)

ャル・コミュニケーションの領域の範囲に入る活動を設定した。それから委 員会は,コマーシャル・コミュニケーションの分野で,国単位の規制が貿易 の障壁となるかどうかを決定する際の基準の統ーを次の課題とした。これら は, EUの法律との一貫性を持つ解決法とみなされるコマーシャル・コミュ ニケーションにおける分野での将来の国家による発動に矛盾しないセイフガ ードを支持する基準である。

欧州連合の目的に沿って委員会が到達した結論は,コマーシャル・コミュ ニケーションのようなフリー・フロー活動がヨーロッパの単一市場達成にと って非常に重要であるということである。消費者,国,連合単位で,取引の

増加だけでなく,情報のフリー・フローによって生じる分断の減少からも恩 恵を受ける。自由な取引とともに情報のフリー・フローは,低いマーケテイ

ング・コストと消費者に選択と低価格を提供できるビジネス環境を誕生させ る。委員会は,消費者保護がコマーシャル・コミュニケーション政策として の重要な要素として強調されてきた。委員会は コマーシャル ・コミュニケ ーションに関する国レベルの政策において上位の限度でなく低位の限度であ る基準を設定しなければならない。これを達成するための主要なアプローチ は,国際市場の問題に対して国の取りうる手段となる委員会の対処能力の改 善を目的とするガイ ドラインの策定である。

さらにガイドラインは,委員会自身の政策が他の政策と矛盾せず, EUに よって現在取組まれている問題と適合することを意図している。委員会によ って採用されている方法論は,コマーシャル・コミュニケーションにおける

各国レベルと EUレベルでの様々な措置との一致や適合性を評価することを 支援する。適合性の検証は欧州法廷によって展開されている検証に基づく。 欧州法廷は,

I

まず, 国レベルでの規制措置が欧州連合の目的に合っているか」

を検討する。つまり,国レベルでの規制措置は,欧州連合の意図する目的の 82  国際経営論集 NO.21 2001 

(21)

達成 を保 障す る もので なければな らない。第二 に,国 レベ ルでの規制措置 の 検証 は, 目的達成 のための範 囲 を越 えてはな らない。つ ま り,国 レベ ルでの 規制措置 は, 同 じ結果 が他 の よ り規制 の少 ない方法 で達成 で きるか どうか を 検証 しなければな らない。

委員会での,欧州 にお けるマーケテ イング ・コ ミュニケー シ ョンでの コ ン テクス トにお ける慎重 さを要す る課題 は,次 の諸 点 であ る。

(i)地域市場 における情報 ,サ ー ビス,財 の新 しい流 れ に対 す る障壁 を作 り 出 さない, コマー シャル ・コ ミュニケー シ ョンが規制 され る法 的枠組 (ii) 欧州連合 におけ る単一市場 内での規制措置 に よって引 き起 こされ る 「発

生国 (Countryoforigin)」

,

「受入国 (CountryofReception)」 の取 り扱

し1

(iii)単一市場 の完全 な実現 を目指す ため に必 要 な原動力 と しての コマ ー シ ャ ル ・コ ミュニケー シ ョン,同時 に,欧州連合 の他 の政策 (例 えば,消費 者保護)が,主 なセ クター に与 える影響

(iv)ヨー ロ ッパ での,事前報告 メカニズム。 この措 置 は, コマー シャル ・コ ミュニケー シ ョンに影響 を与 える新 しい法制 の制定 を願 う加盟 国が,逮 合 レベ ル と他 の加盟 国 レベ ル両方 に情報 を提供 しなければな らない こ と を意味 してい る。連合 レベ ル と加盟 国同士 の レベ ルで この ような法制化 に対応 で きるこ とを可能 にす る枠組 の設立

(V)国 レベ ルの規制措置 の法制化 に対 す る評価 におけ る複雑 さや重複 の削減 (vi)米国や オース トラ リアの ような他 の国 とヨー ロ ッパ での コマー シャル ・

コミュニケー シ ョンの比較 とヨー ロ ッパ (加盟 国 を含 めて) にお ける コ マーシャル ・コ ミュニ ケー シ ョンの優位 な点 と劣位 な点 の評価

グローバ ル ・マー ケテ ィング戦略研 究 におけ る地域市場 83

(22)

グローバル・マーケティング戦略における 単一ヨーロッパ市場の意味

マーケテイングの特定の領域で,国境が取り除かれているいくつかの目に 見える徴候が存在する。例えば,世界規模におけるインターネット,商品と してのジーンズ,産業としてのファースト・フード,小売としてのコンビニ エンス ・ストアなどで,国内市場がどのようにしてグローバル化するか,具 体的な分析がなかった。単一欧州市場と他の国際市場(あるいは国)との関 係 性 は , グ ロ ー パ ル・マーケテイング戦略上,世界市場でのグローパル化を 評 価 す る た め の 主 な ア プローチのーっとなりえた。

5‑1 

欧 州 連 合 と 欧 州 経 済 地 域

欧 州 経 済 地 域

( E E A )

は,

1 9 9 4

1

1

日に生まれた。その目的は,人,

財,資本, サ ービス の 基本的に自由な移動を保障 する共 通 の経済 圏 の創設 で あった。その構成は以下の図lにより示す。

図 EEA

EEA 

EU  EFTA 

フランス アイルランド

ドイツ デンマーク アイスランド

イタリア ギリシア ノルーウェー スイス ベルギー スペイン リヒテンシュタイン

オランダ ポルトガル ルクセンブツレク オーストリア イギリス フィンランド スウェーデ、ン

84  国際経営論集 NO.21  2001 

(23)

共通市場の概念 は,EEAにおける 「周辺 (flanking)」政策のゆえに単一 市場 とは異 なっている。基本的に,1991年1月1日までに制定 された主要 な 法律 は,その大部分が EEAに受け継がれている。共通市場の概念 は,同質 的な意味 としてEEAを表現す るため に しば しば使用 されている。 さらに, EEAは欧州 自由貿易連合EFTAと統合 される。そこでEEAの条項 は,EU

とEFrAの両者 に有効 であることとなった。EFrAの国々は欧州連合の規 則に対 し影響 を与 えたい と願 っているが,その影響力 は限 られている。その 理由は,EU の規則が必ず しも自動的 にEFTAの規則 とはな らないか らであ る したが って, オース トリア, フ ィンラ ン ド, スエ ーデ ンな どの国 は, EEAよりもEUのほうによ り強い魅力 を感 じることとなった。

5‑2 欧州連合 と他の世界 との関係

i)欧州協定

欧州協定 とは,東欧諸国 とEU との間の協定 を示す言葉である。東欧で最 初に欧州協定 を結 んだ国は,ポーラン ドとハ ンガ リーである。次 に,ルーマ ニア,チェコスロバキア,ブルガリアが入る。 この協定 は,欧州連合の範囲 を越える問題 を取 り扱 う。欧州協定の差 し迫 った目的の一つは,欧州連合で の段階的な統合の枠組 を作 り出す ことである。欧州協定 は,移行期 間 を

1

0年 と想定 している。移行期間は,継続的な段階に区分 されている。他の段 階へ の移行は,経済の発展 と改革の進展 に掛かっている。欧州協定の焦点は,欧 州連合 と他の関連国 との間での分割 された自由貿易地域 を作 ることにある。

関税,検疫 などの廃止後の予定は,それぞれの国の事情 を考慮 に入れて決定 される。

ii) 貿易経済協力協定

欧州連合は,伝統的な貿易協定 と経済協力協定 を,エス トニア,ラ トビア,

グローバル ・マーケテ ィング戦略研究 における地域市場 85

(24)

リ トアニア,アルバニア,スロベニア と結 んだ。 これ らの協定の内容 として は,市場経済へ移行す るための関税や検疫,輸入制限な どに関す る最恵国待 遇 な どである。関心の高い,繊維,鉄鋼,農業分野 に関 しては,別の枠組で 取 り扱 われる。

iii) パー トナーシップ協定

パー トナー シ ップ協定 は,(i)で述べ た欧州協定 と(ii)で述べた貿易経済協定 との中間的な意味 を持つ。パー トナーシップ協定は, ウクライナ, カザ フス タン, ロシア,ベ ラルーシ,キルギス タン,モル ドバ との協定である。 この 協定は,企業の設立や経営,EUや個 々の加盟国 との貿易,サー ビス,投資, 資本移動,知的所有権の保護,司法協力,経済,文化,金融,制度 などをそ の範囲 としている。

iv) ローム協定

欧州諸 国はその遺産 として,旧植民地国 と個 々に結 びつ きを持 っている。

ほ とん どの旧植民地国は,経済や貿易 において欧州 におおいに依存 している

EU とほ とん どの発展途上国の貿易 に関 して, ローム協定がある。 ローム会 議 は,アフリカ, カ リブ,太平洋の70ヶ国 と,EU との協定である。 この協 定の下,欧州連合 は, これ らの国への輸 出で非課税措置 を受 けていないが,

これ らの国か らのすべての工業製品や農業製品を,非課税扱 い として欧州単 一市場で受 け入れている。

6 グローバル ・マーケテ ィング戦略での 欧州連合地域マーケテ ィング戦略の展開

6‑1 単一欧州市場 に基づ く地域マーケテ ィング戦略

グローバル ・マーケテ イングの脈絡で,単一欧州市場 それ 自体 とは別 に, 86 国際経営論集 No.21 2(氾1

(25)

単一市場 は個 別 的 に も全体 的 に も他 の市場 で (国で も)重 要 な役 割 を演 じて いる。単 一欧州市場 の領域 は,単 一市場 に依存 しなけれ ば な らないであ ろ う 将来の加盟 国で あ る他 の市場 (国 々) に も及 ぶ。状 況 は どうであ れ,地域市 場 と しての単 一市 場 は, グ ローバ ル ・マ ーケテ ィング戦 略 の ための 国際 マ ー ケテ イング標 準化 の過程 で の核 を提 供 す る。 その アプ ローチの一 つ は,単 一 欧州市場 に関連 す る よ うな市場 を分類 す るこ とで あ る。

6‑2

単一欧 州市場 に基 づ く地域 マ ーケ テ ィング戦略 に対 す る アプ ローチの類型

単 一欧 州市 場 の内容 と地域 マ ー ケ テ イ ングの標 準 化 の 内容 とに基 づ い て, グローバ ル ・マ ー ケテ ィング戦略 を ともな う地域 マ ーケ テ イング戟略 は, 四

73)

つの カテ ゴ リー に分 け られ る。 グローバ ル ・マ ー ケテ ィング戦略 にお け る単 一欧州市場 の位 置 は, ヨー ロ ッパ市 場 だけで な く欧州単 一市 場 と関係 の あ る 他の市場 を もその範 囲 とす る。 図2におい て,縦 方 向 は,特 に ヨー ロ ッパ に おいて他 の国際市 場 とEU との関係 の程 度 を表 してい る。横 方 向 は,単 一 欧 州市場 の 中心 に位 置付 け させ る これ ら国際市場 との単 一欧州市場 の内容 を衷

してい る。 そ こか ら, 四つ の グルー プ

A,B,C

,Dに区分 され る。

2 単一欧州市場 に基づ く地域マーケテ ィング戦略の枠組 単一欧州市場の内容

EUとの関係性の程度

低い 高い

B C

ー笥

プロアクティブ .リージョナル . ポジテ ィブ .リージョナル . マーケティング戦略 マーケティング戦略

リアクティブ .リージョナル .マ‑A パ ッシブ .リージョナル .D

グローバ ル ・マ ーケテ ィング戦略研 究 におけ る地域市場 87

(26)

グループBへ の アプローチ は, プロアクテ ィブ ・リー ジ ョナル ・マーケ テ ィング戦略 を必要 とす る。 これ らは,マーケテ イング活動 を行 うにあたっ てEU と緊密 な関係 を持 っているが,単一欧州市場の内容 を最小限採用 して いる市場 (国)である。 まず第一 に,旧東欧諸 国 をEU諸国にとって重要 な 国に させ た国同士の距離の近 さである。第二 に,市場経済移行段 階にあって, 単一欧州市場 は隣 にある良いモデルである。EU と欧州協定 を締結 している 国々は, このBグループに入 る。

リアクテ ィブ ・リージ ョナル ・マーケテ ィング戦略 は,欧州連合 と貿易経 済協力協定やパ ー トナー シ ップ協定 を結 んでいる国に当ては まる。 これ らの ほ とん どの国は,経済や貿易で ヨー ロ ッパ と関係 を持 ってい るが,単一欧州 市場 の原則以外 の他 の領域 において, よ り重要である。 これ らの国々は,将 来単一欧州市場 に参加す る予定のある国で,単一欧州市場 の内容の展 開 に対 す る関係性が低 い国々である。 これ らの国々はグループA に入る。

EEA と EU との両方 に関係 を持つ EFTA の国々は, グループ C に入る。

これ まで に述べ た ように,単一欧州市場の規則 は, これ らの国々の経済 に積 極 的な影響 を持 っている。 これ らの国は,欧州連合 によって与 え られた条件 に適合 した後 ,単一欧州市場へ参加す るため に積極 的 な準備 を行 ってい る。

欧州連合 に参加 した国は,近年 はEFTAか らの国であ る。 ポ ジテ ィブ ・リ ー ジ ョナ ル ・マ ー ケ テ ィング戦 略 は,EFTA 諸 国の ため に必 要 で あ る。

EFTA諸国は,単一欧州市場の高い内容 を持つ と同 じに EU との緊密 な関係 を持 ってい る。

グループD は,単一欧州市場 に属す旧植民地国か ら主 に構成 されている。

原則 と して,英連邦 な ど旧宗主国 との関係 は,旧植民地国 に とって現在 も経 済的 に大 きな影響力がある。 これ らの国は, ヨーロ ッパの国の法制や政治制

88 国際経営論集 No.21 2(氾1

(27)

皮,経済制度 を修正 しつつ も採用 している。 これ らの国の経済 は,十分 には 大 きくないけれ ど,大 きさは単一欧州市場の二倍 であ る。 さらに, これ らの 国は, ローム協 定の下,EU 諸 国か ら多額 の経済援助 を受 けてお り,単一欧 州市場へ の参加 には受動 的である。パ ッシブ ・リージ ョナル ・マーケテ ィン グ戦略 は, これ らの国はほ とん どEU に影響力 を持 っていないため受動 的で ある。

7 結 論

これ まで国際市場の単位 の基礎 と して国 を利用 していたが,欧州連合の出 現によってこの ような単位 の基盤のみの採用 では不十分 である といえる。 さ らに欧州連合の出現 まで, グローバ ル ・マーケテ ィング戦略 においては,也 域を重視 して こなか った。 またあえて言 うな らば,地域市場 は,国際市場細 分化 アプローチの中で取 り扱 われて きた。 したが って,現在 に至 るまで地域 マーケテ イングが グローバル ・マーケテ ィング戦略で受動 的 な要因 とみな さ れてきたことは驚 くにあた らない。

単一欧州市場 の例 は,国際マーケテ イング標準化 に基づ くグローバ ル ・マ ーケテ イング戟略 を形成す る地域市場の力 を示 している。欧州連合の存在 は 無視で きない。 なぜ な ら,世界 の19.9%の輸 出 を占め,19.4%の輸 入 を占め ているか らであ る。一方米 国は,世界q)15.90/Oの輸 出 を占め,20.6%の輸 入 を占めている。輸 出入 をあわせ る と,欧州連合 は世界で最大 の貿易単一市場

74) となる。

グローバ ル ・マーケテ ィング戦略 において国際マーケテ イング標準化 を考 察される際 に,単一欧州市場 それ 自体 だけが必要 とされ るだけで な く,国際 マーケテ イングの標準化へ影響 を与 える単一市場 の範 囲 も重要 になる。国際

グローバ ル ・マーケテ イング戟略研 究 における地域市場 89

(28)

マーケテ イングの標準化へ のアプローチの観点か らみ る と,単一欧州市場 の 近隣諸 国‑の関係 か ら, グローバ ル ・マーケテ イング戟略 を伴 う地域マーケ テ ィング戦略 は分類することがで きる。単一欧州市場 の ような単一市場がす ぐに出現 しなければ,単一欧州市場 は国際マーケテ イングにおける標準化 に 引 き続 き多 きな影響 を与 えることになるであ ろ う。 (欧州連合 と経済協 力 開 発機構

OECD

との関係 は, これ らの分類 には意 図的 に含 め なか った。 この テーマは別 の論文 で取 り扱 うつ もりであ る。)

OECD

における傾 向は, グロ ーバ ル ・マーケテ ィング戦略 における単一欧州市場の重要性 を示 している。

最後 に,企業 に依存す る過去 の国際マーケテ イング標準化 は,新 しい形態 を獲得 した と言 えるであろ う。企業 は単一欧州市場 を適応 す る必 要 はない。

企業 に とって単一欧州市場 はそれ 自体 , グローバルマーケテ ィング戦略の出 発点であ り,あるいは広 い意味 では,国際 ビジネスそれ 自体 である。

1) Levitt,Theodore"TheGlobalizationofMarkets"HaIVaZ‑dBusJ'nessRevl‑ew May/June,1983,pp92‑102

2) アサモア ・ティオフィラス 「グローバル ・マーケテイングの概念‑ 国際 マーケテ イング研究における新たな展開‑ 」国際経営者集,No4,1993 pp.107‑130

3) Robinson,R.DAdvancesLenIntematL'onalMaz・ketJ'ngVol.1,1986

4) WindYoram,&PerlmutterH.V."GuidelinesforDevelopinglnternational MarketingStrategies"Jouz・nalofMaI・ket1‑ng,Vol.37,April,pp.14‑23.

5) WindYoram&DouglasSusan,''TheMythofGlobalization"Columb1‑a Jouz'nalofWoz'1dBusL‑ness,Vo1.22,No.4,Winter1986,pp.19129.

6) Porter,MichaelE,&Takeuchi,Hirotaka"ThreeRolesoflnternational II

MarketinginGlobalStrategy inCompetL'tL'onl'nGlobalhdustz・Ies,editedby MichaelE.Porter,HarvardBusinessSchoolPress,Boston,1986

90 国際経営論集 No.21 2001

(29)

竹 内弘高 , ポー ター

・ E.

マ イケル

,

「グローバ ル ・マ ーケテ イングの戦略 的 役 割一 世界 的希望 での コーデ ィネー シ ョンの管 理 につ い て

‑」

ビジネス レ

ビュー, 一府 大学産業経 営研 究J;W,Vol.31,No.1,August1983,pp.1‑20 7) Rosenberg,L J"ObservationofGlobalMarketing一一一Implicationsfor

MarketingProfessionals"MarylandStateUniversityIBMII,Tokyo,June1990, unpublishedpaper.

8) ShanklinWilliam&GriffithDavid"CraftingStrategiesforGlobal MarketingIntheNewMillennium"BusJ'nessHon'zons,Sept/Oct,1996,pp.11‑ 16

9) Cateora,P.R.InteTnatJ'onalMaI・ketL'ng,HomewoodM.Press,9thed.1995 10)Hess,J.H&Cateora,P.R.IntematL'onalMarketl'ng,Richard,DandIrwin

lnc.,1966,p.4(角松正雄等監訳 国贋 マーケ テ イング管屠, ミネル ヴ ァ書房 , 1979,p2

ll)KeeganW.J"MultinationalProductPlanning:StrategicAlternatives."

JournalofMaI‑ket1‑ng,Jam.1969,pp.58‑62 12) Levitt,op.°it

13) Simmonds,Kenneth"GlobalStrategy:AchievingtheGeocentricIdeal"

Intemat)'onalMaz・ketl'ngRevl'ew17(2),1985,pp.45151 14) Wind&Douglasop.°it

15) Kotler,Philip,GlobalStandardization‑CourtingDanger"JourJlaJof ConsumeTMaI'ketL'ng,Vol.3,Spring1986pp

16) Quelch,J.A&Hoff,E.J"CustomizingGlobalMarketing"HawardBusL'ness RevJ'ew,May/June,1986,pp.59‑68

17) RiteR.E&FraserC"InternationalAdvertisingStrategiesofMultinational Corporations"JoumalofAdvez・tJ'slngReseaI‑ChVol.28,August/Sept.1988, pp.9‑17

18) Link,Cordon"GlobalAdvertising:AnUpdate",Jouz‑nalofConsumez・ MaIketlngVol.5,March,1988pp.92‑102

19) Quelch,&Hoff,op.cit

20) RauP,&Peeble,J"StandardizationofMarketingStrategyMultinationals'' LntematlonalMaLketl'ngRevL'ew,Vol.4(3),1987,pp.18128

21) Shanklin&Griffithop.cit.

22) CateoraとHessに よる国際 マ ーケテ イングの定 義 は, 国際 マ ーケ テ イン グローパ ル ・マ ーケテ ィング戦略研 究 におけ る地域市場 91

(30)

グ研究での定義 を最 も広い意味で使用 している。CateoraとHessは,国際マ ーケテ イングでの定義の中でマーケテ イングとい う用語の定義 を行 わなか っ た‑ 「国際マーケテ イングとは,一国以上の消費者 もしくはユ ーザーに向 けての,会社 の財貨お よびサー ビスの流 れの経営諸活動 のパ ーフォーマ ンス であ る」。彼 らが独 自の定義 を行 わなか ったため,国際マーケテ イングを研 究す る学者の間では米国マーケテ イング協会 (AMA)によるマーケテ イング の定義が広 く採用 されている。 この定義 は,1985年 に最終的な定義 を行 って いた ‑ 「マーケテ イングとは個人お よび組織の 目的 を満たす交換 を創 出す るため に, アイデ ィア,商品お よびサー ビスの概念化,価格設定, プロモー シ ョン,流通計画 し遂行す るプロセスである」。

23) Levittop.°it

24) RosenbloonBert,LarsenTrina&MehataRajiv,"GlobalMarketing ChannelsandtheStandardizationControversy"JournalofGlobalMarketing Vol.ⅠINo.1,1997,p.50.

25) アサモアop.°it.pp115‑119 26) Ibid.pl15‑

27) PeeblesDJ,RyansJ.K&Vernoni.R"ANew PerspectiveonAdvertising Standardization"EuL・OPeanJoumalofMaL*etlngVol.II,No.81977,pp5691576

‑‑"CoordinatinglntemationalAdvertising"Jouz・nalofMaL‑ketlng,Jam.

1978,pp28‑34.

28) Simmonds,Kennethop.°it 29) Wind&Douglasop.°it 30) Quelch&Hoffop.cit 31) Hite&Fraserop.°it 32) Linkop.°it. 33) Quelch&Hoffop.°it

34) JainS.C,StandardizationofInternationalMarketingStrategy:Some ResearchHyptheses,"JoumalofMaI・ketJ'ng,Vol.53,Jam,1989,pp70‑79 35) アサモアop.°it.

36) Wang,ChengLu."TheDegreeofStandardization:A Contingent FrameworkforGlobalMarketingStrategyDevelopment"JournalofGlobal MarketL'ngVol.10,No.1,1996,p90

37) Ibidp.91

92 国際経営論集 No.212(氾1

(31)

38) Porter,Michael,"TheStrategicRoleofInternationalMarketing"Joumalof ConsumerMaz'ketlngVol.3,No.2,1986,pp.17‑21

39) Wind&Douglas,1987,op.°it,Quelch&Hoff1986,op.°it&Jainop.°it. 1989

40) Quelch

&

Hoffop.°it 41) Cateoraop.°it 42) Wangop.°it.p92 43) Ibidp93

44) Rosen,B.N."GlobalProducts:WhendotheymakeStrategicSense?"

Advancesl'nhtematL'onalMazketL'ng,1990,Vol.4,pp57171 45) Whitelock,Jerly&Pimblett,CaroleOp.°it.1997,pp47‑48.

46) Rosenbloom,Larsen&Mehta,Op.°it.1977,p51

47) Rafee,HansandKreutzerRalfT"OrganizationalDimensionsofGlobal Marketing"EuropeanJouma]ofMaI*etL'ng1989Vol.23,43‑57

48) Jain,op.°it.pp.70‑79.

49) WaltersPeterG.P,"InternationalMarketingPolicy:A Discussionofthe StandardizationConstructanditsRelevanceforCorporatePolicy"Joumalof lntematjonalBusinessStudJ'es,1986,Summer,pp55169.

50) Whitelock,Jerly&Pimblett,Caroleop.°it.1997,pp51‑52 51) QuelchandHoff,op.°it.pp59‑68.

52) WindandDouglas,op.citpp23‑26 53) Whitelock,&Pimblett,op.°it.1997,p52 54) Cateora,op.citpp19129.

55) アサ モ アop.°it.

56) Peebles,Ryan andVernon,pp.568‑576

57) WaltersPeterG.P andToyne,Brian "ProductModification and StandardizationinlnternationalMarkets:StrategicOptionsandFacilitatlng Policies"ColumbL'aJoumalofWoz・JdBusL'ness1989,Vol.24,Winterpp.37144) 58) Rosenbloon,Larsen,Mehtaop.°it.pp52‑53).

59) Herbig,PaulA"TheStandardizationversusAdaptationDebate:Wherefore ArtThouNow"inHandbookofCL・OSSICultuz・alMarket)'ng,Chapter2,The lnternationalBusinessPress,NewYork,1998,pp32‑33

60) Ibidp33

グローバ ル ・マ ーケテ ィング戦略研 究 にお ける地域市場 93

参照

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