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学位論文題名Effect of Hydrogen on R/Iechanical Properties,Microstructure and Facture of V-Cr―Ti Alloys

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Academic year: 2021

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(1)

博 士 ( 工 学 )

  

ト レ ス エ ウ ヘ ニ ヨ ノ ヾ チ ェ リ

    

学位論文題名

Effect of Hydrogen on R/Iechanical Properties

Microstructure and Facture of V‑Cr

―Ti Alloys

(V

ーCr ー

Ti

合金の機械的性質、微細組織および破壊に及ぼす水素の効果ア、

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

  最近急速な研究開発が 行われているバナジウム基合金は、卓越した高温強度特性のほか に、優れた耐照射性が期 待されるために、核融合炉などの先進エネルギーシステムの構造 材料の候補となっている。しかしながら、バナジウム合金は侵入型元素との親和カが強く、

特に固溶量と移動度の大 きい水素が機械的性質と微細構造変化及ばす効果の研究が望まれ ている。また、水素脆化 のメカニズムには諸説があり、微細構造観察の結果に基づく実証 的研究が必要である。さ らに、実用上重要である中性子照射を受けた場合の格子欠陥と水 素の相互作用についての 研究は全く行われていない。本研究では、水素による損傷構造と 機械的性質の変化から高 水素濃度でのマイクロクラックの形成と伝播の過程を評価し、ま たガス放出挙動から水素 と格子欠陥の相互作用を明らかにし、バナジウム合金における水 素拳動の主要因子を明ら かにするものである。

  第1章では、核融合炉や原子炉などの構成材料に関 する研究の背景とその材料開発の課 題などをまとめ、バナジ ウム合金の重要性を述べ、これらをもとに研究の目的を明らかに している。

  第2章では、現在までの研究で提唱されている水素 脆化のメカニズムの諸説を概説し、

さらに応力誘起水素化物形成と脆化の過程とクラック伝播過程の研究の重要性を指摘した。

  第3章では、水素をチャージしたバナジウム合金の 機械的性質と微細構造にっいて述べ た。水素のマクロ的な固 溶限は約lat%レベルで他の侵入型元素よりも大きく、それ以上で 水素化物が析出する。こ の固溶限はTiやCrの添加により見かけ上は拡大する傾向を示す。

弓1っ張り変形によると、降伏強度は水素化物が形成する高濃度側では大きくなり、仲びは 減少する典型的な脆化挙 動を示す。この程度は化学的親和カの大きいTi系と化学的親和カ の小さいCr系では大きく 異なり、前者で顕著である。降伏強度におけるこの差は、歪み効 果を含んだ水素化物形成により、V−CrとVーTi合金のすべり面の活性が異なるためであり、

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(2)

脆性は転位の移動が難しくなるために生じると推定した。

  4章では、超高圧電子顕微鏡でのその場引つ張り実験と走査電子顕微鏡の破面観察か ら、脆化をクラック伝播の直接観察から説明した。応カの印加によってマイクロクラック の形成 と伝播の2つの段階が現れる。固溶水素と水素化物はともに両段階に影響し、また 応カは拡散と水素化物形成を促進する。

  5章では、中性子照射したバナジウム合金の照射欠陥と水素の相互作用についてガス 放出実験と組織観察から明らかにした。水素はバナジウム合金中に固溶し、また水素化物 を形成するほかに、転位、ボイドなどが存在した場合にはそれらに集積することが推測さ れる。中性子照射したバナジウム合金を水素チャージした場合の水素の熱的放出挙動では、

固溶水素と転位捕獲のほかに、より高温で複数のサブピークが得られた。この結果は組織 観察による転位やボイドの存在と一致するため、欠陥のタイプに応じて水素との結合エネ ル ギーが異 なるも のと推定 した。こ れらの 結果は初 めての 明確にさ れたも のである 。   6章は総括であり、バナジウム合金の機械的性質と微細組織変化に対する水素の効果 の主要因子は水素濃度、合金元素、応力、格子欠陥の種類であり、それらの相互関係を明 らかにした。

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(3)

学 位 論 文 審 査 の 要 旨 主 査

  

教 授

  

大 貫 惣 明 副 査

  

教授

  

高橋平 七郎 副 査

  

教 授

  

工 藤 昌 行 副 査

  

助教 授

  

渡辺 精一

    

学位論文題名

    

Effect of Hydrogen on IVIechanical Properties

Iicrostructure and Facture ofV

Cr

Ti Alloys

(VCrTi合 金 の機 械 的 性質 、微細組 織および 破壊に及 ぼす水素 の効果)

  最近急速な研究開発が行われているバナジウム基合金は、卓越した高温強度特性のほ か、優れた耐照射性が期待されるために、核融合炉などの先進エネルギーシステムの構 造材料の候補となっている。しかしながら、バナジウム合金は侵入型元素との親和カが 強ぐ、特に固溶量と移動度の大きい水素が機械的性質と微細構造変化に及ばす効果の研 究が望まれている。また、水素脆化のメカニズムには諸説があり、微細構造観察の結果 に基づく実証的研究が必要である。さらに、実用上重要である中性子照射を受けた場合 の格子欠陥と水素の相互作用についての研究は全く行われていない。本論文では、この ような現状にあるバナジウム合金の水素挙動の研究に対して、水素添加の内部組織と機 械的性質への影響、また、ガス放出挙動からの水素と格子欠陥の相互作用を検討し、水 素挙動の主要因子を明らかにしたものである。その主要な成果は次の点に纏められる。

BCC合金材料 の水素挙 動について現在までに提唱されている水素脆化のメカニズ ムの諸説を精査し、脆化過程には合金元素と応力誘起水素化物形成の重要性を指摘した。

◎水素添加した各種バナジウム合金の微細構造の検討から、水素のマクロ的な固溶限は 約lat%レベルで他の侵入型元素よりも大きく、それ以上で水素化物が析出することを 明らかにした。また、この固溶限はTiやCrの添加により拡大することを見いだした。

◎水素添加した各種バナジウム合金の機械的性質の検討から、降伏強度は水素化物の形 成する高濃度側では大きくなり、伸びは減少する典型的な脆化挙動が現れることを示し た。この程度は化学的親和カの大きいTi系と化学的親和カの小さいCr系では異なり、

前者で特に顕著である。降伏強度における差は、転位近傍の歪みに依存する水素化物形 成が転位の移動の難易に影響するためであり、脆化もこれに依存すると推定した。

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(4)

@超 高圧 電子 顕微 鏡内 その 場引 つ張 り実 験と 走 査電子顕微鏡の 破面観察の結果から、

この合金の脆化をマイクロクラック伝播の難易と関 連づけ、応力印加によるマイクロク ラッ クの 形成 と伝 播の2つの過程を実証した。固溶水素と水素化 物はともに両過程に影 響 し 、 ま た 応 カ は 水 素 の 拡 散 と 水 素 化 物 形 成 を 促 進 す る こ と を 推 定 し た 。

◎ 中 性 子 照 射 し た バ ナジ ウム 合金 の照 射欠 陥と 水素 の相 互作 用に つ いて ガス 放出 実 験と組織観察を行い、バナジウム合金中の水素は固 溶と水素化物形成のほかに、転位、

ボイドなどに捕獲されることを明らかにした。すな わち、中性子照射したバナジウム合 金を水素添加した場合の熱的放出挙動では、固溶水 素と転位捕獲のほかに、より高温で 複数のサブピークが得られ、組織観察による転位や ボイドの存在と関連づけて、欠陥の タイプに応じて水素との結合エネルギーが異なるも のと推定した。これらの結果は初め て明確にされたものである。

  6章 は総 括で あ り、 バナジウム合金の機械的性質と微細組織 変化に対する水素の効 果の主要因子は水素濃度、合金元素、応力、格子欠 陥の種類であり、それらの相互関係 を明らかにした。

  これを要するに、著 者は、バナジウム合金中の水素の挙動について種々の実 験的検討 と考察を行い、この材 料の水素挙動の主要因子は応力、格子欠陥、水素濃度、 合金元素 などであることを明ら かにしたもので有り、材料工学およびエネルギー工学の 発展に貢 献するところ大なるも のがある。

  よって著者は、北海 道大学博士(工学)の学位を授与される資格があるものと認める。

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