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Japan Advanced Institute of Science and Technology

JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/

Title

多地点遠隔会議における自然なコミュニケーションの

実現に関する研究

Author(s)

小峯, 隆宏

Citation

Issue Date

2005‑03

Type

Thesis or Dissertation

Text version

author

URL

http://hdl.handle.net/10119/965

Rights

Description

Supervisor:丹 康雄, 情報科学研究科, 博士

(2)

要旨

現代社会においては、全参加者が同時刻に 1 箇所に集まって会議を適切な頻度で開催することが困難にな ってきており、遠隔会議の活用による適切な会議運営が必要となってきている。また、近年のインターネッ トの普及・広帯域化は、インターネットを活用した遠隔会議システムの研究開発と実用利用の試みの促進に 大きく寄与している。一方、会議参加者の一部が遠隔地から参加する多地点遠隔会議において、対面会議と 同様の活発な議論を展開するためには、遠隔地間との円滑な会話やアイコンタクトによるスムーズな話者交 替の実現等の自然なコミュニケーションを実現できる環境が必要である。しかし、会議参加者が多地点に分 散している場合の現在の遠隔会議システムには、音声・映像等の往復伝送遅延時間が大きく遠隔地間との円 滑な会話が困難という課題と、遠隔参加者が会話をしたいと思う人の方向に振り向く行為やアイコンタクト によるスムーズな話者交替といった、同一実空間内であれば容易に行える行動が困難という課題が存在し、

自然なコミュニケーションの実現を妨げる大きな要因になっている。

本研究では、これらの課題に対し、まず音声・映像の伝送方式や音声ミキシング等のリアルタイム加工処 理の改善による往復伝送遅延時間短縮の実現に取り組むことにする。次に、遠隔参加者の分身となって他の 会議参加者と一緒に会議に参加する代理人ロボットおよびその遠隔操作システムの導入により、遠隔地にい る参加者の意思表示動作の把握やアイコンタクトによるスムーズな話者交替等の実現に取り組むことにする。

前者の取り組みでは、まず音声・映像等のストリーミング情報の符号化方式として相手の表情まで把握で きる映像品質で、かつフレーム間予測符号化を行わず符号化処理時間が小さい、デジタルビデオ(DV)を採 用する。そして、ネットワーク途中での複数の DV ストリーミング情報に対する音声ミキシング等のリアルタ イム加工処理も、ネットワーク中の IP パケットに搭載されたデータ形式のまま行い、再度 IP パケットに搭 載・転送する機構を開発する。また、同機構を実装した遠隔会議模擬システムに対して、定量測定実験およ び被験者による評価実験を行い、同機構の有効性を実証する。

後者の取り組みは、遠隔参加者の分身を物理的に離れている会議室という実空間内に実際に配置し、それ を遠隔操作することで相手の意思表示動作の把握やアイコンタクトによるスムーズな話者交替等を実現する ものである。まず遠隔参加者の分身として、目となるビデオカメラ、耳となるマイクロフォン、口となるス ピーカおよび顔映像を出力する液晶ディスプレイを一体として、上下左右旋回する機能をもつ代理人ロボッ トを開発する。次に、ジョイスティックを利用し遠隔参加者が会議への集中度を維持したまま代理人ロボッ トの遠隔操作が可能なシステムを開発し、遠隔地にいる参加者の意思表示動作の把握やアイコンタクトによ るスムーズな話者交替等を実現する。そして、これらの試作システムに対して被験者による評価実験を行い、

同システムの有効性を実証する。

最後に、上述の 2 つの機能を組合せた遠隔会議システムが、実際の多地点遠隔会議という環境の中でどの 程度有効に機能するかを検証するため、通常の対面会議環境および従来の遠隔会議システムを利用した遠隔 会議模擬環境との総合比較評価実験を行う。評価方法の1つの柱として、プロジェクトの進捗や作業のパフ ォーマンス等の定量評価に用いられる EVM という統合マネジメントの技法を参考に、各システムにおける会 議の進捗度を推定する新しい手法を提案し、評価実験を試みる。また、アンケートによる主観的評価や会話 回数測定等の行動分析による定量評価という、遠隔会議等の総合評価としてこれまで一般的に用いられてい る手法も同時に実施する。そして、両者の評価結果を比較することで、今回提案した新しい手法の有効性に ついても考察する。

参照

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