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津 波 に よ る沿岸 林 内樹 木 の被 害 に関 す る統 計 モ デル の開発

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Academic year: 2022

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(1)海 岸 工 学 論 文 集,第55巻(2008) 土 木 学 会,291‑295. 津 波 に よ る沿岸 林 内樹 木 の被 害 に関 す る統 計 モ デル の開発 Development. for Statistical. Models. about Damage. 今井. analysis. and the influence then,. statistical. models. measurement struction tual. 1.. value. the filed. that. contributed. were. developed. the actual. of occurrence. simulation. were. data. of damage. to damage by using. well by diameter. rate explains. probability. tsunami. by using. factor. measurement of tree. compared,. damage. form,. and suitability. the probability of the present. due to a past tsunami. model. model. rate. used. out,. analysis.. explains. The statistical. inundation model. was carried. a statistical. the actual. model. depth.. And. for de-. In addition,. inundation. ac-. depth. from. was examined.. Root under. 過 去 の 事 例 津 波 の記 録 に基 づ き,沿. depth,. dn and tsunami. of the present. from. for lodging. inundation. well by root form,. and. forest. was extracted. The statistical. dn and tsunami. は じ め に. 首 藤(1985)は. in a coastal. due to tsunami. the filed data.. value. Due to Tsunami. IMAI. of tree. of tree. of tree, root. Forest. 健太郎1. Kentaro A statistical. of Tree in a Coastal. ground. Root upper. etc.. Rhizophoraceae. ground. 岸. 林 に よ る津 波 減 災 の 効 果 や そ の 限 界 に つ い て,樹 木 の 胸 高 直 径 や植 生 厚 み に よ り事 例 を 整 理 し検 討 し た.日 本 沿 岸 に限 らず,沿 岸 林 は津 波 か ら の面 的 防 御 に利 用 で き る 可 能 性 が あ り,実 際 に 日本海 中 部 地 震 津 波 や イ ン ド洋 津 波 で は沿 岸 林 に よ る津 波 減勢,漂. 流 物 阻 止 の 実 例 が あ る.. 樹 木 の 倒 伏 や破 壊 限 界 に つ いて 様 々 な研 究(例 え ば, 田 中 ら,2005;柳. 澤 ら,2006)が. (今 井 ・松 冨,2005)は,沿. Arecaceae. 図‑1. 報 告 さ れ て い る.著 者. 岸 林 の倒 伏 耐 力 や 樹 木 の 剪. 断 強 度 か ら沿 岸 林 に よ る津 波 減 勢 効 果 とそ の限 界,そ. し. etc.. 根形 態 の特徴. に 関 す る事 例 を 抽 出 し,津 波 浸 水 深,樹 木 の 樹 種 や胸 高 直 径,立 木 密 度,防. 潮 林 幅,被. 害 形 態 な ど,津 波 事 後 の. て,沿 岸 林 被 害 の予 測 を 試 み て い るが,陸 上 地 形 情 報 や. 限 られ た状 況 か ら得 られ る ほ とん ど の デ ー タを 精 力 的 に. 樹 種 の選 定 等,克 服 す るべ き課 題 も多 く,簡 単 な 予 測 法. 集 め,沿 岸 林 域 に よ る津 波 減 勢 効 果 や被 害 形 態 を議 論 し,. と は い え な い.し. 植 生 厚 みdn(d:樹. か も,沿 岸 域 の植 生 は樹 種 や地 域 性 に. よ り多 種 多 様 で あ る.例 え ば,ク 繁 茂 し根 を 地 中 に構 え るが,マ ヒル ギ(Rhizophora)種. ロマ ツ は海 岸 陸 上 部 に. ン グ ロ ー ブ域 に繁 茂 す る. は干 潟 に 生 息 し,根 を 大 気 中 に露. 木 の 胸 高 直 径,n:沿. 岸 方 向1mあ. た. り の立 木 本 数)に よ り,沿 岸 林 に よ る津 波 減 勢 に 関 す る 判 定 図 の作 成 を 行 っ た. 田 中 ら(2005)は. イ ン ド洋 大 津 波 に お け る タ イ 沿 岸 域. 出 さ せ る.こ の よ うに,樹 種 に よ って 繁 茂 す る地 盤 条 件. の 樹 木 を対 象 と して,首 藤 の 研 究 例 に準 じ た沿 岸 林 に よ. や樹 勢 が 異 な り統 一 的 な 検 討 は難 し い.. る津 波 減 勢 効 果 や 被 害 に 関 す る諸 種 の デ ー タ を集 め,亜. そ こで,本 研 究 で は過 去 の津 波 事 例 か ら沿 岸 林 内 樹 木. 熱 帯 地 域 の 沿 岸 域 に繁 茂 す る多 種 多 様 な 樹 種 に つ い て 分. の被 害 発 生 に関 す る影 響 因 子 を 抽 出 し,そ の重 要 度 を評. 類 し,樹 木 形 状 か ら修 正 したdnを. 価 す る た め に実 測 値 に基 づ き統 計 解 析 を行 う.そ. 図 を再 整 理 して い る.. して,. 津 波 規 模,沿 岸 林 規 模,樹 種 に よ る沿 岸 林 の 倒 伏 ・破 壊. 藤 の判 定. 本 研 究 で は,樹 木 被 害 に関 す る対 象 と した事 例 津 波 と. 発 生 率 に関 す る統 計 モ デ ル を構 築 し,そ れ らの 評 価 指 標. して,1896年. を 提 案 す る こ とを 目的 と して い る.. 海 地 震 津 波,1960年. 2. 対 象 と した 事 例 と実 測 値 の 取 り扱 い. 用 い て,首. 三 陸 大 津 波,1933年. 三 陸 大 津 波,1946年. チ リ津 波,1983年. 南. 日本 海 中部 地 震 に. お け る樹 木 被 害 デ ー タ(首 藤,1985)と,2004年. イン ド. 洋 大 津 波 に関 す る樹 木 被 害 デ ー タ(田 中 ら,2005),2007. (1) 対 象 と した 津 波 事 例. 年 ソ ロ モ ン諸 島 津 波 に お け る樹 木 に 関 す る 実 測 デ ー タ. 首 藤(1985)は. (松 冨 ら,2007)を. 過 去 の 津 波 か ら沿 岸 林 に よ る津 波 減 勢. 用 い た.. (2) 実 測 値 の 取 り扱 い 1正 会 員. 博(工)東京大学特任研究員大学院情報学環. 現 地 調 査 で得 られ た樹 種 の うち,ク. ロマ ツ,モ ク マ オ. ウ,椰 子 な ど は 海 岸 陸 上 部 に繁 茂 し,根 を 地 中 に構 え る..

(2) 292. 海. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第55巻(2008). (a) 地 中根 形態. (b) 気根 形態. 図‑2 表‑1. 沿岸林 内樹 木 の被害 発生 と各 実測 値 の関係. 各実 測値 の偏相 関係 数. と各 実 測 値 の 関 係,(b)は. 気 根 形 態 樹 木 の被 害 発 生 と 各. 実 測 値 の関 係 で あ る.図 中,○. は樹 木 に 被 害 が 無 い場 合,. × は各 々有 り の 場 合 を 示 す.(a)よ. り,地. 中根形 態 にお. い て はHの 増 加 に従 って 樹 木 に被 害 が 発 生 す る傾 向 に あ る こ と は確 認 で き るが,他. 一 方 で ,ヒ. ル ギ(Rhizophora等)は. 大 気 中 に露 出 させ る.図‑1に. 干 潟 に 生 息 し,根 を. 本 研 究 で分 類 す る樹 種 の 植. 物 学 的 な特 徴 を 示 す.樹 木 は樹 種 に よ り枝 葉 の付 け方 や, 根 の 張 り方 等,多. 種 多 様 で あ る.樹 種 に よ る詳 細 な分 類. は今 後 の検 討 課 題 で あ る が,本 研 究 で は 特 徴 的 な生 息 形. の 実 測 値 と の 関 係 性 を読 み取. る こ と は難 しい.(b)よ. り,気 根 形 態 で は サ ン プ ル 数 は. 少 な い もの の,Hやdnの. 増 加 に 従 っ て樹 木 に被 害 が 発 生. す る傾 向 に あ る こ とが 判 る.表‑1は. 各 実 測 値 の 偏 相 関係. 数 で あ る.各 実 測 値 相 互 の 偏 相 関 係 数 は お お む ね0.5以 下 で あ り,互 い の 関 連 性 は低 い.一 方,樹 木 倒 伏 や 破 壊 に対 す る各 実 測 値 の 相 関 は異 な り,倒 伏 とdnは 正 の相 関 で あ るが,破 壊 とdnは 負 の相 関 とな る傾 向 に あ る.. 態 の 分 類 方 法 と して 根 形 態 に 着 目 した.こ れ は繁 茂 す る 地 盤 条 件 に 関 わ るた め,沿 岸 林 被 害 の発 生 率 に影 響 が あ る と考 え られ る.本 研 究 で は,根 を 地 中 根 形 態(ク ロ マ ツ,ア ク マ オ ウ),根. を地 中 に 構 え る樹 木 類. カ マ ツ,ニ. セ ア カ シ ア,モ. を大 気 に露 出 す る樹 木 類 を気 根 形 態(ヒ ル. ギ等)と し,2種 類 に分 類 す る.. に 関 す る代 表 的 な外 力 と して 津 波 浸 水 深H(m),樹 力 学 的 特 性 の 代 表 と して 胸 高 直 径d(m),沿. (以下,TORと. (1) ロ ジ ス テ ィ ッ ク回 帰 モ デ ル 本 研 究 で 用 い る確 率 分 布 モ デ ル は シ グ モ イ ド型 の モ デ ル を適 用 す る こと に し.シ グ モ イ ド型 の関 係 を線 形 化 す る こ とが で き るlogit変換(岡 田 ら,2004)を. 統 計 解 析 に用 い る実 測 値 は,沿 岸 林 内樹 木 の 被 害 発 生. 記 述 し得 る 植 生 厚 みdn(m/m)と. 3. 沿 岸 林 内 樹 木 の 被 害 に 関 す る 統 計 モ デ ル. (1),(2)に そ の 式 型 を示 す.. 木の. (1). 岸 林規 模 を. 根 形 態 と し た.根. 形態. (2). も記 す)に 関 して は,地 中 根 形 態 と気 根 形. 態 を 区 別 し,ダ ミー変 数 を用 いて2値 化 した(地 中根 形 態:. こ こ で,Pは(被. TOR=1,気. す る た め に 観 測 さ れ た変 数 群,βiは. つ い て,dnを. 根 形 態:TOR;0).実. 測 値 の サ ンプ ル数 に. 含 ま な い場 合 は105サ ンプ ル,dnを. 含 む場. 合77サ ンプ ル で あ る.評 価 対 象 と して は,測 定 者 の 主 観 が 入 りづ ら い と思 わ れ る沿 岸 林 内樹 木 の 被 害 と した.被 害 の分 類 に つ いて は,ダ. 伏 無 し:0),樹. 壊 の有 無(破 壊 有 り:1,破. 木 の折損. 壊 無 し:0)と. し. た.な お,樹 木 被 害 の 発 生 要 因 と な る物 理 量 と して 津 波 氾 濫 流 の最 大 流 速(柳 澤 ら,2006)が. 害 等 の)発 生 確 率,xiは. その現象 を説明 回 帰 係 数 で あ り各. 変 数 の オ ッズ 比(相 対 危 険 度)の 自然 対 数 を と った もの と 解 釈 さ れ る. な お,本 統 計 モ デ ル で は 沿 岸 林 内樹 木 の 被 害 や破 壊 を. ミー変 数 を 用 い て2値 化 し,樹. 木 倒 伏 の有 無(倒 伏 有 り:1,倒 や 抜 根 等,破. 利 用 す る.式. 重 要 と考 え られ るが,. 実 測 値 と して 得 る こ と の 難 しさや 陸 上 氾 濫 を 含 む津 波 数 値 解 析 が 必 要 と な る た め,本 研 究 で は考 慮 しな い. 図‑2(a)は 地 中 根 形 態 樹 木 の 被 害(倒 伏 ま た は破 壊)発 生. そ の 有 無 で の み2値 化 して評 価 して い る た め,沿. 岸林 内. 樹 木 の 量 的 な 被 害 数 は議 論 で きな い.よ. 的な被. って,量. 害 数 の 評 価 は 陸 上 氾 濫 を含 む 詳 細 な津 波 数 値 解 析 に頼 ら ざ るを 得 な い. (2) 沿 岸 林 内 樹 木 の倒 伏 発 生 に関 す る 解 析 結 果 ロ ジ ス テ ィ ク回 帰 モ デ ル に基 づ い た,沿 岸 林 内 樹 木 の 倒 伏 発 生 率 に 関 す る解 析 結 果 を 表‑2に 示 す.倒 伏 被 害 に つ い て は樹 木 の破 壊 が 生 じて い る実 測 サ ンプ ル は除 外 し.

(3) 津波 に よる沿岸 林 内樹木 の被 害 に関す る統計 モ デル の開発 表‑2. 沿岸 林 内樹木 の倒 伏発 生率 に関 す る解 析結 果. (a) Model‑L5,d=0.05m. (b) Model‑L5,d=0.2m. 図‑3. 沿 岸林 内樹 木 の倒 伏 発生率 分布. て 解 析 を行 っ た.Model‑L1はdとH,Model‑L2はdnとH, Model‑L3は. 根 形 態 とd及 びH,Model‑L4は. びH,Model‑L5は. 0.02m<d<1.5m,0.1<dnく7.5,1m<H<9m. 根 形 態 とdn及. 全 て の 実 測 値 を 用 い た場 合 の 解 析 結 果. で あ る.表 中,Nは. 実 測 値 の サ ン プ ル 数,AICは. 報 量 基 準(赤 池,2007)で. 293. 赤池 情. あ る.的 中 割 合 につ い て,括 弧. とな る.こ. こで,dnの. 単 位 系 はm/mで あ る.. 図‑3(a),(b)に 沿 岸 林 内樹 木 の 倒 伏 発 生 率 分 布 を 示 す. 図 中,黒 実 線 は 地 中 根 形 態,灰 の 確 率 分 布 を示 し,+は. 色 実 線 は気 根 形 態 の場 合. 地 中 根 形 態,×. 内 は倒 伏 無 し/倒 伏 有 りの 的 中 割 合 を 示 し,各 モ デ ル で. 測 値 を 示 す.(a)に. の 的 中 基 準 は発 生 率P<0.5で. 面 を 示 し,実 測 値 はd=0.01m〜0.1mの. 倒 伏 被 害 無 し,P≧0.5で. 倒. 伏 被 害 有 り と定 義 した.. ト した もの,(b)に. 表 か ら,沿 岸 林 内樹 木 の 倒 伏 発 生 率 に関 す る各 実 測 値. お い て はd=0.05mと. サ ンプ ル を プ ロ ッ. お い て はd=0.2mと. を 示 し,実 測 値 はd=0.1m〜0.4mの. は 気 根 形 態 の実 し た確 率 分 布 平. した 確 率 分 布 平 面 サ ンプ ル を プ ロ ッ ト. の オ ッズ 比 よ り,気 根 形 態 よ り地 中根 形 態 の方 が樹 木 倒. し た もの で あ る.図 か ら,Hが. 伏 の 発 生 危 険 度 は 同 等 か2倍 程 度 で あ る こ と が 判 る.柳. 率 は高 ま る の は も ち ろ ん の こ と,dnが 大 き い ほ ど倒 伏 発. 澤 ら(2006)の イ ン ド洋 地 震 津 波 に お け る事 例 研 究 に よ る. 生 率 は高 ま る傾 向 に あ る こ とが 判 る.ま た,気 根 形 態 の. と,Rhizophora種. 方 が 地 中 根 形 態 よ り も倒 伏 発 生 率 は低 下 す る傾 向 に あ る.. の多 くは倒 伏 や 被 害 は少 な く,支 持 根. 増 大 す る に従 い 倒 伏 発 生. (樹幹 部)で 破 断 して い るの が 多 い.本 解 析 の 傾 向 は これ. (a),(b)の 比 較 か ら,dが 小 さ い ほ ど倒 伏 発 生 率 が 高 ま る. らの事 実 と整 合 す る.ま た,dが. 傾 向 と な る こ とが 判 る.. 小 さ くな る に つ れ 倒 伏. の危 険 度 が上 が る傾 向 に あ る.一 般 的 に,dが. 小 さ くな. る に つ れ 倒 伏 耐 力 も小 さ く な る た め(今 井 ・鈴 木,2005),. (3) 沿 岸林 内 樹 木 の破 壊 発 生 に関 す る 解 析 結 果 沿 岸 林 内樹 木 の 破 壊 発 生 率 に 関 す る解 析 結 果 を表‑3に. こ の解 析 結 果 に矛 盾 は な い と考 え られ る.一 方 で,dnが. 示 す.表. 増 加 す る に 従 っ て樹 木 倒 伏 の 発 生 危 険 度 は増 大 す る傾 向. い て,Model‑D1はdとH,Model‑D2はdnとH,Model‑D3. 中 の定 義 は表‑2と 同様 で あ る.解 析 モ デ ル に つ. に あ る.こ れ はdnの 増 加 に よ り,津 波 氾 濫 流 は堰 上 げ ら. は 根 形 態 とd及 びH,Model‑D4は. れ(今 井,2008),根. Model‑D5は. に 作 用 す る倒 伏 モ ー メ ン トが増 大 す. る た め と考 え られ る.も ち ろ ん,Hの. 根 形 態 とdn及 びH,. 全 て の 実 測 値 を用 い た 場 合 の解 析 結 果 で あ. 増 大 に よ り倒 伏 発. る.表 か ら,沿 岸 林 内樹 木 の 破 壊 発 生 率 に 関 す る各 実 測. 生 の危 険 度 も高 ま る.本 解 析 条 件 に お け る沿 岸 林 内 樹 木. 値 の オ ッズ比 よ り,根 形 態 の 影 響 は大 き く,気 根 形 態 よ. の倒 伏 発 生 率 に 関 す る最 適 な統 計 モ デ ル と して は,AIC. り地 中 根 形 態 の 方 が 樹 木 破 壊 の発 生 危 険 度 は3倍 程 度 か. に よ る基 準 と 的 中 割 合 か らModel‑L5と 判 断 した.式(3). そ れ 以 上 と な る こ と が 判 る.ま. にModel‑L5に. れ 破 壊 の 危 険 度 が 上 が る.こ れ はdが 小 さ くな る こ と に. お け る Φ を示 す.. (3) た だ し,式(3)の 適 用 範 囲 は,. た,dが. 小 さ くな る に つ. よ る剛 性 の低 下 が 起 因 して い る と考 え られ る.一 方 で, dnは 樹 木 倒 伏 発 生 の結 果 と逆 傾 向 を示 し,dnが 減 少 す る.

(4) 294. 海 表‑3. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第55巻(2008). 沿 岸林 内樹 木 の破 壊発 生率 に関 す る解 析 結果. の 関 数 型 を 示 す.. (4) た だ し,式(4)の 適 用 範 囲 は, 0.1<dn<7.5,1m<H<15m で あ る.図‑4に. 沿 岸 林 内樹 木 の 破 壊 発 生 率 分 布 を示 す.. 図 中 の定 義 は 図‑3と 同 様 で あ る.Hが. 増 大 す る に 従 い,. 破 壊 発 生 率 が 高 ま る の は も ち ろ ん の こ と,dnが. 小 さい ほ. ど破 壊 発 生 率 は高 ま る こ とが 判 る.ま た,気 根 形 態 の 方 が地 中 根 形 態 よ り も破 壊 発 生 率 は 低 下 す る傾 向 に あ る こ と が 判 る. 図‑4. 沿 岸 林 内 樹 木 の 破 壊 発 生 率 分 布(Model‑D4). 4. 統 計 モ デ ル を 利 用 し た 沿 岸 林 内 樹 木 の 被 害 推 定 1983年 日本 海 中 部 地 震 津 波 で は 峰 浜 海 岸 や能 代 海 岸 に お け る沿 岸 林 内 樹 木 に 倒 伏 等 の 被 害 が 確 認 さ れ て い る (土 木 学 会 編 集,1986).本. 研 究 で 開 発 し た沿 岸 林 内樹 木. の 被 害 に 関 す る統 計 モ デ ル の 妥 当 性 を 検 討 す る た め に, 日本 海 中部 地 震 の 津 波 数 値 解 析 を 行 い,そ. の津波高 分布. と 開 発 した 統 計 モ デ ル よ り,樹 木 被 害 の 発 生 率 分 布 を 算 出 す る.図‑5に. 計 算 領 域 及 び津 波 初 期 波 源 を示 す.津. の伝 播 計 算 に は従 来 の モ デ ル(後 藤 ・小 川,1982)を. 波. 用 い,. 計 算 領 域 は 空 間 格 子 間 隔 △x=△y=270m,△t=0.9sと し,汀 線 に は鉛 直 壁 を 設 置 した.津 波 波 源 は相 田 の モ デ ル(佐 藤 ら,1989)を. 用 い,Mansinha. and Smylieの 理 論. (1971)に よ り求 め た.沿 岸 林 内樹 木 の被 害 に 関 す る統 計 モ デ ル につ い て,倒 用 い,破. 図‑5. 線:隆. 起,破. 用 い た.沿. 岸林 条. 件 と して は,沿 岸 林 前 縁 の 地 盤 高 は 一 律 にhGv=4.0m,d =0 .102mと し,dn=1.0〜3.0m/mに 変 化 さ せ た.Hに つ. 計 算 領 域 と初 期 波 形. (コ ン タ ー 間 隔0.2m実. 伏 発 生 確 率 の 算 定 に は 式(1),(3)を. 壊 発 生 確 率 に は 式(1),(4)を. 線:沈. 降). い て は,氾. 濫 計 算 は 行 わ な い た め 最 大 津 波 高 か らhGvを. 差 し引 くこ とで 評 価 し た. に従 って樹 木 の破 壊 発 生 危 険 度 は 増 大 す る傾 向 に あ る.. 図‑6に 秋 田 県 沿 岸 の 最 大 津 波 高 分 布 と 沿 岸 林 内 樹 木 の. 破 壊 に 関 す る物 理 量 と して は氾 濫 流 速 が重 要 で あ り,同. 倒 伏,破. じ津 波 氾 濫 流 を想 定 した場 合,dnの. 大 きい方が氾濫 流速. に よ り変 化 し,八 竜 沿 岸 で は 倒 伏 発 生 率 は 最 大 で40%程. え に この よ うな傾 向 と な っ. 度 で あ る が,能 代 海 岸 や 峰 浜 海 岸 で は60%以 上 と な る.. は減 じ られ る(今井,2008).ゆ た と考 え られ る.Hに. つ いて は,浸 水 深 が 高 く な る こ と. 壊 被 害 発 生 率 を 示 す.倒 伏 発 生 率 につ い て はdn. 破 壊 発 生 率 に つ い て は八 竜 岸 や 能 代 海 岸 で は数%と. その. に よ り外 力 が増 大 す るた め破 壊 発 生 率 が 大 き くな る こ と. 発 生 確 率 は低 い.し. か し,峰 浜 海 岸 で は津 波 高 が 高 くな. も理 解 で き る.. る た めdn=1.0m/mの. 場 合 の み,破 壊 発 生 率30%と. 本 解 析 条 件 に お け る沿 岸 林 内樹 木 の 破 壊 発 生 に関 す る 最 適 な統 計 モ デ ル に つ いて,AICに か らModel‑D4と. よ る基 準 と的 中 割 合. 判 断 した.式(4)にModel‑D4に. お ける Φ. な る.. 実 際 に は津 波 流 体 力 だ けで な く,漂 流 物 衝 突 に よ る樹 木 倒 伏 や 破 壊 の場 合 も あ り,加 え て 沿 岸 林 前 縁 の 地 盤 高 に は地 域 性 が あ る た め,決 定 論 的 に議 論 す る た め に は 不 十.

(5) 295. 津 波 に よる沿 岸林 内樹 木 の被害 に関 す る統計 モ デルの 開発 が 顕 著 で あ っ た 事 例 に 適 用 し,本. 統計 モデルの適用性 を. 確 認 す る 必 要 が あ る と 考 え ら れ る.ま 冠 部 の 形 状 も 大 き く異 な る た め,本. た,樹. 種 に よ り樹. モ デ ル の 精 度 向上 に. は こ れ ら の 影 響 も 考 慮 し て い く 必 要 が あ る と 考 え ら れ る.. 謝 辞:本. 研 究 遂 行 に あ た り,埼. 教 授 か ら は2004年. 玉 大 学 工 学 部 田 中規 夫. イ ン ド洋 津 波 に お け る 沿 岸 林 被 害 に 関. す る 貴 重 な デ ー タ の 提 供 を 受 け ま し た.秋. 田大学工学 資. 源 学 部 附属 地 域 防 災 力 研 究 セ ンタ ー松 冨 英 夫 教 授 か ら は 多 く の 意 見 を 賜 り,さ. 図‑6. 秋 田県 沿岸 の最 大津 波高 分布 と沿 岸 林内樹 木 の倒 伏,. ら に2007年. ソ ロモ ン諸 島津 波 に お. け る 沿 岸 林 デ ー タ の 提 供 を 受 け ま し た.秋. 田大 学 工 学 資. 源 学 部 浜 岡 秀 勝 准 教 授 に は 統 計 解 析 手 法 に つ い て,多. 破壊 被害 発生 率. の 意 見 を 賜 り ま し た.こ. 分 で あ る が,本 研 究 に よ る統 計 モ デ ル は沿 岸 林 内 樹 木 の. こ に 記 し て,感. く. 謝 の意 を 表 しま. す.. 被 害 発 生 に関 す る簡 便 な評 価 指 標 と して有 効 と な る可 能 参. 性 を 示 して い る.. 考. 文. 献. 赤 池 弘 次 ・甘 利 俊 一 ・北 川 源 四 郎 ・樺 島 祥 介 ・下 平 英 寿:. 5. お わ り に. (2005): 赤 池 情 報 量 基 準AIC, 共 立 出 版, pp.56‑61. 今 井 健 太 郎: (2008): 沿 岸 植 生 域 を 氾 濫 す る津 波 の 水 理 学 的. 過 去 の津 波 事 例 に お け る沿 岸 林 内 の樹 木 被 害 に関 す る 実 測 デ ー タに 基 づ い た統 計 解 析 か ら,樹 木 被 害 に寄 与 す る影 響 因子 の 抽 出 を行 い,実 測 値 に基 づ く統 計 モ デ ル を 開 発 した.本 研 究 で 得 られ た 主 な結 論 を 示 す. (1)本解 析 条 件 に お い て,根 形 態 に よ り被 害 発 生 の危 険 度 は変 化 し,気 根 形 態 に比 べ 地 中 根 形 態 は2〜3倍 程 度 被 害 発 生 の危 険 度 は高 ま る こ とを 示 した.ま た,樹 木 の 胸 高 直 径 は小 さい ほ ど,そ の 発 生 危 険 度 は高 ま る.一 方 で, 植 生 厚 み につ い て は,被 害 形 態 に よ りそ の 傾 向 が 異 な り, 倒 伏 被 害 は植 生 厚 み が 大 き くな る こ と に よ り発 生 危 険 度 は高 ま り,破 壊 被 害 は植 生 厚 み が小 さ くな る こ と に よ り 発 生 危 険 度 は高 ま る. (2)本解 析 条 件 に お け る樹 木 被 害 に 関 す る統 計 モ デ ル につ い て,倒 伏 被 害 発 生 率 につ い て は 津 波 浸 水 深,根. 形 態,. 胸 高 直 径,植 生 厚 み を 用 い た モ デ ル が 実 測 値 を 良 く説 明 す る.破 壊 被 害 発 生 率 につ い て は 津 波 浸 水 深,根. 形 態,. 植 生 厚 み を用 い た モ デ ルが 実 測 値 を 良 く説 明 す る. (3)決定 論 的 に議 論 す る た め に は 不 十 分 で あ るが,比 較 的 大 きい 空 間 格 子 間 隔 で の津 波 数 値 解 析 に よ る最 大 津 波 高 分 布 と本 研 究 で 開 発 した統 計 モ デ ル に よ り,沿 岸 林 内樹 木 の 被 害 発 生 に 関 す る評 価 指 標 を 与 え得 る可 能 性 を示 し た. 今 後 の課 題 と して は,さ ん の こ と,2004年. らな る実 測 値 の 収 集 は もち ろ. イ ン ド洋 大 津 波 の よ うな,樹 木 の被 害. 研 究, 秋 田大 学 博 士 学 位 論 文, pp.55‑75. 今 井 健 太 郎 ・鈴 木 明 菜 (2005): 沿 岸 樹 木 の パ イ プ モ デ ル を 用 い た 表 面 積, 体 積 評 価 法 と そ の 倒 伏 耐 力, 水 工 学 論 文 集, 第49巻,. pp.306‑310.. 今 井 健 太 郎 ・松 冨 英 夫 (2005): 沿 岸 林 に よ る津 波 減 勢 効 果 と そ の 限 界 に 関 す る判 定 図 の 作 成, 平 成17年 度 土 木 学 会 東 北 支 部 技 術 研 究 発 表 会 講 演 概 要 集, pp.250‑251. 岡 田 昌 史 編 集 (2004): The R Book, 九 天 社, pp.283‑289. 後 藤 智 明 ・小 川 由 信 (1982): Leap‑frog法 を 用 い た 津 波 の 数 値 計 算 法, 東 北 大 学 土 木 工 学 科, 52p. 佐 藤 良 輔 ・岡 田義 光 ・鈴 木 保 典 ・阿 部 勝 征 ・島 崎 邦 彦 (1989): 日本 の 地 震 断 層 パ ラ メ タ ー ・ハ ン ド ブ ッ ク, 鹿 島 出 版 会, p.358. 首 藤 伸 夫 (1985): 防 潮 林 の 津 波 に 対 す る 効 果 と 限 界‑過 去 の 事 例 に よ る 判 定‑, 津 波 防 災 実 験 所 研 究 報 告, 第2号, pp.1‑38. 田 中 規 夫 ・佐 々 木 寧 ・湯 谷 賢 太 郎,Samang Homchuen (2005): 津 波 防 御 に対 す る樹 林 幅 と樹 種 影 響 に つ い て‑イ ン ド 洋 大 津 波 に お け る タ イ で の 痕 跡 調 査 結 果‑, 文 集, 第52巻, pp.1346‑1350.. 海 岸工 学論. 土 木 学 会 編 集 (1986): 1983年 日本 海 中 部 地 震 震 害 調 査 報 告 書, 土 木 学 会, pp.1346‑1350. 柳 澤 英 明 ・越 村 俊 一 ・後 藤 和 久 ・今 村 文 彦 ・宮 城 豊 彦 ・林 一 成 (2006): マ ン グ ロ ー ブ林 内 を 遡 上 し た 津 波 の 挙 動 と 樹 木 の 破 壊 条 件‑2004年 KhaoLakで の 被 害 調 査‑,. イ ン ド洋 大 津 波 に よ る タ イ 海 岸 工 学 論 文 集, 第53巻,. pp.231‑235.. Mansinha, L. and Smylie, D. E. (1971): The displacement fields of inclined faults, Bulletin of the Seismological Society of America, Vol.61, No.5, pp.1433-1440. Matsutomi, H., Fujima, K. and Shigihara, Y. (2007): Earthquake and Tsunami Disaster in Solomon Island,2April 2007, http://www.ja-ee.gr.jp/research/res05/sol2007.pdf..

(6)

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