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異なる加速度計を用いた身体活動・座位行動の

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Academic year: 2022

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早稲田大学審査学位論文 博士(スポーツ科学)

概要書

異なる加速度計を用いた身体活動・座位行動の 客観的評価方法の比較

Objective measurement of physical activity and sedentary behaviour: A comparison of different

accelerometer devices

2020年1月

早稲田大学大学院 スポーツ科学研究科

矢野 翔平 YANO , Shohei

研究指導教員:岡 浩一朗 教授

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1 本研究の背景

現在の加速度計は多種多様な特徴を有しており,身体活動,座位行動を評価する加速度計の標 準的な調査方法や解析方法は確立されていない.そのため,加速度計や設定の違いは異なる研究 結果を生じさせる.加速度計ActiGraphは身体活動,座位行動の評価において,世界で最も利用 されている.加速度計 Active style Pro はわが国の身体活動,座位行動評価に利用されており,

独自のアルゴリズムによって高い測定精度を有する.また,近年では旧機種350ITの生産中止に 伴い,新機種750Cの利用の移行が行われている. Active style Pro新旧機種とActiGraphにお いて身体活動,座位行動の評価を多様な条件下で比較することは,わが国の身体活動,座位行動 評価と諸外国の身体活動,座位行動研究の比較,統合を行うための一助となる.また,わが国の 客観的評価による身体活動,座位行動研究のエビデンスを構築するためにも Active style Pro 新

旧機種とActiGraphの比較研究は重要である.

本研究の目的

本研究では,わが国の身体活動,座位行動評価と諸外国の身体活動・座位行動評価を比較する ために,実験室条件下,自由生活下において加速度計 Active style Pro と ActiGraph の身体活 動・座位行動評価の差異を明らかにすることを目的とした.さらに,Active style Pro 旧機種 350IT と新機種 750C の評価結果の差を明らかにすることにより,Active style Pro 新旧機種と

ActiGraphの差異について包括的に検討することを目的とした.

本研究の構成

第1部では,身体活動と座位行動を客観的に評価する加速度計利用の現状を把握すると同時に,

Active style Pro と ActiGraph を中心とした加速度計の比較研究の動向を概観し,研究課題を整 理した.第2部では,実験室条件下での特定の日常生活動作における350ITとActiGraphの評価 結果の比較を行った(研究①).第3部では,自由生活下での350ITとActiGraph の評価結果の 比較を行った.差がある項目においては,補正式の作成,適用を行い,補正式の有用性の検討を 行った(研究②).第4部では,自由生活下におけるActive style Pro 350ITと750Cの評価結果 の比較を行い,新旧機種間の差を確認した(研究③).以上の研究をふまえ,第 5 部の総合考察 では,Active style Pro 新旧機種と ActiGraph の差異について包括的に検討し,わが国と諸外国 の身体活動・座位行動評価の比較,統合における今後の課題についてまとめた.

研究①:実験室条件下での350ITとActiGraphの差について

研究①では,日常生活動作(座位活動,生活活動,歩走行活動)における350IT とActiGraph の評価結果の差について検討した.22項目中 18項目以上に差がみられており,ほとんどの項目 で差が示された.歩走行活動においては座位活動,生活活動と比較して,活動強度の差は小さく,

有意差のある項目数の差は少なかった.ActiGraph は座位活動と生活活動を判別できておらず,

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低強度身体活動を座位行動の活動強度として評価をしていた.一方で350ITは一部の静止動作を 除いて,すべての座位活動,生活活動を判別していた.

研究②:自由生活下における350ITとActiGraphの差について

研究②では,東京都内勤務者50 名を対象に,勤務日と休日における350ITとActiGraphの身 体活動,座位行動時間の差を比較した.その結果,350ITとActiGraph とはすべての強度別活動 時間に高い相関がみとめられたが,低強度,中高強度身体活動時間において,差が認められた.

350ITはActiGraphよりも70分以上座位行動時間を少なく,中高強度身体活動時間を20分以上

多く評価することが確認された.しかし,座位行動時間はActiGraphの軸設定によって差がみら れず,補正式の適用後は,座位行動と中高強度身体活動時間に差はみられなかった.

研究③:自由生活下におけるActive style Proの新旧機種の差について

研究③では,東京都内に勤務する活動的な仕事15名,座り仕事15名(合計30名)を対象に,

Active style Proの後継機種である新機種750Cと旧機種350ITの評価の差について検討するため に, 750Cと350ITを1週間同時装着して,各強度別活動時間を比較した.その結果,座位行動,

低強度,中高強度身体活動の活動時間において 10 分以内の差がみられた.仕事形態によって座 位行動と中高強度身体活動時間は,仕事形態によって,差がみられたが,低強度身体活動時間は 仕事形態に関わらず差がみられた.

総合考察

実験室条件下(研究①)と自由生活下(研究②,③)の2つの異なる条件下において,加速度 計Active style Pro新旧機種とActiGraphの差異について総合的に考察した.実験室条件下にお いて,加速度計ActiGraphは低強度以下の活動では,350ITがActiGraphよりも正確に座位活動 と生活活動の特定動作を判別して評価できている可能性が示唆された.自由生活下においては,

350ITとActiGraph間で,座位行動時間は70分以上,中高強度身体活動時間は 20分以上の差が

確認されており,わが国の健康づくりのための推奨値やガイドラインの達成率への影響を考慮す ると,異なる加速度計の違いによって生じたこれらの客観的評価の差は大きいと考えられる.ま た,Active style Pro 350ITと750Cとの日常生活での比較においては,低強度身体活動時間に10 分以内の差が確認され,350IT と 750C の継続的利用において課題が明らかになった.そのため,

750C の妥当性および 750C と ActiGraph の差については,今後検討する必要がある.しかし,

350ITと ActiGraphの比較においては補正式によって差が補正された.よって,本研究によって

得られた補正式を用いることで,ActiGraph によって評価された諸外国の身体活動・座位行動の 結果がわが国の身体活動・座位行動と比較できる可能性が示唆された.補正式の実用化には異な る対象者や解析方法の検討が必要だが,本研究で得られた知見は,わが国と諸外国の加速度計に よって評価された身体活動・座位行動を比較,統合する上で重要な知見となりうる.

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