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遮音壁の支柱架台機能を有した壁高欄の鋼製型枠

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Academic year: 2022

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遮音壁の支柱架台機能を有した壁高欄の鋼製型枠

首都高速道路㈱    正会員 ○蔵治  賢太郎  臼井  恒夫    前川  敦    1.はじめに  

首都高速中央環状新宿線(以下中環新宿線)は平成 22 年 3 月 28 日に予定通り全線開通したが,開通の 1 年半までは高速 3 号渋 谷線と接続する大橋ジャンクション(JCT) (写真‑1)の高架橋架設 後に構築する壁高欄,覆蓋,施設物の工事が通常の施工手順では 開通に間に合わない状況であった.そこで工事工程を短縮して開 通予定日までに工事を完了させるために,遮音壁の支柱架台機能 を有した壁高欄の鋼製型枠(以下W鋼製型枠)を採用した. 

2.覆蓋と施設物 

覆蓋とは大橋 JCT の高架部を通行する車両から発生する騒音や 大気汚染といった周辺環境への負荷を軽減するために設けられ たもので,壁高欄上に建てられた遮音壁に蓋が被さったトンネル のような構造である(写真‑2).側面は壁高欄上に設置される遮音 壁支柱(H鋼)に,内側に吸音パネル,外側に外装パネル,上端 部に電動開閉式排煙窓を設置している.さらにカーブ部の外側に は車両からの落下物に抵抗できるよう鋼製ネットを張っている.

天井部はH鋼の梁材に波板鋼板を取りつけている. 

覆蓋内部はトンネルと似た閉鎖空間となるため,照明,デリネ ータ,トラフィックカウンター,非常電話,カメラといった施設 物だけでなく,水噴霧・泡消火設備と配管,火災検知

器といった防災設備も配置された(写真‑2).  3.作業条件 

現場には壁高欄のコンクリートを打設するためのポ ンプ車やアジテータを停車させるスペースが無かった ため,RC壁高欄を従来の手順(図‑1 左のフロー)で 構築するには工事車両の進入ルートとなる大橋 JCT ル ープ部(写真‑1)の完成を待たなければならなかった. 

4.工程短縮の手法 

壁高欄の型枠上に覆蓋を構築し,施設物を設置しな がら型枠内にモルタルを充填して高欄を完成させるこ とができれば作業の効率化が進んで大幅な工程短縮と なる.また,型枠を鋼製にして工場で塗装し,これを 脱型せずに残置すれば,塗装と型枠脱型の工程も短縮 となる(図‑1 右のフロー).そこで,覆蓋のフレーム である遮音壁支柱が設置できて,後からモルタルが充 填できる壁高欄の鋼製型枠を開発することにした. 

5.W鋼製型枠の構造 

W鋼製型枠の遮音壁支柱を設置する部材は強固に鋼 床版に接続させる必要があった.そのため,フランジ

配筋

型枠組立

養生

型枠脱型

高欄塗装(4層)

覆蓋構築 コンクリート打設

型枠組立(背面)

配筋

覆蓋構築 型枠組立(前面・蓋)

従来の手順 新しい手順

モルタル 充填

施設物 設置

施設物設置

図-1 壁高欄・覆蓋・施設物設置工事の手順   写真‑1 大橋 JCT ループ部と覆蓋部 

  写真‑2 覆蓋の内部(完成状況) 

ループ部

高架部 土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

‑481‑

Ⅰ‑241

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の長いH断面の遮音壁支柱架台(以下ビルトH)を製作し,鋼床版に取り付 けたフラットバーとハイテンションボルトで強固に接続させた(写真‑3,図

‑2 左,図‑3).ビルトHの上端には鋼板を溶接し,アンカーボルトのナット で高さ調整しながら遮音壁支柱を建柱した(写真‑4).支柱を固定するアン カーボルトにはRC壁高欄でも使用しているUボルトを使用した(図‑2 中 央).高さ調整完了後,ビルトH天端の板と支柱ベースプレートの隙間を無 収縮モルタルで充填した(図‑4).ビルトH以外の範囲は配筋し,後でモルタ ルが充填できるよう両側面と天端を厚さ 4.5 ㎜の型枠鋼板で覆った(写真‑5,

図‑2 右).現場塗装を省略するために,各部材とも搬入前に工場で塗装した.         

  図-2 横断図(左:ビルトH部  中央:支柱アンカー部  右:配筋部)

   

図-3 W鋼製型枠基部平面図      図-4 支柱取付部 6.衝突実験 

W鋼製型枠は遮音壁の支柱架台だが,最終的に無収縮モルタルが充填され て防護柵(種別SB)となる.防護柵としての性能を確認するために実車に よる車両用防護柵性能確認試験を実施した.試験方法は防護柵の設置基準・

同解説(日本道路協会)の衝突実験A(大型車)とした.W鋼製型枠の外形 は Rr‑SB‑WB と同一であるため,車両誘導性能は有していると判断し,衝突 実験B(小型車)は省略した. 

実験の結果,W鋼製型枠の主たる部材に塑性変形は生じなかった.衝突車 両は防護柵に激突後,横転・転覆することなく誘導され,離脱速度は衝突速 度の 85%(基準値 60%以上),離脱角度は 4%(基準値 60%以下)であり,

どちらも種別SBの防護柵としての基準値を満足した. 

7.まとめ 

中環新宿線の工事のクリティカルパスであった壁高欄,覆蓋,施設物の工 程はW鋼製型枠を採用したことによって短縮され,予定されていた平成 22 年 3 月に全線開通することができた.今後,鉄筋量の見直し,構造の簡素化 などにより,さらなる施工時間短縮と工事費縮減が期待されるところである. 

  キーワード  車両用防護柵,高欄,衝突実験,遮音壁 

  連絡先      〒160‑0023  東京都新宿区西新宿 6‑6‑2  首都高速道路㈱ 東京建設局 設計グループ        TEL03‑5320‑1665  FAX03‑5320‑1658  E‑mail:[email protected] 

  写真‑3 ビルトH鋼設置 

  写真‑4 遮音壁支柱設置

  写真‑5 型枠鋼板設置 

  写真‑6 衝突実験試験体配筋 

  写真‑7 衝突の瞬間 

  写真‑8 衝突実験後のW鋼製型枠 

土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

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参照

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