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U R U M A

うるま

d d e s i g n t r a v e l

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  時代とともに﹁豊かさ﹂が進化していま す。高度経済成長、バブル期、自然環境の 破壊や震災など多くのことにより、私たち は物による豊かさから、長く続く自分らし さの中に ﹁豊かさ﹂ ﹁幸せ﹂ を見つけ出す時 代に生きています。そして、人とのつなが りに関心を持ち、自分たちのふるさとに目 を向け始めています。   町は企業のように成長しなくてはなりま せんが、それを豊かに開拓するための材料 とは、どこにでもある流行の図書館を誘致 したり、隣の町で成功した祭や商業施設を 持ってくることではなく、 ﹁その土地だから こそできる、続いていること﹂に真剣に向 き合い、 それを﹁個性﹂ ﹁らしさ﹂と意識し て未来を考えることだと思うのです。   私 た ち

D&DEP

AR

TMENT PR

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は 、 そ の 土 地 で 長 く 続 く も の 、 こ と を 紹 介 販 売 す る 店 ﹁

D&DEP

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TMENT

﹂︵ 現 在 国 内 一 〇 、 国 外 一 の 計 十 一 店 舗 ︶ と 、 そ の 土 地 に 長 く 続 く 個 性 で 観 光 し て も ら う ガ イ ド﹁

d

design tr

avel

﹂︵ 一 年 に 三 冊 ︶ を 発 刊 す る 活 動 体 で す 。 ど ち ら も ゴ ー ル は 四 七 の 日 本 で あ る 都 道 府 県 を 網 羅 す る こ と 。 現 在 、 店 舗 は 一 〇 都 道 府 県 、 ガ イ ド 本 は 一 七 都 道 府 県 分 の 刊 行 を 終 え て い ま す 。 そ し て 、こ の ﹁

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design tr

avel

う る ま 号 ﹂ は 、 そ ん な 本 誌 の 特 別 号 で あ り 、 私 た ち 編 集 部 と う る ま 市 民 のみなさんとワークショップを通じて一緒 に ﹁ 自 分 た ち ら し い 場 所 ﹂ を 議 論 し 、 実 際 に 取 材 、 原 稿 執 筆 し て ま と め た も の で す 。   私たちは﹁自分﹂の主張はしますが、 ﹁自 分らしさ﹂については意外と考えたことが ないものです。それは﹁自分たちのふるさ とである町﹂についても一緒です。流行の カ フ ェ に は 敏 感 で も、 ﹁ 自 分 の 町 ら し い カ フェ﹂ は意識することもないと思います。 し かし、例えば外国からくるお客さんに、あ な た の 町 を 案 内 す る と き、 ﹁ 自 分 の 町 の 個 性﹂は最高のもてなしになるでしょう。そ れを意識する延長線上に、町の豊かな繁栄 があり、そこに暮らす市民の生きがいがあ る。つまり、そういう場所をひとつひとつ 考えていく、生んでいくことこそ、その町 の活性であると思うのです。   うるま市は﹁うるま市らしく﹂成長しな ければもったいないのです。この特別号で 市民のみなさんと選び出した場所や人を今 一度、みんなで巡り、ぜひ、未来の豊かで 個性的な﹁うるま市﹂づくりに役立てて頂 きたいと思います。

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avel

発行人 デザイン活動家 ナガオカケンメイ

編集の考え方。

・ 必ず自費でまず利用すること。実際に泊まり、食事し、   買って、確かめること。 ・ 感動しないものは取り上げないこと。   本音で、自分の言葉で書くこと。 ・ 問題があっても、素晴らしければ、   問題を指摘しながら薦めること。 ・ 取材相手の原稿チェックは、事実確認だけにとどめること。 ・ ロングライフデザインの視点で、   長く続くものだけを取り上げること。 ・ 写真撮影は特殊レンズを使って誇張しない。   ありのままを撮ること。 ・ 取り上げた場所や人とは、発刊後も継続的に交流を持つこと。

取材対象選定の考え方。

・その土地らしいこと。 ・ その土地の大切なメッセージを伝えていること。 ・その土地の人がやっていること。 ・価格が手頃であること。 ・デザインの工夫があること。 S I GH T S その土地を知る R ES TAU R A N T S その土地で食事する S H O P S その土地らしい買物 C AFES その土地でお茶をする お酒を飲む H OT EL S その土地に泊まる PEO PL E その土地のキーマン

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M A R K R E V I E W

U R U M A

ホテル 浜比嘉島リゾート ホテル 浜比嘉島リゾート 20 20 20 20 20 15 15 15 15 15 うるまジェラート うるまジェラート 古民家食堂 てぃーらぶい古民家食堂 てぃーらぶい 中村 薫 (プロモーションうるま)中村 薫 (プロモーションうるま) 高安 正勝 (ぬちまーす)高安 正勝 (ぬちまーす) ホテルハーバー ホテルハーバー café PIPINEO café PIPINEO Restaurant B・B・R Patisserie R Restaurant B・B・R Patisserie R 津波三味線店 津波三味線店 神村酒造 古酒蔵 神村酒造 古酒蔵 ビオスの丘 ビオスの丘 丸一食品 塩屋店 丸一食品 塩屋店 民宿 神谷荘 民宿 神谷荘 おでん いこい おでん いこい NIWACAFE NIWACAFE galleryはらいそ galleryはらいそ 石川多目的ドーム 石川多目的ドーム アマミチューの墓・ シルミチュー霊場 アマミチューの墓・ シルミチュー霊場 kainowa kainowa 瑠庵+島色 瑠庵+島色 12 12 12 12 12 14 14 14 14 14 66 666 77 777 44 444 13 13 13 13 13 55 555 18 18 18 18 18 413はまひが Hotel&Cafe 413はまひが Hotel&Cafe 17 17 17 17 17 22 222 99 999 23 23 23 23 23 具志堅 司 (龍神伝説 主宰)具志堅 司 (龍神伝説 主宰) 22 22 22 22 22 伊波 大志 (闘牛リングアナウンサー)伊波 大志 (闘牛リングアナウンサー) 21 21 21 21 21 88 888 16 16 16 16 16 10 10 10 10 10 11 11 11 11 11 24 24 24 24 24 勝連城跡 勝連城跡 33 333 11 111

d d e s i g n t r a v e l W O R K S H O P i n U R U M A

T R A V E L M A P

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2 島人の生活に寄り添う神々の眠る 島   ﹁浜比嘉大橋﹂を渡り、 り着 く浜比嘉島。そこには、琉球開闢 の祖神アマミキヨとシネリキヨが 住んだとされる﹁シルミチュー霊 場﹂と、この二神及びその他の神 が祀られている﹁アマミチューの 墓﹂がある。シルミチュー霊場は、 一〇八の石段を上ると見える、鍾 乳石の陰石が、子宝を授かる霊石 として崇拝されている。参道には、 二つの鳥居がありそれぞれ形が違 うのも珍しい。旧暦で年中行事を 行なう浜比嘉島の人々。旧正月に は、五穀豊穣や家族の健康を祈願 し シ ル ミ チ ュ ー 霊 場・ ア マ ミ チューの墓を含む一二箇所を島人 でり、拝むという。先祖代々か ら続く行事を絶やさず、その場所 を守り続ける島人の日常が見えた。 ︵ 外間多希子/うるま市役所 ︶ 沖縄県 う る ま市勝連比嘉 Tel: 098-965-5634 ︵ う る ま市役所商 工 観光課︶ 沖縄北 IC か ら車 で 約 30分 う る ま の 頂 上 に 建 つ、 勝 連 城 跡   沖縄には ﹁おおらか﹂ というイメー ジ が あ る が、 ﹁ 勝 連 城 跡 ﹂ か ら も ﹁おおらか﹂ さが伝わってくる。城 壁はゆったりカーブを描きながら 上へと繫がっていき、鮮やかな緑 色の大地の上に聳え立ち、国内外 か ら 多 く の 観 光 客 を 迎 え 入 れ る。 長く続く階段を登ると、何も遮る 物がない頂上にたどり着く。涼し い風が吹き抜け、開放的な景色が 目に飛び込んでくる。さっきまで の疲れを吹き飛ばしてくれた。 ﹁晴 れた日にはここから沖縄本島の三 分の二は一望できるんですよ﹂と ガイドの我如古則子さんが教えて くれた。十五世紀頃、この城を最 も栄えさせた城主 ・ 阿麻和利が、 こ の景色を見て沖縄の天下統一を夢 見 た の も 納 得 で き る 程 の 絶 景 だ。 ︵ 松田萌/沖縄芸大生 ︶ 沖縄県 う る ま市勝連南風原 3908 Tel: 098-978-7373 9時 ∼ 18時 無休 ︵ ガ イ ド は 有料、要予約︶ 沖縄北 IC か ら約 20分 http://www.katsuren-jo.jp 沖縄の自然と人を繋ぐ場所   看板 が見えてから園内まで山道を一キ ロ、やっと﹁ビオスの丘﹂が見え てくる。石川高原と呼ばれる高台 にあり、展望台に登るとうるまの 街と自然が一望できる。沖縄在来 の自然環境を再現するために、既 存の貯水池の水をすべて抜き、外 来種の魚や赤土を取り除いて、在 来種のメダカやヨシノボリを育て た。非日常的な体験や、刺激に満 ちた感動を与える観光施設はたく さんあるが、それらと比較すると ﹁ビオスの丘﹂ は何もない。しかし、 私はここを訪れると心がほぐされ る。根っこがむき出しの逞しいラ ンなど、ありのままの姿の自然と 触れ合うことができるからだ。刺 激から人を解放し、自分と向き合 うきっかけをくれる場所でもある。 ︵ 浜野優里子/学生 ︶

1.

ありのままの自然を体験できるテーマパーク。 長い歳月をかけ再現された生態系。 園内には電柱や団体呼び出し用の放送機材もない。 「人と自然のめぐり い」のテーマが伝わる。

2.

前例のない、屋外での着生ラン。 沖縄の暖かな気候だからこそできる取り組み。高い知識と 栽培技術により着生ランに成功。野性味ある美しさを楽しめる。

3.

ゆんたくしながら楽しめる、 湖水観賞舟・水牛車に乗れる。 ゆんたくとは沖縄の方言で「おしゃべり」のこと。 園内の自然に囲まれながら、船と水牛車がゆっくりと進んで心地よい。 沖縄県 う る ま市 石 川 嘉手苅 961-30 Tel: 098-965-3400 9時 00分 ∼ 18時 入場 は 17時 ま で ︶無休 石 川 IC か ら車 で 約 15分 http://www.bios-hill.co.jp

ファンに親しまれ、受け継がれる 闘 牛   ﹁ 第 一 〇 四 回 秋 の 全 島 闘 牛 大会﹂の会場を訪れた。低い鳴き 声とともに入場口から牛が駆け込 んできた。牛の角の形、 大きさ、 戦 い方は様々だ。名前も﹁一撃ガン 太 ﹂ や﹁ 古 堅 モ ー タ ー ス ☆ 白 眉 ﹂ など個性豊か。激しくぶつかり合 う牛に、私は息を呑み、思わず拳 に 力 が 入 り、 迫 力 に 圧 倒 さ れ た。 勝った牛の飼い主は、子どもや孫 を牛の背に乗せて舞うように喜び を全身で表現していた。闘牛大会 の会場に必ず訪れるうるま市出身 の闘牛写真家 ・ 久高幸枝さんは ﹁牛 がいる生活が当たりまえ。家族の ような存在だ﹂と話す。継承され る伝統、牛と飼い主の絆、試合が 終わる頃には、私もすっかり闘牛 ファンになっていた。 ︵ 生田紀子/ We b制作 ︶

1.

様々な人が楽しめる闘牛が魅力。 市町村単位の大会から、「全島闘牛大会」と言われる 大きな大会まで、観客席には、家族、女性、外国人など 幅広い闘牛ファンの姿。

2.

近代的なドームで 現在の闘牛 を知れる。 元々は、歴史を感じられる「安慶名闘牛場」などで 開催されていたが、2007年に完成した近代的な 「石川多目的ドーム」で開催されている。

3.

闘牛を身近に感じることができる土地にある。 闘牛写真家の久高幸枝さん、闘牛の散歩風景、 マンホールの蓋に描かれた闘牛など、 闘牛を身近に感じられるポイントが豊富。 沖縄県 う る ま市 石 川 2298-1 Tel: 098-965-5634 ︵ う る ま市 経済部 商 工 観光課︶ 営業時間 闘牛、 イ ベ ン ト に よ り異 な る 闘牛、 イ ベ ン ト が 開催 さ れ る日程 以 外 は 入場不可 石 川 IC か ら車 で 約 5分 http://www.city.uruma.lg.jp/culture/1249/1382

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島人の生活に寄り添う神々の眠る 島   ﹁浜比嘉大橋﹂を渡り、 り着 く浜比嘉島。そこには、琉球開闢 の祖神アマミキヨとシネリキヨが 住んだとされる﹁シルミチュー霊 場﹂と、この二神及びその他の神 が祀られている﹁アマミチューの 墓﹂がある。シルミチュー霊場は、 一〇八の石段を上ると見える、鍾 乳石の陰石が、子宝を授かる霊石 として崇拝されている。参道には、 二つの鳥居がありそれぞれ形が違 うのも珍しい。旧暦で年中行事を 行なう浜比嘉島の人々。旧正月に は、五穀豊穣や家族の健康を祈願 し シ ル ミ チ ュ ー 霊 場・ ア マ ミ チューの墓を含む一二箇所を島人 でり、拝むという。先祖代々か ら続く行事を絶やさず、その場所 を守り続ける島人の日常が見えた。 ︵ 外間多希子/うるま市役所 ︶

1.

琉球開闢の祖神が居住した地「シルミチュー霊場」。 アマミキヨとシリネキヨが住み、子どもを授かった場所。階段からは、 若者がもっこを担ぎ絶壁の端へ行けるか競った岩山が見える。

2.

祖神が眠る「アマミチューの墓」。 「アマンジ」と言われる岩の小島にある。航海安全と豊漁を祈願する 「御願バーリー(競漕)」がアマンジ前で行われる。

3.

瓦屋根が残る、心が和む集落。 瓦屋根や石垣などを持つ古民家が多く残る。車社会から抜け出し、 昔から変わらない素朴な集落を散歩すると自然と心が落ち着く。 沖縄県 う る ま市勝連比嘉 Tel: 098-965-5634 ︵ う る ま市役所商 工 観光課︶ 沖縄北 IC か ら車 で 約 30分 4 う る ま の 頂 上 に 建 つ、 勝 連 城 跡   沖縄には ﹁おおらか﹂ というイメー ジ が あ る が、 ﹁ 勝 連 城 跡 ﹂ か ら も ﹁おおらか﹂ さが伝わってくる。城 壁はゆったりカーブを描きながら 上へと繫がっていき、鮮やかな緑 色の大地の上に聳え立ち、国内外 か ら 多 く の 観 光 客 を 迎 え 入 れ る。 長く続く階段を登ると、何も遮る 物がない頂上にたどり着く。涼し い風が吹き抜け、開放的な景色が 目に飛び込んでくる。さっきまで の疲れを吹き飛ばしてくれた。 ﹁晴 れた日にはここから沖縄本島の三 分の二は一望できるんですよ﹂と ガイドの我如古則子さんが教えて くれた。十五世紀頃、この城を最 も栄えさせた城主 ・ 阿麻和利が、 こ の景色を見て沖縄の天下統一を夢 見 た の も 納 得 で き る 程 の 絶 景 だ。 ︵ 松田萌/沖縄芸大生 ︶

1.

世界遺産に登録された琉球最古の城 2000年に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」に 世界遺産に登録された5つの城跡の中でも、最古の城跡。

2.

勝連城の歴史を紐解いてくれるガイドがいる。 うるま市史跡ガイドの会の方々が勝連城の歴史や城の 構造をわかりやすく解説。一週間前からの予約が必要。

3.

最上部からは、沖縄本島の

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分の

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を一望できる。 360度の大パノラマで、うるま市だけではなく 沖縄本島東海岸の北部から南部を望む絶景。 沖縄県 う る ま市勝連南風原 3908 Tel: 098-978-7373 9時 ∼ 18時 無休 ︵ ガ イ ド は 有料、要予約︶ 沖縄北 IC か ら約 20分 http://www.katsuren-jo.jp

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浜比嘉島の暮らしを垣間見られる 場所   ﹁おじゃましま∼す﹂ — 思 わずそう呟いて玄関から上がって しまった。 ﹁お店﹂ というより、 ﹁お ばぁの家﹂と言った方がしっくり くる。仏壇も先祖の写真もそのま まで、子供が描いた絵や習字まで 貼られている。うるま市出身の店 主・中山直樹さんが、半ば朽ち果 てていた古民家を持ち主から託さ れた時、 ﹁お店を作る﹂のではなく、 ﹁沖縄の家を再生させる感じ﹂ で改 築に取り掛かったそうだ。島野菜 や豚肉をたっぷり使った味炒め は、おばぁの手料理さながら 、 体 にやさしくて、毎日でも食べたく なる味。お腹いっぱいになったら、 お ば ぁ た ち の ゆ ん た く︵ おしゃべ り ︶を

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に、 集落を抜けて海 まで歩いてみるのもいい。 ︵ 富山陽 子/イベント運営 ︶ 沖縄県 う る ま市勝連浜 56 Tel: 098-977-7688 11時 ∼ 16時   火曜、第 4水曜、旧正月、清明祭、旧盆休 沖縄北 IC か ら車 で 約 30分 旬 を 感 じ る オ キ ナ ワ ン フ レ ン チ   ﹁ 周 り に あ る も の を 使 う の は 自 然 なこと。無理がなく、変化を楽し んでいるから続けられる﹂と話す のは、 オーナーシェフの 瑞 ず 慶 け 覧 らん 篤 あつし さん。ランチコースで出される季 節 の リ ゾ ッ ト は、 夏 は シ ブ イ︵ 冬 瓜 ︶、 春 は 新 玉 ね ぎ を 使 用 す る な ど、旬の違いを味わえるのが魅力。 沖縄の日常の食卓で登場する食材 もフレンチに変身。地元野菜の可 能性を感じる。数種類の魚を堪能 できるメインの魚料理は、長時間 かけて丁寧に仕上げたソースが素 材を引き立て、芸術的な盛り付け で胸がときめく。食後は甘い津堅 にんじんを使用したロールケーキ で満足感に浸る。豊かな自然と生 産農家、漁師の方々に感謝したく なる料理に出会える。 ︵眞鶴さやか / うるま市観光物産協会 ︶ 沖縄県 う る ま市大 田 305 Tel: 098-973-1234 ラ ン チ 11時 30分 ∼ 15時 ︵ L.O. 13時 30分︶ フ ェ 13時 30分 ∼ 17時 デ ィ ナ ー 18時 ∼ 23時 ︵ L.O. 21時︶ 火曜 デ ィ ナ ー、水曜終日休 沖縄北 IC か ら車 で 約 15分 http://r.gnavi.co.jp/f255900/ 〝日常うるま〟 の食を体感する   こ の地域には﹁おでん﹂の看板を出 した店が多い。中でも一番の老舗 といわれているのがこの ﹁いこい﹂ だ。現店主の又吉とよ子さんの義 母の、故・又吉文子さんが始めた おでんとヤギ料理の店。一九七〇 年頃に現在の地に移転し、 翌年、 と よ子さんに引き継がれた。 ﹁県産品 を使い、安くてボリュームのある 料理を出したい﹂という。おでん 以 外 に も 沖 縄 そ ば や、 ち ゃ ん ぷ るーなど食堂的なメニューも充実。 店 内 は カ ウ ン タ ー 八 席 と 座 敷 席。 鍋を持っておでんのお持ち帰りに やって来る人もいる。 ﹁お店の名前 どおり、皆のいこいの場であって ほしい﹂と、賑やかに談笑するお 客さんを見ながら微笑むおかみさ んが待っている。 ︵ 山崎麻子/ うる ま市観光物産協会 ︶ 沖縄県 う る ま市平良 川 206-2 Tel: 098-973-4061 11時 30分 ∼ 26時 平日︶ 12時 ∼ 24時 ︵ 日曜︶   毎月最終日曜休 沖縄北 IC か ら車 で 約 10分

1.

「平良川おでん街道」の先駆け的なお店。 創業年数を聞くと「少なくとも、45年」と、おかみさん。 てびち(煮込み豚足)以外のおでんは当時から変わらず100円のまま。

2.

10cm

の超特大サイズのてびち。 おでんの出汁で作る、名物の「おでんそば」と一緒に食べれば、 お腹いっぱいに。

3.

チリソースとマスタードで味わう、うるまの味。 米軍文化の影響で、置いてある調味料も独特。 付けて食べるとこれが美味しい。 伝統の味を守り抜く決意   うるま 市平敷屋、塩屋に店舗を構えるい な り ず し・ チ キ ン 専 門 店 が あ る。 ﹁丸一食品﹂ だ。一つ一つ手作業で 丁寧に、三角形に包まれる、あっ さりした味のいなりずしは、パン チの効いたガーリック風味のチキ ンと相性抜群。閉店前までに売り 切 れ て し ま う。 ﹁ 平 敷 屋 の エ ジ ソ ン﹂と呼ばれた創業者の、故・吉 里清一と妻の、故・マサ子さんの 長年の苦労の末生まれたのが、こ の元祖沖縄いなりとチキンである。 頑固で無口な清一さんと社交的な マサ子さんは対照的だったと孫娘 の緑間千晶さんは言う。二人の姿 を見て育った千晶さんは、遺され た 元 祖 沖 縄 い な り の 伝 統 の 味 を、 家族一丸となって、これからも守 り 続 け た い と 話 す。 ︵ 具志堅真也/ 大学生 ︶

1.

メニューは沖縄いなりとチキンの

2

品目のみ。 創業者の故・吉里清一さんが研究を重ねて生まれた 元祖、沖縄いなり。チキンのガーリック風味は、 従業員のアイデアによるもの。

2.

テイクアウトがうるま流。 運動会や清明祭(旧暦3月に行われる墓参行事)が繁忙期。 ブルーシートを敷いて、家族 って囲んで食べる。イートイン不可。

3.

門外不出!秘伝の味付け。 り着いたのは、南国沖縄にあう薄味のいなり。 人気のあまり、類似品が出回るほどに。元祖はここ、丸一食品。 沖縄県 う る ま市字塩屋 494-6 Tel: 098-974-5550 9時 ∼ 17時   月曜休 沖縄北 IC か ら車 で 約 15分

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浜比嘉島の暮らしを垣間見られる 場所   ﹁おじゃましま∼す﹂ — 思 わずそう呟いて玄関から上がって しまった。 ﹁お店﹂ というより、 ﹁お ばぁの家﹂と言った方がしっくり くる。仏壇も先祖の写真もそのま まで、子供が描いた絵や習字まで 貼られている。うるま市出身の店 主・中山直樹さんが、半ば朽ち果 てていた古民家を持ち主から託さ れた時、 ﹁お店を作る﹂のではなく、 ﹁沖縄の家を再生させる感じ﹂ で改 築に取り掛かったそうだ。島野菜 や豚肉をたっぷり使った味炒め は、おばぁの手料理さながら 、 体 にやさしくて、毎日でも食べたく なる味。お腹いっぱいになったら、 お ば ぁ た ち の ゆ ん た く︵ おしゃべ り ︶を

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に、 集落を抜けて海 まで歩いてみるのもいい。 ︵ 富山陽 子/イベント運営 ︶

1.

集落の日常に溶け込む、カーラヤー(瓦家)の食事処。 浜比嘉島の中心に位置する、赤瓦屋根の古民家食堂。目的地へと 向かう道中も、島のゆったりとした空気を感じることができる。

2.

島じゅうの家庭で、一番人気のある料理を。 ここで出してくれるのは、島の人が普段から食べている日常のご飯。 店主が各家庭を周ってご馳走になり、40品目の中から選ばれた。

3.

真面目ときどき、 あらばユーモア。 そうじの行き届いた店内に、ピーク時の忙しそうな店主。 おばぁはいないけど、メニューで繰り広げられる会話が楽しい。 沖縄県 う る ま市勝連浜 56 Tel: 098-977-7688 11時 ∼ 16時   火曜、第 4水曜、旧正月、清明祭、旧盆休 沖縄北 IC か ら車 で 約 30分 旬 を 感 じ る オ キ ナ ワ ン フ レ ン チ   ﹁ 周 り に あ る も の を 使 う の は 自 然 なこと。無理がなく、変化を楽し んでいるから続けられる﹂と話す のは、 オーナーシェフの 瑞 ず 慶 け 覧 らん 篤 あつし さん。ランチコースで出される季 節 の リ ゾ ッ ト は、 夏 は シ ブ イ︵ 冬 瓜 ︶、 春 は 新 玉 ね ぎ を 使 用 す る な ど、旬の違いを味わえるのが魅力。 沖縄の日常の食卓で登場する食材 もフレンチに変身。地元野菜の可 能性を感じる。数種類の魚を堪能 できるメインの魚料理は、長時間 かけて丁寧に仕上げたソースが素 材を引き立て、芸術的な盛り付け で胸がときめく。食後は甘い津堅 にんじんを使用したロールケーキ で満足感に浸る。豊かな自然と生 産農家、漁師の方々に感謝したく なる料理に出会える。 ︵眞鶴さやか / うるま市観光物産協会 ︶

1.

沖縄の雰囲気を大事にした 風情のある温かさ。 樹齢約100年のガジュマル。古民家の赤瓦を 再利用した屋根。ヒンプン石垣をカットし、 自分たちで地面に敷き詰めた庭に、沖縄を感じる。

2.

沖縄県産の季節の食材をフレンチでいただく。 ウリズン(シカクマメ)、ハンダマ(スイゼンジナ)といった 県産食材が、華麗にフレンチに変身!

3.

価格を抑えられるのは、食材豊かなうるま市だから。 オーナーシェフが、毎朝、地元の漁港から新鮮な捕れ立ての魚を、 朝市からうるま市産の野菜を仕入れる。ランチコースは1,790円。 沖縄県 う る ま市大 田 305 Tel: 098-973-1234 ラ ン チ 11時 30分 ∼ 15時 ︵ L.O. 13時 30分︶ フ ェ 13時 30分 ∼ 17時 デ ィ ナ ー 18時 ∼ 23時 ︵ L.O. 21時︶ 火曜 デ ィ ナ ー、水曜終日休 沖縄北 IC か ら車 で 約 15分 http://r.gnavi.co.jp/f255900/

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神 村 酒 造 コ ミ ュ ニ テ ィ   創 業 一八八二年。一九九九年﹁神村酒 造﹂は、区画整理によって那覇市 内から引っ越しを余儀なくされた。 酒造所が無い地域を探し、見つけ た石川市︵ 現うるま市 ︶。元々は造 園業者が使っていたこの自然豊か な土地で、地域に根付く泡盛造り を目指し、新しい﹁神村酒造﹂は ス タ ー ト し た 。 古 酒 蔵 か ら 見 え る 木 々 の 緑 と 太 陽 の 光 に 包 ま れ た 景 色 は 最 高 だ 。 そ れ は 泡 盛 を 造 る 場 所 と し て だ け で は な く 、 人 が 集 え る 場 所 に な っ て 欲 し い と い う 、 会 長 神 村 盛 也 氏 の 願 い だ っ た 。 ﹁ 神 村 酒 造 ﹂ の 泡 盛 を 飲 め る お 店 は 沢 山 あ る 。 し か し 想 い の あ る こ の 古 酒 蔵 だ か ら こ そ 、 神 村 酒 造 の 泡 盛 へ の 真 の 熱 意 と 味 が 伝 わ る と 思 う 。︵ ア ラ カ キ ヒ ロ ミ ツ / カ メ ラ マ ン ︶ 沖縄県 う る ま市 石 川 嘉手苅 570 Tel: 098-964-7628 10時 ∼ 17時   ︵ 酒造見学 の 受付 は 16時 ま で 。要電話予約︶ 年末年始・不定休 石 川 IC か ら車 で 5分 http://www.kamimura-shuzo.co.jp/ 沖縄県 う る ま市平良 川 184-1 Tel: 098-974-6686 11時 ∼ 19時   日曜休 沖縄北 IC か ら車 で 約 15分 http://www.34ten.com/ 繊 細 で 美 し い 貝 の ア ク セ サ リー   浜比嘉島のメインストリー トから一本入った場所に﹁カイノ ワ ﹂ は あ る。 営 業 は 週 末 の み で、 オーナーの川初真さんは、平日は アクセサリーの製作に集中してい る。住宅の隅にある元倉庫を改装 し た シ ン プ ル な シ ョ ッ プ 兼 工 房。 もともと海が好きで、ダイバーや 会社員を経て独学で貝を加工し始 めたという川初さんが、貝それぞ れの魅力を生かして磨きあげた作 品が並んでいる。かつては海底で 呼吸をしていた貝から作られる一 つ一つの製品は、外側から見ただ け で は わ か ら な い 貝 の 美 し さ と、 自然からの力強いエネルギーを感 じさせ、人を惹きつける。一つと して同じ模様のない美しいアクセ サ リ ー た ち を 見 つ け に 行 き た い。 ︵ 真咲/ヨガインストラクター ︶ 沖縄県 う る ま市勝連浜 97 Tel: 098-977-7860 12時 ∼ 17時   月 ∼金曜休 ︵ 事前連絡にて休日対応も可︶ 沖縄北 IC か ら車 で 約 30分 http://kainowa.com

1.

沖縄の貝から作られるオリジナルアクセサリー。 貝って、こんなに綺麗な色してたっけ?と思わせる 魅力的な色と質感。シンプルに身につけて楽しみたい。

2.

島の暮らしになじむ夫婦が営むショップ兼工房。 浜比嘉島の自然を感じながら制作したいと移住。 わずか2年弱にもかかわらず島の暮らしに溶け込んでいる。

3.

アクセサリーを通して繋げる、 自然と人の輪 海の中にあるものを、人の手を加えることで身近な存在に。 オーナーの考える自然との関わり方が形になっている。 う る ま の 工 藝 品 に 出 会 え る 店   ﹁

gallery

は ら い そ ﹂ は、 山 田 義 力 氏や島袋克史氏といった、うるま 市で工房を構えるつくり手の作品 を中心に、オーナーの河野哲昌・ こずえ夫妻が素敵だと感じたもの を集めたショップである。白を基 調とした店内に並ぶ、うるまで生 まれた逸品からは、この土地の風 土や作家の息遣いを、手に取って 感じる事が出来る。 ﹁ここにはまだ 広く知られていない魅力ある物・ 場所がたくさんある。そんなうる まの魅力を発信したい﹂と、工藝 品 や 店 舗 に 特 化 し た フ リ ー ペ ー パー﹁みちくさうるま﹂シリーズ を手掛けてもいる。それらは、私 達を次の目的地へと導いてくれる。 旅の途中、ふらっと立ち寄りたい うるまの魅力を集めた店。 ︵ 鎗分七 海/琉球大学学生 ︶

1.

うるま市で活躍する工藝作家の作品を中心に 展示・販売している。 陶器、琉球ガラス、紅型、シェルクラフト、藍染め、 とんぼ玉……を実際に手に取って、触れる事ができる。

2.

うるまの魅力を発信する、コンセプトショップ。 オーナー夫妻はデザイン業を営んでおり、うるまの魅力を集めた フリーペーパー「みちくさうるま」シリーズを発刊している。

3.

工藝品、ロケーションが調和した 楽園 。 外人住宅、海、お墓……沖縄独特の異なる要素が調和した 独特の空間を味わうことができる。 沖縄県 う る ま市 石 川 曙 1-9-24 Tel: 098-989-3262 11時 ∼ 17時   水・日曜休 石 川 IC か ら車 で 約 10分 http://haraiso.gallaery

kainowa

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地 域 と 琉 球 芸 能 を 結 び 続 け る 店   多くの民謡歌手を輩出するう るま市の、芸能文化を支え続けて いる ﹁津波三味線店﹂ 。三線をはじ め、鮮やかな反物、大小の太鼓な ど、顧客のニーズを網羅する品 え に 私 は 驚 嘆 し た。 ﹁ 芸 能 を 楽 し み、人生を謳歌するのが〝うるま 市らしさ〟 。初心者はドレミに置き かえる感覚で、気軽に三線を始め て欲しい﹂と二代目の津波清一さ ん。棹がまっすぐで好みのデザイ ンの物を選べば、長く愛せる、と の事だ。ひっきりなしに客が訪れ、 買い物だけでなく、四方山話に花 を咲かせる。私は、あるオジーに 声をかけられた。楽器を奏でる喜 びを語り、顔をほころばせる姿に、 私も微笑む。初めての客でも〝繫 がり〟を感じる — そういう店だ。 ︵ 角幸枝/ E Cサイト業務担当 ︶

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神 村 酒 造 コ ミ ュ ニ テ ィ   創 業 一八八二年。一九九九年﹁神村酒 造﹂は、区画整理によって那覇市 内から引っ越しを余儀なくされた。 酒造所が無い地域を探し、見つけ た石川市︵ 現うるま市 ︶。元々は造 園業者が使っていたこの自然豊か な土地で、地域に根付く泡盛造り を目指し、新しい﹁神村酒造﹂は ス タ ー ト し た 。 古 酒 蔵 か ら 見 え る 木 々 の 緑 と 太 陽 の 光 に 包 ま れ た 景 色 は 最 高 だ 。 そ れ は 泡 盛 を 造 る 場 所 と し て だ け で は な く 、 人 が 集 え る 場 所 に な っ て 欲 し い と い う 、 会 長 神 村 盛 也 氏 の 願 い だ っ た 。 ﹁ 神 村 酒 造 ﹂ の 泡 盛 を 飲 め る お 店 は 沢 山 あ る 。 し か し 想 い の あ る こ の 古 酒 蔵 だ か ら こ そ 、 神 村 酒 造 の 泡 盛 へ の 真 の 熱 意 と 味 が 伝 わ る と 思 う 。︵ ア ラ カ キ ヒ ロ ミ ツ / カ メ ラ マ ン ︶

1.

うるま市から発信する、地元を代表する古酒蔵。 子供から大人まで楽しめる泡盛工場見学にて、泡盛の歴史、 泡盛の香り、製造工程を、古酒蔵のスタッフが案内。

2.

泡盛を地下貯蔵庫で熟成させ、古酒に。 音楽の流れる地下貯蔵庫にて熟成する「眠れる森の美酒」。 時をかけて熟成し、飲む日を待ちわびる楽しみも。

3.

沖縄の歴史と共に加わった貯蔵方法。 戦争によって全てを無くし、新しい貯蔵方法へ。 陶製の 、ステンレスタンク、オーク 。 新たなチャレンジで生まれた「暖流」。 沖縄県 う る ま市 石 川 嘉手苅 570 Tel: 098-964-7628 10時 ∼ 17時   ︵ 酒造見学 の 受付 は 16時 ま で 。要電話予約︶ 年末年始・不定休 石 川 IC か ら車 で 5分 http://www.kamimura-shuzo.co.jp/

1.

初心者からプロまで。 芸能道具の品 えは県内随一。 クンクンシー(三線楽譜)、子どものエイサー衣装から舞台衣装、 化粧小物、郷土品……多種多様、圧倒的な品 え。

2.

オーダーメイドの三線や衣装で好みの個性を演出。 職人と相談し自分好みの音、デザインの三線を注文できる。 県内外から取り寄せた華やかな反物も美しい。

3.

職人の手仕事を間近に。三線制作の現場が見学可能。 連なる棹、蛇皮、胴の木枠、カラクイ(糸巻き)―響き渡るドリル音。 確かな眼を持つ三線職人の作業も見所。 沖縄県 う る ま市平良 川 184-1 Tel: 098-974-6686 11時 ∼ 19時   日曜休 沖縄北 IC か ら車 で 約 15分 http://www.34ten.com/

地 域 と 琉 球 芸 能 を 結 び 続 け る 店   多くの民謡歌手を輩出するう るま市の、芸能文化を支え続けて いる ﹁津波三味線店﹂ 。三線をはじ め、鮮やかな反物、大小の太鼓な ど、顧客のニーズを網羅する品 え に 私 は 驚 嘆 し た。 ﹁ 芸 能 を 楽 し み、人生を謳歌するのが〝うるま 市らしさ〟 。初心者はドレミに置き かえる感覚で、気軽に三線を始め て欲しい﹂と二代目の津波清一さ ん。棹がまっすぐで好みのデザイ ンの物を選べば、長く愛せる、と の事だ。ひっきりなしに客が訪れ、 買い物だけでなく、四方山話に花 を咲かせる。私は、あるオジーに 声をかけられた。楽器を奏でる喜 びを語り、顔をほころばせる姿に、 私も微笑む。初めての客でも〝繫 がり〟を感じる — そういう店だ。 ︵ 角幸枝/ E Cサイト業務担当 ︶

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つい長居してしまう自然派カフェ   このカフェに着くと、後ろに佇む 大きな墓が目に入る。沖縄ではよ く目にする亀甲墓。店とのコント ラストが新鮮で面白い。外人住宅 を改装した、おしゃれな店内。海 を望む窓から心地よく陽が射し込 む。新潟出身の店主・庭野真さん は二〇一三年に沖縄に移住し、翌 年 に﹁

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﹂ を オ ー プ ン。 東京で長くコックを経験した奥さ んのゆかりさんが料理を担う。カ フェというスタイルを選んだのは ﹁ ジ ャ ン ル に 捉 わ れ な い 料 理 を 提 供したい﹂という思いから。最近 から有機栽培の野菜作りも始めた。 ﹁収穫のワークショップや、 ニワイ チなどお客さんと楽しむことを考 えていきたい﹂と話す庭野さんに、 愛される店のヒントを見た。 ︵ 上原 朋真/デザイナー ︶

1.

外人住宅を改装した海を望める自然派カフェ。 外人住宅特有の平屋でモダンな外観と海を望む立地。 新鮮な食材を使った本格料理を、カフェならではの手軽さで楽しめる。

2.

チーズの香りが堪らない 自家製パンのクロックムッシュ。 自家製ブリオッシュに、たっぷりのホワイトクリームが染み込んだ クロックムッシュ。チーズの香りと、味、食感にうっとり。

3.

カフェを通して結ぶ地域コミュニティ。 無農薬の野菜作りワークショップ、クリエイターズマーケットニワイチ、 不定期なイベントなどカフェを通してつながるコミュニティ作り。 沖縄県 う る ま市 石 川 曙 1-8-13HN131 Tel: 098-927-8607 火 ∼ 木 曜 11時 ∼ 17時   金 ・ 土 曜 11時 ∼ 17時 、 18時 30分 ∼ 22時 石 川 IC か ら車 で 約 10分 うるまジェラートとうるま市   自 社 の 有 機 栽 培 で 育 て た 赤 唐 辛 子、 ローゼル、バジルといった一風変 わった味が店頭に多く並んでいる。 肥料作りからこだわった徹底ぶり だ。使用される素材は同じ志のあ る業者から仕入れ、保存料、着色 料、香料、安定剤など、ジェラー トのテクスチャーを保つために必 要とされるこれらの添加物は使わ ない。味に感動してもらえなけれ ば無添加でも意味がないと、店頭 には感想を書き込むノートを置い ている。配合を変え、一風変わっ た味を取り入れ、感動してもらえ る よ う に 努 力 し て い る。 店 主 は、 ﹁素朴さと誠実さ、 そしてまだまだ 何かあると宝探しのように発掘す る楽しさが、店とうるま市の共通 点﹂だと考えている。 ︵ 高江洲里乃 /整体師 ︶ 沖縄県 う る ま市与那城照間 1860-1 Tel: 098-978-8017 11時 ∼ 18時 ︵ 夏季週末 の み 10時 ∼ 18時︶年末年始休 沖縄北 IC か ら車 で 約 20分 記 憶 に 残 る 美 し い 色 と 美 味 し さ   ふわっと雪のように軟らかい、こ だわりの氷の上に、毎朝店で作ら れる、色とりどりの果実ベースの シロップを載せたかき氷は、果実 そのものの味がした。オーナー西 澤翼さんの作品ともいえる色鮮や かなかき氷は、うるま市の﹁陶房

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島 色 ﹂ の 陶 作 家、 島 袋 克 史さんが手掛けた水色の器に入れ られる。二人の丁寧な仕事から生 まれた﹁瑠庵+島色﹂は、海中道 路を渡った宮城島までドライブす るとり着く。かき氷と、器の色 が ま る で こ の 島 の 美 し い 海 や 空、 植物を思い出せる程、自然そのも のの色だと思った。それらの色は、 海中道路を渡ってお店へ向かうま での風景から始まる、目にも心に も楽しい時間になった。 ︵ 高金千秋 /デザイナー ︶ 沖縄県 う る ま市与那城桃原 428-2 Tel: 050-3716-4282 10時 ∼ 18時 ︵ LO 17時 30分︶水曜休 沖縄北 IC よ り車 で 約 35分 https://www.facebook.com/ruanshimairo 天願川沿いのモダンカフェ   川沿 いの細い道を進んでいくと、突然 現れる白くてモダンな建物。店主 の伊藤幸恵さんがこの地にカフェ を開いたのは、 ﹁沖縄の真ん中あた りに住みたい﹂というシンプルな 理由から。イカスミや軟骨ソーキ な ど を 使 っ た オ リ ジ ナ ル 料 理 は、 縁があってり着いた沖縄という 土地に寄り添うため。 ﹁今まで食べ たことない味﹂を追求して完成し た自信作だ。目の前の天願川で釣 りをする人がコーヒーをテイクア ウトしたり、近くの具志川ビーチ で泳いできた女性がテラス席でひ と休みしたり、近隣の外国人住宅 に住む人々もよくやってくるとい う。 う る ま の こ の 地 な ら で は の 人々が集う、自然や地域住民に溶 け 込 ん だ カ フ ェ。 ︵ 仲松佐和子/ we bデザイナー

1.

ここでしか食べられない沖縄らしい料理。 まろやかでピリ辛のイカスミカレー、三枚肉と軟骨ソーキの わさびソースなど、一風変わったオリジナル料理。

2.

金武湾と天願川が交わる場所に佇むカフェ。 目の前には釣り人が集う天願川。 海・川・緑に囲まれ空気が澄んでいる。

3.

この地ならではのユニークな客層。 天願川に来た釣り人が、フィッシングウェアを着たまま来店。 ペットも子連れママも、水着の女性もウェルカム! 沖縄県 う る ま市赤野 230-1 Tel: 098-974-1727 11時 ∼ 17時 ︵ L.O. 16時 30分︶無休 沖縄北 IC よ り車 で 約 15分 http://pipineo.ti-da.net/

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うるまジェラートとうるま市   自 社 の 有 機 栽 培 で 育 て た 赤 唐 辛 子、 ローゼル、バジルといった一風変 わった味が店頭に多く並んでいる。 肥料作りからこだわった徹底ぶり だ。使用される素材は同じ志のあ る業者から仕入れ、保存料、着色 料、香料、安定剤など、ジェラー トのテクスチャーを保つために必 要とされるこれらの添加物は使わ ない。味に感動してもらえなけれ ば無添加でも意味がないと、店頭 には感想を書き込むノートを置い ている。配合を変え、一風変わっ た味を取り入れ、感動してもらえ る よ う に 努 力 し て い る。 店 主 は、 ﹁素朴さと誠実さ、 そしてまだまだ 何かあると宝探しのように発掘す る楽しさが、店とうるま市の共通 点﹂だと考えている。 ︵ 高江洲里乃 /整体師 ︶

1.

素材選びをこだわり抜く。 大地の力を感じるジェラート。 自社での有機栽培の作物を中心に、 愛情を込めた材料を集めてジェラート作りをしている。

2.

お客様の求めるジェラートを追求する。 お客様の声が聞けるように店内に自由に書き込める ノートを配置している。美味しさを追求して日々進化するジェラート。

3.

お客様の健康を考えた原材料へのこだわり。 ジェラート作りには体に悪いと思われる添加物は使わない。 ジェラートを食べる人の体の健康を考えている。 沖縄県 う る ま市与那城照間 1860-1 Tel: 098-978-8017 11時 ∼ 18時 ︵ 夏季週末 の み 10時 ∼ 18時︶年末年始休 沖縄北 IC か ら車 で 約 20分 記 憶 に 残 る 美 し い 色 と 美 味 し さ   ふわっと雪のように軟らかい、こ だわりの氷の上に、毎朝店で作ら れる、色とりどりの果実ベースの シロップを載せたかき氷は、果実 そのものの味がした。オーナー西 澤翼さんの作品ともいえる色鮮や かなかき氷は、うるま市の﹁陶房

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島 色 ﹂ の 陶 作 家、 島 袋 克 史さんが手掛けた水色の器に入れ られる。二人の丁寧な仕事から生 まれた﹁瑠庵+島色﹂は、海中道 路を渡った宮城島までドライブす るとり着く。かき氷と、器の色 が ま る で こ の 島 の 美 し い 海 や 空、 植物を思い出せる程、自然そのも のの色だと思った。それらの色は、 海中道路を渡ってお店へ向かうま での風景から始まる、目にも心に も楽しい時間になった。 ︵ 高金千秋 /デザイナー ︶

1.

果実の味をいただくかき氷。 氷にかけるシロップは、定番のいちごなどに、 夏にはパッションフルーツや、秋にはぶどうといった 旬の素材が加わり、毎朝、店で丁寧に作られる。

2.

うるま市で作られた作品と共に味わえる。 「海中道路」を渡って、わくわくした気持ちは盛り上がり、 さらに宮城島で作られた器でかき氷をいただくと、 美味しさも倍増するよう。

2.

心に残る うるまの色 。 器に使われる、ブルーやピンクの配色は、 海中道路から見る夕焼けを思い出すデザイン。 沖縄県 う る ま市与那城桃原 428-2 Tel: 050-3716-4282 10時 ∼ 18時 ︵ LO 17時 30分︶水曜休 沖縄北 IC よ り車 で 約 35分 https://www.facebook.com/ruanshimairo

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飾 ら な い 島 の 魅 力 を 体 感 す る   ﹁浜比嘉島ムルク浜﹂ 前にある ﹁ホ テル浜比嘉島リゾート﹂は、 ﹁浜比 嘉大橋﹂が開通した一九九七年以 来〝島の休息地〟 となっている。全 二九室のほとんどの部屋から東海 岸の海を見渡せ、 天然のビーチ、 波 で え ぐ ら れ た 岩、 時 折 行 き 交 う ボート、二つの無人島⋮⋮すべて が、ちょうどよく視界に入る。夜 は月や満天の星を眺め、朝は水平 線に浮かんだ白雲が黄金色に染ま る日の出ショーを堪能。壮大な海 を見渡せる展望風呂に浸かるのも 気持ちよい。夕・朝ともに近海で 獲れたタコやミーバイ、 モズク、 海 ぶどうのほか、 うるま産黄金芋、 地 元農家の野菜を用いたカジュアル フレンチを楽しめる。忙しさに疲 れたら訪れたい大人の宿だ。 ︵松崎 紀子/ デザイナー ︶ 沖縄県 う る ま市勝連比嘉 202 Tel: 098-977-8088 1 泊朝食付 き 1名 13,000 円 ∼︵ ツ イ ン ル ー ム 利用時︶ 沖縄北 IC か ら車 で 約 30分 http://www.hamahiga-resort.jp

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沖縄の〝懐かしい姿〟に出える 宿   沖縄戦後、一九四九年まで沖 縄本島に強制移住させられていた 津堅島の島人。 帰島後には農業、 漁 業と共に島の生活が戻り始めた頃、 神谷幸徳と故・ヤスエ夫妻は島で 採れたにんじんを周遊船で出荷し、 生 活 物 資 を 持 ち 帰 る﹁ 神 谷 商 店 ﹂ を営み、島人の生活を支えてきた。 そんな慌ただしい日々の中、島を 訪れる観光客が増え﹁民宿   神谷 荘﹂をオープン。気づけば三〇年 以上も、夫婦と八人の息子、娘た ちでこの宿を営んできた。現在は 民謡歌手でもあり長男の幸一さん が中心となり客を迎えている。民 宿 か ら 一 望 で き る﹁ ト ゥ マ イ 浜 ﹂ はマリンスポーツも楽しめ、何よ り一日中穏やかな波の音が癒して くれる。 ︵ 濱本翔/うるま市観光物産 協会   主任 ︶ 沖縄県 う る ま市勝連津堅 1472 Tel: 098-978-3027 料金 は 要問 い 合 わ せ ︵夕食 は セ ル フ BBQ ︶ 沖縄北 IC か ら約 30分 の 平敷屋漁港 か ら高速船 で 15分 ︵ フ ェ リー で は 30分︶ http://tsuken.shimatabi.jp/reserve.html ホ テ ル と 言 う 名 の う る ま の 宿   ﹁ 平 良 川 お で ん 街 道 ﹂ 沿 い に あ る ﹁ホテルハーバー﹂ 。ホテルの玄関 を 開 け る と 並 べ ら れ た ス リ ッ パ。 旅館を思わせる光景が目に飛び込 む。 ﹁ホテル﹂ をイメージして訪れ ると、このギャップに少し戸惑う はずだ。四十周年を迎える老舗ホ テルで、 開業当時、 町の繁華街だっ た平良川には米軍関係者の宿泊客 も多かった。その名残か、インテ リアなどのデザインもどこかアメ リカンだ。現在は、前オーナーの 母からバトンを受継いだ 瑞 ず 慶 け 覧 らん 朝 あさ 成 なり さんが奥さんの美佐さんと二人 三脚で切り盛りしている。朝食の パンやヨーグルトは自家製。厚切 りベーコンは沖縄の食文化には欠 かせない一品。空間・食事ともに 味わい深いホテルだ。 ︵ 久田裕子/ 会社員 ︶

1.

強面オーナーこだわりの、手作り料理が美味。 黒糖パンや厚切りベーコンなどの、 沖縄の食材や食文化を味わえる。

2.

「平良川おでん街道」から徒歩圏内。 飲んだ後は、おでん屋。これが地元住民の鉄則。そんな、 おでんの老舗が犇めき合う、おでん街道にある唯一のホテル

3.

ホテルだが、和と洋のインテリアが 混ざり合う独特な内装デザイン。 玄関を入ると旅館仕立てのスリッパに履き替える。建物からインテリアまで 和と洋が混ざり合った空間が、不思議と心地よい。 沖縄県 う る ま市字平良 川 94 Tel: 098-973-3720 1泊素泊 ま り 4,320 円 ∼ 沖縄北 IC か ら車 で 約 15分 http://www.hotel-harbor.com 波 の 音 に 心 身 が 安 ら げ る ホ テ ル   うるま市の ﹁海中道路﹂ を渡り、 浜 比嘉大橋を越えり着く島にある 白い建物 ﹁

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﹂。 一 見、 別 荘 の 佇 ま い。 一 歩入ると目の前に広がる青い海に、 私は魅了された。このホテルはす べての部屋が海に向かって建てら れている。白を基調とした清潔な 部屋に心が落ち着く。窓を開ける と目の前に海が広がる。夜になる と、遠くに街明かりが見え、頭上 には満天の星空が広がる。窓は開 けたまま、波音が眠りに誘う。夜 明 け 前 に 波 の 音 に 起 こ さ れ る 時、 安らぎを感じた。朝食は地元でも 人気の志林川豆腐を浜比嘉島産の 塩、アーサ、鰹節の薬味と一緒に 食べる。目の前の海を見ながら心 と身体が落ち着く時間を過ごせる ホテルだ。 ︵ 杉田龍/ Racu D esign ︶

1.

金武湾が窓から見え、心地よく時間を過ごせる。 窓を開けると波の音が聴こえる。

2.

うるま市に多くある通称 外人住宅 を モデルに、白を基調とした、シンプルな部屋。 コンクリートで出来たシンプルな平屋。自然の色が映える。

3.

選び抜かれた食材を使った料理 浜比嘉島の塩を始め、島豆腐特有の大豆の臭みを抑え、 口当たりも柔らかな「志林川豆腐」など、うるま市の食材を味わえる。 沖縄県 う る ま市勝連浜 548-2 Tel: 098-983-1413 ︵ 沖縄︶ 03-3288-0515 ︵ 東京︶ 1泊素泊 ま り 9,000 円 ∼︵ 2名 1室 の 場合︶ 沖縄北 IC よ り車 で 約 38分 http://413h.com

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飾 ら な い 島 の 魅 力 を 体 感 す る   ﹁浜比嘉島ムルク浜﹂ 前にある ﹁ホ テル浜比嘉島リゾート﹂は、 ﹁浜比 嘉大橋﹂が開通した一九九七年以 来〝島の休息地〟 となっている。全 二九室のほとんどの部屋から東海 岸の海を見渡せ、 天然のビーチ、 波 で え ぐ ら れ た 岩、 時 折 行 き 交 う ボート、二つの無人島⋮⋮すべて が、ちょうどよく視界に入る。夜 は月や満天の星を眺め、朝は水平 線に浮かんだ白雲が黄金色に染ま る日の出ショーを堪能。壮大な海 を見渡せる展望風呂に浸かるのも 気持ちよい。夕・朝ともに近海で 獲れたタコやミーバイ、 モズク、 海 ぶどうのほか、 うるま産黄金芋、 地 元農家の野菜を用いたカジュアル フレンチを楽しめる。忙しさに疲 れたら訪れたい大人の宿だ。 ︵松崎 紀子/ デザイナー ︶

1.

島の自然と調和した空間デザイン。 朝は黄金色に輝く日の出、昼はブルーグラデーションの海、 夜は月と星が輝く空が見えるロビーとレストラン。

2.

地産地消の肩肘張らない料理。 マクブ(シロクラベラ)やタコのカルパッチョ、近海魚の ブイヤベース。島で獲れたオクラや葉野菜などを用いた、 南国らしい色鮮やかな盛り付け。

3.

都会にはない静寂と落ち着きを味わえる居心地の良さ。 部屋から聞こえるのは、波の音と鳥の声。 一人の時間をゆっくり楽しめる。 沖縄県 う る ま市勝連比嘉 202 Tel: 098-977-8088 1 泊朝食付 き 1名 13,000 円 ∼︵ ツ イ ン ル ー ム 利用時︶ 沖縄北 IC か ら車 で 約 30分 http://www.hamahiga-resort.jp

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沖縄の〝懐かしい姿〟に出える 宿   沖縄戦後、一九四九年まで沖 縄本島に強制移住させられていた 津堅島の島人。 帰島後には農業、 漁 業と共に島の生活が戻り始めた頃、 神谷幸徳と故・ヤスエ夫妻は島で 採れたにんじんを周遊船で出荷し、 生 活 物 資 を 持 ち 帰 る﹁ 神 谷 商 店 ﹂ を営み、島人の生活を支えてきた。 そんな慌ただしい日々の中、島を 訪れる観光客が増え﹁民宿   神谷 荘﹂をオープン。気づけば三〇年 以上も、夫婦と八人の息子、娘た ちでこの宿を営んできた。現在は 民謡歌手でもあり長男の幸一さん が中心となり客を迎えている。民 宿 か ら 一 望 で き る﹁ ト ゥ マ イ 浜 ﹂ はマリンスポーツも楽しめ、何よ り一日中穏やかな波の音が癒して くれる。 ︵ 濱本翔/うるま市観光物産 協会   主任 ︶

1.

本島から最速

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分。 気軽に行ける離島・津堅島。 沖縄本島と船で結ばれている津堅島。漁業や農業を営み、 自然と関わりあって生きる島の人々。

2.

時間を気にするのは船のダイヤのみ。 解放感を味わえる。 夜の酒盛りで心地よく眠りについた翌朝、 ケータイのアラームよりも早く、波の音で目覚めた。

3.

親子二代で紡ぐ、大家族のおもてなし。 民宿、周遊船、まちやぐゎー(日用品店)。 大家族が営むアットホームな、創業30年以上の島の宿。 沖縄県 う る ま市勝連津堅 1472 Tel: 098-978-3027 料金 は 要問 い 合 わ せ ︵夕食 は セ ル フ BBQ ︶ 沖縄北 IC か ら約 30分 の 平敷屋漁港 か ら高速船 で 15分 ︵ フ ェ リー で は 30分︶ http://tsuken.shimatabi.jp/reserve.html

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し な や か な ロ ー カ ル プ ロ デ ュ ー サ ー  「 一 〇 〇 年 後 の う る ま 市 を イ メ ー ジ 通 り に つ く れ る 訳 が な い﹂とは、取材中にとび出した言 葉。中村さんの背骨とも言える考 え方を、自ら否定した事に私は驚 いた。今日やる事、 明日やる事、 来 年やる事に、自分達で責任を持て るか?持続可能か?子孫の事を考 えているか?総合的 ・ 多角的に、 何 度も立ち止まって考え、問い続け る事が大切。それこそが一〇〇年 先に繋がる 「 何か 」 になる。物腰 の柔らかい中村さんが、時折みせ る 覚 悟 と 熱 意。 人 と の 距 離 感 を スッと縮められる中村さんは、そ の覚悟や熱意を的確に伝染させる。 う る ま 市 ら し さ を﹁ し っ と り 感 ﹂ と捉える中村さんが、市をどう変 えるのか期待せずにはいられない。 ︵ オクマタモツ/デザイナー ︶ 沖縄県 う る ま市字 田場 1304-1 1F Tel: 098-923-5995 http://i www.promo-uruma.com/ 伝統継承を伝え学ぶ場を提供する   幻想的な光。迫力の龍。立ち上る 炎に会場は熱気と興奮に包まれる。 ﹁龍神の宴﹂ を手掛ける具志堅さん は、うるま市の出身。幼い頃から エイサーを習い、祖父は三線が達 者だった。芸能に携わるうち〝う るま市らしさ〟を追求したイベン トを作りたいと考え始める。その 舞台に選んだのは闘牛場。三六〇 度 近 く 見 渡 せ る 開 放 感 と 緊 張 感、 ホールとは違う臨場感が闘牛場に はある。演芸や世代の枠を超えた プロ達が共演する舞台では、大人 も子どもも同じ共演者。特に子ど もたちの成長は誰の目にも明らか で、この舞台を通して、人の繋が りやウチナーンチュとしての自信 と誇りを育み、様々な分野で活躍 し て 欲 し い と 具 志 堅 さ ん は 語 る。 ︵ デザイナー/石川比紗江 ︶

1.

「龍神の宴」演出・総合プロデューサー。 毎年 12月の第2週目、沖縄県内外で活躍する琉球芸能団体が集結し 演舞を披露するイベント「龍神の宴」。その総合プロデュースを手掛ける。

2.

未来を担う子供達へ「学校では教えない事を教えたい」。 年齢や立場を超えた人と関わることで、仲間を思いやり、共に感動し、 弱い人へ手を差し伸べる、タテとヨコの繋がりを教えたい。

3.

沖縄伝統文化、何でもこなすプロフェッショナルな人。 学生時代から龍舞、エイサー、獅子舞、ハーリー、陶芸にも挑戦し、 現在は芸能団体「龍神伝説」の一員として自身も舞台へ出演。 〝 人 類 を 救 う 塩 〟 の 発 明 家   一九九七年に塩の専売制が廃止に な る と 、 高 安 さ ん は ﹁ 人 類 を 救 う 塩 に な る と 、 わ か っ て い た ﹂ と 、 ﹃ ぬ ち ま ー す ﹄ を 造 り 始 め た 。〝 人 に本来あるべきミネラルを含む命 の塩〟を造る上で 、苦労は一切感 じなかったという 。海水を自分の 発 明 し た 霧 発 生 機 で 超 微 細 に し 、 水分のみを蒸発させ 、ミネラルの 成分を失わない製法を編み出した 。 そ の 突 飛 な 発 想 は 誰 に も 相 手 に さ れ ず 、 何 年 も 赤 字 で あ っ た 。 だ が 、﹃ ぬ ち ま ー す ﹄ の 確 か な 評 判 は 次 第 に 広 が り 、 世 界 に も 認 め ら れ 、 今 や ﹃ ぬ ち う な ー ﹄ を 建 て る ま で に 至 る 。 世 界 の 偉 人 の 立 志 伝 に も 勝 る 、 そ ん な 話 を 笑 顔 で 飄 々 と 語 る 高 安 さ ん に 心 躍 ら さ れ 、 胸 が 熱 く な っ た 。︵ 座 間 味 真 人 / 自 営 業 ︶ 沖縄県 う る ま市与那城宮城 2768 Tel: 098-983-1140 沖縄北 IC よ り車 で 約 30分 若 き 闘 牛 文 化 の 伝 道 師   二 〇 一 五 年 一 一 月 、﹁ 秋 の 全 島 闘 牛 大 会 ﹂ が う る ま 市 の ﹁ 石 川 多 目 的 ド ー ム ﹂ で 開 催 さ れ た 。 会 場 で は 、 伊 波 さ ん が 試 合 の 実 況 と 解 説 を 同 時 に こ な し 、 試 合 の 合 間 も 次 の 試 合 の 見 所 を わ か り や す く 伝 え て い る 。 そ の た め 、 闘 牛 初 心 者 も す ぐ に 楽 し め る 。 二 〇 一 三 年 か ら は ﹁ 闘 牛 戦 士 ワ イ ド ー ﹂ を プ ロ デ ュ ー ス し 県 内 の イ ベ ン ト で 闘 牛 の 魅 力 を 楽 し く 伝 え て い る 。 現 在 、 う る ま 市 商 工 会 で は ﹁ 闘 牛 観 光 リ マ ス タ ー プ ロ ジ ェ ク ト ﹂ を 立 ち 上 げ 、 観 光 資 源 と し て の 闘 牛 を 活 用 し よ う と 取 り 組 み を 進 め て い る 。 も ち ろ ん 、 伊 波 さ ん は そ の 中 心 に い る 。 牛 舎 へ の 見 学 ツ ア ー や 、 闘 牛 専 門 の 観 光 マ ッ プ の 作 成 な ど 、 今 後 の 取 組 み が 楽 し み だ 。 ︵ 新 垣 智 / 会 社 員 ︶

1.

闘牛の魅力を引き出し、うるまの未来を切り拓く。 「闘牛戦士ワイドー」や闘牛ツアーをプロデュースするなど、 これまで男性中心の娯楽であった闘牛の新たな可能性を追求している。

2.

驚異の闘牛データベースの持ち主。 一頭一頭の牛の性格、角の特徴から戦い方、過去の戦歴、 闘牛士の特徴までも、闘牛の事なら何でも淀みなく語ることができる。

3.

闘牛への情熱が止まらない。数々のエピソード。 闘牛が縁で知り合った奥様との闘牛場での披露宴、 自費を投じたご当地キャラクター製作秘話、闘牛士モノマネなど、 熱い語りは止まらない。 http://ihataishi.hube.jp 株 式 会 社 ぬ ち ま ー す 代 表  

一 般 社 団 法 人 プ ロ モ ー シ ョ ン う る ま 表 理 事

龍 神 伝 説 主 宰  

闘 牛 リ ン グ ア ナ ウ ン サ ー

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し な や か な ロ ー カ ル プ ロ デ ュ ー サ ー  「 一 〇 〇 年 後 の う る ま 市 を イ メ ー ジ 通 り に つ く れ る 訳 が な い﹂とは、取材中にとび出した言 葉。中村さんの背骨とも言える考 え方を、自ら否定した事に私は驚 いた。今日やる事、 明日やる事、 来 年やる事に、自分達で責任を持て るか?持続可能か?子孫の事を考 えているか?総合的 ・ 多角的に、 何 度も立ち止まって考え、問い続け る事が大切。それこそが一〇〇年 先に繋がる 「 何か 」 になる。物腰 の柔らかい中村さんが、時折みせ る 覚 悟 と 熱 意。 人 と の 距 離 感 を スッと縮められる中村さんは、そ の覚悟や熱意を的確に伝染させる。 う る ま 市 ら し さ を﹁ し っ と り 感 ﹂ と捉える中村さんが、市をどう変 えるのか期待せずにはいられない。 ︵ オクマタモツ/デザイナー ︶

1.

うるま市の特産品に 確かな商品力を施すアイディアマン。 株式会社沖縄県物産公社の催事ディレクターとして培ったノウハウで、 「津堅にんじんロール」「黄金の干し芋」等、多数の商品開発に取り組む。

2.

「ひと、もの、こと」 を 丁寧に繋ぐプラットホームの担い手。 人材育成事業の運営、うるま市物産品ガイドブック発行、 観光イベントをプロデュースする等、うるま市の内と外を繋ぐ中心人物。

3.

100

年後のうるまをつくる」と呼びかける地域活動家。 100年後のうるま市の明るい未来を真剣に考え、 地元の人とともに、 郷土愛を持って、持続可能な 「まちづくり社会」 を創り出している。 沖縄県 う る ま市字 田場 1304-1 1F Tel: 098-923-5995 http://i www.promo-uruma.com/ 〝 人 類 を 救 う 塩 〟 の 発 明 家   一九九七年に塩の専売制が廃止に な る と 、 高 安 さ ん は ﹁ 人 類 を 救 う 塩 に な る と 、 わ か っ て い た ﹂ と 、 ﹃ ぬ ち ま ー す ﹄ を 造 り 始 め た 。〝 人 に本来あるべきミネラルを含む命 の塩〟を造る上で 、苦労は一切感 じなかったという 。海水を自分の 発 明 し た 霧 発 生 機 で 超 微 細 に し 、 水分のみを蒸発させ 、ミネラルの 成分を失わない製法を編み出した 。 そ の 突 飛 な 発 想 は 誰 に も 相 手 に さ れ ず 、 何 年 も 赤 字 で あ っ た 。 だ が 、﹃ ぬ ち ま ー す ﹄ の 確 か な 評 判 は 次 第 に 広 が り 、 世 界 に も 認 め ら れ 、 今 や ﹃ ぬ ち う な ー ﹄ を 建 て る ま で に 至 る 。 世 界 の 偉 人 の 立 志 伝 に も 勝 る 、 そ ん な 話 を 笑 顔 で 飄 々 と 語 る 高 安 さ ん に 心 躍 ら さ れ 、 胸 が 熱 く な っ た 。︵ 座 間 味 真 人 / 自 営 業 ︶

1.

海そのものを感じられる塩「ぬちまーす」の発明者。 自らが開発した製法で、より純度の高いミネラルを含む塩は、 うるま市や沖縄に留まらず、世界にも発信されている。ギネス認定。

2.

宮城島に観光工場施設「ぬちうなー」を建てた。 生まれも育ちも今も、うるま市に根を張り、選んだ地が宮城島。 本人は、「たまたまだ」と話すが、施設はいつもお客さんで賑わう。

3.

「人類を救う」とは、「ぬちまご(孫)」達が未来をつくる事。 「ぬちまーす」のミネラルで人々が健康になり、 そして産まれる丈夫な子供(それが「ぬちまご」)達がつくる将来に期待している。 沖縄県 う る ま市与那城宮城 2768 Tel: 098-983-1140 沖縄北 IC よ り車 で 約 30分 株 式 会 社 ぬ ち ま ー す 代 表  

一 般 社 団 法 人 プ ロ モ ー シ ョ ン う る ま 表 理 事

23 24

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d design travel WORKSHOP in URUMA うるま市のデザイントラベルを考える 開催内容 トークイベント 2015年9月19日 会場:いちゅい具志川じんぶん館 連続ワークショップ 2015年9月26日・10月24日・11月28日 会場:いちゅい具志川じんぶん館   主催 うるま市経済部商工観光課

運営 d design travel URUMA 沖縄事務局(株式会社アドスタッフ博報堂 ) 協力 D&DEPARTMENT PROJECT 初版発行 2016年3月15日 取材・執筆・撮影 新垣智、アラカキヒロミツ、生田紀子、石川比紗江、上原 朋真、奥間保、具志堅真 也、座間味真人、杉田龍、角幸枝、高江洲里乃、髙金千秋、谷内真咲、富山陽子、仲 松佐和子、浜野優里子、濱本翔、久田裕子、外間多希子、松崎紀子、松田萌、眞鶴さ デザイン 遠藤直人(D&DEPARTMENT PROJECT) 制作サポート

松崎紀子(d design travel URUMA 沖縄事務局) 宮城淳一(うるま市観光プロデューサー) D&DEPARTMENT OKINAWA by OKINAWA STANDARD

協力

d design travel 編集部(D&DEPARTMENT PROJECT) www.d-department.com

表紙協力 monobox(撮影:鎗分七海) 掲載情報は、2016年2月現在のものです。定休日・営業時間・詳細・価格など、変更 になる場合があります。ご利用の際は、事前にご確認ください。定休日の表記は、年 末年始・GW・盆休みなどを省略して記載している場合があります。価格は特に記載 のない限り、消費税8%を含んだ価格で記載しています。本書掲載の写真、記事の 無断転用を禁じます。 表紙にひとこと 毎号、『d design travel 』では新たに表紙のデザイン を創作せずに、その土地にあるクリエーションをそ のまま表紙としています。沖縄といえば青い海や空 だけではなく、地域に色濃く残る文化にも魅力が あります。うるま市では、古くから大衆娯楽とし 「闘牛」が親しまれてきました。激しく角を突き合 う2頭を、素朴な丸みのあるデザインで表現した 手ぬぐいは「みちくさうるま」による制作。力強さと 温かさを融合しているデザインは、古くから根付い ている大切なものを残しつつ、新しいものも受け 入れる寛容さを表現しているように感じ、まさにう

うるまぐるぐる

 2016年3月15日∼5月31日 掲載のdマーク各地にオリジナルスタンプを設置しています。 スタンプを集めながら、楽しくうるまを ぐるぐる してください。 うるまぐるぐる オリジナルスタンプ設置場所 ※1.石川多目的ドームは2016年3∼5月の開催時のみ、試合前後の時間帯で客席内の中継席でスタンプを押せます。試合中はご遠慮ください。 スケジュールにつきましてはホームページよりご確認ください。 http://www.city.uruma.lg.jp/iina/2394 01. 石川多目的ドーム※ 02. ビオスの丘 03. 勝連城跡 05. 丸一食品塩屋店 06. おでんいこい 07. Restaurant B・B・R Patisserie R 08. 古民家食堂てぃーらぶい 09. gallryはらいそ 10. kainowa 11. 津波三味線店 12. 神村酒造古酒蔵 13. café PIPINEO 14. NIWACAFE 15. うるまジェラート 16. 瑠庵+島色

17. 413はまひがHotel & Cafe

18. ホテルハーバー 20. ホテル浜比嘉島リゾート

24.高安正勝

参照

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