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対フィリピン共和国国別援助方針 平成 24 年 3 月 1. 援助の意義フィリピンは 海上交通路の要衝に位置し 地政学上及び地域安全保障上重要な国であり 同国の持続的発展は 東アジア地域の安定と発展に資する また 同国は 民主主義や市場経済といった我が国と共通の価値観及び多くの戦略的利益を共有する

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対フィリピン共和国

国別援助方針

平成

24 年 3 月

1.援助の意義

フィリピンは、海上交通路の要衝に位置し、地政学上及び地域安全保障上重要な国であり、

同国の持続的発展は、東アジア地域の安定と発展に資する。また、同国は、民主主義や市場

経済といった我が国と共通の価値観及び多くの戦略的利益を共有する、東アジアにおける重

要なパートナーであり、2011 年、両国が「戦略的パートナーシップ」の関係に発展してい

ることが確認された。

また、多くの日系企業がフィリピンに進出し、同国が我が国にとって重要な経済活動の基

盤であることをはじめ、両国は密接な経済関係を有するとともに(2008 年 12 月には日・フ

ィリピン経済連携協定が発効)

、両国間には広範な人的交流の基盤が存在し、少子高齢化が

進む日本社会と多くの若年人口を有するフィリピン社会との間で相互補完的な協力関係が

更に発展していく可能性がある。

フィリピンの

1 人当たり GNI は 2010 年時点で 2050 ドル

1

であり、初等教育や母子保健

以外の分野については

MDGs の達成が見込まれているなど、全体としては、今後中進国入

りを目指す段階にある。また、同国は、豊富で安価な若年労働力を有し、かつ国民全般に高

い英語力を有するなど、高い経済成長のポテンシャルを持つ。同国が今後持続的、かつ、よ

り力強い成長を続けていくためには、経済の安定的な運営にも留意しつつ、投資環境の改善、

海外からの直接投資の促進や輸出型産業の増強、所得格差の是正、災害などのリスクに対し

て脆弱なインフラや社会システムの改善、ミンダナオ地方における紛争の解決などに取り組

む必要がある。

我が国は長年トップドナーとしてフィリピンへの援助を実施してきており、同国における

日本のプレゼンス、国際場裡における種々の協力、民間レベルでの良好な関係など、これま

で蓄積してきた「外交的資産」の更なる発展を目指す。

2.援助の基本方針(大目標)

「包摂的成長」の実現に向けた支援

「戦略的パートナーシップ」を更に強化するため、「フィリピン開発計画 2011-2016

年」が目標としている「包摂的成長

2

」の実現に向けて経済協力を実施する。

1

世界銀行データベース

(http://siteresources.worldbank.org/DATASTATISTICS/Resources/GNIPC.pdf)

2

包摂的成長(Inclusive Growth):フィリピンの社会的・地理的な複雑性や人口の多さを所与条件としな

がらも、幅広い層の国民が利益を受けることができ、雇用創出と継続的な貧困削減を実現する、十分な

成長速度を保った持続的経済成長。

「フィリピン開発計画

2011-2016」においては、包摂的成長を阻害す

る要因として、不十分な投資によるインフラ不足、ガバナンスの失敗、低い産業競争力、低水準の人材

開発、環境問題や資源活用への不十分な取組等が挙げられている。

(2)

3.重点分野(中目標)

(1)投資促進を通じた持続的経済成長

持続的経済成長の達成に必要な国内外からの投資促進に向けて、投資環境の改善を図るた

め、大首都圏を中心とした運輸・交通網整備、エネルギー、水環境等のインフラ整備、行政

能力の向上、海上安全の確保、産業人材育成等に対する支援を実施する。

(2)脆弱性の克服と生活・生産基盤の安定

自然災害、気候変動等の環境問題や感染症等、特に貧困層への影響が大きい各種リスクに

対する脆弱性の克服及び生活・生産基盤の安定・強化を図るべく、災害・環境問題に対応す

るためのソフト面を含めたインフラ整備、保健医療等の分野におけるセーフティネットの整

備、農業生産と農産品の加工・流通等に対する支援を実施する。

(3)ミンダナオにおける平和と開発

ミンダナオ(紛争影響地域)において、開発による和平プロセスの促進を通じた平和の確

保と定着及び貧困からの脱却を実現するため、ガバナンス強化、社会サービスへのアクセス

改善を含む貧困削減、インフラ整備や産業振興等による地域開発に対する支援を実施する。

4.留意事項

3

現在、フィリピン政府とモロ・イスラム解放戦線との間でミンダナオ和平交渉が続けられ

ているが、和平合意の達成を見据え、和平合意後のミンダナオ支援の在り方について検討し

ていく必要がある。なお、ミンダナオ(紛争影響地域)においては、引き続き、援助活動の

安全性に十分留意していく必要がある。

(了)

別紙:事業展開計画

3

フィリピンを対象として実施された過去の ODA 国別評価は次のとおり。

フィリピン 国別評価(2011) 報告書掲載先:

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hyouka/kunibetu/gai/philippines/kn10_01_index.html

(3)

2012年3月現在

基本方針

(大目標)

重点分野1

(中目標)

2010 年度 以前 2011 年度 2012 年度 2013 年度 2014 年度 2015 年度 総合交通実施・管理 個別専門家 総合交通計画管理能力向上プロジェクト 技プロ 2.40 道路計画管理 個別専門家 次世代航空保安システム整備計画 有償 220.49 道路・橋梁の建設・維持に係る品質管理向上プロジェクトフェーズ2 技プロ 2.66 LRT2号線延伸計画準備調査 協準 「気候変動対策支援」にも記 大首都圏における鉄道戦略調査 開発計画 幹線道路バイパス建設計画(I)(プラリデル及びカバナツアン) 有償 62.23 道路改良・保全計画 有償 408.47 大規模地震被害緩和のための橋梁改善調査プロジェクト 開発調査 3.28 メガマニラ圏ITSによる高規格道路ネットワーク強化プロジェクト 開発計画 PPP制度改善調査 開発調査 大首都圏空港戦略調査プロジェクト 開発計画 2.00 航空航法システム安全性・効率性向上プロジェクト 技プロ 2.10 物流インフラ開発計画 有償 303.80 マニラ首都圏下水・衛生環境改善事業協力準備調査 協準 メトロセブ水道区水道事業運営・管理技術支援プロジェクト 技プロ 課題別研修(10件) 課題別研修他 個別専門家(短期)(1件) 個別専門家 大首都圏のインフラ 整備プログラム  雇用創出をもたらす持続的経済成長の達成に必要な 内外からの投資促進に向けて、首都圏の運輸・交通 網、エネルギー、水環境等の重要インフラ整備を支援 する。  また、ハード面のみならず、維持管理を含めたサー ビス改善、関連政府公社等における経営改善を含めた 財政管理、事業計画立案・運営管理能力の強化、規制 緩和、PPP等官民連携などの観点からの支援も実施す ることにより、フィリピン政府自らのインフラ整備能 力の向上を図る。 備考 協力プログラム名 協力プログラム概要 プロジェクト名 スキーム 支援額 (億円)

国別援助方針 別紙

対フィリピン共和国 事業展開計画

「包摂的成長」の実現に向けた支援

投資促進を通じた持続的経済成長

【現状と課題】  東アジアにおける開発の経験等が示すとおり、直接投資を通じた持続的な経済成長は、フィリピン政府が掲げる「包摂的成長」(Inclusive Growth)のための必要条件である。フィリピンでの投資・ビジネスにおける問題点は、汚職、政府の非効率性に並んでインフラ不足(既存インフラの 不十分な活用を含む)が挙げられる。特に運輸交通インフラに関しては、先進ASEAN諸国中で最も低い評価である(Global Competitiveness Report)。また、首都圏の交通渋滞による経済損失は、年間24.5億ドルとされている。  投資・ビジネス環境改善の観点から、大首都圏の混雑緩和・物流改善を図るために、物流網・鉄道網の拡充及び成長回廊(スービック、クラーク、 マニラ、バタンガス)を主体とする大首都圏における高速道路ネットワークの拡充による一極集中緩和・物流円滑化が必要とされている。また、イン フラ設備への投資を呼び込むために、適切なPPP(Public Private Partnership)のスキーム構築、再生エネルギー固定価格買い取り制度等の制度改善 も必要とされている。  また、日フィリピン経済連携協定(JPEPA)の発効を受け、協定を通じた経済連携の強化の効果発現を促進する観点からも、PPP等官民連携や民間 投資の誘引を高めていく為の経済成長基盤としてインフラの整備・改善が必要とされている。 【開発課題への対応方針】  雇用創出をもたらす持続的経済成長の達成に必要な内外からの投資促進に向けて、大首都圏を中心とした運輸・交通網整 備、エネルギー、水環境等のインフラ整備や、インフラ整備の実施に必要な行政能力の向上等への支援を実施する。  PPPに関しては、法的枠組み等のスキーム構築、案件形成と適切な計画の策定、維持管理、現行プロジェクトの実施が適切 に行われるよう、行政能力の向上を支援する。 開発課題1-1 (小目標) 持続的経済成長に向 けたインフラ整備

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日ASEAN交通分野における環境に関する行動計画 国土交通省技協 物流分野キャパシティ・ビルディング 国土交通省技協 日ASEAN航空セキュリティープロジェクト 国土交通省技協 日ASEAN海事セキュリティプログラム 国土交通省技協 日ASEAN港湾技術共同研究プロジェクト 国土交通省技協 アジア人船員国際共同養成プロジェクト 国土交通省技協 省エネルギー計画調査プロジェクト 開発計画 「気候変動対策支援」にも記 地方道路網整備事業計画(III) 有償 62.05 地方開発緊急橋梁建設計画 有償 184.88 ミンダナオ物流インフラ整備事業協力準備調査 協準 地方自治体の観光統計に係る能力強化プロジェクト 技プロ 航路合理化・安定化方策策定支援(長期) 個別専門家 新ボホール空港建設及び持続可能型環境保全事業 協準 地方水道改善プロジェクト 技プロ 10.00 電力協同組合のためのシステムロス軽減プロジェクト 技プロ 「気候変動対策支援」にも記 水力発電資源インベントリー調査プロジェクト 技プロ 「気候変動対策支援」にも記 環境開発計画 有償 248.46 「気候変動対策支援」にも記 課題別研修(6件) 課題別研修他 開発課題1-1 (小目標) 持続的経済成長に向 けたインフラ整備 大首都圏のインフラ 整備プログラム (つづき)  雇用創出をもたらす持続的経済成長の達成に必要な 内外からの投資促進に向けて、首都圏の運輸・交通 網、エネルギー、水環境等の重要インフラ整備を支援 する。  また、ハード面のみならず、維持管理を含めたサー ビス改善、関連政府公社等における経営改善を含めた 財政管理、事業計画立案・運営管理能力の強化、規制 緩和、PPP等官民連携などの観点からの支援も実施す ることにより、フィリピン政府自らのインフラ整備能 力の向上を図る。 地方拠点開発に向け たインフラ整備プロ グラム  日本の民間部門との連携も図りつつ、マニラ首都圏 への一極集中を緩和し、包摂的成長を実現する観点か ら、雇用創出をもたらす持続的経済成長の達成に必要 な内外からの投資促進に向けて、地方拠点開発に向け た運輸・交通網、エネルギー、水環境等のインフラ整 備を支援する。  また、ハード面のみならず、維持管理を含めたサー ビス改善、関連政府公社等における経営改善を含めた 財政管理、事業計画立案・運営管理能力の強化、規制 緩和、PPP等官民連携などの観点からの支援も実施す ることにより、フィリピン政府自らのインフラ整備能 力の向上を図る。

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2010 年度 以前 2011 年度 2012 年度 2013 年度 2014 年度 2015 年度 税関能力向上 個別専門家 税関機能・情報管理強化 個別専門家 税関情報システム利用環境整備・人材育成プロジェクト 技プロ 税関情報システム導入(無償) 協準 優遇税制分析調査プロジェクトフェーズ2 開発計画 投資アドバイザー 個別専門家 自動車型式認証プロジェクト 開発計画 包括的国家政策競争政策のための能力向上 技プロ ASEAN工学系高等教育ネットワーク(SEED-Net)フェーズ2 技プロ 東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国対象 地場産品競争力強化のための包装技術向上プロジェクト 技プロ 4.00 産業クラスター能力強化プロジェクト 技プロ 課題別研修(24件) 課題別研修他 情報処理技術技術者試験、スキル標準 経済産業省技協 海上保安教育・人材育成管理システム開発プロジェクト 技プロ 3.60 海上保安行政 個別専門家 指紋採取・活用能力向上プロジェクト 技プロ プログラムマネージャー/長官アドバイザー 個別専門家 警察科学捜査(初動捜査) 個別専門家 銃器対策能力向上プロジェクト 技プロ 警察科学捜査(鑑識) 個別専門家 警察分野C/P研修(3件) 国別研修 鑑識技術向上のための現地国内研修 国別研修 人材育成奨学計画 無償 13.20 課題別研修(5件) 課題別研修他 現地国内研修(1件) 課題別研修他 開発課題1-2 (小目標) 投資環境整備  フィリピンの持続的な経済成長のために不可欠なマ クロ経済の安定に向け、政策支援プログラムなど政策 助言型の支援を行うとともに、通関業務の迅速化・簡 素化による貿易促進も視野に入れ、徴税能力向上など 行財政分野における能力向上に関する協力を行う。  また、フィリピンの中長期的開発に向けて重要とな る民間投資の促進を支援する観点から、投資促進に係 る政策立案・実施支援や、ビジネス関連規制の透明性 及び一貫性の確保に関する協力を行う。  今後の案件形成にあたっては、スキーム間連携に留 意しつつ、民間の支援ニーズを踏まえながら、PPPの 円滑な実施のための支援についても検討する。  さらに、脆弱なガバナンスの下、投資促進の阻害要 因となっている治安問題の改善等を支援する。この観 点から警察能力向上、海上保安など、法執行機関の能 力強化に係る実施中の案件を着実に遂行する。特に、 フィリピンは海上交通路の要衝に位置しており、同国 の海上安全は我が国のみならずASEAN諸国の発展にお いても重要。海上安全の確保のため、海上法執行機関 等の能力向上を目指す。 投資環境整備プログ ラム 支援額 (億円) 【開発課題への対応方針】  持続的で投資を伴った経済成長に向け、マクロ経済の安定と行政能力向上を図るため、徴税能力の向上、債務管理能力の向 上などフィリピン政府が取り組む行財政改革を支援し、フィリピンの中長期的開発に向けて重要となる民間投資の促進を図 る。  日フィリピン経済連携協定(JPEPA)発効後の日比間の取り組みに貢献し、ひいては日比間の経済関係の更なる強化を図る という観点から、種々の制度整備支援や関連分野の人材育成支援等、日比間の経済活動の自由化・円滑化に資する案件形成を 行う。  また、投資促進の阻害要因となっている治安問題等の改善のため、警察機能の改善(捜査能力の改善等)、海上保安など、 適切な社会・経済開発を促進し社会秩序と政治的安定を維持するためのガバナンス向上支援を実施する。 協力プログラム名 協力プログラム概要 プロジェクト名 備考 【現状と課題】  フィリピンのGDPに占める投資(総固定資本形成)の割合は近隣諸国に比しても小さく、かつ2000年以降漸減している。低調な投資は製造業の振 興を含む産業構造の転換の制約となっており、豊富な労働力を背景とした潜在経済成長率の達成、及びこれに伴う貧困削減のためには内外からの投資 を促進することが極めて重要である。  特に、我が国はフィリピンにとり輸出入とも最大の貿易相手国であるなど、両国の経済的な結びつきは密接であり、2008年には日比経済連携協定 (JPEPA)が発効し、投資を含めた経済関係の深化が期待されており、協定に基づいて様々な小委員会が設けられ、これらの小委員会は同協定の円滑 な実施及び運用を図るための日比間の協議の場となっている。これも踏まえ、我が国を含めた諸外国からの直接投資の増加のための諸制度の改善・行 政能力の向上等が極めて重要な課題となっている。

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重点分野2 中目標 2010 年度 以前 2011 年度 2012 年度 2013 年度 2014 年度 2015 年度 総合治水 個別専門家 パッシグ・マリキナ川河川改修計画(II) 有償 85.29 「気候変動対策支援」にも記 パッシグ・マリキナ川河川改修計画(III)協力準備調査 協準 「気候変動対策支援」にも記 ピナツボ火山災害緊急復旧計画(III) 有償 76.04 気象レーダーシステム整備計画 無償 33.50 「気候変動対策支援」にも記 カミギン島防災復旧計画 無償 10.13 マヨン火山周辺地域避難所整備計画 無償 7.39 「気候変動対策支援」にも記 地震火山監視能力強化と防災情報の利活用推進プロジェクト 科学技術 4.20 ダム放流に関する洪水予警報能力強化プロジェクト 技プロ 2.80 「気候変動対策支援」にも記 載 災害リスク軽減・管理能力向上プロジェクト 技プロ 3.55 「気候変動対策支援」にも記 台風オンドイ・ペペン後緊急インフラ復旧計画 有償 99.12 「気候変動対策支援」にも記 森林管理計画 有償 92.44 「気候変動対策支援」にも記 載 草の根技術協力事業(1件) 草の根技協 課題別研修(38件) 課題別研修他 開発課題2-1 (小目標) 災害リスク軽減・管 理 協力プログラム名 災害リスク軽減・管 理プログラム  ハード(治水事業等防災インフラの整備の促進)お よびソフト(住民の適切な避難のための対策強化をは じめとした、制度強化)の両方の観点からの支援を行 う。その際、対象地域の地方自治体(LGU)の能力等 も踏まえ、維持管理体制の在り方や組織強化への支援 も実施する。さらに、本邦の経験を踏まえ、様々なイ ンフラの耐震化の促進や、災害リスク(気象、地震津 波、火山等)の啓発にも力を入れる。突発的な自然災 害に対しては、迅速な緊急支援、復旧・復興支援を検 討する。さらに災害時の被害軽減に資する流域管理 (森林管理等)を含む支援も実施する。 協力プログラム概要 脆弱性の克服と生活・生産基盤の安定 【開発課題への対応方針】  自然災害多発国であるフィリピンの特徴を踏まえ、様々な災害(洪水ほか気象リスク、地震、津波、火山災害など)に対応 すべく、ガバナンスの問題(比側による維持管理、住民への情報提供など)にも着目しつつ、本邦の技術・知見を活用してソ フト・ハードの両面の対策を積極的に展開する。 スキーム 支援額 (億円) 備考 プロジェクト名 【現状と課題】  フィリピンは、環太平洋火山帯の熱帯地域に位置する島しょ国という地理的特性から、熱帯性低気圧/台風、洪水、土砂災害、地震、津波、火山活 動に伴う災害など、世界で最も自然災害に見舞われる国の一つである。特に洪水による農業・工業の被害額は毎年多大なものとなっている。また、世 銀の報告書によれば、フィリピンは気候変動による台風被害増加の影響を世界で最も受けやすい国とされており、台風被害は今後より深刻化するおそ れがある。そのため、日常的に頻発する豪雨に伴う洪水への対策をすすめつつ、一度起きると短時間に極めて甚大な被害をもたらすような地震災害へ の対応、そのほか多種多様な災害に関し適切なリスク軽減と被害の最小化を図っていくことが重要となっている。

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2010 年度 以前 2011 年度 2012 年度 2013 年度 2014 年度 2015 年度 水利組合強化支援プロジェクト 技プロ ARC支援事業地区受益者能力向上プロジェクトフェーズ2 技プロ 農地改革インフラ整備計画(III) 有償 118.00 農地改革地域橋梁整備計画 無償 カトゥビッグ農業総合開発計画 有償 52.10 アグリビジネス政策・計画アドバイザー 個別専門家 農業支援政策金融事業 有償 146.08 草の根・人間の安全保障無償(2件) 草の根 草の根技術協力事業(3件) 草の根技協 アジア食料生産力向上農業人材育成事業 農林水産業技協 アジア途上国のキャパシティ・ビルディング強化事業 マルチ ● ● ● 東南アジア諸国連合(ASEAN)事務局拠出金 アジア食料安全保障情報整備強化支援事業 マルチ ● ● 東南アジア諸国連合(ASEAN)事務局拠出金 アセアン+3中長期需給情報整備事業 マルチ ● ● ● 東南アジア諸国連合 (ASEAN)事務局拠出金 アセアンプラススリー緊急米備蓄本格実施移行拠出金事業 マルチ ● ● 東南アジア諸国連合(ASEAN)事務局拠出金 アセアン+3緊急米備蓄確立支援拠出金事業 マルチ ● 東南アジア諸国連合(ASEAN)事務局拠出金 青年海外協力隊(34件) JOCV 課題別研修(8件) 課題別研修他 開発課題2-2 (小目標) 食料安全保障 支援額 (億円) 備考 協力プログラム名 食料安全保障プログ ラム 農業生産の向上・安定化や農業所得の向上を図るた め、適切且つ持続的な運営・維持管理による既存灌漑 施設の有効活用や、生産主体である農民・水利組合等 への営農指導・能力強化を支援する。また、圃場から 市場に至るまでの、ポストハーベストから加工・流通 過程の改善・近代化、農村における非農業所得向上策 としてのアグリビジネス等を支援する。また、水資源 の枯渇、気候変動等による所得喪失リスクが今後大き くなると予想されていることも踏まえ、かかるリスク への各種対応策(金融アクセスの改善、保険の拡充、 起業/就業による所得多様化等)の整備を支援する。 【現状と課題】  フィリピン政府は、1960年代以来、主食であるコメの自給化を目指し、生産性向上やコメ価格の安定化等のための各種政策を実施してきた。しか し、近年の異常気象・地球温暖化(台風・洪水、エルニーニョ)、そして依然として低い生産能力に起因して、年平均2%で増大する人口に、安価で 十分なコメを安定供給することができないでいる。その結果、フィリピンは、毎年、国内のコメ消費量の約1割を輸入する、世界一のコメ輸入国と なっている。特に、全人口の3割近くを占める貧困世帯にとっては、世帯支出の約6割が食料購入に充てられているため、食料(特にコメ)価格の高騰 は生活に深刻な影響を与えることになる。また、就労人口の33%を占める農業従事者の多くは、貧困ライン以下となっており、生産性の改善等による 所得向上が喫緊の課題となっている。 【開発課題への対応方針】 日本の民間部門との連携を図りつつ、農業生産の向上・安定化や農業所得の向上を図るため、適切且つ持続的な運営・維持管 理による既存灌漑施設の有効活用や、生産主体である農民・水利組合等への営農指導・能力強化を支援する。また、圃場から 市場に至るまでの、ポストハーベストから加工・流通過程の改善・近代化、農村における非農業所得向上策としてのアグリビ ジネス等を支援する。また、水資源の枯渇、気候変動等による所得喪失リスクが今後大きくなると予想されていることも踏ま え、かかるリスクへの各種対応策(金融アクセスの改善、保険の拡充、起業/就業による所得多様化等)の整備を支援する。 協力プログラム概要 プロジェクト名 スキーム

(8)

2010 年度 以前 2011 年度 2012 年度 2013 年度 2014 年度 コーディレラ地域保健システム強化プロジェクト 技プロ 5.29 東ビサヤ地域母子保健サービス強化プロジェクト 技プロ 4.20 オーロラ記念病院改善計画 無償 10.89 公衆衛生プログラム調整 個別専門家 レプトスピラ症の予防対策と診断技術の開発プロジェクト 科学技術 3.47 小児呼吸器感染症の病因解析・疫学に基づく予防・制御に関する研究 プロジェクト 科学技術 4.10 地方における障害者のためのバリアフリー環境形成プロジェクト 技プロ 草の根・人間の安全保障無償(13件) 草の根 日本NGO支援無償(1件) 日本NGO 草の根技術協力事業(6件) 草の根技協 課題別研修(36件) 課題別研修他 青年海外協力隊(23件) JOCV 都市の脆弱層コミュニティーのための生計の機会の改善プロジェクト マルチ ● ● ● ● 3.27百万米 ドル 世銀・日本社会開発基金 (JSDF) ミンダナオにおける既存のもしくは帰還した国内避難民に対して性と 生殖に関する健康やHIV/AIDSに関する優先度の高いサービスや情報の 提供 マルチ ● ● 0.149百万米ドル 国際家族計画連盟(IPPH) HIV/リプロダクティブヘルス 日本信託基金、「ミンダナオ の平和と開発」にも記載 開発課題2-3 (小目標) セーフティネットの 整備 備考 保健医療については中心政策である「Universal Health Care」に対応して、貧困層に裨益するよう、医療施設 の充実、MDGs達成に資する地域に根ざした保健医療支 援を実施しつつ、地域連結の観点も踏まえながら、罹 患者の多い感染症研究等への対策支援を行う。教育分 野においては当面、学校・地域レベルでの教育の質の 向上や施設の拡充に取組むが、今後「K+12」(教育制 度改革)への対応、及び産業人材育成の観点から支援 を検討する。 【開発課題への対応方針】

保健医療については、新保健政策2011~2015を念頭に置きつつ、中心政策である「Universal Health Care」に対応して、貧困 層に裨益するよう、医療施設の充実、MDGs達成に資する地域に根ざした保健医療支援を実施し、かつより包括的な社会保障制 度への支援を検討する。教育については「K+12」(幼稚園及び小中高基礎教育12年という国際標準の全面的導入に向けた教育 制度改革)への支援及び、産業人材育成の観点から支援を検討する。 協力プログラム名 協力プログラム概要 プロジェクト名 スキーム 支援額 (億円) セーフティネット整 備プログラム 【現状と課題】  近年、フィリピンの経済成長率は高く、中進国化しつつあるものの、貧困率の改善はペースが遅く、所得格差も依然として高い状況にある。アキノ 新政権の政策の柱である国家開発計画(2011-2016年)においては「Inclusive Growth」(包摂的成長)をテーマに掲げ、CCT(Conditional Cash Transfer)による貧困対策の促進、教育と保健医療の充実を重要政策としている。保健医療については「Universal Health Care」として、医療施設整 備、MDGsの達成、ファイナンシャル・リスク・プロテクション(保険加入者増加等)の3点を特に重視した改革を実施している。

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重点分野3 中目標 2010 年度 以前 2011 年度 2012 年度 2013 年度 2014 年度 2015 年度 ARMM地域開発シニアアドバイザー 個別専門家 ARMM人材育成プロジェクト(フェーズ2) 技プロ 5.7 ムスリム・ミンダナオ自治地域平和・開発社会基金計画 有償 24.7 ARMM稲作中心営農技術普及プロジェクト 技プロ ミンダナオ平和と開発のための地形図作成プロジェクト 技プロ 12.9 ARMM地場産業振興支援調査 開発計画 2.2 ミンダナオ紛争影響地域におけるコミュニティ開発のための能力強化 プロジェクト 開発計画 3.9 草の根・人間の安全保障無償(10件) 草の根 日本NGO連携無償(2件) 日本NGO 草の根技術協力事業(1件) 草の根技協 平和構築セミナー(日マ連携) その他 0.8 JICAマレーシア事務所にて実 施 ミンダナオにおける既存のもしくは帰還した国内避難民に対して性と 生殖に関する健康やHIV/AIDSに関する優先度の高いサービスや情報の 提供 マルチ ● ● 0.149百万 米ドル 国際家族計画連盟(IPPH) HIV/リプロダクティブヘルス 日本信託基金、「セーフティ ネット整備」にも記載 開発課題3‐1 (小目標) ミンダナオにおける 平和と開発 支援額 (億円)  ARMM政府は、現在交渉が進んでいるMILFとの和平 合意が締結されれば、新しく設立される自治行政機構 の土台となると考えられることから、ARMM政府の透明 性、アカウンタビリティを改善するためのガバナンス 強化の一環として、新たに制定された行政規定の執行 を進めるためのルール作りと人材育成を行う。  人材育成の対象は、ARMM政府のみならず、MILFの 社会開発機関であるBDA、地方自治体等と対象を広く とらえ、和平合意後を見据え紛争影響地域の将来の行 政サービスを担う人材の能力強化や関係者間の信頼醸 成を進める。  協力プログラムの実施に際しては、現地リソース(中 央政府機関、大学、NGO等)を有効に活用し、地場産業 の振興、生計の向上、社会経済インフラ整備等のため の人材育成を進める。  また、地域開発の観点から、インフラ整備、産業振 興、コミュニティ開発を進め、行政サービスが行き届 いていない地域に対してはNGOやCSO (Civil Society Organizations)等を通じた社会サービスの提供を行う。 備考 ミンダナオの平和と 開発プログラム ミンダナオにおける平和と開発 【現状と課題】  2011年の戦略的パートナーシップに基づきミンダナオ和平が地域の安全及び安定にとって重要であることが日比双方で確認されている。アキノ大統 領は2011年8月に日本でムラドMILF議長とトップ会談を行った他、2011年12月には、比政府とMNLFとの和平合意に基づいて設立された自治政府であ るARMM政府のガバナンス強化を目的として新たな知事を任命するなど、早期の和平合意の達成と和平後を見据えた体制づくりに高い意欲を示してい る。  ミンダナオ紛争影響地域は、長期にわたる紛争により行政サービスが十分に行き渡っておらず、国内最貧困地域となっている。このため、紛争によ り社会経済開発が遅れた地域に対する貧困からの脱却及び能力強化が必要となっている。我が国は2006年より人間の安全保障の観点に基づいた和平プ ロセスの促進と紛争影響地域の開発を目的としたJ-BiRD(Japan-Bangsamoro Initiatives for Reconstruction and Development)を実施し、IMTの社会 経済開発部門への要員の派遣、比政府とMILFとの和平交渉のアドバイザリー機関であるICG(International Contact Group)への参画するなど、和平 交渉及び開発の側面で重要な役割を担っている。 【開発課題への対応方針】  ARMM政府の新体制の方針を見極めつつ、これまでの日本の協力の成果を発展させるための支援を継続的に実施する。具体 的には、ARMM政府の透明性、アカウンタビリティの改善のためのガバナンス強化、行政サービスのアクセス改善、様々な関 係者間の信頼醸成等に取り組む。また、紛争影響地域の将来の行政サービスを担う人材となるARMM政府、BDA、地方自治体 等を対象に現地リソース(中央政府機関、大学、NGO等)を有効に活用し、地場産業の振興、生計の向上、社会経済インフラ整 備等のための人材育成を進める。これらの取り組みのためにJ-BiRDに基づき、より積極的に案件形成・実施を行う。 協力プログラム名 協力プログラム概要 プロジェクト名 スキーム

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その他 2010 年度 以前 2011 年度 2012 年度 2013 年度 2014 年度 2015 年度 パッシグ・マリキナ川河川改修計画(II) 有償 85.29 「災害リスク軽減・管理」にも記載 パッシグ・マリキナ川河川改修計画(III)協力準備調査 協準 「災害リスク軽減・管理」にも記載 気象レーダーシステム整備計画 無償 33.50 「災害リスク軽減・管理」にも記載 マヨン火山周辺地域避難所整備計画 無償 7.39 「災害リスク軽減・管理」にも記載 ダム放流に関する洪水予警報能力強化プロジェクト 技プロ 2.80 「災害リスク軽減・管理」にも記載 災害リスク軽減・管理能力向上プロジェクト 技プロ 3.55 「災害リスク軽減・管理」にも記載 台風オンドイ・ペペン後緊急インフラ復旧計画 有償 99.12 「災害リスク軽減・管理」にも記載 環境開発計画 有償 248.46 「地方拠点開発に向けたインフラ整備」にも記載 統合的沿岸生態系保全・適応管理プロジェクト 科学技術 3.83 森林管理計画 有償 92.44 「災害リスク軽減・管理」にも記載 電力協同組合のためのシステムロス軽減プロジェクト 技プロ 「地方拠点開発に向けたインフラ整備」にも記載 水力発電資源インベントリー調査プロジェクト 技プロ 「地方拠点開発に向けたインフラ整備」にも記載 省エネルギー計画調査プロジェクト 開発計画 「大首都圏のインフラ整備」にも記載 LRT2号線延伸計画準備調査 協準 「大首都圏のインフラ整備」にも記載 【横断的課題】 気候変動対策支援 スキーム 協力プログラム名 協力プログラム概要 その他の支援分野 【現状と課題】  フィリピンは東南アジアにおいて最も自然災害が多い国の一つであり、中でも台風・暴風雨・洪水・干ばつによる被害が大きい。このため気候変動 に対し脆弱性が高い国とされ、気候変動の悪影響に対する適応能力強化の必要性が高い。毎年2%の森林面積が減少しており、エネルギー起源CO2は 90年と比べて82.9%増加している。  フィリピン政府は2010年に国家気候変動フレームワーク戦略を、2011年に国家気候変動行動計画を策定済みであり、気候変動対策に向けた取り組 みを強化している。また、再生可能エネルギーの開発も推進している。 【開発課題への対応方針】  気候変動に伴う負の影響を低減するとともに、温室効果ガスの排出を抑制し、脆弱性の克服を支援する。災害リスク低減を 中心とした取り組みにより、自然災害の被害を低減していく適応策、省エネルギー・再生可能エネルギーの導入推進や低炭素 排出交通へのシフトを含む緩和策、森林減少および土地劣化率の削減に向けた森林管理支援、政策面を含む支援に関連するプ ログラムローン等を展開していく。 支援額 (億円) 備考 気候変動対策支援プ ログラム  気候変動に伴う負の影響を低減するとともに、温室 効果ガスの排出を抑制し、脆弱性の克服を支援する。 災害リスク低減を中心とした取り組みにより、自然災 害の被害を低減していく適応策、省エネルギー・再生 可能エネルギーの導入推進や低炭素排出交通へのシフ トを含む緩和策、森林減少および土地劣化率の削減に 向けた森林管理支援、政策面を含む支援に関連するプ ログラムローン等を展開していく。 プロジェクト名

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