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北海道における指導林家の林業経営の現状 環境資源学専攻

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Academic year: 2021

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北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,201721日―13

北海道における指導林家の林業経営の現状

環境資源学専攻 森林・緑地管理学講座 森林政策学分野 烏野亮祐

1. 背景と目的

近年,北海道では,本格的な利用期を迎えつつある人工林資源を適切に活用していく必要性 が高まっている。一方で,木材価格の低迷等から林家の意欲は減退している。林家の意欲の 底上げを図るためにも,成熟しつつある資源を活用した持続的な林業経営を実現する必要が ある。持続的な林業経営の在り方を考えるうえで,成熟しつつある資源を,林家がどのよう に利用していこうとしているか,また,利用を進める中でどのような課題を抱えているのか を明らかにする必要がある。そこで,本研究では,積極的に人工林資源の利用を進めて,持 続的な林業経営を模索している北海道指導林家に着目した。以上から,指導林家の林業経営 の現状と今後の意向を把握することと,それらを踏まえ,持続的に林業経営を行っていく上 で,どのような課題を抱えているかを明らかにすることを目的として設定した。

2. 調査方法

人工林資源の成熟が進み,主伐が活発に行われている網走・十勝振興局管内を中心に,21 名の北海道指導林家に聞き取り調査を実施した。

3. 結果

主伐への意向によって区分を行い,標準伐期に近い齢級で皆伐を実施する意向を持つ「皆伐 型」と,主伐を実施する意向はなく伐期を延長している「伐期延長型」の2タイプに大きく 分けた。さらに伐期延長型を,優良大径材等の生産を行っている「積極的伐期延長型」と木 材価格の低迷等が理由で伐り延ばしになっている「消極的伐期延長型」に分けた。皆伐型の 所有山林は,50年生前後に集中したカラマツとトドマツが主体となっており,伐期はカラ マツで50年前後,トドマツで60年前後と設定していた。近年,資源成熟が進み,皆伐を実 施しており,伐期前後に集中した齢級構成を平準化したいと考えていた。そのため,伐期を 超えた林分で5㏊以下の小面積皆伐を実施していくことを選択し,伐期を超えた林分が生じ ていた。今後さらに,伐期を超える林分が増加すると考えられるため,皆伐箇所の選択を工 夫していた。確実に再造林を実施するために,造林補助金を予め確保しておくといった対応 をとっている例も見られたが,補助金の予算には限りがあるため,植林ができず,再造林未 済地が発生している例が見られた。積極的伐期延長型は,60年生前後に集中したカラマツ 主体の山林を所有していた。伐期を70~90年に設定し,積極的に育林を図っていた。しか し,大径材に中小径材以上の価格が期待できない為,主伐を実施する意向はなかった。消極 的伐期延長型は45年生前後に集中したカラマツ主体の山林を所有していた。伐期や目標径 級を設定せずに,育林を実施していた。木材価格の低さ等がネックとなって主伐を実施する 意向はなく,また,長伐期施業にメリットを感じておらず,その導入にも消極的だった。

4. まとめと考察

皆伐型には造林補助金が獲得できず,再造林未済地が発生している林家が見られた。今後,

潤沢な補助金が付くとは考えづらく,皆伐再造林施業は制約を受けると考えられるため,皆 伐箇所の選択や伐期を超えた林分における気象害等へのリスク管理が重要である。積極的伐 期延長型と消極的伐期延長型は成熟しつつある資源をどのように利用していくか,決定でき ておらず,指導林家であっても経営判断が困難な状況にあると考えられる。

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