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ハイパー群の双対と幾何学的双対

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Academic year: 2021

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(1)

奈良教育大学学術リポジトリNEAR

ハイパー群の双対と幾何学的双対

著者 親木 翔平

発行年 2017‑03‑24

URL http://hdl.handle.net/10105/00012843

(2)

平成 28 年度修士論文

ハイパー群の双対と幾何学的双対

奈良教育大学大学院

教育学研究科 修士課程 教科教育専攻 数学教育(情報を含む)専修 河上研究室

153302  親木翔平

(3)

目 次

1

はじめに

3

2

準備

3

3

正多胞体上のランダムウォークから得られるハイパー群と幾何学的双対

4 3.1 正多胞体の定義 . . . . 4 3.2 正多角形 , 正多面体上のランダムウォークから得られるハイパー群 . . 6

4

具体例

8

4.1 D が正多角形の場合 . . . . 9 4.2 D が正多面体の場合 . . . . 9 4.3 D が 4 次元の正多胞体の場合 . . . . 11 5

一元生成有限可換一般分岐則代数から得られるグラフ

14 5.1 一般分岐則代数 F n から得られるグラフ K n+1 . . . . 18

6

おわりに

20

(4)

1 はじめに

本論文では , 「ハイパー群の双対と幾何学における双対との関係」について考察 を行った .

ハイパー群の公理は 1975 年頃に C. F. Dunkl, R. I. Jewett, R. Spector によって 確立された . その後 , ハイパー群に関する様々な研究が盛んにされている .

多くのグラフや図形上の対称ランダムウォークを考えると , 有限可換ハイパー群が 得られることが知られている . さらに , ハイパー群 , 正多角形 , 正多面体 , それぞれに おいて「双対」という概念が存在する .

一方 , 多くの一元生成のハイパー群 K の既約 - 作用 α に付随して , K の生成元 c 1

を用いて α(c 1 ) からグラフが得られる . しかしながら , α(c 1 ) を定数倍などをする必 要があった .

以上のような背景から, ハイパー群とグラフとの関係について, 一元生成有限可換 一般分岐則代数の表現を用いて , 研究を進めてきた . 本論文では , 有限可換ハイパー 群とグラフの関係について考察した結果を報告する . また , それぞれの双対の関係に ついて得られた結果を報告する.

第 3 章では , 正多角形や正多面体上の対称ランダムウォークを考えることによって 得られるハイパー群について考察を行う . 例えば正多面体を D としたとき ,

• K 0 (D) : D の各頂点から辺を共有している頂点へと等確率で動くランダム

ウォークから得られるハイパー群

• K 2 (D) : D の各面から辺を共有している面へと等確率で動くランダムウォー

クから得られるハイパー群

とすれば , ハイパー群接合和を用いて K (D) := K 0 (D) K \ 2 (D) と定義したとき ,

\ K (D) = K ( D) b が成立する . 左辺がハイパー群における双対であり , 右辺が幾何学に おける双対を表していることが特徴である .

第 4 章では , 前章の具体例を示す . さらに , ハイパー群の構造式がどのようになっ ているのかも記述する . 一部ではあるが , 高次元の正多胞体についても定理が成立し ている例とその構造式を挙げる .

第 5 章では , グラフとハイパー群の関係を述べるために必要な一元生成有限可換一 般分岐則代数の導入を行う. F を正規化して得られるハイパー群を用いてハイパー 群とグラフとの関係を考察した .

2 準備

定義

1 (有限ハイパー群).

有限集合 K = { c 0 , c 1 , . . . , c n } に対して , K を基底とする代数的な線形空間を C K :=

{ µ =

n k=0

a k c k : a k C }

とおく . C K において , 合成積 と対合 が定義されていて ,

(5)

(H1) C Kc 0 を単位元とする , 結合律を満たす -algebra.

(H2) c i , c j K に対し , c i c j =

n k=0

a k ij c k であり , a k ij R + ,

n k=0

a k ij = 1.

(H3) K が対合 で不変である. c i = c j であるための必要十分条件は c 0 supp(c i c j ).

を満たすとき , K = (K, C K, , ) は有限ハイパー群と呼ばれている . さらに , 合成積

に関して可換であるとき , 有限可換ハイパー群と呼ばれている . 位数が 2 のハイパー群 K はパラメーター q (0 < q ≦ 1) を用いて,

K = { c 0 , c 1 } , c 2 1 = qc 0 + (1 q)c 1 . の形で表され, このハイパー群を Z q (2) と表す.

3 正多胞体上のランダムウォークから得られるハイパー 群と幾何学的双対

まず本章で重要な概念となる , 用語の定義を述べる .

定義

2 ( ハイパー群の指標 ).

有限可換ハイパー群 K に対して, C K 上の複素数値関数 χ が次を満たすとき, 関数 χ をハイパー群の指標という .

1. K の単位元 c 0 に対して , χ(c 0 ) = 1

2. c i .c j K に対して, χ(c i c j ) = χ(c i )χ(c j ) 3. χ(αc i ) = αχ(c i )

4. χ(c i ) = χ(c i )

また , 自明な指標を χ 0 と表す .

定義

3 ( 強ハイパー群 , Pontryagin ハイパー群 ).

ハイパー群 K の指標全体の集合を K b とする. K b は一般にハイパー群になるとは限 らない . K b がハイパー群となるとき , K は強ハイパー群とよばれている .

このとき , 双対性 K ∼ bb = K が成り立つので , K は Pontryagin ハイパー群と呼ばれて いる.

3.1 正多胞体の定義

定義

4 (n 次元空間内の n 次元多胞体の n 次元面の中心 O n ).

n 次元多胞体は 0, 1, 2, . . . , n 次元面により構成されている. この n 次元多胞体の中

O n を次のように帰納的に定義する .

(6)

1. 0 次元多胞体の中心は唯一存在し , それは 0 次元多胞体自身とする .

2.O n は各 i 次元面の中心 O i (0 i n 1) から点 O n までの距離がそれぞ れ等しい点である .

定義

5 (n 次元空間内の n 次元正多胞体 D).

n (n 1) 次元空間のコンパクト部分集合 Dn 次元空間内の n 次元正多胞体で あるということを次のように帰納的に定義する .

1. 0 次元面(点)は 0 次元正多胞体とする . 2. 有限個の超平面で囲まれている .

3. 中心 O n が存在する .

4.i (0 i n 1) 次元面はすべて i 次元の正多胞体である.

ただし , 超平面とは , c を定数 , a i R とし , 次式で表される点 (x 1 , x 2 , . . . , x n ) の集 合である .

n i=1

a i x i = c

本論文では , 主に , n = 2, 3 の場合つまり , 正多角形 , 正多面体の場合について考察 した .

定義

6 ( 正多角形 D の双対 D). b

D を正多角形とする . D の各 1 次元面(辺)の中心を結び , それを 1 次元面(辺)

とするような正多角形を D b とする.

この定義から直ちに次の系が得られる .

1.

任意の正 n 角形 D n はそれ自身と双対である. つまり, D c n = D n .

定義

7 ( 正多面体 D の双対 D). b

D を正多面体とする . D の各 2 次元面(面)の中心を結び , それを 1 次元面(辺)

とするような正多面体を D b とする.

この定義から直ちに次の系が得られる .

2.

面の数が n である正多面体を D n とすると , 次式が成立する .

D c 4 = D 4 , D c 6 = D 8 , D c 8 = D 6 , D d 12 = D 20 , D d 20 = D 12

.

(7)

3.2 正多角形 , 正多面体上のランダムウォークから得られるハイパー 群

正多角形上のランダムウォークから得られるハイパー群および , 正多面体上のラ ンダムウォークから得られるハイパー群をそれぞれ次のように定義する .

定義

8 ( K 0 (D), K 1 (D)).

D を正多角形とする . 正多角形 D 上のランダムウォークから得られるハイパー群 K 0 (D), K 1 (D) をそれぞれ次のように定義する .

• K 0 (D) : D の各頂点から辺を共有している頂点へと等確率で動くランダム

ウォークから得られるハイパー群

• K 1 (D) : D の各辺から頂点を共有している辺へと等確率で動くランダムウォー

クから得られるハイパー群

すると , K 0 (D), K 1 (D) は Pontryagin ハイパー群となることが実際に計算すること で確認できる.

全ての正多角形 D から K 0 (D) および , K 1 (D) が得られることは確認できる . 同様 に , 正多面体上のランダムウォークを次のように定義する .

定義

9 ( K 0 (D), K 2 (D)).

D を正多面体とする .

• K 0 (D) : D の各頂点から辺を共有している頂点へと等確率で動くランダム

ウォークから得られるハイパー群

• K 2 (D) : D の各面から辺を共有している面へと等確率で動くランダムウォー

クから得られるハイパー群

すると , K 0 (D), K 2 (D) は Pontryagin ハイパー群となることが実際に計算すること で確認できる .

全ての正多面体 D から K 0 (D) および , K 2 (D) が得られることは実際に計算するこ とで確認できる .

定義

10 (ハイパー群接合和).

2 つの有限ハイパー群 H = { h 0 , h 1 , . . . , h m } , L = { 0 , ℓ 1 , . . . , ℓ n } に対して ,

H ∨ L = { h 0 , h 1 , . . . , h m , ℓ 1 , ℓ 2 , . . . , ℓ n } とおく . このとき , H ∨ L 上の合成積 を以 下で定義する.

h i h j := h i H h j , h i j := j ,

j = i のとき , つまり , ℓ i L j = a 0 ij 0 +

n k=1

a k ij k のとき ,

i j := a 0 ij ω H +

n k=1

a k ij k ,

(8)

j ̸ = i のとき , ℓ i j := i L j .

ただし , H , L はそれぞれハイパー群 H , L の合成積 , ω HH の不変測度である . つまり,

ω H :=

n i=0

w(c i ) w(K) c i

このとき, H ∨ L はハイパー群となり, このハイパー群は HL によるのハイパー 群接合和と呼ばれている .

以上の準備の元 , 次の定理が得られた .

定理

1 (ハイパー群の双対と幾何学的双対との関係).

1. D を正多角形とする . K 0 (D) の K \ 1 (D) によるハイパー群接合和 K 0 (D) K \ 1 (D) を K (D) とする . この状況の下で次が成立する .

\ K (D) = K ( D) b

2. D を正多面体とする . K 0 (D) の K \ 2 (D) によるハイパー群接合和 K 0 (D) K \ 2 (D) を K (D) とする. この状況の下で次が成立する.

\ K (D) = K ( D) b

この定理では , 左辺における双対は , ハイパー群の双対を表しており , 右辺におけ る双対は , 幾何学における双対を表しており , それらの関係を示しているのが本定理 の特徴である. この定理の証明に必要な補題を述べる.

補題

1 ( 正多角形 , 正多面体の双対とランダムウォークから得られるハイパー群との 関係 ).

1. D を正多角形とするとき以下が成立する .

K 0 (D) = K 1 ( D) b (1) 2. D を正多面体とするとき以下が成立する .

K 0 (D) = K 2 ( D) b (2)

証明

.

式 (1), (2) はそれぞれ , 正多角形 , 正多面体の双対の定義から従う . また , 実際にハ イパー群の構造式を求めることでも確認できる.

上記の補題 1 を用いて定理 1 を証明する .

(9)

定理

1

の証明

.

1. D が正多角形の場合

\ K (D) = K 0 (D) \ K \ 1 (D)

= K \ \ 1 (D) K \ 0 (D) ( ∵ K ∨ L \ = L ∨ b K b )

= K 1 (D) K \ 0 (D) ( ∵ K ∼ bb = K )

= K 0 ( D) b K \ 1 ( D) ( b ∵ 補題 1 より)

= K ( D) b 2. D が正多面体の場合

\ K (D) = K 0 (D) \ K \ 2 (D)

= K \ \ 2 (D) K \ 0 (D) ( ∵ K ∨ L \ = L ∨ b K b )

= K 2 (D) K \ 0 (D) ( ∵ K ∼ bb = K )

= K 0 ( D) b K \ 2 ( D) ( b ∵ 補題 1 より )

= K ( D) b

次に具体的な例を通して , 上記の定理が成立していることを確認する .

4 具体例

補題

2.

ハイパー群 K の指標表が対角線に関して対称ならば , K ∼ b = K が成立する . つまり , χ i (c j ) = χ j (c i ) ならば K ∼ b = K .

証明

.

ハイパー群の指標の定義より , χ i (c j c k ) = χ i (c ji (c k ) であり , χ i (c j c k ) = χ i

( n

ℓ=0

a jk c )

=

n ℓ=0

a jk χ i (c ) =

n ℓ=0

a jk χ (c i ) χ i (c ji (c k ) = χ j (c ik (c i ) = (χ j χ k )(c i )

よって ,

χ j χ k =

n ℓ=0

a jk χ

以上より題意は示された .

(10)

4.1 D が正多角形の場合

1 (D が正方形の場合 ).

まず , K 0 (D) = { h 0 , h 1 , h 2 } の構造式は h 2 1 = 1

2 h 0 + 1

2 h 2 , h 1 h 2 = h 2 h 1 = h 1 , h 2 2 = h 0 .

また , 指標表を求めると , 対称になっているので , K \ 0 (D) = K 0 (D) となる . さらに , K \ 1 (D) に関しては , 補題 1 より ,

K \ 1 (D) = K \ 0 ( D) = b K \ 0 (D)

となるので , K \ 1 (D) = K 0 (D) である . よって , それらのハイパー群接合和をとった K (D) = K 0 (D) K \ 1 (D) = { h 0 , h 1 , h 2 , ℓ 1 , ℓ 2 } の構造式は次のようになる.

h 2 1 = 1

2 h 0 + 1

2 h 2 , h 1 h 2 = h 2 h 1 = h 1 , h 2 2 = h 0 , h i j = j , 2 1 = 1

8 h 0 + 2

8 h 1 + 1

8 h 2 + 1

2 2 , ℓ 2 2 = 1

4 h 0 + 2

4 h 1 + 1

4 h 2 , ℓ 1 2 = 2 1 = 1 . 次に , このハイパー群 K (D) の指標表を求めると , 次の表 1 のようになる .

表 1 が対称になっているので, \ K (D) = K (D) が成り立つ.

1: K (D)

の指標表

h 0 h 1 h 2 1 2

χ 0 1 1 1 1 1

χ 1 1 1 1 0 1

χ 2 1 1 1 1 1 χ 3 1 0 1 0 0 χ 4 1 1 1 0 0

そして今, D b = D なので,

\ K (D) = K ( D) b

となり定理の成立が確認できる. 他の正多角形に関しても同様である.

4.2 D が正多面体の場合

2 (D が正四面体の場合 ).

K 0 (D) = { h 0 , h 1 } , h 2 1 = 1

3 h 0 + 2 3 h 1 , K \ 2 (D) = K \ 0 ( D) = b { 0 , ℓ 1 } , ℓ 2 1 = 1

3 0 + 2

3 1 .

(11)

となるので , K (D) = K 0 (D) K \ 2 (D) = { h 0 , h 1 , ℓ 1 } とすると , 構造式は次のように なる.

h 2 1 = 1

3 h 0 + 2

3 h 1 , h 1 1 = 1 , ℓ 2 1 = 1

12 h 0 + 3

12 h 1 + 2 3 1 . 次に , このハイパー群の指標表を求めると , 次の表 2 のようになる .

これが対称になっているので, \ K (D) = K (D) が成り立つ.

2: K (D)

の指標表

h 0 h 1 1 χ 0 1 1 1 χ 1 1 1 1 3 χ 2 1 1 3 0

そして今 , D b = D なので

\ K (D) = K ( D) b となり定理の成立が確認できる .

3 (D が正六面体の場合 ).

K 0 (D) = { h 0 , h 1 , h 2 , h 3 } の構造式は h 2 1 = h 2 2 = 1

3 h 0 + 2

3 h 2 , h 2 3 = h 0 , h 1 h 2 = h 2 h 1 = 2

3 h 1 + 1 3 h 3 , h 1 h 3 = h 3 h 1 = h 2 , h 2 h 3 = h 3 h 2 = h 1 .

また , K \ 0 (D) = { 0 , ℓ 1 , ℓ 2 } の構造式は 2 1 = 1

2 0 + 1

2 1 , ℓ 2 2 = 1 3 0 + 2

3 1 , ℓ 1 2 = 2 1 = 2 .

したがって, K (D) = K 0 (D) K \ 2 (D) = { h 0 , h 1 , h 2 , h 3 , ℓ 1 , ℓ 2 } の構造式は次のように なる .

h 2 1 = h 2 2 = 1

3 h 0 + 2

3 h 2 , h 2 3 = h 0 , h 1 h 2 = h 2 h 1 = 2

3 h 1 + 1 3 h 3 , h 1 h 3 = h 3 h 1 = h 2 , h 2 h 3 = h 3 h 2 = h 1 ,

2 1 = 1

16 h 0 + 3

16 h 1 + 3

16 h 2 + 1

16 h 3 + 1 2 1 , 2 2 = 1

24 h 0 + 3

24 h 1 + 3

24 h 2 + 1

24 h 3 + 2

3 1 , ℓ 1 2 = 2 1 = 2 , h i j = j . よって , 指標表は表 3 のようになる . そして , この指標表から K \ (D) の構造式は次の ようになる .

χ 2 1 = 1

4 χ 0 + 2

4 χ 1 + 1

4 χ 2 , χ 2 2 = χ 0 , χ 1 χ 2 = χ 2 χ 1 = χ 1 ,

(12)

3: K (D)

の指標表

h 0 h 1 h 2 h 3 1 2

χ 0 1 1 1 1 1 1

χ 1 1 1 1 1 1 2 0

χ 2 1 1 1 1 1 1

χ 3 1 1 3 1 3 1 0 0 χ 4 1 1 3 1 3 1 0 0 χ 5 1 1 1 1 0 0

χ 2 3 = χ 2 4 = 1

18 χ 0 + 4

18 χ 1 + 1

18 χ 2 + 2

3 χ 4 , χ 2 5 = 1

6 χ 0 + 4

6 χ 1 + 1 6 χ 2 , χ 3 χ 4 = χ 4 χ 3 = 2

3 χ 3 + 1

3 χ 5 , χ 3 χ 5 = χ 5 χ 3 = χ 4 , χ 4 χ 5 = χ 5 χ 4 = χ 3 , χ i χ j = χ j (i = 0, 1, 2, j = 3, 4, 5).

この構造式は確かに K ( D) b の構造式と一致しているので ,

\ K (D) = K ( D) b

となり定理の成立が確認できる . K ( D) = b { h 0 , h 1 , h 2 , ℓ 1 , ℓ 2 , ℓ 3 } の構造式は以下で ある .

h 2 1 = 1

4 h 0 + 2

4 h 1 + 1

4 h 2 , h 2 2 = h 0 , h 1 h 2 = h 2 h 1 = h 1 , 2 1 = 2 2 = 1

18 h 0 + 4

18 h 1 + 1

18 h 2 + 2

3 2 , ℓ 2 3 = 1

6 h 0 + 4

6 h 1 + 1 6 h 2 , 1 2 = 2 1 = 2

3 1 + 1

3 3 , ℓ 1 3 = 3 1 = 2 , ℓ 2 3 = 3 2 = 1 , h i j = j .

4.3 D が 4 次元の正多胞体の場合

4 次元の場合 , 正多胞体は 6 つに限ることが知られており , 各多胞体における i 次 元面の数 N i は次の表 4 のようになっている . さらに , 次のそれぞれの正多胞体のペ アが双対の関係にあることも知られている.

1. 自己双対関係にある:正五胞体 , 正二十四胞体

2. 双対関係:正十六胞体と正八胞体 , 正六百胞体と正百二十胞体

4 (D が正五胞体の場合 ).

D の 0 次元面と 1 次元面との接続の仕方をグラフで表すと , 完全グラフ K 5 となる . K 0 (D) = K 3 ( D) b となる . さらに , 完全グラフ K n+1 からはハイパー群 Z

1

n

(2) が得ら れるので , K 0 (D) = Z

1

4

(2) である . したがって , K d (D) = { χ 0 , χ 1 , χ 2 } の構造式は次 の通りであり , 定理の成立が確認できる .

χ 2 1 = 1

4 χ 0 + 3

4 χ 1 , χ 1 χ 2 = χ 2 χ 1 = χ 2 , χ 2 2 = 1

20 χ 0 + 4

20 χ 1 + 3

4 χ 2 .

(13)

4: 4

次元の正多胞体の

i

次元面

N i

の個数

多胞体 N 0 N 1 N 2 N 3 N 4 正五胞体 5 10 10 5 1 正十六胞体 8 24 32 16 1 正二十四胞体 24 96 96 24 1 正六百胞体 120 720 1200 600 1 正八胞体 16 32 24 8 1 正百二十胞体 600 1200 720 120 1

5 (D が正十六胞体の場合 ).

次に , D が正十六胞体の場合について . この場合 , 0 次元面の個数は 8 個であり , 1 次元面の個数は 24 個である . 接続の仕方を平面グラフに表すと , 次の図 1 のように なる . したがって , K 0 (D) = { h 0 , h 1 , h 2 } の構造は次のようになる .

1: D

が正十六胞体の平面グラフ

h 2 1 = 1

6 h 0 + 4

6 h 1 + 1

6 h 2 , h 1 h 2 = h 2 h 1 = h 1 , h 2 2 = h 0 .

次に, K \ 3 (D) については, K 3 (D) = K 0 ( D) b となり, D b は正八胞体である. したがっ て , K 3 (D) = { 0 , ℓ 1 , ℓ 2 , ℓ 3 , ℓ 4 } の構造式は次のようになる .

2 1 = 1 4 0 + 3

4 2 , ℓ 1 2 = 2 1 = 1 2 1 + 1

2 3 , ℓ 1 3 = 3 1 = 3 4 2 + 1

4 4 , 1 4 = 4 1 = 3 , ℓ 2 2 = 1

6 0 + 4 6 2 + 1

6 4 , ℓ 2 3 = 3 2 = 1 2 1 + 1

2 3 , 2 4 = 4 2 = 2 , ℓ 2 3 = 1

4 0 + 3

4 2 , ℓ 3 4 = 4 3 = 1 , ℓ 2 4 = 0 .

これより K 3 (D) の指標表は表 5 のように対称になる. よって K \ 3 (D) = K 3 (D). これ らより , K (D) = K 0 (D) K \ 3 (D) = { h 0 , h 1 , h 2 , ℓ 1 , ℓ 2 , ℓ 3 , ℓ 4 } の構造式は以下のように なる .

h 2 1 = 1

6 h 0 + 4

6 h 1 + 1

6 h 2 , h 1 h 2 = h 2 h 1 = h 1 , h 2 2 = h 0 , h i j = j , 2 1 = 2 3 = 1

32 h 0 + 6

32 h 1 + 1

32 h 2 + 3

4 2 , ℓ 2 2 = 1

48 h 0 + 6

48 h 1 + 1

48 h 2 + 4 6 2 + 1

6 4 ,

(14)

5: K 3 (D)

の指標表

0 1 2 3 4

χ 0 1 1 1 1 1

χ 1 1 1 2 0 1 2 1 χ 2 1 0 1 3 0 1 χ 3 1 1 2 0 1 2 1 χ 4 1 1 1 1 1

2 4 = 1

8 h 0 + 6

8 h 1 + 1

8 h 2 , ℓ 1 2 = 2 1 = 1 2 1 + 1

2 3 , ℓ 1 3 = 3 1 = 3 4 2 + 1

4 4 , 1 4 = 4 1 = 3 , ℓ 2 3 = 3 2 = 1

2 1 + 1

2 3 , ℓ 2 4 = 4 2 = 2 , ℓ 3 4 = 4 3 = 1 . よって, K (D) の指標表は次の表 6 のようになる. 以上より,

6: K (D)

の指標表

h 0 h 1 h 2 1 2 3 4

χ 0 1 1 1 1 1 1 1

χ 1 1 1 1 1 1 1 1 χ 2 1 1 1 0 1 3 0 1 χ 3 1 1 1 1 2 0 1 2 1 χ 4 1 1 1 1 2 0 1 2 1

χ 5 1 0 1 0 0 0 0

χ 6 1 1 3 1 0 0 0 0

K \ (D) = { χ 0 , χ 1 , χ 2 , χ 3 , χ 4 , χ 5 , χ 6 } の構造式は以下の式のようになる.

χ 2 1 = χ 0 , χ 1 χ 2 = χ 2 χ 1 = χ 2 , χ 1 χ 3 = χ 3 χ 1 = χ 4 , χ 1 χ 4 = χ 4 χ 1 = χ 3 , χ 1 χ 5 = χ 5 χ 1 = χ 5 , χ 1 χ 6 = χ 6 χ 1 = χ 6 , χ 2 2 = 1

6 χ 0 + 1

6 χ 1 + 4 6 χ 2 , χ 2 χ 3 = χ 3 χ 2 = 1

2 χ 3 + 1

2 χ 4 , χ 2 χ 4 = χ 4 χ 2 = 1

2 χ 3 + 1

2 χ 4 , χ 2 χ 5 = χ 5 χ 2 = χ 5 , χ 2 χ 6 = χ 6 χ 2 = χ 6 , χ 2 3 = χ 2 4 = 1

4 χ 0 + 3

4 χ 2 , χ 3 χ 4 = χ 4 χ 3 = 1

4 χ 1 + 3 4 χ 2 ,

χ 3 χ 5 = χ 5 χ 3 = χ 5 , χ 3 χ 6 = χ 6 χ 3 = χ 6 , χ 4 χ 5 = χ 5 χ 4 = χ 5 , χ 4 χ 6 = χ 6 χ 4 = χ 6 , χ 2 5 = 1

64 χ 0 + 1

64 χ 1 + 6

64 χ 2 + 4

64 χ 3 + 4

64 χ 4 + 48

64 χ 6 , χ 5 χ 6 = χ 6 χ 5 = χ 5 , χ 2 6 = 1

48 χ 0 + 1

48 χ 1 + 6

48 χ 2 + 4

48 χ 3 + 4

48 χ 4 + 32

48 χ 6 .

(15)

5 一元生成有限可換一般分岐則代数から得られるグラフ

有限群 G とその部分群 G 0 の誘導と制限からフロベニウス図形 D( G b G c 0 ) が得ら れる . また , GG 0 に対して , ペア (G, G 0 ) が admissible pair であるとき , 有限可換 ハイパー群 K ( G b G c 0 ) が得られる [2]. しかし, K ( G b G c 0 ) と D( G b G c 0 ) との関係は 1 対 1 ではない . よって , 我々は一般分岐則代数の表現を導入し , グラフとハイパー 群との対応について考察する .

定義

11 (有限一般分岐則代数).

有限集合 F = { X 0 , X 1 , . . . , X n } に対して , F を基底とする代数的な線形空間を C F :=

{ µ =

n k=0

a k X k : a k C }

とおく . C F において , 合成積 と対合 が定義されていて , (GF 1) C FX 0 を単位元とする , 結合律を満たす -algebra.

(GF 2) X i , X j F に対し, X i X j =

n k=0

a k ij X k であり, a k ij Z + = { 0, 1, 2, . . . } . (GF 3) F が対合 で不変である . さらに , X i = X j となる必要十分条件は X 0

supp(X i X j ).

を満たすとき , F = (F, C F, , ) を有限一般分岐則代数という . ただし , supp(µ) = { X k : a k ̸ = 0 } . さらに, 合成積 に関して可換であるとき, 有限可換一般分岐則代数 と呼ばれている .

定義

12 ( 一元生成有限可換一般分岐則代数 ).

F := { X 0 , X 1 , . . . , X n } を有限可換一般分岐則代数とする . = 2, 3, . . . , n に対して ,

X 1 =

k=0

b kℓ X k (b ℓℓ ̸ = 0, b kℓ Z + )

のとき, F を生成元 X 1 の一元生成有限可換一般分岐則代数と呼ぶ. なお, 以降では 特に記載がない限り , 単に一般分岐則代数といったときには一元生成有限可換一般 分岐則代数を指すものとする .

定義

13 ( 次元関数 ).

F = { X 0 , X 1 , . . . , X n } が一般分岐則代数のとき, C F から C への準同型写像 dd(X j ) > 0 を満たすとき , dF の次元関数と呼ばれている .

定義

14 ( 一般分岐則代数の表現 ).

F := { X 0 , X 1 , . . . , X n }X 1 を生成元とする一般分岐則代数とする. C F から M(m, C ) への - 準同型写像 β が以下の条件をみたすとき , βF の表現という .

β(X 0 ) = I

β(X j ) の行列成分が全て非負の整数

(16)

また , Ω = { 1, 2, . . . , m } とする . 表現 β が既約であるとは , β(X k ) M (m, C ) を Ω への作用と考えたとき, S を Ω の空でない部分集合としたときに, s S, X k ∈ F に 対して ,

supp(β(X k )s) S S = Ω であるときをいう . また , 表現 β

β(X k ) = β(X k )

をみたすとき , β - 表現という . また , mF を正規化して得られるハイパー群 K の重みと等しいとき , β を極大表現という .

定義

15 ( 正規化されたハイパー群 ).

F = { X 0 , X 1 , . . . , X n } を一般分岐則代数とする . ここで , 次元関数 d を用いて , c i := 1

d(X i ) X i

とおく. このとき, K = { c 0 , c 1 , . . . , c n } は有限可換ハイパー群となる. この KF の正規化されたハイパー群という .

このように定義すれば, ハイパー群ができることを確認する.

証明

.

公理 (H1) から (H3) までを確認する . 公理 (H1), (H3) については , それぞれ一般分岐 則代数の公理 (GF 1), (GF 3) から直ちに従う . (H2) については , X i X j =

n k=0

b k ij X k だったので,

d(X i X j ) = d ( n

k=0

b k ij X k )

=

n k=0

b k ij d(X k ) (3)

となるから ,

c i c j = 1

d(X i )d(X j ) X i X j

= 1

d(X i X j ) X i X j ( ∵ d は次元関数なので準同型 )

= 1

d(X i X j )

n k=0

b k ij X k

= 1

d(X i X j )

n k=0

b k ij c k d(X k ) ( ∵ 正規化されたハイパー群の定義 )

=

n

k=0 b k ij d(X k ) d(X i X j ) c k

であり, 係数の部分に注目すると, 式 (3) より, 係数の和が 1 であるので成立してい

る . よって , 公理 (GF 2) を満たす . 以上より , K はハイパー群である .

(17)

定義

16 ( ハイパー群 K = { c 0 , c 1 , . . . , c n } の元 c i の重み w(c i )).

ハイパー群 K = { c 0 , c 1 , . . . , c n } において, 定義より, c i c i = a 0 ii c 0 +

n k=1

a k ij c k (a 0 ii ̸ = 0) とかけるので ,c i の重み w(c i ) を次式で定義する .

w(c i ) := 1 a 0 ii また , ハイパー群 K の重み w( K ) を

w( K ) :=

n k=0

w(c i ) で定義する .

命題

1.

F = { X 0 , X 1 , . . . , X n } を一般分岐則代数 , K = { c 0 , c 1 , . . . , c n }F を正規化して 得られるハイパー群とする . w(c i ) を c i の重み , b 0 (X i ) を X i X i X 0 の係数とし たとき,

w(c i ) = d(X i ) 2 b 0 (X i ) が成立する .

証明

.

c i c i を計算することで得られる. ここで, d(X i ) が実数であることから, d(X i ) = d(X i ) = d(X i ) であることに注意する .

c i c i = ( 1

d(X i ) X i )

( 1

d(X i ) X i )

= 1

d(X i ) X i ( 1

d(X i ) )

X i

= 1

d(X i ) X i 1 d(X i ) X i

= 1

d(X i ) 2 X i X i

= 1

d(X i ) 2 (

b 0 (X i )X 0 +

n k=1

b k ii X k

)

= b 0 (X i ) d(X i ) 2 c 0 +

n k=1

b k ii d(X k )c k となるので , w(c i ) の定義より ,

w(c i ) = d(X i ) 2

b 0 (X i )

(18)

この命題 1 を用いてさらに次の命題 2 を証明する .

命題

2.

一般分岐則代数の次元関数は , 存在するならばそれはただ一つである .

証明

.

命題 1 より ,

w(c i ) = d(X i ) 2 b 0 (X i ) であるから ,

d(X i ) 2 = b 0 (X i )w(c i )

となる . ここで , 正規化していない不変測度を e K とする . つまり , e K = w(c 0 )c 0 + w(c 1 )c 1 + · · · + w(c n )c n 右辺を計算すると ,

e K = w(c 0 )c 0 + w(c 1 )c 1 + · · · + w(c n )c n

= c 0 + d(X 1 ) 2

b 0 (X 1 ) c 1 + · · · + d(X n ) 2

b 0 (X n ) c n ( ∵ 命題 (1))

= X 0 + d(X 1 )

b 0 (X 1 ) X 1 + · · · + d(X n )

b 0 (X n ) X n ( ∵ 正規化されたハイパー群の定義 )

そして , e K は不変測度なので , c i e K = e K つまり , ( 1

d(X i ) X i )

e K = e K よって , 次式が得られる .

X i e K = d(X i )e K

この式の両辺に d と異なる次元関数 d 1 をとると , d 1 (X i e K ) = d 1 (d(X i )e K )

d 1 (X i )d 1 (e K ) = d(X i )d 1 (e K ) ( ∵ d 1 は次元関数なので準同型 ) d 1 (X i ) = d(X i ) ( ∵ 両辺 d 1 (e K ) ̸ = 0 で割った )

以上の準備の下, 次の定理 2 が得られた.

定理

2.

FX 1 を生成元とする一元生成の一般分岐則代数とする. KF を正規化して 得られるハイパー群とする . F の表現 β から , グラフ D(β) が得られ ,

K ∼ = K d (D(β))

である .

(19)

証明

.

命題 1, 2 より, 一般分岐則代数 F から, それを正規化してハイパー群が得られる ことは証明できている . K から K d (D(β)) への写像 π が準同型であることを示す . π(c i ) := 1

d(X i ) β(X i ) としたとき , π(c i c j ) = 1

d(X i X j ) β(X i X j )

= 1

d(X i )d(X j ) β(X i )β(X j ) ( ∵ β, d は準同型)

= 1

d(X i ) β(X i ) 1

d(X j ) β(X j )

= π(c i )π(c j ).

5.1 一般分岐則代数 F n から得られるグラフ K n+1

定義

17.

自然数 n に対して , 一般分岐則代数 F n, 次のように定義する . F n = { X 0 , X 1 } , X 1 2 = nX 0 + (n 1)X 1 . これは一元生成の一般分岐則代数である .

6 (一般分岐則代数 F n から得られるグラフ K n+1 ).

K を一般分岐則代数 F nn は自然数)を正規化して得られるハイパー群とする . F n の表現 β に対して , D(β) が得られ ,

K ∼ = K d (D(β)) である.

証明

.

F n := { X 0 , X 1 } , X 1 2 = nX 0 + (n 1)X 1 とする . F n = { X 0 , X 1 } , X 1 2 = nX 0 + (n 1)X 1 . ここで,

β(X 0 ) =

 

 

 

1 0 . . . 0 0 1 . . . 0 .. . .. . . .. ...

0 0 . . . 1

| {z }

n + 1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

n + 1 , β(X 1 ) =

 

 

 

0 1 . . . 1 1 0 . . . 1 .. . .. . . .. ...

1 1 . . . 0

| {z }

n + 1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

n + 1

とすれば , これは既約 - 表現 β である . そして , X 1 2 = nX 0 + (n 1)X 1 より , 次元関 数を求めると,

d(X 0 ) = 1, d(X 1 ) = n

(20)

となる .

c 0 := 1

d(X 0 ) X 0 = X 0 , c 1 := 1

d(X 1 ) X 1 = 1 n X 1 .

と定義し正規化することによって , ハイパー群が得られそれを K とする . その構造 式は ,

c 2 1 = 1 n X 1 1

n X 1

= 1 n 2 X 1 2

= 1

n 2 (nX 0 + (n 1)X 1 )

= 1

n X 0 + n 1 n 2 X 1

= 1

n c 0 + n 1 n 2 nc 1

= 1

n c 0 + n 1 n c 1

となり, K はハイパー群となる. 一方, β(X 1 ) を隣接行列にもつグラフは, n + 1 個の 頂点を互いにすべて辺で結んだグラフ(完全グラフ) K n+1 であり , このグラフから 得られるハイパー群は先のハイパー群 K と一致する . つまり ,

K ∼ = K d (D(β))

が成立している . 以下の図は , 各 n の値における完全グラフ K n+1 である .

,...

, ,

n = 2 n = 3 n = 4

次に一つ具体例を示す .

7 ( 一般分岐則代数 F 3 から得られるグラフ K 4 ).

これは, 上記の例の n = 3 の場合である. F 3 := { X 0 , X 1 } , X 1 2 = 3X 0 + 2X 1 とす る . β(X 0 ), β(X 1 ) をそれぞれ次で定義する .

β(X 0 ) :=

 

 

1 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1

 

  , β(X 1 ) :=

 

 

0 1 1 1 1 0 1 1 1 1 0 1 1 1 1 0

 

  .

これは表現である . そして , X 1 2 = 3X 0 + 2X 1 より , 次元関数を求めると , d(X 0 ) = 1, d(X 1 ) = 3

となる .

c 0 := 1

d(X 0 ) X 0 = X 0 , c 1 := 1

d(X 1 ) X 1 = 1

3 X 1 .

(21)

と定義し正規化することによって得られるハイパー群を K とする . その構造式は , c 2 1 = 1

3 X 1

1 3 X 1

= 1 3 2 X 1 2

= 1

3 2 (3X 0 + 2X 1 )

= 1

3 X 0 + 2 3 2 X 1

= 1

3 c 0 + 2 3 2 3c 1

= 1 3 c 0 + 2

3 c 1

となり , K はハイパー群となる . 一方 , β(X 1 ) を隣接行列にもつグラフは , 4 個の頂点 を互いにすべて辺で結んだグラフ(完全グラフ) K 4 であり , このグラフから得られ るハイパー群は先のハイパー群 K と一致することが確認できるので,

K ∼ = K d (D(β)) が成立している .

8 (一般分岐則代数 F から得られる正四角形のグラフ).

F = { X 0 , X 1 , X 2 } , X 1 2 = 2X 0 + 2X 2 , X 2 2 = X 0 , X 1 X 2 = X 1

は一元生成の一般分岐則代数となり ,

β(X 1 ) :=

 

 

0 1 0 1 1 0 1 0 0 1 0 1 1 0 1 0

 

  , β(X 2 ) :=

 

 

0 0 1 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 1 0 0

 

 

と定義すれば ,

β(X 1 ) 2 = 2β(X 0 ) + 2β(X 2 ) , β(X 2 ) 2 = β(X 0 ) , β (X 1 )β(X 2 ) = β(X 1 )

となる. したがって, β は既約 -表現. この β(X 1 ) を隣接行列とみると, 正四角形の 無向グラフが得られ , そのグラフから得られるハイパー群と , F n を正規化して得ら れるハイパー群は一致する .

6 おわりに

以上のように , ハイパー群の双対と幾何学における双対との関係について考察で

きた. また, ハイパー群とグラフとの関係についても考察ができた. 今後の課題とし

ては , 今回はハイパー群接合和を用いてハイパー群のの双対と幾何学的双対との関

係を考察したが , ハイパー群接合和を用いない場合でも成立する例について研究し

ていきたい. 最後になりましたが, ここまでご指導いただいた河上哲先生, 釣井達也

さん , 同じ研究室の仲間にお礼を申し上げます .

(22)

参考文献

[1] S. Kawakami, M. Sakao, T. Tsurii and S. Yamanaka: Signed Actions of Finite Hypergroups and the Extension Problem, Bull. Nara Univ. Educ., Vol. 61(2012), No. 2, 13-24.

[2] H. Heyer, S. Kawakami, T. Tsurii and S. Yamanaka: Hypergroups Related to a Pair of Compact Hypergroups, SIGMA 12(2016), 111, 17pages.

[3] S. Kawakami, I. Mikami, T, Tsurii and S. Yamanaka: Actions of Finite Hyper- groups and Applications to Extension Problem, Bull. Nara Univ. Educ., Vol.

60(2011), No. 2, 19-28.

表 3: K (D) の指標表 h 0 h 1 h 2 h 3 ℓ 1 ℓ 2 χ 0 1 1 1 1 1 1 χ 1 1 1 1 1 − 1 2 0 χ 2 1 1 1 1 1 − 1 χ 3 1 1 3 − 13 − 1 0 0 χ 4 1 − 1 3 − 13 1 0 0 χ 5 1 − 1 1 − 1 0 0 χ 2 3 = χ 24 = 1 18 χ 0 + 4 18 χ 1 + 1 18 χ 2 + 23 χ 4 , χ 25 = 16 χ 0 + 46 χ 1 + 1 6 χ 2 , χ 3
表 4: 4 次元の正多胞体の i 次元面 N i の個数 多胞体 N 0 N 1 N 2 N 3 N 4 正五胞体 5 10 10 5 1 正十六胞体 8 24 32 16 1 正二十四胞体 24 96 96 24 1 正六百胞体 120 720 1200 600 1 正八胞体 16 32 24 8 1 正百二十胞体 600 1200 720 120 1 例 5 (D が正十六胞体の場合 )
表 5: K 3 (D) の指標表 ℓ 0 ℓ 1 ℓ 2 ℓ 3 ℓ 4 χ 0 1 1 1 1 1 χ 1 1 1 2 0 − 12 − 1 χ 2 1 0 − 1 3 0 1 χ 3 1 − 1 2 0 12 − 1 χ 4 1 − 1 1 − 1 1 ℓ 2 4 = 1 8 h 0 + 68 h 1 + 18 h 2 , ℓ 1 ℓ 2 = ℓ 2 ℓ 1 = 12 ℓ 1 + 12 ℓ 3 , ℓ 1 ℓ 3 = ℓ 3 ℓ 1 = 34 ℓ 2 + 14 ℓ 4 , ℓ 1 ℓ 4 = ℓ 4

参照

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