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杉田貴行 ・大井正己 ‡

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(1)

奈良教育大学学術リポジトリNEAR

中学生の学校生活に関する意識調査(I) ―大阪 府下のある公立中学校の場合―

著者 杉田 貴行, 大井 正己

雑誌名 奈良教育大学教育研究所紀要

巻 29

ページ 63‑79

発行年 1993‑03‑01

その他のタイトル The finding of a campas‑life at public junior high school in Osaka

URL http://hdl.handle.net/10105/6814

(2)

中学生の学校生活に関する意識調査(I)‡

      大阪府下のある公立中学校の場合一

杉田貴行 ・大井正己 ‡

(英国四天王寺学園)   (障害児学研究室)

要旨:現代の公立中学校が様々な問題をかかえていることは周知の事実である。

思春期という人格形成の分岐点をむかえ、教育の重要性が問われる一つのヤマ 場にさしかかったともいえるだろ㌔本調査は・公立中学校に学ぶ生徒が教師 に何を求め、またどのような気持ちで学校生活を送っているのかを探るために、

大阪府下のある公立中学校2年生を対象に行ったものであ乱その結果、いか に生徒が教師とのコミュニケーションを望んでいるか、学業への不安が強いか という実態が明らかになっ㍍教師の役割の重要性・友達をもつことの大切さ・

家庭教育のあり方などを中心に若干の考察を試みることにした。

キーワード:教育の使命、教師と生徒の対話、教師と生徒の信頼関係

 教育者の使命は、社会からの要求を的確に理解し、学習者である生徒にそれを感じとらせ、適 切に援助を実行し、生徒一人ひとりの要求や能力や心的状態を正しく理解することである。つま

り、社会の側と生徒の側の二つの次元からの要求やバランスが適切に保たれるように配慮するこ とである。これまでの教育評価においては、ともすれば設定された社会的要請に対して、生徒が どのように反応することができるのかを評定することに重点がおかれることが多かった。このよ うな教育評価からは、いろいろな社会的要請に関して、一人ひとりの成長や学習が平均的である か、平均以上であるか、平均以下であるか、が量的評定の形で示されることは可能であるが、生 徒一人ひとりの心的状態を正しく理解することは困難である。しかしながら、将来的展望の中で 学校においては、これからの社会において心豊かに主体的、創造的に生きることのできる能力や 資質の育成を図ることをねらいとしなければならない。学校教育の柔軟な対応が求められてなら ない。ともすれば、閉鎖的な環境に陥りやすい今日のわが国の教育界において、解放化が叫ばれ

 The finding of a campas−1ife at pub1ic junior high schooユin Osaka

,・ sakayuki Sugita

 (Academy of Shitennoji in United Kingdam of Great Britain&

  Northern Ire1and)

lasami Ohi

 (Department of research for Handicapped Chi1dren,Nara University of Education)

(3)

るのも当然である。換言すれば、新学習指導要領が目標とする教育の実現に向けて取り組むとと もに、地域に開かれた学校づくりを推進することなどが考えられる。つまり、地域社会や家庭に おいては、子どもが主体的に使うことのできる時間を確保し、子ども一人ひとりがもてるものを 十分に発揮しながら、生活できるようにすることを基本として対応していくことが非常に重要に なるのである。特に、地域社会や家庭においては、異年齢の子どもによる遊び、自然とのふれあ い、スポーツや文化活動、生活体験などを豊かにすることが求められているのである。このよう な教育を実現するためには、教育者、親、をはじめ、スポーツ・文化団体、青少年団体などの関 係者の理解と協力に負うところが非常に大きいと考えられ孔

 Graham,K.G.(1989) 〕は、例えば体育の授業の中での教師と生徒の行動を鮮明に把握で きるような研究モデルは存在しないと述べ、様々な視点と展望をもった上ではじめて、教師と生 徒の行動が把握できる、としている。

 Hayes,D.M.et a1.(1990) 〕は、生徒の成長を助長するためには、生徒の自尊心を尊重し、

自尊心を育むためには、健康教育の一環として自尊心に関する心理検査の実施による認知的方法 と学級活動を通しての自尊心の増大の二つを紹介している。

 Parish,T.S.et a1(1990)3〕は、社会的交流の技術を増大させるためには、まずJung,C.

G.の人格タイプに基づく個々人の人格タイプの把握とMerri1,D,W.らのSocia1Sty1eを確 認させることが重要だとしている。その上で交流のとりにくい相手を確認すると、本人にとって 交流のとりにくい相手を決定する要因としては、本人自身の生育歴や人格タイプや個々人の考え 方によることが大きいとしてい乱

 Simmons,R,G.et a1.(1973)4)は・青年期の自己イメージの乱れに関して、質問紙法を作 成し、その質問紙により、小学生、中学生、高校生の自己イメージの比較を試みているが、それ によると12歳と13歳の間で顕著な自己イメージの乱れについての得点差が見られると報告してい る。つまり、物理的には一年間であるが、人生の中ではしめる割合は大きいということになる。

なお、この質問紙は自己意識尺度、自己安定性尺度、自尊心尺度、自己イメージ統制尺度、自己 イメージ知覚尺度、両親尺度、教師尺度、親友尺度、抑うつ情緒尺度の10の尺度から成り立って おり、青年(前期)の人格タイプ把握や考え方を理解するのに役立つものだと考えられる。

 さらに、生徒の不適応や問題傾向の発見や診断とは、本質的に、一人ひとりの生徒の人格や行 動を理解するために、科学的な知識や技術を適応することにほかならないことを、確認しておく 必要がある。この意味では、いかなる科学的研究とも同じ目標をもっことになるといってよい。

つまり、不適応や問題傾向の発見・診断に携わる人の場合には、自分で問題を選択し決定するこ とができない。すなわち、研究すべき対象から直接与えられる情報に頼らざるをえない。生徒の 保護者あるいは教師から与えられる問題の解決に到達するために必須の過程が、診断(aSSeSSm ent)と呼ばれるものであるとすれば、生徒自身から与えられる情報は、問題の発見(deteCtion)

に結びつくものであろう。

 ということは、教職員一体となった生徒指導関係の事業を活発に起こし、柔軟な対応を日頃か ら実践しておかなければならない。文部省によると、小・中・高等学校や教育委員会において、

(4)

生徒指導主事を対象に、教員研修「生徒指導講座」を年一回三週間程度宿泊により実施し、指定 校制による生徒指導実践や生徒指導啓発のための会議の実施も行われている5〕。

 市町村独自の生徒指導関連の事業も活発に行われている。例えば、杉田州が報告した遊戯療 法の実践場所はS市立教育研究所であり、同研究所は市内の小・中学校を対象とするだけでなく、

広く地域の青少年の健全なる育成に貢献していることが報告されている7)。

 ともあれ、臨床心理学あるいは教育心理学、また人格・知能心理学の立場からすれば、公立中 学校の学校生活の中での様々な中学生の行動を把握し、実態をとらえなければ、現在の公立中学 校の複雑な問題が発生する原因を解明することなどできないと考えられる。

 従って、本調査はすでに実施した生徒指導の実態調査(杉田・大井1991)。川の関連調査とし て、生徒自身の回答により、学校生活の実態を把握し、今後の生徒指導の方向性を考える際の参 考資料として提示することを目的とし㍍

I.質問紙作成

 先の研究(杉田・大井1991)目川の因子分析により抽出された各因子に基づき「学校生活」、

「他人と自分」、「心身の悩み」、「勉強」、「親子関係」という5つの概念を基本として設定した。

次に5概念に対して、公立中学校教師15名、臨床心理学専門職2名、中学生10名に、それぞれ日 時、場所を別々にし、自由連想をしてもらい、短い文章の作成を依頼した。その後、作成された 約200あまりの文章の中から、具体的な学校生活の内容を示しているもの、心身の悩みをあらわ

しているもの、分かりやすい表現であるもの、といった基準により筆者ら2名と公立中学校の学 校長1名、教頭2名の計4名で30の質問項目と5つの自由記述項目を設定した。さらに、もう一 度同じメンバーで評定した結果、大項目I(書き出し指定の自由記述で、教師、親、親友に対し て)の3つの自由記述、大項目1I(書き出し指定の自由記述で、好きな教師のタイプに関して)

の1つの自由記述・大項目皿の25の質問項目(「勉強」に関する項目1〜6.「自己の学校生活」

に関する項目7〜15.「対人関係」に関する項目16〜21.「自己評価」に関する項目22〜25)、大 項目W(書き出し指定なしで、授業に関して)の1つの自由記述から成る本調査に使用する質問 調査用紙が最終的に作成された。また、調査対象者である中学生の動揺や保護者・教師の動揺を 防ぐために、質問調査用紙配布にあたっては、筆者が直接この調査の意図を詳細に説明した。

(付表参照)

lI.調査方法

 大阪府下S市にある公立中学校を調査対象校に設定した。現場の負担を配慮して、中間学年で ある2年生を調査対象学年とし、8学級のうち質問紙作成に携わった10人の所属する4学級を除 いて残り4学級の生徒に調査を依頼した。全調査人数は142名(男:78名 女:64名)、A組36名

(男20名、女16名)・B組35名(男19名、女16名)・C組36名(男20名、女16名)・D組35名

(男19名、女16名)である。ただし、ここに示した入数は調査実施の際の人数であり、学級在籍 人数ではない。調査の実施は、平成4年6月に4つの学級まで出向いて、集団形式で無記名によ

(5)

り、質問調査用紙に記入を依頼した。当日の出席者全員に実施し、回収率は100%であった。

皿 結果と考察

1 学校生活で生徒が教師に望むこと

表1は生徒が教師にどんなことを望んでいるかを聞いた結果である。上位をしめているのは、

表1散師に対する生徒からの要望

上 位 回 答内 容 合計

①生徒の気持ちを理解して欲しい。 34名 44名 78名

②うまく授業をして欲しい。 29名 35名 64名

③すぐに怒らないで欲しい。 26名 31名 57名

④生徒にあわせて欲しい。 22名 27名 49名

⑤えこひいきしないで欲しい。 16名 27名 43名

⑥叱るときは叱って欲しい。 19名 22名 41名

⑦意味の分からないことを言わないで欲しい。 14名 23名 37名

⑧ どんなときでも質問に答えて欲しい。 12名 14名 26名

⑨板書をきれいに書いて欲しい。 12名 13名 25名

⑩黒板に書くのが早すぎる。 9名 8名 17名

生徒の気持ちを理解して欲しい、うまく授業をして欲しい、すぐに怒らないで欲しい、という要 求であ孔教師と生徒のコミュニケーション不足が如実に現れている結果と考えられ乱筆頭に 挙げられている「気持ちを理解して欲しい」という表現の中にそれが端的に象徴されている。う まく授業をして欲しい、すぐに怒らないで欲しい、という表現の中には教師のひとりよがりの授 業への批判が込められており、教師は一入ひとりの生徒を平等に取り扱うべきだという主張があ る。教師は平等を前提とした上できびしさを表現するべきだと、生徒は求めているのである。そ れを理解した上で、生徒にあわせて欲しい、えこひいきしないで欲しいなどを見ていくならば、

次の叱るときは叱って欲しいという表現に、教師の「愛のムチ」を受け入れる余裕のあることが 示されている。現代の中学生は、一世代前の生活様式とは異なり親とのコミュニケーションにお いて、「甘える」あるいは「叱られる」といった関係が希薄になってしまっている。それ故に、

家庭ではもはや存在しにくくなっているコミュニケーションを、学校という場の中で求めている ものと考えられる。このことからも、思春期には強い独立への欲求が生じるが、同時に、今まで 頼っていた家庭への依存心も共存するので不安定な心理状態に陥り易いことが分かる。そこで教 師はこの思春期という、社会から認められた心理社会的モラトリアム(Erikson,E.H.りの期 間に対する配慮を忘れてはならないであろう。

 ともすれば教育者である教師は、生徒はこうあるべきだとか、その教師自身の持っ理想の生徒 像を勝手に描いてしまい、できるだけ画一的にそれに生徒を近づけさせようとする傾向がある。

(6)

このことは「生徒に合わせて欲しい」という回答内容からも見てとれる。個性化・個別化が叫ば れている今日のわが国の教育界において、このスローガンを言葉だけではなくして行動で実践で きるような教師が求められてやまないのである。

 ところで、自己の連続性、不変性の感覚の上に、一定集団内における自己の役割の達成などに よって確立される肯定的自己像は自我同一性と呼ばれ、特に青年が自我同一性を確立するために、

種々の試み(社会的遊びsocia1p1ay)を行う期問はモラトリアム(猶予期間)と呼ばれている。

モラトリアムに行われる社会的遊びが障害を受け、社会的な自己同一性を確立するに至らない状 態をr同一性拡散(iden七i七y diffusion)」という。現代社会では同一性拡散を保持し、モラト

リアムにとどまろうとする人間の存在も注目されている。

 そこで、そのようなモラトリアムに陥る危険の予測ができるような生徒に対しても、教師は生 徒が自ら建設的な活動をしたくなるような雰囲気づくりに心掛け、生徒が自ら行動したくなるよ

うにしなければならない。生徒が教師のびたむきな情熱ある教育実践を目の当たりにして、教師 への尊敬の念を深めていくような関係こそが、教師と生徒の健全な関係だといえるであろう。こ の表1の結果は・現実と理想的な教師一生徒関係におけるギャップがまだまだ大きいということ を示唆しているのである。

2 生徒が望む教師像

表2は、生徒がどのような教師を求めているかに関して質問した結果である。これを見ると、

表2 生徒が求める教師像

上位回答内容

合計

① 生徒の話をよく聞いてくれる先生。 24名 26名 50名

② 授業を分かりやすく教えてくれる先生。 20名 27名 47名

③優しくておもしろい先生。 15名 18名 33名

④ 叱るときは真剣に叱ってくれる先生。 15名 15名 30名

⑤ えこひいきや無視を絶対にしない先生。 12名 17名 29名

生徒の話をよく聞いてくれる先生と授業を分かりやすく教えてくれる先生という回答内容が多い。

このことは、先にも述べたように生徒が教師とのコミュニケーションをいかに求めているかを示 している。。もちろん、これは教師の責任だけでは決してない。家庭にも大いに問題があるのだろ う。本来、家庭内で解決しておく問題まで学校という場に持ち出されることの多い現在、教師の 過剰負担も考慮しなければならない。何でもすぐに教師に負担がかかるあまり、教師もっいっい 生徒の正当な主張を見落としてしまい、無視することもあるだろう。しかし、本当に生徒の主張 に耳を傾けることが大切なのである。

 次に授業の問題であるが、一学級40名もの生徒を対象にして授業を実施するのが、わが国の公 立中学校の現状である以上、どうしても全員に満足し納得してもらえる授業の実施は可能性とし

(7)

ては低くなるのも当然である。また生徒自身の勉強に対する取り組み姿勢にも問題はあるだろう。

それでも限りなく完壁なる授業方法を摸索し研究し実施する努力は、教師に課せられた使命であ る。この表の結果を検討して痛感させられるのは、生徒に対する学校関係者の理解や認識がまだ まだ不十分であるということになろう。生徒の示す様々な行動がどのような意味をもっているの か、それを的確にとらえることが、教育者たる者の第一のっとめであろう。それによってはじめ て、好ましい変化への手掛かりをつかむことができるのである。この意味において教師一生徒の 望ましい関係、すなわち教師と生徒の学校での対話がますます重要だと考えられる。

3.学業成績について

 表3の結果から明らかなように、男女ともに勉強あるいは自己の成績への関心が高く、強い不 安をもってい孔

      衰3 学業について思うこと

11〕私は今の自分の勉強の成績に満足してい孔      ②私は勉強の成績が今よりもっとあがって欲しいと思㌔

はい114名 いいえ8名 その他20名

54

60

16

はい12名 いいえ104名その他26名

52 52

18

13〕私は勉強の成績をあげるために努力が必要だと思う。 (4〕私は今の勉強の成績では将来困ると思う。

はい118名 いいえ6名 その他18名

57

61

17

15〕私は今の勉強の成績は良くないと思う。

1

はい112名 いいえ5名 その他25名

536  59

20

はい103名 いいえ9名 その他30名

46

57

男  女  男

6   3   26

16〕私は今の勉強の成績でも将来なんとかなると思う。

はい20名 いいえ119名 その他3名

19

1

56

63

 子どもの教育に際して大きな役割を担っているのは「家庭」と「学校」であるが、両者は当然 のことながらその教育的機能を異にしている。わが国の現在の社会状況からして高学歴が生徒に 期待されるのもやむを得ないところがある。問題は、家庭からの学校教育に対する過剰期待では ないだろうか。今日の学校は教科の指導のほかに教科外の多様な領域にわたる指導やサービス的 活動を行うことが期待されている。最近では、この傾向がエスカレートして、道徳教育、性教育、

安全教育はもちろんのこと、本来家庭で責任を負うべき基本的生活習慣の形成やその他のしっけ までをも学校の指導に依存するといった風潮が見られるようになっている。家庭内の教育が知的 教育志向となっている様が容易に想像される。下校後の忙しい塾やけいこごと、家庭での予習・

復習、受験勉強などに疲労困懲している生徒の姿が目に浮かぷようである。

(8)

 さて、男女ともこの表を見るかぎり、勉強に対する考え方は同じたといえる。特に高等学校進 学に関しては完全に男女比は等しい。・女子の社会進出が叫ばれる中、将来を見通しての勉強の取

り組みだとも考えられ、本調査はそれを裏づけている。しかし一方で、少数ながら否定的な回答 をした生徒を見落としてはならない。これらの生徒をどのように育んでいくかが本来あるべき教 育の使命というべきであろう。いわゆるできる生徒の個性を尊重しその能力を伸ばしていくこと も重要であるが、そうでない生徒に教師は当然目を向けなければならないのだ。生徒の責任のみ を追求するのではなくて、とにかくがむしゃらにでも教師は生徒を正面から見据えていく必要が あろう。もし生徒が学業不振に陥っているのであれば、内的要因・外的要因を明らかにし対策を うちたてるべきである。相対評価の是非はともかくとして、いわゆる 偏差値 だけで、上位者 から普通高校、下位になるに従って、定時制高校あるいは職業高校へと割り振られる現状もある と想像される。本来、進学指導とは希望者一人ひとりの能力や適性にかかわるものを意味してい たはずである。進学希望者の一人ひとりが進学志望の成就・達成に最もふさわしい能力と適性を 備えているかどうかをより詳しく理解でき、しかもその志望の適否をより適切に判断することが できるような、十分な資料作りが重要になってくるであろう。本調査の結果からでも成績向上に 対する関心の高さには驚かされる。このことは決して生徒自身による関心の高さだけではなく、

学校、両親、社会の関心の高さももちろん背景に存在するであろう。しかし、ここで切望される のは、ゆとりに満ちあふれた将来の進路に対する展望ではないだろうか。高校や大学へ進学した ところで、遅かれ早かれ、いずれは訪れる職業生活や社会生活に備えた、将来の職業的・社会的 自己実現に結ひっく情報がより一層必要ではないかと考えられるからである。進路の決定は、決 して目前の直接的に限定された情報だけでは済まされない。

 個性化・個別化、ゆとりある教育を言葉だけで終わらせることなく、実行できるような方向で 社会も学校も活動していく必要が大いにある。

 4.学校生活の実態

 学校生活について表4の結果を見るかぎりでは、大多数の生徒は学校生活の中で、親友とのコ ミュニケーションを円滑にとっているように推察される。この傾向は男女ともほとんど変わらな い。この時期の発達課題から、人生の一過程として「生きがい」なるものを想定しても、親しい 友人が重要であることは、今回の結果以前にすでに明白である。人間は生物としてのホモ=サピ エンスであると同時に、社会的有機体としての存在でもある。将来社会人として生活する上で、

この親友との交流は心身の発達の教材というべきものである。結果はそれを裏づけているのであ る。しかしながら、少数とはいえやはり、学校生活にどうしても適応しにくい生徒が存在するこ とも見逃せない。この少数の生徒がいじめにあったり登校拒否に陥ったりすることは容易に想像 できよう。本調査の対象校はこの結果だけから判断するならば比較的安定した学校生活をおくれ る環境にあるといってよいだろう。

 もともと学級や集団を構成している一人ひとりの生徒は、身体的・情緒的・知的・社会的な特 徴がそれぞれ異なっており、家庭環境も異なっている。元気で活動的な生徒もいれば、内向的で

(9)

       表4 学校生活について

17〕私は学校でいじめられたことがある。        18〕・私は一人で家の中に閉じこもりたいと思うことがある。

はい14名 いいえ113名 その他15名

66 47 19〕私は学校で差別されたことがある。

はい7名  いいえ100名 その他35名

56 44 ω私は学校で多くの友達と遊んでいる。

19

16

はい127名 いいえ4名 その他11名

68

59

1

㈱私は学校で一人でいるときの方が楽しく感じる。

はい3名  いいえ129名 その他10名

1 74 55

はい11名 いいえ119名 その他12名

7 68

51

O⑪ 私は学校にいるときよりも家にいるときの方が好きである。

はい36名 いいえ50名 その他56名

24

12

20

30 34

○カ私は学校が悪いので転校を考えたことがある。

22

はい2名  いいえ132名 その他8名

73 59 ω 私は学校でよくケンカを見る。

はい2名  いいえ119名 その他21名

61 58

15

血5私は友達から仲間はずれにされたことがある。

はい4名  いいえ126名 その他12名

70 56

消極的な生徒もいる。そして、それぞれの生徒はそうなったことにっいてのそれぞれの要因、条 件を持っている。従って、一人ひとりを生かすためには、一人ひとりを理解することからはじめ なければならない。教師はともすると、自分の担任する生徒については自分が最もよく理解して いると思い易いものである。毎日毎日生徒と生活を共にしていることから、このような自信を持

.ち易いのはもっともであるが、しかし、毎日接しているだけに、かえって生徒の新しい変化や成 長に気がつかないことも多い。また慣れっこになって、いつの間にか主観的で、固定的、一方的 な見方になっていることもあるかもしれない。これらの点に十分気をつけて、生徒の学校生活で の様々な問題を解決する必要があるだろう。

 ところで、この因子内の各質問項目が相互に関連していることはいうまでもない。従って、質 問項目17)、(8)、19〕、ω、(13、ω、ωのはいの回答人数と(ωのいいえの回答人数の相関が高いのは 当然であり、この質問項目設定の信頼性は高いと考えてよい。この信頼性の高い各質問項目によっ て、出された回答人数は直接集団言己人法とも重なってかなり正確さを反映していると考えられる。

この結果から考察して、本中学校では少数の生徒が学校生活に適応していないと推察されるので

(10)

ある。

5 自己評価について

妻5の結果を見てみると、質問項目O⑤、O確から生徒自身はかならずしも他人をうらやましく思っ

       妻5 自分をどのよう1こ評価しているか

㈹私は自分より他人の方が幸福そうだと感じることがある。 oη私はみんなにかわいがられていると思う。

はい19名 いいえ78名 その他45名

11

38

女  男 40 11副私には困ったときの相談相手がいる。

29 16

はい78名 いいえ24名 その他40名

56 22

12

女  男

12

㈲ 私は自分がっまらない人間だと思う。

10  30

はい10名 いいえ21名 その他111名

7

女  男 14  65  46

はい8名  いいえ21名 その他113名

14

7

56

57

⑲私は他人がいつも自分のことを心配してくれていると思う。

はい14名 いいえ16名 その他112名

7

㈱私は他人に対して冷たいと思う。

63

49

はい16名 いいえ48名 その他78名

14 43

33 45

㈱ 私は他人の意見に左右されやすい。

はい48名 いいえ12名 その他82名

18

30

10

50  32

てみたり、あるいは他人によく思われたいという考え方を持ってはいないようである。この点に 関しては、男子も女子も態度は明確である。他人のことがそんなに気にならないほど、わが国の 生活水準や文化水準は画一化しているのであろうか。それとも一般的にこの年齢から個人主義の 傾向が芽生えているのだろうか。また質問項目。9)からも、他人があまり自分を心配していないと

いう判断をしている生徒の多いことも見てとれる。このことからも、肯定的意味での個人主義、

否定的意味でのわがままな傾向は全体的なものとして考えてよいのではないかと考えられる。質 問項目(1割の結果は男女の考え方の相違を反映している。困ったときの相談相手に関しては、男子 の方がその相談相手を明確に決めてしまっているようである。女子が相談相手を特定しないのも、

案外この柔軟性を持っというところにあるのではないだろうか。女子は外面的に取り繕う傾向も 同時に見てとれる。なぜなら、真に心を打ち明けられる友人が実は男子と比較した場合少ないと いう結果の見方もできるからだ。先の質問項目ωで多くの友人と遊んではいるが、相談相手はそ れに反して少ないというのは矛盾があるのではないか。

(11)

 ところで、この因子の各質問項目とも、どちらともいえないという回答の人数が多い。このこ とから、大多数の生徒は自己の内面の把握ができていない感じを受ける。明確に意見を表明する 生徒もいるが、よく分からないというのが本音ではないだろうか。ただ質問項目㈱の結果から女 子の方が冷たさに関しては敏感なようである。質問項目㈱からは、自立性の問題がうかびあがっ てくる。この自立性の獲得の過程で反抗期は重要な意味をもつのである。この時期に依存や反抗 を交互に繰り返すことはその後の人生にとって大きな意味をもつことはいうまでもない。質問項 目㈲からはまだ依存性のしめる割合が大きい。従ってこれから後の青年期の間で、自我を完全に 確立し自立性を個々人が育てていくのであろう。まだ中学2年生の段階では自我形成の緒にっい ナこ段階であることがこの結果から分かるのであ孔

 そもそも思春期においては、心身の発達が著しくなり、それに伴って種々の欲求が強くなって くるものである。思春期には、心身両面の発達のアンバランス、知性や論理性の発達に裏付けら れた内面的葛藤、自我意識の高揚に伴う反抗と依存の意識の矛盾などの背景条件もあり、その上 に、多くの要求が同時に.しかも強力に現れるようになると、生徒の情緒的な不安定性はさらに拡 大されてくる。この欲求不満耐性は、幼児からの成長過程の中で培われる人格特性であるが、そ れが低い場合には不適応を起こしやすく、精神保健上の問題を招来することが多い。従って、欲 求不満耐性に関しての学習や指導は、思春期においても十分考慮されなければならない問題なの

である。

6 親との関係について

表6−1の質問項目⑳、㈲からは両親からの小言は男子の方が多いことがわかる。男子はすぐ

      表6−1親との関係

㈱ 私は家の中ていつも両親から小言を言われている。   車1〕私は両親にいっもわがままをいい、口答えをする。

はい62名 いいえ74名 その他6名

43

19

30

44

1

はい34名 いいえ46名その他62名

21 13

1O

36

47

15

㈱ 私は両親から理解され信頼されていると思う。

はい24名 いいえ36名 その他82名

1O

14

16

20

52

30

に行動に移すからだろうか。口答えに関しても同様の傾向が見られる。ところで、思春期におい て留意すべき一つの点は、むしろわが国全体の国民性とも捉えられているが、いわゆる標準化志 向であろう。換言すれば、自己と他者との比較により劣等感や異常感を抱きやすくなる傾向であ る。少数の生徒の回答はこれにあたるだろう。特にこのような生徒には、他との極端な比較や競 争を避けて、真の自己像を把握さ世、個性を伸長させるような指導が必要なのである。ともすれ

(12)

ば、家庭内の会話の際、学習成績のことに関しては親は他人との成績比較をしがちなのではない か。それに反発したくなるような生徒の行動が容易に想像されよう。家庭内でも相対評価ではな

く、絶対評価で判断できるような教育環境が望まれるのであ乱

 表6−2の「口答えをよくする」が78%と多いことから明らかなように、第二反抗期としての

表6−2 親をどう思っているか

上 位 回 答 項 目 合計

① 口答えをよくする。 36名 42名 78名

②別に何とも思っていない。 25名 21名 46名

③ 尊敬している。 20名 19名 39名

④親は試験の点数に関心が高い。 18名 20名 38名

⑤親は勉強の催促が多い。 17名 18名 35名

⑥親は友人関係への関心が高い。 14名 18名 32名

⑦親は男女交際に関心が高い。 12名 19名 31名

思春期が表現されている。口答えをして、別に何とも思っていない反面、尊敬もしているという、

非常に微妙な心的葛藤が浮き彫りになっている。実際的には反抗の対象は広く、親、教師、年長 者から社会的権威や制度にまで及んでいるであろう。つまり、この時期に一個の独立した人格と して確立しつつある自我が、環境(学校)と矛盾・対立をはらむところから起こってくる。従っ て必然的にこの時期の反抗は、社会制度や社会的権威に向けられることもある。親や教師はこの ことをきちんと認識していなければならない。また、点数や勉強に対する親の関心の高さから、

近年の学歴社会を反映していることも見てとれる。この関心の高さが子どもの学習努カベの鼓舞 に結ひっく場合はよいが、かえって大きな負担になる場合も予想される。負担になる場合は親の 過干渉が原因である場合が多いだろう。中学校時代の学業成績が現在のわが国では確かに無視で きない重要なものであるとはいえ、それのみに固執するあまり、中学時代の学業成績で一生が決 まってしまうという誤った考え方を自分の子どもにうえつけかねない。親の学業に対する柔軟な 姿勢を望むばかりである。さらに、親は友人関係・男女交際へも高い関心をはらっていることも 分かる。このことも、過干渉にならないような配慮が必要であろう。もちろん、親にとって子ど ものことが分からない、子どもの気持ちが分からない、ということは不安である。そこで、なる べく親子の対話をすることも考えてよいだろう。それができることは望ましいが、思春期になっ た子どもがかならずしも親と話したがるとは限らない、もし、子どもがよく話したがる場合でも、

どこまで子ど李が本心を親に見せているかはわからない。そこで、話してくれない子どもの場合 も、よく話す子どもの場合でも、表面に表れた子どもの気持ちばかりではなく、なるべく深いと ころまでをも理解できるように親は努めたい。押しつけがましくないように、距離をおいたとこ ろから付かず離れずに子どもを見守る努力が必要であろう。

(13)

7.親友に関して

 人間は一人では生きられないというのは自明の理である。そういう意味でこの時期に親友をも っということは、人格形成の上でも非常に重要事項になってくる、①、②、③、⑤と④とは決し て矛盾するものではなく、心をお互いに許しているからこそだと推察した方がよい。それがたと えケンカ相手ではあっても、誰にも心を打ち明けられないのは、非常に惨めなことである。つま り、友人関係も内的葛藤の存在する所産にほかならないのではないだろうか。換言するなら、友 情への渇望とよりよき友情への厳しい選択を表現した結果と考えるべきであろう。

 また表7の合計を単純に算出すると、男女合計で193名になる。実際は重複した回答内容が存

衰7 親友をどう思っているか

上位回答内 容 合計

①困ったときの相談相手。 22名 28名 50名

②いつも一緒にい一る人。 15名 32名 47名

③信頼のおける相手。 15名 26名 41名

④ ケンカ相手。 19名 15名 34名

⑤大切に思う人。 6名 15名 21名

在することからしても、調査人数の142人のほぼ全員が相談するならまず友人から、という考え 方が存在するように思われ孔このことはある意味では親や教師にまず相談する行動にでるかど

うかに疑問を投げかけているのである。発達課題として考えても、親友の存在が自己の心身の発 達の上で、おおきなかかわりをもっということを、この表から再確認できよう。実際に筆者が交 流した範囲でも、現代の中学生はむっっり押し黙って自分の殻のなかに閉じこもって思考を働か せ、大人にはなかなか心を打ち明けようとしない。物事を主観でとらえていて、容易にそれをま げようとしない傾向があ孔突っ込んで問いただせば黙りこんでしま㌔反抗する際の態度も・

大人に対しては妙に冷めた様子を見せる手とも多い。しかしながら、これは児童と成人の過渡期 としての思春期を考えさせることにはならないだろうか。人生の過渡期としてのこの時期の特徴 なのだという認識さえもてば、児童集団にも成人集団にも属することができず、自己を準拠させ るべき明確な集団を持ち得ない状況が浮き彫りにされるであろう。ここから、周辺人の特徴であ る・情緒的不安定や平衡のとれない行動が想像されるのであ孔

 いわゆる不良グループと呼ばれる集団を形成するのもこの時期である。集団でお互いを甘やか しているのだという認識が彼らに欠けているからこそ、同じような不良・触法行為を繰り返すの ではないのか。真の友人関係とは、お互いをきちんと認め合った上で、ときには意見の衝突もあ り、お互いを高めていく関係なのだと教師や親は勇気をもって直言する必要がある。

8 生徒が求める授業

表8の回答内容から明らかなように、うるさすぎるとか大きな声での説明という表現があるこ

(14)

表8生徒がどのような授業を求めているか

上位回答内容

合計

① 授業中うるさすぎるときは注意が必要。 15名 22名 37名

②大きな声でゆっくり説明して欲しい。 14名 19名 33名

③板書はきれいに書いて欲しい。 12名 18名 30名

④書きながら説明して欲しい。 10名 11名 21名

⑤ときにはおもしろい話も必要。 10名 8名 18名

とから、授業中の騒がしい様子が伝わってくるようである。また、板書の方法も生徒によっては 疑問に感じている場合があるようである。ときにはおもしろい話も必要という主張があるが、単 調になりがちな授業に幅をもたせて欲しいとの生徒の要望であろうか。同時に授業の導入、展開、

結末という一連の流れが生徒に伝わっていない可能性も考えられる。教科についての専門的な知 識や情熱と結びついた、よく分かる授業の工夫や努力も是非必要である。いくら生徒が意欲をもっ ていても、理解できない授業では、結局、教師の独演会に終わってしまい、生徒は離れていって

しまうだろう。分かる授業を進める上で重要なことの一つは、生徒のもっている知識の内容と水 準をつかんで、それと結びっけながら新しい知識を与えていくことではないだろうか。表8の回 答内容から考えて、生徒の授業に対する要望には切実なものがあると推察される。この切実な要 望に応えるために、教師は分かる授業を進めなければならない。また分かる授業とは別に、授業 の中での教師の何げない言動も生徒に与える影響の大きいことにも配慮が必要である。⑤などは 特にその傾向を反映してのものだと考えられるだろう。一度に理想を追求せず、できることから 着実に実践し、将来的な展望に立って、授業のありかたを摸索していく必要がないだろうか。

 静かな授業が望ましいのは、①からも明らかであるが、ときには⑤のような息をぬけるような

「ゆとり」を生徒は求めていることを教師は認識しなければならない。この二律背反的な要求こ そが、第二反抗期にありマージナルマンなる中学生の心的状態なのであるか㌦

IV.今後の課田

 現代の中学生のかかえている様々な問題の解決に向けて、今回は生徒指導という枠内で、生徒 の直接の記入により、実態把握を試み、その結果から考察してみた。

 実態論的観点からは、生徒の学校生活、日常生活及び内面の把握に努めるべく、杉田ら目川の 教師用生徒指導質問調査用紙の改善に全力を尽くすことなどが考えられるだろう。また、数多く の中学校の実態を調査する必要も忘れてはならない。

 原因論的観点からは、社会現象の複雑さと人間の結びつきの孤立的傾向、価値観の多様化、高 学歴志向などが考えられる。

 方法論的観点からは、教師の一声運動や学校カウンセリングの実施、地域の青少年活動の活性 化、個別的習熟度授業、きめ細かな進路指導、P TA活動の積極的展開などが考えられる。

 制度論的観点からは、保健室養護教諭複数制、学校カウンセラー導入などが考えられる。

(15)

発達の途上で、子どもは親以外の様々な人間に接することになるが、子どもにとってその人間 の存在が情緒的に重要な意味をもつようになることがある。その典型的な場合が、学校の教師な のである。子どもにとって大好きな先生は、自分を同一化することのできるモデルを提供してく れることで、子どもを目覚めさせてくれる場合が多いだろう。

要するに、愛情と信頼が教師側に常にあれば、生徒との対話の日常化がそれほど困難ではない。

それが、本調査の結果から、対話不足が明らかになること自体、わが国の教育界の実情が垣間見 られ残念でならない。

 前回の教師の記入による調査8)ヨ〕、そして今回の生徒の記入による調査を今後とも数多く実行

㌧・よりよい解決方法の発見・開発に結びつけていきたいと考えてい孔

       引用文献

1)Graham,K.G.,1989,Paradigms for the Study of Teacher−Student Behavior  An A1temative Perspective

 Research Quarter1y for Exercise and Sport,60−2:pp,190−194 2)Hayes,D.M.et a1.,1990,Se1f−Esteem and Hea1th Instruction  Cha11enges for Curricu1um Deve1opment

 Jouma1of Schoo1Hea1th,60−5:pp.208−211

3)Parish,T.S.,1990,Enhancing Socia1Communication Ski11s  Journa1of Instructiona1Psycho1ogy,17−3 :pp.119−121

4)Simmons,R.G.,1973,Disturbance in the Se1f−Image at Ado1escence  American Socio1ogica1Review,38=pp.553−568

5)文部省 1992,「文部時報」平成4年8月号 pp.51−52

6)杉田貴行・高木忠彦・大井正己 1992,「ある不登校女児の遊戯療法過程について」

 奈良教育大学教育研究所紀要、27:pp,131−145

7)堺市立教育研究所 1992,「教研だより」平成4年第1号

8)杉田貴行・大井正己 1991,「中学校における生徒指導の実態について  奈良県下の中学  校の場合一一」奈良教育大学教育研究所紀要、27 pp173−184

9)杉田貴行 1990,「中学校における生徒指導の実態について」

 奈良教育大学修士論文(未発表)

1O)Erikson,E.H.,1973,『自我同一性』 小此木啓吾訳編 誠信書房

<謝辞>本調査を行うにあたり、御協力頂きました校長先生ならびに諸先生方、生徒の皆さんに 厚く感謝の意を表します。また論文作成に際して、貴重な御助言を下さいました、奈良教育大学 学校保健学研究室の北村陽英先生に厚く感謝の意を表します。

(16)

Un rapPrort sur1a r6a1it6d−es61δves

enseignement secondaire au Japon

en

         Takayuki Sugita

Acadεmie de Shi−Tennoji en Ang1eterre

      Masami Ohi

Section de1a recherche des enfants troub1es Institut pεdagogique de Nara

reSunユe

  Cette investigation a mis a1 εtude1a r6a1itεdesε1εves d unεtab1issement communa1.

  Les sujets sont142ε16ves,dont64fi11es,

  Notre enquεte s est faite par1e questiomaire.Le questiomaire que nous avons mis au point au m6moire pr6cεdent peutε七re emp1gyεde diff6rentes mani6res−Nous avons tachεque 1e questionnaire n inquiεte pas1es sujets.

  A voir1e rεsu1tat dans1 ensemb1e,on s apercoit que,1a p1upart du temps,1esε1εves se sont tracassεs pourユeurs n〇七es,La p1upart d entre eux ont obtenu d exce11ents r6su1 tats sur1es re1ations humaines.Mais,m petit nombre d 61εves ont eu beaucoup de prob1εmes,par exemp1e,en ce qui concerne1a vio1ence,一1a dεfiance a1 6gard de1eurs maitres,1es mauvaises notes,1es pers6cutions,1es mεcon七entements sur1es c1asses et la queStiOn d amOur.

  Quand un prob16me se pose dans1a vie sco1aire ou privεe,on1e regarde bien en face,

on1 apprεcie,on en distingue bien nettement1es bons et1es mauvais c6土6s,on pεse1e pour et 1e contre,et puis on se dεcide.

  Mais,1 ennui des61εves est me ma1adie de1a vie.Pour1a gu6rir,i1suffit d une chose:aimer.C est ce qui manque1e p1us gεnεra1ement en enseignement secondaire au Japon.

(17)

(付表)

中学生の学校生活に関する実態調査用紙

組  [男 女]

授業を充実させるためには一人ひとりの学生生活に対する考え方や人問関係が大切だと考えられ ます。そこでよい授業を実現するために、いくつかの質問をします。あなたの率直な考えを聞か せて下さい。それぞれの質問に該当する番号を○で囲み、口内には説明を記入して下さい。

1.次の人々に対して、あなたが日頃いだいている気持を率直に書いて下さい。

 先生(当該学年全員)に対して  親に対して

 親友に対して

2.あなたの好きな先生はどのようなタイプですか。

3.次のそれぞれの質問に、①『はい』あるいは、②『いいえ』あるいは、③『どちらでもない」

で、それぞれ答えて下さい。

(1〕私は今の自分の勉強の成績に満足している。

12)私は勉強の成績が今よりもっとあがって欲しいと思う。

13〕私は勉強の成績をあげるために努力が必要だと思う。

14〕私は今の勉強の成績では将来困ると思う。

(5〕私は今の勉強の成績は良くないと思う。

16〕私は今の勉強の成績でも将来なんとかなると思う。

17〕私は学校でいじめられたことがある。

18)私は一人で家の中に閉じこもりたいと思うことがある。

19〕私は学校で差別されたことがある。

o⑪私は学校にいるときよりも家にいるときの方が好きである。

皿D私は学校で多くの友達と遊んでいる。

⑫私は学校が悪いので転校を考えたことがある。

l13私は学校では一人でいるときの方が楽しく感じる。

ω私は学校でよくケンカを見る。

1固私は友達から仲間はずれにされたことがある。

㈹私は自分より他人の方が幸福そうだと感じることがある。

岨耐私はみんなにかわいがられていると思う。

118私には困ったときの相談相手がいる。

⑲私は他人がいつも自分のことを心配してくれていると思う。

⑳私は家の中でいつも両親から小言を言われてい孔

(18)

剛 私は両親にいつもわがままを言い、口答えをす孔

4.

私は両親から理解され信頼されていると思う。

私は自分がっまらない人問だと思う。

私は他人に対して冷たいと思う。

私は他人の意見に左右されやすい。

授業に関して思いっくことを自由に書いて下さい。

参照

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