弘 前 大 学 大 学 院 教 育 学 研 究 科 修 士 論 文
中学校の教科「技術・家庭」における
「生物育成の技術」を柱とした授業計画策定の試み
弘 前 大 学 大 学 院 教 育 学 研 究 科 教 科 教 育 専 攻 技 術 教 育 専 修 0 9 G P 2 2 1 赤 石 悟
目 次
第 1 章 序 論 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1
第 2 章 生 物 育 成 に 関 連 し た 他 教 科 の 学 習 内 容 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 5
1 . 小 学 校 生 活 科 と 生 物 育 成 と の 関 連 性 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 5
2 . 小 学 校 理 科 ・ 中 学 校 理 科 と 生 物 育 成 と の 関 連 性 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 5
3 . 生 物 育 成 の 学 習 内 容 と 他 教 科 の 内 容 の 関 連 性 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 8
4 . 生 物 育 成 と 家 庭 分 野 と の 関 連 性 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 1
第 3 章 生 物 育 成 の 技 術 に 関 す る 教 材 の 検 討 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 2
1 . 小 型 の 品 種 群 ( ミ ニ 野 菜 ) の 教 材 性 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 2
2 . 水 草 ( 侘 び 草 ) の 教 材 性 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 4
3 . 容 器 栽 培 や 袋 栽 培 が 可 能 な 野 菜 の 教 材 性 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 7
4 . ア イ の 教 材 性 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 8
5 . ワ タ の 教 材 性 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 0
6 . 作 物 の 栽 培 実 践 と 教 材 と し て 評 価 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 0
( 1 ) ハ ツ カ ダ イ コ ン ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 0
( 2 ) 水 草 ( 侘 び 草 ) ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 2
( 3 ) ニ ン ジ ン 、 ジ ャ ガ イ モ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 3
( 4 ) ア イ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 6
( 5 ) ワ タ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 9
第 4 章 生 物 育 成 を 柱 と し た 授 業 計 画 の 策 定 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 1
1 . 生 物 育 成 と 他 内 容 及 び 家 庭 分 野 に お け る 教 材 の 関 連 性 ・ ・ ・ ・ ・ 3 1
2 . 生 物 育 成 を 柱 と し た 3 学 年 間 の 授 業 計 画 案 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 2
3 . ワ ー ク シ ー ト の 活 用 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 4
4 . 生 物 育 成 を 柱 と し た 年 間 指 導 計 画 案 ( 青 森 県 階 上 町 立 階 上 中 学 校
で の 実 施 を 想 定 し て 現 勤 務 校 で の 実 施 を 想 定 し て ) ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 7
第 5 章 総 合 考 察 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 2
要 旨 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 5
謝 辞 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 7
参 考 文 献 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 8
参 考 資 料 ( 生 物 育 成 の 学 習 ワ ー ク シ ー ト )
第 1 章 序 論
文 部 科 学 省 は 、 平 成 2 0 年 3 月 2 8 日 に 学 校 教 育 法 施 行 規 則 の 一 部 改 訂 と 中 学 校 学 習 指 導 要 領 の 改 訂 を 行 っ た 。 そ の 平 成 2 0 年 版 の 中 学 校 学 習 指 導 要 領1 )
以 下 改 訂 中 学 校 学 習 指 導 要 領 と す る 中 で 中 学 校 教 科 技 術 ・ 家 庭 以
( 、 ) 、 「 」(
下 、 技 術 ・ 家 庭 科 と す る ) の 技 術 分 野 に お い て は 、 内 容 構 成 、 履 修 方 法 が 改 善 さ れ 、 こ れ ま で 必 修 項 目 と 選 択 項 目 で 示 さ れ て い た 「
A
技 術 と も の づ く り 」 及 び 「B
情 報 と コ ン ピ ュ ー タ 」 の 内 容 構 成 を 改 め 、 現 代 社 会 で 活 用 さ れ て い る 多「 」、「 」、
様 な 技 術 を
A
材 料 と 加 工 に 関 す る 技 術B
エ ネ ル ギ ー 変 換 に 関 す る 技 術「
C
生 物 育 成 に 関 す る 技 術」、「D
情 報 に 関 す る 技 術 」 の 4 つ の 内 容 に 整 理 し 、 す べ て の 生 徒 に 履 修 さ せ る こ と に な っ た2 )。こ れ ら の 内 容 を 取 り 上 げ 必 修 化 し た 経 緯 に つ い て 、 文 部 科 学 省 の 上 野 は3 )、 国 立 教 育 政 策 研 究 所 が 実 施 し た 「 音 楽 等 質 問 紙 調 査 」 の 結 果 「 生 活 に 必 要 な、 も の が あ る と 、 自 分 で 作 っ て み た い で す か」、「 コ ン ピ ュ ー タ グ ラ フ ィ ッ ク な ど を 見 て 、 自 分 で 作 っ て み た い と 思 い ま す か 」 等 に つ い て は 肯 定 的 な 意 見 が 多 い が 「 生 活 に 使 わ れ て い る 電 気 機 器 な ど の 仕 組 み を 知 り た い と 思 い ま す か 、、 」
「 バ イ オ テ ク ノ ロ ジ ー な ど の 先 端 技 術 を 利 用 し て 、 草 花 や 野 菜 を 育 て て み た い と 思 い ま す か 」 等 に つ い て は 否 定 的 な 意 見 が 多 か っ た こ と を 踏 ま え 、 中 央 教 育 審 議 会 教 育 課 程 部 会 、 家 庭 、 技 術 ・ 家 庭 、 情 報 専 門 部 会 に お い て 「 科 学 が 発、 達 し 、 様 々 な 技 術 が 活 用 さ れ る 社 会 に 対 応 す る 視 点 か ら 、 社 会 に お い て 活 用 さ れ て い る 様 々 な 技 術 を ① 材 料 や 加 工 、 設 計 な ど に 関 す る 技 術 、 ② 電 気 エ ネ ル ギ ー の 変 換 と 効 率 や 動 力 伝 達 な ど に 関 す る 技 術 、 ③ 作 物 の 栽 培 な ど 、 生 物 資 源 に 関 す る 技 術 、 ④ ネ ッ ト ワ ー ク や マ ル チ メ デ ィ ア 、 プ ロ グ ラ ミ ン グ に よ る 計 測 ・ 制 御 、 情 報 モ ラ ル な ど に 関 す る 技 術 等 の 視 点 か ら 整 理 し 、 全 て の 生 徒 に 履 修 さ せ る 」 べ き で あ る と の 意 見 が 出 さ れ た こ と を 報 告 し て い る 。 そ れ が 、 改 訂 中 学 校 学 習 指 導 要 領 に お け る 、 上 記 の 4 つ の 内 容 と な っ た 。
さ ら に 、 現 代 社 会 で 利 用 さ れ て い る 技 術 に つ い て 一 通 り 学 習 さ せ る べ く 改 善 さ れ た 4 つ の 内 容 は 、 表 1 に 示 さ れ た よ う に 、 そ れ ぞ れ 「 広 く 現 代 社 会 で 活 用 さ れ て い る 技 術 に つ い て 学 習 す る 項 目 等」、「 技 術 を 活 用 し た も の づ く り を 行 う 項 目 等」、「 技 術 を 評 価 し 活 用 す る 能 力 と 態 度 を 育 て る 項 目 等 」 で 構 成 さ れ て お り 、 持 続 可 能 な 社 会 の 構 築 や も の づ く り な ど を 支 え る 能 力 の 育 成 の 重 視 な ど 、 社 会 の 変 化 に 対 応 す る 視 点 か ら 構 成 さ れ て い る2 )。
、 、 、
こ の よ う に 技 術 分 野 に お い て は 内 容 構 成 や 履 修 方 法 の 改 善 が 図 ら れ た が 技 術 ・ 家 庭 科 に お け る 標 準 の 授 業 時 数 は 、 こ れ ま で と 同 じ く 、 第 1 学 年 7 0 単 位 時 間 、 第 2 学 年 7 0 単 位 時 間 、 第 3 学 年 3 5 単 位 時 間 と 定 め ら れ て お り 、 そ こ に 技 術 分 野 の 4 つ の 内 容 、 お よ び 家 庭 分 野 の 内 容 を ど の よ う に 含 め 、 授 業 計 画 を 策 定 す る か が 重 要 な 課 題 と な っ て い る 。
表 1 技 術 分 野 の 内 容
材料と加工に関する技術 エネルギー変換に関する技術 生物育成に関する技術 情報に関する技術
分 類
A B C D
○3学年間の学習の見 ( ) 生 活 や 産 業 の 中 で 利
1
通しを立てさせるガ 用されている技術につ イ ダ ン ス 的 な 内 容 いて、次の事項を指導(第1学年の最初に履 する。
修) ア 技術が生活の向上や産 業の継承と発展に果た している役割について 考えること。
イ 技術の進展と環境との 関係について考えるこ と。
○広く現代社会で活用 ( ) 材 料 と 加 工 法 に つ い
2
( ) エ ネ ル ギ ー 変 換 機 器1
( ) 生 物 の 生 育 環 境 と 育1
( ) 情 報 通 信 ネ ッ ト ワ ー1
されている技術 て、次の事項を指導す の仕組みと保守点検に 成技術について、次の クと情報モラルについ る。 ついて、次の事項を指 事項を指導する。 て、次の事項を指導す ア 材料の特徴と利用方法 導する。 ア 生物の育成に適する条 る。を知ること。 ア エネルギーの変換方法 件と生物の育成環境を ア コンピュータの構成と イ 材料に適した加工法を や力の伝達の仕組みを 管理する方法を知るこ 基本的な情報処理の仕
知り、工具や機器を安 知ること。 と。 組みを知ること。
全に使用できること。 イ 機器の基本的な仕組み イ 情報通信ネットワーク
を知り、保守点検と事 における基本的な情報
故防止ができること。 利用の仕組みを知るこ
と。
ウ 著作権や発信した情報 に対する責任を知り、
情報モラルについて考 えること。
○技術を活用したもの ( ) 材 料 と 加 工 に 関 す る
3
( ) エ ネ ル ギ ー 変 換 に 関2
( ) 生 物 育 成 に 関 す る 技2
( ) デ ィ ジ タ ル 作 品 の 設2
づくり(製作・制作 技術を利用した製作品 する技術を利用した製 術を利用した栽培又は 計・制作について、次・育成 の設計・製作につい 作品の設計・製作につ 飼育について、次の事 の事項を指導する。
て、次の事項を指導す いて、次の事項を指導 項を指導する。 ア メディアの特徴と利用
る。 する。 ア 目的とする生物の育成 方法を知り、制作品の
ア 使用目的や使用条件に ア 製作品に必要な機能と 計画を立て、生物の栽 設計ができること。
即した機能と構造につ 構造を選択し、設計が 培又は飼育ができるこ イ 多様なメディアを複合
いて考えること。 できること。 と。 し、表現や発信ができ
イ 構想の表示方法を知 イ 製作品の組立て・調整 ること。
り、製作図をかくこと や電気回路の配線・点 ( ) プ ロ グ ラ ム に よ る 計
3
ができること。 検ができること。 測・制御について、次
ウ 部品加工、組立て及び の事項を指導する。
仕上げができること。 ア コンピュータを利用し
た計測・制御の基本的 な仕組みを知ること。
イ 情報処理の手順を考 え、簡単なプログラム が作成できること。
○技術を評価し活用す ( ) ウ 材 料 と 加 工 に 関
2
( ) ウ エ ネ ル ギ ー 変 換1
( ) イ 生 物 育 成 に 関 す1
( ) エ 情 報 に 関 す る 技1
る能力と態度 する技術の適切な評価 に関する技術の適切な る技術の適切な評価・ 術の適切な評価・活用・活用について考える 評価・活用について考 活用について考えるこ について考えること。
こと。 えること。 と。
(平 成
20
年 に 刊 行 さ れ た 中 学 校 学 習 指 導 要 領 解 説 技 術 ・ 家 庭 編2 )の 記 述 か ら 作 成)ま た 、 平 成 2 0 年 に 刊 行 さ れ た 中 学 校 学 習 指 導 要 領 解 説 技 術 ・ 家 庭 編2 )( 以 下 、 解 説 技 術 ・ 家 庭 編 と す る ) で は 「 指 導 計 画 作 成 に 当 た っ て は 、 教 科 の 目、 標 の 実 現 を 目 指 し 、 中 学 校 3 学 年 間 を 見 通 し た 全 体 的 な 指 導 計 画 を 検 討 す る。」、「 題 材 の 設 定 に 当 た っ て は 、 各 項 目 及 び 各 項 目 に 示 す 事 項 と の 関 連 を 見 極 め 、 相 互 に 有 機 的 な 関 連 を 図 り 、 系 統 的 及 び 総 合 的 に 学 習 が 展 開 さ れ る よ う 配 慮 す る こ と が 重 要 で あ る 」 と 示 さ れ て い る こ と か ら も 、 そ こ に お い て 地 域。 や 学 校 及 び 生 徒 の 実 態 等 を 考 慮 し 、 創 意 工 夫 を 生 か し つ つ 、 全 体 と し て 調 和 の と れ た 具 体 的 な 授 業 計 画 の 作 成 が 必 要 で あ る こ と が わ か る 。
従 来 の 技 術 ・ 家 庭 科 に お け る 指 導 計 画 の 策 定 に お い て は 、 学 習 指 導 要 領 に 示 さ れ た そ れ ぞ れ の 内 容 ( 平 成 元 年 版 ま で は 領 域 ) の 独 自 性 等 か ら 、 そ れ ぞ れ の 内 容 を 選 択 、 配 置 す る 事 が 基 本 で あ っ た と 言 え る 。 ま た 、 こ の 教 科 で は 従 来 か
「 ( 、
ら 融 合 教 材 2 領 域 の 項 目 ・ 指 導 事 項 を 一 つ の 題 材 で 指 導 で き る だ け で な く
、 )」
一 つ の 題 材 に よ っ て 指 導 す る こ と に よ り 一 層 の 指 導 効 果 が 期 待 さ れ る も の の 考 え が あ り 、 そ の よ う な 視 点 か ら の 題 材 ・ 教 材 の 研 究 も な さ れ て き た 。 し
4 )
か し 、 上 記 の よ う な 各 内 容 の 捉 え 方 や 配 分 さ れ た 授 業 時 数 、 さ ら に は 指 導 計 画 作 成 の 指 針 に 配 慮 す る と 、 従 来 の 考 え 方 で は 、 学 習 内 容 を 十 分 に 深 め ら れ な い 恐 れ も あ る 。 そ こ で 本 研 究 で は 、 改 め て 4 つ の 内 容 の い ず れ か を 柱 と し て 、 技 術 分 野 、 さ ら に は 家 庭 分 野 の 内 容 を も 包 括 し た 指 導 計 画 作 成 の 可 能 性 を 検 討 し た 。
「 」( 、 )
具 体 的 に は そ の 柱 と し て 生 物 育 成 に 関 す る 技 術 以 下 生 物 育 成 と す る を 選 ん だ が 、 そ の 理 由 は 、 近 代 以 降 の 人 間 社 会 の 発 展 は 、 農 業 社 会 か ら 工 業 社 会 そ し て 情 報 社 会 に な っ た が 、 2 1 世 紀 を 迎 え た 現 在 、 食 糧 、 エ ネ ル ギ ー 、 環
、 、
境 な ど に 関 わ る 問 題 が 山 積 す る 中 で 持 続 可 能 な 社 会 の 構 築 を 目 指 す た め に は 我 々 が 地 球 環 境 や そ こ に 築 か れ た 生 態 系 に 改 め て 注 目 す る こ と の 必 要 性 が 言 わ れ て い る か ら で あ り 、 そ こ に は 生 物 育 成 に 関 す る 技 術 が 大 き く 関 連 し て い る か ら で あ る 。 ま た 、 普 通 教 育 の 場 で あ る 中 学 校 に お い て 、 地 球 市 民 と し て の 技 術 リ テ ラ シ ー を 身 に つ け る 教 科 で あ る 技 術 ・ 家 庭 科 に 、 そ の 理 解 を 促 す 役 割 が 課 さ れ て い る こ と も 、 ま た 言 を ま た な い 。
し か し 、 生 物 育 成 を 柱 と し 指 導 計 画 を 策 定 す る に 当 た っ て は 、 そ の 学 習 内 容 や 取 り 上 げ る 教 材 に つ い て 改 め て 検 討 す る 必 要 が あ る 。 特 に 、 こ の 教 科 に お い
「 」 「 」 、
て こ れ ま で 選 択 と し て 扱 わ れ て い た 栽 培 が 生 物 育 成 と し て 必 修 化 さ れ そ の 内 容 が 作 物 の 栽 培 だ け で は な く 、 動 物 の 飼 育 や 水 産 生 物 の 栽 培 も 可 能 と な
、 。
っ た こ と に よ り ど の よ う な 教 材 を 選 択 す る か と い う こ と が 重 要 な 課 題 で あ る 技 術 ・ 家 庭 科 の 発 足 以 来 の 「 栽 培 領 域 」 に お け る 学 習 内 容 に つ い て の 概 要、 を 過 去 の 学 習 指 導 要 領 か ら 振 り 返 っ て み る と 昭 和 3 3 年 版、 5 )に は 1 内 容 (3 )、 栽 培 に 「 普 通 の 草 花 類 や 果 菜 類 な ど を 栽 培 す る の に 必 要 な 技 術 の 基 礎 的 事 項、 を 「 (実 習 例 )」 に あ げ た 作 物 の 栽 培 に 即 し て 指 導 す る と と も に 、 栽 培 目 的 に、
応 じ た 計 画 ・ 栽 培 ・ 評 価 の 各 段 階 を 追 っ て 一 貫 し た 指 導 を 行 う よ う に す る 」。 と あ り 、 栽 培 の 対 象 が 「 草 花 類 や 果 菜 類 な ど 」 と な っ て い る 。 ま た 、 実 習 例 と し て 、 草 花 類 で は 、 一 ・ 二 年 草 、 宿 根 草 、 球 根 な ど が 、 果 菜 類 で は 、 ナ ス 、 ト マ ト 、 カ ボ チ ャ な ど が 示 さ れ て い る 。 昭 和 4 4 年 版6)、 昭 和 5 2 年 版7 )で は 、
「 作 物 の 栽 培 」 と 示 さ れ 、 栽 培 の 対 象 は 「 草 花 ま た は 野 菜 の 栽 培 が で き る こ、 と 」 と 示 さ れ て い る 。 平 成 元 年 版8)、 平 成 1 0 年 版9 )で は 「 作 物 の 栽 培 」 と、 あ り 、 栽 培 の 対 象 は 示 さ れ て い な い 。 こ の よ う な 変 遷 は 背 景 と な る 社 会 状 況 や 教 科 の 位 置 づ け 等 と も 関 連 し て お り 、 昨 今 で は 、 こ の 教 科 の 目 標 が 特 定 の 技 術 を 身 に つ け る こ と で は な く 、 人 間 社 会 に お け る 技 術 の あ り 方 の 理 解 や 評 価 す る 力 の 育 成 と い っ た こ と に シ フ ト し て き て い る こ と に も よ る と 考 え ら れ る 。 そ の
、 、
よ う な 状 況 下 で 今 回 の 改 訂 で 再 度 注 目 さ れ た 新 た な 生 物 育 成 の 学 習 に お い て ど の よ う な 教 材 を 選 択 す れ ば よ い の か 、 そ の 教 材 の 可 能 性 を 改 め て 検 討 す る 必 要 が あ る 。
よ っ て 、 本 研 究 で は 、 教 科 の 目 標 の 実 現 を 目 指 し 、 中 学 校 3 学 年 間 を 見 通 し た 全 体 的 な 指 導 計 画 を 作 成 す る た め に 、 ま ず 生 物 育 成 と そ の 前 提 と な る 、 あ る い は 相 互 関 係 を 持 つ 他 教 科 及 び 家 庭 分 野 に お け る 学 習 内 容 と の 関 連 性 を 探 り 、
、 、 、
つ い で 様 々 な 生 物 教 材 の 持 つ 特 徴 に つ い て 検 討 し そ れ ら の 成 果 を 踏 ま え て 生 物 育 成 を 柱 と し な が ら 、 技 術 ・ 家 庭 科 に 含 ま れ る 全 て の 教 科 内 容 を 系 統 的 且 つ 総 合 的 に 学 習 で き る 授 業 計 画 の 策 定 を 試 み た 。
な お 前 述 の よ う に 、 平 成 2 0 年 度 に お け る 学 習 指 導 要 領 の 改 訂 で 、 生 物 育 成 に お け る 教 材 の 幅 が 、 作 物 の 栽 培 や 動 物 の 飼 育 及 び 水 産 生 物 の 栽 培 と 広 げ ら れ た が 、 本 研 究 で は 、 従 来 か ら の 教 科 内 容 や 各 学 校 の 事 情 も 考 慮 し 、 こ れ ま で 教 科 で 蓄 積 さ れ て き た こ と を 活 用 す る と い う 視 点 か ら 、 対 象 を 作 物 の 栽 培 に 限 定 し た 。 し か し 、 各 学 校 に お け る 動 物 の 飼 育 環 境 や 水 産 生 物 の 栽 培 環 境 、 さ ら に
、 、
は 学 外 の 関 連 施 設 等 の 協 力 体 制 が 整 え ば 教 材 と し て こ れ ら を 取 り 上 げ る 事 も 勿 論 可 能 に な る も の と 考 え る 。
第 2 章 生 物 育 成 に 関 連 し た 他 教 科 の 学 習 内 容
改 訂 中 学 校 学 習 指 導 要 領1 )の 、 第 2 章 第 8 節 技 術 ・ 家 庭 、 第 3 指 導 計 画 の 作 成 と 内 容 の 取 り 扱 い 1 ( 3 ) に は 「 小 学 校 に お け る 学 習 を 踏 ま え 、 他 教 科 と、 の 関 連 を 明 確 に し て 、 系 統 的 ・ 発 展 的 に 指 導 で き る よ う 配 慮 す る 」 こ と が 示 さ れ て い る 。 本 章 で は 、 中 学 校 3 学 年 間 を 見 通 し た 生 物 育 成 を 柱 と し た 技 術 ・ 家 庭 科 の 指 導 計 画 を 作 成 す る た め の 一 つ の 視 点 と し て 、 内 容 的 に 関 連 が あ る と 思 わ れ る 、 小 学 校 の 教 科 「 生 活 ( 以 下 、 小 学 校 生 活 科 ) 及 び 「 理 科 ( 以 下 、」 」 小 学 校 理 科 、 中 学 校 の 教 科 「 理 科 ( 以 下 、 中 学 校 理 科 ) の 学 習 内 容 に つ い) 」 て 整 理 し 考 察 し た 。 ま た 、 生 物 育 成 の 学 習 内 容 及 び 家 庭 分 野 の 学 習 内 容 を 整 理 し そ れ ぞ れ の 関 連 性 に つ い て 考 察 し た 。
1 . 小 学 校 生 活 科 と 生 物 育 成 と の 関 連 性
小 学 校 生 活 科 で は 、 平 成 2 0 年 に 刊 行 さ れ た 小 学 校 学 習 指 導 要 領 解 説 生 活 編 の 目 標 の ( 2 ) に 「 自 分 と 身 近 な 動 物 や 植 物 な ど の 自 然 と の か か わ り に 関
1 0 )
心 を も ち 、 自 然 の す ば ら し さ に 気 付 き 、 自 然 を 大 切 に し た り 、 自 分 た ち の 遊 び や 生 活 を 工 夫 し た り す る こ と が で き る よ う に す る 」 と あ り 、 内 容 は 「 動 物 を。 飼 っ た り 植 物 を 育 て た り し て 、 そ れ ら の 育 つ 場 所 、 変 化 や 成 長 の 様 子 に 関 心 を も ち 、 ま た 、 そ れ ら は 生 命 を も っ て い る こ と や 成 長 し て い る こ と に 気 付 き 、 生 き 物 へ の 親 し み を も ち 、 大 切 に す る こ と が で き る よ う に す る 」 と あ り 、 多 く。 の 体 験 を 通 し て 、 動 物 や 植 物 な ど 自 然 と の か か わ り へ の 関 心 を 高 め る こ と が ね ら い と さ れ て お り 、 生 物 育 成 の 学 習 の 出 発 点 と し て 考 慮 す べ き で あ る こ と が わ か っ た 。
ま た 、 著 者 の 現 勤 務 校 の 階 上 町 立 階 上 中 学 校 に お い て 、 技 術 科 の 最 初 の 授 業 で 1 学 年 を 対 象 に と っ た ア ン ケ ー ト で は 「 小 学 校 で 、 育 て た こ と が あ る 植 物、 や 動 物 は 何 で す か 」 と い う 質 問 に 対 し て 、 数 多 く の 植 物 名 や 動 物 名 が 挙 げ ら。 れ た こ と か ら 、 小 学 校 生 活 科 に お い て は 、 動 植 物 と ふ れ あ う 実 践 が 豊 富 に 設 定 さ れ て い る こ と の 成 果 が 明 ら か で あ っ た 。
2 . 小 学 校 理 科 ・ 中 学 校 理 科 と 生 物 育 成 と の 関 連 性
表 2 は 、 平 成 2 0 年 に 刊 行 さ れ た 小 学 校 学 習 指 導 要 領 解 説 理 科 編1 1 )か ら 小 学 校 理 科 お よ び 中 学 校 理 科 に お け る 生 命 に 関 わ る 内 容 を 抜 粋 し た も の で あ る 。 小 学 校 理 科 で は 、 第 3 学 年 に 「 昆 虫 と 植 物 「 身 近 な 自 然 の 観 察 、 第 4 学 年」 」
「 」、 「 、 、 」「 」、
で は 季 節 と 生 物 第 5 学 年 で は 植 物 の 発 芽 成 長 結 実 動 物 の 誕 生 第 6 学 年 で は 「 植 物 の 体 の つ く り と 働 き 「 植 物 の 養 分 と 水 の 通 り 道 「 生 物」 」
と 環 境 」 を 学 習 す る 。
中 学 校 理 科 で は 、 1 学 年 に 「 植 物 の 体 の つ く り と 働 き 「 植 物 の 仲 間 「 生」 」 物 の 観 察 、 第 2 学 年 で は 「 動 物 の 体 の つ く り と 働 き 「 生 物 の 細 胞 「 動 物 の」 」 」 仲 間 「 生 物 の 変 遷 と 進 化 、 第 3 学 年 で は 「 生 物 の 成 長 と 増 え 方 「 遺 伝 の 規」 」 」 則 性 と 遺 伝 子 「 生 物 と 環 境 「 自 然 の 恵 み と 災 害 「 自 然 環 境 の 保 全 と 科 学 技」 」 」 術 の 利 用 」 を 学 習 す る 。
小 学 校 理 科 及 び 中 学 校 理 科 で 学 習 す る 内 容 は 、 植 物 や 動 物 が 成 長 す る し く み や 体 の つ く り な ど 生 物 の 構 造 や 機 能 に つ い て の 基 礎 的 ・ 基 本 的 な こ と が ら で 、 こ れ ら も ま た 生 物 育 成 の 学 習 に お い て 、 基 礎 的 知 識 と し て 重 要 な 内 容 で あ る こ と が 確 認 で き た 。
表 2 小 学 校 理 科 ・ 中 学 校 理 科 の 「 生 命 」 に か か わ る 内 容
校 学 生 命
生物と環境のかかわり 種 年 生物の構造と機能 生物の多様性と共通性 生命の連続性
小 第 学 3 校 学 年
第 4 学 年
第 5 学 年
昆虫と植物
・昆虫の成長と体のつくり
・植物の成長と体のつくり
身近な自然の観察
・身の回りの生物の 様子
・身の回りの生物と 環境とのかかわり
季節と生物
・動物の活動と季節
・植物の成長と季節
植 物 の 発
、 、
芽 成長 結実
・種子の中 の養分
・発芽の条 件・成長 の条件
・植物の受 粉、結実
動 物 の 誕 生
・ 卵 の 中 の 成 長
・ 水 中 の 小 さ な 生物
・ 母 体 内 の 成 長 人の体のつくりと運動
・骨と筋肉
・骨と筋肉の働き
第 6 学 年
中 第 学 1 校 学 年
第 2 学 年
第 3 学 年
( 平 成
20
年 に 刊 行 さ れ た 小 学 校 学 習 指 導 要 領 解 説 理 科 編1 1 )か ら 抜 粋 ) 人の体のつくりと働き
・呼吸
・消化・吸収
・血液循環
・主な臓器 の存在
植物の養分 と水の通り 道
・でんぷん のでき方
・水の通り 道
生物と環境
・生物と水、空気と のかかわり
・食べ物による生物 の関係
植物の体のつく りと働き
・花のつくりと 働き
・葉・茎・根の つくりと働き
植物の仲間
・ 種 子植物の 仲 間
・ 種 子をつく ら な い植物の 仲 間
生物の観察
・ 生 物 の 観 察
動 物 の体 のつく りと働き
・ 生 命を 維持す る働き
・刺激と反応
生物と細胞
・生物と細胞 動物の仲間
・脊椎動物の仲間
・無脊椎動物の仲間 生物の変遷と進化
・生物の変遷と進化
生 物の 成長と 増 え方
・ 細胞 分裂と 生 物の成長
・ 生物 の増え 方
生物と環境
・自然界のつり 合い
・自然環境の調 査と環境保全
(地球温暖化、
) 外来種を含む
自 然の 恵みと災 害
・ 自然 の恵みと 災害
自 然環 境の 保全 と 科学 技術 の利 用
・ 自然 環境 の保 全 と科 学技 術の 利用
遺伝の規則性と 遺伝子
・遺伝の規則性 と遺伝子(D NAを含む)
3 . 生 物 育 成 の 学 習 内 容 と 他 教 科 の 内 容 の 関 連 性
次 に 、 技 術 科 に お け る 授 業 計 画 策 定 に 資 す る た め 、 解 説 技 術 ・ 家 庭 編1 )に 従 い 、 生 物 育 成 の 内 容 を 「 広 く 現 代 社 会 で 活 用 さ れ て い る 技 術 に つ い て 学 習 す、 る 項 目 等」、「 技 術 を 活 用 し た も の づ く り を 行 う 項 目 等」、「 技 術 を 評 価 し 活 用
」 、 、 、
す る 能 力 と 態 度 を 育 て る 項 目 等 の 視 点 で 整 理 し 小 学 校 生 活 科 小 学 校 理 科 中 学 校 理 科 の 学 習 内 容 と の 関 連 性 を 表 3 に 示 し た 。
こ の こ と か ら 、 小 学 校 生 活 科 の 学 習 は 「 広 く 現 代 社 会 で 活 用 さ れ て い る 技、 術 に つ い て 学 習 す る 項 目 等」、「技 術 を 活 用 し た も の づ く り を 行 う 項 目 等」、「技 術 を 評 価 し 活 用 す る 能 力 と 態 度 を 育 て る 項 目 等 」 の 全 般 に 関 わ り 、 ま た 、 小 学 校 理 科 及 び 中 学 校 理 科 は 、 主 に 「 広 く 現 代 社 会 で 活 用 さ れ て い る 技 術 に つ い て 学 習 す る 項 目 等 」 の 「 生 物 を 取 り 巻 く 生 育 環 境 が 生 物 に 及 ぼ す 影 響」、「 生 物 の 育 成 に 適 す る 条 件」、「 育 成 環 境 を 管 理 す る 方 法 」 と い っ た 基 礎 的 知 識 の 学 習 内 容 に 関 わ り が 深 い こ と が 確 認 で き た 。
表 3 生 物 育 成 の 学 習 内 容 と 理 科 及 び 生 活 科 の 学 習 内 容 の 関 連 性 小学校生活科・小学校理科 生物育成の学習内容
及び中学校理科の学習内容
①広く現代社会で活用されている技術について学習する 項目等
「生物の育成に適する条件と生物の育成環境を管理する 方法を知ること。」・・学習指導要領の内容(1)ア
<小3理科>
ア 生物を取り巻く生育環境が生物に及ぼす影響 身近な自然の観察
・生物の成長には、光、大気、温度、水、土、他の生物 <小4理科>
などのいろいろな環境要因が影響すること。 季節と生物
・作物の栽培では、気象的要素、土壌的要素、生物的要 <小6理科>
素、栽培する作物の特性と生育の規則性について考慮 生物と環境
すること。 <中1理科>
イ 生物の育成に適する条件 植物の体のつくりと働き
・種まき、定植や収穫などの作物の管理技術。 <小5理科>
ウ 育成環境を管理する方法 植物の発芽、成長、結実
・整地 除草 施肥やかん水などの育成環境の管理技術、 、 。 <中3理科>
エ 動物の飼育 生物の成長と増え方
・地域環境や飼育する動物の食性などの習性について考 <小生活科>
慮する。 自分と身近な動物や植物な
・給餌や給水などの家畜の管理技術 どの自然とのかかわり
・除ふんや温度調節などの飼育環境の管理技術
オ 水産生物の栽培 <中3理科>
・養殖環境と栽培する魚介類及び藻類の食性や成長の特 生物の成長と増え方
性について考慮する。
・移植、放流などの増殖技術
・養殖環境の管理などの養殖技術」
カ その他
・食料や燃料の生産、生活環境の整備など、生物育成の 目的に応じた管理方法。
②技術を活用したものづくりを行う項目等
「目的とする生物の育成計画を立て、生物の栽培又は飼 育ができること。」・・学習指導要領の内容(2)ア
ア 生物の計画的な管理方法
・育成する生物の各成長段階における、肥料、飼料の給 <中3理科>
与量や方法をはじめとした管理作業、及びそれに必要 生物の成長と増え方
な資材、用具、設備などについて知ること
・育成する動植物に発生しやすい主な病気や害虫等。病 害虫等に侵されにくい育成方法。薬品の使用量を少な くした防除方法について知ること。
イ 栽培又は飼育の計画と適切な管理作業
・目的や条件に応じた栽培又は飼育計画を立て、合理的 に栽培又は飼育ができる。
ウ 育成する生物の観察を通して成長の変化をとらえ、 <小生活科>
適切に対応する能力 自分と身近な動物や植物な
エ その他 どの自然とのかかわり
・生産物の品質や収穫量の向上等を目的とした育成計画
・気象条件により普通栽培が困難なときには、施設栽培
を取り上げ、適当な栽 培用地が確保できないときに
は容器栽培養液栽培なども考えられる。
・栽培又は飼育する生物を選択する際は、目的に応じて 種類を検討するとともに、育成する場所や時期も踏ま える。
・作物の栽培を選択した場合、気象条件により普通栽培
が困難なときには施設 栽培を取り上げ、適当な栽培
用地が確保できないときには容器栽培や養液栽培など
を取り上げることも考えられる。
・動物の飼育又は魚介類や藻類などの栽培を選択した場
合、育成する場所や時 期を踏まえ、適当な飼育環境
や栽培環境がないときには、関連する地域機関施設な どの連携を図り、実習や観察等を実施することも考え られる。
・実習を行う際に薬品を使用する場合には、安全使用基 準や使用上の注意を遵守させる。
・固有の動植物などの地域に既存の生態系に影響を及ぼ す可能性のある外来の生物等を取り扱う場合には、実 習中のみならず、学習後の取り扱いについても十分配 慮する。
③社会・環境との関わりに関する項目等 理中3:生物と環境、
「生物育成に関する技術の適切な評価・活用について考 自然の恵みと災害、
えること 」。 ・・・学習指導要領の内容(1)イ 自然環境の保全と科学技
術の利用
ア 生物育成に関する技術が社会や環境に果たしている <小生活科>
役割と影響 自分と身近な動物や植物な
・水田や森林は二酸化炭素を吸収したり洪水を防止した どの自然とのかかわり
りするなど、生物育成に関する技術を利用した農林水 産業がもつ多面的な機能について調べることを通して 持続可能な社会の構築のために生物育成に関する技術 が果たしている役割について理解させる。
・作業の効率、安全性と価格の観点から、どのような作 物を生産したり、加工品を利用したりすべきか検討さ
、 、
せたり 生物育成に関する技術を用いた燃料の生産が 社会や環境に与える影響について検討させる。
イ 生物育成に関する技術を適切に評価し活用する能力
と態度の育成
・生物育成に関する技術には、長い年月をかけて改良・
工夫された伝統的な技術と、バイオテクノロジーなど の最先端技術があることを踏まえ、自然の生態系を維 持しよりよい社会を築くために、生物育成に関する技 術を適切に評価し活用する能力と態度を育成する。
(中学校学習指導要領解説技術・家庭編 、小学校学習指導要領解説理科編2) 11)同生活科 編10)の記述から作成)
4 . 生 物 育 成 と 家 庭 分 野 と の 関 連 性
中 学 校 の 教 科 「 技 術 ・ 家 庭 」 は 、 実 践 的 ・ 体 験 的 な 学 習 活 動 を 通 し て 、 よ り よ い 生 活 を 創 造 し 、 社 会 の 変 化 に 主 体 的 に 対 応 す る 能 力 を 育 む と う い う 共 通 の 観 点1 )か ら 技 術 分 野 と 家 庭 分 野 と の 関 わ り は 深 い に も か か わ ら ず 、 実 際 の 授 業 で は 、 技 術 分 野 と 家 庭 分 野 に お け る 、 学 習 内 容 や 教 材 等 の 共 通 性 や 関 連 性 を 十 分 検 討 し な い ま ま 、 そ れ ぞ れ の 分 野 の 年 間 計 画 を 独 自 に 作 成 し 実 施 し て い る こ と が 多 い 。 し か し 、 両 分 野 に お け る 学 習 内 容 や 教 材 等 の 共 通 性 や 関 連 性 を 踏 ま え 、 授 業 計 画 を 作 成 し 実 践 す る こ と は 、 限 ら れ た 授 業 時 数 を 効 果 的 に 使 い 、 ま た 、 全 て の 学 校 に 両 方 の 教 員 免 許 状 を 所 持 す る 教 員 が 配 置 さ れ て い る と は 言 い 難 い 現 状 に お い て 、 こ の 教 科 の 指 導 内 容 を 合 理 的 な も の と す る 効 果 も 期 待 で き
B C
る と 考 え る。そ こ で、「A 家 族 ・ 家 庭 と 子 ど も の 成 長」、「 食 生 活 と 自 立」、「
衣 生 活 ・ 住 生 活 と 自 立」、「 D 身 近 な 消 費 生 活 と 環 境 」 の 4 つ の 内 容 か ら 構 成 さ れ て い る 家 庭 分 野 の 内 容 を 解 説 技 術 ・ 家 庭 編1 )か ら 整 理 し 、 生 物 育 成 と の 関 連 性 を ま と め た 結 果 ( 表 4 、 両 分 野 に お け る 学 習 内 容 や 教 材 等 の 共 通 性 や) 関 連 性 を 踏 ま え 、 授 業 計 画 を 作 成 し 実 践 す る こ と は 、 限 ら れ た 授 業 時 数 を 効 果
、 。
的 に 使 い 教 科 の 指 導 内 容 を 合 理 的 な も の と す る 効 果 が あ る こ と が 確 認 で き た
表 4 生 物 育 成 と 家 庭 分 野 の 内 容 の 関 連 性
技 術 分 野 家 庭 分 野
A 家 族 ・ 家 庭 と 食 生 活 と 自 立 衣 生 活 ・ 住 D 身 近 な 消 費 生
生 物 育 成 B C
子 ど も の 成 長 生 活 と 自 立 活 と 環 境
「 植 物 の 構 「 幼 児 の 遊 び 道 「 衣 服 の 材 料 、 「 A 家 族 ・ 家 庭
造 、 収 穫 物 具 の 製 作」 繊 維 」 と 子 ど も の 成
の 質 と 量 」 ( マ ス コ ッ ト の ( 布 を 用 い た 物 長」「B 食 生 活
( 工 芸 作 物 製 作 ) の 製 作 、 染 め ) と 自 立」「C
の 栽 培 ) 衣 生 活 ・ 住 生 活
と 自 立 」 の 学 習
「 栽 培 作 物 「 献 立 と 食 品 の と の 関 連 を 図 る
の 選 択 ・ 栽 選 び 方」「 食 生
培 計 画 「 収」 活 と 栄 養 」 「 食 品 や 衣 服 、
穫 物 の 質 と (日 常 食 の 調 遊 び 道 具 の 材 料
量 」 理 、 地 域 の 食 材 の 選 択 、 購 入 な
( 蔬 菜 類 の を 生 か し た 調 ど 具 体 的 な 場
栽 培 、 地 域 理 ) 面 」
の 作 物 の 栽 培 )
「 植 物 の 育 「 住 居 の 機 能 、
成 管 理 、 環 室 内 環 境 の 整 え
境 管 理 」 方 、 快 適 な 住 ま
( 観 賞 用 植 い 」
( )
物 の 栽 培 ) 住 空 間 の 構 想
「 」 は 関 連 性 の あ る 学 習 内 容 (、 ) は 関 連 性 の あ る 教 材 を 示 す
(中 学 校 学 習 指 導 要 領 解 説 技 術 ・ 家 庭 編2 )の 記 述 か ら 作 成)
第 3 章 生 物 育 成 の 技 術 に 関 す る 教 材 の 検 討
本 章 で は 、 改 訂 中 学 校 学 習 指 導 要 領 の 規 定 を 踏 ま え て 、 様 々 な 作 物 に つ い て 生 物 育 成 に お け る 教 材 と し て の 可 能 性 や 特 徴 等 に つ い て 検 討 し た 。
改 訂 中 学 校 学 習 指 導 要 領 の 技 術 ・ 家 庭 ( 技 術 分 野 ) に お け る 生 物 育 成 の 学 習 内 容 は ( 1 ) 生 物 の 生 育 環 境 と 育 成 技 術 ( 2 ) 生 物 育 成 に 関 す る 技 術 を 利、 、 用 し た 栽 培 又 は 飼 育 の 2 項 目 で 構 成 さ れ ( 1 ) の ア 「 生 物 の 育 成 に 適 す る 条、 件 と 生 物 の 育 成 環 境 を 管 理 す る 方 法 を 知 る こ と 」 で は 、 生 物 育 成 に 関 す る 基 礎 的 ・ 基 本 的 な 知 識 及 び 技 術 に つ い て ( 2 ) の ア 「 目 的 と す る 生 物 の 育 成 計 画、 を 立 て 、 生 物 の 栽 培 又 は 飼 育 が で き る こ と 」 で は ( 1 ) の ア で 学 ん だ 内 容 を 活 用 し た 生 物 の 栽 培 又 は 飼 育 に つ い て ( 1 ) の イ で は 、 生 物 育 成 に 関 す る 技 術、 の 評 価 と 活 用 に つ い て 学 習 す る2 )と 示 さ れ て い る 。
ま た 、 解 説 技 術 ・ 家 庭 編2 )に は 、 作 物 の 栽 培 を 選 択 し た 場 合 、 気 象 条 件 に よ り 普 通 栽 培 が 困 難 な と き に は 施 設 栽 培 を 取 り 上 げ 、 適 当 な 栽 培 用 地 が 確 保 で き な い と き に は 容 器 栽 培 や 養 液 栽 培 な ど を 取 り 上 げ る こ と も 考 え ら れ る と 示 さ れ て い る 。 こ の こ と に 関 連 し て 、 多 く の 学 校 で 直 面 す る 課 題 と し て 、 畑 な ど の 栽
。 、 、 、
培 場 所 が な い こ と が 考 え ら れ る よ っ て 本 章 で は こ れ ら の こ と を 配 慮 し て 生 物 育 成 に 関 す る 作 物 教 材 に つ い て 検 討 し た 。 な お 、 検 討 に 際 し て は 、 現 勤 務 校 の 階 上 町 立 階 上 中 学 校 で の 実 践 の 結 果 も 記 載 し た 。
1 . 小 型 の 品 種 群 ( ミ ニ 野 菜 類 ) の 教 材 性
上 記 の 各 学 校 で 予 想 さ れ る 栽 培 場 所 等 の 課 題 を 解 決 す べ く 、 本 節 で は 、 様 々 な 作 物 の 中 か ら 小 型 の 品 種 群 に 注 目 し そ の 教 材 性 に つ い て 検 討 し た 。
、 「 」 「 」 、
淡 野 一 郎1 2 )は 小 型 の 品 種 群 を ミ ニ 野 菜 ま た は ベ ビ ー 野 菜 と 呼 び
「 ミ ニ 野 菜 」 と は 、 あ る 程 度 の 大 き さ に 達 す る と そ れ 以 上 大 き く な ら ず 小 さ い サ イ ズ で 成 熟 す る 野 菜 の こ と を い い 「 ベ ビ ー 野 菜 」 と は 、 通 常 の 栽 培 で は 大、 き く な る 野 菜 を 、 密 植 や 早 採 り を す る こ と に よ り 小 ぶ り な 野 菜 と し て 収 穫 し た
。 、 、 。
も の と 定 義 し て い る よ っ て こ れ ら の 小 型 の 品 種 群 を 以 下 ミ ニ 野 菜 と 呼 ぶ 検 討 し た ミ ニ 野 菜 の 種 類 は 、 ベ ビ ー ツ ケ ナ 類 、 ベ ビ ー レ タ ス 、 ベ ビ ー ル ッ コ ラ 、 ベ ビ ー ホ ウ レ ン ソ ウ 、 ミ ニ チ ン ゲ ン サ イ 、 ミ ニ タ マ ネ ギ 、 ミ ニ カ リ フ ラ ワ ー 、 ス テ ィ ッ ク ブ ロ ッ コ リ ー 、 ハ ツ カ ダ イ コ ン 、 ミ ニ ニ ン ジ ン 、 ミ ニ ト マ ト 、 コ ナ ス 、 ベ ビ ー キ ュ ウ リ 、 ミ ニ カ ボ チ ャ 、 ミ ニ メ ロ ン 、 ミ ニ ス イ カ の 1 6 種 類 で あ る 。 こ れ ら の 作 物 の 特 徴 を 教 材 的 な 視 点 か ら ま と め 、 表 5 に 示 し た 。
表 5 ミ ニ 野 菜 の 特 徴
作 物 名 栽 培 期 間 特 徴
栽 培 期 間 が 短 く 、 短 期 間 で 収 穫 が で 葉 ベ ビ ー ツ ケ ナ 類 約 5 0 日
き る た め 、 栽 培 時 期 を あ る 程 度 学 校 の 実 態 に 合 わ せ 調 整 で き る 。
菜 ベ ビ ー レ タ ス 約 5 0 日
栽 培 方 法 が 比 較 的 簡 単 な た め 、 栽 培 経 験 が 少 な い 生 徒 に も 適 し て い る 。 類 ベ ビ ー ル ッ コ ラ 約 3 0 日
ベ ビ ー ホ ウ レ ン ソ ウ 約 4 0 日 ミ ニ チ ン ゲ ン サ イ 約 3 0 日
ミ ニ タ マ ネ ギ 約 1 1 0 日 播 種 の 時 期 が 普 通 の タ マ ネ ギ と 違 い、 春 ま き が で き る た め 、 年 度 内 の 栽 培 が 可 能 で あ る 。
栽 培 期 間 が 4 月 ~ 7 月 で 、 1 学 期 内 ミ ニ カ リ フ ラ ワ ー 約 1 0 0 日
で 収 穫 で き る 。
草 姿 が コ ン パ ク ト で 密 植 栽 培 に 向 い て い る 。
栽 培 期 間 が 、 4 月 ~ 7 月 と 7 月 ~ 1 1 スティックブロッコリー 約 9 0 日
月 の 期 間 で 栽 培 で き る た め 、 栽 培 時 期 を あ る 程 度 学 校 の 実 態 に 合 わ せ 調 整 で き る 。
栽 培 期 間 が 短 く 、 短 期 間 で 収 穫 が で 根 ハ ツ カ ダ イ コ ン 約 3 0 日
き る 。 菜類
栽 培 期 間 が 、 4 月 ~ 8 月 と 6 月 ~ 1 ミ ニ ニ ン ジ ン 約 1 2 0 日
0 月 の 期 間 で 栽 培 で き る た め 、 栽 培 時 期 を あ る 程 度 学 校 の 実 態 に 合 わ せ 調 整 で き る 。
発 芽 温 度 が 高 温 の た め 保 温 施 設 で の 果 ミ ニ ト マ ト 約 1 2 0 日
育 苗 が 必 要 な こ と 、 間 引 き 、 定 植 、 支 柱 ・ 誘 引 、 わ き 芽 か き 、 と い っ た さ ま
菜 ざ ま な 栽 培 技 術 の 学 習 が で き る 。
類 コ ナ ス 約 1 1 0 日
ベ ビ ー キ ュ ウ リ 約 8 0 日 果 菜 類 の 中 で は 収 穫 ま で の 期 間 が 短 い。 果 実 だ け で な く 、 植 物 体 で 、 普 通 品 ミ ニ カ ボ チ ャ 約 1 3 0 日
、 。
種 よ り 短 か い 栽 培 期 間 で 収 穫 で き る ミ ニ メ ロ ン 約 1 3 0 日
ミ ニ ス イ カ 約 1 3 0 日
(ミ ニ & ベ ビ ー 野 菜 ガ ー デ ニ ン グ ノ ー ト1 2 )の 記 述 か ら 整 理)
今 回 検 討 し た ミ ニ 野 菜 は 、 名 前 の 通 り 、 植 物 体 が 小 ぶ り な た め 、 露 地 栽 培 や ビ ニ ー ル ハ ウ ス 栽 培 に 留 ま ら ず 、 容 器 栽 培 や 袋 栽 培 が 可 能 で あ り 、 栽 培 場 所 が 十 分 で な い 学 校 で も 活 用 で き る 。 ま た 、 栽 培 期 間 が 短 く 短 期 間 で 収 穫 で き 、 栽 培 時 期 を あ る 程 度 学 校 の 実 態 に 合 わ せ 調 整 で き る こ と か ら 、 生 物 育 成 の 基 礎 的
・ 基 本 的 な 知 識 及 び 技 術 に つ い て の 学 習 に 最 適 な 教 材 で あ り 、 さ ら に 、 家 庭 分 野 の 「 食 生 活 と 自 立 」 の 授 業 に も 収 穫 物 の 調 理 と し て 活 用 で き る も の が 多 い こ と か ら も 、 ミ ニ 野 菜 は 教 材 と し て 有 用 で あ る と 考 え る 。
1 3 )
ま た 、 こ れ ら の ミ ニ 野 菜 の 中 か ら ハ ツ カ ダ イ コ ン に 注 目 す る と 、 肥 田 野
は 、 ハ ツ カ ダ イ コ ン の 栽 培 は 、 プ ラ ン タ ー や 植 木 鉢 な ど の 様 々 な 容 器 で 栽 培 で き る こ と か ら 、 学 校 や 家 庭 で 畑 や 花 壇 が な く て も 行 え る と い う 利 点 を 持 ち 、 適 切 に 行 え ば 、 植 物 の 成 長 の 観 察 に 留 ま ら ず 、 農 、 さ ら に は 食 の 理 解 に も つ な が る 教 材 と な り う る と 述 べ て い る 。 す な わ ち 、 ハ ツ カ ダ イ コ ン は 、 ホ ー ム セ ン タ
、 、 ( 、
ー な ど で 容 易 に 種 子 を 購 入 で き 大 き さ も 小 さ い こ と か ら 容 器 プ ラ ン タ ー 鉢 、 牛 乳 パ ッ ク 等 ) で 手 軽 に 栽 培 で き 、 育 成 期 間 も 2 0 日 ~ 3 0 日 と 短 期 間 で あ る こ と か ら 、 栽 培 用 地 が 確 保 で き な い 学 校 で も 栽 培 が 可 能 で あ る 。 さ ら に 、 ハ ツ カ ダ イ コ ン は 、 球 形 で 赤 色 ・ 白 色 や 大 根 形 で 赤 色 ・ 白 色 な ど の 多 く の 品 種 が あ る こ と か ら 、 品 種 の 違 い に よ る 形 や 色 の 観 察 や 成 長 の 違 い な ど を 比 較 し な が ら 学 習 を 展 開 す る こ と が 可 能 で あ り 、 人 間 が 、 多 収 穫 や 耐 病 性 、 味 の 向 上 な ど を 目 的 に 行 っ て き た 品 種 改 良 の 意 図 や 有 利 な 形 質 を 持 つ 個 体 ど う し の 交 雑 に よ り 、 そ れ ぞ れ の 優 れ た 性 質 を 併 せ 持 つ 個 体 を 得 る 遺 伝 の 法 則 に 関 わ る 作 物 の 特 性 な ど に つ い て の 知 識 を 広 げ 、 さ ら に 、 献 立 を 考 え た 食 品 の 選 び 方 や 食 品 の 栄 養 な ど の 理 解 を 通 し て 、 収 穫 後 の 調 理 へ の 関 心 も 高 め ら れ る こ と が 可 能 で あ
。 、 、
る と 考 え ら れ る こ の こ と か ら ハ ツ カ ダ イ コ ン を 教 材 と し て 選 択 す る こ と は 多 く の 学 校 で 直 面 す る と 考 え ら れ る 栽 培 用 地 の 課 題 を 解 決 し 、 さ ら に 食 の 理 解 を 通 し て 、 家 庭 分 野 の 食 生 活 と 自 立 に も つ な が る 教 材 で あ る と 言 え る 。
2 . 水 草 ( 侘 び 草 ) の 教 材 性
水 草 は 、 身 近 な 場 面 と し て は 、 ア ク ア リ ウ ム 等 に お い て 単 独 ま た は 金 魚 や 熱 帯 魚 と 組 み 合 わ せ る な ど 観 賞 用 に 広 く 使 わ れ て い る が 、 教 材 の 視 点 か ら 改 め て 検 討 し た 。
検 討 し た 水 草 お よ び 栽 培 装 置 は 、 観 賞 用 と し て 株 式 会 社 ア ク ア デ ザ イ ン ア マ ノ か ら 「 侘 び 草 」 と い う 名 称 で 植 物 、 栽 培 器 具 等 が シ ス テ ム 化 さ れ て 市 販 さ れ て い る 商 品 で あ る 。
ア ク ア デ ザ イ ン ア マ ノ1 4 )に よ る と 水 草 の 種 類 は 多 種 多 様 あ り 、 周 り の 環 境 に 合 わ せ て 、 水 中 葉 と 水 上 葉 を 使 い 分 け る 能 力 を 備 え て い る も の も あ る 。 水 中 葉 は 水 の 浮 力 を 利 用 し て 、 柔 ら か く 大 き な 葉 を 広 げ 、 水 位 が 下 が っ た 状 況 に 適 応 す る 水 上 葉 は 、 乾 燥 や 紫 外 線 に 耐 え る た め 、 肉 厚 で し っ か り と し た 葉 や 茎 を 伸 ば す 。 こ の よ う な 特 徴 を 持 つ 水 草 を 教 材 と し て 活 用 す る こ と は 、 同 じ 種 類 の 植 物 で も 栽 培 環 境 や 栽 培 方 法 の 違 い で 、 周 り の 環 境 に 適 応 し な が ら 生 育 で き る 植 物 の 特 性 に つ い て の 学 習 が 可 能 で あ り 、 そ の 活 用 は 生 物 育 成 の 教 材 と し て 新 し い 試 み で あ る と 考 え ら れ た 。
佗 び 草 は 、 上 記 の よ う な 水 草 の 生 態 的 な 特 徴 を 生 か し 、 観 賞 用 植 物 と し て よ り 手 軽 に 、 誰 で も 失 敗 な く 育 て ら れ る こ と を 目 標 に 考 案 さ れ 注 目 さ れ て い る 。 侘 び 草 の 構 成 は 、 写 真 1 に 示 し た よ う に 、 根 が 張 る た め の 直 径 6 . 5 c m ~ 9
c m の 植 物 質 の ベ ー ス に 、 比 較 的 扱 い や す く 、 育 成 し や す い 種 類 の 水 草 を 5 ~
、 。 、
8 種 類 組 み 合 わ せ て 混 栽 し 密 度 の 高 い 水 草 の 群 生 美 が 完 成 し て い る 一 般 に 数 種 類 の 水 草 を 混 栽 し 育 成 す る た め に は 、 ハ サ ミ 等 で カ ッ ト し た 水 草 を 、 数 種 類 を 束 ね て 糸 な ど で 結 び 、 ピ ン セ ッ ト 等 で 植 栽 す る な ど の 専 門 的 な 技 術 を 必 要 と し 取 り 扱 い が 難 し い が 、 侘 び 草 の よ う に 完 成 さ れ た 商 品 を 活 用 す る こ と で 、 導 入 が 容 易 と な り 、 教 材 と し て の 活 用 も 可 能 で あ る と 考 え た 。
前 述 し た よ う に 、 水 草 に は 周 り の 環 境 に 合 わ せ て 、 水 中 葉 と 水 上 葉 を 使 い 分 け る 能 力 を 備 え て い る も の が あ り 、 そ の 水 草 を 混 栽 し た 侘 び 草 も 同 様 の 特 徴 を 持 っ て い る 。 つ ま り 、 侘 び 草 を 水 上 で 栽 培 す れ ば 葉 は 水 上 葉 と し て 展 開 し 、 水 中 で 栽 培 す れ ば 葉 は 水 中 葉 と し て 展 開 す る 。
佗 び 草 を 水 上 葉 で 鑑 賞 す る 場 合 は 、 ア ク ア デ ザ イ ン ア マ ノ の 商 品 で あ る プ ラ ン ト グ ラ ス ( 写 真 2 ) に 侘 び 草 を 置 き 、 腰 水 で 育 て る の が 最 も 手 軽 な 方 法 で あ る が 、 侘 び 草 を 入 れ る 容 器 は 、 侘 び 草 の ベ ー ス が 入 り 、 腰 水 が あ ふ れ な い 程 度 の 大 き さ と 深 さ が あ れ ば 利 用 可 能 で あ り 、 教 材 と し て 扱 う 場 合 は プ ラ ス チ ッ ク
。 、 、
ケ ー ス 等 の 安 価 な も の で も 十 分 可 能 で あ る ま た ア ク ア デ ザ イ ン ア マ ノ に は ウ オ ー タ ー フ ォ ー ル ( 写 真 3 ) と い う 大 型 の 商 品 が あ り 、 上 部 は 、 水 上 葉 を 展 開 す る 侘 び 草 を 置 く 場 所 と し て 2 段 又 は 3 段 の 階 段 状 に な っ て お り 、 下 部 は 、 水 槽 と し て の 機 能 を 持 ち 、 侘 び 草 を 水 中 で 育 成 す る こ と で 、 水 中 葉 と し て 鑑 賞 す る こ と が 可 能 で あ り 、 さ ら に 小 魚 や エ ビ を 飼 育 す る と 、 水 中 で は 、 水 草 が 行 う 光 合 成 と 小 魚 等 の 呼 吸 な ど に よ り 物 質 循 環 が 行 わ れ る こ と か ら 、 小 学 校 理 科
写 真 1 侘 び 草 の 構 成 ( ア ク ア デ ザ イ ン ア マ ノ ホ ー ム ペ ー ジ1 4 )よ り )