算数・数学教育における問題解決学習の研究(4)
−児童の自己評価力と学習意欲育成のケーススタデ ィ−
著者 重松 敬一, 原 和久
雑誌名 教育実践研究指導センター研究紀要
巻 7
ページ 101‑112
発行年 1998‑03‑31
その他のタイトル Research on Problem‑Solving in Mathematics Education (4) −A Case Study of a Student's Power of Self‑evaluation−
URL http://hdl.handle.net/10105/4323
‑児童の自己評価力と学習意欲育成のケーススタディー
重 松 敬 一 (数学教育学教室) n;i fn 久 (京都府亀岡市立安詳小学校)
Research on Problem‑Solving in Mathematics Education (4)
‑ A Case Study of a Student s Power of Self ‑evaluation‑
Keiichi SHIGEMATSU
(Department of Mathematics Education) Kazuhisa HARA
(Ansyo Elementary School, Kameoka)
要旨:現在、教育現場では「自己教育力」 「新しい学力観」にもとづく児童観、指導観、評価観 など21世紀を展望した教育観の見直しがさかんになされ、数多くの教育実践が行なわれている。
児童一人一一人のよさや可能性を生かすことをもとにした、自ら学ぶ意欲、思考力、判断力、表現 力などの資質や能力の育成を目指した実践は、今後も引き続いて重視されていくものと考えられ る。自ら学ぶ意欲の育成を目的とする指導方法は数多くあるが、本稿では、多くの指導方法の中 から、自己評価指導に視点を当てた実践をもとにして、学習意欲を高める上での自己評価指導の 有効性を示した。具体的には、一人の児童の自己評価記述の様相を追跡調査していくことから、
自己評価によって学習意欲が向上することを明らかにする。
辛‑ワード:問題解決、自己評価
Synopsis: In Japan, students have recently been taught to become strongly motivated learners by themselves. Therefore, we think, it is very important for them to have a power of self‑evaluation for their learning. The purpose of this report is to show how students get such a power in a unit of lesson and become strongly motivatedlearners. In order to accomplish this purpose,we invented a new method of self‑evaluation and also used questionnaires documenting students changes. In particular, we conducted a case study of a student and knew about the process of drastical change of
his power of self‑evaluation and motivated attitude.
Key words: Problem Solving, Self‑Evaluation
1.はじめに
「新しい学力観」が提唱されてから今日に至るまで、学ぶ意欲、情意的学力の指導と評価をど のように行なうかは常に大きな課題とされてきた。これは、学習意欲が一人一人の内面に生起す るものであり、いわゆる「見えにくい学力」であることが一つの大きな理由である。学習意欲を 高めたり、育てたりするという指導と評価の課題は、「学習意欲をいかに内面に生起させるか」
「内面に生起した学習意欲をいかに把握するか」ということにあると考えられる。
筆者は、ここ数年来「一人一人が意欲的に学ぶ授業をめざして」という主題のもと、学習意欲 の育成に関連した実践に携わってきたが、上述の学習意欲に関わる指導と評価の課題に対しては、
自己評価に着目した実践を行なうことによって、課題克服がある程度可能になると考えてきた。
それは、実践をする中で以下のことを感じることがあったからである。
(1)しっかりと自分の学習を振り返ることができる児童は、学習意欲が高い傾向にある。自己評 価記述の特徴として、自分の学習過程を詳細に振り返っていることが見て取れる。
(2)自己評価記述の文末表現には、学習意欲に関連した記述がよく見られ、学習意欲が高い児童 ほど、次への学習や生活への発展に関連した記述が多い。
本稿は、上記の実践を通しての実感をもとに、「見えにくい」とされる内面生起段階での学習 意欲を高め、育てる指導と評価には、自己評価を取り入れた実践が有効であることを示した。
また、内面生起段階の「見えにくい」学習意欲を評価する方法として、言語表出、特に自己評 価の文末表現記述分析を活用するという新たな方法を示した。
2.研究の枠組み 2.1.研究の概要
本研究では、自己評価指導によって、自己評価能力を向上させ、自己評価を確かに行なわせる ことで、最終的に学習意欲を高めることを目的としている。概要をまとめると下図になる。
自己評価指導
⊂蜃頭重コ→
アンケート
自己評価活動 自己評価能力の高まり
記述内容把握
→匝車高話す1
アンケート
2.2.自己評価について
自己評価は、I(主体としての自分)があり、それが、me(客体としての自分)を冷静に見 つめ、それを制御していくこと、また、統制することのできる学習行動の調整過程であるといわ れる。1)その目的は、理想の自分を追究し、学習改善を図り、よりよい自己実現をはかることに ある。自己評価は、授業中のあらゆる場面で実際は行なわれているが、本研究は授業過程によっ て自己評価を3つに分けて考えている。
(1)「導入時自己評価」(授業の導入場面)
前時の学習を想起する。前時の学習想起から、本時の学習を意識する。本時の学習において 変容する自分を期待する。
(2)「展開時自己評価」(授業の展開場面)
学習中に自分の学習を見つめ、学習を通して変容している自分を意識する。変容前の自分を 想起したり、将来的に変容する自分を期待したりする。
(3)「終末時自己評価」(授業の終末場面)
学習を通して変容してきた自分、変容を遂げた自分を見つめる。さらには、将来的に変容す る自分を期待する
上記の3つの自己評価における評価の主体は、それぞれの評価場面における自分であり、評価 の客体は、(1)〜(3)それぞれ3つの場面における自分である。一般的に過去の自分を振り返るこ とや将来の自分を想像することは、誰しも比較的経験が豊富であると考えられるが、小学生段階 では、現在の自分を客観的に見つめるもう一一人の自分の存在(メタ認知)を意識することはなか なか難しい。2)しかし、2.3.でも示すように「自省能力(自らを省みる力)」を付けることは、自 己評価能力の根本に関わることであり、本研究における自己評価指導でも重視していることであ
る。
2.3.自己評価能力について
自己評価を取り入れて実践を進める際には、児童が自己評価を行なう力、2.2.で述べた学習行 動の調整過程において「行動を調整することのできる能力」をどの程度身に付けているかが大き な問題となる。
安彦は、注目すべき自己評価能力の一つとして「自省能力」を挙げている。さらに自省能力を
「自らを省みて、次の段階へ進むステップを確かにする能力」と定義している。3)っまり自省能 力とは「自らを省みる力」と「次の段階へ進むステップを確かにする力」の2つであると捉えて
いるのである。
本稿においては、2.2.で示した3つの自己評価における、「想起する」「見つめる」「意識する」
活動を確かに実行できる力が「自らを省みる力」、「期待する」活動を確かに実行できる力が「次 の段階へ進むステップを確かにする力」と考えている。
本研究は、自己評価によって学習意欲を向上させることをねらいとしているため、自己評価を 行なう力(自己評価能力)の発達を明らかにしておく必要がある。自己評価は児童の内面におい て進行するものであるため、直接的にこれを捉えるのは困難である。そこで本稿では、自己評価 記述内容の特徴から自己評価能力の発達を捉えることにした。「自ら省みる力」は学習結果や学 習過程の記述から、また「次の段階へ進むステップを確かにする力」は次の学習に関わる記述か
ら自己評価能力の発達を捉えている。
「感想段階」
・「感想、思い」の記述が中心で、「何がわかったか、できたか」という「学習結果」の記述は見られ るが貝体性を欠くことが多い。
・学習過程の記述は、ほとんど見られないため、「どのようにして」学習結果に至ったか、感想、思い を持つに至ったかが不明確である。
・学習者が学習後に自己評価記述を見ても、学習の様子が想起できない状況が予想される。
「結果意識段階」
・「何がわかったか、できたか」という「学習結果」が具体的に記述できる。
・「どのようにして」「どのように考えて」という学習過程の記述が見られるが恒常的に見られるまで には至らない。
・学習者が学習後に自己評価記述を見たら、「何がわかったか、できたか」という「学習結果」から、
自分の学習の様子を想起することができる。
「自省段階」
・ 「ど の よ う に し て 」 「ど の よ う に 考 え て 」 と い う 学 習 過 程 の 記 述 が 恒 常 的 に 見 ら れ る 。 学 習 過 程 に お け る 他 者 の 関 わ り を 意 識 し 、 友 達 の 考 え の よ さ や 教 師 の 説 明 を 積 極 的 に 自 分 の 学 習 に 取 り 込 も う と し て い る 。
・ 「学 習 過 程 」 「学 習 結 果 」 か ら 、 自 分 で 次 の 学 習 を 意 識 す る 記 述 が 見 ら れ る よ う に な る 。
・学 習 者 が 学 習 後 に 自 己 評 価 記 述 を 見 た ら 、 学 習 に 対 す る 自 分 の 取 り 組 み の 様 子 と 結 果 を 確 か に 想 起 す る こ と が で き る 。
2.4.自己評価指導について
自己評価指導は、自己評価を円滑に行なうために必要な「自己評価能力を身に付けさせる」こ とを目標としている。本研究では、2.2.で示した「導入時自己評価」「展開時自己評価」「終末時 自己評価」の具体的な指導内容を以下のように考えた。
①「導入時自己評価」に関わる指導
・授業開始前に、前時学習プリントを返却。授業開始直後、各自に学習プリントに目を通 させ、前時の学習を想起させる。
・感想欄に自己目標がある場合は、自己目標を確認させる。
・自己評価の視点が広がる記述内容を紹介し、前時授業内容の想起、確認を行なわせる。
・前時の学習の成果を知らせるとともに、本時の学習に向けての意欲付けを行なわせる。
②「展開時自己評価」に関わる指導
・学習プリント記述に対して、一斉、または個別に指導と評価を行なう。(新たな記述の 視点の示唆、記述の変容や記述姿勢のよさへの賞賛)
・問題解決が停滞している児童に、既習事項の想起を促す個別示唆を与える。
・問題解決中に、自己目標の確認を促す個別示唆を与える。
・問題解決が終わった児童に、学習過程、学習結果を自己確認させる。
・友達の考えのよさ、教師の説明など、自分の学習に役立つことを適宜メモさせる。
③「終末時自己評価」に関わる指導
・学習プリントや板書をもとに、学習過程と学習結果を想起させ、まとめさせる。
・次への目標が生起している児童には、目標を設定させ、記述させる。
・学習プリントを回収し、コメントによる指導を行なう。(学習内容の定着、次時への意 欲付けを図る言葉掛け、記述視点のよさや変容に対する賞賛など)
(動自己評価能力の定着を促す環境づくり
・学習プリントを紹介する掲示コーナーを作り、特徴的なもの、参考にさせたいものをコ ピーして掲示する。
・自己評価の視点(振り返りのカギ)を教室に掲示し、適宜活用できるようにする。
2.5.学習意欲について
学習意欲は、学習の対象や環境、状況に主体的に働きかけ、関わり合おうとする学習意志であ り、学習行動を喚起したり、持続させたり、方向付けたり、強化したりする機能を持つと考えら れる。学習意欲は学習者の内面に生起し、存在するため、直接把握することは困難であるが、行 動や言語(記述)といった表出形態により間接的に把握することは可能である。行動の方がより 直接的に学習意欲が把握できると考え、学習意欲の把握は行動を主、言語(記述)を従とする傾 向があるようだが、学習意欲は常に行動として表出するとは考えられないし、学年が進むにつれ
て行動表出は減少する傾向にある。
そこで、本研究では、内面生起の学習意欲を自己評価の文末表現記述によって評価するという 方法を試みた。言語(記述)に着目することは、行動として表れない、表すことができない内面 生起段階の学習意欲を把握できるという意義に加えて、長期間の学習意欲の変容が比較的容易に
把握できるという利便性をもっていると考えたからである。
本稿では、表出時期や内容的な特徴、関係要素から、学習意欲を大きく3つに分けて捉え、学 習意欲要素が文章化されたものを手がかりとした。
表2−1「学習意欲レベル区分」
初 期 レベ ル 展 開 レベ ル 発展 レベ ル
特 徴
・学 習 意 志 ・学 習 行 動 は 一 ・学 習 意 志 ・学 習 行 動 は 継 ・学 習 意 志 ・学 習 行 動 は 次 時 的 で 感 情 的 で あ る。 続 的 で 能 動 的 で あ る。 を意 識 した もの で あ る。
・学 習 の 初 期 段 階 で 、 これ ・問 題 解 決 の 段 階 で 、 目 的 ・学 習 の 発 展 段 階 で よ り よ か ら始 ま る学 習 に 対 して の を 意 識 して 学 習 を 進 め よ う い もの を追 求 しよ う と す る 関 わ り方 を 示 す 。 とす る姿 勢 を示 す 。 構 え を 示 す 。
関係 要素 好 悪 興 味 好 奇心 難 易 な ど
切 実 感 疑 問 葛 藤 感 動 驚 き 要 求 自信 矛 盾 達 成 感 成 就 感 可能 性 期 待 感 探 求心 満 足 感 な ど 向 上 心 な ど
学 習 意 欲
す さだ き らい だ うま くいか な い な る ほ ど す ご い
な ん だ ろ う これ で い い のか な ざん ね ん だ
お も しろ そ うだ なぜ か な よ くわ か った
言 語 表 出 ど う な って い るん だ で き た も っ とで き るか も
や っ て み た い な わ か っ た はか に はな いか な
む ず か しそ うだ な ど た の しい な な ど がん ば り た い な な ど
2.6.学習意欲と自己評価について
学習意欲と自己評価は、深い関連がある。学習意志を内面に生起させるには、自分を「冷静に 見つめること」が必要であり、学習行動として機能させるには、「制御していくこと、統制して いくこと」が必要となるからである。したがって、学習意欲を高めるためには、自己評価を確か に行なう力、自己評価能力を児童に身に付けさせることが大切である。「自らを省みる力」は学 習過程を見つめる力であり、特に展開レベルの学習意欲要素の表出を促すと考えられる。また、
「次の段階へ進むステップを確かにする力」は学習過程を見つめることから、次の学習における 変容期待、目標設定を行なうことであり、学習意欲発展レベルの学習意欲要素の表出を促すと考 えられる。
授業においては、学習意欲が不十分な児童は、学習意欲要素の表出が初期レベル、展開レベル で留まり、学習意欲が十分な児童は、学習意欲要素の表出が発展レベルを示すことが多いと予想 される。また、学習意欲要素の表出は固定化されたものではないので、実際には1単元の学習を 通してかなりの変動が見られるであろう。しかし、本研究では、自己評価指導による自己評価能 力の定着とともに、学習意欲の表出レベルは徐々に高いレベルで安定するようになっていくもの
と考えている。
3.研究方法(調査方法)
3.1.調査対象
(1)京都府内A小学校、第4学年Y児および担任教師。
(2)抽出児童Y児について
Y児は、第3学年時から算数科学習におけるカードを用いた「導入時自己評価」「終末時自 己評価」の経験はあるが、学習過程における「展開時自己評価」の経験はない。学習意欲、認 知的学力は比較的高いと思われる児童であるが、安定した状態ではない。説明の仕方等がやや 不十分で、発言内容が友達に十分に伝わらないことがある。また、はやとちりで患い込みが激 しいところがあり、もう少し落ち着いて自分の学習過程、学習結果を見つめ、整理する力、友 達の考えをしっかり聞く力を付けさせる必要がある。自己評価を通して学習意欲が安定、向上 することで、こうした課題の改善が期待できる児童と予想された。
(3)担任ついて
教職経験3年の男性教師である。学習意欲の評価は、行動観察を主としており、記述による 評価は従としてきた。自己評価指導は、他教科において学習感想による「終末時自己評価」を 数回行なった経験はあるが、「導入時自己評価」「展開時自己評価」については今回が初めての 指導となる。
3.2.調査期間、調査対象単元名
(1)調査期間:平成9年10月下旬〜11月下旬
(2)調査対象単元:
・第1単元「面積」(全10時間中、自己評価指導対象時間5時間)
・第2単元「かくれた数はいくつ」(全5時間中、自己評価指導対象時間4時間)
3.3.調査方法
授業は教科書(啓林館「新訂算数4年下」平成9年度用)準拠を基本とした。また、自己評価 指導では、文末表現だけを強調した紹介は行なわず、児童が形式的な記述表現を行なわないよう にした。
(1)自己評価指導
2.4.で示した内容で、学習プリント記述を中心とした自己評価指導を行なった。下記の学習 プリントの活用経験はなかったので、事前に具体例(筆者作成)を示し、学習プリント記述の 仕方、学習プリントによる学習の進め方は説明した。
(2)アンケート調査
①自己評価能力に関わるアンケート(Y児)
・第1単元指導後、第2単元指導後の計2回。
②学習意欲に関わるアンケート(Y児)
・第1単元指導前(日常実態把握)、第1単元指導後、第2単元指導後の計3回。
③Y児の自己評価能力の変容に関する担任教師へのインタビュー
・調査期間中に随時。
④Y児の学習意欲の変容に関する担任教師へのインタビュー
・調査期間中に随時。
(3)自己評価記述把握
(D自己評価能力調査
・2.3.に示した「自己評価能力レベル区分」をもとに自己評価能力レベルを特定した。
・自己評価能力レベル特定にあたっては、感想段階をC、結果意識段階をB、自省段階を Aとして、個人の自己評価能力を特定した。
(塾文末に表れる学習意欲要素調査
・2.5.に示した「学習意欲レベル区分」における「学習意欲言語表出」をもとに学習意欲 レベルを特定して変容を調査した。発展レベルのうち、本時以降の学習に対する学習意 欲をより高次レベルと考え「発展レベル(本時以降)」とし、本時の学習結果と関わり の深いものを「発展レベル(本時)」として2つに分けて学習意欲レベルを特定した。
・学習意欲レベル特定にあたっては、初期レベルをD、展開レベルをC、発展レベル(本 時)をB、発展レベル(本時以降)をAとして、高次レベルにより個人の学習意欲を特 定した。
4.アンケート調査結果
4.1.自己評価能力に関わるアンケート結果(Y児)
Aは「はい、いっも」Bは「はい、ときどき」Cは「いいえ」の回答を示している。また、左 から順番にI(第1単元指導後)、Ⅲ(第2単元指導後)を示している。「導入時自己評価」「展 開時自己評価」の経験はほとんどないため、自己評価指導前の実態(日常実態)については把握 できなかった。
「自己評価能力の定着、変容」についてのアンケート結果
I Ⅲ I 川 I Ⅲ I Ⅲ I Ⅱ I u
0 1 A B 1 3 B B 0 5 B B 0 7 A A 0 9 A A ( 1 1 A i A
0 2 A A 0 4 A A 0 6 B A 0 8 B B 1 0 A B
0 1 授 業 の は じ め に、 前 時 の学 習 を想 起 す る 0 7 友達 と自 分 の 考 え を 比 べ て 同 じ と ころ や 違 う と こ ろ 、 そ れ ぞ リ ン トを 見 な が ら、 自 分 の 問 題 解 よこ と 」 「大 切 な こ と」 「役 立 つ こと」
0 2 振 り返 り の紹 介 に よ り 、 自 分 も 「よ し が ん ば ろ う 」 と 思 う れ の よ さを 明 らカ、に す る 0 3 問 題 解 決 の時 に、 自 分 か ら プ リン トや 教 科 書 を 参 考 に して 既 0 8 話 合 い の 時 、 自 分 の 学 習 プ
習 事項 を想 起 す る 決 を振 り返 る
0 4 問 題 解 決 の時 に 、 考 え た こ と、 気 付 い た こ と 、 思 っ た こ と を 0 9 「お も しろ い こと 」 「便 利 ′
プ リン トに ま と め る を で ま とめ る
0 5 「何 か で き て何 は で き な い か 、何 が わ か っ て 何 は わ か らな い 10 「ど の よ うに した か ら」 自分 は わ か った の か 、 で き たの か しっ
か l は っ き り さ せ る か り 書 くこ と が で き る
0 6 問 題 解 決 直 後 に 自 分 の学 習 を 見直 す 1 1 学 習 プ リ ン トを 使 った 学 習 は 楽 しい
「自己評価の意義理解」についてのアンケート結果
I u I = l Ⅲ l Ⅲ l Ⅲ
1 2 A A 1 4 A A 1 6 A A 1 8 A A 2 0 A A l
1 3 A A 1 5 A A 1 7 A A 1 9 A A 】
】2 学 習 を振 り返 る こ と で 、 自 分 に 自 信が つ い た 1 7 学 習 を 振 り返 る こ と は大 切 な こ とで あ る
13 学 習 を振 り返 る こ と で 、 自 分 で が ん ば る こ と が お お く な っ た 18 学 習 を 振 り返 る、 算 数 は 「役 に 立 つ 」 「便 利 だ 」 「お も しろ い 」 14 学 習 を振 り返 る こ と で 、 や る 気 が で て く る よ う に な っ た と思 う こ とが あ る
15 学 習 を振 り返 る と 、 友 達 の 考 え や 先生 の 説 明 か よ くわ か る 19 学 習 を 振 り返 る こ とは 楽 しい こ とで あ る
16 学 習 を振 り返 る と 、 勉 強 が よ くわ か っ た り 、 で き る よ うに な っ 2 0 学 習 を 振 り返 る と、 自分 が して み た い こ とが は っ き りす る
4.2.学習意欲に関わるアンケート結果(Y児)
Aは「はい、いっも」Bは「はい、ときどき」Cは「いいえ」の回答を示している。また、左 から順番にI(第1単元指導前(日常実態))、Ⅲ(第1単元指導後)、Ⅲ(第2単元指導後)を 示している。
I Ⅱ Ⅲ I 皿 Ⅲ l Ⅲ Ⅲ l Ⅲ Ⅲ
0 1 A A A 0 6 A A A 1 1 A A A 1 6 B A B
0 2 B A A 0 7 B B A 1 2 B A A 1 7 A B A
0 3 A A B 0 8 A B B 1 3 B B A 1 8 B A A
0 4 A A A 0 9 A A A 1 4 A A A 1 9 A A A
0 5 A B B 1 0 B A A 1 5 B A A 2 0 A A A
0 1 算 数 の 学 習 は 好 善 か 1 1 先 生 や 友 達 の 話 を し っ か り 聞 こ う と 思 う か
0 2 が ん ば っ て 学 習 し よ う と 思 う か 1 2 算 数 を 「お も し ろ い 」「や く に た っ 」と 思 う か 0 3 問 題 に 対 し て 「お も し ろ そ う だ 」「と い て み よ う 」と 思 う か 1 3 友 達 の 考 え の よ さ や す は ら し さ に 感 心 す る か 0 4 問 題 を し っ か り 見 た り 聞 い た り し よ う と 思 う か 1 4 日 分 の 力 で 問 題 を と い て い く 自 信 が あ る か 0 5 問 題 の 意 味 が わ か ら な い と き は 先 生 や 友 達 に 聞 い て は っ き り さ 1 5 も っ と 新 し い こ と を 勉 強 し て い き た い と 思 う か
せ よ う と 患 う か 1 6 問 題 が と け て ら 、も っ と 他 の と き か た は な い か と 考 え る か
0 6 ま ず 自 分 の 力 で 問 題 を と こ う と 思 う か 1 7 日 分 で 調 べ て み た り 、試 し て み た り 、聞 い て み た り し よ う と 思 う 0 7 問 題 を と い て い る と き に 「楽 し い な 」「お も し ろ い な 」と 患 う か か
0 8 既 習 事 項 を 思 い 出 し て 、問 題 解 決 に 役 立 て よ う と 患 う か 18 最 後 ま で あ き ら め ず に 、が ん ば っ て 問 題 を と こ う と 思 う か 0 9 授 業 中 に 発 表 し よ う と 思 う か 1 9 次 の 学 習 の め あ て は 、は っ き り し て い る か
1 0 問 題 を と い た あ と 、「わ か っ た 」「で き た 」と 思 う か 20 「も っ と わ か る よ う に な ろ う 、で き る よ う に な ろ う 」と 思 う か
4,3.Y児の自己評価能力の変容に関する担任教師へのインタビュー 担任は以下のようなY児の自己評価能力の定着、変容を感じていた。
(1)期待以上に学習プリント記述が定着、向上した。
(2)展開自己評価にたいへん興味を示し、内容もわかりやすくまとめられられたものが多くなっ てきた。
(3)自己評価記述の視点が広がるにつれて、自分の学習過程がしっかり記述できるようになって きた。自己評価自体を自分から工夫して充実させていく姿が見られるようになった。
(4)友達の考えや教師の説明をポイントを絞ってメモできるようになってきた。また、友達の考 えや意見に対する簡単なコメントを記述するようになった。
(5)前時までの学習プリントを活用して、問題解決を進める姿がよく見られるようになった。
(6)どちらかというと隠したがっていた「とまどい、悩む」自分「わからない、できない」自分 を学習プリントに表現するようになり、担任との関わり(やりとり)が密になってきた。
4.4.Y児の学習意欲の変容に関する担任教師へのインタビュー 担任は以下のようなY児の学習意欲の変容を感じていた。
(1)自分で学習を進め、自分で学習をまとめていく力がついてきた。
(2)算数の授業を楽しみに待っようになってきた。
(3)自力解決に集中して取り組むようになった。学習に落ち着きが見られるようになり、些細な ミスも少なくなってきている。
(4)以前にも増して発表が多くなった。
(5)友達に学習を教える姿、友達の話を真剣に聞く姿がよく見られるようになった。
(6)算数以外の教科学習でも、発表が増えたり、教師や友達の話を真剣に聞いたりするようにな
ってきた。
(7)学習のまとめの時点で、次の目標(次への意欲)を持っことが多くなった。
5.自己評価記述把握の結果 5.1.Y児の自己評価記述
Y児の自己評価記述と、自己評価指導の結果の一部は次の通りである。
・罫線囲みは学習課題(実線)、学習後の感想(破線)を示す。
・【】は学習後の教師のコメントを示す。
・()は原による補足説明を示す。
・児童の自己評価記述の右に記述の特徴を示している。
第1単元第1時 「あ」「い」「う」のどの花だんが一番広いでしょう。(3つとも長方形)
①横の線の長さをあらわすとどれだけ広いかわかる。(槙の辺の長さのみで比較する)
② これは、あっているかなぁ。
③「い」のかだんが一番広いぞ。 ④ますの数でわかった。【マスの数がポイントだね】
⑤ グラフに表すとちょうかんたんだね。(桟の辺の長さを棒グラフに表している。)【おっこれはおもしろい】
⑥?(横の長さだけで考えていた間違いに気付く) ⑦ こうすれば、かんたん。 ⑧一マスが1cm。
⑨3×7=21トソデ だ〜
⑩3×4=12ちょっとすくなすぎたね。 ⑪5×4ここ20あと1こなのだ〜。 ⑫たし算でもいける。
⑬一番広いのは「い」だ〜。 ⑱面積(広さの表し方)
・自分の学習に集中している。
内面言語がかなり表出してい るが、友達や教師に対する意 識はみられない。
・学習過程をみつめることで、
学習を調整する様子が見て取 れるが、調整後の次への学習 意欲は見られない。
!新い、言糞は「面積」。今度のプリントのやり方もかわったし、これからの算数が楽しみです。自分なりに書けるし、自分の思うことを好き
[に楽しくかける。早く今度の算数の時間がきてはしいです。【すごいやる気だね!!ok.ok!!】
第 1 単 元 第 2 時 こ の 図 の 面 積 は 何 C 撼 で し ょ う 。 (正 方 形 と 凸 型 図 形 の 2 種 類 )
① 1 c Iが(1平 方 セ ンチ メ ー トル)(lc m X I cln の 正 方 形 を か き そ の下 に 記 述 ) ・自分 の学 習 に友 達 と の 関 わ
② 1 平 方 セ ンチ メ ー トル が。(問題 の 正 方 形 を 1 cm で 区 切 り、マ ス を 作 り、そ の 中 に 1 〜9 ま で 番 号 を 記 入 す る。) り が で き て い る。 友 達 の 考 え
③ と い うこ と は、9 cd 。 ④ か ん た ん だ 。 ⑤ この 方 法 で 発 表 す る ノ ー。 ⑥ ヤ ル キ マ ンマ ンだ −。 に興 味 を示 し、 評 価 を 与 え て い る。
・前 時 の 学 習 l c正 を想 起 して
(診 こ れ で O K !(見 直 しを して 確 認 ) ⑧ はか に もい ろ い ろ なや りか た が あ るだ ろ うな !
⑨ 発 表 して や る ぞ! ⑬ さ っ き と ほ と ん ど い っ し ょ だ。 ⑪ 問 題 2 も1 と い っ し ょ にす れ ぽか ん た ん だ!
⑫ じ しん を も つ ノ。 ⑬ こ の面 積 は 1 0c n 子 だ ! 考 え を 進 め て い る 。自 己 確 認
⑭ 平 方 セ ンチ メ ー トル の お し ゃべ り。 ガ ッ タ イだ − 、 ガ ッ タイ だ −、O K だ ね 、O K さ、ジ ャ キ ー ン、い じ ょう。 しな が ら学 習 を進 め て い る の
(凸 形 の 突 出 部 分 を切 り離 し、下 に 移動 さ せ 長 方 形 に 変 形 さ せ る 方 法 を 3段 階 の図 で示 し解 説 して い る ) で学 習 過 程 に お い て 自 信 を 持
⑮ こ れで 完 ぺ き。 ⑯ A くん の や り か た と Y ち ゃん の や りか た は お も しろ い。 ち、次 へ の 学 習 意 志 か 明 確 に な っ て い る。
・内 面 言 語 か ら、学 習 に 集 中 仕 切 っ て い る様 子 が う か が え る。
あぁ算数が楽しいなぁ。これからの算数が早くやりたい。ガンパルマンのプリントでどんどんいいせいせきをのこして、どんどん発表して、!
ふき出しをいっぱい書いて楽しく算数にいどむゾ!【もうすはらしいの一言だよ!!】
5.2.自己評価能力調査結果
3,3(3)の①の方法で自己評価記述内容を分析し下記の一覧表にまとめた。(数字はカウント回 数である)
単 授 業
学 習 結 果 考 え ・根 拠 感 想 ・思 い 学 習 方 法 想 起 友 達 変 容 学 習 内
ウk が 目 学 習 目
自 己 評 価 レ ペ 学 習 し た こ と 学 習 結 果 に 対 学 習 を 振 り返 っ ど の よ う に し 既 習 事 項 、 既 教 師 や 友 達 と 学 習 を 通 し て 脊 ヽフ1
体 的 に 標 と 関 連 し た 元 時 間 学 習 し た 結 果 す る 説 明 、 理 て の 感 想 や 思 た カ\ 何 を 使 っ 習 経 験 を 思 い の や り と り 、 の 自 己 の 変 容 見 て 取 記 述 か ル
に 関 す る 記 述 由 付 け 考 え い た か を 記 述 出 し て い る 考 え の よ さ に 関 わ る 含己述 れ る か ど う か
第 1 単 7⊂
0 1 9 2 6 5 B A B
0 2 5 3 1 3 2 1 2 1 A A A
0 3 6 1 3 1 1 B A B
0 4 4 2 6 2 4 A A A
0 5 3 2 5 l 1 1 A A A
第 2
0 1 2 3 6 2 4 1 A A A
0 2 5 2 9 1 1 4 A A A
単 元
0 3 4 3 8 2 2 3 1 A A A
0 4 2 2 10 2 2 1 A A A
5.3.文末に表れる学習意欲要素調査結果
3.3(3)の②の方法で自己評価記述の文末表現を分析し下記の一覧表にまとめた。(数字はカウ ント回数である)
単
フこ 授 業 時 間
初 期 レ ベ ル 展 開 レ ベ ル 発 展 レ ベ ル
(本 時 )
発 展 レ ベ ル
(本 時 以 降 )
学 習 意 欲 レ ペ
好 興 好 難 切 葛
藤
達 成 満 感 驚 要 自 可 胡 探 向
悪 味
奇
心 易
実 疑 問
矛 盾
成 感
就 感
足
感 動 き 求 信
能 性
待 感
究 心
上
心 ル
第 1 単 フC
0 1 1 1 3 1 2 2 A
0 2 1 1 5 1 1 4 A
0 3 1 2 1 1 B
0 4 1 1 3 1 B
0 5 2 3 1 1 A
第 2 単 フこ
0 1 1 1 1 1 5 1 1 A
0 2 1 3 1 2 1 1 1 1 1 1 A
0 3 1 1 2 1 1 3 2 1 1 A
0 4 1 2 1 2 3 2 4 A
6.調査結果の考察
6.1.自己評価能力に関わるアンケート
日常実態把握のアンケートは実施していないこともあり、自己評価能力の変容は確認できなかっ たが、A回答が多いことから、2つの単元における自己評価指導により自己評価能力はかなり定 着したと考えることはできる。Y児は、自己評価内容の紹介をきっかけにして自己評価の視点を 獲得したり、教師のコメントにより自己評価に積極的に取り組むようになってきたことが、記述 内容の追跡調査(5.1.,5.2.)、教師インタビュー(4.3.(3)(4))から明らかになっている。これは、
自己評価指導は、「させっぱなし」では決して効果は期待できないことを示しており、粘り強い 教師の継続的な指導の必要性を明示している。
自己評価の意義理解は、全項目A回答という結果であった。Y児は、自己評価によって自分自 身が変容したこと、自己評価が自分の学習に役立っことを認めている。自己評価の意義理解は、
児童が自己評価を積極的に行なおうとする自己評価意欲の原動力と言える。アンケートによる自 己評価能力の定着、学習意欲の変容は、児童が自己評価の意義理解を感じていたことが最大の原 因と考えられる。「意義理解」は、自己評価指導における大切な視点である。
6.2.学習意欲に関わるアンケート
全20項目中、プラス変容8項目(02、07、10、12、13、15、16、18)マイナス変容項目2項目(05、08)
から、Y児の学習意欲の高まりが確認できる。マイナス変容項目は、担任に対するY児に関わる インタビューから、Y児にとって必要性があまり感じられなかったと考えることができ、結果的 にY児の学習意欲はかなりのプラス変容を示したと言える。自己評価指導以外は、従来通りの学 習指導であったことを考慮すると、本研究での自己評価指導は学習意欲の高まりに大きく影響し ていたと考えられる。また、アンケート項目の内容から考察すると、自己評価は発展的な学習意 欲の高まりに特に大きな影響を与えるといえる。
6.3.学習意欲の変容と自己評価能力の変容に関わるインタビュー
教師インタビューによってもY児の学習意欲の高まり、自己評価能力の定着は確認できた。担 任教師は、まずは、現在のY児の自己評価活動を認め、Y児が自分から自分の学習を見つめ直す きっかけを与えることに専念したという。「みんなに考えが伝わるといいね」「みんなを納得させ ることができるかな」といった示唆が、Y児に効果的であったことは、自己評価記述内容、アン ケート項目(06)からもうかがえる。これは、教師の「自己評価を促す示唆」は、自己評価の視 点として、児童の内面に取り込まれていき、児童自身の自己評価視点となっていくことを示して いる。
6,4.自己評価能力調査
第1単元では自己評価能力Bレベルが見られたが、第2単元はすべてAレベルであった。また 第2単元では、自己評価項目数(自己評価視点)が増えている。これは、Y児の自己評価能力が 第1単元から第2単元に向けてプラス変容したことを示している。学習想起の数が極端に少ない のは、アンケートと一致しており(4.2.01,03,10)学習想起は定着の困難な自己評価能力である ことを示している。第2単元で「変容」に関わる項目の数が増えたことは、Y児が自分の学習過 程を振り返り、自分の学習成果を確認し、次への変容期待感を持っことが多くなったことを意味 する。Y児は学習過程を見つめる「自らを省みる力」を獲得することで、変容を期待する「次の 段階へ進むステップを確かにする力」を安定して発揮できるようになったと考えられる。このこ
とは、6.5.で示す学習意欲の高まりからもわかる。
6.5.文末に表れる学習意欲要素調査
第1単元では学習意欲Bレベルが見られたが、第2単元はすべてAレベルであった。また、学 習意欲要素数とその頻度ともに、第1単元に比べて第2単元の方が多かった。これは、Y児の学 習意欲が、第1単元から第2単元に向けてプラス変容したことを示している。また、学習意欲要 素数の増加は、Y児が学習において様々な学習意欲をもつようになったことを示している。これ は、6.4.で示したようにY児が様々な視点(自己評価の視点)から自分の学習を見つめることが できるようになったことと関連が深いと考えられる。
7.おわリに
本稿においては、次の点を明らかにすることができた。
(1)「見えにくい」学習意欲の生起、高まりを把握する一つの方法として、記述の文末表現の分 析という新たな方法を示した。
①行動表出しない内面生起段階での学習意欲を「文末表現」という「見える」形で、確実に しかも容易に見取ることができる。
②「文末表現」への着目は、行動表出という結果に頼りがちな学習意欲評価の視点に、内面 理解という児童理解につながる大切な視点をもたらすことが期待される。
(2)児童と教師を対象としたアンケート結果、自己評価記述把握の結果から、自己評価指導によ る自己評価能力の高まりが、学習意欲の高まりに結びつくことをY児の事例を手かかりにして 明らかにした。
①学習意欲を高めるためには、学習過程の意識を重視した自己評価指導が効果的である。特 に、次の学習に対する発展的な意欲を生起させるのに有効である。
②自己評価の定着、高まりは、長期的な見通しのもとでの継続的な指導が必要である。また 自己評価の意義理解を図ることが、自己評価指導には不可欠である。
なお、今後の課題としては以下の点がある。
・ 「学習意欲レベル」 「自己評価能力レベル」の特定は、筆者と担任教師による分析の一致 で客観性があると判断したが、今後の教育実践において幅広い活用を目指す意味からも、よ り多くの教師による分析、検証を考えていかなければならない。そのためには、分析方法や 特定方法をさらに吟味して、だれでも、簡単に、確実に、分析、特定することが可能となる 方法に改善していかなければならない。
・本稿では、学級全体の「学習意欲」 「自己評価能力」の変容を示していないため、文末表 現の分析という方法の限界、学習意欲の向上を目指す自己評価の限界に触れることができな かった。また、教師による指導の実際、自己評価と認知的学習との関連にも十分に触れてい ない。こうしたことを今後の課題として更なる研究を進めていきたい。
謝辞
本論文作成にあたり、授業をご提供頂きました担任の先生、児童の皆さんに深く感謝申し上げ mm
引用・参考文献:
1)井上正明, 『「生きる力」の育成と自己評価の方法』 ,明治図書出版,1997 2)重松敬一, 『メタ認知の発達的変容』 「数学教育学の新展開」 ,聖文社,1992 3)安彦忠彦, 『自己教育力と自己評価』 「指導と評価」 ,図書文化出版,1988