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(1)

  @ @ @ 

(2)

茨城大学教育学部紀要第二七号

表 一   年賀状の文面︵五+音順︶番号使用回数備    考

番号文    面︵五十音順︶ 使用回数備     考

25 新年おめでとう

﹁謹みて新春のお慶びを申し上げます﹂二例を含むインドネシア語で﹁新年おめでとう﹂に相当する

地の文のみで︑年賀状特有の用語は使用してゐない地の文のみ

223新春の御祝詞を申し上げます新春の御よろこびを申し上げます一二二〇五

422

これを回数の多いものから順に並べ替て整理すると︑表二のやうになる︒

(3)

表 二年賀状の文面︵出現度数順︶順 位番 号回 数出現率∂累積回数累積出現率∂

順 位 回 数出現率%累積回数累積出現率㊤一六18 ○・四九一九一九三・一七

多い︒います﹂%を超過︑半数は︑状の用語が︑は極く少数で︑  これにょると︑   ︵二︶    ﹁謹賀新年﹂のも含めて全体として︑求める傾向が顕著にみられる︒ 以上の結果は︑︵一︶二

     ﹁賀正﹂︶で︑つまり全体の半数以上を占めることになる︒ かなり偏った用ゐられ方をしてゐることが解るo     地の文だけといふ文面 年賀状の書出しの語句としては︑        ﹁あけましておめでとうございます﹂と記す人が最も  第一位から第三位までの上位三者︵﹁あけましておめでとうござ      累積出現率が五三・この三種の表現のうちの執れかを用ゐてゐるといふことであり︑年賀    私の許に届いた年賀状だけについての数値であるので︑

    一七%に達し︑五〇   このことは︑年賀状の       ︵三︶欧文のも︵H及び16の二通がそれに当る︶何らかの形式的な慣用表現を       年賀

年賀状の用語︵橘︶

(4)

備した︒ 句の中で︑ゐるかを︑ ︵一︶  年賀状を書く       茨城大学教育学部紀要 第二七号状の用語について発言するための資料として︑といふ危惧が抱かれるので︑その惧れをなくするために︑する調査が必要であると考へた︒そこで︑前の︑     二回以上使用されてゐる一五種の表現にっいて︑     他の人について調査することにした︒    調査方法 アンケート方式で記入して貰ふ方法をとつたため︑        ︵または捺印・印刷する︶とき︑

一方的に偏向してゐはしないか    今少し別の角度から私宛の年賀状に用ゐられた語     どの表現を多く用  次のやうな調査用紙を準 次のどの表現を用いますか︒

その中︑ ︵二︶三五名   表    記入洩れ等で九枚を除き︑とにした︒被調査者二四〇名の性別構成は︑      ︑         調査

また︑結

果の 二四九枚が回収され   集計        四       二四〇枚を有効回答とすることができた︒茨城大学教育学部附属中学校の生徒の父兄を対象とするこ       男二〇五名      平均年齢は四三・八五歳で︑   一九〇・〇八通の年賀状を受け取つてゐる︒       ︵五十音順︶

︵回収率九一  ︵八五・四二%︶ ・九四%︶︑     ︑毎年平均一七八・

○印をつけてお答え下さい︒番号回  数順 位 表二の順 位番号回  数順 位 表二の順 位

番号○ 印 1あけましておめでとう1 一六︵一五︶一〇10  一七︵一六︶一二 2あけましておめでとうございます2⊥二11二二3賀春3 一四=一12六一4賀正 ︵一五︶︵一 黶j

5謹賀新年 4齊オ 13一= 6迎春5︵一二一︶14四四一一

7頒春6一〇=二15一五﹁一一二 8新春の御よろこびを申し上げます7二三16 一=二 9新春を寿ぎ謹んでお慶び申し上げます8 ︵七︶一〇

一二7 ︵二五︶ 七

新年おめでとう1︵ー ︶︵一七︶

11新年おめでとうございます9一〇=二一二 四七八 12 謹んで新春のお慶びを申し上げます

に添書をする︵四名︶︑ 13 謹んで新年の御よろこびを申し上げます︵三︶集計

14謹んで新年の御祝詞を申し上げます調査結果をまとめると︑表三のやうになる︒用語使用総計が四七八と︑ 15初春のおよろこびを申し上げます答者数を上廻つてゐるのは︑一人で二箇所以上に○印をつけた人があつたた 16定まつていないめである︒また︑第17項は︑この欄に何らかの記載を行つた回答が七通あつたとい 17︵その他︑右以外の表現を用いる場合は︑お書き下さい︶ふことで︑その内訳は︑ω︑﹁謹賀新年﹂②表現は年に

(5)

ωは︑

  そこで︑調査結果

もの︵一名︶ よって変ることがあり︑      で︑毎年同じとは限らない第5項に加へるべきもの︑︵二名︶ ②は第16項に︑⑧﹁賀春﹂と記した    ③は第3項

順位番号 表二の順 位回 数 使 用 率  ︵%︶累積回数 累積使用率   ︵%︶

の数字による︶  表 に加へるべきものである︒の数字であるo右の結果を︑数値を算出して表記すると︑    四

使用回数の多いものから順に配列し︑表四の通りとなる︒  の集計 それらを各項に繰入れたものが︑      ︵表三の︵    ︵使用度数順︶   ︵ ︶内  使用率等の︶内の︑修正後

一一=二=二一五一六一七

156911017一二七一二一〇一二一五一〇一〇五三 ー三・一四二・〇九二・〇九一・〇五〇・六三   ー四五〇四六〇四七〇四七五四七八四七八九四 一四九六・二三九八・三三九九・三七一〇〇・○〇一〇〇・○○

順位番号 表二の順 位回 数 使 用 率  ︵%︶累積回数 累積使用率   ︵%︶

四七八一〇〇・○○

 ︵四︶となつて︑

他の九四・七七%までは︑とうございます﹂置かれてゐなかつたので︑      調査結果の考察 ω定まってゐないと回答したのは ②上位三項︵﹁謹賀新年﹂春のお慶びを申し上げます﹂︶     全体の半数を超過し︑ ③最も多く用ゐられるのは︑        となり︑ ω第三位以下についても︑し五位の第16項及び一七位の第17項とは︑

果して相関があると言ひ得るか否かを知るために︑

    ︵第16項︶  で︑累積回数二四三︑  ﹁謹賀新年﹂省いてある︒          二五名︑何らかの慣用的表現を用ゐると回答してゐる︒ ﹁あけましておめでとうございます﹂   ここでも少数の用語に集中する傾向が認められる・        で︑第二位が先の調査とは順序が入れ替つてゐる︒ 必ずしも一致するとはいへないので︑

      僅か五・二三%であり︑       ﹁謹んで新     累積使用率五〇・八四%       ﹁あけましておめで      両者の間に    相関係数を求めてみた︒但それに相当する項目が前の調査には

年賀状の用語︵橘︶

(6)

表 五表二と表 茨城大学教育学部紀要第二七号 ︑      六

の順位の相関

D      鋤         ①         勾ー      〜︑      ︵      ︵

表三の番号−⊥ 2 3 z4567890     1ー ワ一 nδ 41⊥  1  1  115 ︶ 1日ΣF ︶呂

表一の番号1 2 4 510 9一 〇 3 4 51 2 2 2 26 9 3 42 2 3 337 ⊥15司平

表四の順位︵A︶52151     11 3    0 3 6 71⊥     1  1⊥ −00 2 9 411 271 7° ︶脳価∴⁝耐÷ ⁝P    a  ⁚  i      と   2 表二の順位︵・−B︶016312   2 ワ臼 27・ 5  1⊥  1  1⊥4791112 131 3 ︶陥恥 ︵σ︒ l ⁚ は  ⁝ 脱  ⁝る667二m ⁚頑 三μ三

ぬビA 3 7・ 3 7°54 5 46品2☆

4717 3 7 3  3 3妨M品輔75 一7 7 3 7°U胴腿姐一  一    一

532

戸ぬ﹁ 9 9 9 90 0 ∩V O4 6 0 4⑮BUの潟

090 0∨ 0∨ 0︼ 0ゾ 90 0 0 0 02 6 4 2 05加田5・79 9 9 90 0 4 02 6 8 82β﹂9

09如66932 8︶95・ユ四 係      ほ関         a       b     力相  P     σ      σ     ぷ  R

9白 ー    ウΩ4 4    155 0      0 62      2 50 1 0 9 4    11627 8︵1 蜘卜B 7 3 3 34 5 5 526L4 ﹁  一  一

53う 3 3 7・ 7田M銅一 一拍4

従つて求める相関係数は○・七二一七といふことになる︒ 一般に\園\﹀ρ切

戸㎜ぽ 0ゾ 0∨ 0︼ 0∨0 0 0 00 4 4 216356Ω2別

09卵30 9 9 9 0V 9︵U O O O O8 0 8 8 8Ω劔四99四  1  11  19 9 9 0∨0 0 0 06 8 6 44 2 1 02α221五        1

09四1935烈152 は︑両者間に何らかの相関があることを意味し︑図>Oは増減相伴ふ相関関係にあることを示すから︑前の二つの調査は︑関聯のあるととが証明されたわけであるo さて︑二つの調査において︑用語の使用順位に相関が認められることが分つ

︶㎜価︶㎜ぽ

91却41 −← −上 i1 0︼9 9 2 05 2 3 16465寸1 3  0 FO   ヨ

91却1195H751 6︶4P7︵1たので︑次に両者を重ね合せたものについて︑用語の使用順位並びにその出現率を算出したのが表六である︒尚︑表四の16項に相当するものは︑先の調査ではべ表一の備考欄を考慮して︑地の文のみであつた二通を充当することとした︒順位は︑二回であるので一二位とした︒

(7)

六   表二と表四の総

は︑

今日︑

から用ゐられるやうになつたかについて考へてみたい︒そのための資料として         ﹁賀正﹂      国語辞書に記載のある用語

その両方の場合を含む︶  の各語について︑︑ カ︵ 何らかの慣用的表現

③﹁恭 見 表四の順 位同上番号同上回数 ︵A︶表二の順 位同上回数 ︵B︶回数合計︵A十B︶合計の順 位合計の出現率  ︵%︶     二つの調査を通じて︑を用ゐる傾向が強いことが明らかになつたが︑

次に︑これらの用語はいつごろ

       ω      ⑤﹁迎春﹂してゐるか否かを調査した︒その結果は表七の通りで︑︵﹁がしやう﹂ とよむ場合と﹁がせ  ﹁賀春﹂︑ 見出し語として収載○印を附した欄は︑

一一=二156一五一〇一二七二七一七一七一二=一二・五八二・五八書  名刊行年

擢 璽

賀春 恭賀新年迎春

=二一五一六一七911017一〇五三ー一二一〇一二二四二一二九五一四一五一六一・八二一・三七〇・七六

1234下学集運歩色葉集易林本節用集日葡辞書一四四四一五四八一五七九一六〇三ーー|ー|ーーーーーー|ーーーー|ーーー||ー|

四七八一八一六五九一〇〇・OO5 和英語林集成    ︵初版︶一八六七i1ー

これによると︑

年賀状の用語︵橘︶         上位五位までの順序は表四の場合と変らず︑察した事項の中︑②③は︑表六についても同様に当てはまることが分る︒表四にっいて考 678パジェス日仏辞典和英語林集成    ︵再版︶和英語譲或版︶一八六八一八七二一八八六i−1ーiーーーー

| 恭眉 ー|○ーーー

(8)

茨城大学教育学部紀要第二七号 書  名刊行年

賀正賀春 恭賀謹賀迎春 民一口ひq凶 キンガ  謹賀  5°o力①一ロ吟①ごoロ︑ ooヨ唱一﹂日Φo﹇°陶        句ミさ嵩恥さ゜

⑳3新年新年恩゜Cキ・ウガ恭賀 ・・へS§§ミぎヘミミ\

けで︑カ  この表七を一瞥して︑   それを除いては︑るまで︑.︑︑年賀状の用語として定着したのが︑初版・第二版に記載がないのに︑

    記載がないといふことである︒として固定したのが明治に入つてからのことであるのと同じく︑からであることを示してゐるやうに思はれる︒特に︑を示し得て象徴的である︒ヘボン︵﹄・○・国6唱O已﹃口英語林集成﹄第三版には︑次のやうな記述がみられる︒        梢奇異な感に打たれるのは︑らかな如く︑今日において年賀状の慣用表現として最も唱︒匂已一①﹁一↓町いと認められる﹁謹賀新年﹂が︑僅かに﹃和英語林集成﹄第三版に見られるだ

このことは︑ 第二次大戦後の﹃広辞苑﹄﹃日本国語大辞典﹄が現れ    第三版に至つて登場してくるのは︑右の観点

他の﹁拝啓﹂や﹁敬具﹂が書簡の用語 既に表⊥ハ等にょっても明﹁謹賀新年﹂といふ用語﹃和英語林集成﹄において︑一Q︒声切1﹂㊤ ﹂︶の﹃和

    が高近代に入つて

(9)

表  八    書状 に お け る 年賀 用 語 の 使 用回 数

書状執筆者依  拠  本書状執筆年代書状総数賀正賀春 恭賀新年謹賀新年迎春備     考

1 佐久間  象  山︵一八=ー六四︶信濃毎日新聞社刊﹃象山全集﹄天保四年︵一八三三︶〜元治元年︵一八六四︶

一︑ 九〇1 ﹁恭賀﹂は一例︵嘉永五年︶あり

2 坂  本  竜  馬二八三五ー六七︶山石崎英重編  日本由工籍協︸A云刊 ﹃坂本竜馬関係文書﹄嘉永六年二八五三︶〜慶応三年二八六七︶一八三 ﹁改年賀事﹂一例︵慶応三年︶あり

3 木  戸  孝  允二八三一二ー七七︶妻木忠太編 日本史籍協会刊 ﹃木戸孝允文書﹄嘉永五年二八五二︶〜明治一〇年︵一八七七︶二︑二〇九 ﹁新禧萬福﹂四例﹁新禧芽出度﹂四例あり

4 森    有  礼︵一八四七ー八九︶大久保利鎌編﹃森有礼全集﹄慶応元年︵一八六五︶〜明治二一年︵一八八八︶二三二 他に﹁恭賀﹂一例へ明治一四年︶あり

5 福  沢  諭  吉二八三四ー一九〇一︶岩波書店 昭和三六・七年刊 ﹃福沢諭吉全集﹄安政六年二八五九︶〜明治三三年︵一九〇〇︶

一︑ 繻ワ〇1 ﹁恭賀﹂二例  ︵明治一八年頃︑明治二三年︶あわノ

6 樋  口  一 葉︵一八七ニー九六︶筑摩書房︑昭和二八年刊﹃一葉全集﹄明治一二年二八八八︶〜明治二九年︵一八九六︶八七 7 勝    海  舟二八;ニー九九︶改造社 昭和四年刊﹃海舟全集﹄安政元年︵一八五四︶頃〜明治三二年︵一八九九︶一〇六

8 正  岡  子  規二八六七1一九〇二︶アルス 大正一五年刊﹃子規全集﹄明治=二年二八八〇︶〜明治三五年︵一九〇二︶七六八 ﹁恭賀新禧﹂一例︵一九〇一︶あり

9 田  口  卯  吉二八五五ー一九〇五︶全集刊行会 昭和四年刊﹃田口卯吉全集﹄明治四年︵一八七一︶〜明治三七年︵一九〇四︶四八

10 国木田  独  歩二八七一ー一九〇八︶新潮社 明治四三年刊﹃独歩書簡﹄明治二三年二八九〇︶〜明治四一年︵一九〇八︶四六

11 二葉亭  四  迷︵一八六四ー一九〇九︶ 波書店 昭和四〇年刊略 こ葉亭四迷全集﹄明治=二年二八八〇︶〜明治四二年︵一九〇九︶三四六

鐘饗建剛

12 夏  目  漱  石︵一八六七ー一九 六︶岩波書店 昭和四一年刊﹃漱石全集﹄明治二二年︵一八八九︶〜大正五年︵一九一六︶三︑四六二ii

13 芥  川  竜之介二八九二ー一九二七︶筑摩書房 昭和三三年刊﹃芥川竜之介全集﹄明治三九年︵一九〇六︶〜昭和二年二九二七︶

一︑ l一八

︸二︑一四五1

年賀状の用語︵橘︶

(10)
(11)

﹁新禧万福﹂ ﹁新禧芽出度﹂或いは﹁恭賀新禧﹂ ﹁謹賀新禧﹂と熟した形での表 九書簡作法書に記載のある用語

表現も汎く用ゐられてゐたことが分る︒ ㈲次に︑ ﹁新年おめでたう﹂といふ表現がいつ頃から用ゐられるやうになつ

書  名依拠本年 賀 状 の 用 語所 在

たかは︑今回の調査結果から判断する限りでは︑佐久間象山が嘉永元年︵一八四八︶正月十日に︑   新年芽出度候:::

1庭訓往来︵応永年間一四二〇年頃成立︶続群書類従巻第三⊥二春始御悦︑向貴方先祝申候畢︒富貴萬福︑猶以幸甚々々︒正月進状 と記してゐるのが古く︑その後は︑福沢諭吉の書状の中で︑  ④新年御慶目出度申納候   ︵明治=年一月 三日他︶  ㈲新年目出度申納候    ︵明治=二年一月一七日他︶  ω新年目出度奉存候     ︵明治二三年一月一九日他︶等の諸例がみられ︑また二葉亭四迷の書状には︑  ω新年御目出度存候    ︵明治三六年一月八日︶ 2ロドリゲス日本大文典︵一六〇四︶土井忠生訳三省堂昭和三〇年刊六七〇頁三九六頁

といふ文例がみられるので︑恐らくは︑ω←㈲←ω←④のやうな経過を辿つて︑﹁新年おめでたう﹂といふ表現に達したものではなからうかと考へられる︒ 3御家仮名往来延宝六年︵=ハ七八︶刊︑東京大学附属図書館蔵初春の御ことぶき︑いく千代ようつ代までも 尽き候まじくと祝入まゐらせ候上一オ

 ︵三︶第三に︑書簡作法書を資料として︑年賀状の用語の用ゐられ方を調べてみることとする︒書簡作法書の中︑新年の慣用的表現にっいての記載のある︑次の一二種について調べた結果は︑表九に示す通りである︒ω庭訓往来︑②ロドリゲス 日本大文典︑③御家仮名往来︑ω書札弁惑集︑⑤消息文梯︑⑥消息案文︑ω雅言用文章︑⑧増補珍玉用文章︑⑨新体書翰便蒙︑oo作文解環︑oo今4書札弁惑集宝暦一〇年︵一七六〇︶序︑東京大学国語研究室時枝文庫蔵下︸オ 様かな消息︑⑫書翰文講話及文範︒5消息文梯文化一二年︵一八一五︶刊︑東京大学附属図書館蔵四時の詞よせ 春 正月 むつき むつまし月とも としたちつるあしたの空のけしき 年のあらたまりては何事もうきたつ三三ウ三四オ

年賀状の用語︵橘︶

(12)

茨城大学教育学部紀要第二七号 書  名依拠本年 賀状 の 用 語所 在書  名依拠本年 賀 状 の 用 語所在

こsちにはらぬ春とはらsに下略︶ 神代のま\のおきてか   明ゆく日かげのう人の心ものどかにぞ︵以8増補珍玉用文章慶応四年︵一八六八︶刊︑東京大学附属図書館蔵   年始上輩江遣須状新暦之御慶賀不可有尽際御座目出度申納候︒先以御家門様被遊御揃益御安泰  ︵中略︶一オ一ウ

6消怠案文黒沢翁満著天保四年︵一八三三︶刊︑国会図書館蔵    年始の文新年之御吉慶不可有尽期目出度申納候先以貴家御一統様被成御揃弥御安全被成御越歳珍重

新しき年の初のよごと︒尽しなうほぎ聞え待り︒先御渡りあへかに︒御ひとぞう事もなくて︒加はらせ賜へる年のおむ祝︒何事かはとなむ︒よろこび思うたまふる︒ 六オ   同同輩江遣寸状改年之御吉慶不可有休期御座重畳申納候︒先以其御地御全家様御揃弥御勇健可被成御越年目出度奉存候  ︵中略︶   同下輩江遣須文新年之御祝辞目出度申収候︒先以其御許様無御別条可被成御加年重畳御儀奉存候  ︵以下略︶ニオニウ四オ四ウ

之御儀奉存候︵以下略︶次に9 新体書翰便蒙明治四年︵一八七一︶   贈年始書履端共二嘉祥慶閥愈御佳勝奉祝四オ 7雅言用文章黒沢翁満著嘉永五年︵一八五二︶刊︑東京大学附属図書館蔵○年始之文新暦之御慶賀不可有尽期御座候先以益御安泰  ○年始之文物皆はとうけたまはる中にも︒暦のあたらしう成ぬるばかり・めでたうよろこぱし上一オ刊︑東京大学附属図書館蔵

四ウ五オ

被為成御超歳奉恐悦候右年頭之御祝詞奉申上きをりからなん侍らざらましを︒いつはあめれどいやましに︒栄えさせたまふ御あ10 明治一〇年︵一八七七︶刊︑架蔵   賀新年文新年之慶賀不可有休期候︒先以御全家御揃益御勇康被成御超歳候条奉恐賀候  ︵以下略︶一オ一ウ 度捧愚札候猶期永陽之時候恐慢謹言︵以下略︶たりに︒くはsらせたまへる年の御11 今様かな消息明治=二年︵一八八〇︶刊︑東京大学附属図書館蔵

(13)

書  名依拠本年 賀 状 の 用 語所 在も︑多数の詳細で正確な情報を伝へてくれてゐる︒それら文章表現に関する記 03 書翰文講話及文範下巻芳賀矢一・杉谷代水編大正二年︵一九二二︶ 冨山房刊一頁五頁六頁

るo考へられることと︑やうな一節で書き起されてをり︑時の口頭語ばかりでなく︑  ω最初に﹃庭訓往来﹄を掲げたのは︑         第二は︑誰が文庫より今朝の春﹂とよまれたやうに︑供されたと考へられるからである︒ただ︑て使用されるやうになつた常套語句は︑ ②ロドリゲスの﹃日本大文典﹄は︑

(14)

西

(15)

tCa仕SbA    仁e        eh       D工白  四甑n     e n∵蕊萌輌隠蕪隠驚 &15斑自 灘 年賀状の用語

表 二 年賀状 の文面 ︵出現度数順︶ 順 位 番 号 回 数 出現率∂ 累積回数 累積出現率∂順 位番号回 数出現率%累積回数累積出現率㊤一六18一○・四九一九一 九三・一七多い︒います﹂%を超過︑半数は︑状の用語が︑は極く少数で︑ これにょると︑   ︵二︶    ﹁謹賀新年﹂のも含めて全体として︑求める傾向が顕著にみられる︒ 以上の結果は︑︵一︶二     ﹁賀正﹂︶で︑つまり全体の半数以上を占めることになる︒ かなり偏った用ゐられ方をしてゐることが解るo     地の文だけといふ文面 年賀状の書出し
表 五 表二と表 四 茨城大学教育学部紀要 第二七号 ︑            六の順位の相関D      鋤         ①         勾ー              〜︑                  ︵                  ︵表三の番号−⊥ 2 3 z4567890     1ー ワ一 nδ 41⊥  1  1  115︶ 1日ΣF︶呂表一の番号1 2 4 5109一 〇 3 4 51 2 2 2 26 9 3 42 2 3 337訓⊥15司平表四の順位︵A︶52151  
表 六   表 二と表 四の総 計 は︑ 三 今日︑から用ゐられるやうになつたかについて考へてみたい︒そのための資料として         ﹁賀正﹂      国語辞書に記載のある用語その両方の場合を含む︶  の各語について︑ ︑ カ︵ 何らかの慣用的表現 ③﹁恭 見 表四の順 位 同上番号同上回数 ︵A︶表二の順 位同上回数 ︵B︶回数合計︵A十B︶合計の順 位合計の出現率  ︵%︶     二つの調査を通じて︑を用ゐる傾向が強いことが明らかになつたが︑次に︑これらの用語はいつごろ            
表  八    書 状 に お け る 年 賀 用 語 の 使 用 回 数書状執筆者依  拠  本書状執筆年代 書状総数 賀正 賀春 恭賀新年 謹賀新年 迎春 備     考1佐久間  象  山︵一八=ー六四︶信濃毎日新聞社刊﹃象山全集﹄天保四年︵一八三三︶〜元治元年︵一八六四︶一︑九〇1ーーーー﹁恭賀﹂は一例︵嘉永五年︶あり2坂  本  竜  馬二八三五ー六七︶山石崎英重編  日本由工籍協︸A云刊 ﹃坂本竜馬関係文書﹄嘉永六年二八五三︶〜慶応三年二八六七︶一八三ーーーーー﹁改年賀事﹂一例︵慶応三年︶あり3

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