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価 格 形 成 と 限 界 原 価

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(1)

厚生経済学においては社会全体の厚生はすべての財・用役がその限界暫用に等しい価格で売られるとき極大にな  

ると主張される︒厚生極大の限界条件︑十分条件︑全体条件についてほ種々の経済学昏の説明に譲るが実務上フラ  

ンスにおいては二九五七年より電気の高圧供給について緑料金が適用されており高圧常用家は従来の一般料金と緑  

料金とのいずれか自己に有利な方を選択できることになっている︒緑料金は限界費用によって料金が決定せられた  

とされ一般電力︑し補助電力︑非常電力の3種について基本料金および従量料金の2本立となっており料金は地方に  

より︑電圧により差等があるはか︑季節および時間帯によっても区別されている︒以下においてほこの料金と限界  

原価の問題を検討するためダブイドソン﹁ガスおよび電気供給における価格差別﹂一九五五年︑並びにべクワノズ  

﹁限界費用による価格および生産鼠の統制﹂ 山九五五年の2書を研究してみたいと思う︒   

先づダダイドソソの著書より検討を始めよう︒同書は次の十二審より成り立っている︒  

序  文   

第1茸 差異料率と料金差別の問題   

第2章 ブロック料金制粧よる差別  

第3章第3級の差別  

価格形成と限界原価  

価格形成と限界原価  

︵五一五︶二七五    康  男  

(2)

第5章 サービスの原価  

第6童 ガスおよび電気料金の諸型態   

第7章 結合生産︑過剰設備およびサービスの価値  第8葦 需用原価の配賦   

第9章 差別料金構造の検討   

第10章 非差別料金構造   

第11童・パルチモアの連合ガス電力会社のガス及び電気料金   

第12章 ガス及び電気供給における料金差別 − 結語  

録   附  

第1茸においては現在のガスおよび電力会社の料金を検討すると異なる顧客に課せられる料金にほ多大の差異が  

存在することが判る︒多くの場合使用日的によって更︑に叉使用量の大小によって差異料率が課せられている︒これ  

らの差異料率ほ原価における差異を反映したものであろうか︑それとも差別料金を意味するものなのであろうか︒  

更に社会全体の立場から差別料金に対す冬賛否の根拠は何に求められるのか︒これらの問題を以下において検討す  

Uエ共用電力よりも低い料率で家庭調理用に電気を供給するのほ差別ではない  るために先づ料金差別の意味を明確にしなければならない︒料金差別の経済的意味は各種製品の売価がその各原価  に比例しない場合にそれほ差別価格であるといい叉料金差別の法律的意味は経済的意味よりもっと狭く限定的であ  る︒即ち公益事業統制法令の下においてほ例えば次の如きものほ差別料金とはされないのである︒  

︒    葦三十二巻 第三・四・五号  第4童 単純独占︑第3級の差別およびブロック差別の比較   ︵五一六︶ 二七六  

(3)

或る電力会社でほ家庭用電力をブロック化するのに各ブロックが次の各種サ 

に各停サービスに対応してブロック化が行われた︒   ② 山定の負荷を設定してそれ以上の大口消費者に特殊の料率を又それより未満の小江消費者に別個の料率を課す   

るのは差別でほない︒  

闇 特高需用者に低圧変電されないサービスに対する割引を許容することは差別でほない︒  

㈲ 調整および特殊電力の大口常用者に対しオフピーク時に特殊の低料率を課する町は差別ではない︒  

′ ㈲ 顧客の任意に選択しうる2つの料率体系を設定することほ差別でほない︒等︒   

即ち以上の小数例からも伺い知ることが出来るように法律的意味の差別料金は経済的意味の差別料金に含まれる  

多くの差異料率を差別から除外しており非常に狭い意味に使用している︒以下においてほ経済的意味の差別料金を  

採用する︒価格の劇つの重要な経済的機能は資源の配分である︒各生産物の相対的売価がその相対的原価に比例し  

ていないならば生産資源の非最適配分が招来されるであろう︒価格差別に対する最も強力な反対論の一つはそれが  

資源の非最適配分と浪費に導くということであるとする︒   

第皇単においてほ公益事業発足の初期においてガスおよび電気会社は定額料金制又は従量料金制を使用したが今  

日においてはブロック料金制が広く使用されている︒例えば毎月  

価格形成と限界原価   最初の四〇KWH  次の仙一〇KWH  次の仙五〇ⅩWH  三〇〇KWHを超えるもの   ⅩWH当り五セント   

〃 一一∵五セント  

〃  二セント   

〃 一・五セント  

︵五﹈七︶二七七   

(4)

第4ブロック  湯 沸 用  

一般に大畠使用者には原価逓減という理由を主張して後のブロック料率を低下させることが行われている︒   

投宿用曲線が既知で昂るとして独占公益事業ほ収益を最大にするために如何なるブロック料金制な選択するであ  

ろうか︒   

この茸および第3︑第4章においては独占事業の利益最大化との関連において単一独占価格︑ピグーの第3級の  

差別︑全常用者に対する同一料率のブロック料金差別︑クラス別ブロック料金差別が検討され比較される︒そして  

一定条件の下において大なる方より列挙すれば販売鼠ほ全寮用家に対する同叫料率のブロック料金差別︑クラス別  

プ■ロック料金差別︑第8級の差別又は単一独占価格の順であり叉正味利益ほクラス別ブロック料金差別︑全需用家  

に対する同仙料率のブロック料金差別︑第3級の差別︑単一独占価格の順であるとする︒   

第5章においてほダダイドソンは資源の最適配分を達成するために非差別料金を主張するのであるが差別か非差  

別かほ料金が原価に比例しないかどうかによって決せられる︒それ放こ1でほその前提として原価即ちサービスの  

真に適正な原価を決定しておく必要がある︒  

Ⅲ電気事業のコスト  料金決定のため必要な分析ほ原価を需用原価︑従量原価および需用家費に分けることであ  

る︒他のある者は更に残留原価を附け加えて4分するものもある︒   

従量原価ほ主として火力発電所の燃料費︑送電損失︑発電所におけるある穣の賃金︑仙般管理費中の小部分から    第三十二巻 第三・四・五号  欝1ブロック  電燈lその他附随器機  第2ブロック  冷却器その他附随器機   第3ブロック  調 理 用   ︵五一八︶二七八  

(5)

成り他の条件を等しとすれば販売ⅩWHの総監と共に直接的に増瀕するのである︒需用原価は利子︑固定設備の減  

価償却習および維持費︑給料等で通常KWHに依存せずⅩWにおける尖頭需用と共に変動するものである︒常用家  

費は㈲需用家の軒数につれて変動し尖頭負荷にほ関係しない配電網の桧原価中の部分㈲メーター費用︑記帳費用︑  

集金費用等の如く附加的新需用家がサービスを欲するとき生ずる現在の直接費用桝新常用家へサービスを提供し始  

める前に生ずる取付設備および連繋の費用を含む︒常用家費ほ仙年の販売総KWHおよび尖頭負荷ⅩWが所与とす  

れば常用家の軒数につれて変化するであろう︒需用家費ほ電力組織にいま仙軒の需用家を附け加えるために要する  

マージナルコストを表わす︒需用家費に何を合めるぺきかについてほ学者間に議論が分れている︒ハブリクほ原価  

分類において需用家督正二軒の需用家應附加するための附加的原価のみを純然含むべきであると強く主張した︒残  

留原価はその総原価中に占める割合が過小で社長︑上級管理者の給料のみを含む︒  

ガスコストも需用原価﹂従鼠原価︑常用家費に3分される︒叉少数の残留原価も存在する︒  ②ガス事業のコスト  

電気と異る点ほガスが貯蔵出来るという点である︒配給設備のみが尖頭負荷軋左右されるのであって生産設備︑導  

管設備および貯蔵設備はそうでほないのである︒   

適正な原価概念ほ目的によって相違するものである︒差別︑非差別を決定する基準となる適正な原価は事後の原  

価でほない︒適正な原価ほ将来の予期せられる原価である︒料金決定目的のために適正な原価概念ほ先づ第﹂にい  

ま仙つの附加的電気也−ⅩWH又はガスの一立方フートが販売されるならば生ずるであろう附加的原価即ち予想さ  

れる限界又ほ増分生産コスト︵それほ限界従量原価を含み又山KWH又ほガス一立方フートが供給される時間の如  

何によって限界需用原価を含むときと含まないときとがある︒︶および第2にいま仙軒の需用家が加入したならば  

生ずる附加的原価即ち予想される限界又ほ増分常用家費の二つから成り立つのである︒ダブイドソンほ厚生経済学   

︵五一九︶二七九   価格形成と限界原価  

(6)

︵五二〇︶二八〇  第三十二審 第三・四・五号  

の理論を理由に適切な原価ほ限界原価であるとするのである︒しかもそれほ長期の限界原価である︒公益事業が桧  

原価を回収するために差別料金を用いずして営業を続行し増大する儲用に見合うよう設備を拡張発展するためには  

売上収益ほ投下資本に対する公正報酬を含んだ長期の限界原価を回収しなけれぼならないのである︒料金決定のた  

めに適正な原価ほ長期の限界需用家費︑長期の限界生産費︵それほ常に従鼠原価を含み又附加的一単位が供給され  

る時間および季節の如何によって需用原価を含むときと含まないときとがある︶ から成立するのである︒   

限界原価料金政策ほ平均原価逓増の産業にほ正常報酬を超過する過剰利潤を継続的に与えないために課税し平均  

原価逓減産菓には欠損を継続的に生ぜしめないために補助金を支給することを要求すると一般に広く信ぜられてい  

る︒か1る主張ほ限界原価の短期的見解︵それほ過剰設備についての不当な先入観のために厚生経済学でほ不幸に  

も通例となっている︶を採るときにのみ理由があるのである︒しかし適切なものほ長期の原価である︒長期的にほ  

逓減的限界原価および限界原価と平均原価の相違の両者ほ単に市場の不完全又は惑い計画の証拠にすぎないという  

ことほ周知の定理である︒今日の如く生産設備が多数に上り此等設備の広範囲の連繋が存在する場合不分割性ほ長  

期においてほ重要ではなくなる︒長期限界費用ほむしろ逓増的で平均原価より高くなるてぁろう︒ダゲイドソンほ  

継続的な欠損を生ぜしめないために短期を捨て1長期限界費用を主張するのである︒叉長期限界費用ほ季節により  

時間により即らピークとオフピークの相違によって変化するのである︒   

欝6章においてほダブイドソンほ次の種類の料金を検討する︒  

①定額料金︵F−atRate︶  

⑧従量料金︵StraitよneRate︶  

⑧段階料金︵Step Rate︶   

(7)

④区画料金︵B−OCk Rat2︶  

需用料金︵DemandRate︶ − これは次の⑤⑥⑦の3つを総称する︒  

⑤ホプキンスン料金︵苧pkin筈nRate︶  

⑧ライト料金︵宅rightRate︶  

⑦下ハーティ3部料金︵DOFerty↓hre?partRate︶叫  

⑧クラス別料金︵C−ass 

これほ家庭用︑商業用︑エ業用︑▲農業用︑街燈用等にクラス別し別個の料率を課す︒  

⑨奨励料金︵PrOmOtiOna−Rate︶   

これほ必ずブロック料金と結び付く︒例えば4ブロックの場合最初の2ブロックで主として需用家費と需用原価   

の大部分を回収し小部分を第3ブロックに課し第4ブロックには従藍原価のみを課す︒かくして罪4ブロックの   

東用︵例えばガスに対抗して湯沸の需用︶を延ばさんとする︒  

⑲非尖頭および季節別料金︵○苧p2akandSeasO邑Ra−e00︶現行ほこれを特殊又ほ大口の常用家のみに適用し一   

般需用家に一律平等に適用していないのが欠点で差別である︒  

しかしてこれ等の料金は皆差別料金で真の原価を反映しないから設備の過剰投資︑資源の非最適配分を結果する︒  

長期の限界費用こそが真の原価であり料金制度上最も適切な非差別料金を表わし資源の最適配分に導くものである  

とする︒   

第7葦においてほ料金収入1−営業費十公正報酬の原則はアメリカにおいて広く承認される原則であるが限界費用  

による料金設定は未だ広く承認されていない︒更に又ある学者ほ料金ほ原価のみに基くべきでほなく価値主義をも   

︵五三︶二八一   価格形成と限界原価  

(8)

︵五二三︶二八二  第三十二幾 筋三・四・五号  

加味すべきことを主張している︒又ある者ほ現行の差別料金ほ社会的に望ましい機能を果していると主張する︒こ  

れらの根拠としてほ結合生産の理論と過剰設備の理論が主張される︒結合生産の理論ほ例えば電力原価ほ結合原価  

であり各爾用種別等毎の其の原価ほ算出できないとして原価に基く料金形成に反対し価値主義を主張する︒之に対  

しダダイドソンほ長期限界原価ほ確定可能であると反駁する︒又過剰設備の理論ほガスおよび電気事業ほ過剰設備  

を有しているから平均原価が逓減する産業であ渇ことを信じ︑したがって過剰設備をフルに運転しょり低い平均原  

価でより大なる生産鼠を供給するために差別料金ほ必要だとするのであるがダブイドソンほそれほ設備の過剰投資  

に導くとして差別料金︵奨励料金等︶に反対するのである︒   

第8章においてほ需用原価六固定費︶ の各需用種別への配賦が問題とされる︒  

A︑電力固定費の配賦   

固定費の各需用者又ほ各常用種別への配賦方法ほ従来種々のものが説かれているがこれ等は平均原価に関係した  

ものである︒しかし乍ら料金政策のために適切な原価概念は長期・の限界費用であ?て平均原価でほない︒それ故各  

需用種別へ配賦するのは長期の限界固定費を各需用種別へ配賦すべきであるのである︒   

固定費にほ利子︑固定設備︵再生産原価︑但し配電設備の中需用軒数と共に変化する爾用家費ほ含まない︶ の減  

価償却費および維持費︑発電所オぺレイク﹂および保全要員の賃金給料︑その他の管理原価で系統の年尖頭負荷に  

よって増減する原価の部分を含むのである︒   

ダダイドソソは長期限界固定費用の経済的配賦方法として尖頭負荷責任法を最も適当なものとして推奨するので  

ある︒例えば今予期される日負荷曲線が次の図の如く既知であり︑しかもそれほ山年中同一であり長期限界需用原  

価ほ年一EW当り三六五ドル即ち二日山KW当り仙ドルであるとする︒   

(9)

しかるときほ尖頭責任法に鳶て次の如く長期限界固定費ほ各需用種別へ配賦されるのである︒  

第1図において雷種別がA唯二檀丈のときほ妄W当りの長期限界固定褒正二十四時間に均等に配賦せられる︒  

−でで+悪罵芸鱒刊亘−の尽ヾ†  

即ちAは言五〇〇〇ドル︵=冨三×−芦⁝搾WH︶の全固定費を割当てられるのである︒  

第1図においてBが加わると長期限界常用原価の割当てほ  

Aノ㊦哺工此砂−−−.−甲長∨\†Y−芦○苫KWHll研u000でて  

溺〜ムⅩ望張=−F−の舟ヾ†×−軍書○舛WHl−訊︶書○でて  

となる︒  

第2図においてほ長期限界霹用原価ほ尖頭書任法によって次の如く割当てられる︒  

−でて十∞覇召1−−Pひ舟ヾサ  

●  

価格形成と限界原価  

(沖l匡り  

.  

2 4 〉810】2 Z 4 d 81い2  

年祁   午後  

(牙2回)  

二___∴ __  

2 4 8 8101Z、2  与 る 81012   

年子鹿  

∧U  ︵U  <U  ▲ハU  ▲U  ∧U  ▲‖U  ﹁﹀  ▲の  8 川 り ほ 沌 ○﹀ ′0 4 2  

1  ︵五二三︶二八三   

 81012 Z 4( 8101Z  

手酌   キ隠  

(10)

Aノ㊦哺仁此抄=−P甲吋ヾ⊥×き︑○署只WH=誓言でて   

Bノ8粥且砂吟=蒜.?付ヾTX雪u宝○河毛H=讃00でて   

Cノ8鵬仁此抄=−悼●甲付ヾTX皆u000KWH−−匝讐○でて  

第3図においてほ長期限界固定費ほ4時間︵午後3時から7暗まで︶のⅩWHに割当られる︒  

−でて小ふ霹或=岩舟ヾT  

Aノ由品警鱒砂山蒜甲付ヾサ× ︵全都或×誓重病W︶  

牒謡ふヾ二×g︸苦OKWH=筈00︻ごて   

Bノ㊦墾此坤=謡舟ヾ†× ︵や昂頭×−誓00舛W︶  

匝∽舟ヾ†×雷﹀苫○只W嵩=−誓00でて  

CはオフピークであるからCへほ全然配賦せられない︒  

放電力会社発展の初期においてほ尖頭負荷責任法が広く使用されたが後になってこの方法ほ棄てられ他の方法が採  

用されるようになった︒反対の主な理由としては㈲コスト配分の安定性が貧弱である︒②毎年のピークほ毎年義  

時から他の時間へ移動して不安定である︒㈲オフピークが増大して新しいピークを形成するか又ほ古いピークに等  

しい常塁間に達するり㈲ピーク時に電力を消費する全ゆる需用家が必ずしもピークに貴献するとほ限らない︒  

等が主張される︒毎年配賦が不安定であるとの反対に対してほ真のコストを反映させるためには毎年固定費の配  

分を負荷曲線の変化につれてやり直すことほ当然のことであるといわなければならない︒来年度の負荷曲線を予想  

しその予想の下に固定費の予想配分を行うべきである︒叉オフピークが増大し古いピークを超える恐れがあるとき  

ほ古いピークに配分された長期限界固定費を少しつ←減らしてオフピーク特科金にそれ丈の固定費を附加して行く   

●  

第三十二巻 第三・四・五官  ︵五二四︶二八四  

(11)

ぺきである︒そして古いピーク料金とオフピーク料金とが等しくなり両者の最大負荷KWが等しくなる以前におい  

てほ古いオフピーウ時の急激な常用増大をまかなうために新設備投資を行うべきでほないとする﹂   

叉ピーク時に電力を消費する全ゆる常用家がピークに対し責任がある︒それほもし轟かが他の時点に需用を移動  

すれほより少い設備しか必要でなくなるからである︒   

さてすでに固定費の配賦方法には種々あること又これ等のものほ平均原価に関するものであることほすでに述べ  

たがしかしこれらの方法ほ長期限界固定費の配賦方法としても利用し使用出来るものである︒′その主なものにほ次  

の様なものがある︒   

グリーン法︑ヒルス法︑完全ピーク法︑修正完全ピーク法︑需用原価割引法︑最大常用法︑ノルデイン法︒  

の配賦方法によればオフピーク料金によるピーク増大への援助を結果し現存設備の利用度減少︑新設備への追加投  

資︑新設備の不能率な使用をもたらすことほ明らかである︒ダブイドソンはかくして長期限界固定費の配賦方法と  

価格形成と限界原価   刷  

8101Z 2 ヰ産8  

囚)  

Z  しかしこれ等の尖頭負荷責任法以外の方法によれば  

2 4   81012 2 4  8    年新      平奴  

オフピーク常用家がピーク需用家に補助を与えてピー  

ク需用家の全責任の一部を負担する結果を生じ又欝4  

図から第5図へのDの需用の移動によってDは設備増  

加の安住に対し当然増加料金を支払うべきであるにも  

拘らず尖頭責任法以外の方法によれぼDほピークを増  

大せしめて自己の料金︵長期限界固定費の負担額︶を  

減少せしめることが出来るのである︒かようにこれら  

︵五二五︶ 二八五   

(12)

B︑ガス事業固定費の配賦  

ガスほ電気と異なり貯蔵し得るものであるのでガス事業の固定費ほ8つに分けることが必要である︒   

仙製造固定費㈲貯蔵固定費矧配給固定費  配給組織はピークにマッチしなければならないからガスの配給設備の長期限界需用原価の配賦ほ電気の場合と同じ  であって配賦方法は尖頭責任法に従うべきであるとする︒以下においてほ残りの製造固定費と貯蔵固定費について  

論じなければならない︒今第4図のKWを立方フィートに読み換え第4図で表わされるガス事業の日負荷曲線が一  年を通じて周盲あると仮定する︒各爾用家ほ各々言につきガス四八〇〇〇立方フィートを消費する︒それ故  全需用家の言合計需用量ほ二八八〇〇〇立方フィートである︒この場合ガスほ貯蔵出来るからガス会社のガス  製造のための最大必要量ほ毎時間当り土八八〇つ○立方フィート割る二四時間即ち一二〇〇〇立方フィー†であ  

る︒そして会社ほ六〇〇〇〇立方フィートの貯蔵設備を必要とするであろう︒92Mから9AMまでガスの一部ほ  

9AMから92Mの裔用を満たすため貯蔵設備に流入されるであろう︒この様な状態の下においてほ製造設備ほ一  

〇〇%の負荷率を有する︒この場合全ての製造固定費は二四時間の全生産鼠に均等に配賦されるべきである︒次に  

貯蔵固定費は如何︒貯蔵固定費は上述の状況の場合第A図において負荷曲線が平均負荷仙二〇〇〇立方フィートを  超える時間に供給され藩ガスに賦課される︒その理由ほ負荷曲線が平均負荷を超える時間における供給良長の減少は  

要求される貯蔵設備の減少を意味するからである︒如ち会社の負荷曲線が2ノつ以上のピークを持ち会社ほ最大ピー  ク時間の消費量のみを満たすに必要なよりもよりノ一層大なる貯蔵設備を準備しなければならないならば貯蔵固定費  

は負荷曲線が平均負荷を超える全ゆる時間の間に生ずる全消費畳に均等に賦課される︒しかしもし負荷曲線が2以    第三十二巻 第三・四・五号  

して尖頭負荷貴任法を最良の方法であるとする︒   ︵正二六︶ 二八六  

(13)

上のピークを持っていても会社が最大ピーク時間中の紆用を満すために要求される貯蔵設備を超えて附加的な貯蔵  

設備を作る必要が無いならば貯蔵固定費ほ最大ピーク時間中の消費量のみに賦課されるのである︒   

さて次にガス会社が六〇〇〇〇立方フィートの代りに三六〇〇〇立方フィートの貯蔵設備を維持している場合第  

4図において朝のピーク開始時の9AMにおいて貯蔵設備をガスで山杯にしておく必要があり叉9AMから9PM  

迄毎躊二四〇〇〇立方フィートのガスを製造する必要がある︒この例の場合において製造固定費は9AMから9P  

Mまでの製造厳にのみ配賦され貯蔵固定螢ほ9AM〜1PMおよび5PM〜9PMの時間中における供給量に配賦  

される︒9PMから9AM迄の時間にほ固定費ほ配賦されない︒その理由ほこれ等の時間における供給量の減少ほ  

要求される製造および貯蔵設備のいずれをも減小せしめないからである︒   

次に調整可能なガス常用家に対する固定費の配賦についてはか1る需用家ほピークに参加しないので固定費の配  

賦ほ受けるべきでないとする主張者もあるがしかし乍ら例えば第4図においてピーク時に遮断中止される調整可能  

なガス需用家が9AMと9PMの間の時間内において供給を受けるとし又会社は三六〇〇〇立方フィートの貯蔵設  

備を有し9AM〜9PM間に毎時一四〇〇〇立方フィートを壁産するとすれば9AM〜9PMの間のいずれかの時  

間に供給を受ける調整可能なガス需用家の常用皇ほ当然上述の例と同−で製造および貯蔵の固定費の配賦を受ける  

べきであるとする︒   

第9費においてはガスおよび電気事業においてほ少くとも次の8つの主な料金差別が存在している︒  

侶ピークオフピーク差別料金︵特殊の大口常用者へのみ適用し仝ゆる常用者へ一律に適用しょうとほしない︒︶  

②ブロックレイト︵クレメンズほ仙九四五年農業および公益事業経済学月刊雑誌第二十ご巻において差別ブロック   

料金がマーヂナルコスト料金と同じ社会的に望ましい生産量を実現し得ると主張したがダダイドソンほ両価格に   

︵五二七︶二次七  価格形成と限界原価  

⊥   

(14)

矧クラスプライリング   しかしてこれ等現行の差別料金は長期限界費用料金の場合に比して全て過剰投資︑資源の非最適配分に導くと主  

張する︒  欝望阜においてほダダイドソンが結局において料金決定のために最も望ましいとする非差別料金すなわち長期限  

界費用に基く電気およびガス料金が提案される︒  

A︑電気事業における非差別料金   

料金決定のために最も適切な提案される非差別料金体系は固定し空走の一ケ月当り需用家費プラス電気が使用  

される時刻によって相異する一KWH当りチャーヂである︒一正WH当りチャーデほピーク時間中ほ限界従量原価  

プラス限界常用原価に等しくオフピーク時間中ほ限界従量原価のみに等しい︒   

時間帯別料金体系がこのコスト変化に適合した体系であると思う︒それほワットアワーメーターとタイムスイッ  

チを結合した計器を使用する︒ピーク時間の使用電力量ほ目盛板の一.個に記録されオフピーク時の使用電力崖ほ他  

の山個の目盛板に記録される︒   

需用家費は需用家の数と共に変化し公益事業にいま一人の需用家を附け加えることのマーヂナルコストを表わ  

す◇それは各館用家に電力量の使用不使用籠関せず毎月一定額の需用家料金を課すことによって回収される︒取付  

連繋費用は公益事業への取付連繋の時に料金として取られるのが通例である︒需用家費は全ゆる常用者にとって同  

一ではない︒何となれば例えば計量器への投資額ほ顧客の予想される最大負荷の大きさによって変化するからであ  

る︒従量原価はーKWH当り均等に割当てられる︒ピーグ時における生産量を増加するためにほ附加的設備が長期    第三十二巻 第三・四・五号  よる生産量は一致しないことを主張する︒︶   ︵五二八︶ 二八八  

(15)

において準備されなければならないがオフピーク時における生産盈増加のためにほ設備を拡張することほ不必要で  

ある︒それ故ピーク時の電気の般界費用は固定費を含むがオフピーク時の電気の限界費用ほ固定費な含まないので  

ある?   

需用家の尖頭負荷に基く需用料金と使用電力量こ甲位当りチャーヂを有するホプキンスン型料金がもし料金の需  

用料金部分も従量料金部分もブロック化されていず需用料金が系統の総合尖頭負荷時における各需用者の最大需用  

に基いて討算されているならばピーク時と.オフピーク時の限界費用の差異を適正に反映する非差別料金体系として  

活用しうるであろう︒限界固定費ほ全ゆる常用者にとって同山のものでほない︒それほ超高圧︑高圧︑低圧によって  

異なるのである︒超高圧常用家ほ発電設備および超高圧送電線原価に基く限界固定費用をチャーデされるであろう︒   

配電設備固定費ほ低圧常用家に対する限界訂定費に算入されるに反し高圧需用家ほ低圧への変電設備を必要とし  

ないからそれ丈限界固定費が減少された料金を課せられるであろう︒かくしてピーク時における限界固定費チャー  

ヂは超高圧︑高圧︑低圧各需用家の如何によって3段階が設定せられることになる︒ピーク時の料金差は血般に主と  

して電力を超高圧から低圧へ降圧する固定設備の固定原価差に等しくなる︒オフピーク降ほ固定費を含まないから  

山般に料金差ほ存在しない︒限界従鼠原価もピーク時とオフプーク時で変化するのである︒即ちピーク時にほ老朽  

発電所が運転される結果限界従量原価︵主として石炭費︶ はオフピーク時よりも高くなるのである︒   

以上の様に非差別料金ほ時間帯別の長期限界費用を反映する料金であるがか1る料金を設定するためにほピーク  

時間を予想することが必要である︒そのため過去の経験を基として将来の▲負荷曲線を予想しなければならない︒パ  

ルチモア市の連合ガス電力会社についてほ科学的調査によってダダイドソンほピーク時間ほ十山月の最後の週︑十  

二月と一月の全部︑二月の最初の週の朝十時〜十二時および夕方五〜七時並びに六月︑七月︑八月の朝九〜十一時   

価格形成と限界原価  ︵五二九︶二八九   

(16)

︵五三〇︶ 二九〇  第三十二巷 第三・四・五号  

および午後で〜四時であると結論する︒アイ︑‡ム︑デイ︑‖ノー﹁ルはその著﹁燃料の価格﹂においてピークの予想  

ほ不確実であるから各時間がピークとなる確率に基いて数学上の確率によって固定原価を各時間に割当てることな  

主張したが実務上ほ実用が困難であろう︒   

ぎて上述の連合ガス電力会社の例においてピーク期間ほ一ケ年八七六〇時間の中の七三五時聞から成ることが判  

かる︒もし発電所および送電設備が山KW当り年二四ドルのコストを有するとすればピーク時閑に割当てられるこ  

の固定費の部分は山KWH当り三二ニセントになるであろう︒今山KWH当りC・五セントなオフピーク限界生産  

費用に略々等しいものとすれば超高圧需用家への料金は七三五ピーク時間中ほ仙KWH当り三・八センー︑また山  

年の残りの八〇二五時間中ほ一ⅩWH当り〇・五センートとなるであろう︵時間帯別2部料金制︶︒上述の時間帯別  

2部料金制が開始された後オフピークのある時間の需用が延びて需用の移動な年じ新しいピークになる恐れがある  

ときほこの時間の料金に固定費を少しづつ加えて行って古いピトク時の料金固定費をそれ丈減少せしめるため3部  

別料金が必要になるかもしれないであろう︒新しい家庭用電気器具等の発明によって毎年のピーク時問が変動する  

につれて原価と非差別料金との関係を維持するため︑か1る場合は毎年料金を改訂することが必要である︒  

B︑ガス・事業における非差別料金   

最適の料金を決定するためにガスが貯蔵可能であるということがガス料金と電気料金との設定原則の根本的相異  

点となる︒   

ガスは貯蔵されうるから配給固定費ほ電気と同じくピーク時間のみに配賦されるが製造固定費ほ製造ピークの生  

産藍に配賦され貯蔵固定費ほ貯蔵ガスが引出薄れる販売される時間中に消費される全ゆる生産量に配賦されるので  

ある︒時間帯別料金がガス事業においても最も適切な料金体系である︒   

(17)

ガス事業に対する最も適切な料金体系ほ毎月山定の需用家費︵長期限界需用家費︶プラスピーク時間に対してほ  

長期限界ピークコストに等しい料率︑またオフピーク時間に対してほ長期限界オフピトクコストに等しい料率から  構成せられるのである︒   

ガスは貯蔵し得るからピーク季節におけるピーク時間とオフピーク時間とに消費されるエネルギーの限界費用の  

差ほ電気の場合はど大きくないため︑重要なのほピーク季節とオフピーク季節との限界費用の差である︒   

さて来るべきピーク季節に使用するためにオフピーク季節にガスを貯蔵することが可能であり製造設備を劇年中  

山00%の負荷率に維持することが可能である場合において理論的.に最も適切なガス料金猟差別体系ほ毎月一定の  

需用家費プラス毎月消費されるガス使用鼻に対する単位当り従量チャーヂであり後者の単位当り従鼠チャーデ泳二  

般的にいえばピーク季節のピーク時間に対してほ限界従誌費用プラス限界製造固定費プラス限界貯蔵固定費プラス  

限界供給薗定費に等しい料率を適用するb次にピーク季節オフピーク時間に対しては単位当り従鼠チャーデほ限界  

従崖費用プラス限界製造固定費プラノス限界貯蔵固定費に等しい料率が課せられ叉オフピーク季節においてはそれは  限界従鼻費用プラス限界製造薗定費となる︒   

以上に述べた非差別ガス料金の山例な示せば次の様なものが設定せられよう︒  

例︑天然ガス配給会社︑︵オフビーフ季節にガスの貯蔵不可能とする︒︶  

一ケ月当り〇・七五ドルの需用家費  

ガスの劇MCf当り単位従長チャトデ  

十二月︑血月︑二月の午前六〜九時︑午後五〜七嘩:⁝刷MCf当り〇・五ドル  

十二月︑山月︑二月の他の十九時間に対して⁝⁝⁝⁚⁝二MCf当り〇・四ドル  

価格形成と限界原価  ︵五三一︶ 二九仙    牒謂   

(18)

⊥MCf当り〇・三ドル  一ケ年の他の九ケ月に対して 

ガスの時間帯別計鼠器ほ電気と逼.って高価なこと叉ピーク季節におけるピーク時間とオフピーク時間における限界  

費用の差は大きくないことの理由からガス会社にとって最も実践的な料金体系ほ季節別料金体系である︒  

.ハルチモア市の連合ガスおよび電力会社のピークほ十二月︑仙月︑二月のAM7〜9︑PM5〜6と推定される︒   

さて非差別料金を表わすガスの季節別料金においてはピーク季節の単位当り従R嘉チャーデほ限界従畳費用プラス  

限界製造固定費プラス限界貯蔵固定蟄プラス限界配給固定費よりも僅かに低い料金であるがしかし限界従鼻費用プ  

ラス限界製造固定費より大きい料金である︒又オフピーク季節のそれほ限界従量費用より大か叉ほそれに等しい料  

金︵ガスが貯蔵されるか香かによっ七︶である︒か1る料金体系においてオフピーク季節の需用屋が供給可能鼠よ  

り大となるかも知れない春又ほ秋の数週に対しては需用と供給ふ二致させるため限界従量費用以上に料金を上げる  

ことが必要となるかもしれない︒又毎年のピークが変れば料金も変えねばならない︒   

ぜて以上の様に現行方式により時間帯別料金に移ることによって電気においてほ新しい計量器の使用によって家  

庭および中小商業の小口需用家に対し毎月僅か約二〇セソートの需用家費を増加せしめるにすぎない︒Demand  

Meterが既に使用されている大口需用家に対する需用家費の増加ほ無視し得る︒   

その反面常用家ほ消費時における適切な原価を反映する料金を選択出来る利点を獲得しオフピーク時へとその消  

費量を移動することによって需用家費の増加を相殺する以上に料金負担を減少することができるであろう︒   

又ガスにおいて現行方式より季節別料金への移行ほ殆んど需用家費を増加せしめないと推定される︒ガスおよび  

電気事業ほ仙般に長期平均費用の逓減する企業であるといわれている︒そうすると長期の限界費用に等しい料金設  

定ほ公益事業に欠損を生ぜしめるであろう︒しかしこのことほ小規模のお互に連繋されていない電気又はガス会社    第三十二巻 第三・四・五雪  ︵五三二︶ 二九二  

(19)

を除いてほ存在しないであろう︒現在の様に公益事業間の連繋が存在し発電所の数も多数に上る場合には多くの会  

社にとって長期限界費用と平均費用との差ほ存在しないか又は僅少であろう︒   

ダダイドソンの提案料金は毎月一定の需用家料金︵長期限界需用家費︶を含んでいる︒長期平均原価が逓減する  

番 場合会社の独立採算制を採るため収支採算を維持するためにほ一案としてほ仙需用家封料金を収支がつぐなう様値  

上げすることである︒常用家料金の値上げが少であるか又ほ値上げの結果他種のエネルギーへの完全な消費の移行  

切換えが寓用家によって行われないならば資源の最適配分への影響力は少であろケ︒他のもう劇つの案ほ脚需用寮  

費料金︑︑ピークオフピークレイトを収支が一致するまで小棒に限界費用に比例的に増加させることである︒この場  

合ガスおよび電気と他種のエネルギーとの間に確かに資源の非最適配分が生じょうが現行料金よりほましで差別庶  

が少いと思われるのでぁる︒   

以上を要するにガスおよび電気料金に対する理論的に最も有効な料金体系ほ裾用家費を回収する固定料金と︑ピ  

ークに対しある料率︑オフピークに対しそれより低い他の料率を課する時間帯別料金である︒電気事業にほこの種  

の料金ほ実施可能である︒しかしガス事業においてほ理論的にほ正しくとも実践的にほガス限界コストにおける重  

大な差異ほピーク季節とオフピーク季節との間に現われるのみであるからガス事業に対してほ季節別料金が最も実  

践的な方法である︒   

提案された電気の時間帯別料金およびガスの季節別料金は実施可能であり現行料金よりも生産資源の経済的配分  

に閲し優れているのである︒この提案料金制度によっ・てこそ現存設備の利用度ほ増加し新設備への投資は消費者が  

全部長期限界費用を喜んで支払うようにならないうちほ投下されないのである︒そしてピーク時の消費ほオフピー  

ク時の消費の負担犠牲にょって援助されないのである︒  

価格形成と限界原価  ︵五三三︶ 二九三   

(20)

第蕃においてはメリイランド州公益事業委員会の協同の下にパルチモア市の連合ガス電力会社の作成した電気  

およびガス料金の一九仙○年から一九五〇年に至る平均料金の変化推移およびそれとタグイドソンがそれを基礎と  

レて計算した長期限界費用による料金との比較が睾がされる︒︑限界費用料金ほ平均料金よりも二層低い料金額とな  

っている︒そしてダダイドソンほ同会社のガスおよび庵気料金はブロックレイトを使用した価値主義に基さ作成せ  

られた料金体系であって責のコストを反映していないと断定する︒そして同会社の様な料金体系ほ米国では広く行  

われているが社会的にほ望ましくない独占的差別価格であると主張するのである︒   

第ほ葦の最終章では各電気およびガス会社の現行の料金ほ真の適切な原価の差を反映していないから経済的意味  

の差別料金である︒現行のピークオフピトク差別︑クラス別ブロックレイト差別料金においてほピーク時消費者ほ.  

オフピーク時消費者によって補助されている︒それほ資源の非最適配分に導く︒長期限界費用に基く非差別料金こ  

そが其の原価を反映し資源の最適配分をもたらすものであるとする︒   

次にべククイズ ﹁限界原価による価格および生産量の統制﹂ 山九五五年の検討に移ることとする︒彼も叉根本原  

理として価格が限界費用に等しくなる様製品の価格叉ほ生産鼠を上下させるべきことを主張する︒限界原価ほ固定  

設備における拡張なしに生産鼠が増加する場合限界生産量山単位を生産するために生ずる全ゆる社会的に必要な附  

加的変動原価である︒しかしこの限界費用からほ広告宣伝費︑寄附金等ほ除外される︒それは限界生産物の生産に  

不可欠のものではないとする︒又固定費ほ全く限界費用の中に含まれない︒固定費を含ませてほ限界分析が不可能  

であり限界分析における限界原価は連続的な変動費のみな含むぺきであるっかくて彼ほ長期限界費用に反対−恩槻ね  

短期に近い考えを採る︒さて限界原価の一般定理は次の9つの非常に重要な系を持つのである︒これ等の系は従来  

限界費用論者によって殆んど完全に無視されてきたがこれほ正しくないのである︒    第三十二巻 第三・四・五号  ︵五三四︶ 二九四  

(21)

Ⅲ価格は全ての顧客に対して等しくあるべきである︒それほ同じ場所で同じ嵐を買い同仙のサービスを受ける顧客  

ほ限界費用が同じであるから同じ価格を支払うぺきことを意味する︒負担力主義ほこの系の否定である︒子供は全  

ゆる財に対し ︵娯楽や輸送を含み︶大人と同じ価格を払うぺきである︒更に軍人︑官吏︑生活圏窮者︑従業員への  

/   価格割引ほ全てこの系に反する︒生活困窮者は商品割引でなく彼等の所得を高めることが必要なことである︒  ②全ゆる選択可能な任意の特別サービスに対しては別個の価格がチャーヂさるべきである︒配達付︑加工等任意の  特別サービスの原価は別個の価格︵特別サービスの限界原価︶ で回収さるべきである︒一定地域内の配達を同一価  格とするのほこの系の違反である︒  ㈲準固定費的限界彗用を有する商品の限界費用を回収するために2乃至それ以上の価格が使用されるぺきである︒  

︵複数限界価格政策︶︒ある穂のサービスほ準固定限界原価と変動限界原価の2種類を有している︒準固定限界原価  

は顧客にサービスな与えるために生じなければならないが彼に与えられるサービスの鼠と共にほ変化しない原価で  

あり変動限界原価ほサービスの鼠と共に変化する原価である︒両限界原価ほ顧客に対し別個の価格によって回収さ   

れるべきである︒例えば銀行貸付金を例にとれば銀行貸付金は貸付の期間の長さと共にほ変化しないある種の最初  

の限界原価︵調査︑簿記等の原価︶を含むがしかし叉貸付期間の長さと共に密接に変化する他の原価を含む︒両者  

は別個の価格により回収されるべきである︒  

㈲一回の販売において売られる商品の最初の血個と次以下の単位に対しては異なる価格がチャトダされるべせであ  

る︵数量差による価格政策︶︒同心時に同一人に対し販売される商品の第2以下の単位は最初の単位より低い価格  

を付すぺきである︒理由ほ第2以下の単位の販売限界原価は鼓初の単位のそれよりも低いからである︒第2以下の  

単位相互間の販売限界原価差は小であるので無視される︒  

価格形成と限界原価  ︵五三五︶ 二九五   

(22)

︵五三六︶ 二九六  第三十二巻 第三・四・五官  

㈲多くの価格ほ通常の季節的︑′毎週の︑又は毎日の限界原価変動と共に変化すべきでぁる︒この系によって達成せ  

られる利点ほ設備の完全利用である︒  

㈲価格の安定ほ非経済的である︒限界費用は通常屡々変動するから価格も之に従って変動しなければならない︒  

m連産品の価格の合計は連産品総体としての限界費用に等しくなければならない︒  

㈲計算容易ならば賃金ほ労働の限界生産力に等しかるぺきである︒この目的を達成するためにほ時間給よりも出来  

高給の方がより適当である︒  

㈲価格の機能を営む租税は限界出用に等しかるぺきである︒例えばある道路の通行税としてのガソリン税ほ価格の  

機能を営む租税である︒  

以上の限界原価による価格および生産量統制の根本原理およびその9つの系ほ全ゆる価格を有する財に適用され  

る︒  いまこれらの定理及び系をガスおよび電気事業について適用してみよう︒  

ガスおよび電気事巣への限界原価料金の適用ほ現在の料金を低落せしめ常要を増大せしめることであろう︒  

系1ほ家庭用︑エ米用︑商業用の使用者が全て同じ料率を支払うことを意味する︒料金の差異は負担力主義に基く  

べきでほないのである︒  

系2は全ゆる顧客ほ与えられる任意の特別サービスの限界費用を回収する特殊料金を支払わねばならないことを要  

求する︒特殊サービスの例としてほ装置の修繕︑特殊設備の備宜付け︑送電線の配置換え等である︒  

系3は需用家費の料金は従曳料金とほ別個に設定すべきことを要求する︒  

系4はガスおよび電気事業には適用されない︒   

(23)

潔5の周期的価格政策ほ非常に重要な適用をもつ︒ピーク︑オフピークに上る時間帯別料金はクロックメーターが  

安でなり家庭に使用出来るように鬼ればその実施が容易になるであろう︒又限界原価による料金を採用した結果ガ  

スおよび電気事業に欠損金が生ずるならばそれは需用家費の料金の増加で回収すれぼよいであろうとす竃︒  

さて以上においてダヴイドソンおよびべククイズの慄界費用料金論について述べた︒  

これらの理論から実務上受取るべき価値ほ多くのものがあると考えられる︒  

例えばピ﹂ク︑オフピークによる侍間帯別︑季節別料金差ほその一例である︒  

価格形成と限界原価  ︵五三七︶ 二九七   

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