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超楕円曲線上の Ate ペアリングについて Around Ate pairings on hyperlliptic curves

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Academic year: 2021

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(1)

超楕円曲線上の Ate ペアリングについて Around Ate pairings on hyperlliptic curves

数学専攻 山口 将史

Masashi Yamaguchi

序

本論文は,有限体の上に定義された楕円曲線さらに超楕円曲線に関わるアルゴリズムについて論述され た論文

C.-A. Zhao, F. Zhang, J. Huang, A note on the Ate pairing

と

R. Granger, F. Hess, R. Oyono, N. Th´ eriault, F. Vercauteren, Ate pairing on hyperelliptic curves

に基づく総合報告である.楕円曲線あ るいは代数曲線の

Jacobi

多様体に対して定義される

Weil pairing

は

´ etale cohomology

に対する

Poincar´ e

duality

の出発点であり,理論的に非常に重要な位置を占めるが,有限体の上に定義された楕円曲線の

Weil

pairing

を暗号に利用するという境隆一などによる提唱がブレークスルーとなって,暗号開発の分野におい

て盛んに研究されるようになった.さらに,有限体の上の楕円曲線あるいは代数曲線の

Jacobi

多様体に対 して定義される

Tate pairing

や計算の高速化を工夫して定義された

Ate pairing

が,数学というよりは暗号 の専門家によって盛んに研究されている.当数学専攻でも2009年度に小出氏よって,2010年度に渡 辺氏によって,Weil paring,Tate pairing,Ate pairingに関する総合報告が修士論文として提出された.

本論文では先行する総合報告ではふれられていなかった,Tate pairingや

Ate pairing

のアルゴリズムの 実装を主題にしている.序文では,楕円

ElGamal

暗号と

Weil paring

の暗号への応用について述べ,有限 体の上の楕円曲線に関するアルゴリズムの必要性について説明している.第1節では代数曲線の

Jacobi

多 様体について,第2節では楕円曲線あるいは超楕円曲線の上の

Tate paring,Miller

のアルゴリズム,楕円 曲線あるいは超楕円曲線上の

Ate paring

について説明した.第3節では楕円曲線に対する

Miller

のアルゴ リズムについて論述する.付録では実際に作成したプログラムを記載した.

1 準備

定義

1.1. C

を有限体

F q

上の種数

g

の非特異な超楕円曲線とする.ここで,q

= p n (p

は素数).Cのアファ イン方程式は

y 2 + h(x)y = f (x)

によって与えられるとしてよい.ここで,h, f

∈ F q [x], degh ≤ g, f

の主係数が

1

で,degf

= 2g + 1

が成 り立つ.このとき,Cは唯一の無限遠点

P ∞

を持つ.

定義

1.2. F q

の代数拡大

K

に対して

C(K) = { (x, y) ∈ K × K | y 2 + h(x)y = f(x) } ∪ { P ∞ }

と定義する.C(K)を

C

上の

K

有理点の集合とよぶ.

定義

1.3. ι(x, y) = (x, − y − h(x))

によって写像

ι : C(K) → C(K)

を定義する.ιを

C

の超楕円対合と よぶ.

定義

1.4. C( F q )

の点の形式和

D = ∑

P ∈ C( F

q

)

c P P

1

(2)

を

C

の因子とよぶ.ここで,c

p ∈ Z

で,有限個の

P

を除いて

c P = 0.C

上の全ての因子の集合を

Div C

で 表す.

定義

1.5. D = ∑

P ∈ C( F

q

)

c P P

に対して,

degD = ∑

P ∈ C( F

q

)

c P

と記し,

deg D

を

D

の次数とよぶ.次数

0

の因子の集合を

Div 0 C

と表記する.また,

ord P (D) = c P

と記す.

定義

1.6. D = ∑

P ∈ C( F

q

)

c P P

に対して,supp

D = { P ∈ C( F q ) ; c P ̸ = 0 }

と定義する.

定義

1.7. φ(x, y) = (x q , y q )

によって定義される写像

φ : C( F q ) → C( F q )

を

F q

に関する

Frobenius

写像と よぶ

定義

1.8.

有理関数

f ∈ F q (C) ∗

に対して

div(f ) = ∑

P ∈ C( F

q

)

ord P (f )(P )

と定義する.ここで,ord

P (f )

は点

P

での

f

の位数を表わす.div(f

)

を有理関数

f

によって定義された主 因子とよぶ.また

Prin C = { div(f ) ; f ∈ F q (C) ∗ },J C = Div 0 C /Prin C

と定義し,J

C

の因子類を

D

と表記 する.

命題

1.9. D ∈ Div C 0

とする.このとき,ρ(D)

∈ Div C 0

が存在して次が成立する.

(1) ρ(D) = D.

(2) ρ(D) = ε(D) − deg(ε(D))(P ∞ ).ここで,ε(D) =

∑ m

i=1

(P i ),m = deg(ε(D)),P i ̸ = P ∞

,P

i ̸ = ι(P j ) (i ̸ = j).

定義

1.10. ρ(D)

を

ρ(D)

と記す.ρ(D)を

D ∈ J C

の被約因子表示という.

命題

1.11. D 1

,D

2 ∈ Div 0 C

とする.このとき次が成り立つ.

(1) ρ((D 1 ) + ρ((D 2 ) = ρ(D 1 + D 2 ).

(2) ε((D 1 ) + ε((D 2 ) = ε(D 1 + D 2 ).

定義

1.12. D ∈ Div 0 C

とする.n

∈ Z

に対して

[n]D = ρ(nD)

と定義する.

定義

1.13. f ∈ F q

k

(C) ∗

とする.div(f

) = nD − [n]D

が成立するとき,f を

f n,D

と表記する.また,重 複度は

0

でないものをとる.

2

(3)

2 Tate-Lichtenbaum Pairing

定義

2.1. C

を有限体

F q

の上の超楕円曲線,rを

#J C ( F q )

の素因数

( ̸ = p),k

を

r | (q k − 1)

を満たす最小 の整数とする.さらに,D

1

,D

2 ∈ Div 0 C

とし,supp(D

1 ) ∩ supp(D 2 ) = ∅

と仮定する.このとき,

< D 1 , D 2 > r = f r,D

1

(D 2 )

によって定義される写像

< , > r : J C ( F q

k

)[r] × J C ( F q

k

)/rJ C ( F q

k

) → F ∗ q

k

/( F ∗ q

k

) r

は非退化かつ双線形である.

定義

2.2. < , > r

を超楕円曲線

C

の上の

Tate-Lichtenbaum paring

とよぶ.

補題

2.3. D 1 ∈ J C ( F q

k

)[r],D 1 = ρ(D 1 ),D 2 ∈ J C ( F q

k

)

とし,supp(D

1 ) ∩ supp(ε(D 2 ))

と仮定する.こ のとき,

< D 1 , D 2 > r ≡ f r,D

1

(ε(D 2 ))

が成立する.

Ate Pairing on hyperelliptic curves

定理

2.4. E

を有限体

F q

の上の楕円曲線,rを

#E( F q )

の最大の素因子とし,#E(

F q ) = q + 1 − t

と表わ す.T

= t − 1

とおき,Q

∈ G 2 = E[r] ∩ Ker(φ − [q])

かつ

P ∈ G 1 = E[r] ∩ Ker(φ − [1])

とする.このとき 次を得る.

(1)

写像

(P, Q) 7→ f T ,Q (P)

は双線形なペアリング.(Ate paringとよばれる.)

(2) k

を埋め込み次数,Nを

T k − 1, q k − 1

の最大公約数とし,T

k − 1 = LN

と表わす.このとき

e(Q, P ) L = f T ,Q (P ) c(q

k

− 1)/N

が成立する.ここで,c

=

k − 1

∑

i=0

T k − a − i q i ≡ kq k − 1 mod r.

(3) r ∤ L

のとき,Ate paringは非退化である.

定理

2.5. C

を有限体

F q

の上の超楕円曲線,

r

を

#J C ( F q )

の最大の素因子とする.

G 2 = J C [r] ∩ Ker(φ − [q]),

G 1 = J C [r] ∩ Ker(φ − [1])

とおく.また,supp(D

1 ) ∩ supp(D 2 ) = ∅

を満たす

D 2 = ρ(D 2 ), D 1 ∈ D 1

をと る.このとき,

(D 2 , D 1 ) 7→ f q,D

2

(D 1 )

によって定義される写像

a( , ) : G 2 × G 1 → µ r

は非退化で双線形である.さらに,被約

Tate-Lichtenbaum paring

との関係が等式

e(D 2 , D 1 ) = a(D 2 , D 1 ) kq

k−1

によって与えられる.

定義

2.6. a( , ) : G 2 × G 1 → µ r

を超楕円曲線

C

の上の

Ate paring

とよぶ.

3

(4)

3 Miller のアルゴリズム

楕円曲線上における

Miller

のアルゴリズムを紹介する.ここで扱う楕円曲線は,y

2 = x 3 + ax + b

を満た す有限体

F q

上の元の座標

(x, y)

の集合に無限遠点

O

を追加した集合

E( F q )

である.

以下,楕円曲線上における

Tate paring e

は,整数

r

に対して

e : E( F q )[r] × E( F q

k

)/rE(F q

k

) → µ r

e(P, Q) = f P (Q)

qk−1r

で定義される関数である.ここで

k

は

r | q k − 1

を満たす最少数であり,埋め込み次数とよぶ.また

E( F q )[r] = { P ∈ E( F q ) | rP = O },µ r = { x ∈ F q

k

| x r = 1 }

である.

iP

と

jP

を通る直線を

l iP,jP

,(i

+ j)P

を通り

y

軸に平行な直線を

v (i+j)P

とする.また

f h

を

div(f h ) = h(P) − (hP ) − (h − 1)(O)

を満たす有理関数とする.このとき再帰的公式

f i+j = f i f j l iP,jP v (i+j)P

が得られる.

Miller

のアルゴリズムはこの再帰的公式を用いて,div(f

r ) = r(P ) − r(O)

を満たす,Tate

paring

における有理関数

f r

を計算している.

Miller

のアルゴリズム

f := 1,V := P

,t

:= s − 1

Step1

 

r

を

2

進数展開する.r

= n s · 2 s + n s − 1 · 2 s − 1 + · · · + n 0 · 2 0

,n

s = { 0, 1 }.Step2

へ

Step2

 

f := f 2 · l V,V

v 2V

,V

:= 2V

とする.Step3へ

Step3

 

n t = 1

の時,f

:= f · l V,P

v V +P

,V

:= V + P

とする.Step4へ

n t = 0

の時,Step4へ

Step4

 

t ≥ 0

の時,t

:= t − 1

とし,Step2へ

t < 0

の時,アルゴリズムを終えて

f

を出力する.

Miller

のアルゴリズムを実装するにあたり,有限体上の加減剰余を実行するプログラム,与えられた楕円

曲線の有理点を列挙するプログラム,楕円曲線上の点

P

を

n

倍したものを表示するプログラムを作成し た.さらに求めた有理関数

f P

を見やすく表示するため,文字列を読み取ることで,分母と分子を約分する プログラム,(1x

+ y + 0)

を

(x + y)

のように式の表示を簡略にするプログラム,同じ直線の式があった場 合,累乗でまとめるプログラムをそれぞれ作成した.

参考文献

[1]

岡本栄司,岡本健,金山直樹,ペアリングに関する最近の動向

[2]

小出裕,楕円・超楕円曲線上のペアリング表現,2009年度中央大学数学専攻修士論文

[3]

渡辺輝,Weil-Tateペアリングの非退化性について,2010年度中央大学数学専攻修士論文

[4] R.Granger,F.Hess,R.Oyono,N.Th´ eriault,F.Vercautren,Ate Paring on Hyperelliptic Curves [5] C.-A. Zhao, F. Zhang, J. Huang, A note on the Ate pairing,Journal of Information Security 2008

4

参照

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