第 18章 磁気ヘ ッ ドの解析技術
北 海 道 大 学
アル プ ス電 気株 式 会社 アル プス電 気株 式 会社 長 岡 技 術 科 学 大 学
f博靖f
幸雅甚
笠壕井田
武飯金松
1 磁気ヘッ ドの解析および計測技術
磁気記録 の高 密度 化 に対 応 して磁 気 ヘ ッ ドの小形 化 ,高精 度 化 が進 め られ て いる。 とりわ けヘ ッ ドコアの薄膜 化 , 微小化 に よ り, この よ うな コア よ りの微 小領域 の磁 界 解析 が ます ます重要 とな って きて い る。 一方 スーパ ー コ ン ピュー タで代表 され る計 算機 の高速 ,大 容量 化 に支 え られ, 計算 物理 あ るいは シ ミュ レー シ ョン技 術 とよばれ る新 しい学 問領域 が形 成 され つつ あ るo この流 れ と呼 応して,磁 気記 録 分野 で も シ ミュ レー シ ョンによ り磁 気回 路 中 の磁 性 材 料 の材 料特性 お よび形 状 を変化 させ てパ ラメー タス タデ ィが可能 で あ る こと, 測 定 の 難 しい微小領域 の磁界分布 の計算 が可 能 で ある こと等 の利点 に よ り, シ ミェ レー
ションが磁 気回 路設計 に使 わ れ,大 きな成果 を あ げて い る。
理論 的研 究 と実 験 的研 究 は物理学 あ るいは工学現 象 の解 析 の両 輪 を な すが, 徽小領域 の磁 界 の観 測 が あ って初 めて理 論が確 か め られ,其 の 自然 が理 解 され る。 この意 味 で理 論 的研 究 と実験 的研究 とは相補 的関 係 にあ るが, さ らには こ れらではそ の本 質 が十分 に理 解 され て い ない工学 的現 象 を計 算 機 の力 に よ り明
らか に して い く ところに計 算 物理 あ るいは シ ミュ レー シ ョンの使 命 が あ るよ う に思 われ る。
本章 で は, まず磁 気 ‑ ッ ドの解析 技術 と して数 値解 析 ,有 限要 素 法 ,解析 例 につ いて述 べ, 次 に磁気 ヘ ッ ドの漏 れ磁 界 の計測技 術 と して主 に電子 線 トモ グ ラフィにつ いて述 べ る。
2 磁気ヘ ッ ドの解析技術 2.1 磁気ヘ ッ ドの数値解析
2.1.1 磁気‑ ッドのための磁界解析
すで に他茸 で 触 れ られ て い るよ うに,磁気 ヘ ッ ドの研究 , 開 発 の流 れ は高密 度記録 にあ る。 磁 気 ヘ ッ ドの機能 は,媒 体 に記録 され た磁 化 を読 みだ し電 気信 号 (電圧) と して出力す る再 生 ,記 録 す べ き情報 の電 気信号 (電 流 ) を媒 体上
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に磁 化 と して書 き込 む記 録 , また媒 体上 の古 い情 報 を 消 し去 る消去 の三っであ るo これ らの機 能 は いず れ も磁 気 ヘ ッ ドの発 生 す る, あ るい は媒体 か ら漏れ出 る磁 界 に基 づ いて い るo 磁気 記 録 の研究 , 開 発 は, ‑ ッ ドの形 状 や材料,媒体 の製 法 や素 材 さ らに は記 録方 式 の検 討 につ いて で あ って さえ も, ヘ ッ ト 媒体 間 の磁 界 分 布 を よ り高 密 度記 録 に適 す る もの に して い くことであ ると言える。
した が って,磁 界 の様 子 を知 る ことは, 磁 気 記 録 の研 究 の 中 で重要 な課題の一 つで あ り, 多 くの解析 計 算 が な され て きて い る。
図1に ヘ ッ ド磁 界解析 法 の分 類 を示 すo 仮 定 磁 路 法 は電 気 回路か らのアナロ ジで磁 気 回 路 の磁 束 の流 れ を解 くもので , ヘ ッ ドコ ア な ど磁 路 の磁 束の伝達効 率 を見積 もる場 合 な どに用 い られて きた1㌦ ギ ャ ップ近 傍 の磁 界分布 を求める理 論 解析 は, 媒 体 磁 化過 程 で の振 舞 い の検 討 は もち ろん の こと,相反定理 による 再生 の考 察 にお いて も重 要 で あ り, 等角 写 像 , 数 級 展 開, グ リー ン関数等が解 析 に用 い られて きた 1㌦ しか しなが ら,理 論解析 は, 計算 が簡単である反面,檀
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図1 ヘ ッ ド磁界解析法 の分析
・磁気 モー メン ト法
シ ャル法
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端な近似 が 可 能 な場 合以 外 につ いて は解 析 が不可 能 で あ り,適 用 で き る問 題 が 限られ て い る。 複雑 な形 状 ,磁 気飽 和 や ヒステ リシスによ る非 線 形 , あ る いは 非定常 な ど実 際 のヘ ッ ドの動 作 状態 を精 度 よ く解 析 す るた め に は,差 分 法 ,育 限要素 法, 境 界 要素 法, 積 分方 程式 等 を用 いた数 値 解析 によ らな けれ ば な らな い。媒 体磁 化 に よ る反磁 界 や複 雑 な磁 化過程 , ヘ ッ ドや媒体 の小形 化 , 薄 膜 化 による微細 磁 区挙動 の影響 な どを含 めた, よ り実際 の磁界分布 解析 がで きれ ば, 単に磁 界を知 る ことのみ に とどま らず,磁 気記録 , 再生 にお け る基 礎 的 な物理 現象に対 す る知 見が得 られ る こ とに な る。
近年 の電 子 計 算機 の大 形 化 ,高速 化, 多様 化 とい ったハ ー ドウエ アの発 展 と ともに,磁 界 の数値 解析 法 も, よ り実 際 の装 置上 で の振 舞 いを正 確 に把 捉 す る ための3次 元解 析法 が盛 ん に研究 され るに至 り2), よ り複雑 な系 を取 り扱 う手法 が開発 され て きたQ また, 電子 機器 の小 形 化 ,高 性 能 化 ,製 品 開発 の短 期 間化 のために多 くの数値解析 が試 み られ て い る。 磁 気記 録 において も,数 値 解 析 が 研究手 段 の一 つ と してハ イ テ ンポに進展 して い る記 録密 度 の 向上 を支 え て い く
ことは明 白 で あ る。 今 日, ヘ ッ ド磁 界解 析 に適 用 で きる汎用 解 析 ソ フ トウエ ア も市販 され るに至 り3), 解析 用計算機 な ど解析環 境 の準備 と単 に使用法 さえ マ ス タ‑すれ ば優 れ た磁 気 ヘ ッ ドが 開発 で きそ うで あ る。
しか しなが ら問題 の種 額 ,電 子計 算機 の規模 等 に よ り適切 な解 析 法 を選 択 す る必要 が あ るO その適 切 な判 断 を下 す には,数 値 解 析 が シ ミュ レー シ ョ ンと呼 ばれる数値 実 験 で あ る以 上 ,磁 気記 録 の基 礎 に立 つ実験 的 な セ ンスが重 要 で あ る。また, 実 験 装 置 に相 当 す る もの が解析 法 (プ ロ グ ラム) で あ る とす れ ば, それに対 す る十 分 な知 識 を有 して い る必要 もあ ろ う。 こ うい った基 本 的事 項 を 押さえて い れ ば,適 切 な解 析法 の選 択 ,必要 な拡 張 , モ デル化 が可 能 とな る。
以下では この よ うな視 点 で磁 気 ヘ ッ ド解析 に用 い られ る数 値 解 析 法 の概 要 につ いて述 べ る。
2.1.2 数値解析法の概要4)
図1に示 した数値解析 法 の中 で,有 限要 素 法 は磁 気 ヘ ッ ドの解 析 に必 要 な非 定常,非線 形 問題 の取 り扱 い,媒体 磁 化 モ デルの考 慮 な どの拡 張性 に優 れ て お り, この点 につ いては次 項 に詳 述 す る。 こ こで は, それ以外 の解 析 法 を簡 単 に 紹介す る。
(1) 積 分方 程式 法
磁気 モ ー メ ン ト法 か らな る この手 法 で は,電 流 に基 づ く磁 界 と磁 化 に よ る 磁界 とを分 け,電流 に よ る磁 界 は ビオサバ ー ルの 法則 よ り求 め,磁 化 の方 は 磁気 モー メ ン トによ る磁 気 スカ ラポテ ンシャルの傾 きよ り計 算 す る0
H‑Ho+Hm
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(1 )
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Ho‑去 JDJs d v
Hm‑一grad¢
桓
去/ 芳d v
M‑xH (5)
こ こで,仇 :電 流Jに よる磁 界 ,∬爪:磁 性 体 の磁 化〟に よ る磁 界 ,¢:∬爪に 対 応 す る スカ ラポ テ ン シャル,x :磁 化 率 で あ る.義 (1)に式 (2),(3),(4)
を代入 す る と領 域E3で の積 分方 程式 を得 るo これ を離 散 化 し連立 方程式を導 き,式 (5)の関係 によ り収 束計 算 を行 う。 要 素 分 割 は磁 性 体 につ いてだけで よ く,3次 元解 析 な ど煩雑 な要 素 分 割 が必 要 な場 合 で も, 有 限要 素 法 と遭い 空 間 の要 素 分割 が不要 で あ る こ とが大 きな メ リッ トとな る。 しか し渦電流, 非 定 常 の取 り扱 いは困難 で あ る。
(2) 境 界要素 法
磁界解析 は, ポテ ンシャルに関す る微分方程式 の境 界値 問題 に帰著 される。
境 界要 素 法 で は, この微分 方 程 式 を重 み付 き残 差 法 に よ り積 分方 程式 に変換 し境 界 積 分 型 と して取 り扱 う。 ポ テ ンシ ャル微 分 方 程 式 の境 界値 問題や重み 付 き残 差 法 は,有 限要 素法 の基礎 で もあ り次項 に詳 述 す る。 この よ うな有限 要 素法 と同様 の定式化 の手続 きを経 て導 か れ る境界積 分 に基 づ くもの以外に, 次 の よ うな境 界面 上 に定義 され る物理 量 を利 用 した境 界 積 分 方程 式 法 も境界 要 素 法 の一 つ に分類 され る。
磁 気 特 性 が線 形 で一 様 に磁 化 した磁 性 体 を扱 う場 合 , 表 面 に現 れ る表面磁 化 U, あ るいは等 価表面電流密度Kで磁 性体 を表現 す る ことがで きる.境界面 上 の単 位 法 線 ベ ク トル をnとす る と,
0‑‑ilo・divM K‑Mxn
で あ る。 それ ぞれ次式 の境 界 表 面r上 で の 表面 積 分 方程 式 を得る。
去 (i ・f )0‑Ho・n一志 /rgrad号 dT・n
よ(i・f)K‑Igoxn・去上 等 uxn
(8)
(9)
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これ らの境 界積 分方 程式 に よ り表面磁化, あ るいは等価表面 電 流 が求 め られ 領域内 の磁 界 を算 出で きる。 境 界要素法 によれば磁 性体 表面 の みの分 割 で よ く,無 限達 を取 り扱 うこと もで きるた め,限 られ た領域 に磁 場 が閉 じ込 め ら れていな い開領域 問題 に も適 合 す る。 ただ し,磁 気 ヘ ッ ドの解析 で は ギ ャッ プ近傍 の磁 気飽和 を考慮 した非線形解析 が不可欠 であ るが,境 界要素法 では, 原理的 には不可 能 で あ る。
(3) 差 分法
微分方程 式 を テー ラー展 開 によ り差分近似 す る こ とに よ り直接離散 化方程 式を得 るo た とえば, あ る狭 い範囲 で微分可能 なf(I)のテー ラー展開 は,xの 微小な増 分A3:に対 して,
ftI・AI)‑撤 )・Ax ・i,(I)・算 〝(I)・・‑
である。 第2項 までを取 り,整理 す ると, fJ(I)‑I(I+A3:)・プ
Ar
(10)
(ll)
なる差分公式 が得 られ る。 Axの取 り方 によ り式(ll)は前進差分 と呼 ばれ るo この他 に後退差 分, 中心差 分 が あ るが離散化 の原理 は同 じで あ る。 さ らに2 階微分 の差 分 公式 は,
f〝(I)‑f′(I+Ar)イ I(I) Ar
i(I+2Ax)‑2jl(I+Ax)+I(I)
Ax2 (12)
であ る。 重 み付 き残差 法 な ど式変換 の手続 きを経 る ことな く, これ らの公式 によ り磁 界問題 の解析対象 を等 間隔Axで分割 し,微 分方程式 を直接差分連立 方程式 に定式 化 し解 くことが で きる。 方程式 の取 り扱 いは簡便 なが ら任 意形 状に対 す る適合性 が悪 く,境界条件 の設定 に も工夫 が いるな どの欠点が あ る。
磁界 の数 値 解析 法 の代表 的 な ものを概観 した が,非線形 ,非定常 ,複 雑 な 形状 が取 り扱 え る点 な どを考慮 す ると,汎 用性 ,拡 張性 に優 れた有 限要 素法 が現状 で は主 流で ある。
2.2 有限要素法によるヘ ッ ド磁界解析 2.2.1 有限要素法概説
有限要素 法 は,変分原理 に基 づ くマ トリクス構 造解 析法 と して,主 に航空機
Luケ瓜 SS21
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や建 築物 な どの構 造 計 算 の分 野 で発展 した。 その後 , 変 分 法 に基礎 が あ り,帆 関数 の変 分 を零 に停 留 す る関 数 を直接 求 め る手 法 と等 価 で あ る ことが知 られ, 熱伝 導 , 流 体 力学 , そ して電 磁 気 な ど理 工 学 の非 常 に広 い分野 に適 用で きるよ うに な った。 さ らに重 み付 き残差 法 によ る定 式 化 が可 能 と な り,汎 関数 のない 一般 の微 分 方程 式 に対 して も利 用 で きる数 値 解 析 法 に発 展 して きたO有限要素 法 に よ る磁 界解析 は1970年 頃 よ り盛 ん に研究 され,最 近 で は機器 の開発,設計 に欠 かせ ぬ もの とな って お り,優 れた教科 書 も数 多 く出版 されて い る5'。 磁気ヘ ッ ドの解 析 もこの時期 か ら研 究 され て きた。 今 日で は3次 元解 析,非定常,罪 線形 の取 り扱 い等 , よ り複雑 で高 精 度 の解析 法 の研 究 が進 み, これ まで不可能 であ った実 際 の動 作状 態 での磁 界分布 を 目で見 る こ とが で きる よ うになり,単 な る機 器 設 計 の最 適 化 へ の応 用 ばか りで な く磁 気記 録 現 象 の解 明 な どにも盛ん に利 用 され て い る。
変 分 法 に基 礎 を置 く有 限要 素 法 は,微 分 方 程 式 の境 界 値 問題 と して記述 され る場 の問題 を取 り扱 う数 値解 析 法 で あ る。 場 の支 配 方 程 式 と呼 ばれ る微分方程 式 は,変 分 原 理 や重 み付 き残 差 法 に よ り汎 関数 の変 分 問題 に変 換 され る。図2
に有 限要 素 法 定式 化 の数 学的 な手 続 きを示 す。 この手 順 に従 い,有 限要素法の 基礎 的 な概 念 を説 明 す る。
多 元 連 立 方 程 式
鮒沖 臓 に よ る マ ト リ ク ス耶 法
重 み 付 き 残 差 法 に 限 要 素 葦①⑦ 散開 ヽノ式程‑
図2 有限要素定式化の概念図 (1) 汎 関数 か らの定式化
物理 的 には, まず ポ テ ン シ ャル分布 の微 分 形 式 を場 の全 エ ネル ギーという 意 味 で の積分 形 式 に組 み込 む。 この積 分 形 式 が ポ テ ンシ ャル に対 す る汎関数 で あ り, 汎 関数 を極 小 に停 留 す る解関 数 を求 め る。 す な わ ち汎関 数 の変分を 零 にす る変分 問題 を解 くこ とは, 物理 的 には最 小 作 用 の法 則 に従 い場 の全エ
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ネjL/ギ‑を最 小 にす る ポテ ンシ ャル分布 を求 め る こ とに相 当 す るO この汎 関 数の変分形 式 が有 限要 素 定 式 化 の基 礎 を なす もの で あ る。
例えば汎 関数J〔u(I)]が
Jlu(
I )
]‑/
u′(I)2dr (13)とすると, その変 分 は任意 関数V(I)と零 の極 限 を とるパ ラメ ー タ8に よ り,
I‑・O E
‑二三‡̲
=二i‑T
。 ‑
i‑̲= 2
〔tu′(3:)+EV'(I)12‑u′(I)2〕dx
〔u'(I)2+26u'(I)V′(I)+82vl(I)2‑u′(I)2〕dx
u′(3:)・6u'血 ‑0 (14)
で与え られ る. こ こで ,任 意 関数V(I)をu(I)の任 意 の変 分6uと置 い た。
有限要素 法 で は これ を近 似 的 に直接 解 く。 そ の た めに,解 析 領 域 を要 素 と 呼ばれ る微 小 領域 に分 割 す る。 全領域 で は複雑 な ポ テ ンシ ャル分布 で あ って ち,微小 な要 素 内 での ポ テ ンシャル分 布 は 1次 か2次程度 の簡単 な多 項 式 で 良好な近似 となるか ら, 変分形式 (14)を満 たす ポテ ンシャル分布 , つ ま り解 関 数u(I)を要 素 ごと に係 数α7・を未知 と した多 項式 ¢iで表 す。
u(I)‑∑az・¢I(I) (15)
汎関数J〔u(I)〕の停留 関数 を兄 いだすのは,変関数u(I)にu(r)のわ ずか な変化 6uを加え て もJの変化61が零 で あ る場 合 を兄 いだ す ことで ,式 (14)に これを 示 したo ところで,u(I)を未知 係数 よ りな る多項 式 近 似式 (15)に置 き換 え た汎 関数Jは, もはやu(I)の汎関数 では な く,αiにつ いて の通常 の関数 で あ る。 さ
らに,u(x)の変分6uも,未知 係数 の変化 に よ って表 され る ことにな る. した がって, 変分6J‑0を満 たす解 関数u(I)を求 め る ことは,a,・の変化 に対 す るJの 値の変動 を調 べ, それを零 とす る係数C豆を兄 い出す こととなる。 つ ま り,∂J/∂ai の総和 が零 に な る係数 を求 め る問題 に変換 で き る。 この こ とを上 の例 で言 え ば,変分6Jが 式 (14)で あ る こ とを考慮 して ,
6J‑三豊 ‑=〔2/u,(I)i u,(I)dr〕‑0 式 (15)よ り,
u,(I)‑
王
墓αiQi(I)トリ知JlSS21
(16)
(17)
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申,・(I)は, 簡単 な多項式 であ るか ら通常 は式 (17)の微 分 は解析 的 に求 め られ, 式 (16)に代 入 で き る. ここで は,6Jが式 (14)に示 され て お り, それを用いて 近 似式 (16)を導 いたが,多項式 近似 (15)を直接 汎 関数 に代 入 LEaJ/∂αi‑0とし て も同様 の結果 が得 られ る。 式 (16), (17)を全領域 に対 す る ものに組み上げれ ば,有 限要素 定式 化 が完成 す る。
周囲 の他 の要 素 と共 有 して い る要素 の頂点 を節 点 と呼 び, この節点で周陶 の要素 とポテ ンシャル値 が一 致 す ること, お よ び境 界条 件 に よ り要素間のポ テ ンシャル分布 の接続が可能 な ことによ り,要素 ごとの未知係数多項式近似, つ ま り区分 多項式 を全 領域 にわ た る代数 方程 式 に連 立 で きる。 これ により, 汎 関数 を極 小値 に停留 す る解 関数 を求 め る問題 が, 区分 多項 式 の未知係数を 決 定 す る多 元連 立 代数 方程 式 の問題 にな る。 こ こまで くれ ば,計算機 により ガ ウスの消去 法 な ど適 当な マ トリクス解 法 を用 いて ,大 規模 な連立方程式を 解 けば, 区分多項 式近 似 された解 関数 , す なわ ち場 の エ ネルギーを最小にす る ポテ ンシャル分布 が求 ま る。
有限 要 素 法 の近 似 は,要 素 に区分 した中 で の解 関 数 を多項 式 で表 すところ に あ る。 したが って,要素 分割 を細 か く した り, よ り高 次 の多項式 により近 似 すれ ば解 の精 度 が向上 す る。一般 に磁 界解析 で は,近 似 に用 い る多項式は 最 も簡 単 な 1次式 を用 い,2次 元 問題 で は三 角形 要 素 に分割 して いる例が多 い。磁 場 が急変 す る場 所 や精 度 を要 す る解析 に は, 要素 分割 を細 分化するこ とによ り対 応 で きる。 した が って,同 じ解析 プ ロ グ ラムで要 素分割を変更す る ことに よ りさま ざまな問 題 に適 用で き る。
(2) 重 み付 き残 差法 によ る定式化
汎関数 の変分 を零 に停留 す る解 関数 を直接 兄 いだ す代 わ りに変 分形式に部 分 積分 を施 す と,積分 の次 数 が下 が った境 界 の項 と微分 の階数 が 1階進んだ 微 分形 式 の被 積 分 関数 を有 す る領域積分 項 とに分 解 され る。 例 え ば,汎関数 が式(13)で与 え られた場合 の変分形式 は式 (14)で あ るが, これ に部分積分を施 す と,
61‑lu,(n叫
可
u〟(I)6udx (18)で あ る。 ここで6uは任意で あ るか ら,変分6Jを零 に す るた めには,境界r上 で のu(I)の微分 値 u′(n が零 で あ る ことと,次 の微 分 方 程 式 を満 た さねばなら な い。
u〝(Ⅹ)‑0 (19)
一般 に境界F上 でu′(n‑0は汎関数 の境界条件 で あ り, かつ微分方程式(19)
に対 して もノイマ ン条 件 と呼 ばれ る境 界条件 で あ り,満 足 されて い る。 した
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がって,積 分次数の下が った境界項 の式 (18)右辺 第 1項 は,境界条件 によ り消 去する ことが で きる。 その結果 ,汎関数 の変分 を零 にす る変 分 問題 は,微 分 方程式 (19)を解 くことに等価 になる. この微分方 程式 はオイ ラーの方程式 と呼 ばれ, オイ ラーの方 程式 の解 が汎関数 の変分 を零 に停留 す る解 で あ る。 これ は変分法 の定 石 で, この よ うに汎関数 の変分問題 を部分積 分 と境 界条 件 に よ り,微分方 程式 に変換 し解 を求 め る こと もで きる。
これを逆 の手 順 に し, ポ テ ンシャル分布 を記述 す る微 分形式 で与 え られ た 場の支配方 程式 をオイ ラ‑の方 程式 に見立 てて,重 み関数 と呼 ばれ る任意 関 数との積 を取 った領域積 分 を作 る。領域積 分 に部 分 積分 を施 せ ば,変 分法 と は逆 に披積 分 関数 の微分 の次数 が1階下 が った領域 積分 と境 界項 に分 解 され るOつ ま り,6uを重 み関数 として式 (18)の右辺 第 2項 の形 を作 り,今 度 は こ れに部分積 分 を施 す。 す る と,式(18)右辺第 1項 の境 界項 を左辺 に移 行 した形 に変形 され るO 左辺 は式 (14)に具体的 に示 されて い るよ うにu(I)の微分 の次数 が式 (18)によ り1階下 が った変分形式 である。や は り,境界項 が境界条件 に照 らし等 とお ければ,領 域積 分 のみ取 り扱 え ばよ い。 この領域積 分 の被 積分 関 数は微分 の次数 も下 が って お り,与 え られ た微 分方 程式 よ り扱 いやす い。 こ れを弱形式 といい,汎関数 の変分形式 に等価 であ る。変分形式 が導 かれれ ば, 汎関数か らの定式化 と同 じよ うに要素 分割 に基 づ く区分 多項 式 近 似 に よ り多 元の連立 代数 方程 式 に帰着 で きる。 変 分法 にお いて,汎 関数 か らオイ ラーの 方程式 を導 き微分方程 式 の問題 に置 き換 えたの と逆 向 きの変換 に よ り,有 限 要素定式 化 が な され る ことがわか った。 これを重 み付 き残差 法 と呼 び, 任意 の微分方 程 式 に対 して変分 方式 に持 ち込 み,有 限要 素定式 化 を行 うことがで きる。
以上 の議 論 で明 らか にな ったよ うに,汎 関数 か らの定式 化 と重 み付 き残差 法を利用 した場合 とは同 じ有 限要素式 を与 え る。 た だ し,汎 関数 が不 明 な微 分方程式 を解 く場 合で も重 み付 き残差 法 に よれ ば有 限要素 法 が使 用 で き る。
しか しこの場 合,部分 積 分可 能 で あ る こと と,部 分 積分 に よ って現 れ る境界 項を境界 条件 によ り恒 等 的 に零 とおけ る必要 が あ る。 境界条件 は, 問題 によ り物理的 に定 め られ るが,有 限要素定式化 にお いて は本質 的 な役割 を演 じる ため十分 な注 意 を要 す る。
2.2.2 支配方程式
有限要素 法 で は,場 の支配方 程式 が定 まれ ばそ れ に対 す るエネルギ ‑汎 関数 を兄いだす か, 直接 重 み付 き残差法 によ り定式化 が可 能 で あ る ことを示 して き た。2次元磁界解析 は, すで に解析法 も定 ま り本格 的 な応用研 究 の段階 にあ る。
磁気ヘ ッ ドにつ いて も多 くの報告があ り,市販 の解析 プログラム8)も利 用 されて
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い る。 これ らの詳 細 は他書5'を参 照 された い。近 年 ,3次 元 解析 に対 す る要求が 高 ま り,盛 ん に研 究 が進 め られ て い る。 以下 で は,2次 元 解析 の基礎 で もあり, 磁 気 ヘ ッ ドの3次 元 解析 をす るた め に必要 な さま ざ ま な支配 方 程式 の具体例を 紹介 す る。
Maxwellの方程 式 は, divβ‑0
rotH‑J・g divD‑p
rotE‑‑雷
電磁 界 との媒 質特 性 との関係 式 は,
D‑8E
B‑FLIT‑FLn+M J‑aE
であ る. ただ し,B :磁束密 度 ,a :磁界 ,J:電 流 密 度 ,D :電束密度,p:
電荷 ,E:誘 電率 ,iL:透 磁率 ,ilo:真空 の透 磁 率 ,M :磁 化 ,a:導電率であ る。 電磁 界 の現 象 は, これ らの方 程 式 に よ り表現 され る。 有 限 要素 法 では,こ れ らの関 係式 か ら問題 に適 した変 数 によ る支 配 方 程 式 を導 き定 式 化 す る。以下 に静 磁 場 に対 す る代 表 的 な支 配 方 程 式 を示 す。
(1) スカ ラポテ ンシ ャル法6)
電流 が な い場 合 ,式(21)の右 辺 が零 で あ るか らそ の磁 界Htは,
H.‑‑Bra(対 (27)
な るス カ ラポテ ンシャル9日こよ り表 され る。一 方 電 流 に よ る磁 界Hoは, ビオ サバ ー ルの法則,式(2)に よ り計算 され る.全体 の磁 界Hは, 両者 の和である か ら,
H‑HI+Ho (28)
これ を,式(25)の関係 を考 慮 し式(20)に代 入 す れ ば ,
div毎・H。)‑div毎・grad¢)‑0 (29) な る卯 こ関 す る支配方程式 を得 る。 しか しなが ら,磁 性体 を含 む場 合 には,磁 界 によ り磁 化 が変 化 す るた め, ス カ ラポ テ ンシ ャル は一 義 的 に決 ま らないo このた め式(29)を用 い ると,磁 性体 内で電流 によ る磁 界 に対 しスカ ラポテンシ
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ヤルに よ る磁 界 が単 純 に反 対 向 きの磁 界 とな る。 この反 対 向 きの磁 界 は透 磁 率が高 い ほ ど強 くな り精 度 が低 下 す る。
(2) ツー ス カ ラポテ ン シ ャル法7)
電流 領域 E3。と, 電流 を含 まな い領域E2.に分割 し, それ ぞれ に スカ ラポ テ ン シャル¢,¢を定 義 す る。
電流 領域 乱 で は,前 述 の スカ ラポ テ ンシ ャル法 と同 じよ うに, 微 分 方 程 式
(29)を得 る。 この領域 内 に軟磁 性体 が なけれ ば, スカ ラポテ ンシ ャル に よ る磁 性体 内の反対 向 きの磁 界 に よ る精 度 の低下 はな い。
電流 の な い領域nlで は ,次 式 の ¢につ いて の微 分方 程式 を得 るO
‑div毎Igrad¢)‑0. (30) 領域 E3。と乱の方程 式 の接 続 は,境 界上 で の式 (2 1) の極 限 よ り得 られ る磁 界の境 界 条 件 , す なわ ち磁 界 の境 界面 接線 方 向成 分 が連 続 とな る こ とよ り, 領域 間 の境 界 面上 にあ る ご く近 傍 の2点A,B問 dlに お け る ス カ ラポテ ンシ
ャルのg∫adに よる磁 界∬tが2点間 スカ ラポテ ンシャルの差 で表 せ る とき, Q^‑4)8‑4^‑¢B+∫ HoA‑B ・tdl (31)
なる関係 式 を 得 る。 これ に よ り, 別 々 の領 域 に お のお の独 立 に導 入 され た二 つの微分 方程 式(29), 式(30)を統一 し,支配方程式 を得 るo Lか し,渦電 流 の ような磁 性体 中 に電 流 が 生 じる問 題 の取 り扱 い に は, この ま まで は対 応 で き ない 。 これ らの ス カ ラ ポ テ ン シャル法 は,未 知 関数 が スカ ラで あ るか ら1変 数の みの取 り扱 いで よ く未 知 数 が 少 な くて す む。 これ は, 大 規 模 マ トリクス を解 く必 要 が あ る3次 元 解 析 で は大 きな メ リッ トで あ る。 しか しなが ら取 り 扱え る問 題 に制 限 が あ る ことに注 意 しな けれ ば な らな い。
(3) T‑E3法8)
電 荷連 続 の法 則 よ り, 電 流Jの発散 は,
diⅥ7‑0 (32)
であ る. したが って,Jに対 して次 な る電 流 ベ ク トルポテ ンシャルTが定 義 で きる。
J‑rot71 (33) T‑E3法 は,電流 領域 に電 流 ベ ク トル ポテ ンシ ャルTと磁 気 スカ ラポ テ ンシ ャ ル C2を, 電 流 の な い領 域 に磁 気 ス カ ラポ テ ン シャルE?のみ を用 い る方 法 で あ る。 式(20),(23),(25),(26)よ り, 電 流 を含 む領域 に対 して,
div如くT‑gradE2)ユニO rot
( ‡ r o
tT
)‑0トリ1・37ユSS21
356
電 流 の な い領域 で は,
div(‑pgradEj)‑0 (36) を得 る。 これ らを支 配 方 程式 と して連立 して解 を求 め る。 この場 合 ,電流領 域 で の み ベ ク トル量 を取 り扱 え ば よ く, 領域 の多 くを含 む電 流 の な い領域は ス カ ラ量 が 未知 数 とな り,次 に説 明 す る全領 域 で未知 数 が ベ ク トル量 となる 解析 法 に比 べ未知数 の数 が圧倒 的 に少 な く大規模解析 に有 利 で ある。 しか し, 電 流領 域 の形状 が複雑 な場合, Tを求 め るのが煩雑 で あ る。 また,穴 のある導 体 の取 り扱 い, 軟磁 性 材料 を含 む場 合 の磁 界 の連 続 性 が 問題 で あ る ことが指 摘 され て い る2)0
(4) 磁 気 ベ ク トルポ テ ン シャル法 式(20)よ り,
β‑rotA 艮艶riE
に よ り磁 気 ベ ク トル ポ テ ンシャAが定義 で きる。 β‑〃方 で あ ることを考慮 し て式(21)を変形 すれ ば,
rot
( f
rotA)‑grad士 ×r。tA.‡(grad・divA‑VZA,‑J これ に対 し, B=IL.H+Mによ り式(21)を変 形 す れ ば,
r o t t
pi:(rotA‑1
‑pT;grad・divA‑〟⊥o∇2A.l′上oroM ‑J
(38)
(39)
を 得 る。 と ころで式(37)に よ って定義 された磁 気 ベ ク トル ポ テ ンシャルAに はgrad重な る不 定性 が あ り, A′‑A+grad重な るA'もAと同一 のBを与 えるOし た が って ,Aの一 義 性 を決 め るた め にゲ ー ジ条件 を導 入 す る必要 が ある.
divA‑0
な る クー ロ ンゲ ー ジを導 入 す れ ば,式(38),(39)は,
grad吉×ro
t A
l〟∇ 2A‑Jユ ∇2A=J.⊥r。tM
FLo P o
(40)
(41) (42)
トリケリブユSS21
有限要素法 にお け るゲ ー ジ条 件 につ いて は, ゲ ー ジ条件 を連 立 した と きにの み支配方程 式 に必要十 分 な境 界条件 が成立 す る9)と考 え られ る。 しか し,有 限 要素定式化 にお け る条 件 や要 素 の近 似 関数 によ りゲ ー ジ条 件 が満 足 され て い るため,上 述 の よ うに支配 方程 式 に連 立 す るの は過 拘束 で あ る とす る指摘10)
もあ り, そ の取 り扱 い が 明確 に な って いな い。
また,式(41)の左辺 第 1項 は,要 素 内で透磁率一 定 で あるか らその微分値 は 零であ り, 消 去 で きる とす る取 り扱 い もあ る。 しか し, 透 磁 率 の異 な る複数 媒質を含 む ケ ースで は, そ の境 界 上 で の透 磁率 の微 分値 が発 散 す るた め計 算 に困難 が生 じると考 え られ る。 筆者 らは,式(42)を支配 方程 式 と した場 合 が最 も解が安定 に求 ま る こ とを示 して い る川 。 式(42)に よれば,対 象 とす る問題 に特別 な制 限 が な く非 線 形 ,非 定 常 へ の拡 張 も容易 で あ り最 も汎 用 性 の高 い 解析法 にな る と考 え られ る。 た だ し, ベ ク トル量 が未 知 数 で あ るか らス カ ラ による場 合 に比 べ最終 的 に得 られ るマ トリクスが大 き くな り,3次 元 解 析 で は不利 で あ る。対 象 とす る問題 が他 の手 法 で対 応 で き るの で あれ ば, それ ら を適当 に選 択 す るべ きで あ ろ う。
2次元解 析 で は,磁 気 ベ ク トル ポテ ンシ ャル の解 析面 に垂 直 な1成 分 だ け で2次元場 を表 す ことが で きるため, ゲー ジ条件 は 自動 的 に満 た されて お り, 未知数 もスカ ラの場合 と同 じで あ るか ら,‑股 に磁 気 ベ ク トル ポテ ンシ ャル 法が用 い られ て い る5)0
2.3 磁気ヘ ッ ドの解析例
電子情報通 信学 会 の磁 気記 録研 究 会 にお いて も,1988年 11月 に磁 気記 録 に おける磁界計 算 を特 集 した研 究会12)が開催 され るな ど,磁 界 解析 の磁 気記 録 へ の応用研究 が盛 ん に進 め られ て い る。 こ こで は典 型 的 な例 を紹 介 す る0
2.3.1 2次元非線形解析 による磁気 ヘ ッ ド設計
向
(1) MIGヘ ッド
トリ加了ユSS21
(2)フ ェ ラ イ ト ヘ ッ ド
図3有限要素解析 によるギ ャップ近傍の磁束線図18)
358
磁 気 ヘ ッ ドで は, 特 に書 き込 み , 消 去 な ど大 きな磁 界 を 発生 す る場 合 には, ギ ャ ップ部 の磁 気 飽和 が 問題 に な る。 この た め, 磁 気 飽 和 を考 慮 した非線形解 析 は欠 か せ な い。
図3に, 磁 気飽 和 を考 慮 した2次 元 非線 形 有 限要 素 法 に よ り解析 した固定デ ィス ク用MIG‑ ッ ドと フェ ライ トヘ ッ ドの ギ ャ ップ近 傍 の磁 束 線t3'を示すo
この よ うに, 媒 体 出 口側 に高 飽 和 磁 束 密度 を有 す る金 属 膜 を配 したMIGヘッ ドで は, フ ェ ライ トヘ ッ ドに比 べ 磁 束 線 が ヘ ッ ドに よ りよ く吸 い込 まれ,急峻 な磁 界分 布 を示 す 様 子 が よ くわ か る。 フ ェ ライ トヘ ッ ドお よ びMIGヘ ッ ドの コア内 ギ ャ ップ端 面 の磁 束 密 度 を や は り有 限 要 素 法 に よ り計 算 し, それぞれ図
W<vlVW:仁U42
∵1t7二二SU芸Xn
0
ごU04VtunZEj0 WtuwUwtV649山[BqlR二SuaGXnTh
0 0.2 0.4 0.6
Magnetomotive Force[^T] MagnetomotlVe Force[/1T'] 図4 フェライ トヘ ッ ドのギ ャップ端 図5 MIGヘ ッ ドのギ ャップ端面の
面 の磁束密度14) 磁束密度14)
4,5に示 す14)。 図 中 のA, ち,Cの カー プは, 同 じ図 中 の磁 気 ヘ ッ ドギ ャップ 近傍 の模 式 図 に示 したA, ち,Cそれ ぞれ の位 置 で の値 で あ る。 フ ェライ トヘ ッ ドで は,0.28ATで ギ ャ ップ対 向面 が フェ ライ トの飽 和 磁 束 密度 に達 し,そ れ以 上 の起 磁 力 で は ギ ャ ップ部 が 飽 和 した状 態 に あ る。
一方MIGヘ ッ ドで は, や は り フ ェ ライ トコア部 分 は0.28AT以 上 で飽和 し て い る。 しか しなが ら,飽 和磁 気 磁 束 密度 1.OTの金 属 膜 中 で は十 分 に高い起磁 力0.6ATで も0.6‑0.7Tに達 す る程 度 で 飽和 しな い。 このた めMIGヘ ッド で は, 記 録 磁 界 を発 生 す る際 に金 属 膜 が未 飽 和 の ま まで 透 磁 率 は高 く保 たれて い る。 したが って磁 界 分布 が急 峻 とな る18)。 磁 気 飽和 を考 慮 した有 限要素解析 によ りコ ア内 の磁 束 密 度 を も調 べ る こ とが で き,MIGヘ ッ ドの動 作上 の優位 点 を 明 らか にす る こ とが で きた例 で あ る。
トリケ・371SS21
2.3.2 媒体磁化過程を考慮 した解析
磁気記録 に お け る記 録 再 生 メ カニ ズ ムを 明 らか に し,媒 体 を含 めた系 で の最 適な動 作条 件 を兄 いだ す た め に は, 媒 体磁 化過 程 を取 り込 ん だ解 析 をす る必 要 がある。有 限要素法 によれ ば,式(42)に示 したよ うな支配方程式 を用 いれば磁化 を含む解析 が可 能 で あ り, 磁 気 飽和 や ヘ ッ ド‑媒 体 問 の磁 気 的相 互 作 用 を も考 慮 した解析 が で き る。 た だ し, 媒 体磁 化過 程 は, ‑ ッ ド磁 界 と媒 体 に生 じた磁 化によ る反 磁 界 との和 に よ りセル フ コ ンシステ ン トなベ ク トル磁 化過 程 を経 る 複雑 な現 象 で あ る。 した が って,媒 体磁化 過程 を取 り扱 うた め には,磁化 機構 の適切 な数 値 モ デ ルを組 み込 む必要 が あ る。 実 測 した媒 体 の ヒステ リシスカー ブをマイ ナ ルー プ も含 めて折 れ線近 似 によ り表 す手 法15)や,一軸異方 性単磁 区 粒子を媒体特性 に見合 った分散状態 に重ね合わせてベ ク トル的に近似す る方法16・ 17)
が提案 され て い るo磁 化 を ベ ク トル近 似 す るモ デル の中で, カー リングモ ー ド による磁化 反 転 を導入 した数 値 モ デルが媒 体磁 化過 程 を よ く表 す こ とが報 告 さ れてい る17)。
図6,7に, カ ー リ ング モー ドに よ る媒 体磁 化 モ デルを有 限要 素 法 に組 み入 れた磁 界解 析 によ る垂 直磁 気記 録 の記録再 生過程 の解析 結果17)を示 す。記 録過 程の図6で は主 磁極 か ら媒 体裏 打 ち層 に抜 け出 る記 録磁 界 に よ り,CoCr記 録層 に孤立磁化転移 が書 き込 まれて い る様子 がわか る。 図 7(1)は, これ の再生 過程
BackLayer:0.5〟m
川
(3)
図6 カー リングモー ドによる媒体磁化機構 モデルを組み込んだ 有限要素法 による,垂直磁気記録過程 の解析17)
トリケ・37ユSS21
ツ タ 噛 方 向 へ の 軌 P , 秘 ペ ⊥ 触叡 r L 方 ぐ の 鍬 ト
ラ馳
叛 って (る。 こ の ため 勘 ま
ギ
ャ ッ‑ 噛 界を 3 娠解 糖
る
必勤 ヾあ るO有噸 素敵 よ る
糠 常 など
へ の 軸鞠 の 広 い 3
航解 晦は , 鞄凱明 覚 さ れ て い る が , こ こ で は , 構 糖種 式 翫よ る 鞄 界 解 析 を 酎ラ ッ ク 薄 臥 ッ
ドの解 鋸 歯属 した師 )を示 す
O
(2)再 生 凌 形
図7 図6噛 っ く軸 過程の有糎要素掛 )
であ るo軸 ‑ らの軌 ‑ ‑ れ込 んで い る o こ の 鴫 コイル轍 鞭 を軸 時間軸 すれ ば,同断 2)のごと く 再 生 電 軸 も 触 る こ とが で き るo このよ う‑ ら再生 までの「撃碗 え る た めに,媒 体 翫 機 構 の数億モ デル を解 翫 魂 み込 む‑ ぁる o こ れ は 欄
記銀 の2・3・3た め の 敬3 次 元 解界析解 ‑ の軸 であ る0 敬か ッ ド の酎 ラック化の蓮
如 伴 い, ギ
ャ ッ フ 軸で の ト
ぢツ ケ 臆 一 士 丁 卜 ㍉
図8
警概 算 蒜 轟 鶴 磯
トリ5,a ss21 馳 ま要素分割 の翫 あるが,
鞠 の要素が確 であること,聾
索の細か さよ りも要 素分 割 の例 で あ るが,空 間の要素 が不 要 で あ る こと, 要素 の細か さよ りも要素 の形 状 が精度 に大 き く影響 す るた め,高 次要素 を使用 し形 状を整 えた方 が良好 な結 果 が 得 られ るとい う積分方程 式法 の特 徴 によ り,磁気 コアのみの粗 い分割 にな って い る18)。 この ことは,3次元解析 において煩 雑 な 要素分割 が必要 な有 限要 素 法 に比 べれば, は るか に簡単で あ り使 用上 の大 きな 利点である。医用,10に狭 トラ ック薄膜 ヘ ッ ドの磁極先端形 状 の違 いによ る記 録磁界分布 の違 いを,等 磁 界 強度 曲線 と磁 界分布 の3次元 表示 によ り示 す。 ‑ ヅド形状 に よ り磁極 両肩 の漏 れ磁 界が大 き く異 な る様 子 が解析 されて い る。こ
雫 誓 簡 醜 、 」
図9 磁極先端両肩のエ ッチ ング深 さ 2/〟nの積分方程式3次元解析 に よる記録磁界分布18)
図10 磁極先端両肩 のエッチ ング深 さ 0.5pmの積分方程式3次元 解析 による記録磁界分布18) のように,3次元的 な記 録磁 界分布 を最適 にするため に数値解 析 が利用で きる。
今後,3次 元解 析技 術 の進 歩 とと もに,磁気 ヘ ッ ドの設計 自由度 も大 き く広 が る。 こ こに挙 げたサ イ ドフ リンジの問題 ばか りで な く, コア内 の磁束 の流 れ を 3次元 的 に捉 え, この効 率 向上 な ど も可 能 になろ う。
2.4 まとめ
磁気 ヘ ッ ドの研究 開発 の一 翼 を担 う磁 界解析法 につ いて,種 々の解析法 の概 説,最 も汎 用性 に優 れて い る有 限要素法 の基礎,最 後 に数値 解 析 の磁 気 ヘ ッ ド
トリケLDJユSS21