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自己呈示の国内地域差に関する文化心理学的検討ー「笑いがとれる自己」に関する関東と関西の比較をとおしてー [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)自己呈示の国内地域差に関する文化心理学的検討: 「笑いがとれる自己」に関する関東と関西の比較をとおして キーワード:文化,国内地域差,自己呈示,対人間やりとり. 行動システム専攻 丹羽 空. 国内文化差についての問題. 記述してきた( e.g., 祖父江,2000) .. 比較文化心理学研究による知見から,文化は人間の心理的. このような関東・ 関西人の違いは,過去の,特に江戸時代の. 現象に大きな影響を与える無視できない要因であることが徐々. 経済形態に由来するのではないか,と考えた.なぜなら,この. に明らかにされつつある(e.g., Markus & Kitayama, 1991,. 2 地域は江戸時代に対照的な経済形態の特徴を持っていたこ. Triandis, 1989).しかし,そこで比較される「 文化」 は,「 西欧」. とが歴史学から指摘されているからである(e.g., 宮本,. 対「 東洋」 の 2 項対立を背景とした,「 国」 単位がほとんどのよう. 1966) .. だ (e.g., Heine et al., 2001).こういった研究では,「 1つの国. (1) 商は笑なり関西人: 「 天下の台所」. に文化は1つしかない」 という考えが前提になっていると言える. 運搬に便利な地形に恵まれた関西の中心地である大阪は,. だろう.だが,「 文化」 を捉えるのに「 国」 は広すぎる比較単位で. 当時の商業の中心地であった( e.g.,宮本,1966) .このような商. はないだろうか.なぜなら,個人により身近に関係する「 地域」. 人の世界では,社会的ネットワークを広げるために,他者に対. もまた歴史,風土,主要な経済活動を含む独自の文化を持っ. してとっつきやすく振る舞うことが重要だったと考えられる.そこ. ており,そのような「 地域的文化」 の中でも人間は生きているだ. から,対人間の不必要な緊張を低減するために商人の世界で. ろうと考えるからである.. 発達した対人スキルの 1 つに「 自分のヘマを話す」 があるので. しかし,現在まで国内の地域差を問題にした研究はほとんど ないようだ.国内の地域的文化差を検討した数少ない例の1つ. はないかと考えた. ヘマを話すという行為には,(1)笑いによる対人間の緊張感. に,Nisbett とCohen による一連の研究がある (e.g., 1996).. の緩和(Chapman, 1976) と(2)自己卑下による対人魅力の増. 彼らは,暴力性におけるアメリカ南北の地域差を検証し,北部. 加(吉田,古城,加来,1982) という効果が含まれるだろう.そ. に比べて南部は侮辱に対してより暴力的に反応することを実. して,このような効果を含むヘマ話という対人スキルを関西の. 証的に示した.. 商人たちは巧みに生み出したのではないか.. では,日本の中にもこういった地域的な文化差はあるのだろ. (2) 武士( 関東人) は食わねど高楊枝: 「 将軍のお膝元」. うか.この問いを検証することを本研究の目的とする.1文化し. それに対し,武士中心の関東(宮本,1966)には,「 自分のヘ. かないと想定されがちな単民族国家の日本( e.g., Benedict,. マを話す」 という対人スキルが発達する土壌がなかったのかも. 1946) においても,人間の行動パターンおよび心理的現象が. しれない.礼儀を大事な道徳の1つとして形式を重んじ( 笠谷,. 地域によって異なるか否かを検証することで,地域固有な複数. 1997) ,「 自己の名誉を侵害するものは討ち果たした」 ( 古川,p.. の文化があるかを検討する.. 85) 武士は,形式を崩してしまう可能性もある笑い( Chapman,. 「 関東」 と「 関西」. 1976)や積極的に自らの面子を失う可能性を含む行動(i.e.,. 日本において,もっとも対照的に比較される地域は「 関東」 と 「 関西」 であろう.県民性研究として,多くの文化人類学者らが この 2 集団を対照的に(照れ屋な関東人 vs. おどけた関西人). ヘマ話)に価値を置かなかったのではないか. 本論文は,関東と関西の比較をとおして,自分のヘマを積 極的に話すことについての国内地域差に関する文化心理学.

(2) 的検討をおこなった.過去の地域固有な経済形態についての. 3.94,p< .06) (図 2-1).関東人に比べて(M = 4.38, SD = .86),. 人類学・ 社会学からの知見をもとに,関西人は,関東人に比べ. 関西人(M = 4.87, SD = 1.00)は自分のヘマをより話したがるよう. て,自分のヘマをより積極的に他者に話すだろうと考えた.な. である.. お,ここでのヘマとは「 日常生活の中でのちょっとした失敗. (2) 「 話したい欲求」 を予測変数,「 ウケ予想」 と「 恥予想」 を説. のことで,その失敗の程度はそれほど深刻ではなく自分以. 明変数にした重回帰分析を地域別におこなった(図 2-2, 2-3) .. 外の他者に迷惑がいっさいかからないもの」を指す.. 予想どおり,関東人モデルでは,「 恥予想」 のみが「 話したい欲. 研究 1. β=-.50,γ2=.24)が,関西 求」 を負の方向に規定していた(. (1) 自分のヘマを「話したい欲求」 ヘマを「話したい欲求」. β 人モデルでは,「 恥予想」 が「 話したい欲求」 を負の方向に(. における関東・西の違いを検証する.関東人に比べて,関. =-.62) ,「 ウケ予想」 が「 話したい欲求」 を正の方向に規定して. 西人は, 「話したい欲求」について高い評定値を示すだろう.. いた(β=.54,γ2=.54).. (2) 「話したい欲求」についての「予想」による心理的過程 話したい欲求を規定する予想による心理的過程についても. 恥予想. - .50* *. 地域差を検証する.ヘマを話すことは自分の失敗した体験 を他者に知らせることであるから,恥を行動の一原理とす. - .62* * 話したい. 話したい ウケ予想. る日本人は(Benedict, 1946),地域に関係なく,ヘマを話した 時に自分が恥ずかしいと予想するほど,そのヘマを他者に. 恥予想. ウケ予想. .54* *. R 2 =.54. 2. R =.24. 図2- 2. 関東人の「話したい」についての重回帰分析 図2- 3.関西人の「話したい」についての重回帰分析. 話したがらないのではないか.また,面接結果(予備調査. 考察. 1)から,関東人とは対照的に,関西人が(ヘマを話した. (1) 関東人に比べて,関西人は自分のヘマをより話したがるよ. 時の相手に期待する反応として) 「笑い」を挙げたことから,. うだ.地域の主効果に有意傾向のみが見られたが,これは被. ヘマを話す時に他者が笑ってくれると予想するほど,関西. 験者数が少なく検定力が足りなかった可能性がある.したがっ. 人はそのヘマを話したがるのではないかと考えた.このこ. て被験者の数を多くすることで,この差は有意になるだろうと考. とから,関東人では,恥予想のみが話したい欲求を規定し. えられる.. ており,それは負の方向だろうと予測した.一方,関西人. (2) 関東人は「 自分のヘマを誰かに話したら恥ずかしいかどう. では,恥予想だけではなく,ウケ予想も話したい欲求を規. か」 を予想して,恥ずかしいと予想するときは,より話さないよう. 定しており,それは正の方向だろうと予測した.. である.一方,関西人はこの恥予想だけではなく,「 話す相手. 方法 手続きと被験者: 授業中に実施,回収した.. がどれだけ笑うか」 というウケ予想も話したい欲求の程度を決め る重要な要素であることが示された.. 関東人 28 名 (男性 15 名,女性 13 名, M = 21.86 歳) 関西人 26 名 (男性 14 名,女性 12 名, M = 20.96 歳). 研究 2. 質問紙: ヘマの各 16 例 (e.g., アパートの階をまちがえて,. 研究 2 では,研究1で示された地域差を,より大きい標本サ. 自宅だと思って入ったら全く知らない人が座っていた) に. イズでも見られるかどうかを確認する.研究 1 からの変更点は. ついて,被験者は7件法を用いて以下の 3 問に回答した.. 以下の 3 点である.第 1 に,研究 1 では, 「話したい欲求」. ①話したい欲求:「 もしあなたが次のようなヘマ( あるいはそれ. を調査したが,現実場面により近づけるために, 「話す傾向」. に似たようなヘマ) をしてしまったとしたら,友だちを笑わせる. を調査する.第 2 に,地域差をより明確に示すために,質. ために,あなたならそのことをどのくらい話したいと思います. 問紙で呈示するヘマの例のウケ予想が高くなるよう変更す. か」 ( 1: 「 絶対に話したくない」 ∼7: 「 絶対に話したい」 ). る.第 3 に,話す対象を研究 1 では「友だち」と特定した. ②ウケ予想: 「 もしそれを友だちに話したとしたら,どのくらい笑. が,対象範囲をより一般的に広げるために,特定の対象を. ってくれる( ウケる) だろうと思いますか」 ( 1: 「 絶対に笑ってくれ. 思い浮かべる教示を与えない.具体的な仮説は,研究 1 と. ない」 ∼7: 「 絶対に笑ってくれる」 ). 同じで,以下の通りである.. ③恥予想: 「 あなただったら,それを友だちに話すことをどのく. (1) ヘマ話傾向 関東人に比べて,関西人の「話す傾向」に. らい恥ずかしいと思いますか.」 ( 1: 「 全く恥ずかしくない」 ∼7:. ついての評定値は高いだろう.. 「 非常に恥ずかしい」 ). (2)ヘマ話傾向についての予想による心理的過程 関東人で 結果. (1). 「 話したい欲求」 について地域×性別の分散分析をおこ. F(1, 54))= なった.地域の主効果のみに有意傾向があった(. は「恥予想」のみが,関西人では, 「恥予想」に加えて「ウ ケ予想」も話す行動を規定するだろう..

(3) えられる.研究 3 では,以上の点を考慮して,研究 1 の追. 方法 手続きと被験者: 授業中に実施,回収した.. 試を試みる.. 関東人 186 名 (男性 120 名,女性 66 名, M = 19.21 歳). 研究 3. 関西人 124 名 (男性 55 名,女性 69 名, M = 20.04 歳). 研究 3 では,より話しにくい対象である「 これから仲良くなりた. 質問紙: ヘマの各 16 例について,被験者は 7 件法を用いて. い人」 に「 話す対象」 を固定し,「 恥予想」 が高くなるようにヘマ. 以下の 3 問に回答した.. 例を操作した上で, (1)「ヘマ話傾向」と(2)「ヘマを話すま. ①ヘマ話傾向:「 もしあなたが次のようなヘマ( あるいはそれに. でに至る予想による心理的過程」 を検証する.さらに,(3) ヘ. 似たようなヘマ) をしてしまったとしたら,あなたならそのことを. マを話すことについての理由も地域別に検証する.. ( 1: 「 絶対に話さない」 ∼7: 「 絶 どのくらい話すと思いますか.」. もし,関東人は,一過性の流行のもとで自分のヘマを話. 対に話す」 ). し,関西人は,長い歴史を通して,笑いをクッションにス. ②ウケ予想 ③恥予想 ( 教示は研究1と同じである.). ムーズな対人間やりとりをおこなっているとすれば,両者. 結果. のヘマを話す行動の理由が異なるのではないか,と考えた.. (1)「ヘマ話傾向」について地域×性別の分散分析をおこなっ. 具体的には,関東人も自分のヘマを話すが,それは「笑い. た.仮説に反して,性別の主効果のみがみられた F(1, 303) =. がとれる人」を高く評価しているがゆえの行動ではないか.. 13,98, p < .01) (図4-1).男性に比べて,女性のほうがよりヘマを. 一方,関西人は, 「対人間の緊張を笑いで緩和する」という. 話すようである.. 文化的価値をより内在化しており,彼らにとって,ヘマ話. 5.40. とは,こうでありたいと願う「笑いがとれる自己」を呈示. 女 男. 5.20. する行動ではないか,と考えた.. ﹁ 5.00 話 す 4.80. そこで,研究3では,「 関西人のヘマ話」 を「 自己呈示」 行動と. ﹂ の 平 4.60 均 値 4.40. して捉えた上で,ヘマを話す理由の地域差を検証する.自己 呈示とは「 聞き手に向けられた自己についての情報を操作す. 4.20. る,目標に方向付けられた活動」 である(p. 201, Schlenker &. 4.00 関東. 関西. Pontari, 2000).自己呈示研究では,ある特性についての「 ポ. 図4-1. 「 話す傾向」についての地域と性別による平均値. (2) 「 ヘマ話傾向」 を予測変数,「 ウケ予想」 と「 恥予想」 を説明. ジティブな評価」 をもとに「 望ましい自己」 が形成され,その「 望. 変数とした重回帰分析を地域別におこなった.仮説に反し,関. ましい自己」 を媒介して自己呈示行動がおこなわれると言われ. β = 東人も関西人モデルと同じ結果を示した: 「恥予想」と(. ている (Schlenker, et al., 2000).. -.35, -.42) 「 ウケ予想」 の両方が「 話す傾向」 を規定していた (β 2. = .44, .32, γ = .32, .27)(図 4-2, 4-3).. そこから,「 笑いがとれる人への評価」 が,関東人では直接的 に,関西人では「 望ましい笑いがとれる自己」 に媒介されながら, ヘマ話傾向を規定するのではないかと考えた.. 恥予想. - .35* *. 恥予想. - .42* *. ウケ予想. 方法 ヘマ話傾向. ヘマ話傾向. ウケ予想. **. .44. 図4- 2.関東人のヘマ話傾向についての重回帰分析. .32. R 2 =.27. R 2 =.31. 手続きと被験者: 授業中に実施,回収した. 関東人 101 名 (男性 34 名,女性 67 名, M = 20.75 歳). **. 図4- 3.関西人のヘマ話傾向についての重回帰分析. 関西人 111 名 (男性 58 名,女性 53 名, M = 20.39 歳) 質問紙: 被験者はヘマの各 10 例(うち恥低と恥高が各 5 例). 考察 予想された地域差が今回はどうして出なかったのだろうか.. について, 7 件法を用いながら, 次の 3 問に回答した; ① 「 (こ れから仲良くなりたい人に) ヘマを話す傾向」 , ②「 ウケ予想」 ,. 第 1 に,話す対象を特定の人に固定するように教示で求めな. ③「 恥予想」 .. かったことが挙げられる.話す対象を自由に思い浮かべること. また,次の 2 問にも被験者は回答した.. ができたため,地域差の出にくい「 話しやすい対象」(i.e., す. 笑いがとれる人」 につい 「 笑いがとれる人」 についての評価 「. でにある程度仲のよい友だち) を両群とも思い浮かべていた. ての評価を記した 17 項目( e.g., 「 頭の回転がはやい」 ,「 機転. 可能性がある.第 2 に,ヘマの例が,それほど恥ずかしいもの. がきく」 など)が,「 笑いがとれる人についてのあなたの評価にど. ではなく,関東人(特に女性)にとっても,話しやすい材料だっ. のくらいあてはまりますか」 について,7 件法を用いて被験者は. た可能性がある.最後に,ヘマを本来は話さないはずの関東. 回答した.. 人も,現在(2005 年)の「お笑いブーム」の影響によって,. 望ましい「笑いがとれる自己」 「笑いがとれる人」と概. 一時的に他者を笑わせるためにヘマを話していることも考. 念的に一致する 4 項目(e.g., 「場をもりあげる人」 , 「面白い.

(4) 人」)が, 「あなたがこうでありたいと思っている自分のイメ ージにどのくらいあてはまりますか」について,7 件法を用 いて被験者は回答した.. 総合考察 国内の地域的文化差 関東と関西にはヘマを話すことについて,いくつかの点. 結果. で違いがあることが示唆された.1まとまりにして語られ. (1)「ヘマ話傾向」について地域×性別×恥予想の3要因混合. がちな日本(e.g., Benedict, 1946)においてもまた,地域固有な. 分散分析をおこなった( 図 5-2) .地域と恥予想の 2 次交互作用. 文化が存在することが示唆されたといえよう.地域差が見. 効果のみが有意であった(F(1, 208) = 5.39, p < .05).下位検定. られにくい理由は,現在(2005 年)の「お笑いブーム」に起. をおこなったところ,仮説に反し,各恥予想レベルにおいて地. 因する可能性がある.このために,本来そうではない関東. 域の単純主効果はどれも有意でなかったが,各地域における. 人も表面的には関西人と同じようにヘマを話しているので. 恥予想の単純主効果を検定したところ,両地域において有意. はないか.. であった.つまり,恥予想が高いヘマは,恥予想の低いヘマに. 今後の展望. 比べて,より話されることが示された.ヘマ話傾向についての. 自動的過程を検証することで,より明らかな地域差を検. 地域的な違いはないことが示された.. 討する必要がある.自動的過程とは,環境から予告刺激を. (2) ヘマ10 例の平均値化した「 ヘマ話傾向」 を予測変数,「 ウ. 受容すると本人の意識的な気付きなしに直ちに起動する過. ケ予想」と「 恥予想」 を説明変数とした重回帰分析を地域別に. 程である.本調査の結果が,関東人の表面的な行動とは異. おこなった(図 5-3,-4).仮説に反し,研究 2 と同様,関東・ 関西. なり,関西人にとってのヘマ話は自己に深く内在化した行. , 人も,「 恥予想」 が「 話す」 を負の方向に( 順にβ=-.18., -.53). 動であることを示したことから,自動的過程を検証するこ. 「 ウケ予想」 が「 話す」 を正の方向に規定していた (順にβ =. とで,関東人と関西人の差がより明らかになるかもしれな. 2. 60, .44, γ = 41, 64).. いと考える.. (3) ヘマ 10 例の平均値化した「 ヘマ話傾向」 を目的変数, 「望. 主要引用文献. ましい笑いがとれる自己」を媒介した「笑いがとれる人へ. Benedict, R. 1946 The chrysanthemum and the sword: Patterns of. の評価」を説明変数としたパス解析を地域別におこなった. Japanese culture. Boston: Houghton Mifflin Company.. (図 5-5, -6) .仮説どおり,関東人では, 「笑いがとれる人. Chapman, A. J. 1976 Social aspects of humorous laughter. In Chapman. への評価」が「望ましい笑いがとれる自己」を媒介せずに,. A. J., & Foot, H. C. (Eds.). Humor and laughter: Theory, research,. 「ヘマ話行動」を直接規定していた.関西人では, 「笑いが. and applications (pp. 155-185). New Brunswick: John Willey &. とれる人への評価」が「笑いがとれる自己」を媒介する形. Sons, Ltd.. で「ヘマ話行動」を規定していた.. 古川哲史 1958 日本倫理思想史研究 2:武士道の思想とその周辺. Markus, H., & Kitayama, S. 1991 Culture and self: Implications for 笑いがとれる 望ましい自己. 笑いがとれる 望ましい自己 **. .47. 笑いがとれる 人への評価. ヘマ話行動 .32*. R2=.12. .54* *. 笑いがとれる 人への評価. cognition, emotion, and motivation. Psychological Review, 98,. .29* *. ヘマ話行動 R2= .15. 図5- 6. 関西人のヘマ話行動モデル. 図5- 5. 関東人のヘマ話行動モデル. 224-253. 宮本又次 1966 関西と関東,東京:青蛙房. Nisbett, R. E., & Cohen, D. 1996 Culture of honor: The psychology of. violence in the South. Boulder, CO: Westview Press.. 考察. Schlenker, B. R., & Pontari, B. A. 2000 The strategic control of. ヘマを話す傾向およびヘマ話に至るまでの予想による心理. information: Impression management and self-presentation in. 的過程における地域差はないようだ.しかし,「 なぜヘマを話. daily life. In A. Tesser, R. Felson, and J. Suls (Eds.), Perspectives. すか」 というヘマ話行動の理由は地域によって異なるようだ.つ. on self and identity (pp. 199-232). Washington, D.C.: American. まり,笑いがとれる人への評価が高ければ関東人はヘマを話. Psychological Association.. す一方,関西人はこうでありたいと望む自己像に「 笑いがとれ る自己」 が含まれるがゆえにヘマを話すことをこの結果は示唆 しているだろう.この違いは,笑いがとれる人にあこがれている がゆえに,それに追従しようとヘマを話す関東人とは対照的に, 関西人はヘマ話を自己に深く内在化していることを示している と言えるのではないか.. 祖父江孝男 2000 県民性の人間学:出身県でわかる人柄の本,東京:新 潮社. Triandis, H. C. 1989 The self and social behavior in differing cultural contexts. Psychological Review, 96, 506-520. 吉田寿夫・古城和敬・加来秀俊 1982 児童の自己呈示の発達に関する研究, 教育心理学研究,30, 120-127..

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