Vol.45,No.6,November 2014.
1021
r ヨー角速度[rad/s] (初期条件は 0 とする) β 重心位置車体横滑り角[rad] (初期条件は 0 とする) βf 前輪位置車体横滑り角[rad] (初期条件は 0 とする) βr 後輪位置車体横滑り角[rad] (初期条件は 0 とする) δ 舵角[rad] (初期条件は 0 とする) Th 操舵トルク[Nm] (初期条件は0 とする) ThN 無次元化操舵トルク (初期条件は 0 とする) Ff (Fr) 前輪(後輪)コーナリングフォース[N] (初期条件は0 とする) V 車速[m/s] s ラプラス演算子 参 考 文 献 (1) 岩本貞雄ほか:ステアリング系のバイラテラル・モデル (Ⅰ),自動車技術会論文集, No.15, p.89-86(1978) (2) 岩本貞雄ほか:ステアリング系のバイラテラル・モデル- 第2 報 パワーステアリング-,自動車技術会論文集, No.18, p.95-102(1979) (3) 自動車技術ハンドブック編集委員会編:自動車技術ハンド ブック(第1 分冊)基礎・理論編,第 7 章 操縦安定性の基 礎・理論,p.264(2011). (4) 安部正人:自動車の運動と制御,東京,山海堂,1992,247p. (5) 入江南海雄ほか:リヤサスペンション特性が操縦安定に及 ぼす影響,自動車技術,Vol.39,No.3,p.275-285(1985) (6) 坂下和夫ほか:操舵系の特性を考慮した自動車の操縦安定 性に関する線形理論,自動車技術,Vol.18, No.4, p.268-273 (1964) (7) 酒井英樹:フォースコントロールにおける安定性とその指 標,自動車技術会論文集, Vol.44,No.2, p.441-448(2013) (8) 酒井英樹:フォースコントロール下の操舵系と車体系の運 動特性の数値的研究,自動車技術会論文集, Vol.44,No.3, (2013) (9) 毛利宏ほか:過渡的な操舵力アシスト特性が車両運動に及 ぼす影響,自動車技術会論文集,Vol.37,No.1,p. 155-160(2006) (10) 野崎博路:パワーステアリング付車のステアリング系剛 性とステア特性について,自動車技術会論文集, No.30,p. 76-81(1985) (11) 北浜謙一ほか:正規化したコーナリングパワーを用いた 自動車の操舵応答性能の同定法,日本機械学会論文集(C編) 65 巻 633 号,p.1960-1965(1999) (12) 酒井英樹:自動車の平面運動におけるヨー角速度進み時 定数についての力学的考 察 ,日本 機械学会論文集(C 編),Vol.79, No.801,p.1681-1692(2013)氷路面の摩擦痕断面形状測定によるタイヤ
/氷摩擦の解析
二瓶 光弥1) 清水 健一2) 安藤 泰久3)Analysis of Tire/Ice Friction by the Profile Measurement of Sliding Marks on Iced Road Surface
Mitsuya Nihei Ken-ichi Shimizu Yasuhisa AndoBecause of transparency of ice, it is difficult to measure the profile of ice surface by optical method such as laser scanning. We propose the method that whitens the ice surface by rapid cooling spray so that stable reflecting laser beam on ice surface leads successful profile measurement. We conducted the full braking test on iced road of in-door tire tester at a temperature around 0℃. And we made a study on relationship between the resultant cross sectional profile of the ice surface damaged by tire treads and resultant frictional characteristics of the tire on the ice.
Results shows that the friction of tire on ice has well correlation on cross section of the ice surface damaged by tire treads.
KEY WORDS: Tire, Friction, Safety, Iced Road Surface, Sliding Mark, Cross-Sectional Profile (B1)
1.は じ め に 氷結路面の凹凸は,タイヤ等の摩擦特性へ大きく影響を及 ぼすことが知られているが,この透明体である氷の凹凸の性 状を把握できる非接触の光学的手法が充分には確立されてお らず,氷の性状の変化等と摩擦特性を系統的に解析すること が困難となっている.また,氷と他物質との摩擦の解析では, 氷の表面上に生じる摩擦痕の形状などの把握も重要(1)(2)であ るが,やはり透明体であることから困難となっている. ここでは,まず,レーザ変位計(形状測定器)による氷の 凹凸や摩擦痕の測定を対象とし,冷却スプレーによる白濁化 法について実験的に考察した.その結果,冷却スプレーによ る白濁化法は精度良く簡便に測定が可能であり,その場観察 等に有効な方法であることを示す(3).ついで,本手法を用い て,タイヤ/氷摩擦における氷路面の摩擦痕を測定し,この摩 擦痕と課題となっている 0℃付近(4)のタイヤの氷上性能との 関係を解析した.これらの結果について述べる. 2.冷却スプレーを用いた白濁化による測定法 ここでは,冷却スプレーを用いて氷の表面を白濁化させて レーザ光の反射を安定化し,短時間に,かつ直接,氷表面の 凹凸を測定可能なレーザ形状測定方法を提案する. 2.1. 実験に使用した形状測定器および冷却スプレー 図 1(a)に実験に使用した 2 次元レーザ形状測定器(5)の構成 を示す.本測定器は,幅 22mm で高さ±10mm の範囲を計測可能 で分解能は幅方向が 35μm、高さ方向が 2.5μm となっている. 図 1(b)に実験に使用した冷却スプレー剤の外観を示す.充 填されている化学物質はテトラフルオロエタンで,照射面は 約-50℃に急冷される. 2.2. 既知の凹凸を用いた予備実験 既知の三角波の凹凸(周期 2 ㎜、振幅 1mm)を有したシリコ ンゴムでできた型を準備した.そのシリコンゴムの型を 2 次 元レーザ形状測定器で測定した結果を図 2(a)に示す.左の図 と右の図は,それぞれ凹凸のプロファイルと FFT 解析した周 波数成分(幅方向 1mm を 1 秒と換算)の結果を示す.横軸の周
*
*2014 年 3 月 31 日受理.2014 年 5 月 22 日自動車技術会春季 学術講演会において発表. 1)・2)(独)産業技術総合研究所(305-8568 茨城県つくば市梅園 1-1-1 中央第 2) 3)東京農工大学(184-8588 東京都小金井市中町 2-24-16)Fig.1 General view of laser profile measuring equipment and Cooling spray
width
height Sensor
PC for measurement/control controller
(a) General view of laser profile
measuring equipment(5) (Brand name:「 Freez-It 」) (b) Rapid cooling spray 70 ㎜
Fig.4 Main parts of the indoor tire tester Drum Ice Tire Dynamometer 波数は,その周波数の逆数が凹凸の波長を表すことになる. これより,三角波の波長成分である 0.5Hz や奇数倍の高調波 成分である 1.5Hz や 2.5Hz が表れていることが判る.同図(b) は,(a)の型から作成した氷の表面の凹凸を測定した結果であ る.プロファイルはレーザの反射が不安定で大きく乱れてお り,凹凸の変位が正確に測定できていないことが判る.波長 成分も不明確である.同図(c)は,(b)の氷の表面に冷却スプ レーを照射して急速に温度を下げ,氷の表面に周りの空気が 凝結し,真っ白に白濁化させて測定した結果である.三角波 の形状(水が氷になるときに中央部分が凸の形状となった) が良く判ると共に 0.5Hz の波長成分が良く表れていることが 判る.図 3 にその様子を示す.図 2(b)が図 3(a)に,図 2(c) が図 3(b)に相当する.これより,冷却スプレーの噴射により 氷表面を白濁化させることで,レーザの反射が安定し,氷の 三角波の凹凸が鮮明に測定できていることや周波数成分も正 確に現れていることが判る.これらの結果より,冷却スプレ ーによる白濁化は,非常に有効であることが判った. 2.3. 室内タイヤ試験機のドラム上の氷の測定例 室内タイヤ試験機(3)(4)(7)の概要を図 4 に示す.本試験機は, 直径 3 m,幅 0.6 mのドラムの内面に氷を作成し,その上を タイヤが走行する形式となっている.試験機の主な部分は, 温度制御可能な冷凍庫内に設置されており,任意の温度での 試験が可能である.タイヤに加わる力はタイヤ取り付け部に 設置したハブ・ダイナモメータで,制動・駆動力等の 5 分力 に分離して測定される. 図 5 にドラム上の氷の凹凸や摩擦痕を測定するための横送 り装置と 2 次元レーザ形状測定器(センサーヘッド)の設置 状況を示す.ドラムの幅は前述のように 60cm あるが,どの位 置での凹凸や摩擦痕でも測定できるようにセンサーヘッドを 横送り装置で移動可能とした.図 6 にタイヤの走行による摩 擦痕の測定を意識した測定方法の一例を示す.ドラム幅方向 にセンサーヘッドを 20mm ごと移動させて,(1)~(15)ま でのそれぞれの路面の凹凸のプロファイルを計測する.これ により,路面幅 302mm の凹凸や摩擦痕の観察が可能となる. また,センサーヘッドをドラム幅方向の(1)~(15)のどこ (a) Silicon rubber module (amplitude 1mm)
(b)The ice which made by the module (a). Without spray
(c)The ice which made by the module(a). With spray Fig.2 Effect of whitened ice surface
幅 方 向 変 位 (mm) 幅 方 向 変 位 (mm) 幅 方 向 変 位 (mm) Frequency(Hz) Frequency(Hz) Frequency(Hz) Pow er Pow er Pow er H eig ht (mm) H ei ght (mm) H ei ght (mm) Lateral displacement(mm) Lateral displacement(mm) Lateral displacement(mm) 2mm laser
(a) Without spray (b) With spray Fig.3 Effect of the rapid cooling spray
Sensor Sensor ice ice Result Result Whitened by spray Sensor Whitened by spray Iced load
Device for Lateral forwarding 600mm
Drum
Fig.5 General view of the sensor on lateral forwarding device. か 1 か所に固定しておいて,その位置でのタイヤの摩擦の履 歴による摩擦痕の変化などの観察も可能である. (1)から(15)までのそれぞれ計測されたプロファイルは, それぞれを接続することで幅 302mm のプロファイルが得られ るが,そのデータの接続時には注意が必要である.すなわち, ドラムの氷路面に対してのセンサーヘッドの高さ方向の極わ ずかな傾きや,氷路面に対しての横送り装置の基線の誤差を 修正しておく必要がある.以後に述べる計測データはすべて これらの修正を施されたものを示す. まず,市販のスタッドレスタイヤを用いて,最も滑りやす い融解水の導電率が約 100μS/cm(4)の氷上で-1℃における 全制動試験を実施した場合に摩擦痕の測定が可能かどうかに について調べた.全制動試験は,ドラムとタイヤを接地させ て試験速度 34km/h で回転させておき,ドラムの速度は一定の ままタイヤの速度のみを瞬間的(約 0.2 秒)に 0km/h(ロック状 態)にする試験である.試験速度が 34km/h,ドラム直径が 3m であるので,ドラム上の氷のある一点をタイヤが通過する制 動回数は,約 1 秒がドラムの 1 回転に相当し 1 回の制動とな る.当初,ドラムを 1 回転あるいは 2 回転分くらいの制動試 験で氷の摩擦痕が測定可能かどうかを調査した.その結果, 初期の氷路面の平滑度が低いため摩擦痕の判別が困難な測定 結果となった.そこでここでは,氷のある一点をタイヤが 5 回と 15 回および 25 回の3種の制動で測定を試みた.なお, 初期の氷路面の平滑度を高くしておけば1回の制動でも差を 把握することは可能と考えられる. 図 7 に同一の氷路面を 25 回制動して摩擦した路面の測定結 果を示す.図中には,試験に使用したスタッドレスタイヤの 走行位置に相当する位置にトレッドパターンを示した.これ より,トレッドパターンのブロック部分は氷が凹んで,縦溝 の部分では氷が凸の状態となっていることが判る.図 8 に図 7 の A 部分の 5 回 15 回 25 回と制動した場合の平滑路面を 0 と した時の変化を示す.トレッドのブロック部分では,制動回 数が増えるほど凹みが大きくなり,縦溝部分では逆に凸が大 きくなっていることが判る。この図 7 と図 8 より,氷とタイ ヤの摩擦メカニズムとして,氷の塑性流動による抵抗の影響 が考えられる. いずれにしても,このように,レーザ変位計(形状測定器) を用いた氷の凹凸の測定おいて,冷却スプレーを使用した白 濁化による計測法は,測定精度を高くでき,簡便であること からその場観察等に有効な優れた方法であることが判った. また,タイヤと氷の摩擦痕の測定も可能であり,摩擦特性と の解析にも利用できることを示した. 3.正規化タイヤを用いた解析例 ここでは,トレッドパターンやトレッドのゴム硬度,サイ プ数などのパラメータを正規化したタイヤ(実験用タイヤ) を用いて,-1℃における摩擦痕の変化とタイヤの氷上性能に ついて解析した例を示す. 図 9 に実験に使用した正規化タイヤのトレッドパターンの 外観を示す.基本的に板チョコ状のブロックを有するトレッ ドパターンで,タイヤA~D(図 9(a))とタイヤE~G(図 Fig.6 Schematic of continuous measurement of iced road
surface
Move by 20mm and measure at from (1) to (15)
(1) (2) (3) … (13) (14) (15) Sensor 22mm 302mm A Block Striation
Fig.7 An example of sliding mark of the commercial studless tire without slip angle
(tire:185/70R14,Velocity:34km/h,load:4.5kN, Temp.:-1℃) Lateral displacement of drum (mm)
D efo rm at io n o f i ce (m m ) (mm) Tread pattern Block Striation Striation
Fig.8 Change of iced road surface deformation at 5,15 and 25 times braking in “A” position in Fig.7.
Lateral displacement of drum (mm)
D efo rm at io n o f i ce (m m ) (mm) 5 times 15 times 25 times
Fig.4 Main parts of the indoor tire tester Drum Ice Tire Dynamometer 波数は,その周波数の逆数が凹凸の波長を表すことになる. これより,三角波の波長成分である 0.5Hz や奇数倍の高調波 成分である 1.5Hz や 2.5Hz が表れていることが判る.同図(b) は,(a)の型から作成した氷の表面の凹凸を測定した結果であ る.プロファイルはレーザの反射が不安定で大きく乱れてお り,凹凸の変位が正確に測定できていないことが判る.波長 成分も不明確である.同図(c)は,(b)の氷の表面に冷却スプ レーを照射して急速に温度を下げ,氷の表面に周りの空気が 凝結し,真っ白に白濁化させて測定した結果である.三角波 の形状(水が氷になるときに中央部分が凸の形状となった) が良く判ると共に 0.5Hz の波長成分が良く表れていることが 判る.図 3 にその様子を示す.図 2(b)が図 3(a)に,図 2(c) が図 3(b)に相当する.これより,冷却スプレーの噴射により 氷表面を白濁化させることで,レーザの反射が安定し,氷の 三角波の凹凸が鮮明に測定できていることや周波数成分も正 確に現れていることが判る.これらの結果より,冷却スプレ ーによる白濁化は,非常に有効であることが判った. 2.3. 室内タイヤ試験機のドラム上の氷の測定例 室内タイヤ試験機(3)(4)(7)の概要を図 4 に示す.本試験機は, 直径 3 m,幅 0.6 mのドラムの内面に氷を作成し,その上を タイヤが走行する形式となっている.試験機の主な部分は, 温度制御可能な冷凍庫内に設置されており,任意の温度での 試験が可能である.タイヤに加わる力はタイヤ取り付け部に 設置したハブ・ダイナモメータで,制動・駆動力等の 5 分力 に分離して測定される. 図 5 にドラム上の氷の凹凸や摩擦痕を測定するための横送 り装置と 2 次元レーザ形状測定器(センサーヘッド)の設置 状況を示す.ドラムの幅は前述のように 60cm あるが,どの位 置での凹凸や摩擦痕でも測定できるようにセンサーヘッドを 横送り装置で移動可能とした.図 6 にタイヤの走行による摩 擦痕の測定を意識した測定方法の一例を示す.ドラム幅方向 にセンサーヘッドを 20mm ごと移動させて,(1)~(15)ま でのそれぞれの路面の凹凸のプロファイルを計測する.これ により,路面幅 302mm の凹凸や摩擦痕の観察が可能となる. また,センサーヘッドをドラム幅方向の(1)~(15)のどこ (a) Silicon rubber module (amplitude 1mm)
(b)The ice which made by the module (a). Without spray
(c)The ice which made by the module(a). With spray Fig.2 Effect of whitened ice surface
幅 方 向 変 位 (mm) 幅 方 向 変 位 (mm) 幅 方 向 変 位 (mm) Frequency(Hz) Frequency(Hz) Frequency(Hz) Pow er Pow er Pow er H eig ht (mm) H ei ght (mm) H ei ght (mm) Lateral displacement(mm) Lateral displacement(mm) Lateral displacement(mm) 2mm laser
(a) Without spray (b) With spray Fig.3 Effect of the rapid cooling spray
Sensor Sensor ice ice Result Result Whitened by spray Sensor Whitened by spray Iced load
Device for Lateral forwarding 600mm
Drum
Fig.5 General view of the sensor on lateral forwarding device. か 1 か所に固定しておいて,その位置でのタイヤの摩擦の履 歴による摩擦痕の変化などの観察も可能である. (1)から(15)までのそれぞれ計測されたプロファイルは, それぞれを接続することで幅 302mm のプロファイルが得られ るが,そのデータの接続時には注意が必要である.すなわち, ドラムの氷路面に対してのセンサーヘッドの高さ方向の極わ ずかな傾きや,氷路面に対しての横送り装置の基線の誤差を 修正しておく必要がある.以後に述べる計測データはすべて これらの修正を施されたものを示す. まず,市販のスタッドレスタイヤを用いて,最も滑りやす い融解水の導電率が約 100μS/cm(4)の氷上で-1℃における 全制動試験を実施した場合に摩擦痕の測定が可能かどうかに について調べた.全制動試験は,ドラムとタイヤを接地させ て試験速度 34km/h で回転させておき,ドラムの速度は一定の ままタイヤの速度のみを瞬間的(約 0.2 秒)に 0km/h(ロック状 態)にする試験である.試験速度が 34km/h,ドラム直径が 3m であるので,ドラム上の氷のある一点をタイヤが通過する制 動回数は,約 1 秒がドラムの 1 回転に相当し 1 回の制動とな る.当初,ドラムを 1 回転あるいは 2 回転分くらいの制動試 験で氷の摩擦痕が測定可能かどうかを調査した.その結果, 初期の氷路面の平滑度が低いため摩擦痕の判別が困難な測定 結果となった.そこでここでは,氷のある一点をタイヤが 5 回と 15 回および 25 回の3種の制動で測定を試みた.なお, 初期の氷路面の平滑度を高くしておけば1回の制動でも差を 把握することは可能と考えられる. 図 7 に同一の氷路面を 25 回制動して摩擦した路面の測定結 果を示す.図中には,試験に使用したスタッドレスタイヤの 走行位置に相当する位置にトレッドパターンを示した.これ より,トレッドパターンのブロック部分は氷が凹んで,縦溝 の部分では氷が凸の状態となっていることが判る.図 8 に図 7 の A 部分の 5 回 15 回 25 回と制動した場合の平滑路面を 0 と した時の変化を示す.トレッドのブロック部分では,制動回 数が増えるほど凹みが大きくなり,縦溝部分では逆に凸が大 きくなっていることが判る。この図 7 と図 8 より,氷とタイ ヤの摩擦メカニズムとして,氷の塑性流動による抵抗の影響 が考えられる. いずれにしても,このように,レーザ変位計(形状測定器) を用いた氷の凹凸の測定おいて,冷却スプレーを使用した白 濁化による計測法は,測定精度を高くでき,簡便であること からその場観察等に有効な優れた方法であることが判った. また,タイヤと氷の摩擦痕の測定も可能であり,摩擦特性と の解析にも利用できることを示した. 3.正規化タイヤを用いた解析例 ここでは,トレッドパターンやトレッドのゴム硬度,サイ プ数などのパラメータを正規化したタイヤ(実験用タイヤ) を用いて,-1℃における摩擦痕の変化とタイヤの氷上性能に ついて解析した例を示す. 図 9 に実験に使用した正規化タイヤのトレッドパターンの 外観を示す.基本的に板チョコ状のブロックを有するトレッ ドパターンで,タイヤA~D(図 9(a))とタイヤE~G(図 Fig.6 Schematic of continuous measurement of iced road
surface
Move by 20mm and measure at from (1) to (15)
(1) (2) (3) … (13) (14) (15) Sensor 22mm 302mm A Block Striation
Fig.7 An example of sliding mark of the commercial studless tire without slip angle
(tire:185/70R14,Velocity:34km/h,load:4.5kN, Temp.:-1℃) Lateral displacement of drum (mm)
D efo rm at io n o f i ce (m m ) (mm) Tread pattern Block Striation Striation
Fig.8 Change of iced road surface deformation at 5,15 and 25 times braking in “A” position in Fig.7.
Lateral displacement of drum (mm)
D efo rm at io n o f i ce (m m ) (mm) 5 times 15 times 25 times
Table1 Specification of normalized tires tire size Hardness of tread rubber ※1 Number of sipes Surface roughness of tread rubber※2 A 205/65R15 65 0 16.4 B ↑ 65 3 12.7 C ↑ 78 0 14.5 D ↑ 78 3 16.2 E 195/65R15 55 3 39.5 F ↑ 55 6 45.4 G ↑ 57 6 33.8 ※1:JIS A ※2:Rz(μm) 9(b))とで,タイヤサイズやブロックや溝の寸法が若干異なっ ているものを用意した.各タイヤの仕様の概要を表1に示す. ゴム硬度が柔らかいもの(約 55)から硬いもの(約 78)まで 3 種, サイプ数を 0 本(サイプ無し)と 3 本,6 本の 3 種,トレッドゴ ムの表面粗さ Rz(十点平均粗さ)が 12.7μm から 45.4μm と なっている7本のタイヤを使用した.なお,トレッドの溝の 深さは,すべて約 9mm である. 各タイヤについて,図 7 と同様の試験条件で 25 回制動させ たときの氷の摩擦痕を求めた.その結果を図 10 に示す.図中 には,氷とタイヤトレッドが接触している実質のトレッド幅 を同時に表示した.これより,トレッド幅の内側においては, トレッドのブロック部分と接触する氷はへこんだ(凹の)状態 となり,トレッドの縦溝部分に相当する氷は盛上がった(凸 の)状態となっていることが良く判る.そして,凹凸の振幅は, タイヤの種類によって異なっていることも判る.また,トレ ッド幅の外側においても氷が凸となっているタイヤもあるこ とが判る.この外側の氷の凸の状況もタイヤの種類によって 異なっている.これらの現象は,タイヤと氷の摩擦の大きさ との関係が類推されるが,この氷の変形の程度を良く表すパ ラメータとして,一般的な摩耗量の体積変化の考え方(6)と同 様に,図 10 の Tire G の図中に例を示したような凸の部分(正 の部分)の面積と凹の部分(負の部分)の面積の総和(以後,摩 擦痕の「断面積」と呼ぶ)を各タイヤ毎に求めた.その結果 を表 2 に示す. 図 10 の摩擦痕計測時の全制動試験の摩擦係数の変化の一例 を図 11 に示す(25 回連続制動,タイヤGの例).縦軸は制動 力を荷重で除した摩擦係数であり,横軸は時間(制動回数)で ある.ここで,制動初期の摩擦係数のピーク値をμpeak,ピ ーク値以後のほぼ一定となっている期間の平均値をμd(動摩 擦係数)と呼ぶことにする.ちなみに,このμd は他の試験タ イヤにおいても時間(回数)的にほぼ一定の値で推移したの で平均値を採用した.
Lateral displacement of drum (mm)
D efo rm at io n o f i ce (m m ) (mm) Tire A Tire B Tire C Tire D Tire E Tire F Tire G 173 165
Fig.10 Sliding marks of the normalized tires without slip angle (Velocity:34km/h, load:4.5kN, Temp.:-1℃)
Positive cross section area (凸)
Negative cross section area (凹) (a)Tire A,B,C,D (b)Tire E,F,G
Fig.9 General view of tread pattern of normalized tires Tire A (without sipe)
Bloc k 10 29 173 25 25 25 10 10 10 29 5 25 25 5 Tire G (6 sipes/block) Block and Sipe 165 (㎜) 287 7 27 27 27 28 7 7 30 30 5 5 このμpeak およびμd と摩擦痕の断面積との関係を図 12 に 示す.これより,摩擦痕の断面積と摩擦係数には強い相関が あることが判る.すなわち,摩擦痕の断面積が大きいタイヤ ほど摩擦係数が高くなっていることが判る.これは氷の変形 が大きいタイヤほど摩擦力が大きいということを示しており, 前述で指摘した塑性流動による抵抗,すなわち,掘起し抵抗 が大きな役割を発揮していると考えられる.既報でタイヤと 氷の摩擦エネルギーで発生する水膜の粘性せん断力で凝着摩 擦が決まるとした計算がトレッドパターンの無いスムーズタ イヤの実験結果とよく一致することを示した(7).今回の実験 条件でその水膜の厚さを計算すると約 2μmであり,摩擦係数 で 0.03 程度となる.したがって,図 12 の摩擦係数が大きい タイヤほど,主に掘り起こし抵抗による効果が大きくなって いるものと考えられる. 図 13 に,この正規化タイヤによる実験データから,MATLAB の griddata を用いたサーフェイス補間 V4 を利用して,摩擦 係数とゴム硬度およびサイプ数との関係を表示した結果を示 す.これより,良く知られているように,ゴム硬度はある程 度柔らかいほど摩擦係数は大きくなり,サイプ数も多いほど 摩擦係数は大きくなることが判るが,摩擦係数が最大となる 最適な条件がありそうである. これまでは,25 回連続で制動させた場合の摩擦痕の例を示 したが,次に,タイヤGを対象として,5 回,10 回,15 回, 20 回,25 回と 5 回毎に制動試験を行い摩擦痕の測定をしてゆ くという調査を実施した(摩擦痕の測定時間は約 15 分でその 間は制動試験を中断している).ただし,前述の試験とは使用 した氷が異なり,融解水の導電率で約 10μS/cm(4)の氷を用い た.図 14 に 0 回(摩擦していない氷路面の初期状態),5 回, 10 回,15 回,20 回,25 回の摩擦痕のプロファイルの変化を 示す.これより,回数が増えると共に氷の変形の振幅などが 大きくなっていることが判る.この摩擦痕の断面積や摩擦係 数の変化を図 15 に示す.図中には,25 回連続制動したデータ も同時に示した.図 15(a)より,摩擦痕の断面積は 5 回毎の制 動回数に比例して大きくなることが判る.図中,近似直線の 切片Bの値は初期路面の平滑度で決まる断面積となる.なお, 近似直線の傾きが 1 回の制動で生じる摩擦痕の断面積という ことになる.この傾きが大きいタイヤ程,氷の変形,すなわ
Fig.13 Coefficient of friction (μpeak,μd) v.s. hardness of tread rubber and number of sipes
μpeak
μd
hardness of tread rubber number of sipes Co ef fic ie nt o f f ric tio n
Cross section of sliding mark (mm2)
Co ef fic ie nt o f f ric tio n fric tio n :μpeak :μd
Fig.12 Relation between coefficient of friction (μpeak, μd) and the cross section area of sliding mark Table2 The cross section of the sliding marks of Fig.11
Tire Grand total of the cross section (mm2)
A 24.3 B 33.4 C 19.2 D 23.9 E 46.8 F 45.8 G 51.7 Co ef fic ie nt o f f ric tio n fric tio n Time (sec.),Times μpeak μd
Fig.11 An example variation of coefficient of friction (μpeak,μd) during full breaking
Fig14 Sliding marks of the Tire G (Five times)
D efo rm at io n o f i ce (m m ) Co ef fic ie nt o f f ric tio n (a) (0 times) (f)25 times (c)10 times (d)15 times (e)20 times (b) 5 times
Lateral displacement of drum (mm) (f)25 times (Five times)
Table1 Specification of normalized tires tire size Hardness of tread rubber ※1 Number of sipes Surface roughness of tread rubber※2 A 205/65R15 65 0 16.4 B ↑ 65 3 12.7 C ↑ 78 0 14.5 D ↑ 78 3 16.2 E 195/65R15 55 3 39.5 F ↑ 55 6 45.4 G ↑ 57 6 33.8 ※1:JIS A ※2:Rz(μm) 9(b))とで,タイヤサイズやブロックや溝の寸法が若干異なっ ているものを用意した.各タイヤの仕様の概要を表1に示す. ゴム硬度が柔らかいもの(約 55)から硬いもの(約 78)まで 3 種, サイプ数を 0 本(サイプ無し)と 3 本,6 本の 3 種,トレッドゴ ムの表面粗さ Rz(十点平均粗さ)が 12.7μm から 45.4μm と なっている7本のタイヤを使用した.なお,トレッドの溝の 深さは,すべて約 9mm である. 各タイヤについて,図 7 と同様の試験条件で 25 回制動させ たときの氷の摩擦痕を求めた.その結果を図 10 に示す.図中 には,氷とタイヤトレッドが接触している実質のトレッド幅 を同時に表示した.これより,トレッド幅の内側においては, トレッドのブロック部分と接触する氷はへこんだ(凹の)状態 となり,トレッドの縦溝部分に相当する氷は盛上がった(凸 の)状態となっていることが良く判る.そして,凹凸の振幅は, タイヤの種類によって異なっていることも判る.また,トレ ッド幅の外側においても氷が凸となっているタイヤもあるこ とが判る.この外側の氷の凸の状況もタイヤの種類によって 異なっている.これらの現象は,タイヤと氷の摩擦の大きさ との関係が類推されるが,この氷の変形の程度を良く表すパ ラメータとして,一般的な摩耗量の体積変化の考え方(6)と同 様に,図 10 の Tire G の図中に例を示したような凸の部分(正 の部分)の面積と凹の部分(負の部分)の面積の総和(以後,摩 擦痕の「断面積」と呼ぶ)を各タイヤ毎に求めた.その結果 を表 2 に示す. 図 10 の摩擦痕計測時の全制動試験の摩擦係数の変化の一例 を図 11 に示す(25 回連続制動,タイヤGの例).縦軸は制動 力を荷重で除した摩擦係数であり,横軸は時間(制動回数)で ある.ここで,制動初期の摩擦係数のピーク値をμpeak,ピ ーク値以後のほぼ一定となっている期間の平均値をμd(動摩 擦係数)と呼ぶことにする.ちなみに,このμd は他の試験タ イヤにおいても時間(回数)的にほぼ一定の値で推移したの で平均値を採用した.
Lateral displacement of drum (mm)
D efo rm at io n o f i ce (m m ) (mm) Tire A Tire B Tire C Tire D Tire E Tire F Tire G 173 165
Fig.10 Sliding marks of the normalized tires without slip angle (Velocity:34km/h, load:4.5kN, Temp.:-1℃)
Positive cross section area (凸)
Negative cross section area (凹) (a)Tire A,B,C,D (b)Tire E,F,G
Fig.9 General view of tread pattern of normalized tires Tire A (without sipe)
Bloc k 10 29 173 25 25 25 10 10 10 29 5 25 25 5 Tire G (6 sipes/block) Block and Sipe 165 (㎜) 287 7 27 27 27 28 7 7 30 30 5 5 このμpeak およびμd と摩擦痕の断面積との関係を図 12 に 示す.これより,摩擦痕の断面積と摩擦係数には強い相関が あることが判る.すなわち,摩擦痕の断面積が大きいタイヤ ほど摩擦係数が高くなっていることが判る.これは氷の変形 が大きいタイヤほど摩擦力が大きいということを示しており, 前述で指摘した塑性流動による抵抗,すなわち,掘起し抵抗 が大きな役割を発揮していると考えられる.既報でタイヤと 氷の摩擦エネルギーで発生する水膜の粘性せん断力で凝着摩 擦が決まるとした計算がトレッドパターンの無いスムーズタ イヤの実験結果とよく一致することを示した(7).今回の実験 条件でその水膜の厚さを計算すると約 2μmであり,摩擦係数 で 0.03 程度となる.したがって,図 12 の摩擦係数が大きい タイヤほど,主に掘り起こし抵抗による効果が大きくなって いるものと考えられる. 図 13 に,この正規化タイヤによる実験データから,MATLAB の griddata を用いたサーフェイス補間 V4 を利用して,摩擦 係数とゴム硬度およびサイプ数との関係を表示した結果を示 す.これより,良く知られているように,ゴム硬度はある程 度柔らかいほど摩擦係数は大きくなり,サイプ数も多いほど 摩擦係数は大きくなることが判るが,摩擦係数が最大となる 最適な条件がありそうである. これまでは,25 回連続で制動させた場合の摩擦痕の例を示 したが,次に,タイヤGを対象として,5 回,10 回,15 回, 20 回,25 回と 5 回毎に制動試験を行い摩擦痕の測定をしてゆ くという調査を実施した(摩擦痕の測定時間は約 15 分でその 間は制動試験を中断している).ただし,前述の試験とは使用 した氷が異なり,融解水の導電率で約 10μS/cm(4)の氷を用い た.図 14 に 0 回(摩擦していない氷路面の初期状態),5 回, 10 回,15 回,20 回,25 回の摩擦痕のプロファイルの変化を 示す.これより,回数が増えると共に氷の変形の振幅などが 大きくなっていることが判る.この摩擦痕の断面積や摩擦係 数の変化を図 15 に示す.図中には,25 回連続制動したデータ も同時に示した.図 15(a)より,摩擦痕の断面積は 5 回毎の制 動回数に比例して大きくなることが判る.図中,近似直線の 切片Bの値は初期路面の平滑度で決まる断面積となる.なお, 近似直線の傾きが 1 回の制動で生じる摩擦痕の断面積という ことになる.この傾きが大きいタイヤ程,氷の変形,すなわ
Fig.13 Coefficient of friction (μpeak,μd) v.s. hardness of tread rubber and number of sipes
μpeak
μd
hardness of tread rubber number of sipes Co ef fic ie nt o f f ric tio n
Cross section of sliding mark (mm2)
Co ef fic ie nt o f f ric tio n fric tio n :μpeak :μd
Fig.12 Relation between coefficient of friction (μpeak, μd) and the cross section area of sliding mark Table2 The cross section of the sliding marks of Fig.11
Tire Grand total of the cross section (mm2)
A 24.3 B 33.4 C 19.2 D 23.9 E 46.8 F 45.8 G 51.7 Co ef fic ie nt o f f ric tio n fric tio n Time (sec.),Times μpeak μd
Fig.11 An example variation of coefficient of friction (μpeak,μd) during full breaking
Fig14 Sliding marks of the Tire G (Five times)
D efo rm at io n o f i ce (m m ) Co ef fic ie nt o f f ric tio n (a) (0 times) (f)25 times (c)10 times (d)15 times (e)20 times (b) 5 times
Lateral displacement of drum (mm) (f)25 times (Five times)
ち,掘起し抵抗による効果が大きくなると考えられる.また, 同図(b)より,5 回毎制動させた場合,摩擦係数がわずかずつ 増えていることが判る.これは 5 回毎の制動試験のたびに氷 の表面が平滑となることや氷路面がトレッドパターン形状に なじむ等で,真実接触面積がごくわずかずつ増えているもの と考えられる. 図 15 より,連続して 25 回制動させた場合と 5 回毎 25 回制 動した場合を比較すると,連続して 25 回制動させた場合の方 が断面積は大きくなっていることが判る.図 16 に連続して 25 回制動させた場合と 5 回毎 25 回制動させた場合の氷の摩擦痕 のプロファイルの違いを示す.図中にはトレッドパターンと 25 回連続制動した氷表面の写真も同時に示した.これより, 氷の変形の振幅は 5 回毎 25 回制動の方が大きくなっているが, 25 回連続制動のトレッドの外側(特に右側)に融けた水が再凍 結して盛り上がっており,主にこの部分の面積が両者の違い に影響しているものと考えられることが判った.これは両者 の摩擦仕事の差と考えられるが,この融け水の発生は,前述 の図 10 からも明らかなように摩擦力の大きいタイヤほど(特 にE,F,Gで)顕著に見られた.このタイヤE,F,Gの トレッドの表面粗さ Rz は 40μm前後となっており,摩擦係数 が高い要因ともなっている.いずれにしても,掘り起こしの 摩擦力が大きいタイヤほど,摩擦仕事が大きい条件ほど氷が 融け易いものと考えられる.融けた水は,氷とトレッドの接 触面の外側へ排出され,氷路面上で再凍結する. 最後に,本研究の実験では元東京電機大学 4 年生武内俊英 君にご協力いただいた.ここに厚くお礼申し上げる. 4.ま と め レーザ変位計(形状測定器)を用いた氷の凹凸や摩擦痕の 測定において,冷却スプレーを用いた白濁化による計測法は, 測定精度を高くでき,簡便であることから有効な優れた方法 であることが判った.また,正規化タイヤの摩擦痕の解析か ら次のことが明らかになった.(1) 氷の摩擦痕の断面積と摩 擦係数には強い相関があり,摩擦係数の高いタイヤほど氷の 塑性流動や融け水の再凍結が多い.(2)0℃付近のタイヤの氷 上性能向上のためには,掘起し抵抗の割合を大きくすること が重要で,ゴム硬度,サイプ数,表面粗さ等の最適化が必要. 参 考 文 献 (1) 古 島 昭 雄 : ス ケ ー ト の 摩 擦 抵 抗 に 関 す る 研 究 , 雪 氷,Vol.34-№1,p9-14,(1972) (2)太田勇祐,川久保洋一:摩擦痕断面形状測定による氷面摩 擦の解析,日本機械学会北信越支部第 45 期総会・講演会講演論 文集(№087-1),p409-410,(2008) (3) 二瓶光弥,武内俊英:氷結路面の凹凸および摩擦痕の形状 測定法,寒地技術論文報告集 CD-ROM,Vol.29,p208-213,(2013) (4)二瓶光弥,清水健一:0℃付近の氷上におけるタイヤ性能の 考察,自動車技術会論文集,Vol.42,№5,p1015-1020,(2011) (5) オムロン ZG2-WDS22 http://www.fa.omron.co.jp/ (6) 安 藤 泰 久 : マ イ ク ロ ト ラ イ ボ ロ ジ ー 入 門 , 米 田 出 版,p149,(2009) (7)二瓶光弥,清水健一:タイヤの氷上性能への摩擦熱の影響, 自動車技術会論文集,Vol.28,№1,p89-94,(1997)
Lateral displacement of drum (mm)
D efo rm at io n o f i ce (m m ) 165 mm
(a)25 times (Continuation)
(b)25 times (Five times) Lateral displacement of drum (mm)
D efo rm at io n o f i ce (m m ) Ice surface Tire tread
Re-freeze (melted ice)
Fig.16 Influence of the test procedure on resultant sliding marks
0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 0 10 20 30 40 μ 氷の摩擦痕の断面積(mm2) 5回毎μp 5回毎μd 25回連続μp 25回連続μd
Fig.15 Tested results of tire G
Number of times that a tire passes a certain one point on ice
Cr oss se ct io n of sl idi ng m ar k ( m m 2)
Cross section of sliding mark (mm2)
×:μpeak (Five times) ●:μd (Five times) △:μpeak (Continuation) ▲:μd (Continuation) Co ef fic ie nt o f f ric tio n ○: Five times ●:Continuation △: (0 times) (a) (b) B △
自動運転トラックのカント路車線維持解析とモデリング
籾山 冨士男)鈴木 儀匡)杉町 敏之 深尾 隆則 景山 一郎Cant-Lane Keeping Analysis and Modeling for Autonomous Trucks
Fujio Momiyama Yoshitada Suzuki Toshiyuki Sugimachi Takanori Fukao Ichiro Kageyama This paper concerns the modeling of autonomous trucks that run sensing the lateral deviation and relative attitude to the lane of express way. As actual roads consist of cants and curves, vehicles that run the roads are given the lateral forces caused by the cants and curvatures. “Relative Cant” involving the influence of the forces is defined and built in the models. The availability of 3DOF model to simulate an actual truck performs the cant-lane keeping run being given the necessary steering wheel angle calculated by the Algebraic model as a control model.
KEY WORDS: vehicle dynamics, lane-keeping assistance system, dynamic model, Road Cant, Heavy Duty Truck (B1)
.ま え が き 車線維持走行する自動運転トラックの横 運動を模擬して制御則開発の用に供するモ デルとそれを簡単化して制御に用いるモデ ルについて述べる.実際の道路にはカントが ついているので「重力×カント余角」成分で あるカント横力の影響を考慮したモデルが 必要になる.その影響は①軸整列の変化と② 輪整列の変化に顕れる.モデルには適用域が ある.速度や曲率一定の定常域,変化が低速 微小な準定常域,変化が速く大きい非定常域 まで考えられる.上記の①②の変化を構造体 そのものの動きとしてではなく或る諸元の 等価量として(例えば等価コーナリングパ ワ)扱うところから“そのものの動き”とし て扱うところまで考えられる.更に平面モデ ルから立体モデルまで考えられる.ここでは,“変化を諸元 の等価量で扱う準定常の平面モデルの域”までで考える.開 通前の高速道路で実車の挙動を把握してその挙動を表現する 模擬モデルを作成した.その模擬モデルの次数を下げて制御 モデルにした.その効果と限界を報告して次の課題へ繋げる. 年 月 日受理. 年 月 日自動車技術会春季 学術講演会において発表. 先進モビリティ(株)東京都目黒区駒場 (一財)日本自動車研究所茨城県つくば市刈間 東京大学東京都目黒区駒場 神戸大学 兵庫県神戸市灘区六甲台 日本大学千葉県習志野市泉町 .道路の曲率とカント及び車両挙動の実際 図1 に高速道路のカントと曲率及びそこを走行する大型ト ラックのハンドル角,実舵角及び車線相対姿勢角を示す.開 通前の高速道路で実測した.ISO 座標に準拠して曲線は左を 正,カントは右傾斜を正,ハンドル角と実舵は左を正とする. 横軸は 0.5m 毎のインデックスであるから区間の長さは約 9km である.車両は前 1 軸後 2 軸の 25 トントラックである. 全域で“あて舵...”.して車両姿勢をカント山側に向け........て走行し ている.カント山側に向く姿勢をとるためのあて舵...が左カー ブと右カーブで符号の単純反転になっていない.ここにカン ト上ではハンドル中立 ...... が変動 ... することが窺われる.モデルを 評価するチェックポイント(以下 CP)として(1)の直線,(2) の左カーブ,(3)の右カーブ,(4)の左から右への変曲点 S1,(5)