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ファッション雑誌の未来
The next fashion magazine in future
1W070266-2 清水 彩加 指導教員 長 幾朗 教授
SHIMIZU Ayaka Prof CHOH Ikuro
1.
はじめに
近年、雑誌の休刊や発行部数の減少が相次ぎ、
雑誌不況が深刻化している。広告費の減少だけで なく、インターネットの普及により雑誌そのもの の需要も減ってきている。しかし、情報発信コン テンツは今後も必要とされる。ファッション雑誌 の今後の形について考察したい。
2.
ファッション雑誌の現在
紙媒体は『
sweet』 (宝島社)に代表されるよ うに、付録戦略などで購入意欲を刺激した。雑誌 だけが競合でなく、他商品との取捨選択が起こる 中で雑誌独自の価値を探していく必要がある。
一方、デジタル戦略に取り組む企業も増えて い る。 『
SPUR』 ( 集 英 社 ) で は
ARを 体 験 で き るアプリケーションの配信を行っている。また、
『
VOGUE』(
Condé Nast Publications Japan) では紙媒体と同様の内容だけではなく、動画を重 視したアプリ専用コンテンツも制作している。ま た
Webマガジン『フイナム』も
iPhone/iPad対 応アプリを展開しており、上下の写真をスライド させ着せ替えるギミックや、タップでの商品の詳 細情報掲載、動画再生などを提案し、デジタルだ からこそできる表現方法を追求している。
3.
ユーザー発信の増加
ユーザー発信は年々増加し、その中で流行が創 造されることもある。
Twitterのように時系列型 と、ジンのように紙媒体で作品性のあるものにわ かれている。そしてブログが話題になった頃はま だあった受け手と送り手という関係が、
Twitterなどが登場した頃から弱くなり、流動した関係性 になってきている。誰もがどちらの存在にもなり 得る中で、情報を交換できる場の提案が新しい電 子雑誌のキーワードとなる。
4.
電子書籍の動向
電子デバイスは、大きく三つに分類することが できる。
Kindleや
SONY Readerを代表とする 電子書籍専用端末は、軽量で視認性も高いものの モノクロが中心である。
iPadを筆頭にリリース が相次いでいるタブレット端末は、リッチメディ
概要 : 近年、電子出版に注目が集まっている。紙媒体に比して迅速な購読、閲覧性など多くの利点がある一方、著作権の問題などデジタル化への批判も多い。今日の電子出版は、ファッション誌などのマルチメディアに適して いる。また、インターネットなどの電子媒体においては、エンドユーザーがtwitterなどで情報発信することも可 能だが、これらの膨大な情報を処理して保管しきれていない。本研究ではこのような状況において、自身の周辺の 情報を整理・評価し、そして発信することが重要だと考えた。自費出版の「ジンZine」や「ムックMOOK」のよ うな表現手法を参考に、これまで受動的な立場にあった読者も自らの体験などを基に雑誌制作に携わり情報の体系 を作り出し、相互に共有し得る場について提案した。さらに未来の紙、そしてデジタルそれぞれの媒体の特性を生 かした新たな表現とは何かについて考察した。
キーワード : 電子出版、自己出版、ユーザー発信、インタラクティブ Keywords : e-publishing, self-publishing, user sending, interactive,
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現状の課題、およびユーザー発信の電子雑誌の提案
--A current problem, and Proposal of the user sending e-zine-
図1『SPUR』AR 図2『VOGUE』iPhone app
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アコンテンツに適している。その反面、可搬性が 低く、長時間の閲覧にはむかない。その両方のメ リットを上手く取り組んでいるのがスマートフォ ンである。これらは電子出版の普及に直結するわ けではないが、電子書籍マーケットの定着が期待 される。また、雑誌は権利問題が複雑なのが現状 であり、躊躇する出版社もあった中で、日本語へ の対応や、リスクを恐れず販売できるメリットな どを生かしながら、電子出版に取り組んでいく動 きが見られる。
5.
ユーザー発信の電子書籍の提案
そうした現状をふまえ、ユーザー発信の電子出 版制作サイト「
iMOOK」を提案する。
※<Internetを利用してMOOKを展開する、情報発信は私(=I)である>
⑴制作ページ
現在多くの電子書籍に用いられている 「めくり」
のインタラクションの必要性はユーザー自身に委 ねるなど選択肢を与えた。また、レイヤー構造を 用いて、キャッチやクレジットを隠すなどレイア ウト作成、ウェブサイトへの誘導が可能である。
そして、 自身のブログなどからの情報を挿入でき、
流動的な情報を作品化することができる。
⑵共有・購入ページ
MOOK
の共有、 販売、 購入を行うことが出来る。
データか紙を選択して購入することができ、購入 者の希望に応じた展開が可能である。ウェブから 紙への流れを生み出す一つの試みである。
⑶マイページ
作成、購入した
MOOKの表示に加え、
ITEM表示を行える。今まで紙の雑誌では保存方法に問 題があった。お気に入りの部分のみ切り取り保存 出来るなど、一冊の形を壊すことなく、一冊とし ての枠を超え情報を閲覧することを提案する。ま た、 関心度数、 ジャンル、 色ごとなどに分類できる。
6.
おわりに
メディアの変革は常に賛否両論である。電子出 版のビジネスモデルへの不安の声もある。以前
『
FREE』という本が世界中で注目されたように、
デジタルコンテンツは無料という印象が強い。ク オリティの高いコンテンツを維持するためにも、
課金システムを確立することは未来のデジタル産 業を見据えた上で必要である。そうした上で、多 くのコンテンツの制作に挑戦することが新しいメ ディアの創造に繋がる。これからはユーザーが面 白いものを作っていく可能性が広がっている。今 回の提案もユーザー発信をキーワードに展開し た。情報共有のみでなく、そこから派生する関連 情報の共有、深化の可能性も考えられる。このコ ンテンツが正解かどうかもまだわからない段階に あるが、プラットフォームを提案し、そこで新た なコミュニティが創造されることを期待してい る。ページをめくる感覚や情報把握のしやすさや から紙を支持する人もいる。ただ近年は接触時間 の増加からディスプレイでの閲覧にも抵抗はない はずだ。媒体の印象に左右されるのではなく、そ の時自分が望むコンテンツを提供している媒体を 選択していきたい。そして、デジタルだからこそ できることを追求していきたい。
注:図1 集英社
図2 Condé Nast Digital 図4「MADE」制作画面イメージ
図5「SHARE」画面イメージ
図3 スクラップイメージ