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キーワード:ライブ、ストリーミング配信、コメント、賦活化、照明演出

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Academic year: 2021

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10〜200 人規模の室内 DJ イベントにおける 新しい情報連携システムによる賦活化に関する研究 Study on Activization of Live Performance by New Communication System

5112E015-7 戸谷 慧 指導教員 藪野 健 教授

SATORU Toya Prof. KEN Yabuno

概要: 本研究では、視聴者参加型ライブにおける遠隔オーディエンスのテキストによるコメントを活用し、ラ イブの賦活化に寄与するシステムの提案・開発および、実際のライブへの導入を通した会場内外のライブ参加者 からの評価を行う。近年、インターネットを利用したビデオストリーミングサービスの普及により、遠隔地から ライブ中継を視聴しコメントを書き込むことでライブに参加することが可能になっている。本研究では、入力さ れたコメントと照明の色、明滅のパターンを紐付けるシステムを作成し、ライブ会場での照明演出として導入し た。評価実験では、ライブの賦活化への寄与が示唆される一定の評価を得ることが出来た。

キーワード:ライブ、ストリーミング配信、コメント、賦活化、照明演出

Keywords: live performance, streaming, comments, activization, stage lighting

第 1 章 研究の背景と目的

近年、ビデオストリーミングサービスの普及に より、スポーツ、政治、定点観測など様々なコン テンツが配信されており、その中で、音楽ライブ の中継、生配信といった試みも行われている。こ うしたインターネットを通じた動画配信サービ スでは多くの場合、配信と視聴という一方的な行 為に留まらず、視聴者がテキストによるコメント などを発信し、遠隔地にいる視聴者同士、会場内 のオーディエンス、ときにはパフォーマーと双方 向にコミュニケーションをとることが可能とな っている。本論文ではこうした状況に着目し、遠 隔オーディエンスのコメントを活用したライブ の賦活化に寄与するシステムの提案と開発、実際 のライブでの導入を通じたオーディエンスによ る評価実験を行う。

第 2 章 視聴者参加型ライブの現状分析 遠隔オーディエンスの存在は、ライブ全体の賦 活化に寄与しており、ライブ会場へ足を運んでい る従来からのオーディエンスと共に、ライブにお いて無視の出来ない存在になっている。例えば、

実際のライブ会場のキャパシティをはるかに上 回る数の視聴者の存在や、中継視聴料、出演パフ ォーマーやその周辺のアーティストの支援、ライ

ブ情報の第三者への拡散などの例がある。つまり、

遠隔オーディエンスが増えたり、参加意識が高ま ればライブがより活性すると考えられる。

遠隔オーディエンスは Web サービスに用意さ れた、テキストによるコメント機能を使ってライ ブに参加している。視聴者から寄せられるコメン トは、会場内外におけるコミュニケーションの創 発や、第三者へのライブ情報の拡散など、ライブ の賦活化にとって重要な機能を担っているが、こ れをライブ演出に活用することで、会場内におけ るライブの賦活化にも繋がるのではないだろう か。

第 3 章 システムの概要

本研究で提案・開発するシステムは、オーディ エンスとパフォーマーがいるライブ会場への導 入を目指したシステムであり、照明演出を通じて ライブの盛り上げに寄与するものである。視聴者 の反応の方法はこれまで通り、テキストのコメン トによるものを採用し、テキストによるコミュニ ケーション経路を確保することで、前章で挙げた ような利点も活かすことが出来る。システムによ る演出は以下の様な手順で実行される。

① 遠隔オーディエンスがライブ会場の様子を、

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システム上に埋め込まれた中継画面で観ながら コメントをする

② コメントに紐付いた照明演出と同等の演出が 各自の視聴画面に反映される

③ ライブ会場で、コメント内容が照明演出に変 換され表現される

④ 遠隔オーディエンスがその様子を視聴する

(①に戻る)

コメントは書き込まれた順に処理される。コメ ントに対して形態素解析エンジン MeCab を用い て形態素解析を行い、分解されたそれぞれの形態 素についてコメントの後ろから順にデータベー スと照合する。反応表現の同定を行うデータベー スについては Ustream で配信された DJ パフォー マンスを中心としたライブのうち、13 のライブ 配信から 5960 のコメントデータを抽出し、形態 素解析を行い、そこから視聴者の感情やパフォー マンスへの評価を表す 632 語を選定した。

照明による演出表現は、7 種類の照明パターン と 8 つの色の組み合わせによる 56 種類と、スト ロボ表現を併せた 57 種類を用意した。それぞれ の色について、ヨハネス・イッテン著『色彩の芸 術』等 を参考に色彩が表現する心情や言葉をま とめ、データベースに登録した。それぞれの言葉 が持つ意味にマッチする表現を判断し紐付けた。

第 4 章 システムの導入実験と評価

実験は本システムがライブの賦活化に寄与出 来たかどうか評価するために、東京都渋谷区にあ るキャパシティ 50 人程度の会場で 90 分にわたっ て実施した。評価は実験に参加した会場内外のオ ーディエンスへのアンケート調査によって行っ た。実験参加者は会場のオーディエンスが 22 人、

合計視聴数は 134views、最大同時視聴者数は 21 人、視聴者の合計ログイン数が 52 ユーザーであ った。視聴者によるコメントは約 60 分間で 169 件寄せられ、そのうち、約 30 分間のシステム導 入時に演出として使用されたコメントは 15 件で あった。

会場のオーディエンスによる評価をまとめる。

「演出のない時間」 「コメントが掲示された時間」

「照明による演出があった時間」の三つの時間に ついてそれぞれ「1.強くそう思わない・2.そう思 わない・3.どちらでもない・4.そう思う・5.強く そう思う」の五段階評価を行った。結果を表 1 に示す。ここから、本システムが演出として自然 に受け入れられ、ライブの盛り上がりに寄与した ことがわかった。

遠隔オーディエンスによる評価は入力したコ メントに対して照明演出による「反応がない場 合」と「ある場合」を比較する形で行った。平均 点を比較すると、反応がある場合のほうがコメン トをすること自体のモチベーションが上がり、か つ、イベントへの関心が高まるという結果となっ た。また、「どんな言葉を入力した時にどんな照 明演出になるのか楽しみでした。」 「どういう言葉 で照明が変わるのかを探す感じになり面白かっ た。思わぬ照明効果があったりして楽しかったで す。」など、システムの導入がコメントを行う動 機付けにもなることが示唆された。

表 1:

会場内オーディエンスによる評価の平均点

表 2:

会場外オーディエンスによる評価の平均点

注:

*1 MeCab

(http://mecab.googlecode.com/svn/trunk/mecab/doc /index.html)

*2 Ustream (http://www.ustream.tv)

*3 『色彩の芸術(日本語版)』 (ヨハネス・イッテン 著/大智浩、手塚又四郎 訳/株式会社 美術出版社/

1964)

質問内容 演出

なし コメ ント

照明 演出 パフォーマンスに集中できた 3.13 3.17 3.84 演出に違和感を感じた 3.00 2.47 2.06 イベントの盛り上がりに寄与した 2.47 3.94 4.89 非日常性を感じた 2.93 4.00 4.68

質問内容 反応

なし

反応 あり イベントへの関心が高まった 2.89 3.67 実際に足を運びたいと思った 2.89 3.56 コメントするのが楽しかった 2.89 3.44 イベントに参加している実感があった 2.44 3.56

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