監講演録 3 ヨ
「平成6年地価公示者こ∋も、若」
商 ヰ 地閉
庁
士 国藤
調査 博
1.平成6年地価公示に基づく地価動向の特徴
平成6年の地価公示については、今年1月1日現在の全国2万6,000地点の 価格に閲し、3月25日に公表いたしました。まず、平成5年1年間の地価の動向
の基本的特徴ですが、大都市圏においては、住宅地は下落、商業地は頗著な下落と なっています。地方圏におきましては、総じて横ばい、または下落となっています。
大都市圏の住宅地については、特に大都市圏を中心に、前回と比較して下落幅が縮
小しています。また、全国全用途平均で3年連続して下落していること、特に商業 地が顕著な下落を続け、全国平均でも2年連続の2桁下落をしているというのが基
本的な特徴です。それでは、住宅地の動向について、具体的な数字を見てみます。全国平均では、
前回が8.7%の下落に対し、今回4.7%の下落となっています。三大圏の平均 では、前回が14。5%の下落に対し、今回7.3%の下落と大都市圏で特に住宅 地の下落幅の縮小が見られます。一方、地方は、前回が1.7%下落に対し、今回
1.2%の下落ということになり、若干下落幅が小さくなってます。都道府県別で は、住宅地でいちばん下落が大きかった所は、東京都であり、11.4%の下落と いうことで、依然として2桁の下落になっています。一方、上昇がいちばん大きか ったのは、秋田であり、2.2%の上昇です。大都市圏におきましては、東京は2
桁の下落ですが、埼玉、千葉、神奈川、ないしは大阪圏の京都、大阪、兵庫、奈良については、前回までは2桁の下落であったものが、今回はすべて1桁となり、大
幅に下落幅が縮小していることが見てとれます。それ以外の地方については、上げにしても下げにしても、非常に小幅であり、前回同様、今回も、実需に基づく動き
を続けているのではないかと思われます。なお、全国47都道府県の内、前回は、
下落を示した団体が26、上昇を示した団体が21ありましたが、今回は、下落が 27、槙ばいが3、上昇が17となっています。つまり、全体としては、プラスの
所は、ややプラスを小さくし、あるいは、若干のマイナスに転じた所があるということで、商業地ほどではないにせよ、住宅地も若干、不況の影響がでているのでは ないかと思われます。
次に、商業地の動向ですが、全国平均では、前回が11.4%の下落に対し、今
回は11.3%の下落とほとんど変わっていませんが、2年連続2桁の下落という
ことで、地価公示始まって以来ということになっています。やはり、大都市圏の下
落は非常に大きく、三大圏平均が前回の19.2%下落に対し、今回は17.2%
の下落と少し下落幅が小さくなりましたが、それでも平均で2割に近い下落と、非 常に顕著な下落が続いています。一方、地方におきましては、前回の5.6%の下 落に対し、今回は5.9%の下落と若干大きくなっており、やはり地方におきまし
ても不況の影響等が現れているものと思われます。都道府県別には、東京都がやはりいちばん下落幅が大きく、前回が21.9%の下落に対し、22.6%の下落と 若干大きくなっております。なお、今回は、47都道府県全部が下落しており、山 形県の0.3%の下落がいちばん小さい下落幅です。
以上のような数字に閲し、昨年1年間の市況との関連の中で、どう理解している
のかということについて述べたいと思います。大都市圏における住宅地の下落幅が 小さくなった背景としては、特に郊外部等での一次取得者向けのマンション分譲が、昨年1年間、活況を呈したという状況にあり、それに関連するディベロッパーの用
地取得が、相当盛んに行われました。これを反映して、大都市圏の郊外部等において、相当下落幅が小さくなってきたと見ています。一方、商業地につきましては、
全体の背景として、やはり不況、景気の低迷があったと見ています。大都市におい て特に大きいというのは、オフィスの構造的な供給過剰の中で、オフィス賃料等の 大幅な下落が、かつてないぐらい続いており、これが、大都市圏におきましては大 きな下落につながったものと思われます。また、ターミナルからやや離れた商業地 については、地価の高騰期において、例えばオフィス転換期待という形で地価が形 成された場所があり、現在の経済情勢ないしは土地利用の状況を受けて、そうした 転換期待の実現が相当難しいということが、市況に反映しています。すでに一昨年 から、そのような状況は出ていますが、このような形で大きな下落を示した地域が 大都市圏等において含まれており、結果として、大きな下落になったものと思われ
ます。
それでは、各圏域別の具体的な動向について見ていきたいと思います。まず、東
京圏の概況としては、住宅地は全域で下落しており、東京都区部等では年間2桁の
下落となっていますが、前回に比べ下落幅は縮小しています。商業地は、東京都区部で年間2割を超える大幅な下落、その他の地域のはぼ全域で年間2桁の下落とな
っています。このうち、東京都については、住宅地は前回に比べ下落幅は縮小したものの、区部で年間2桁の下落となっており、特に区部都心部では、年間2割を超 える大幅な下落となっています。商業地は全域で年間2桁の下落となっており、特 に区部都心部および区部南西部では、年間2割を超える大幅な下落となっています。
また、下落幅は、昨年後半に入って、区部都心部で拡大しています。神奈川、埼玉、
千葉については、住宅地は全域で下落していますが、前回に比べ下落幅は縮小し、
年間2桁の下落となっている千葉市を除き、全域で年間1割未満の下落となってい
ます。特に、年末にかけて、川崎市でわずかな下落となっています。商業地は全域で年間2桁の下落となり、下落幅は、昨年後半に入って槙浜市の商業地で拡大し、
千葉市の商業地で縮小しています。
東京圏の住宅地は、今回は相当下落幅が縮小しており、特に、郊外部においては、
すべて1桁の下落になっていますが、一方で、区部都心部は24%の下落となり、
非常に大きな下落が続いています。郊外部等においては、一次取得者向けのマンシ ョンの動きが活況を呈し、それに関連する用地取得も非常に盛んでしたが、高価格 帯の物件の動きというのは、やはり依然として低迷を続け、これを反映して、区部
都心部は非常に顕著な下落が続いたわけです。東京圏でのマンション用地取得につ いて、一昨年の初め頃までは、ディベロッパーの方々は、「まだまだ用地取得とい
うふうな気持にはなれません」というのが大半だったわけですが、一昨年の中ごろ
には、供給価格が4,000万円台で可能な所で、用地取得が一部行われるように なったものと思います。これが、一昨年の秋、いわゆる新々価格帯といわれるマン
ション価格の設定がなされたわけです。地価高騰期の非常に高い価格から、一昨年
の春頃に1回下げて、実需がどのぐらい出てくるかを探るような動きがあったわけ ですが、真に至って売れ行きが若干落ち込みました。そして、一昨年の秋に、新々
価格帯のマンション価格の設定で実需を見ていくという動きが出てきて、非常に好 調な売行きを示し、これに沿った形での用地取得が、かなり内側に入ってきたよう に思われます。例えば、一昨年の秋ぐらいから、埼京線の沿線、それも大宮より南
側のエリアが話題の地域となり、昨年の初めぐらいになると、ディベロッパー の間
で、むしろ用地取得の競合というのも一部見られるという動きになりました。昨年 の春前ぐらいになりますと、今回の地価下落期においての新たな用地取得が、都内 にまで入ってきたという感じがしています。足立、練馬、板橋区は、もちろんその 前から若干の動きはあったと思いますが、昨年の初めぐらいからは、用地取得が活 発になってきたものと思われます。但し、これより内側では、高価格帯や中位の価 格帯の供給となるため、二次取得の動きが必ずしも読み切れないというような側面 もあり、用地取得活発という状況には至らなかったものと見ています。また、川崎
市では、10〜12月期は0.5%の下落となっており、年率換算しますと2%の
下落と、非常に小さくなってきていますが、やはり戸建ての堅調な動きが、この10月に入ってやや見えてきたものと思います。中古マンション、新築マンションに 加えて、中古戸建て等の動きも比較的堅調になってきた反映ではないかと見ていま
す。
一方、商業地は前回が19%の下落に対し、今回は18.3%の下落とほとんど
変わっていませんが、区部都心部では28%の下落ということで、前回の22.8%より、もっと大きな下落が出てきています。神奈川、埼玉、千葉等より東京のは うが大きいというのは、先ほど申し上げましたように、神奈川、埼玉、千葉よりは
プラスアルファーの下落を起こす状況というのがあったと見ているところですが、
区部都心部の中でも、もっと細かく見ますと、市況の違いが地価公示の数字にも現
れている部分があると思います。つまり、高度商業地、ビル街区といった中でも、
大手町、丸の内につきましては、昨年1年間で、賃料等も相当下落いたしましたが、
はかの地域ほど大きくはありませんでした。ビジネスの中で、全国展開企業が東京
駅の近くに場所を得ているということの持っ意味合いの大きさが若干出ているのか なと思えるわけです。一方、銀座、新宿、渋谷の繁華街、ビル街区については、昨
年1年間の賃料の下落は非常に大きく、これが市況に反映したということがあろう
と思っています。したがって、大手町、丸の内辺りのビル街区での対前年変動は大
体25%内外の下落でしたが、銀座、新宿、渋谷については、軒並30%台前半ぐ らいの下落の地点が続出したということになっています。
次に、大阪圏の概況ですが、住宅地は全域で下落しているが、前回に比べ下落幅 は著しく縮小しています。商業地は前回に比べ下落幅は縮小したものの、はぼ全域
で年間2割前後の下落となっています。府県別に鬼ますと、大阪府では、住宅地は
全域で下落しているが、前回に比べ下落幅は縮小し、年間2桁の下落となっている 大阪市を除き、全域で年間1割未満の下落となっています。特に、年末にかけて東 大阪で僅かな下落となっています。商業地は全域で年間2桁の下落となっており、特に大阪市では年間2割を超える大幅な下落です。兵庫県及び京都府では、住宅地
は全域で下落しているが、前回に比べ下落幅は著しく縮小し、年間2桁の下落となっている兵庫県阪神地域等を除き、年間1割未満の下落となり、特に昨年後半に入
って、京都府のその他地域で僅かな下落です。商業地は、はぼ全域で年間2割前後 の下落となっています。奈良県では、住宅地は全域で下落しているが、前回に比べ下落幅は縮小し、全域で年間1割未満の下落となりました。商業地は全域で年間2
桁の下落となっているが、下落幅は昨年後半に入って、奈良市の商業地で縮小して います。
このように、大阪圏の住宅地は、その下落幅が著しく縮小しましたが、大阪の中
心6区、神戸市の東部4区といった価格水準の高い所の住宅地については、依然と して下落の割合が大きいといえます。全体の市況としては東京と似たような動きが
大阪にも見て取れますが、大阪の場合は、大阪、神戸、京都と3つの核となる都市
がありますので、東京のように同心円的に出てきません。一次取得者向けの価格帯 のところは、やはり相当動きがよく、高価格帯の場所は大きな下落が続いています。
下落の割合からいきますと、大阪圏のはうが、横ばい圏に半歩早目に近付いている
場所が多いといえます。一方、商業地については、前回が24.2%の下落に対し、
今回は19.1%の下落と2割近い下落であり、やはり、大阪の中心6区では25.
9%という相当大きな下落が続いています。大阪圏の場合は、商業地の非常に大幅 な下落が3回連続しており、前回と比べて少し小さくなったようには見えますが、
下落の割合は東京圏とはとんど変わらず、依然として東京圏と同じような構造が大 阪圏においても当てはまっているものと思います。
名古屋圏につきましては、いわゆる地価高騰期のピークの時期におきましても、
東京、大阪はどは上昇していません。住宅地は、前回の8.6%下落に対し、今回 は6.1%下落となっており、相対的に下落が大きい名古屋市でも、8.6%の下
落と、1桁になっています。商業地は、前回の13.7%の下落に対し、11.5
%下落と若干小さくなり、名古屋市では、15.4%の下落とこの地域の中では相
当大きな下落が出ています。
地方圏については、地方のブロック中心都市である札幌、仙台、広島、福岡を見 てみますと、住宅地は、福岡辺りでは2.5%の下落と、随分と下落幅が小さくな
ってきましたが、札幌、仙台、広島では5%内外の下落です。商業地は、4都市は いずれも2桁の下落となり、札幌、仙台では、むしろ下落幅が前掛こ比べ拡大して
います。仙台では、相当大きな賃料の下落が、東京より遅れて、昨年の後半ぐらい から出てきたという報告もあり、これが、市況に反映しているものと思われます。
三大圏の周辺都市である高崎、甲府、岐阜、大津を見てみると、住宅地は、甲府で
は2%内外、他の住宅地は5%内外の下落であり、特に、大津市は、前回17.4
%下落が5.5%下落と非常に小さくなってきています。これは大阪圏の郊外部と 同じような動きを見せているものと思われます。商業地は、岐阜、大津は2桁の下
落になっています。その他の都市については、山形、下関は、地方におきましては 落ち着いた動きを示している都市です。一方、静岡、岡山のように、県外企業の撤 退、商業関連の企業の倒産といった市況等を背景に商業地等で非常に大きく下落を
示した都市もあります。なお、地方圏の住宅地の下落率上位を市町村単位で見ると、
静岡の熱海と埼玉の熊谷が下落率上位の市町村で出てきます。熱海は、地価高騰期
において、別荘地需要等が非常に大きかったため地価が上昇したものが、最近に至
って、そのような需要の減退したことの反映です。埼玉の熊谷は、新幹線も止まる 所であり、住宅地も相当上がりましたが、県南との相対関係で、やや割高となり比 較的下落しているということです。地方圏の商業地では、明石、熊谷においては、
今のような時期になりますと、その都市が持っている商圏が周りの都市より明らか に狭いということが明確になり、売上も期待したほど上がらないということ反映し
ているものと思われます。
さて、現在の地価の水準は地価高騰前と比べてどのぐらいになっているのでしょ
うか。昭和58年を100として、その後毎年の地価公示の変動率を累積して指数 化してみますと、住宅地は、東京圏では179.1となります。ピークは平成3年
の250.2ですから、ピーク時に比べると、指数で3割弱ぐらいダウンしたこと
になります。大阪圏では176.4であり、ピーク時は平成3年の296.2です から、ピーク時に■比べて4割ぐらい落ちていることになります。名古屋圏が155.
5、地方圏が145.9という状況です。商業地は、東京圏では、210.3とな り、ピークは平成3年の341.2ですから、ピークに比べて4割強落ちているこ
とになります。大阪圏では、191.9であり、ピークは平成3年の388.8で
すから、ピークの半分を少し割っているという状況です。名古屋圏が168.6、
地方圏が151.0となっています。
2.地価公示の指標性
最近は地価公示を発表いたします際に、高いとか、安いというご批判をお伺いす る機会が幸いにして少なくなりました。取引事例の収集・採用については、私ども が任命いたします鑑定評価員、不動産鑑定士が足で最新の取引を集めるわけですが、
これに加えて、指定流通機構(REINS)のデータの活用ということで、大都市 圏のみならず指定都市が存します流通機構にもご協力をいただき、昨年12月ぎり
ぎりまでデータをご提供いただき、それを地価公示に反映させるという形で行っています。これが、皆様方の市場認識と私どもの地価公示価格とのズレが少なくなっ た一つの背景かと思っています。ただし、地価公示というのはどういう価格を出し ているのかが、わかっていない方もおられます。地価公示は、正常な価格を出すと いうことですから、売り手にも買い手にも偏らず、鑑定上、投機的な取引は事例と しては排除していますので、地価高騰期には実勢価格より当然低く出てきます。ま た、公示価格は税の算定の基準になったのだから、収益価格で出さなければ駄目で はないかとご批判をされる方がいますが、それも間違いです。地価公示の出し方は、
まず、取引事例比較法という取引をベースにして、試みの計算を行います。もう1
つは収益価格として、例えばその土地にビルを建てて収益を上げるとしたら、どのぐらいの価格が出てくるかを計算します。この2つを試みの計算を行ったうえで、
いろいろな価格形成要因を東に置いて鑑定士が価格を決定するというのが鑑定評価
のやり方です。収益の試算価格と公示価格との対比については、我々も2年ほど前
から分析を行っており、例えば去年の地価公示では、銀座、大手町、丸の内等の東京の高度商業地は、公示価格に対する試算価格としての収益価格の割合は、9割程 度であり、大阪では8割程度でした。一方で、公示価格は、土地取引の目安である
とともに、公共用地の取得価格の規準としても使われ、国土法の価格審査の規準に もなっています。従って、収益価格で収用すると言っても誰も納得しないわけです。
つまり、収益価格は1つの試みの計算価格であり、それが直ちに市場価格、ないし
は公示価格に結び付かないのです。3.地価公示結果を踏まえた土地政策の方向
「総合土地政策推進要綱」が、平成3年に閣議決定され、この中で、「地価に関
する目標」として、土地の利用価値に相応した適正水準までの地価の引下げ、住宅地については中堅勤労者が相応の負担で一定水準の住宅地を確保し得る地価水準と 書かれています。私どもとしては、これを基本的な枠組みとして、総合土地政策推
進要綱に従い、構造的、かつ総合的な土地政策を着実に推進していくという基本姿 勢を引き続き堅持していきたいと考えています。ただ、総合土地政策推進要綱の中 身は、監視区域の詰もあれば、金融の総量規制という詰もあれば、より長期的な宅
地供給の話、もっと長期的な首都機能、都市。産業機能の分散という詰もあり、非 常に多面的な施策を含んだ対策です。その中で、今回の状況を踏まえて、土地基本 法の理念に沿い、適正かつ合理的な土地利用の確保を図るという観点から、住宅供
給、まちづくりをはじめとする土地の有効利用といったことを重点的に進めていく ということが重要なのではないかと考えています。
ご承知のように監視区域制度につきましては、そもそも機動的、弾力的な運用を
行う制度ということで、昨年の11月に土地局長通達を出し、その後、監視区域制 度で運用していた全国58都道府県。指定市のうち、今年3月までに、半分の団体 が緩和等を行っています。また全体の3割程度は、解除ないしは緩和措置を、この
地価公示結果を受けて講ずるということです。このように、地価取引等の状況を踏まえた運用をやっていくというのが現在のスタンスです。
今回の2月の総合経済対策で取られた様々な税制に関連する措置がありますが、
これはすべて土地の有効利用の促進という観点から講じられている措置であり、国 土庁の土地行政の姿勢の流れに沿ったものだと理解していただきたいと思います。
一般的に税制についてすべて緩和していくのかということになると、全体の都市政
策の目標等から見てどう理解すべきかという議論が当然必要になると考えられます。
基本的には、着実な制度の定着を図る必要があると考えています。
国土庁で行っています有効利用促進措置、有効利用対策としては、去る2月に都
心部の土地有効利用対策として、東京都心部の土地有効利用促進協議会を設置しました。建設省とも足並みを揃えて、国土庁、建設省、東京都、都心の8区等で集ま
り、低未利用地を都心居住の推進、ないしは住み良いまちづくりと結び付けていく方策として協議会を動き出させているところです。具体的な場所で実際に利用され る方と、いろいろな事情で低未利用地に残っている土地を、協議会という場を通じ て、ないしは土地利用転換計画を策定するプロセスの中で結び付けていくという対 策を重点的に講じていきます。これは、総合経済対策にも触れられましたし、民間
都市開発推進機構の5年間の5,000億円の用地の取得という対策とも連携を取
りながら、対応していきたいと考えているところです。4.今後の地価動向に関する見方
今後の地価動向については、私どもは、市場当事者である不動産関係の団体の方 々等からのヒアリング、各県の土地対策の担当部局、ないしは不動産鑑定士の方々 との情報交換を行っておりますが、これらを通じて、大方の見方ということで話を させていただきます。
まず1月1日から現在までは、三大都市圏では、住宅地は、引続き下落しっっ下
落幅の縮小ないしは一部地域で横ばいの傾向が見られ、商業地につきましては、昨年後半同様の下落を示しているというのが大方の見方であります。そして、今後の 動向ですが、ヒアリング結果等から申し上げると、地価動向の前提となる不動産市
場については、景気の先行きが不透明な中で、高価格帯の物件や商業地の取引は低 調なまま推移するだろうということです。一方、一次取得者層の取得能力に見合っ た価格帯のマンションの分譲は引続き活発な状態で推移する。これに加えて、中位 の価格帯の戸建て住宅の取引は、堅調な動きを示すものと見られています。中位の
価格帯というのは東京圏で言えば、8,000万円ぐらいでしょう。今年に入
ってからの動きとしても、いわゆる建売住宅等については明確な統計があまりないので すが、東京圏でもマンションでは、ある一定の価格帯を超えてしまうと分譲率が落
ちるという傾向があるのに対し、戸建て住宅については、8,000万円を超えた から急に分譲率が落ちるという状況でもなくなっていると聞いています。
このような状況から、地価の動向は、当面今年の夏過ぎぐらいまでは、次のよう な動向ではないかとみられます。大都市圏の住宅地は、中心部等以外の地域では、
横ばいないしはやや下落となり、中心部等では引続き下落傾向を示すというのが大 方の見方です。商業地では、→部地域では下落幅が縮小するものの、下落傾向を続
けるということです。この「一部地域」というのは、路線商業的なエリアで、次第
にマンション供給価格に近付きっっある所等が考えられます。そのような地域では、
住宅地の変化と同じような変化になり、従来の下落よりなだらかになっていく可能 性があるわけです。
本日の私からの話は以上にさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
㊨ 第11回講演会1994年3月28日 於:カンダ。パンセ
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