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▼ 演習問題

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Academic year: 2021

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(1)

▼ 前回の講義の概略

y(n)+an−1(t)y(n−1)(t) +· · ·+a1(t)y(t) +a0(t)y(t) =f(t)

の形の微分方程式を(単独)n階線型常微分方程式と呼ぶ. 特に, f(t)0 の時,斉次, そうでない とき,非斉次と呼ばれる.

つまり,常微分方程式が線型であるとは,未知関数y とその微分y(k)に関して線型(一次)であるこ とを言い,係数などの関数ak(t),f(t)の形を問わない.

1階斉次線型常微分方程式

y(t) +a(t)y(t) = 0 (4.1)

は,変数分離形と考えることができ,その一般解は y(t) =Cexp

a(t)dt

である. なお,t=t0 における初期条件を課したときには, A(t) =

t

t0

a(t)dt とおき, 方程式の両辺にe−A(t)をかけると,

d dt

eA(t)y(t)

= 0 と書けるので,これを[t0, t]で積分することにより,

eA(t)y(t) =eA(t0)y(t0) =y(t0) となり, 解は

y(t) =y(t0)e−A(t) と書けることがわかる.

1階非斉次線型常微分方程式

y(t) +a(t)y(t) =f(t) (4.2) を解くためには,2つの方法が広く知られている. 以下では,A(t)はa(t)の原始関数の1つとする.

1. 対応する斉次方程式の一般解

y(t) =Ce−A(t) の未知定数C を関数と考え,

y(t) =C(t)e−A(t) (4.3) の形の解を探すことを考える. このとき, (4.3)を (4.2)に代入すると,

C(t) =f(t)eA(t) となるので,これはただちに積分できて,

C(t) =

f(t)eA(t)dt+C

(2)

となる. (ここで,積分定数C を明示的に書いた.)したがって,求めるべき解は

y(t) =

f(t)eA(t)dt+C

e−A(t)=e−A(t)

f(t)eA(t)dt+Ce−A(t) となる. この方法を定数変化法と呼ぶ.

2. 方程式(4.2)の両辺にeA(t)をかけると d dt

eA(t)y(t)

=f(t)eA(t) (4.4)

となる. この式の両辺を積分すれば, eA(t)y(t) =

f(t)eA(t)dt+C となり, 求めるべき解は

y(t) =

f(t)eA(t)dt+C

e−A(t)=e−A(t)

f(t)eA(t)dt+Ce−A(t)

となる. ここで,A(t)をA(t0) = 0となる原始関数を取り, (4.4)の両辺を[t0, t]で積分すれば,

eA(t)y(t) =

t

t0

f(t)eA(t)dt+e−A(t0)y(t0), y(t) =e−A(t)

t

t0

f(t)eA(t)dt+e−A(t)y(t0), となり, 初期条件の寄与が明確となる.

斉次1階線型常微分方程式 (4.1)の解は以下の性質をみたす.

1. y(t)0は (4.1)の解である.

実際にy(t)0 を(4.1)に代入して確かめればよい.

2. y(t)が (4.1)の解ならば,任意のλ∈Rに対して,λy(t)も (4.1)の解となる.

λy(t)を(4.1)に代入すれば,

(λy(t))+a(t)(λy(t)) =λ(y(t) +a(t)y(t)) = 0 となるので,λy(t)は(4.1)の解である.

3. y1(t),y2(t)が(4.1)の解ならば, y1(t) +y2(t)も(4.1)の解となる.

y1(t) +y2(t)を(4.1)に代入すれば,

(y1(t) +y2(t))+a(t)(y1(t) +y2(t)) = (y1(t) +a(t)y1(t)) + (y2(t) +a(t)y2(t)) = 0 となるので,y1(t) +y2(t)は(4.1)の解である.

これを重ね合せの原理とよび,このことから, (4.1)の解全体の集合は,R上の関数全体のなすベクト ル空間の中の線型部分空間となることが示される. なお, (4.1)の解全体の集合は

{λeRa(t)dt:λ∈R}

(3)

非斉次1階線型常微分方程式(4.2)の解は以下の性質をみたす. 以下では,Y(t)は対応する斉次方程 式 (4.1)の解とする.

y(t)が (4.2)の解であるとき,任意のλ∈Rに対して,y(t) +λY(t)も (4.2)の解となる.

いま,y(t)は(4.2)の解であり,Y(t)は(4.1)の解であるので, y(t) +a(t)y(t)−f(t) = 0, Y(t) +a(t)Y(t) = 0 をみたす. 第2式にλをかけて第1式に加えれば,

y(t) +a(t)y(t)−f(t) +λ(Y(t) +a(t)Y(t))

= (y(t) +λY(t))+a(t)(y(t) +λY(t))−f(t) = 0 となり, y(t) +λY(t)は (4.2)の解であることがわかる.

このことから, (4.2)の解全体の集合は,

「(4.2)の解全体の集合」=「(4.1)の解全体の集合」+「(4.2)の一つの解」

と書けることがわかる. 実際, (4.2)の解は

y(t) =Ce−A(t)+e−A(t)

eA(t)dt

=「(4.1)の一般解」+「(4.2)の一つの解」

と書けている.

「同次形」

y(x) =f y(x)

x

の形の微分方程式を同次形と呼ぶ. 同次形の微分方程式は,z(x) =y(x)/xとおくことによって,z(x) に関する変数分離形となる.

「ベルヌーイ型」

y(t) +P(t)y(t) =Q(t)(y(t))m, m≥2

の微分方程式をベルヌーイ (Bernuilli) 型と呼ぶ. z(t) = (y(t))1−m とおけば z(t) + (1−m)P(t)z(t)(1−m)Q(t) = 0 となり, 1階線形微分方程式に帰着できる.

「リカッチ型」

y(t) =P(t)(y(t))2+Q(t)y(t) +R(t)

をリカッチ (Ricatti)型と呼ぶ. リカッチ型微分方程式は,一般的には解けないが,一つの解ϕ(t)が 見つかれば,z(t) =y(t)−ϕ(t)と置くことにより,一般解を求めることができる. 実際,

z(t)(2P(t)ϕ(t) +Q(t))z(t) =P(t)(z(t))2 となり, m= 2のベルヌーイ型に帰着できる.

(4)

▼ 演習問題

問題4.1 (各小問ごと), 4.2 (各小問ごと)を解答したときの加算点は1点,それ以外の加算点は以下の通

りとします. 問題 4.3 : 2点,問題4.4 (1) : 2点,問題4.4 (2) : 2点,問題4.5 : 2点,問題4.6 : 2点,問題 4.7 : 4点.

Exercise 4.1 次の常微分方程式の一般解を求めなさい.

1. (3x2+y) + (x+ 2y)dy dx = 0.

2. (2xex2+ siny) +xcosydy dx = 0.

3. (2xlogy+y

x) + (logx+x2 y )dy

dx = 0.

4. (ysec2x+ secxtanx) + (2y+ tanx)dy dx = 0.

5. (2xcosy+ 3x2y) + (x3−x2siny−y)dy dx = 0.

Exercise 4.2 次の方程式が完全形となるような定数aを求め,方程式を解きなさい.

1. (x+ye2xy) +axe2xydy dx = 0.

2. (eax+y+ 3x2y2) + (2yx3+eax+y)dy dx = 0.

Exercise 4.3 次の微分方程式が完全形となるような関数f(x)を求め, それらのf(x)について方程式を 解きなさい.

y2sinx+yf(x)dy dx = 0.

Exercise 4.4 次の常微分方程式の積分因子を求めて一般解を求めなさい.

1. ey2/2+ (2y2+ 2xy+ 1)ey2/2dy dx = 0.

2. (3xy+ 2y2) + (2x2+ 3xy)dy dx = 0.

Exercise 4.5 微分方程式

(exsecy+ tany) +dy dx = 0

は, 定数aを含む e−axcosy の形の積分因子をもつことが知られている. このaを求め, 方程式を解きな さい.

Exercise 4.6 微分方程式

M(x, y) +N(x, y)dy dx = 0 について,

Q(y) = 1 M

∂N

∂x −∂M

∂y

が成り立つとき,すなわち,この式の右辺がxに依存しないとき,この微分方程式は積分因子 µ(y) = exp

Q(y)dy

(5)

Exercise 4.7 R2\ {0} 上で定義された1 次微分形式 ω = y

x2+y2dx+ x x2+y2dy について,以下を示しなさい.

1. R2\ {0}上では ωは閉である.

2. R2\ {0}上で定義された関数 ϕ

∂ϕ

∂x = y x2+y2,

∂ϕ

∂y = x x2+y2,

となるものは存在しない. (存在するとしたら矛盾が生じることを示しなさい.)

▼ 前回の演習問題の訂正

Exercise 3.1.5

(1 +t3)−1y(t) + 2t2y(t) =t2.

Exercise 3.4

1階線形常微分方程式

y(t) +ay(t) =f(t)

ただし,a は正の定数とし, 関数ft∈Rで連続かつt→ ∞ で0 に収束すると仮定する. このとき, こ の微分方程式の全ての解はt→ ∞で 0に収束することを証明しなさい.

参照

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