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理学科化学コースの取組み

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Academic year: 2022

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理学科化学コースの取組み

理学科化学コース 神 山 匡

“東大阪モノづくり技術者育成プロジェクト”の一環 として,化学コース開講科目の「自校学習」および「卒業 研究ゼミナール」においてモノづくりの現場で働く技術者 を講師として招聘し,現場で求められることや大学時代に 学ぶ上での心構えについて講演会を行った.

○「自校学習」(前期)

自校学習は,学生が本学の歴史と伝統および今後の展望 を知り,大学の一員としての自覚と誇りを持つと共に,自 ら学ぶ意欲と習慣を身につけ大学生活を設計する科目で ある.講演会では,本学の化学科(化学コースの前身)を 1977 年に卒業された楢原 隆 氏にお越しいただき,自校 学習の受講生(一年生),就職活動中の四年生や大学院生 を対象に“モノづくり”と“大学”,“就職活動”について講演 していただいた.楢原氏は制御プログラムの作成や管理を 行う有限会社直樹の社長であり,化学分野とは異なるモノ づくりの現場で活躍されている先輩である.

日 時 2009年6月25日(木)14:50-16:20 場 所 22号館101教室

参加人数 学部生55名,院生 6名,教員 4名

Fig. 1 講演会の案内ポスター

講演ではまず,モノづくりの現場では“コスト感覚”が 大切であることが話された.学生にとっては授業で行う化 学実験などをコスト面から考えるという機会は無く,新鮮 な様子であった.また,社会に出て働くということに触れ,

「アルバイトなどを始めたばかりの一年生は対価である 給与にばかり目が行きがちであるが,貴重な学生時代の時 間を売っている.“働く”ということは“給与対価”とし て自分の時間を売る”ことだ」と学生に向けて述べられた.

また,働くということは責任を伴う(結果が要求される)

ものであり,“プロ意識”を持つことが重要であると述べ られた.

講演後に“モノづくり”や“社会に出る”にあたって大 学時代に求められることについて意見交換が行われ,楢原 氏は「人を見る目」を養うことが重要であると述べられた.

また,「考え方」を養うことも重要であり,一つの事柄を 多くの視点で考えられることが重要であると学生たちに 語られ,講演会と意見交換会を終了した.

授業後のアンケートからは,「OB の話を聞けて本学で 学ぶ意味が分かった気になった」,「社会に出るまでに実力 を付ける必要があることが分かった」,「“モノづくり”の 楽しさや難しさが分かった」などの意見があった.一年生 にとっては,“モノづくり”を通して社会に触れたことで,

大学での勉学への動機付けとなったものと思われる.

Fig. 2 講演者 楢原 隆 氏(有限会社直樹 社長)

(1977年 化学科卒)

Fig. 3 会場の様子

(2)

○「卒業研究ゼミナール」(後期)

卒業研究ゼミナールは学部三年生の進路を決定する上 で各研究室の研究内容をゼミ形式で学ぶ科目である.講演 会では,学部三年生および大学院生を対象に,“モノづく り”の現場で働く技術者から,“モノづくり”,“化学”,

“就職活動”について講演していただき,“モノづくり”

を通して社会で働くことの意識の確立と卒業までに学ぶ べきことの再確認を目標とした.

講演者の紀本岳志 氏は大気,水質,海洋などの環境計 測機器の製造,販売を行う紀本電子工業株式会社の社長で あり,環境分析系での“モノづくり”の現場で活躍されてい る技術者である.

Fig. 6 会場の様子1

日 時 2010年1月15日(金)16:30-18:00 場 所 22号館101教室

参加人数 学部生 59名,院生 6名,教員 3名

Fig. 7 会場の様子2

ことではないが,与えられる情報をどのように解釈し,利 用するかが個人の能力として問われることになると述べ

Fig. 4 講演会の案内ポスター られた.

講演会の後半では,“モノづくり”と“学問”の成り立 ちについても述べられ,「ギリシア時代には“学問”とは 最高の“暇つぶし”であり,学生の皆さんは今まさにすば らしい環境で暇つぶし(学問)が出来る時期なのだ.」と 歴史を交えて述べられた.社会に出る前に色々なことを楽 しんで学び,“化学”を“化楽”とすることが重要である として講演会と意見交換会を終了した.

講演会後に行ったアンケートでは

“何に対しても知りたいと思う気持ちが大切だと思った”

“原点を知ることで未来につながると思った”

“新しい概念や価値観が得られた”

“「なんでやろう?どないしよう?ほんまかいな?」など 疑問に思うことが大切だと感じた”

Fig. 5 講演者 紀本岳志 氏

“モノづくりに携わる人の色々な意見を聞けて良かった”

(紀本電子工業株式会社 社長)

などの意見が見られた.

講演は紀本氏の学生に語りかけるような口調で始まり,

人類史における“モノづくり”とはまず“発明”であり,

常に「なんでやろう?どないしよう?ほんまかいな?」と 好奇心を持つことが重要であると述べられた.そのために も,他人の意見を絶対視しない自己を持つ必要があるなど,

就職活動や社会で要求されることについて学生に質問を 投げかけながら述べられた.また,“モノづくり”に限る

○まとめ

学生にとって“モノづくり”の現場で活躍する人の目 を通した“モノを作る”,“学ぶ”,“働く”ことの意義と重要 さを考える貴重な機会になったと思われる.本プロジェク トの成果を数値化することは難しいが,今後の学生の勉学 意識や就職活動に良い影響を与えていることを期待する.

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