す こ や か な 更 年 期 の 過 ご し 方
愛 知 医 科 大 学 産 婦 人 科
卵 巣 か ら の 女 性 ホ ル モ ン で あ る エ ス ト ロ ゲ ン 分 泌 は 4 0 才 頃 か ら 低 下 し 始 め 、 5 0 才 頃 か ら 測 定 感 度 以 下 と な り 、 閉 経 後 の エ ス ト ロ ゲ ン 濃 度 の 低 下 は 様 々 な 疾 患 を 発 症 さ せ る 。 ま ず 、 最 初 に 現 れ る の が ホ ッ ト フ ラ ッ シ ュ や 発 汗 な ど に 代 表 さ れ る 更 年 期 障 害 で あ り 、 閉 経 前 後 の 時 期 か ら 発 症 す る 。 ま た 閉 経 後 1 0 ~ 2 0 年 経 過 し て か ら 、 心 筋 梗 塞 や 脳 卒 中 な ど の 心 血 管 疾 患 や 骨 粗 鬆 症 の リ ス ク が 高 ま る こ と も 知 ら れ て お り 、 こ れ ら の 疾 患 群 も エ ス ト ロ ゲ ン 欠 乏 と 密 接 に 関 与 し て お り 、 閉 経 時 か ら の 検 査 や 予 防 が 重 要 で あ る 。 ホ ル モ ン 補 充 療 法 と は 減 少 し た 女 性 ホ ル モ ン を 補 う 治 療 で あ り 、 更 年 期 障 害 の 治 療 に は 極 め て 効 果 的 で あ る が 、 そ れ 以 外 に も 動 脈 硬 化 や 骨 折 の 予 防 効 果 を 有 す る こ と が 注 目 さ れ て い る 。 1 9 9 0 年 代 、 ホ ル モ ン 補 充 療 法 は 米 国 で 3 0 ~ 4 0 % の 閉 経 後 女 性 が 心 血 管 疾 患 発 症 予 防 の 目 的 で 使 用 し て い た 。し か し 、2 0 0 2 年 に 発 表 さ れ た 臨 床 試 験 に よ り 、 ホ ル モ ン 補
充 療 法 の 有 害 事 象 の み が 取 り 上 げ ら れ 、 ホ ル モ ン 補 充 療 法 の 適 応 が 制 限 さ れ る よ う に な っ た 。 し か し 、 最 近 の 研 究 に よ り 、 副 作 用 の 少 な い ホ ル モ ン 補 充 療 法 の 方 法 が 明 ら か に な っ て き た 。 ホ ル モ ン 補 充 療 法 に は 経 口 と 経 皮 の 製 剤 が あ る が 、 経 口 に 比 較 し て 経 皮 製 剤 は 副 作 用 が 少 な く 、 し か も 、 エ ス ト ロ ゲ ン の 有 益 効 果 を 十 分 発 揮 で き る こ と が わ か っ て き た 。 ま た 、 最 近 の 報 告 に よ り 5 0 才 代 で の ホ ル モ ン 補 充 療 法 の 開 始 は 心 血 管 疾 患 リ ス ク に 有 益 で あ る こ と も わ か っ て い る 。 本 会 で は 、 閉 経 後 の 女 性 ホ ル モ ン の 低 下 に 伴 い 発 症 す る 疾 患 群 や 、 副 作 用 の 少 な い ホ ル モ ン 補 充 療 法 の 使 用 方 法 を 中 心 に 講 演 す る 予 定 で あ る 。