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2 名の障害幼児と訓練者の三者遊び場面における相互交渉の変容

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Academic year: 2021

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2 名の障害幼児と訓練者の三者遊び場面における相互交渉の変容

一動作法における個々の訓練効果との関連性一

障害児教育専攻 池内 奈津子

1 .問題と目的

本研究では,障害幼児2名個々に動作法を行 った後,訓練者を含む三者での自由遊び(マペ ット人形を使用)を一定期間継続的に行うD そ して各場面の相互交渉の変容を分析することに よって,動作法による訓練効果と三者遊び場面 における相互交渉との関連性を明らかにするD

II. 研究方法 1 .対象児及び訓練者

対象児 (A児):女児。 3歳9か月O 知 的 障 害(ダウン症候群)。歩行の際に撞に体重が残 りすり足になる。大人との関わりは良好である が子ども同士で遊ぶことはほとんどない。

対象児 (B児):男児。 3歳 10か月D 知的障 害(ダウン症候群)。歩行の際に撞に体重が残 りすり足になるが,急ぐと腰を引き,つま先に 体重がのりはねるように歩く。ひとり遊びが多

く他児からの働きかけには関心を示さない。

訓練者:筆者(大学院生・女性,動作法によ る指導経験は1年)であるD

2.指導内容

1 )動作法による訓練

「膝立ち位姿勢保持J,

r

立位姿勢保持J(A児, B児共通)

2)三者遊び

A児 B児と訓練者がそれぞれの手にマベッ ト人形を入れ,人形を介して会話や身ぶりでや りとりをする遊びを行う白訓練者は, A児 B

指導教官 安 好 博 光

児 と の 相 互 交 渉 を 促 進 す る よ う な 働 き か け を し,訓練者とA!A, B児の三者がかかわった遊 び,

A 9 E

, 

B

児の子ども同士での遊びが展開出 来るようにする凸

3.指導期間・場所

平成 15年5月から 11月までの7か月間に渡 り対象児の通園する施設にて週2回程度,計25 回実施された。

4.分析の視点

1 )動作法による訓練

(1)訓練課題遂行時間の変容 (2)姿勢補助パターンの流れの変容

(膝立ち位姿勢保持・立位姿勢保持) (3)嫌がりの変容

(膝立ち位姿勢保持・立位姿勢保持) 2)三者遊び

(1)各児のターンの変容 (a)対象者別ターン数の変容

(b)他児への系列内,系列外別ターン数 の変容

(c)他児へのターンの内容別頻度の変容

( 2 )

相互交渉系列の変容

(a)ターン対象者系列汚Ij系列数の変容 (b)各ターン対象者系列における最高タ

ーン数の変容

(c)各ターン対象者系列における開始者 の変容

(d) 

A‑B‑T

系列

A‑B

系列におけ

‑224‑

(2)

るターンの内容別頻度の変容 (e) A ‑B ‑ T系列 A ‑ B系列におけ

るターンの発信と応答の関係の変容 ill. 結果と考察

A児の動作法による訓練では,訓練開始当初,

訓練者の補助からの逃げ,泣きによる嫌がりを 示したD その後訓練者の働きかけを少しずつ受 け入れるようになり, 9, 10回には課題に対 して意欲的に取り組めるようになったため,声 かけのみで姿勢保持が可能になり課題が飛躍的 に上達した。 14回からは 新しい課題を取り 入れたが,このことが新たな嫌がりを生み訓練 中期の停滞期に入った。その後 21回には,嫌 がりが減少し課題が上達し 訓練前に泣いてい ても自分の感情をコントロールし課題に取り組 めるようになった。訓練者はA児自身が成功経 験を積めることを大切にした補助を心がけた。

B児の動作法による訓練では,訓練開始当初,

脱力による嫌がりを示したが,その後受け身的 に訓練者のするがまま補助を受け入れたため一 時的に課題が上達した。 6回からは,身体を動 かし補助から逃げる嫌がりが多くなった。 11 回から嫌がりの減少により上体が安定したため 補助を徐々に離し課題が上達した口 20回から は

B

児が自ら身体に力を入れて立ち上がるあ るいは姿勢保持が出来るようになりさらに課題 が上達した。訓練者は補助部位を減らしB児自

らが課題を遂行出来るように心がけたD

三者遊びでは,初期に両児ともひとり遊びが 多かったD 訓練者は,遊び方の傾向を把握し,

個別に遊ぶことが多かった凸 5回は B児が攻 撃的な関わりをしたことがきっかけとなり,遊 びの場面に相手が存在していることへの気づき

となったo 9回からは,遊び的関わりが増加し,

A児とB児のやりとりが頻繁になったD その後

14回から,亘接的な関わりの停滞期に入った

が,お互いの遊びを観察して自分の遊びに取り 入れ,新しい遊びを開拓する時期でもあった022 回からは,三者遊び,子ども同士での遊びが多

くなったD これは訓練者が直接相互交渉の対象 者とならず見守ることが多くなったこととA 児

B

児が相手へ働きかける力と相手からの働 きかけを寛容に受け止め,相互交渉へ発展させ る力がついたといえるD

N.全体考察

A児の訓練効果 B児の訓練効果,三者遊び 場面における相互交渉の変容の時期的な関連性 を見ると,大きく分けて五つの時期に分けるこ

とが出来た。 1期は A児 B児とも訓練を嫌 がり,三者遊びでも各々がひとり遊びをした時 期 11期は, A児は課題が上達し B児は自分 の意思を身体を通して表し,三者遊びでは相手 の存在に気づいた時期,画期は A児 B児共 に課題に意欲的に取り組み,三者遊びではお互 いを遊び相手として認識した時期, N期ではA 児が訓練の停滞期で 三者遊びでは直接的な関 わりは停滞するが新しい遊びの開拓が行われた 時期, V期は,両児の訓練が上達し三者遊びも 発展した時期であった凸

以上から次の三つのことが明らかとなった白

①訓練が変容した後,三者遊びが変容するかあ るいは両場面の変容が同時期に現れ,両場面の 発達が相互に影響しあう,②大人との一対ーの 相互交渉が子ども同士の相互交渉の基礎になる が子ども同士の遊びの場に大人の適切な関わり があってこそ子ども同士の相互交渉が促進され る,③相互交渉の発達が右肩上がりの直線を描 くのではなく,一度獲得した力をさらに高める ための準備期間があり階段状に発達していく,

の三つが明らかとなったD

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