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学生論文賞受賞論文 要約 移動時間コスト関数を考慮した時間枠つき配送計画問題に対する局所探索法

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Academic year: 2021

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■学生論文賞受賞論文

移動時間コスト関数を考慮した時間枠つき配送計画問題

に対する局所探索法

橋本 英樹

(京都大学工学部情報学科 現所属・同大学大学院情報学研究科数理工学専攻修士課程) 指導教官 茨木俊秀教授 に区分線形関数とし,また,′<0ではか(′)=+∞と 恥(′)=+∞を仮定して,各客のサービス時刻は0以 降で,移動時間は0以上であるとする.区分線形関数 の各区分の情報は入力データとして明示的に与えられ る.また本研究では,特に断らないかぎり恥は凸関 数であるとする.目的関数は,車両の移動距離,時間 枠コスト,車両の容量超過量,および移動時間コスト の重みつき和である. ここで,車両々が訪問する客数を乃烏,車両々のル ート内の客の順列を♂烏=(♂烏(1),♂烏(2),…,♂烏(乃烏))と記 し,全車両のルートを♂=(♂1,♂2,…,♂m)で表す.さ らに,封を客グでのサービス開始時刻,S呈を車両点 がデポに帰還する時刻とし,β=(ぶ1,S2,…,5乃,葺,Sぎ, …,5蔑)とする.すべての車両は時刻0にデポを出発 するものとし,便宜上50=0と定義する.以上を用い て,配送スケジュールは(♂,β)で与えられる.

3.最適サービス時刻決定問題

本研究では,車両のルート♂を4節で述べる局所 探索法で探索するが,車両のルート♂が決まっても, さらに各客のサービス時刻を最適化する問題を解かな ければならない.この間題は車両ごとに独立である. 各車両々∈〟に対し, 乃々 J息m(β)=∑如月(力)(ざ♂々(九))+加(∫宕) 烏=1 J!貞一1 舐m(g)=∑恥々(姑J彪(姑1)(∫J々(姑1)−S♂榊)) ん=0 +恥々(花々),。(s…−ざJ烏(乃烏)) を定義する.車両々に対する最適サービス時刻決定 問題は, minimize 少&m(s)+q&m(s) subjectto s∈Rn+m と定義される(Rは実数集合). 本研究では,まず理論的結果として,移動時間コス ト関数恥(f),(グ,ノ)∈Eと時間枠コスト関数か(オ),才∈ 1.はじめに 配送計画問題は,様々な制約条件の下で,複数の車 両を用いて全ての客をちょうど1回ずつ訪問するよう な経路の中で,コストが最小のものを求める問題であ る.この間題はNP困難であるため,現実的な方法 として種々の近似解法が提案されている[1].通常, 制約条件として各車両の容量制約と時間枠制約が取り 扱われる.容量制約とは,客の要求量の総和が車両の 容量を超えてはいけないというもので,時間枠制約と は,客が指定する時間枠内にサービスを開始しなけれ ばならないというものである.本研究では,さらに移 動時間を考慮制約として考える.すなわち,現在の客 から次の客への移動時間を変数と考えて,移動時間に 対するコスト関数を導入する.移動時間には,荷おろ しなど,客にサービスを行う時間も含まれる.本研究 の狙いは,移動時間を変数と考えることで,移動で多 少無理をしても,他の重要なコストを大幅に削減でき るような柔軟性の高い配送計画を可能にすることにあ る.

2.問題定義

節点集合Ⅴ=(0,1,…,乃)と枝集合E=((オ,ノ)l才,ノ∈ Ⅴ,オ≠ノ)をもつ完全有向グラフG=(Ⅴ,且)と車両集 合〟=(1,2,…,椚)を考える.ここで節点0はデポと 呼ばれる特殊な節点であり,また,他の節点はサービ スを受ける客を表す.客Z∈Ⅴ,車両々∈〝,枝(オ,ノ) ∈Eには以下のデータが与えられる. ・各g∈Ⅴ\(0)のサービス要求量の(≧0),および サービス開始時刻Jに対する時間枠コスト関数 か(′)(≧0). ・車両々の容量〟烏(≧0). ・枝(才,ノ)の距離ゐ(≧0),および移動時間≠に対 する移動時間コスト関数恥(′)(≧0). 時間枠コスト関数かと移動時間コスト関数恥は共 2003年12月号 © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず. (69)945

(2)

Ⅴが一般である場合,最適サービス時刻決定問題は NP困難であることを示した.しかし,移動時間コス ト関数恥が凸の場合は,動(′)が一般であっても,動 的計画法に基づいて多項式時間で解くことができる. NP困難性の証明は省略するが,以下に動的計画法の 概要を紹介する. 車両ゑが時刻′に客♂ゑ(ゐ)のサービスを行うとし て,それ以前の客♂烏(0),♂烏(1),…,♂烏(ゐ)をすべてサー ビスするのにかかる移動時間コストと時間枠コストの 総和の最小値をガ(J)と定義し,前向きコスト最小関 数と呼ぶ.また,簡単のためカ羞(才)=如々(力)(オ),百出) =恥烏(姑♂た(姑1)(′)と記す.ガ(才)は漸化式 表1これまでの最良解との比較

d5um f) Q 目

RlOl 1616.54 0.58 0.12 1623.52 1645.79 RlO2 1422.78 0.73 1.54 1445.47 1486.12 RlO3 1174.57 3.23 1.42 1221.16 1292.68 本研究のアルゴリズムをこのベンチマーク問題に適 用するために,時間枠コスト関数か(f)と移動時聞コ スト関数恥(′)を 10(eど−′),f<eg O, eど≦∼≦Jf lO(仁ノブ),Jg<J +∞, ′<0.9毎 10(わーf),0.9′む≦J<わ 0, ∼む≦′ か(才)= 恥(′)= +∞,f≠0 0, ′=0 臨ヨqE−迅 ガレ)=♪附)+専n(且1(′′)+す芳一1(卜用 1≦ゐ≦乃烏+1,−∞<′<∞ によって計算できる.これらを用いると,ルート♂烏 の時間枠コストと移動時間コストの総和の最小値は minf戊+1(J)によって得られる.

4.局所探索法

局所探索法は,現在の解♂の近傍内に♂より良い 解があればそれに置き換える,という操作を反復する ものである.本研究では近傍として,クロス交換近傍, 2−Opt*近傍,およびルート内挿入近傍の3つを組合 せて用いる.まずクロス交換近傍であるが,これは, 異なる2つのルートそれぞれからパスを選び,それら を互いに交換することによって得られる解集合である. 2−Opt*近傍は,異なる2本のルートそれぞれを前半 と後半の2つのパスに分け,後半のパスを交換するこ とにより得られる解集合である.最後にルート内挿入 近傍とは,ルート内の部分パスを同一ルートの他の位 置へ挿入することによって得られる解集合である.本 研究では,局所探索法を基本動作とする反復局所探索 法を用いている. 5.計算実験 本研究のアルゴリズムに対して行った計算実験の結 果を述べる.用いた問題例は,Solomonのベンチマ ーク問題[2]の一部である.このベンチマーク問題で は,容量制約と時間枠制約は絶対制約として扱われ, できるだけ少ない車両数を用いて総移動距離を最小化 することが目的である. と定めた.車両数はこれまでの最良解の値に設定した. 表1は,このベンチマーク問題の最良解との比較で ある.広。mは総移動距離,Pは時間枠からのずれの 総和,0は移動時間の短縮量の総和である.容量超 過量については,すべて満たしたので省略した.本来 の時間枠制約と移動時間制約を若干破っているが,移 動距離は最良解よりも小さい解が見つかっている.違 反量P,0の値はスケジュール全体から比べれば十分 小さいにも関わらず,これまでの最良解からの改善量 は十分に大きく,本論文が提案した柔軟性の高い定式 化の効果の大きさを示しているといえよう. 6.まとめ 本研究では,従来の時間枠制約と容量制約に加えて, あらたに移動時間も考慮制約として定式化を行った. 各客の最適サービス時刻を決定する動的計画法のアル ゴリズムを部分アルゴリズムに用いて局所探索法に基 づく一つのメタ解法を提案した.計算実験の結果では, 従来より柔軟性の高い配送計画が得られることが観測 され,本定式化の有効性が確認できた. 参考文献 [1]T.Ibaraki,S.Imahori,M.Kubo,T.Masuda,T.Uno andM.Yagiura:“EffectiveLocalSearchAlgorithms

for Routing and Scheduling Problems with General

TimeWindowConstraints”,7‘ねn砂OrtationScience,tO appear. [2]M.M.Solomon:“TheVehicleRoutingandSchedu− 1ingProblemswithTimeWindowConstraints”,(砂er− αオわ乃5月俗eα作ゐ,Vol.35,No.2,pp.254−265,1987. オペレーションズ・リサーチ 946(70) © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

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