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社会的養護領域における「ライフチャンス」概念―ダーレンドルフの「ライフ・チャンス」概念を手がかりに 利用統計を見る

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(1)

社会的養護領域における「ライフチャンス」概念―

ダーレンドルフの「ライフ・チャンス」概念を手が

かりに

著者

永野 咲

著者別名

NAGANO Saki

雑誌名

東洋大学大学院紀要

50

ページ

119-137

発行年

2014-03-15

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00006543/

(2)

社会的養護領域における「ライフチャンス」概念

──ダーレンドルフの「ライフ・チャンス」概念を手がかりに──

福祉社会デザイン研究科社会福祉学専攻博士後期課程 3 年

永野  咲

要旨

 本研究は、英国における社会的養護改革のキーワードともいえる「ライフチャンス」につ いて、ラルフ・ダーレンドルフのライフ・チャンス概念を明確化し、その上で日本の社会的 養護における適用および理論的特徴の検討を目的としている。  文献研究の結果、ライフチャンスとは、「『社会構造が付与している選択可能性=オプショ ン』と『社会的なつながり=リガチュア』の相互関係から生じてくる個人の行動機会」と定 義することができ、ライフチャンスを保障するためには、選択肢の準備だけでなく社会的な つながりを重視する必要が明らかとなった。  また、ダーレンドルフの理論を日本における子ども・若者領域での先行研究に当てはめる と、ライフチャンスが進学・就職といったオプションに偏って論じられる傾向にあることが 確認された。特に、社会的養護のもとの子どものライフチャンスを理論的に考察すると、「制 限されたオプションと希薄なリガチュア」と特徴付けられた。今後、リガチュアを重視した ライフチャンスの概念を導入することで新たな視座が開ける可能性がある。 キーワード ライフチャンス、社会的養護、オプション、リガチュア

目次

1.研究の背景  (1)日本の社会的養護の状況  (2)英国における社会的養護の変革のキーワード「ライフチャンス」 2.研究の方法 3.研究の結果:「ライフチャンス」の概念

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 (1)ダーレンドルフの「ライフ・チャンス」  (2)日本の子ども・若者領域で使用される「ライフチャンス」概念  (3)英国社会的養護における「ライフチャンス」 4.考察:社会的養護のもとのいる子どものライフチャンスの定義と理論的特徴  (1)ライフチャンスの定義  (2)ダーレンドルフの概念からみる子どものライフチャンスモデル  (3)制限されたオプションと希薄なリガチュア  (4)今後の課題

1.はじめに

(1)日本の社会的養護の状況

 本稿は、日本の社会的制度の方向性を検討するために「ライフチャンス」概念の明確化と 適応およびその理論的特徴を考察するものである。  日本では児童相談所への虐待相談件数が増加の一途をたどっており、平成 24 年度速報値 では、初めて 6 万件を超え 66、807 件と報告された(厚生労働省 2013)。この影響をうけ、 生来の家庭で生活できない子どもを公的に養育する社会的養護のもとにいる子どもの多くが 虐待等の不適切養育を受けた経験をもっており、保護以前の家庭等において充分な養育・教 育機会を得られていない可能性がある。公的責任のもとで養育を担う社会的養護では、衣食 住の保障に留まらない専門的ケアを提供し、さまざまな機会の回復をケアする役割を負って いると考えられるが、回復の保障がなされているとは言いがたい現状である。  その結果、高い生活保護受給率等、社会的養護を経験した若者たち(以下、ケアリーヴァー) が困難を抱えながら生活している実態が徐々に明らかとなってきた(東京都 2011;大阪市 2011;静岡県児童養護施設協議会 2012;埼玉県 2013)。また、若者のホームレス 50 人に対 する調査において、そのうちの 6 人 (12% ) が児童養護施設で育ったと回答していることか らも、社会的に周縁化されているケアリーヴァーが少なくないといえる(特定非営利活動法 人ビッグイシュー基金 2010)。  この現状を鑑み、公的制度である社会的養護に新たな方向性の導入を検討すべきである。

(2)英国における社会的養護の変革のキーワード「ライフチャンス」

 英国では、すでに 10 年以上前にケアリーヴァーの生活状況を調査し、その困難性を 1998 年の政府白書 MODERNISING SOCIAL SERVICES(Department of Health 1998)におい て報告している。その中で、結果の全てはケアのもとにいる間の機会が乏しいこと、また一 度ケアを離れれば、安定した生活のチャンスが低いことを示しており、ケアのもとにいる子 どもたちのライフチャンスが容認できないほど低い(Department of Health1998)と述べ、

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保守党政権時代の「過去 18 年の社会的養護は完全な失敗と政府が公的に宣言した」 (Department of Health1997=2013:27)。  この事態をうけ、新労働政権はクオリティ・プロテクツ計画の名のもとに社会的養護の大 改革を緊急政策の一つに位置づけた。このクオリティ・プロテクツ計画は8つの到達目標「① 児童期の愛着関係を確実に保障する、②虐待・ネグレクトを確実に防止する、③ニードをも つ児童のライフチャンスを最高度に保障する、④養護委託児のライフチャンスを最高度に保 障する、⑤ケアリーヴァーの自立と社会・経済的生活を保障する、⑥特殊ニード児に家族や 地域内での暮らしを保障、⑦ニード類型・水準を区別し、時機を得たサービス対応を生み出 すケース送致やアセスメント過程を実施、⑧最高効率で計画・提供され、ニードや環境に対 応する選択肢や個別対応策が可能な資源活用を推進する」(Department of Health1997= 2013:186-187、下線は筆者)を掲げて実施された。2000 年に中間報告をうけた保健大臣は、「自 治体の 60%はクオリティ・プロテクツ実施により児童家庭サービスがかなり改善し、全体 では委託児養子縁組が増加し、ケアリーヴァーへの支援が改善され、委託児の学業達成が優 先されるようになり、委託児の意見表明を重視する自治体が増えた」(SSI2000=2013:29)と 評価している。その後、2004 年児童法、2008 年児童青少年法の制定と改革は継続し、英国 の社会的養護を取り巻く環境は大きく変化していく。  本稿では、このクオリティ・プロテクツにおける計画目標のうち、その 2 項目に含まれて いる「ライフチャンスを最高度に保障する」というフレーズに注目し、重要なキーワードで あると想定される「ライフチャンス」概念の整理を行う。その上で、抽出された概念に対し て日本の子ども・若者領域での使用状況を確認し、社会的養護領域における適応の可能性と その理論的特徴について検討を加える。

2.研究の方法

 上記の研究目標を達成するため、以下の手順で研究を実施した(図1)。具体的には、①ダー レンドルフの「ライフ・チャンス」概念の整理を行い、②抽出した「ライフ・チャンス」の 概念と、日本の子ども・若者に関する分野(ⅰ子どもの貧困研究、ⅱフリーター研究)での 使用概念と照らし合わせる。③加えて、英国社会的養護における「ライフチャンス」概念の 使用との相違を確認し、④日本の社会的養護分野における「ライフチャンス」概念の定義と 理論的特徴を考察する。

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3.研究の結果:「ライフチャンス」

1

の概念

(1)ダーレンドルフの「ライフ・チャンス」

①研究対象文献の設定  ライフチャンスを軸において論じた第一人者として、ラルフ・ダーレンドルフ(Ralf Dahrendorf)が挙げられる。ラルフ・ダーレンドルフはドイツの社会科学者であり、ドイ ツ自由民主党所属の政治家でもあった人物である。哲学研究から社会学に転向し、社会変動 論や役割理論で独自の境地を開き、現実政治への関与も深めた。その後、政治・社会理論で 独自の境地を開いた(檜山 2010)とされる。ダーレンドルフの思想研究を行った檜山(2010) は、ダーレンドルフの研究史を前後期に二分し、前期の基軸概念を「自由概念」、後期の基 軸概念を「ライフ・チャンス概念」に整理している。  政治社会学の大家であったダーレンドルフであるが、その関心は、「いかにすればより多 く の 人 が よ り 多 く の ラ イ フ・ チ ャ ン ス を 享 受 で き る よ う に な る で あ ろ う か 」 (Dahrendorf1979=1982:12)という点であり、社会福祉学の射程を含んでいると考えられる。  そこで、本研究では、ライフチャンスの概念の整理のために、ダーレンドルフの研究後期 に著され、その主要作となった『ライフ・チャンス』(Dahrendorf 1979)を主たる文献とし て設定した。また、その理解を補完するために、檜山(2010)を参照した。 ②ダーレンドルフのライフチャンスの定義  ライフチャンスという語感からは、チャンスや選択肢等の語と混同しがちである。この点 についてダーレンドルフは、ライフ・チャンスとは、たんに<選択に付されている可能性> という意味での機会ではないとしている。また、選択肢が多ければ多いほど、その人の可能 性 が 大 き く、 ラ イ フ・ チ ャ ン ス も 大 き い と い う 言 い 方 は 誤 っ た 理 解 で あ る と し 図1 研究の手順

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(Dahrendorf1979=1982:51-52)、単なる「チャンス(機会)」とは異なる概念であることを強 調している。  また、ライフ・チャンスは社会構造によって付与される機会であることもこの概念の大き な特徴である。ダーレンドルフは、「ライフ・チャンスは、個人に属するものではなく、社 会的存在としての個人がライフ・チャンスを有するのである」(Dahrendorf 1979=1982:51) とし、この概念が社会的概念であることを示している。  そして、「ライフ・チャンス」を「『オプション』と『リガチュア』2という二つの要素の 関数なのである」と定義するのである (Dahrendorf 1979=1982:52)。 ③「オプション」の「リガチュア」の理解  ダーレンドルフの特徴的な概念であるオプションとリガチュアについて、確認をすすめた い。  まず、オプションとは、「それぞれの社会構造が付与している<選択可能性>、<行為の 選択肢>のことである」(Dahrendorf1979=1982:52)。ダーレンドルフが「選択」ではなく「オ プション」という言葉を用いているのは、オプションが「構造的な『選択』の機会」(檜山 2010:107)を表すからである。つまり、オプションは社会的な構造の中で存在する選択の可 能性であり、個人の選択はその状況を反映したものといえる。  もう一つのリガチュアは、ダーレンドルフの思想の特徴である概念である。リガチュアと は、外科手術等で部位を縫合する糸である結紮(けつさつ)糸のことを意味する語である。ダー レンドルフは、この語を社会的な帰属やつながりを示す語をして用いている。また、「それ を『結びつき』とか『つながり』と呼ぶこともでき」(Dahrendorf1979=1982:53)るもので ある。オプションと同様に、リガチュアと単なる「結びつき」・「絆」との差異は、構造的か 否かであり、リガチュアとは「構造的に定められた人間の行為領域がリガチュアの概念範囲 である」(檜山 2010)。そして、選択肢の多少だけでなく「リガチュアにも価値があり、そ の 最 も 重 要 な 側 面 は、 意 味 を 付 与 す る も の は リ ガ チ ュ ア だ、 と い う こ と で あ る。」 (Dahrendorf1979=1982:68)さらに言えば、「安定的なつながりや結びつきがライフチャン スの一側面」(Dahrendorf1979=1982:67)であると同時に、「リガチュアは、制約でもある わけで、そのうえ束縛となることもある」(Dahrendorf1979=1982:67)のであり、これは後 述する近代化を用いたライフ・チャンス概念の説明に象徴されている。  ダーレンドルフは、この二つの要素の関数を「ライフ・チャンス」として定義している。 つまり、ライフ・チャンス概念にとって、この二つの要素「オプション」と「リガチュア」 がどういう関係性で存在しているかが重要な点であるといえる。ダーレンドルフは、この両 者の関係は「相互に独立して変化しうるものであり、時点ごとに、その二要素の結び付きか たがそれぞれあって、それによってチャンスのあり方が決定され、それが社会での人々の生

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活を規定している」(Dahrendorf1979=1982:52)とする。また、「どんな時にも、オプショ ンとリガチュア(個人の見地からすれば、<選択>と<つながりや結びつき>だが)の間に は最適な関係があり、それゆえライフ・チャンスの最大値を示すような<オプションとリガ チュアの関数>が存在する」(Dahrendorf1979=1982:57)とし、両者の関係性の適切な位置 があることを示している。 ④近代化におけるリガチュアの崩壊とオプションの増加  この「ライフ・チャンス」の理論について、ダーレンドルフは、近代化をモデルにオプショ ンとリガチュアの関係の理解を促している。  ダーレンドルフによると、前近代は家族、身分(カースト)、種族、教会、奴隷制(封建 的従属関係)が圧倒的に強力であり、逃れられない身分ともいえる社会的結びつき(社会的 拘束)がほとんどの人々の生活を支配しており、個人の自由な選択肢はその社会にはほぼ存 在していなかったといえる。つまり、「多くの点で、すべてがリガチュアであり、オプショ ンが欠如した状態にあった」(Dahrendorf1979=1982:53)。社会的につくられた身分や立場が、 個人の行動を大きく制限していた時代であり、ライフ・チャンスは制限されたものであった。  それに対して、近代化の中では、「たびたびリガチュアを破壊することによって、選択の 可能性を拡大してきた。(略)家族や村がもはや運命共同体ではなくなり、次第次第に<選 択による共同体>になってきたのである。( 略 ) 次第に人々は、どこに属していようと、何 をしてもかまわないようになってきて」(Dahrendorf1979=1982:54)いる。つまり、近代化 によって、身分制度などの足枷的リガチュアが崩壊し、それによって制限をうけていたオプ ションが拡大、その結果個人の行動の自由度は増し、ライフ・チャンスが増大していったと いえる。 ⑤オプションとリガチュアの最適なバランス  では、リガチュアが減少し続け、オプションが拡大し続ければライフ・チャンスも拡大し 続けるのかといえば、そうではない。ダーレンドルフは、「ここで重要なのは、結びつきの 減少、さらには結びつきの究極的な消滅が、あるところまでは選択の増加を伴うものであっ て、またおそらくその原因ともなっているのだが、その点を超すと、選択に意味がなくなり はじめることである」(Dahrendorf1979=1982:54)。つまり、上述のとおり、リガチュアは 社会的つながりから個人の行動に意味を付与するものであり、リガチュアがある地点まで減 少し続けたり消滅したりすると、個人がオプションから行動を選択する理由がなくなるとい う指摘である。ダーレンドルフは、このリガチュアが崩壊した状況を<社会的真空状況><社 会的砂漠>と表現し、「候補者や政党の名前が全く記載されていない投票用紙を手渡され、 誰かにあるいはどの党かに投票するように言われるのと同じである」(Dahrendorf1979 =

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1982:54)と例えた。無数の選択肢を前にしても、その前提となる意味や価値がなければ、 選択することはできないのである。それを付与しているのはリガチュアであり、リガチュア のないオプションの拡大は、ライフ・チャンスの高度化を意味しないということである。  この状況を通して、オプションとリガチュアには、ライフ・チャンスを最大限にする最適 なバランスが存在することを強調している(図2)。例えば、「オプションが最大になったか ら と い っ て、 そ の ま ま ラ イ フ・ チ ャ ン ス が 最 大 に な る と い う こ と は な い 」 (Dahrendorf1979=1982:53)し、その逆もない。オプションとリガチュアの最適関係こそが、 ライフ・チャンスを最大にする要であり、「オプションを欠いたリガチュアは抑圧的であり、 リガチュアを欠いたオプションは無意味なのである」(Dahrendorf1979=1982:53)。 ⑥近代社会におけるリガチュアの意味  さらに、ダーレンドルフは「それ(近代化)から先へ進み、(オプションとリガチュアの) そのような最適な条件がどこかに存在しているかとなるともはや明らかではない。近代社会 への動因は、それぞれ固有の矛盾を生み出してきており、もはやこれらの動因は、生みだし た帰結をうまく処理できなくなっているのではないか」(Dahrendorf1979=1982:58、補足は 筆者)と指摘する。そして、さらに議論を進め「リガチュアの減少は最初、オプションの増 加を促進するかもしれない。そしてそれは必ず、増加し続ける選択をうまく処理できるよう な<成熟し責任ある個人>の存在を一層要請することになる。しかしこの過程が進むことで、 最後には社会契約そのものが脅かされ、<万人の万人に対する闘争>を復活させる前兆がも たらされるかもしれない」(Dahrendorf1979=1982:59)と危惧している。  つまり、ダーレンドルフは、近代化の過程で増加した選択肢をコントロールできるような 強い個人が求められ、それが進みすぎると、社会の中の個人でいられなくなると指摘してい ると考えられる。  リガチュアが過度に失われると、「つまり、方向感覚が失われ、アイデンティティを切望 図2 ライフチャンスと近代化のモデル(筆者作)

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する<無償の行為>や、さらにはテロリズムが生まれ、あるいはアノミーへの衆知の反応で あ る 自 殺 が 生 じ、 ま た、 ス ト レ ス や 神 経 衰 弱 な ど、( 中 略 ) 多 く の 前 兆 が 生 じ 」 (Dahrendorf1979=1982:60)る。そのため、「結びつきの崩壊は、ライフ・チャンスを減少 させ、それが生存のチャンスを再び危機に陥れるところまで進んでいるのである」 (Dahrendorf1979=1982:60)と指摘する。  つまり、リガチュアは、足枷として個人の行動機会をしばりつけるだけのものでなく、特 に近代化以降においては、多くのオプションから行動を選択する際の方向づけや意味づけと しての機能をもっているといえる。そうした意味で、ダーレンドルフは近代化以降の社会に おいて、リガチュアの過度な破壊がライフ・チャンスを減少させることになっていると強調 しているのである。前近代に足枷的であったリガチュアに新たな意味を持たせることがライ フ・チャンス拡大のための要件であり、バランスのとれたリガチュア、つまり社会的なつな がりや絆がなければ、増大したオプションを活かしてライフチャンスを増大させる結果には ならないということである。 ⑦ライフチャンスの高度化  このようにダーレンドルフのライフ・チャンス概念は、その高度化を目指すことを志向し ていると理解できる。一方で、ライフ・チャンス概念の具体的な測定については「厳密な操 作化に成功するまでには、疑いもなく、なおほど遠い状態にあることを述べておかなければ ならない(Dahrendorf 1979=1982:116)」と自重している。この前提に立った上で、彼の高 度化に対する理論を明確化し、概念を抽出したい。  ライフ・チャンスの高度化についての議論に先立って、ダーレンドルフが近代化をモデル に論じたオプションやリガチュアの関係性は、一見「反比例の関係にあるような感じを与え るが、これは経験的にそうなのであって、論理的なものではない」(Dahrendorf1979=1982:54、 補足は筆者)という点を確認する必要があるだろう。つまり、近代化のある時点では、リガ チュアの減少がオプションの増大を意味していたが、本来的には、オプションとリガチュア はそれぞれが別に増大することもあれば減少することもあり、両者が共に増大することも可 能であるということである。ダーレンドルフは「選択とつながりの双方を手にすることがで きること、および、一方の増加が必ずしも他方の減少を意味しないことを強調しておくこと は、なお重要である」(Dahrendorf1979=1982:56)と強調する。つまり、ライフ・チャンス の高度化において重要なことは、オプションとリガチュアがゼロサムゲームの関係でなく、 「オプションとリガチュアの座標の全体的システムが前進しうるものであって、それゆえ、 両者のレヴェルの高度化が達成されるということである」(Dahrendorf1979=1982:56)。  その上で、「オプションとリガチュアの間に最適のバランスを探すことによって、ライフ・ チャンスが増大させられるばかりでなく、オプションとリガチュアの両者を増大させること

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によっても、ライフ・チャンスを増大させることができるのである」(Dahrendorf1979 =1982:56)としている。つまり、ライフ・チャンスを高めるには、オプションとリガチュア の適切なバランスを探すことが重要であり、それに加えてオプションとリガチュアをそれぞ れに高めることが可能であり、それによってもライフ・チャンスは高度化すということであ る(図3)。 ⑧小括─ダーレンドルフの「ライフ・チャンス」  以上の理論から、ダーレンドルフの「ライフ・チャンス」とは、「社会構造が付与してい る選択可能性=オプション」と「社会的なつながり=リガチュア」の相互関係から生じてく る個人の行動機会であると定義づけられる。  ライフ・チャンスの高度化においては、①オプションだけでなく、選択に意味を付与する リガチュアにも重きをおくこと、②オプションとリガチュアの適切なバランスを探索するこ と、③オプションとリガチュアの両者をそれぞれに高めることが重要であるといえる。 これらの概念は、その具体的測定こそ課題として残るものの、制度や個人に表れるライフチャ ンスを考察するなかで、社会的に作られる選択肢や社会的つながりの相互関係を導入する点 において示唆深いと考えられる。

(2)日本の子ども・若者領域で使用される「ライフチャンス」概念

 次に、上述したダーレンドルフの「ライフ・チャンス」の概念と、現在、日本の子ども・ 若者領域の先行研究において用いられている「ライフチャンス」の概念との相違を確認する。    ①子どもの貧困研究における「ライフチャンス」 図3 「ライフ・チャンス」高度化のモデル(筆者作)

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 現在、子ども・若者を対象とした研究の中で、「ライフチャンス」という用語がもっとも 用いられているのは、子どもの貧困に関する研究領域であろう。  小西(2007)は、子どもの貧困について、「市場主義と家族主義が結託した現局面におい ては、家族と子どもは剥き出しの市場原理に晒されており、経済的・文化的・社会関係資源 の少ない貧困家庭の子どもたちは生活・教育の諸側面で大きな不利を負うことになってしま うのではないだろうか。さまざまな不利は、子どもの意識にも何らかの(主にネガティブな) 影響を与え、それがまた日々の生活、そして教育や就職の機会、すなわちライフチャンスに も反映されていく、といった相互に関連した構造をもっていると推測される。」(小西 2007: 115-116、下線は筆者)とし、以下の図4を提示している。  さらに、小西(2008)では、生活保護世帯・低所得世帯の子どもに関する研究から、「家 庭の経済的条件、自身の学力・学歴、サポートの欠如などから、彼/彼女らは高校卒業後に 選び取れる進路が非常に狭められており、将来に対して具体的な展望を見出せずにいた」こ とが明らかになったとし、 「客観的なライフチャンスが制限されていることから、勉強や仕事(就職)に対するア スピレーション(意欲・期待)を失い、結果、不安定な生活に落ちる可能性の高い選択 を自らせざるをえなくなっていることが示唆された。すなわち、生活保護・低所得世帯 の子どもたちには実質的なライフチャンスが保障されていなかったといえる。ライフ チャンスとは、家庭の社会階層によって構造的規定され、個人のライフチョイス(人生 の諸画期における選択)や生活の質(Quality of Life)に大きく影響を与えるものである」 (LaGory,Fitzpartrick and Ritchey 2001=2008:277)

と指摘し、

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「『家族依存度』が非常に強い日本においては、子どものライフチャンスに決定的な影 響を与えるのは家族であるため、子どものライフチャンスは家族の文化資本の差によっ て大枠が決定され、同時にそれが子どものアスピレーション、ライフスタイルと相互関 連の関係にあると考えられる。その結果、不利をもたらしてしまうようなライフチョイ スを、自ら行わざるをえなくなる、という現実がある」(小西 2008:295) としている。  小西(2007;2008)の述べる「ライフチャンス」は「選択肢」と訳され、下線部が示すよ うに、ライフチャンスの現れる事象を教育や就職の機会、いわゆるオプションと位置づけて いることがわかる。  また、リガチュアの一部であると考えられる社会システムおよび家族の社会階層の影響に ついても指摘されているが、これらは選択肢に影響を与えるものとして、副次的位置に置か れていると理解することができる。  総じて、子どもの貧困研究において、ライフチャンスという用語が使用される際には、主 にダーレンドルフのライフチャンス概念における「オプション」としての意味で使用されて おり、リガチュアはそのオプションに影響を与えるもの、としての使用に留まっていると考 えられる。  ②フリーター研究における「ライフチャンス」  次に、フリーターに関する研究におけるライフチャンス概念の使用について確認をおこな う。西田(2005)は、フリーターである若者へのインタビュー調査から、「遊び」の経験を 切り口に将来の生活を選択していく経緯について述べている。その中で、「『遊び』の世界に 没入することに対して、周囲からも、そして本人達の内側からも『引き止め』ようとする力 が働いていない。親からの『引き止め』が強く発動されず早期に『あきらめ、ほったらかし』 となってしまうケースも少なくない」(西田 2005:101)としている。  また、 「身近な、見知った大人の世界への移り行きとして彼/彼女たちの大人へ移行過程(ト ランジッション)があることが浮かび上がる。現在および将来の生活を変える契機にし ようとする志向が見られないことに特徴がある。ライフチャンスが限定されたものであ り、また、それが限られたものであるという認識すら持たれていないと解釈できるだろ う。相対化する契機がないなかでは、現状を改善すべき状態として認識することは難し いのかもしれない」(西田 2005:108)

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「対象者の語りからは、(「遊び」で失うものがあるという)リスクを感じさせない背景 として彼/彼女たちの置かれた階層的位置からくるライフチャンスの限定性、準拠する モデルの限定性が明らかになったのである」(西田 2005:110) 「ライフチャンスや達成モデルの限定性、『自分だけではない、みんなも』という『遊び』 の世界が身近にあるという空間的な条件、そして親世代からそうした条件が引き継がれ てきたという歴史性がもつ影響は少なくないだろう」(西田 2005:112)  と論考している。  上記の記述では、ライフチャンスの定義についての詳細は述べられていないが、家族の歴 史性や文化、家族の階層が子ども(フリーター)のライフチャンスを限定する可能性を指摘 し、影響の大きさを示している事が分かる。これらのことから、リガチュアの影響の大きさ を指摘していると理解することができる。一方でオプションに関する記述は明確でなく、ラ イフチャンスが何を示しているのかは明記されていない。  ③小括─日本の先行研究にみるライフチャンスの定義と特徴  上記の議論を踏まえると、子ども・若者領域における先行研究でのライフチャンスという 用語は、進路選択にさらされることの多い子ども期の特徴を反映して、具体的な事象として の子どもの選択肢や行動の結果を表していることが多いと考えられる。その場合には、特に オプションとしての選択肢がライフチャンスとして理解されている可能性がある。  また、ダーレンドルフが指摘したリガチュアについては、子ども期である個人の特徴とし て、「家族」の役割や社会的階層が大きな影響をもたらすことが示されているが、それ自体 がライフチャンスを構成する要素であるという定義は希薄であるといえる。  つまり、ライフチャンスがオプションに矮小化され、リガチュアはオプションに影響をあ たえるものとして副次的に捉えられている可能性がある。

(3)英国社会的養護における「ライフチャンス」

 続いて、英国でのライフチャンス概念の使用について確認し、ダーレンドルフの概念との 相違を確認する。  ①英国社会的養護におけるライフチャンスの状況  上記「(1)研究の背景」で記したように、英国では、1998 年に政府白書 MODERNISING SOCIAL SERVICES(Department of Health 1998)において、社会的養護を経験した若者(以 下、ケアリーヴァー)の生活状況について、①ホームレスの約 3 割は社会的養護でのケアを

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経験しており、②社会的養護を離れた若者(以下、ケアリーヴァー)の 25%のみが中等教 育修了の資格をもっており、③ 21 歳未満の男性受刑者の 39%、全男性受刑者の 22%が社会 的養護ケアの経験者であり、④社会的養護委託時の 67%に明確な精神保健上の問題が見ら れる。⑤その他、社会的養護委託児の特殊教育ニードや放校処分率、女子ケアリーヴァーの 十代妊娠・出産率が異常に高いことが明らかにされ、「結果の全ては、ケアのもとにいる間 の機会が乏しいこと、また一度ケアを離れれば、安定した生活のチャンスが低いことを示し ており、ケアのもとにいる子どもたちのライフチャンスが容認できないほど低い」 (Department of Health 1998)」と報告された。この事態をうけ、実施されたクオリティ・ プロテクツ計画はニードをもつ児童と養護委託児のライフチャンスを最高度に保障する」 (Department of Health1997=2013: 186-187、下線は筆者)とし、社会的養護の大改革を緊 急政策の一つに位置づけている。  翻っていえば、ホームレスであること、受刑者となること、精神保健上の問題があること、 十分な教育がうけられず、若年での妊娠出産が起こりうる状況は、結果的にライフチャンス が保障されているとは言い難い状況であることを示している。  ②英国社会的養護におけるライフチャンスの促進

 また、MODERNISING SOCIAL SERVICES(Department of Health 1998)では、ライ フチャンスを促進するための政府のアクションとして、大きく以下のことが示されている。 ①良い教育の機会は、ライフチャンスを促進するために不可欠なものであるため、ケアをう ける子どもの教育の改善に関するアクションを行うこと、②ケアへの入り口は、子どもや若 者の健康ニーズを識別するための重要な機会であるため、ケアをうける子どもの健康サービ ス改善に関するアクションを行うこと、③少なくとも 18 歳までのケアリーヴァーを支援す るため、ケアにいる子どもたちに対する自治体の責任を 16 歳から 18 歳まで延長し、ケアを 離れた子どものニーズに対応する新たな法的義務を立法することである。  これらの具体的アクションからは、教育および健康状態の促進がライフチャンスを促進し、 それを確かにするためにケアリーヴァーへの支援を拡充することが示されていると考えられ る。  ③小括─英国社会的養護にみるライフチャンスの定義と特徴 このように、英国社会的養護における文章をみると、調査実施によって具体的に明らかとなっ た生活困窮の状況に言及しつつ、ライフチャンスの促進についてまとめているため、ライフ チャンス自体の具体的定義に触れられることはなく、より具体的現状やアクションについて の列挙となっている。  主に、教育や健康状況、居住環境等の結果から、子どもやケアリーヴァーのライフチャン

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スを計る傾向にあると考えられる。

4.考察:社会的養護のもとのいる子どものライフチャンスの定義と理論的特徴

 最後に、日本の文化的文脈と社会的養護を必要とする子どもたちの状況から、適用可能な ライフチャンスの定義について考察し、そのモデル化と理論的特徴について試案を検討する。

(1)ライフチャンスの定義

 上記の結果から、ライフチャンスとは「社会的に構築された選択肢(オプション)と社会 的なつながり(リガチュア)の相互作用により決定される行動の機会」であると定義される。 ダーレンドルフが指摘するように、ライフチャンスとは、個人の能力や責任に終始するもの ではなく、社会的に構築されるものであるという視点が重要であると考えられる。

(2)ダーレンドルフの概念からみる子どものライフチャンスモデル

 これらのライフチャンスの概念を「子ども」に当てはめてみるとどうなるだろうか。子ど も期であることの特徴を検討し、ダーレンドルフのライフチャンス概念を手掛かりに以下の モデルを提起する。  ①一般的な子どものライフチャンスモデル  一般的に子どもは、幼少期には親や家族、地域の社会的つながりの中で見守られ、養育さ れるため、社会的つながり(=リガチュア)が多くを占めているといえる。それが成長にと もない自立し、子ども自身の自由な動きが可能とり、リガチュアが減少していくと考えられ る。その後青年期を迎え、原家族以外の社会的帰属やつながりが再び増加していくと想定さ れる。  また、オプションついては、幼少期には子どもの発達状況により制限されていると考えら れるが、成長発達にともなって、徐々に社会的な選択肢が拡大していくと考えられる(図5)。  ライフチャンスは、これらのリガチュアとオプションの関係によって決定されるため、こ の両者のバランスによってライフチャンスが変動すると考えられる。

(16)

 ②社会的養護を必要とする子どものライフチャンスモデル  一方で社会的養護を必要する子どものうち、不適切な養育をうけた子どものライフチャン スモデルを検討すると、その違いが明らかとなる。  不適切な養育下にあることを前提に、まずリガチュアについて検討すると、幼少期からの 不適切養育の環境においては社会的つながりも低位であり社会的孤立状況であると想定され る。介入がおこなわれた保護時点からは、社会的養護下において、養育の提供やさまざまな 機会の提供がおこなわれ、リガチュアも回復傾向にあると考えられる。しかし、多くの場合 18 歳前後(もしくはそれ以前)での措置解除時点で、多くの社会的つながり(=リガチュア) は減少傾向になると想定される。社会での新たなリガチュアがその後構築されていくと想定 しても、一般社会の若者と比してその程度は低く、家族機能が期待できない場合のリガチュ アの構築は困難さを有していると考えられる。  オプションをみても、実際の生活状況の報告等から、選択肢が同年代の若者と同等である とは言い難い現況であり、低位であることが想定される(図 6)。 図5 子ども期のライフチャンスモデル

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(3)制限されたオプションと希薄なリガチュア

 上記の定義およびモデル化をもとに、社会的養護を必要とする子どもたちのライフチャン スの状況をみると、社会的養護を必要とする子どもの場合には、経済的支援もわずかであり、 さまざまな制約の中で進学率も低くなっている。このような状況下で社会的に構築された選 択肢は乏しく、オプションが制限されているといえる。  また、特に日本における「家族」とのつながりは、社会からの期待度が高く、それが欠如 または機能しない社会的養護のもとの子どもたちにとって、社会的つながりが全体的に弱い ことが想定でき、リガチュアが希薄になると考えられる。  これらのオプションとリガチュアの理論的特性を考えると、社会的養護のもとの子どもた ちは、選択できるものが少ないうえに、それを支える社会的つながりや絆も希薄であり、ラ イフチャンスが制限される可能性があると考えられる。  こうした理論的特徴をうけて、社会的養護のもとにいる子どもたちのライフチャンスを高 めることを考えるときには、単に選択肢を並べるだけでは不十分であり、社会的「絆」を得 てリガチュアを増大させることが重要であると考えられる。

(4)今後の課題

 本研究では、ライフチャンス概念の整理と日本社会的養護領域における適用および特徴を 考察した。これらのすべては、文献による研究である。今後の課題として、社会的養護のも とにいる子どもたちのライフチャンスの状況について、実証的データを用いて実態を把握す る必要がある。その上で、社会的養護のもとにいる子どもたちのライフチャンス促進にむけ た支援についても検討を深めることが今後の課題である。 図6 社会的養護を必要とする子どものライフチャンスモデル

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1  「ライフチャンス」と「ライフ・チャンス」の使い分けについて、後述するラルフ・ダーレン ドルフ(Ralf Dahrendorf)が定義する概念を指す場合のみ、オリジナルの表記に従い、中点を挟 んだ「ライフ・チャンス」として記述する。 2  Dahrendorf(1979)での Ligaturen。吉田ら(1982)の訳では、「リガーチャー」であったが、 近年の訳例(檜山 2010)と英語 ligature の発音により近いことを理由に本稿では「リガチュア」 と統一する。

参考文献

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 Amartya Sen(2009)IDEA OF JUSTICE、 Harvard University Press(=池本幸生訳(2011)『正 義のアイディア』明石書店)

 秋元美世(2010)『社会福祉の利用者と人権-利用関係の多様化と権利保障』、有斐閣  Department of Health(1998)Mordernising Social Services

 小西祐馬(2007)「子どもの貧困とライフチャンスの不平等 構造的メカニズムの解明のために」 岩川直樹・伊田広行編著『貧困と学力』、明石書店  小西祐馬(2008)「先進国における子どもの貧困研究 国際比較研究と貧困の世代的再生産をと らえる試み」浅井春夫・松本伊智朗・湯澤直美編『子どもの貧困』、明石書店。   厚 生 労 働 省(2013)「 児 童 相 談 所 で の 児 童 虐 待 相 談 件 数 」http://www.mhlw.go.jp/stf/ houdou/2r98520000037b58-att/2r98520000037ban.pdf(2013 / 11 / 22)

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 Paul Spicker(2007) THE IDEA OF PORVERTY、 Policy( =圷洋一訳(2008)『貧困の概念 -理解と応答のために』生活書院 .)

 Ralf Dahrendorf(1979) Lebenschancen. Anläufe zur sozialen und politischen Theorie、 Suhrkamp、 Frankfurt a.M.(=吉田博司・田中康夫・加藤秀治郎訳(1982)『ライフ・チャンス-「新 しい自由主義」の政治社会学』創世記、および吉田博司・田中康夫・加藤秀治郎(1987)『新しい 自由主義-ライフ・チャンス』学陽書房)

 埼玉県福祉部子ども安全課(2013)「埼玉県における児童養護施設等退所者への実態調査報告書」  静岡県児童養護施設協議会(2012)「静岡県における児童養護施設退所者への実態調査報告書」

(19)

 SSI(2000)Social services Mid-Year Performance Assessment Report、 SO  特定非営利活動法人ビッグイシュー基金(2010)「若者ホームレス白書」  特定非営利活動法人ふたばふらっとホーム(2012)「社会的養護施設等および里親出身者実態調 査概要報告書」、平成 23 年度セーフティネット支援対策等事業費補助金社会福祉推進事業社会的 養護施設等および里親出身者実態調査研究事業.  東京都保健福祉局(2011)「東京都における児童養護施設等退所者へのアンケート調査報告書」  津崎哲雄(2013)『英国の社会的養護の歴史-子どもの最善の利益を保障する理念・施策の現代 化のために』、明石書店

(20)

“Life Chance”of children who needs care:

A clue of “Life Chances” that

Ralf Dahrendorf has proposed

NAGANO, Saki

 “Life chances” is one of the keywords of social care reform in the United Kingdom. This study is intended to clarify the concept of “Life Chances” that Ralf Dahrendorf has proposed. According to Dahrendorf、 life chances is the opportunity of personal behavior caused by the interaction of rigatures and options that are socially constructed. It should be focused on social connections、 not only option. Then、 the theoretical characteristics of the life chances of children in need of social care are “weak rigatures and restricted options”.

参照

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