在宅看護における看護師と介護士の協働による栄養サポートシステムプログラムの開発
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(2) 1. 研究背景 近年,高齢者の増加による病床数の不足,在院日数の短縮などにより,慢性疾患を抱えたまま 在宅療養をする患者が増えている 1).慢性疾患がある患者は,疾患によるエネルギー喪失や経 口摂取量の低下により,4 人に 1 人は低栄養状態であることが報告されており2),在宅で療養する 慢性疾患患者の栄養管理は喫緊の課題となっている. しかしながら,在宅療養者に対する栄養管理に関する研究は,食支援を積極的に展開している 訪問看護師の取り組みに関すること3),地域連携パスによる栄養アセスメントに関すること4),栄養 状態と排泄動作および尿失禁の関連に関すること 5)に留まっており,看護師と介護士が協働して 栄養サポートする報告はこれまでのところ見られない.在宅療養を継続する慢性疾患患者は,退 院後食生活や生活習慣が大きく変化し,社会生活に適応するためにはストレスなども考えられる. 従って慢性疾患療養者の在宅ケアは,入院療養する患者とは異なり栄養サポートのあり方も違っ てくると考えられ,在宅療養をする慢性疾患患者への栄養サポートは重要であると考えられる.. 2.研究の目的 本研究の目的は,慢性疾患を有する高齢者の生活状況,食事摂取状況,栄養状態,受療状況 から見た栄養状態を明らかにし,在宅に特有の栄養サポートのあり方を検討することである.さら に介入プログラムとして,看護師や介護士が協働して利用者に対して行う適切な栄養管理や栄 養サポート教育の方法を構築することである.. 3.研究方法 1) 研究デザイン 因子探索型質的帰納的研究および質問紙調査法. 2) データ収集方法 <step 1> ・調査施設の利用者 50 名を対象に生活状況,食事摂取状況,栄養状態,受療状況から見た栄 養状態の評価を行った. ・高齢利用者の栄養サポートに携わる看護師および介護士,各 10 名,合計 20 名に 30~60 分程 度の半構造化面接を行った. <step 2> ・Step 1 で行った内容を分析し,在宅療養に携わる(准)看護師および介護士を対象とした 60 分 程度のプログラムを開発するため在宅療養に従事する看護師の協力を得て検討した. 3) 調査期間 <Step 1> 平成 30 年 4 月 1 日~平成 30 年 6 月 15 日 <Step 2> 平成 30 年 6 月 16 日~平成 30 年 8 月 30 日. 1.
(3) 4) 分析方法: ・量的データについては,SPSS ver.25.0 for windows を使用し有意水準を 0.05 未満とした. ・質的データについては,Krippendorff の内容分析6)の手法を用いて,録音データから逐語録 を作成し,「連携における課題」に着目してデータを抽出した.抽出されたデータから意味内容 を変えないように注意してコードを抽出した.すべての研究協力者から抽出されたコードを意味 のあるまとまりにまとめサブカテゴリーを生成した.さらにサブカテゴリーを概観し,意味内容の 似ているものを集めカテゴリーを生成した. 5) 倫理的配慮 本研究の参加者は自由意思であり,途中撤回も可能であること,本人が特定されないように 配慮すること,研究協力の有無が業務に影響しないこと等について文章および口頭で説明を 行った.また,本研究は所属機関の研究倫理委員会の承認を得た後,研究協力施設の施設長 の許可を得て実施した.. 4.成果 Step 1 で行った,量的データ・質的データをもとに,看護師と介護士の栄養サポートによる 連携の課題を明らかにし,在宅看護を実践する看護師の協力を得て看護師と介護士の協働 による栄養サポートのプログラムの検討を行っているところである. 5.今後の課題 本研究をもとに,在宅看護における看護師と介護士の栄養サポートに関する協働について と在宅看護における看護師と介護士の栄養サポートに関する協働に関するプログラムの開発 とその評価に関する研究を進めていく予定である. 文献 1) 弓野大.超高齢社会における循環器疾患 臨床 超高齢循環器疾患患者の在宅医療. Cardiac Practice,28(3),227-231,2017. 2) 和田忠志.高齢者の栄養 在宅医療と栄養.55(7),773-775,2017. 3) 大野かおり,坂下玲子,小枝美由紀,他.在宅での生活支援おなかで行われる食支援の 実際 食支援を摂食的に展開している訪問看護師の取り組み.兵庫県立大学看護学部・地 域ケア開発研究所紀要.24,27-41,2015. 4) 茨木あづさ,櫻井要一.大腿骨近位部骨折地域連携パス患者に対する栄養アセスメント と看護師の関わり.栄養-評価と治療,32(1),24-27,2015. 5) 池田晋平.訪問リハビリテーションを利用する高齢者における栄養状態と排泄動作および 尿失禁の関連についての予備的研究.作業療法,36(3),349-352,2017. 6) Krippendorff K(三上俊二,橋本良明,他訳),メッセージ分析の技法-「内容分析」への招 待.1989.21-183.勁草書房.東京.. 2.
(4) 感想 本研究を実施するに当たり,在宅療養に従事する看護師や介護士など多くの方の協力を 得ることができた.今回,インタビューさせていただく中で,どの医療者からも療養者が安心し て在宅で過ごすことができるように,自分にできることは何かを考え,より良い方法があるなら, 是非とも取り入れていきたいと積極的な意見を聞くことができた. 今後は,今回得られたデータについてさらに検討を重ね,看護師と介護士の協働による栄 養サポートプログラムを作成していきたい.また,栄養サポートに関しては,栄養士や医師, 理学療法士など多職種での関わりが必要であるため,多職種による栄養サポートプログラム の開発について検討を重ねていきたい. 謝辞 本研究にご協力頂きました施設長をはじめ,スタッフの皆様に感謝申し上げます.また看護 師と介護士の栄養サポートプログラムの開発に,在宅看護の立場から適切なご助言・ご指摘 を頂きました社会福祉法人慶生会看護師の小林利美様,米田美穂様に深謝いたします. 本研究は,2017 年度(前期)公益財団法人在宅医療助成勇美記念財団の助成を受けて実 施した.. 3.
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