2
付録
B
付表
1 収集した過去の不具合事例
№ 事象 経緯 発見 工 程 種類 原因 詳 細
1 システムの初 期設 定に非 常に時 間
がかかるようになった.
設定ファイルのフォーマット変更 に伴い,初期
化時の読み込み処理 の速 度が大 幅に低下 し
た.
設計 試 作 2 独自フォーマットのファイル形式 を Excel フォーマットに変 更したいという変 更 要求 に応 じたため,
Excel フォーマットのファイルの読 み込みとその処 理に想定 以 上の時間がかかった.
2 二つの PWM 出 力ポートにおいて,
両方の出 力遅 延が発 生.
二つのうち片 方だけ遅 延を許容 して分 解 能を
よくしたいという変 更要 求に対 する開発 を実
施したところ,両 方 で遅 延が発 生 した.
設計 試 作 1 PWM 出力は分 解能 を小さくするほど処 理負 荷が重くなり,出 力のための遅延 時 間が大きくなる.
対象 となるシステムでは PWM 出 力ポートが 2 つあり,片方 の分 解 能を変更 するともう片 方も同 じ
く分解 能が変更 される仕様 であった.しかし,開 発 者はこの仕 様を把握 しておらず,分 解 能を変
更した結果 ,PWM 出 力ポートの 2 つとも出力 遅 延が発 生 するようになった.
3 スイッチ操 作による信 号変 化 など
のログデータを確 認するグラフの表
示に時間がかかり,待ち時 間が増
大.またアプリがフリーズするように
なった.
信号 に連 動して切り替わる画 面 の表示 タイミ
ングなどを同 一のグラフで見ることが出来 るよ
うにしたところ,ログデータが増大 した.
テスト工
程
2 ・グラフ上 に表 示するログデータが増大 したため,表 示するまでに時 間が掛 かり,ユーザの待ち時
間が増 加 した.
・ログデータが増大 し,メモリ展 開 しきれなくなり,アプリがフリーズするようになった.
4 SQL のレスポンス悪 化,データベー
スサーバの CPU 使用 率 高騰 ,シス
テム全 体のレスポンス悪 化が起き
た.
検索 条 件を追加 するような SQL の変更 を実
施したところ,本 番 環境 でレスポンスの悪 化
が起きた.
本番 運 用 2 検証 環 境では実 行計 画に変 更がなかったが,本 番 環境 において実 行計 画が変更 された.
5 DVD-RW へのデータ書き込みに時
間がかかることが不 具合 としてとら
えられた.
サポートしているメディアは DVD+RW, -RW, -R
だが,開発 後半 で-RW の書き込 みが遅いとい
うことが発覚 .
要件 定 義 2 開発 時の検証 は全 て DVD+RW, DVD-R を使っており DVD-RW では検証 していなかった.
DVD+RW も DVD-R と比較 すると多少の遅 さは見 られたものの誤 差の範 囲 内 .+RW と-RW の差
異は認 識 なし.
6 起動 時 間が先 行リリースした製 品
に比べて遅 い.
起動 時 間 45 秒の製 品をリリース後アップグレ
ードで 55 秒になり,先行 品に対して劣 化して
いると指摘 された.
要件 定 義 1 起動 時 間 1 分 以内 という仕様に対して先 行 してリリースした製 品 の起動 時 間は 45 秒 で仕 様 を満
たしている.先 行リリースした製品 (以下 ,先行 品)のアップグレード(派生)開発 で 55 秒になった
が,仕様は満たしている.検 証の段階 になって先行 品に対して劣 化しているという指摘 .
7 自動 調 整の実 行 時間 の大 幅増
大.
自動 調 整用 信 号取 得 時に従 来の方法 で行う
と取 得の途中 で装置 状 態が変 化 することで
計算 結 果の精 度が上がらないため,繰 り返 し
信号 を取 得 する際 に毎 回 信号 取 得のリセット
を行 うように機 能 を変 更した.その結 果 2 倍 以
上の時 間がかかるようになり,不 具合 として
認識 された.
試作 段 階
(開発 中)
2 リセット処 理 を入れるために遅 延 が生じることは要 求 元も開 発 者も認識 していたが,どの程 度の
遅延 となるか把 握 しておらず,調 査もしていなかった.リセット処理 に非 常に時 間がかかることに,
開発 中に気づいた.
8 信号 取 得速 度の低下 . 移植 性 ,保 守 性,信 用性 の向 上 の目的 で装
置を操作 する GUI から信 号 取得 機能 を別 ソフ
トとして独 立させたところ,信号 取 得速 度が低
下した.
試作 段 階
(開発 中)
2 ソフト間の通 信に想 定以 上に時 間がかかり,そのため信号 取 得の速度が落ちた.
9 検索 画 面で,検索 条 件「A」を追 加
したことで,システム全 体のレスポ
ンスが悪化 した.
レスポンス検 証 で検 索の追加 した項目 を使 用
しての SQL の CPUTime が非 常 に大きいこと
が判明 .
本番 2 Oracle 実行 計 画で,インデックスではなく,フルスキャンで検 索する判断がされてしまったため.
3
№ 事象 経緯 発見 工 程 種類 原因 詳 細
10 Wシステムのオンラインレスポンス
が著しく悪化 し,利 用 できない状 態
となった.
本番 反 映確 認より画面 レスポンスの悪化 に
関する連 絡により判明 .
本番 1 「CSV 出 力機 能」の SQL を修正 したことで,当 該 SQL でテーブルフルスキャンが発生 した.その
結果 ,Oracle に対 するリクエストが滞留 ,DB サーバの CPU 使 用 率が 100%となり,システム全体
のオンライン処 理がほぼ停 止 状 態となった.
11 Oシステムのオンラインレスポンス
が戻ってこない事 象が発 生 した.
照会 で検知 した. 本番 1 ログ等からの原 因特 定は困難 であるが,別 件対 応で開 発した Access ツールとの競合 が原 因 で
はないかと思われる.
Access ツールとOシステムで同 一 のテーブルを利 用しており,Access ツールからのテーブルアク
セスによってテーブルあるいはレコードにロックがかかり,Oシステムはロック解 除 待ちになってし
まったことでオンラインレスポンスの遅延 を招いたと推 測される.
12 検索 についてレスポンスが悪 化 . 照会 で検知 した. 本番 3 セキュリティ対 応によるレスポンス悪化 .
13 Tシステムのオンライン滞 留が発 生
した.
T システムのオンライン滞 留を検 知し,また,T
システムにおいても,サーバのキュー溢れを
検知 したため,調 査を開始 した.
本番 1 T システムサポート切れ対 応 として,リリースを行ったが,アプリケーションごとに設 定する多 重度
の設定 に誤 りがあったため.
リプレイス前のバージョンでは,アプリケーションの初 回デプロイ時 に多 重度 を設 定 する定 義ファ
イルが作 成 されるため,GUIにて担当 者が設定 を行っていた.しかし,今 回のリプレイスによりバ
ージョンがあがり,GUIによる設定 機能が廃 止となり,多重 度の設定 が漏れてしまったため,多 重
度がデフォルトである「1」となった.
14 「A」レポートのレスポンスが極 端 に
悪化 .
照会 で検知 した. 本番 2 処理 方 式変 更にともない,現 在の検索ロジックではインデックスが有 効に機能 しなくなったため.
15 Sシステムのレスポンスが遅いまた
は繋がりにくい状 態 となった.
オンラインエラーで検 知した. 本番 2 「Sシステム改定」において,特定 のチェックプログラムに不 具 合があり,その結 果,レスポンス悪
化を惹起 した.
16 新検 索の検索 結 果表 示 処理のレ
スポンスが悪 化した.
照会 で検知 した. 本番 2 新検 索 機能のリリースのため,INDEX を追 加した.
追加 した INDEX が発 行される SQL に悪影 響 を与 えた.
今まで使われていた INDEX を使 わず,新 規 作成 した INDEX を使 うよう実 行 計画が変わってしまっ
た.
17 AシステムからBシステムへのレス
ポンスが悪化 した.
照会 で検知 した. 本番 2 Aシステム新 検索 機 能のリリースのため,INDEX を追 加した.
追加 した INDEX が発 行される SQL に悪影 響 を与 えた.
18 DB の IOBusy 率 高 騰により一部 ユ
ーザにレスポンス悪 化が見られた.
DB の IOBusy 率 閾 値超 過 を検 知 . 本番 2 Aシステムの改 定により件 数取 得 のための SQL が変 更になり、そのために IO が急 激に増 えた.
19 検索 機 能にてレスポンスが悪 化し
た.
照会 で検知 した. 本番 2 資源 反 映(INDEX への列 追 加)実 施により,固定 化が外れたと考 えられる.
20 メインウインドウを閉じてソフトウェ
アを終了 させようとすると,ウインド
ウが消 えた後も長 時間 プロセスが
残る.
ウインドウが消 えるのに 10 秒程 度,さらにそ
のあとプロセスが消 えるのに 10 秒程 度かか
る.
試作 段 階
(開発 中)
1 変更 要 求の内 容は「ファームウェアと通信が途 絶えた際 ,使 用 できなくなった機 能の GUI ツール
は無効 化 してほしい」というもの.それを実 現したために,ソフトウェア終 了時 に通 信が途絶 えて
多量の機 能の実行 可 否状 態が変 化し,そのイベントを多 量の GUI ツールが同時に処 理しようとし
て終 了 処理 に時 間がかかるようになった.
種 類 は 以下 の 通り
1) 時間効率性が変化する認識を持っていない.
2) 時間効率性が変化する認識は持っているが,変化を劣化とは考えていない.
3) 顧客に時間効率性が劣化することを説明出来ていない.