twiwave 汎地球測位システムと社会的ネットワークサービスを連携させた実空間上音声重畳による聴覚型拡張現実感システム
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(2) Vol.2010-HCI-138 No.5 2010/5/14. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. 図 2. 図 1. 実際の装着図. 3. 使 用 技 術 / 開 発 環 境. twiwave 概念図. 今回使用した技術、機器構成について詳述する. 2.2 G P S , S N S を 活 用 し た サ ー ビ ス 及 び 作 品. GPS を利用した作品、サービスは多く存在する[7][8][9].更に、GPS と SNS(Social Networking Service)を連動させたサービスも始まってきており[10]、自分が今いる場 所とネットワークを連携させることによって生まれる新たな価値やコミュニケーショ ンについての研究やサービスが増えていくと予想される. 2.3 t w i w a v e の 新 規 性 過去の AR 研究には、視覚によって現実を拡張するものがほとんどであり、加えて GPS 衛星より得られた現在地情報と、音声情報によって情報を重畳するシステムは少 ない.聴覚による AR システムは幾つか存在するが、音の位置によって注意を喚起す るものであったり、カメラによって認識した実世界の物体に関連付けされた音声を流 すというもの[11]で、その場で投稿された過去の情報を音声によって提示するシステ ムではない.過去に起きた出来事の音声を流し続けるもの[12]は存在するが、しかし それは新たに更新されていく情報ではなく、あらかじめ用意されたデータのみ対応す るものである.視覚と聴覚を併用した複合現実感(MR, Mixed Reality)についての研究 [13]も行なわれているが、聴覚のみの拡張現実ではない.さらに、Twitter などの SNS を利用したアプリケーションも多く存在するが、そのほとんどが文字などの視覚情報 により提供するものである.以上のように、AR 技術を聴覚情報と GPS 情報によって 拡張した点、SNS を GPS と組み合わせ自動音声読み上げにより音声情報でその場所 で過去入力された情報を提供する点に本作品に新規性がある.. 計算機は DELL INSPIRON9300 / Intel(R) Pentium(R) M:1.60GHz, RAM:1.00GB を用い、スタンドアロン型 I/O モジュール Arduino Duemilanove w/Atmega328 に GPS USGlobalSat EM-406A を装着し、USB ケーブルを経て緯度経度情報を取得す る.本システムにおいて、GPS データ取得ならびにそのデータからの位置情報をスク レイピングするソフトウェアを Processing1.0 で、WebAPI を介した SNS データ取得 のソフトウェアは、Adobe FlexBuilder3 により開発した。またテキストの音声化には、 フリーウェア『棒読みちゃん』[14]を使用した.サーバサイドスクリプトは、PHP Version 5.2.6-1+lenny4 で開発した.実際に twiwave を装着した写真を図 2 で示す.. 4. t w i w a v e シ ス テ ム 構 成 本章では、本作品の概要を述べ、その後各技術についての詳細を説明する. 4.1 シ ス テ ム 概 要. 図1は、本作品の概念図である.ネットワーク経由で twiwave の GPS レシーバに より、それを保持したユーザの位置情報を取得する.その位置情報に基づき twitter 上の「つぶやき」を取得する.その取得した「つぶやき」を twiwave のシステムが音 声合成読み上げにより文字情報の「つぶやき」を音声情報でユーザに提供する.ユー ザは、その場所で文字により入力された過去の「つぶやき」の音声情報を聞きながら 移動する.これにより、ユーザは常に現在いる地点における過去の「つぶやき」を聞 きながら活動することが出来る.. 2. ⓒ 2010 Information Processing Society of Japan.
(3) Vol.2010-HCI-138 No.5 2010/5/14. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. 図 4. Flash-PHP- API 連携 シーケンス. 4.1.1 PHP - API 連携シーケンス. 図 3. GPS データ取得 シーケンス. ユーザの現在地を中心とした範囲内にある Twitter 情報が保存された XML を Twitter Search API から取得する.公開されている現在地情報が入った『つぶやき』 のみ、XML(以降、TwitterXML)内に表示される. 4.1.2 PHP - Flash 連携シーケンス API から取得した TwitterXML の中にある<entry>には、投稿された文章が置か れている<title>、プロフィール写真の URL が置かれている<link>、投稿者の名前 が置かれている<name>、投稿者の Twitter ページの URL が置かれている<uri>、 投稿された場所が置かれている<google:location>、<twitter:geo>などが格納されて いる.本システムでは、<title>項目のみスクレイピングし、Flash 内で用意した配 列へと保存する.これに<link>情報を用いると、つぶやいたユーザのプロフィール 写真をシステム上に表示させることも可能である. 4.1.3 Flash - 音声再生シーケンス 今回、 「つぶやき」を音声化するのに『棒読みちゃん』を使用した.これは、任意 の文章を読み上げるというフリーウェアである.その機能の中で、クリップボード にある文章を読み上げさせるというものがある.これを用いて、Flash の配列に保 存された「つぶやき」を毎 30 秒にクリップボードに保存、文章を音声化させ、再生 させている.配列の最後に到達したら、再び GPS 取得シーケンスから始まるように なっている.. 4.1.1 GPS データ取得シーケンス. 図3に GPS データ取得の流れを図示した.twiwave システムに取り付けられた GPS レシーバをによりユーザの位置の検出を行なう.受信された GPS データ NMEA(National Marine Electronics Association)信号を Processing で以下のよう な 文 字 列 か ら ($GPRMC,050945.00,A,3504.227794,N,13545.810149,E,000.0, 57.1,140302,6.5,W, A*12)というような有効データの北緯と東経のみをスクレイピ ングし、ローカルフォルダにある XML ファイル(以降、GPSXML)に上書き保存を する. 4.1.2 Flash - PHP 連携シーケンス 図4では Flash から API までのデータの流れを図示した.範囲内の『つぶやき』を 取得するために『リアルタイム検索』という機能を使う.ローカルフォルダに保存 された GPSXML にある緯度経度情報を基に、用意したサーバに置いた PHP と連携 させる.PHP は、送られてきた緯度経度情報を http://search.twitter.com/search.atom?geocode=35.64197,-139.408672,10km (http://search.twitter.com/search.atom?geocode=緯度,軽度,半径)のような形にして Twitter Search API にリクエストする.. 3. ⓒ 2010 Information Processing Society of Japan.
(4) Vol.2010-HCI-138 No.5 2010/5/14. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. Blair MacIntyre. Recent Advances in Augmented Reality. IEEE Computer Graphics and Applications, Vol. 21, No. 6, pp. 34~47, 2001. 3) 神原誠之, 横矢直和, 竹村治雄:マーカと自然特徴点を併用した広範囲見回し可能なステレ オビデオシースルー拡張現実感, TVRSJ Vol.7 No.3, 2002 4) 天目隆平, 神原誠之, 横矢直和:ウェアラブル拡張現実感システムのための注目オブジェク トへの直感的な注釈提示手法, TVRSJ Vol.10 No.3, 2005 5) Kiyoshi Kiyokawa, Mark Billinghurst, Sarah Elizabeth Hayes, Arnab Gupta, Yuki Sannohe, and Hirokazu Kato. Communication Behaviors of Co-located Users in Collaborative AR Interfaces. In Proceedings of the 1st IEEE and ACM International Symposium on Mixed and Augmented Reality, pp. 139~148, 2002. 6) Mark Billinghurst, Daniel Belcher, Arnab Gupta, and Kiyoshi Kiyokawa. Communication Behaviors in Colocated Collaborative AR Interfaces. International Journal of Human-Computer Interaction, Vol. 16, No. 3, pp. 395~423, 2003. 7) Google Maps, http://maps.google.co.jp 8) ココ釣りマスター, http://www.so-net.ne.jp/kokotsuri/ 9) Sharelog, http://www.cyber.t.u-tokyo.ac.jp/~dpa/sharelog.html 10) Twitter 対応の携帯向け位置連動型 SNS「loc8r」, http://loc8r.jp/ 11) エイチアイ,聴覚を利用した AR(拡張現実) http://www.hicorp.co.jp/pressroom/for_event/2009/event_090916.html 12) touched echo, http://www.markuskison.de/touched_echo/ 13) 比嘉恭太,西浦敬信,木村朝子,柴田史久,田村秀行 立命館大学大学院 理工学研究科:視 覚・聴覚を併用した複合現実感システムの開発(1)—視覚的 MR と聴覚的 MR の同時提示の実現 —, 日本バーチャルリアリティ学会第 11 回大会論文集, 2006 14) 棒読みちゃん,http://chi.usamimi.info/Program/ Application/BouyomiChan/. 5. 結 果 お よ び 考 察 本論文では、GPSとSNSを用いて聴覚を利用した拡張現実感システムを提案した.ま た提案手法に基づき、ノートパソコン、GPSモジュールを用いシステムを制作した.更 に、2つの方法で本システムを試用し動作確認を行った.まず、twiwaveを定点に設置 し、24時間連続稼働させた.その際、ヘッドフォンに換えスピーカーで音声を出力し、 室内に設置し稼働させた.室内のため、GPSは取得できないため緯度経度を直接数値で 入力し使用した.大学内研究室で実験を行ったが、朝になると「おはよう」等のつぶ やきが増え、日中は、学生による教室移動に関するつぶやき、そして夜になると、 「今 帰った。」等、その時間に関連した言葉を含むつぶやきを取得し聞くことが出来た。一 日を通して使用することにより、本システムが正常に実時間でつぶやきを取得、音声 化していることがわかったと共に、このようなつぶやきの変化から、一日の時間経過 を感じ取ることが出来た.次に実際にtwiwaveのシステムを実際に図2のように携帯し、 GPSを用いて使用してみた.場所は、本システムがTwitter APIを介してデータ取得を 行うため無線LANを必要とすることから、明星大学構内で行った.その結果、ユーザ位 置半径4kmの「つぶやき」を実時間の変化によって聴くことが可能であった.このこと から本システムは音声により情報を提供することから、別の活動をしながらの情報取 得に向き、ディスプレイなどを注視する必要がないことから公共スペースでの使用に 適することがわかった.これらの試用を通し、本システムで以下の2点で改善が必要で あると考えた.1点目は、ノートパソコンを用いてシステムを構築したため、常に携 帯し気軽に使用するのに向かない.2点目は、Twitterからつぶやきを取得するために 無線LANを使用したため、無線LANが整い、かつGPS衛星が捕捉できる屋外の両条件での 使用に限られる.上記2点の改善点は、本システムをtwiwaveに必要なGPSとWiFi環境が 全て整い、且つWiFi環境の他に無線環境として3G回線を有するiPhoneに代表されるス マートフォン上に実装することによって、本格的に家や街などの公共スペースでの運 用が可能となる.本提案手法をスマートフォン上に実装することで、一般のユーザが 気軽にどこでも使用できるようになる事が予想される. 文字通り「つぶやき」は多種多様であり、本システムでも同じ効果が得られた.将 来的には、観光やイベント、広告、美術館などでの運用が考えられる.そのような場 合、多種多様の「つぶやき」の中から、ユーザにとって有益な情報を得るためにフィ ルタリングすることが必要となる.. 参考文献 1) Ronald T. Azuma. A Survey of Augmented Reality. In Presence: Teleoperators and Virtual Environments, Vol. 6, No. 4, pp. 355-385,1997 2) Ronald Azuma, Yohan Baillot, Reinhold Behringer, Steven Feiner, Simon Julier, and. 4. ⓒ 2010 Information Processing Society of Japan.
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