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(1)

デザイン教育における地域連携プロジェクトの実践 と考察2 : 焼津さかなセンター『笑顔でつなぐポス ター展』を事例として

著者 川原崎 知洋, 伊藤 文彦

雑誌名 静岡大学教育実践総合センター紀要

24

ページ 125‑132

発行年 2015‑03‑31

出版者 静岡大学教育学部附属教育実践総合センター

URL http://doi.org/10.14945/00008933

(2)

静岡大学教育学部附属教育実践総合センター紀要

No 2 p125〜

132(2015) 実践報告〉

デザイン教育における地域連携 プロジェク トの実践 と考察

2

―焼津さかなセンター『笑顔でつなぐポスター展』を事例として―

川原崎知洋 。伊藤文彦

A Practical Report of Cooperationき

CCt With an Arca in Deslgn Education 2

‑A Case Study of・

Thc POsler Exhibit10n EGAO DE TSUNAGU・

in Yaizu Sakana Center―

Tomohiro KAWARASAKI・ Fumihiko ITO

要旨

本報告では、『 デザイン教育における地域連携プロジェク トの実践 と考察 1』 を受け、今回の事例であるポスタ ープ ロジェク トの具体的な成果や、プロジェク ト型の授業の大学カ リキュラムとしての可能性や課題について考 察す る。完成 した 66種 類のポスターに対 し、本プロジェク トに参加 した学生たちを対象に人気投票を実施 した。

また、同 じよ うに一般市民の方々による人気投票 も実施 した。デザインを学ぶ大学生の目線による人気投票 と、

一般市民の方々の 日線による人気投票 との結果には差異が生 じた。 この 2つ の差異には、今後のポスターデザイ ン及びデザイン全般における評価の在 り方について、重要な視点を与えて くれ るものと指摘できる。 さらに、本 プ ロジェク トに参カロした学生たちには、プロジェク トの経験 を通す ことで、 どのような態度変容が生 じ、デザイ ン制作に対す る印象にどのよ うな影響を与えたのか、その効果を波

1定

す るための事後のアンケー ト調査 を実施 し た。 このアンケー ト結果を分析す ることで、ポスターデザイ ンをプロジェク ト型授業として扱 う場合の教育的な 効果についての可能性について考察す る。

キーワー ド :デ ザイ ン教育

 

ポスターデザイ ンの分類

 

デザインの評価

は じめ に

本報告 で は、焼津 さかなセ ンターで開催 され た 「笑 顔 でつ な ぐポス ター展 」 に参加 した学 生た ちのポ スタ ー制作 にお けるプ ロジェク ト後 の意識変化や態度変容 について考察す る。考察す る方法 としては、具体的な 意識 変化や態度変容 を明 らか にす るた め、本 プ ロジェ ク トに参加 した学生たちに対 してアンケー ト調査 を実 施 した。 この調査 に よつて、プ ロジェク ト型 の授業の 可能性や 、教育的効果、今後 の課題 について明 らかに す るこ とを 目的 と した。 さ らに、ポ ス ター展 で制作 さ れ た

66店

舗 のポス ター の人気 投票 を行 い、デザイ ンを 学ぶ学 生た ちか ら選 出 され た 上位 5点 の作品について、

どの よ うな点が評価 されたのかについて分析 を行 う。

また、 この人気投票 は学 内の投票に とどま らず、2014 年 10月 11日 〜 12月 31日 までの約 3ヶ 月間、焼津 さ か なセ ンター 内にて人気投票 を実施 した。 同セ ンター に訪れ た観 光客や一般市民の方 に任意で投票 していた だい た。デザイ ンを学ぶ学生の 目線 で選ぶポスターの 傾 向 と、一般 の市 民のポ ス ター の人気 投票の結果か ら、

今後 のポス ター デザイ ン及 びデ ザイ ン全般 の評 価の在 り方 について考 察す る。

制 作 され た全

66店

舗 のポス ター につ いて

66店

舗 のポ ス ター の制作 は

2014年

の 8月 上旬 か ら 9月 中旬 までの約 2ヶ 月間、デザイ ン研 究室の学生 を

中心 に総勢 34名 が参加 した。結果的 に図 1で 示す よ う な

66店

舗 それぞれ の ポス ター が成果品 として完成 し た。また、

2014年

10月

H日

か ら 3ヶ 月 間、焼津 さか なセ ンター 内で人気投票が行われ、

66店

舗 、

66種

類 の ポ ス ターが、掲示板 に一同に展示 され た つ。

(写

真 1)

各チー ム、担 当店舗毎、その制作 プ ロセスは多種多

様 で あった が、本プ ロジェク トの傾 向 としては、店舗

の歴史や店舗 内の雰囲気、店主様 のエ ピソー ドや店主

様 ご 自身 のキ ャラクター性 な ど、 ヒア リング時 に担 当

す る学生が入手 したあ らゆる情報 を ヒン トに、まず は

キ ャ ッチ コピー を固めてい くことで、ポスター全体 の

コンセプ トを決定す るよ うな制作プ ロセスが大半 を占

めた。 さらに、決定 したキャ ッチ コピー を分 か りやす

く補 足的 な説 明を伝 えるための リー ドを考案 し、最終

的 にキー とな る ビジュアル を決定 してい くとい うメイ

ンス トリームがあった。ポスターデザィ ンにお けるキ

ャ ッチ コ ピー の重 要性 を実感 した とい う点 において も

有意義 なプ ロジ ェク トであった。

(3)

川原崎知洋・伊藤文彦

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藤中量奮議  32

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図 1  焼津 さかなセンター

 

笑顔になるポスター展

66店

舗のポスター

■ 難

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2I mree

126

(4)

デザイン教育における地域連携プロジェク トの実践 と考察 2

37 ot<,nz-r,e*

39

カネセイ水産 42 議ぐるの魚ニ

,.te1tE 44

50

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64

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53     ャマンウ

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■ 1.   さ

59    

篠雪商店

││‐ ・ 三■ ・

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1000牌 ん来

鶯若薫諄籍

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61

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写真

笑顔になるポスター展人気投票の掲示板

48

56

63  

管蛾

,磁

(5)

川原峙知洋・伊藤文彦

ア ンケー ト調査

1)対

象者及 び調査 日時

対 象 は、本 プ ロジ ェク トに参加 した学部

3、 4年

生 と 大学院生の うち任意 で実施 した。回答数 は 27名 で あつ た。調査 日時及び調査期 間は 2014年 11月 1日 〜11月 14日 までの

2週

間 であ つた。

2)調

査方法

無記名 式 質 問紙 法 に よ り、 プ ロジ ェク トに参カロした 学部

3、

4年 生 と大 学院生に対 し、任意で調査用紙 を配 布 し回収

BOXを

設置 し回収 した。

3)調

査 内容

調 査 内容 は、 (1)学 年

(2)性

(3)一

番 目を引 く 個性 的 だ と思 う作 品 を 66店 舗 のポ ス ター の 中か ら 3 つ選択 (4)キ ャチ フ レー スが面 白く共感 で き る作品を

66店

舗 のポ ス ターの 中か ら 3つ 選 択 (5)お 店 に興 味 を持 ち、友達 に も見せた くなる作品を

66店

舗 のポス タ ー の中か ら各 々

3つ

選択 した。 また この投票結果 を集 計 し、選 出 され た 上位 5作 品 につ いて 分析 を加 える。

(6)〜

(14)本 プ ロジ ェク トを通 した態度変容、及び 意 見要望 、

(15)次

回以降 の参加 希望、以上

15項

目で あ った。

4)分

析方法

(1)〜 (2)の 設 間 に関 して は 27名 の集計 を行 つた。

また、

(3)〜

(5)ま で の選択 に関 しては、学生版 ポス ター 人気投票 として、上位 5作 品につ いて表

1に

ま と めた。また

(6)〜

(9)、 (12)、 (15)の それ ぞれ の設 問 につ いて は 4件 法 を用 い て回答 を求 めた。 それ以外 の 自由記述 の設 間 に関 して は、 コメ ン ト原 文 の まま本報 告 の 中に記述 し、後 に記述 内容の傾 向につい て考察す

る こ とと した。

調査結果

(1)3年 12名

4年

生 ‑13名 、大学院 生 2名 合計 27名

(2)男

:6名

、女子

:21名 (3)〜 (5)学

生版 の人気投票結果

日 島認

!ま

  麟饉

=酬

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im

彙絲鎌 うた

 

類ヽ

(3)〜 (5)の 各項 目 (目 を引いた 。個性的

/面

白い 。 共感できた /興 味を持 つた

)に

ついて、回答者が 1人

3点 まで選ぶこととした。全体の合計得票数 を見ると 僅差ではあるが、上位 5作 品を表 としてま とめた。 1

位 は

No 59の

サスク篠宮商店、 2位 は N。

35の

三木商 店、 3位 は

M30の

ヤマシン村 田商店、 4位 は No 55の カネキュウ水産

(5位

No 16の

サスイゲタフー ド

2

号店 とい う順位 となった。

1位

の得票数を集めた『 サスウ篠官商店』

(図

1)の キャッチ コピーは「朝になるとかいてん します」、キー ビジェアルには 「ナル トの拡大写真」が用い られてい

る。篠宮商店 は朝方に開店す る卸売 りの店舗 で、取 り 扱 う主力 商品 はナル トで ある こ とが特徴 であ る。 この キャチ コピー には

2つ

の意味合いが込 め られ てお り、

1つ

の意味は、「朝 になると開店す る

Jと

い う早朝型 の 卸売 り店舗 の特徴が表現 され ている。 も う 1つ の意 味 は、人 目をはばか るよ うに 「早朝だ けナル トの渦が回 転す る」 とい うあ り得 ない状況 が ウィッ トに表現 され てい る。ユーモアに富んだダブル ミニ ニ ングのキャ ッ チ コ ピー が実際に 「面 白い・共感 できた Jと い うカテ ゴ リー で票 を集 中 させた。 シ ンプル な ビジュアル とダ イ ナ ミックな レイア ウ トとい うビジュアル的 な側面 か

らも評価 された要因であると推察 され る。

2位 の得票数を集めた『三木商店』

(図

2)│ま 、各種 塩幸や珍味を取り揃えている店舗である。キービジュ アルは「店員さんの顔」がモチーフになっているが、

128

三 木 商 店 図

村 田商 店

図 1  篠 宮商 店

(6)

デザイン教育における地域連携プロジェク トの実践 と考察

2

この顔 はイ ラス トで描 かれてい るのではな く、三木商 店 で実際 に販 売 され てい る各種塩辛や佃煮 で描かれて い る。「塩 辛 は、アー トだ

Jと

い うキャチ コ ピーが示す 通 り、大衆的 な食材 で ある塩幸 を描画材 として使用す るこ とで 、塩 辛 は芸術的な価rIも ある、 とい う新 しい 視 点 を提 示 して い る。 また 「味 も芸術 品 Jと い うリー ドが 、ポス ター の芸術性 だけを主張す るのに終上 して い るのではな く、三木 商店の主力商品で ある塩幸の美 味 しさも しつか りと伝達 している。「興味 を持 つた Jと い うカテ ゴ リーで得票数 を伸 ば した。

3位 の得票数 を集 めた『 村 田商店』

(図

3)は 、キー ビジュアル に発泡 スチ ロール によって削 られた大きい 波 と、波 に乗 つてい る店主の全身模型 を作 り、ジオ ラ マの よ うなセ ッ トを制作 し写真撮影 を行 つた。「仕入れ の コツは ノ リの良 さ」 とい うインタ ビューの際に店主 か ら引き出 した分 か りやすい言葉 をキャチ コ ピー とし、

その キャ ッチ コ ピー をス トレー トでわ ざ と外 した感 じ のキ ッチュな ビジュアル表現 が「目を引いた 。個性的 J

とい うカテ ゴ リー の得 票数 を集 めた。

カネキ ュウ水産

   

サスィゲタフード

2号

4位 の得票数 を集 めた『 カネキュ ウ水産』

(図

4)は

キー ビジ ュアル に店主の顔写真 を採 用 し、その横 にカ タカナで キ ャチ コ ピー が配 され てい る。 イ ンタビュー 時 の店主 の焼津弁 が特徴 的で、店 主か ら間 き出 した発 言 をア レンジ して 「オ メ ッチ ャ

│キ

イー ッ ト ゥン ミャ ー

 

イ カイカニ

 

オサ イで

 

食べ て ミョウ !(あ なたた ち 1と て も美 味 しい大 きなカニ をオカ ズ と して食べて ご らん !)」 をキ ャ ッチ コ ピー とした。 コピー をカタカ ナ で表現す るこ とで、焼津弁 をユ ニー クに誇張 し、ポ ス ターの店主が、ポス ター を見た人 に親 しげに語 りか けて くる。 この 「なん とな く分か るが、なん とな く分 か らない

J言

葉 の力 が、見 る人 に対 して コ ミュニケー シ ョンの きっか けを与 え得 るのではないだ ろ うか。

5位 の得票数 を集 めた『 サスイ ゲタフー ド 2号 店』

(図

5)は キ ャ ッチ コピー を 「人 をダシに使 うよ うな 奴 はいつ か誰 か に ダ シ抜 かれ るんだ な あ Jと した。 こ の キャッチ コ ピー は筆 書 きの よ うな雰 囲気 を演 出す る た めに フォン トを作成 し、キー ビジュアル に もなつて

いる。『相田みつお』をパロディとして提えたポスター である。サスイゲタフー ド

2号

店は鰹節を主に取り扱

う店 舗 で あ り、鰹 節 か らとれ る 「ダシ

Jに

着 目 し、慣 用句 の 「出汁

(ダ

シ )に 使 う Jと 「出 し

(ダ

シ )抜 く」

の 同音異義語 を利用 したキャ ッチ コピー とした。「面 白 い共感 で きた Jと い うカテ ゴ リー において得票数 を延 ば した。

以上 の 5点 が学生の人気投票の中の上位 5点 で あ る。

この 5点 につい て詳細に概観す ると、三木商店 と村 田 商店 のポス ター は ビジュアル表現 中心のポス ター と捉 え る こ とがで き、他 の 3点 のポス ターはキャ ッチ コピ ー 中心のポスターで あると分類す ることがで きる。 さ らに細か く見てみ る と、篠 宮商店の よ うな 「言葉遊 び 型 コ ピー 」、カネ キュ ウ水産の よ うな「方言誇張型 コ ピ ー

J、

サ スイ ゲ タフー ド 2号 の よ うな「パ ロデ ィ型 コピ ー」 と分類す ることができる。上位 には食 い込 まなか つた ものの、 これ以外にも文の里商店街 でのポ扶 ター の流れ を受 けた 「自虐型 コピー

Jや

茅塾 の流れ を受 け た 「共感型 コピー

Jな

どのバ リエー シ ョンも多 く確認 され た。 この ことは、オ リエ ンテー シ ョンの段 階で こ の 2つ のポ ス ター展 の事例 を紹介 した ことが大 き く影

響 を与 えた と指摘 す るこ とがで きる。

α ,今 腱のプロジェク トで、問題解決のために自ら積極的に行 動することができたと思う。

(6)問 題 解決 のた めに主体的に行動で きたか を問 う 設 間 と した。「そ う思 う Jと 答 えた学生は

259%、

「ま あそ う思 う Jと 答 えた学生 の害

1合

593%、

合 計 で

852%の

学生が問題解決のために主体的に行動す る ことができた。担 当店舗 との打合せや細かなスケジュ ールについてはテーム毎に管理 した結果、データの提 出が大幅に遅れた り、大きな トラブルが起 こつた りす るよ うなことはなかった。各チームが主体的に責任 を 持ってプロジェク トを遂行することができた。

Q7:グ ループワークとしてデザインを進あることは、新たな視 点や発想を獲得するのに役立つたと思う。

(7)グ ル ー プ ワー クに よる作業効率について問 う設問 と した。「そ う思 う」 と答 えた学生 は 593%で 、今 回

の ア ンケー トの中で最 も高い数値 となった。「まあそ う 思 う」と答 えた学生は

333%、

合計 で 926%も の高い

割合 で、新 たな視 点や発想 を獲得す るために グループ ワー クの重要性 につ いて認識 した ことが分かった。 こ れ は 、第

1報

で も記述 したよ うに、社会 の中でのデザ イ ンは、その他 の仕事の遂行 と同様 、チー ムを組 んで

あまりそう 息わない

(7●

%)

(7)

川原峙知洋・伊藤文彦

取 り組 む こ とが一般 的 で ある。デ ザイ ン を通 して社 会 性 を意識 させ るた めに も自然 とグループ ワー クを受 け 入れ られ る よ うな プ ログラムづ く りが今 後 も求 め られ

るであ ろ う。

3

08:今 露のプ IIlジ =ク トの進め方は、デザイ ンの新しい学びの 形であると思う。

(8)プ

ロジェク ト型授業 を試験的に行い、学外での活 動 と授 業外 で考 え る時 間 の害

1合

の大 きいプ ログラムで あ るこ とを教員側 が認識 し学生 に提供 した。その上で 新 しい学 び で あ る と感 じた学 生 の害

1合

が 「そ う思 う」

「まあそ う思 う Jを 合 わせ て

852%と

い う結果であつ た。 実際の クライ アン トと直接話 しを した り、社会 の 中で 自分 のデ ザイ ンが公 表 され た りと、通 常の授 業 と は異なる学びで あつた こ とは実感 として残った結果 と な った。

Q9:今 回のプロジエクトを最して、身近な広告やポスターに対 して意識が諾くなつたと思う。

(9)プ ロジ ェ ク ト後 の学生 の広告や ポス ターデザイ ン に対 しての意識 は、ほぼ

100%高

くなった こ とが分か つた。後述す る自由記述 にも、デザイ ン検討 してい る 時 か ら身近 な広 告や ポ ス ター を見 る 目が変 わつた とい う内容 の コメ ン トを残 してい るこ とか ら、本 プ ロジェ ク トを実施 した意義 は大 きい もの と指摘 で きる。

01,今 書のプ ttジ エクトを通して、ポスター制作の澤象は変化 したと思う。

(10)ポ

ス ター 制 作 の 印象 も、 プ ロ ジ ェ ク トの経 験 し た結果 、「そ う思 う」 と答 えた学 生 は

481%、

「ま あそ う思 う」 と答 えた学生 は 445%だ つた。ポスター制作 の

F「

象 が変化 した こ とがア ンケー ト結果 か ら明 らか と な った。

(11)「

ポス ター制作の印象は どの よ うに変化 したか」

について 自由記述 を求 めた。 ここに学生か ら寄せ られ た コメン トを列挙 し、その傾 向についてま とめる。

 

普段 の授業 で は個人制作 のため、ひ と りよが りな ものにな つて しまいが ちだが、お店 lllの 意 見 も入

る ことで 目的 に重点をお くことの大切 さを実感 じ た。

何度 もイ ンタ ビュー し、ポスター制作 に必要な情 報 を集 めることの大切 さを学べた。

制作 にお いて クライア ン トがいる とい うこ とが今 までなかった。

今 回は グルー プ ワー ク とい うこともあつて 自分の

自分 が作 りたいものが作れ るとは限 らない (ク ラ イ ア ン トの存在 )と い うこと。真逆の感想 が出る

こ とがあ り、調整が思つた以上に大変だ った。

これまでは自分な りの考 え方のみをデザイ ン作品 に込めている部分があたったが、実際に現 地へ行 手 とのつ なが りを感 じることが出来た。

ポス ター

1枚

に関与す る代理店な どの関係者 、依頼 者 な どとのや り取 りがすべ ての全 工程 に占める害

1

合 が大 きい こ とに気づいた。

クライ ン との要望に自分の案 を合わせ 、 コンセプ が大変だった。

自分た ちが良い と思 つたデザイ ンで も一般 の人が と感 じた。

キヤ ンチコピ

大変 さを実感 tい ろい ろ な広告 の

      

。 お店 の人 と自分のイメージ との差 を埋 め、 グルー プ内での話合いか ら案 を出すプロセ スな ど、ポス ター制作には様 々な能力が必要だ と実感 した。

とい う意 識 がポ ス ター を作 る上で根本 的に大切 なのだ と身 に染みた。

一言 に広告 と言 って も「今回の正解 は何か」 を見 ある。

実際 に 自分 の制作す る作品のす ぐそ ばにクライア ン トの存在 がある とい う意識 が強 く働 いた とい う コメン トが多 く見受 けられた。そのためには 自分 の独 りよが りなアイデアを打開す るためには、 ク ライ ア ン トと直接 コ ミュニケーシ ョンを と り、要 望 を聞 き出 し、その店舗 に関す る様 々な情報 を収 集 す る とい う行為 の重要性 について認識 してい る こ とが伺 える。 さらによ り客観的で柔軟 な視点 を 獲得す るた めには、 グルー プ ワー クに よつて デザ イ ン制 作 を遂行 してい くこ との重要性 につ いて改 めて実感 していることが見受け られた。

ポス ター を制作す るために、関係す る様 々 な人々 と良好 な関係 を持 ちなが ら進行 してい くこ とに重 要 なポイ ン トがあるこ とに気付 けた ことは、今回 のプロジェク トの中で も大きな成果だ と言 える。

012:デ ザイン icよ つて、地域の活樹 し lc責 献 したという実感が 持てたと思う。

□ あまりそう

8わ

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130

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(8)

デザイン教育における地域連携プロジェクトの実 llkと 考察2

(12)地

域 の活性化 の一環 として位置付 けてい るこの プ ロジ ェク トで あるが、参加 した学生た ちの意識 は ど の よ うな ものなのか確認 した。地域 の活性化 に貢献 し た とい う設 間に対 し「そ う思 う

Jと

答 えた学生は

259%、

「まあそ う思 う」と答 えた学生は

519%、

合計 で

778%

7割

は超 えた ものの、やや低い割合 となった。ポスタ ー制作だ けでは地域 に貢献 した実感 が低 かった との表 れ と推察す ることができる。

(13)「

今 回 の一連 のデザイ ン活動 において最 も苦労 した事 は何か

Jに

ついての 自由な記述 を求 めた。 ここ に学生か ら寄せ られたコメン トを列挙 し、その傾 向を ま とめ る。

 

キ ャッチ コピー考塞 に量 も苦労 した。大学の講義 で学んだ こ とがなかったので。

・  1枚 のポスターをグルー プで制作す る とい う点。お 店 との意 見 の違 いや グル ー プ内での連携が難 しと

った。

 

現 地 に通 うこ とが大変だった。

 

店へ のイ ンタ ビューか らアイデ ア を起 こす点。 ま た、それ を形 に起 こ した時 に 「思 ってたの と違 う

 

お店側 の個性 が強 く出す ぎた要望 を どうや って一 般 の人 々が見 て分か りや す いポス ター デザィ ンヘ

と落 とし込 めるか。

 

卸 売 りな ど、

えるモ チー フを取 り扱 つているわけではないお店

をどのこうにポスターで羞現するか。

 

プ ラ ッシュア ップ。ただ面 白いだけでな く、 目を 惹 くものや イ ンパ ク トの あ る ものに してい くにカロ えて、原案 か らや り直 しとい うことも多々あった。

 

現地 に行 って コ ミュニケー シ ョンを とること。友 好 的 な関係 、信頼 を築 き、相手の求 める もの とこ ち らのデザイ ンの提示 を折 り合 わせ るのは難 しい と思つた。

 

遠 方

(焼

津 市 )と い うこともあ り壁畳・ 金銭面で 苦労 しま した。

 

お店 の方 か ら面 白いエ ピソー ド等を伺 えて も、そ れ を元 にポ ス ター案 を考案す ることが出来ず大変 で した。

 

お店 自体のPRを す る

ない よ うに とポスターの ビジュアル を亘度 も気遣 った。

 

教員 を交 えた ブ レス ト。 取材 だ けで はな く、鮪 な ど商品の情報 な ど掘 り下げる方 向が足 りていなか ったのが教員のブ レス トで気づか され た。 もっ と 下調べ を して取 り組 みた か つた。

 

グル ー プでの話合い。建設的な話合 いができなか った。

 

お店 ご との特徴 を出 しなが ら、面 白い コ ピー を考 え ることに苦労 した。 グループ内でなかなかアイ デ アが 出ず に苦 労 した。

 

店舗 の意識 の違 いが多少 生り上⊥壁型≧壺主⊆左変 だ った。

 

キ ャッチ コ ピー制作。

る経験 がほ とん どなかったため、考 えるのに苦労 した。

 

キャ ッチ コピー制作。

なか つた た め、い ざ作 る となると作 り方 が分 か ら ず苦 労 した。

案 をま とめ る。 お店の人、グループ内での意見 な ど、様 々な方向性 がある中で、 どれがベス トなの か、もしくはい くつかの案 を くっつ けるべ きなの か とい う判断 に苦労 した。

店舗側 の意図 と今回のポス ター制作のね らいが食 い違 ってお り、理解 して もら うのに苦労 した。 そ れ を制作す る各個人でや るのは全体で見て も負担 が大きく、進行 が妨げ られてい る人が多 くいた。

キャ ッチ コピー を考 えるのに最 も苦労 した。セ ン ス と片付 けて しまわず、普段か ら

1つ

の ものを様 々 頭 を柔 ら か くしてお く大切 さを改めて感 じた。

コンセプ ト形成

 

グルー プ内で上手 く内容がま と ま らず、グループで進める≧塞 もた くさんあると 意 見が合 わ ない こともあった。

キ ャッチ ヨ ピーの考案で最 も苦労 した ことが浮 き 彫 りとなった。現状の大学での授業カ リキュラム の 中に、 コピー を考案す るよ うな課題 は組 み込 ま れ てはいない。

 

しか しなが ら、良いキャ ッチ コ ピ ー を倉

1出

す るた めにチーム毎、 または各個人が能 動 的 に打 開す るための方策 を練 っていた ことも分 か った。 また、 キャチコ ピーその ものがポス ター の主要なコンセ プ トになるこ とについて認識す る コメン トも見受 け られた。

店 主へ の ヒア リング時に、主催者側 と各店舗 との

意識 の違 いや プ ロジェク ト内容 の食い違 い、温度 差 が生 じてお り、それによって うま くコ ミュニケ ー シ ョンを とることができずに、人間関係 で苦労

した ことを指摘す るコメン トが多 く見受 け られた。

 

焼津市 の店舗 とい うことで、物理 的な距離 は縮 ま せ ることは難 しく、時間 と金銭面での問題 につい て指摘す る意見 も多 く見受 け られた結果 となった。

プ ロジェ ク トは学内だけで行 えるとは限 らない。

学生た ちの負担 にな らない よ うな配慮 は した もの の、時間 と金銭的な面での援助 は今後の課題であ る。

(14)プ

ロジェク ト全体を通 した要望等

グループ内での制作 とい うことだったが、バ ラン て しまっていたのが残念 だったので、改善案や多 少 の工夫がある と嬉 しか った。

 

グル ープ ワー クによって責任分担 してい きなが ら、

能動 的 に問題解決 を してい くよ うな能力 を開発す るた めの プ ログラムで あるに も関わ らず 、チーム を組むメンバー の関係 によってはマイナスに働 い て しま うことも明 らか となった。

 

チー ム編成 の際 には、学生の個性や能力等 を考慮 したが、各チー ムの進捗状況 な どを随時確認 して い きなが ら、その都度対処 してい くよ うな細やか な進行 が行 えるよ う配慮す ることがプ ロジェク ト で重要な資質であることが理解 された。

 

地域社会 と結びつ き、生きた学び を実感 で きるプ

ロジェク ト型授 業の必要性 については妥 当性 があ

る もの と考 える。 グループ ワー クで行 う場合 の学

生 の個々の能力 の育成 の方法や 、その効果 の測定

の方法についての検討は今後の課題 である。

(9)

川原

lgr知

 

伊藤文彦

表 7

一般市民の方々による人気投票の結果について

2014年

10月 11日

(土

)か ら『笑顔でつなぐポスタ ー展』が開催 され、センターに訪れた観光客や一般市 民の方にも参加 していただいた。投票結果は表 7の 通 りである。得票数の 1位 はNo 6の『 マルマン鷲野商店』、

2位 は

No 5の

『 水戸弥シーフーズ』、 3位 は

No:18の

Fカ

ネ トモ 2号 店』が人気上位 3店 舗 となった。続い て 4位 は

No 55の

『 カネキュウ水産』、 5位 は N0 1 の『 中部食品』、 6位 は

No 47の

『 カク長渡仲商店』

(以

上 200票 以上 )と の結果 となった。

3ヶ

月間のポ スター展での合計の投票数は 2,256票 であつた。

地域活性 を目的 としたデザインの評価

これ までのデザイ ンの評価は、デザイ ン専門知に則 った視点が、社会の中のデザイ ンを評価する上では絶 対的な基準であつた。前述 したデザイ ンを学ぶ大学生 の人気投票の結果か らは、デザイン専門知 としての視 点でポスターが評価 されている印象を持 った。 しか し なが ら、今回のよ うな地域活性化 を促すデザインの評 価 には、従来の評価基準では測れない 「受信者の強い 愛着」が存在 しているもの と考えられる。

デザイナーはユーザーに対 してよ りよい経験を提供 す ることが求め られている。今回のプロジェク トにお いて、制作 したポスターを他の誰 よりも強 く受信す る 者は店 主である。また、デザイナーである学生は店主 に対 して心地良い と思えるサー ビスを提供す る責任が ある。 ここでい うサー ビス とは成果品であるポスター のみ を指す訳ではない。店主の心の声を探るべ く、時 間をかけて何度 もや り取 りを交わ してい くプ ロセスを 丁寧にマネジメン トす ること。 これがクライアン トヘ のサー ビスであろ う。デザイン専門知に則 つた視点に よって認 め られ る従来型のデザインの創 出を目指すの ではな く、デザインを強 く受信す る対象者への満足感 をプ ロセス として提供することが、その店やその店 を 取 り巻 く地域全体に活力 を与えることになるもの と考 える。

今回行つた一般市民の方々による人気投票の結果か ら、一連のデザインプロセスをマネジメン トしてい く ことができたチームが上位 にランクされている傾向に あることが推察 され る。その一事例 として『 水戸弥 シ ー フーズ』が挙げ られ る。店主 と学生 との関わ り方が 特に顕著で、何度 もお店に伺い、提案 し、修正 を加 え の繰 り返 しで完成 させた。特にコピーや リー ドについ ては、少 しずつ議歩 してぃきなが らも、お互いが納得 す るまで検討 を重ねていった。 また、背景写真につい て も、写真家の撮影 した作品を使用できるように交渉 を進 めるな どのステ ップもあつた。店主 とのコミュニ ケーシ ョンをとりなが ら粘 り強 く制作 してい く姿が見 受け られた。 このポスターに対 し、両者 ともに強い愛 着が生 じた結果、目には見えない愛着 とい う評価点が、

日に見える得票数 として結びついた もの と考えること もできる。

結 び に

店 主 とデザイナー の双方の よ り良い 関係性 が生 じる このプ

rlセ

スが、地域や人々を活性化す る

1つ

の起爆 剤 とな り得 る もの と信 じ、今後 もデザイ ンを通 した地 域活性 のためのプ ロジェク トに参画 して い きたい。

1)詳

しくは「デザイン教育における地域連携プロジェク ト の実践と考察

1焼

津さかなセンター『笑顔でつなぐポス ター展』を事例として

Jを

参照。

(図

1)『

篠宮商店』チームc制 作

(図

2)『

三木商店』チームK制作

(図

3)『

村田商店』チームC制 作

(図

4)『

カネキュウ水産』チーム H市 1作 (図

5)『

サスイゲタフー ド2号 』チームB制 作

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132

参照

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