シンジケートローンの法的問題について : 最高裁 平成24年11月27日判決を中心として
著者 石尾 賢二
雑誌名 静岡大学法政研究
巻 19
号 2
ページ 41‑123
発行年 2015‑02‑27
出版者 静岡大学人文社会科学部
URL http://doi.org/10.14945/00008132
国
シ ンジケー トローンの法的問題 について
シ ンジ ケ ー ト ロー
のン 法 的 問 題 に つ いて
︱最高裁平成二四年一一月二七日判決を中心として︱
石 尾 賢 二 は
じ め に シ ンジ ケ ー ト ロー ンに 関 す る論 調 主は に シ ジン ケ ー ト ロー ン の活 性 化 を目 指 すも ので あ る︒ シ ジン ケ ー ト ロー ンを 単 な る共 同 融資 考と え︑ 基 本 的 に自 己責 任 と す るも ので あ る︒ ま た
︑ 日本 ロー ン債 券 市 場 協 会
︵J S LA
︶ は︑
﹁コ ミ トッ メ ント イラ ン契 約 書
︵案 と
﹁タ︑ ー ム ロー ン契 約 書
︵案と
﹁貸︑ 債付 権 譲 渡 に関 す る基 本 契 約 書
︵案 と
﹁貸︑ 付 債 権 譲 渡契 約 書
︵汎 用 バー ジ ンョ と
︑ 及 び それ ら の解 説 を公 表 し て いる
︒ ま た
︑ シ ンジ ケ ート ロー にン つい て平 成 二四 年 一 月一 二七 日 に最 高 裁 判 決 が出 され 説︑ 明 義 務 に関 す 理る 論 提が 示 され て いる
︒ 本 稿 は︑ シ ンジ ケー ト ロー ンに 関 す る法 律 問 題 を間 接 金 融 一般 問の 題 と し て位 置 づ け うよ と す るも の あで る︒ 済経 生 活 支は 従配 属 と合 理的 な発 展 繰の り 返 し あで る︒ 産 業 革 命 市︑ 民革 命 を経 て︑ 近代 国 家 包が 括 的 な 統 治制 度
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と な る
︵基本 的 に 人は 権 に基 づ く 民主 主義 を基 礎 と す るが
︑ 硬直 化 す る︒ この 硬 直 化 民は 主 主義 基を 礎 と す る制 度 の 下 生で じ るた め 見に え くに い︶︒
国 家 は拡 大 発︑ 展 闘︑ 争 衰︑ 退 を経 る︒ 部内 おに いて も様 々な 集 団 制︑ 度 が同 様 経の 緯 を た ど る︒ 近 代的 制な 度 の下 権で 力集 中化 生が じ︑ 企 業 制度 金︑ 融制 度 が いず れ も独 化占 硬︑ 直 化 の傾 向 を有 す る︒ 戦後 の経 済 発 展 と し て︑ 護送 船 団 制 に よ る保 護 の下 メで イ バン クン 制
︑ 系 列 化 に基 づ く間 接 金 融 主体 の安 定 的 発な 展 が行 わ れ て きた
︒ そ の後 の外 圧 に よ る自 由化 に対 し て バブ 経ル 済 発が 生 す るが
︑ 同 様 の方 法 で 維の 持 が 図 ら れ る︒ バブ 崩ル 壊 後 再 自ぴ 由 化 目が 指 さ れ る︒ 長 く続 く不 況 構は 造 的 原な 因 有を す ると 考 え られ る ので あ るが
︑ 従 来 通 り の 金 緩融 和 に よ る弥 縫 的 な回 復 目が 指 さ れ て るい 構︒ 造 自 体 の問 題 と 系は 列 引取 の多 重 化 によ る利 益 の安 定 化 の持 つ問 題 あで る が︑ 金 融 緩 和 に よ る維 持 架は 空 性 に基 づ く発 展 維の 持 に つな が る︒ 金 融商 品 の拡 大
︑ 間 接金 融 手 段 の拡 大 が のこ こと に関 連 す る問 題 あで る︒ そ のよ う な中 で シ ンジ ケ ー ト ロー とン いう 金 融 手 法 が 注目 され て いる 協︒ 調 融資 と いう 手 法 は政 策 的 な 金融 と し て 従 来 か 用ら いら れ てき たも ので あ る︒ 戦 時 国の 策 融 資 高︑ 度 成 長 の下 で の政 策 融資 な 金ど 融 優 遇 の下 で の政 策 的 発 展 を 目指 す た め 用に いら れ てき たも の あで る︒ こ よの う に シ ンジ ケ ー ト ロー のン 法 律 問 題 に つい て今 日︑ 般一 的 な多 額 共 同 融資 の活 性 化 によ る経 済 発 展 目が 論 ま れ︑ そ のた め の便 宜 性 が議 論 され て いる が︑ 今 ま で 金の 融 経 済 に お け る間 接 金 融 に関 す る法 律 問 題 同と 様 の問 題 存が す ると 考 え られ る︒ 本 稿 は︑ こ の問 題 に つい て︑ 歴 史 的 経な 緯 を重 視 した う え 最で 高 裁 判決 検の 討 を中 心 に シ ンジ ケー ト ロー のン 法 律 問題 の特 色 考を 察 す る︒
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一 日 本 経 済 に お け る 金 融 の 特 徴 1 . 初 期 金 融 制 度
明 治 初期 の近 代的 経 済 発 展 の必 性要︵殖 産 興業
︶ にお てい
︑ 府政 主 導 の重 点 産 業 に多 額 の資 金 を 要 し︑ 税制 国︑ 債 制 度 銀︑ 行制 度 な ど 至が 急 に整 え ら れた
︵外 国 資本 も導 入 さ れ た︶︒
企業 の資 金 調達 と し て︑ 銀 行 貸付
︵相 対 型間 接 金 融︶︑
社 債 発行
︵市 場型 間 接金 融
︶︑
株式 発 行
︵直 接 金 融︶ 用が いら れ る︒ 戦前 の企 業 は豪 商 を基 礎 と す る者 当が 初 の密 接 な国 家 と の関 係 基に づ き発 展 し
︵政 商
︶︑財 閥 を形 成 し て いく
︵長 期 安 定 的 取引 関 係 の構 築︶︒
財 間中 心 産の 業 戦は 時 の発 展 と そ 後の 停の 滞 繰を り返 し︑ 恐 慌 によ てっ 強 化 され 国︑ 家 の要 請 受を け︑ 軍事 産業 に多 額 の融 資 を行 う
︵臨 時 資 金 調整 法 興︑ 銀 を中 心 すと る協 調融 資 団︑ そ の後 の金 融 統制
︶︒事 業 資 金 と し て直 接 金融 が中 心 あで たっ 初期 の頃 に比 べて
︑ 戦 争 直前 に は資 金 規模 が大 幅 増に え 銀︑ 行貸 出 の割 合 極が 端 に増 加 す る︒ 財 間 を中 心 と す 産る 業 構造 の不 況 に対 し て緊 縮 財 政 金︑ 解 禁 に よ 構る 造 改 革 では な く 金︑ 融 緩 和 金︑ 輸 出再 禁 止 によ る積 極財 政 が この 独 占 状 況 拍に 車 を か たけ
︒ 2.
長 期 信 用銀 行 長 期 信 用銀 行 は当 初 産業 支 援 のた めに 設 立 さ れ︑ 金 融 債 等 に よ てっ 資金 調達 し︑ 政 策 金 融 を担 当 す る が︑ そ の後 の 普 通銀 行 と 相の 互性 に お てい も系 列外 融資 等 独自 の発 展 を す る
︵ア メリ カ の投 資 銀 行 の役 割 を持 つも との 考 えら れ る︶︒
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以下
﹃日︑ 本 興 業 銀 行 七 十 五年 史﹄ か らそ の発 展 の概 要 を 見 る︒ 明 治初 期
︑ 株式 担 保貸 付 に より 企 業 支を え てき た のは 国立 銀 行 普︑ 通 銀 行 であ たっ が︑ 信 用状 況 は株 式 価格 に左 右 され た︒ 日清 戦 争前 後
︑ 後 財の 閥 事は 業 を拡 張 し て利 潤 を 上げ
︑ 機 銀関 行 を 設置 し︑ 資金 融 通 の円 滑 化 を図 てっ いた
︒ 日清 戦後 の好 景気 に お いて 財 閥 外 の事 業 新︑ 規 事業 に つ てい も融 資 が拡 大 さ れ た
︵金本 位 制実 施
︑ 紙幣 統 一︑ 国 立 行銀 の 普 通銀 行 への 転 換 勧︑ 銀 な 特ど 銀 の設 立
︑ 弱 小銀 行 合 併 促の 進
︶︒
反動 時 期 であ る明 治 三 二年 に 外資 導 入機 関 と し て
︿工業 たの め の︶ 長 期貸 付
︵社 債発 行 を 円滑 にす るた め の信 用補 完︶ を 目的 と す る日 本 興 業銀 行 が設 立 され た
︵有価 証 券 貸付
︐信 託 応o 募
・引 受等
︶︒
そ 後の 業︑ 務 は各 種 抵当 法 規 社︑ 債信 託 法 規 の整 備 信︑ 託 業務 の拡 張 によ てっ ま︑ た さ にら 財 団 上介 剛居 担当 貸 付 な 長ど 期産 業 金 融 活動 に お いて 積極 化 す る︒ 第 一次 大戦 期 に財 閥 発が 展 し
︵持株 会 社 を 中 心 と す るピ ラ ミ ッド 型 の組 織 形 成︶︑
典 銀も 業 務 拡 大 整︑ 備 を 行 い︑ 大戦 申 の資 春 集中 大︑ 企 業 化 の傾 向 に伴 い︑ 地 産方 業 のへ 貸 付 行を い︑ 不 況期 に当 行債 券
・割 引債 券 発の 行 行を い︑ 罹災 後 の申 小工 業 金 融 担を い︑ 不況 期 ゆ 金 融 の 調整 役 割 を 果 た す こと にな る︒ 対 外投 資 と てし 酋は 原 借 款 があ り 救︑ 済 金 融 と し て株 式 市 場 済救 臨︑ 時 事 業 資金 の供 給 鋼︑ 鉄
・蚕 糸業
・化 学 工業 済救 等 を 行う 4
︒ そ 後の の金 解禁 財︑ 政 緊 縮 産︑ 業合 瑾 化 等 デ フ 政ン 策 に よ 不る 況 の悪 化︑ 金 輸 出 再禁 止
︑ 赤字 公 債等 イ フン 政レ 策 後 の再 度 の財 政 立 て直 し の中
︑ 低金 利 大 増 税 に よ る軍 事費 増 大 の準 戦時 体 制 に 入 る︒ 興 銀 救は 済 融 資 を行 い︑ 融 資 連 盟 も結 成 さ れ る︒ 融資 判断 も担 保主 義 から 事 業 位本 に転 換 さ れ る︒ 日中 事 変 進の 展 に伴 い︑ イ ンフ 規レ 模 拡が 大 し︑ 軍 需 産生 拡 大 資金 供 給 の要 請 あが り︑ 臨時 資 金 調整 法 な ど 資の 金統 制 立 法 が 行 わ れ︑ 融 資 大は 幅 に増 加 し︑ 興 銀 積が 極 的 な役 割 を 果 た す
︵生産 力拡 充 資 金 融資
︑ 起債 ノ ー ム︑ 国 家総 動 員 法 に よ
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る命 令 融 資 担当 機 関 増︑ 資 実 行︑ 命 令 融 資
・船 舶 融 資
・中 小商 工業 融 資
・共 同融 資 の推 進
︶︒戦 時 中 の国 家 信 用 を背 景 とす る軍 需産 業 への 資 金 供給 のた め に︑ そ れま で国 策 金 融 を遂 行 し てき た興 銀 の協 力 では 不十 分 と され 日︑ 銀 法 改 正︑ 戦時 金 融 金 庫 設立
︑ 弱 小金 融 機 関 の淘 汰
・整 備 金︑ 融 統 制 団体 の発 足 よに り国 家信 用 背を 景 すと る大 規 模 な資 金 供 給 がな さ れ た︒ 戦後 これ ら の状 況 処を 理 す る た め に金 融 緊 急措 置令 が出 され
︑ 経 済安 定 本部 下の で復 興 金 融 公庫
︵興 銀 復 興 金 融 部 を移 管
︶ が設 立 され 傾︑ 斜 生 産 方 式 に よ る拡 大再 生 産
︑ 中 小企 業 金 融 諸 対策 が行 わ れ た︒ ア メリ カ占 領 政 策 も民 主 化措 置 後 経︑ 済 的 自立 を図 るも のと な る
︵経 済 安 定 九 原 則︶︒
戦後 金︑ 融機 関 は そ のま ま 存続 認が め られ 特︑ 別 銀 行 は普 通銀 行 に転 換 され た︒ 長 期 信 用 は証 券 市 場 賄で わ れ る のが 基 本 と考 え られ た が︑ 資 本 蓄 積 の脆 弱 な我 国が に適 応 たし 金 融 方 式 も 認 め られ
︑ 銀 行等 の債 券 発行 も認 めら れ る こと に な る︒ 経 済 は特 需 に より 回復 す る︒ オ ー バー ーロ
ンが 生 じ︑ 金 融 緩は 和 から 引 き締 め に転 換 し︑ 業事 債 増が 加 たし
︒ 政 府機 関 あで る日 本開 発 銀 行︑ 本日 輸 出 銀行 が設 立 され た︒ オー ーバ ロー ン克 服 のた めに 様 々な 対 策 が行 われ た が︑ 長 期 信 用銀 行法 も制 定 さ れた︲
復︒ 興 期 後 産の 業 発 展 の進 展 に お てい
︑ 積 極的 財 金政 融 政 策 と し て企 業 合 理 化促 進 法
︑ 財 政投 融 資 の拡 大 特︑ 別 減 税 国債
・政 府 保 証 債 発 行
︑ 金 融 緩 和政 策
︑ 日銀 等 貸 出 増 加 行が わ れ た 多︒ 少 の波 あが るも の の高 度 経 済 成 長 進が 行 す か︒ 興 銀 は戦 後
︑ 山 一救 済
︑ 海 業運 界 再 編
︑ 日産 プ リ スン 合 併
︑ 八幡 富 士 合 併 な 重ど 要 な 活動 を推 進 す るが
︑ 国 多債 発︑ 長 期 信 用制 度 の意 義 の希 薄 化
︑ バブ 期ル 投 資 銀 行 と し て の失 敗 等 か ら︑ バブ ル後 普 通 銀 行 と し て統 合 さ れ か︒
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3 戦 後 民主 化 と高 度 成 長 戦 後
﹁復︑ 興 期 には 基 産幹 業 高︑ 度 成長 期 に 重は 化 学 工業 に重 点的 に資 金 を配 分 す る こと が 不可
﹂避 あで り︑ 公社 債 市 場 では 重 点 的資 金 配 分 を効 果的 行に う こと が でき ず 政︑ 府 金 融機 関 であ る復 興 金 融公 庫
︵復 金債 の日 銀 買取
︶ に始 ま り︑ 都 市 銀行
︵オ ー バー ロー ン︶︑
長 期金 機融 関 資が 金 配 分 行を い︑ 間接 金 融優 位構 造 が形 成 され た︒ 都 市 銀 行
︵長 期金 融 機 関
︶ と系 列 関 係 あに る重 化 学 業工 の企 業 資に 金 集が 中 し た
︵多 く は金 債融 担を 保 と す る 日銀 貸 付 に基 づ く︒ そ の後 の公 共 債 も金 融 機関 消 化 基に づく ︲
︶︒
度高 成 長 の要 因 は設 備投 資
︵技 術革 新 合︑ 理化
・近 代 化 機︑ 械 化
︶ と いわ れ る︒ 金 融機 構 民は 間 設備 資 金 供を 給 し︑ 準 国債
︵国 債︶ 消を 化 し た 市︵都 銀 行 を中 心 と す る間 接金 融 優位
︱ 都銀 のオ ー バー ロー ン︑ コー ル市 場 のへ 依 存︑ ーコ ル ーレ ト の高 騰 金︑ 利 体 系 の不 均 衡
︶︒
﹁都 市銀 行 は︑
① 直接 長の 期貸 出
②︑ 金 債融 の引 受 に よ る長 銀 貸 出 の促 進
③︑ 事 業 債 の引 受 の三 法方 に よ てっ 長 期資 金 供給 に大 き 地な 位 を占
﹂︑め 公 社債 流 通市 場 欠如 のた め に ーオ バー ロー ンと な り︑ 日銀 貸 出 増が 大 し︑ 中 小 金 機融 関 の資 金 余 剰 から コー 市ル 場 繁が 忙 化 たし 貸︒ 出金 利
︑ 公定 歩 合 が引 下き げ ら れ ︑ ーコ ル ーレ ト 高が 騰 し︑ 公社 債 利 回 り は固 定 化 し て いた
︒ この 金 利 体 系 のゆ が み の是 正
︵低 金 利 政 策
︶ は︑ 金 利 調節 機 能 発が 揮 され る金 融市 場 形の 成
︑ 企業 の長 短資 金 需 要 ア バン ラ スン の是 正 を必 要 と たし
︵政 策当 局 日は 銀 買 オい ペに よ てっ 対 応 よし う と し た︶︒
高 度 成長 政 策 は
﹁金 融機 関 の貸 出 競し 争
︑ ま た それ に刺 激 さ れた 企 業 の設 備 投 資 拡 大競 争 を生 み︑ 景気 変 動 に伴 な う設 備投 資 循の 環的 変動 を 小 さな も のと たし
︒ こ の場 合
︑ 企業 銀と 行 系が 列関 係 あに たっ こと 設が 備投 資 に 層一 拍の