[論文]
幼児教育学科における教学 IR データ分析
成績指標および学生生活に着目して
三 好 力
早 坂 めぐみ 松 木 久 子
The teaching IR analysis in early childhood education department Aiming at the Grade Point Average and student’s life
Chikara Miyoshi Megumi Hayasaka
Hisako Matsuki
キーワード:IR、成績指標、GPA、学生生活、保育者としての就職
要約:本研究では、本校の教学
IR(教学部門に特化された情報収集とデータ分析)のために収集されたデータを元に幼児教育学科の特徴を探るべき様々な角度から分析を行った。本研究のた めに提供されたデータは、学生生活指標として入学時の「入学者アンケート」と「学修時間・学 修行動アンケート」として、在学中の学生に各年度の学年末2月に行った悉皆調査であった。ま た、入試の選抜方式や成績指標として
GPAと「不可」の数、 「S」の数、退学者情報なども合わ せて提供された。それらの結果、「不可」の数が一年次に多いことなどの特徴が見られた。また、
「保育者就職」と「保育者以外の就職」の者に分類しての分析では、進路の差によって、学生生 活の内容に特段の差はなかった。幼児教育学科第二部(夜間開講)に限っては保育者就職と保育者
以外の者の間の図書館利用の頻度には有意差がみられた。GPA の平均値は、第一部、および、
第二部ともに、保育者以外の進路に進む者よりも、保育者就職者のほうが有意に高かった。
1 . 本 研 究 の 目 的
昨 今 、高 等 教 育 機 関 に お い て 、IR(Institutional Research) と 呼 ば れ る 調 査 研 究 の 活 用 を 通 じ た 教 育 活 動 の 可 視 化 な ら び に
IRデ ー タ の 分 析 結 果 を 活 用 し た さ ら な る 教 学 改 善 を は か る 試 み が 要 求 さ れ て い る 。特 に 教 学 部 門 の
IRの こ と を 教 学
IRと い い 、こ れ ら に 基 づ く 分 析 結 果 を 活 用 す る こ と に よ り 、 魅 力 あ る 教 育 機 関 創 り の 一 助 と す る 可 能 性 も 考 慮 す る よ う に 促 さ れ て い る 。
秋 草 学 園 短 期 大 学 は 、 以 前 か ら 学 生 対 象 の ア ン ケ ー ト 調 査 を 実 施 し て い た が 、 そ れ を 分 析 し 有 効 に 活 用 す る 機 会 が な か っ た 。そ こ で 本 学 で は
IR推 進 室 を 設 置 し 、今 年 度 は 、学 科 ご と の 問 題 に 対 応 す る べ く 、 個 々 に 分 析 も 試 み る こ と と な っ た 。 本 研 究 は 、 教 学 各 部 門 か ら 提 供 さ れ た デ ー タ か ら 、
2019年
3月 に 卒 業 し た 幼 児 教 育 学 科 の 第 一 部 お よ び 第 二 部 の 学 生 対 象 の 調 査 デ ー タ を 分 析 し た 結 果 を 示 す 。 分 析 の 背 景 に あ る 問 題 意 識 に は 、 学 生 の 学 習 の 現 状 分 析 を も と に し た 学 習 の 質 の さ ら な る 向 上 、 学 生 の 本 学 に 対 す る 満 足 度 を 上 げ る こ と に よ る 学 生 の 中 途 退 学 防 止 、 学 生 の 希 望 す る 進 路 の 実 現 等 が あ る 。
本 論 文 に お い て は 、 大 き く 分 け て ふ た つ の 観 点 か ら 分 析 す る 。 第 一 に 、 成 績 指 標 、 と り わ け
GPAに 関 す る 分 析 で あ る 。GPA は 学 生 の 学 習 実 態 を 端 的 に 表 す 指 標 で あ り 、IR に お い て も 重 要 な デ ー タ で あ る 。中 井 ・鳥 居・ 藤 井(
2013)に よ れ ば 、GPAを 活 用 し た 先 行 研 究 と し て 、学 科 別 の
GPAの 変 化 の 分 析 に よ っ て 、カ リ キ ュ ラ ム や 学 習 支 援 の 課 題 を 示 し た 研 究 、1 年 終 了 時 と 卒 業 時 の
GPAの 強 い 正 の 相 関 が あ る こ と か ら 、初 年 次 教 育 の 重 要 性 を 明 ら か に し た 研 究 等 が あ る( 例 え ば 、阿 部 、
2013;浜 田 、
2012;高 橋・星 野・溝 上 、2014)。そ れ に 対 し て 、 本 学 に お け る
IR分 析 は 緒 に 就 い た ば か り で あ り 、 こ れ ら の 先 行 研 究 を 参 照 し つ つ 基 礎 的 な 分 析 に 着 手 し は じ め た と こ ろ で あ る 。 本 研 究 に お い て は 、 た と え ば 成 績 評 価 の「 不 可 」の 数 、入 試 方 式 と
GPAと い っ た 分 析 結 果 を 提 示 し 、幼 児 教 育 学 科 に お け る 学 生 の 学 習 支 援 に つ い て 提 起 す る 。 本 論 文 の 分 析 の 観 点 の 第 二 と し て 、 保 育 者 養 成 と い う 目 的 を 担 う 幼 児 教 育 学 科 の 卒 業 生 の 進 路 を 「 保 育 者 就 職 」 と 「 保 育 者 以 外 」 と に 分 け て 、 学 生 生 活 や
GPAに つ い て 検 討 す る 。 幼 児 教 育 学 科 の 特 徴 と し て 、 保 育 者 就 職 に 必 要 な 免 許 ・ 資 格 と 、 専 門 と す る 学 習 内 容 と が 結 び つ い て い る こ と が あ げ ら れ る 。 こ う し た 学 科 の 特 性 を 踏 ま え 、 学 生 の 進 路 と 本 学 に お け る 学 習 や 生 活 と を 結 び つ け た 分 析 は 、 今 後 も 継 続 す べ き で あ る 。
本 研 究 の 結 果 は
2019年
3月 卒 業 者 に 限 っ た 分 析 結 果 で あ り 、 あ く ま で 一 つ の 傾 向 を 打
ち 出 し て い る に 過 ぎ な い に し て も 、 今 後 の 幼 児 教 育 学 科 に お け る 教 育 内 容 の 充 実 、 教 学 改
善 を は か る 上 で の 指 針 と な る だ ろ う 。 さ ら に 本 学 の
IR分 析 に 必 要 な 調 査 項 目 の 検 討 に も
貢 献 す る と 考 え ら れ る 。以 下 、2 節 で は 成 績 指 標 に 関 す る 分 析 、
3節 で は 進 路 別 の 学 生 生 活
の 分 析 、
4節 で は 考 察 と 結 論 を 示 す 。
2 . 幼 児 教 育 学 科 に お け る 成 績 に 関 す る 分 析 2 - 1 . 問 題
本 節 で は 、
2019年
3月 に 幼 児 教 育 学 科 を 卒 業 し た 学 年 に お け る 成 績 に 関 す る 分 析 を 行 う 。 幼 児 教 育 学 科 に 入 学 し た 学 生 の 成 績 が ど の よ う に 変 化 し て い る の か 。 ま た 、 入 試 制 度 と 入 学 後 の 成 績 の 関 係 や 入 学 時 の 満 足 度 と そ の 後 の 成 績 な ど へ の 影 響 が あ る の か ど う か を 探 索 す る こ と は 、 今 後 の 入 試 方 法 の 検 討 や 入 学 後 教 育 、 並 び に 入 学 後 の 学 生 指 導 の 支 援 材 料 と し て 分 析 す る こ と に は 意 味 が あ る で あ ろ う 。 そ こ で 現 在 秋 草 学 園 短 期 大 学
IR推 進 室 に 提 供 さ れ た デ ー タ を 基 に 、 可 能 な 限 り 成 績 に 関 す る デ ー タ を 多 角 的 に 分 析 す る 。
な お 、 成 績 指 標 と な る デ ー タ は 、 一 部 と 二 部 に よ り 教 員 が 異 な り 、 評 価 指 標 も 異 な っ て い る た め に 厳 密 に は 比 較 す る こ と が で き な い 。 し か し 、 そ れ ら は 秋 草 学 園 短 期 大 学 の み の 問 題 で は な く 、 小 学 校 か ら の 義 務 教 育 、 他 校 に お け る 大 学 な ど に お い て も 同 様 の こ と が い え 、 あ く ま で も 教 育 支 援 や シ ス テ ム を 改 善 す る た め に 有 意 義 な 知 見 を 得 る た め の 参 考 指 標 と し て 用 い る べ く 分 析 す る こ と と す る 。
2 - 2 . 方 法
本 研 究 で 分 析 対 象 者 と な っ た デ ー タ は 、幼 児 教 育 学 科 の 一 部 と 二 部 を 合 わ せ て
248名 で あ っ た 。 内 訳 は 幼 児 教 育 学 科 第 一 部 (
2年 制 ) の
2017年
4月 入 学 者
166名 、 同 学 科 第 二 部(
3年 制 )の
2016年
4月 入 学 者
82名 で あ る 。入 学 者 の う ち 、 規 程 年 数 で 卒 業 し な か っ た 者 に は 、 休 学 者 ・ 留 年 者 ・ 中 退 者 が 含 ま れ 、 分 析 に 必 要 な デ ー タ 入 力 の な い 欠 損 値 は 分 析 ご と に リ ス ト 単 位 で 除 外 す る こ と に し た 。
本 研 究 で 用 い る の は 、 秋 草 学 園 短 期 大 学
IR推 進 室 の メ ン バ ー が 共 有 し た 幼 児 教 育 学 科 の デ ー タ で あ る 。 「 入 学 者 ア ン ケ ー ト 」と し て 、入 学 年 の 4 月 に 在 学 生 に 対 し て 行 わ れ た も の と 「 学 修 時 間 ・ 学 修 行 動 ア ン ケ ー ト 」 と し て 、 在 学 中 の 学 生 に 各 年 度 の 学 年 末 2 月 に 行 っ た 悉 皆 調 査 の 結 果 を 用 い る 。
2 - 3 . 分 析
2 - 3 - 1 . 成 績 指 標 に 関 す る 基 本 的 分 析
秋 草 学 園 短 期 大 学 の 幼 児 教 育 学 科 に お け る 成 績 に 関 す る 指 標 の 基 本 統 計 量 を は じ め に
抽 出 し た 。成 績 に 関 す る 分 析 項 目 と し て は 、1 年 次 の
GPA(GPA算 出 方 法 に つ い て 表
1を
参 照 )と
2年 次 の
GPA、さ ら に
1年 次 成 績 表 の「
S」の 数 と 2年 次 成 績 表 の「
S」の 数 、及び
1年 次 の 「 不 可 」 の 数 と
2年 次 の 「 不 可 」 の 数 で あ る 。 そ れ ぞ れ を 成 績 指 標 の 項 目 と し
て 基 本 統 計 量 を 表
2に 示 す 。
表
1 GPA算 出 方 法
表
2成 績 指 標 に 関 す る 基 本 統 計
成 績 表 の 「
S」 の 数 に つ い て は 、 学 生 の 履 修 上 の 科 目 選 択 数 に よ っ て 最 大 数 が 変 わ る た め 、 本 調 査 の 最 大 値 が 全 て の 学 生 の 最 大 値 と し て み る こ と は で き な い 。
1年 次 と
2年 次 に お け る 成 績 表 の 「
S」 の 取 得 に 関 す る 度 数 分 布 表 を 表 3に 示 す 。
表
3 1,2年 次 の 成 績 表 の 「
S」 の 度 数 分 布 表区分 評価 評価(成績評価基準) GP 区分 評価 評価(成績評価基準) GP S 100~90点 4.0
A 89~80点 3.0 B 79~70点 2.0 C 69~60点 1.0.
(履修登録科目の単位数×GP)の合計
合格 不合格 F 59~0点 0.0
履修登録科目の総単位数
GPA一年次 GPA二年次 S(一年次) S(二年次) 不可(一年次) 不可(二年次)
有効 227 221 232 223 232 223
欠損値 21 27 16 25 16 25
2.49 2.54 5.66 4.55 1.45 0.87
2.57 2.62 5.00 4.00 0.00 0.00
0.65 0.61 4.32 3.60 4.63 2.81
0.06 0.39 0 0 0 0
3.61 3.60 19 15 32 17
中央値 標準偏差
最小値 最大値 度数
平均値
度数 累積パーセント 度数 累積パーセント
0 19 8.2 31 13.9
1 24 18.5 22 23.8
2 20 27.2 23 34.1
3 24 37.5 26 45.7
4 25 48.3 26 57.4
5 20 56.9 17 65.0
6 13 62.5 14 71.3
7 14 68.5 15 78.0
8 18 76.3 12 83.4
9 12 81.5 12 88.8
10 9 85.3 6 91.5
11 8 88.8 8 95.1
12 5 90.9 7 98.2
13 5 93.1 2 99.1
14 7 96.1 1 99.6
15 3 97.4 1 100.0
16 1 97.8
17 4 99.6
19 1 100.0
合計 232 223
欠損値 16 25
248 248
2年次のSの数 1年次のSの数
幼 児 教 育 学 科 に お い て は 、 保 育 者 養 成 校 と し て の 履 修 科 目 の 設 定 が あ る た め に 一 般 大 学 や 本 校 の 文 化 表 現 学 科 の よ う な 自 由 度 は そ れ ほ ど な い 。 し か し な が ら 、 保 育 士 資 格 と 幼 稚 園 教 諭 の 免 許 を 両 方 取 得 す る 学 生 と ど ち ら か 一 方 取 得 を 目 指 す 学 生 、 ま た 卒 業 の み を 目 指 す 学 生 で は 、 最 低 取 得 単 位 数 は 自 ず と 変 わ っ て く る た め 、 注 意 が 必 要 で あ る 。
「 不 可 」 の 取 得 数 に つ い て は 、
1年 次 の 平 均 が
1.45(SD=4.63)、
2年 次 の 平 均 が
0.87(
SD=2.81)と い う こ と で 、1 年 次 の 平 均 が 高 く 分 散 も 大 き い こ と が わ か る 。こ れ は 、高 校 で の 授 業 形 態 と 異 な る こ と が 多 く 、 ま た 専 門 科 目 も 多 い た め に 定 期 試 験 勉 強 の 仕 方 な ど わ か ら ず に 戸 惑 っ て し ま い ミ ス す る こ と が 多 く な る こ と も 推 測 さ れ る 。 ま た 、
2年 次 に な る と 定 期 試 験 の 勉 強 方 法 な ど も 慣 れ て く る た め に 自 分 な り の 対 処 法 を 身 に つ け 適 応 し て い る こ と が 考 え ら れ る 。 そ れ 以 外 に も
1年 次 に 大 量 の 「 不 可 」 を 取 っ て し ま っ た 学 生 は 、 モ チ ベ ー シ ョ ン が 下 が っ て し ま い 進 路 の 変 更 を 検 討 し 、 休 学 や 退 学 な ど の 選 択 を 取 る た め に 対 象 デ ー タ か ら は 外 れ て し ま っ た 結 果 、 最 下 位 層 の 学 生 が い な く な り 上 位 の 学 生 し か 残 ら な い と い う 結 果 も 推 察 さ れ る 。
「 不 可 」 の 取 得 数 を 度 数 分 布 分 析 と し て 、 表
4に 示 す 。「 不 可 」 の 数 が
90% ラ イ ン に なる の が
1年 次 で は
2科 目 で あ り 、
10% の 学 生 が 3科 目 以 上 落 と し て い る こ と に な る 。
2年 次 で も ほ ぼ 同 じ よ う な 数 値 に な っ て お り 、卒 業 が か か っ て い る こ と か ら 考 え る と
2年 生 の 方 が 問 題 は 深 刻 と も い え る 。 保 育 者 養 成 校 は 資 格 取 得 と 単 位 修 得 が 一 体 化 し て い る と こ ろ が あ る こ と か ら 、 単 位 の 未 修 得 は 、 卒 業 は で き て も 資 格 取 得 が で き な い と い う 問 題 を 生 む た め に
2年 次 の
20% 弱 の 学 生 が 1科 目 以 上 落 と し て い る こ と は 、 学 科 と し て も 把 握 し て お く べ き 事 実 で あ ろ う 。
表
4 1,2年 次 の 成 績 表 の 「
S」 の 度 数 分 布 表 ( 不 可 の 数 が 0~5ま で )
不可の数 度数 累積パーセント 度数 累積パーセント
0 175 75.4 181 81.2
1 28 87.5 17 88.8
2 7 90.5 7 91.9
3 2 91.4 2 92.8
4 1 91.8 3 94.2
5 2 92.7 1 94.6
1年次の不可の数 2年次の不可の数
2 - 3 - 2 . 一 部 と 二 部 に よ る 違 い の 検 討
秋 草 学 園 短 期 大 学 幼 児 教 育 学 科 に は 、 昼 間 開 講
(2年 制
)の 一 部 と 夜 間 開 講
(3年 制
)の 二 部 が 併 設 さ れ て い る 。 昼 間 部 の 一 部 は 、 1 限 か ら 5 限 の
9:00~17:50ま で の 開 講 で 、 夜 間 部 の 二 部 は 、6 限 ~ 7 限 の
18:00~21:10ま で の 開 講 と な っ て い る 。専 任 教 員 の 多 く は 一 部 と 二 部 の 授 業 の 多 く を 兼 任 し て い る が 、 担 当 授 業 数 の 関 係 で 兼 任 講 師 の 教 員 に 依 頼 す る こ と も 多 く 、 一 部 と 二 部 に よ り 教 員 が 異 な る こ と も 少 な く な い 。
一 部 と 二 部 に よ る 成 績 指 標 を
t検 定 に お い て 分 析 を 行 っ た 。 そ の 結 果 を 表
5に 示 す 。 そ の 結 果 、 成 績 表 の 一 年 次 「
S」 の 取 得 数(t = 5.85, df = 196.85, P <.001)と 二 年 次 「S」 の 取得 数
(t = 4.32, df = 160.30, P <.001)に つ い て 二 部 よ り も 一 部 の 方 が 有 意 に 「
S」 の 取 得 数が 多 か っ た 。 そ れ 以 外 の 一 年 次 の
GPA(t = 0.75, df = 225, n.s.)、 二 年 次 の
GPA(t = 0.54, df = 106.76, n.s.)、 一 年 次 の 不 可(t = 0.57, df = 230, n.s.)、 二 年 次 の 不 可
(t = 1.45, df = 91.71, n.s.)に つ い て は 有 意 な 差 は 認 め ら れ な か っ た 。成 績 表 の「
S」の 取 得 数 に つ い て は 、一 部 と 二 部 で は 一 年 間 に 取 得 で き る 科 目 数 が 異 な るた め 、「
S」 を 多 く 取 得 す る 学 生 の 間 で 差 が 出 て し ま う 。 二 部 で は 、 履 修 科 目 の 上 限 が 一 部と は 半 分 近 い 差 が あ る た め に こ の よ う な 差 が み ら れ た と 考 え ら れ る 。 し か し な が ら 、 不 可 数 に 関 し て は 、 不 可 を 取 ら な い こ と が 望 ま し い こ と か ら そ の 取 得 数 に お い て は 参 考 に な る と 考 え ら れ る 。 特 に 二 年 次 で は 、 統 計 的 な 差 は な い に も か か わ ら ず 、 二 部 の 方 が 若 干 高 く な っ て い る こ と が 示 さ れ て い る 。
表
5一 部 と 二 部 ご と の 成 績 指 標 の t 検 定
2 - 3 - 3 . 入 試 方 式 に よ る 成 績 指 標 の 違 い に つ い て の 検 討
秋 草 学 園 短 期 大 学 幼 児 教 育 学 科 の 入 試 制 度 に は 、 多 様 な 入 試 方 式 が 設 定 さ れ て い る 。 入 試 方 式 は 、 ① A O 特 待 入 学 試 験 、 ② A O 入 学 試 験 、 ③ 秋 高 特 待 推 薦
(併 設 校 推 薦 入 試)、④ 指 定 校 推 薦 、 ⑤ 公 募 推 薦 、 ⑥ 自 己 推 薦 、 ⑦ 一 般 入 試 、 ⑧ 社 会 人 入 試 、 ⑨ 特 別 推 薦 が あ る 。 そ こ で 、 入 試 方 式 に よ り 入 学 し て き た 学 生 の 成 績 指 標 が 異 な る の か を 一 要 因 の 分
平均値 標準偏差 平均値 標準偏差
GPA一年次 2.51 0.65 2.44 0.67 0.75 GPA二年次 2.59 0.54 2.45 0.74 1.46 S(一年次) 6.59 4.50 3.63 3.07 5.85 ***
S(二年次) 5.21 3.64 3.17 3.13 4.32 ***
不可(一年次) 1.57 5.19 1.19 3.10 0.57 不可(二年次) 0.64 2.11 1.35 3.86 1.45
*P <.05 **P <.01 ***P <.001
一部 二部
t 値
散 分 析 に よ り 検 討 し た ( 表
6)。 そ の 結 果 、 一 年 次 の GPAの み
F (8, 218) = 2.90で 、
1%水 準 で 有 意 差 が あ っ た 。そ の 後 の 多 重 比 較(
Tukey法 )で は 、① A O 特 待 入 学 試 験(
3.15) が ⑨ 特 別 推 薦 (
1.49) よ り も
GPAの 数 値 が 有 意 に 高 い と い う 結 果 で あ っ た 。
そ の 他 、 統 計 的 に 明 ら か な 有 意 差 は な い も の の 「
S」 の 取 得 数 な ど は 、 ①A O 特 待 入 学 試 験 が 一 年 次
12.75、 二 年 次
8.50と 他 の 入 試 方 式 よ り も か な り 多 い こ と が わ か る 。 ま た 、 一 年 次 の 不 可 数 な ど は 、⑤ 公 募 推 薦(
4.62)、⑨ 特 別 推 薦(
7.50)と 他 の 入 試 方 式 よ り も 多 い こ と が み て と れ る 。
表
6入 試 方 式 に よ る 成 績 指 標 の 違 い
2 - 3 - 4 . 大 学 入 学 満 足 度 と 入 学 後 の 成 績 指 標 と の 関 係 に よ る 検 討
秋 草 学 園 短 期 大 学 で は 、 新 入 生 オ リ エ ン テ ー シ ョ ン 時 に 学 生 ア ン ケ ー ト を と っ て お り 、 そ の 時 点 で の 入 学 満 足 度 を 図
7に 示 す 。1「 不 満 」 ~
5「 満 足 」 ま で の 5段 階 評 価 と な っ て い る 。 こ の 時 点 で は 「
1. 不 満 」 は な い も の の 「2. や や 不 満 」 は 4人 と な っ て い る 。 こ の 時 点 で 不 満 を 持 っ て い る 学 生 が い る こ と が わ か る 。 し か し 、 全 体 的 に は 高 評 価 で あ り 、 学 生 が 期 待 に 胸 を 膨 ら ま せ て い る こ と が う か が い 知 れ る 。
一年次のGPA 二年次のGPA 一年次のS取得数 二年次のS取得数 一年次の不可数 二年次の不可数
M ( SD ) M ( SD ) M ( SD ) M ( SD ) M ( SD ) M ( SD )
① AO特待入学試験 3.15 (0.33) 3.17 (0.30) 12.75 (4.79) 8.50 (3.11) 0.50 (1.00) 0.00 (0.00)
② AO入学試験 2.34 (0.68) 2.44 (0.55) 5.26 (4.45) 4.18 (3.27) 1.88 (5.26) 1.03 (2.70)
③ 秋高特待推薦 2.51 (0.39) 2.55 (0.38) 5.09 (3.16) 4.29 (3.21) 0.18 (0.58) 0.26 (0.79)
④ 指定校推薦 2.50 (0.68) 2.54 (0.65) 5.91 (4.49) 4.58 (3.67) 1.34 (4.38) 1.03 (3.34)
⑤ 公募推薦 2.65 (0.72) 2.55 (0.91) 4.92 (5.12) 4.73 (5.35) 4.62 (9.31) 2.00 (3.82)
⑥ 自己推薦 2.53 (0.50) 2.57 (0.49) 4.25 (2.60) 3.00 (1.69) 0.38 (0.52) 0.25 (0.71)
⑦ 一般入試 2.71 (0.46) 2.80 (0.39) 6.43 (3.78) 6.71 (3.95) 0.14 (0.38) 0.14 (0.38)
⑧ 社会人 3.19 (0.30) 3.27 (0.24) 7.25 (1.50) 7.25 (2.06) 0.00 (0.00) 0.00 (0.00)
⑨ 特別推薦 1.49 (0.93) 1.65 (1.02) 2.75 (3.59) 1.00 (1.00) 7.50 (7.55) 1.33 (2.31)
F 値 2.90 (8, 218) **
1 > 9 **P <.01 ***P <.001
図
7大 学 入 学 満 足 度
こ の 入 学 時 点 で の 満 足 度 と 入 学 後 の 成 績 指 標 に 関 係 が あ る の か を
Pearsonの 相 関 係 数 を 用 い て 検 討 し た ( 表
8)。 そ の 結 果 、 大 学 入 学 の 満 足 度 と 入 学 後 の 成 績 指 標 と の 間 に は 、相 関 は 認 め ら れ な か っ た 。 相 関 係 数 が ほ ぼ
0で あ る こ と か ら も 入 学 時 点 で の 満 足 度 は 、 ど の 時 点 で も 成 績 に 影 響 を 与 え る 要 因 で は な い こ と が わ か る 。 そ れ に 対 し て 、 成 績 指 標 間 に は い ず れ も 高 い 相 関 が 認 め ら れ た 。
表
8大 学 入 学 満 足 度 と 成 績 指 標 の 相 関
ま た 、 大 学 入 学 時 点 で の 満 足 度 ご と の 入 学 後 の 成 績 指 標 を 一 要 因 の 分 散 分 析 を 行 っ た と こ ろ 主 効 果 は い ず れ に お い て も 確 認 さ れ な か っ た ( 表
9)。大学入学の 満足度
一年次の GPA
二年次の GPA
一年次の Sの取得数
二年次の Sの取得数
一年次の 不可数
二年次の 不可数 大学入学の満足度
― 0.07 -0.05 -0.02 -0.12 -0.12 -0.02
一年次のGPA
― .958** .796** .700** -.704** -.483**
二年次のGPA
― .762** .757** -.645** -.628**
一年次のSの取得数
― .742** -.350** -.293**
二年次のSの取得数
― -.322** -.316**
一年次の不可数
― .345**
二年次の不可数
― ** P <.001
表
9大 学 入 学 満 足 度 ご と の 成 績 指 標
3 . 保 育 者 と し て 就 職 し た 学 生 の 短 大 生 活 3 - 1 . 問 い
本 節 で は 、
2019年
3月 に 幼 児 教 育 学 科 を 卒 業 し 、保 育 者 と し て 就 職 し た 学 生 を 対 象 に 、 短 大 在 学 中 の 学 生 生 活 に つ い て 分 析 す る 。
分 析 対 象 者 の 数 を 確 認 し よ う 。 分 析 対 象 者 は 、 表
10の 「 卒 業 者 」 に 該 当 す る 計
187名 で あ る 。 幼 児 教 育 学 科 第 一 部 (
2年 制 ) の
2017年
4月 入 学 者
166名 の う ち
2年 で 卒 業 し た 者 は
132名 、同 学 科 第 二 部(
3年 制 )の
2016年
4月 入 学 者
82名 の う ち
3年 で 卒 業 し た 者 は
55名 だ っ た 。な お 、入 学 者 の う ち 、規 程 年 数 で 卒 業 し な か っ た 者 に は 、休 学 者・留 年 者 ・ 中 退 者 が 含 ま れ る 。
入 学 者 の う ち 規 程 年 数 で 卒 業 し た 者 を 、 進 路 を 「 保 育 者 就 職 」 と 「 保 育 者 以 外 」 に 分 類 し 、そ れ ぞ れ の 学 生 生 活 に つ い て 比 較 す る 。 「 保 育 者 就 職 」の 定 義 は 、進 路 先 が 公 立 保 育 園 、 公 立 保 育 園 ( 臨 時 )、 私 立 保 育 園 、 私 立 幼 稚 園 の 者 で あ る 。「 保 育 者 以 外 」 は そ れ 以 外 の 進 路 の す べ て を 含 み 、施 設 、サ ー ビ ス 、進 学 、不 明 等 に 該 当 す る 者 で あ る 。 「 保 育 者 就 職 」を し た 者 は 、 幼 児 教 育 学 科 第 一 部 の 卒 業 者
132名 の う ち
112名 (
84.8%
=112/113*100)、 同学 科 第 二 部 の 卒 業 者
55名 の う ち
43名 (
78.2%=43/55*100) で あ っ た 。
本 節 の 分 析 対 象 者 は 、 幼 児 教 育 学 科 第 一 部 あ る い は 第 二 部 に 入 学 し 、 休 学 ・ 留 年 等 を 経 ず に
2019年
3月 に 卒 業 で き た 者 と い う こ と に な る 。
表
10分 析 対 象 者 数
注 「 卒 業 者 」 の 卒 業 年 は
2019年
3月 。 幼 児 教 育 学 科 第 一 部 は
2年 制 課 程 で あ る た め 入 学 は
2017年
4月 、 第 二 部 は
3年 制 課 程 で あ る た め 入 学 は
2016年
4月 で あ る 。
一年次のGPA 二年次のGPA 一年次のS取得数 二年次のS取得数 一年次の不可数 二年次の不可数
M ( SD ) M ( SD ) M ( SD ) M ( SD ) M ( SD ) M ( SD )
2.やや不満 2.21 (1.48) 2.98 (0.39) 7.50 (5.80) 9.33 (2.52) 7.00 (14.00) 0.33 (0.58)
3.普通 2.54 (0.72) 2.66 (0.60) 7.33 (4.90) 6.03 (3.53) 1.75 (4.30) 0.45 (1.46)
4.やや満足 2.45 (0.57) 2.50 (0.49) 5.65 (3.82) 4.53 (3.27) 1.67 (5.91) 1.02 (2.96)
5.満足 2.58 (0.61) 2.61 (0.55) 6.88 (4.69) 5.20 (3.85) 1.09 (4.23) 0.45 (1.66)
保育者就職 保育者以外 計
幼教一部 166 112 20 132
幼教二部 82 43 12 55
計 248 155 32 187
入学者 卒業者
の デ ー タ で あ る 。入 学 年 の 4 月 に 在 学 生 に 対 し て 行 わ れ た「 入 学 者 ア ン ケ ー ト 」、お よ び 、 在 学 中 の 学 生 に 対 し て 各 年 度 の 学 年 末 2 月 に 行 っ た 「 学 修 時 間 ・ 学 修 行 動 ア ン ケ ー ト 」 の 結 果 を 用 い る ( い ず れ も 悉 皆 調 査 )。
分 析 項 目 に は 、 通 学 時 間 、 ア ル バ イ ト の 時 間 、 教 員 へ の 質 問 の 頻 度 、 授 業 以 外 で の 調 べ 学 習 や 勉 強 の 頻 度 、 図 書 館 利 用 の 頻 度 、
2018年 度
GPAを 用 い る 。
ま ず 、進 路 が「 保 育 者 就 職 」者 と「 保 育 者 以 外 」の 者( 以 下 の 本 文 で は 、 「 保 育 者 就 職 者 」 と 「 保 育 者 以 外 の 者 」 と 表 記 す る ) と の あ い だ で 、 通 学 時 間 、 ア ル バ イ ト の 時 間 、 教 員 へ の 質 問 の 頻 度 、 授 業 以 外 で の 調 べ 学 習 や 勉 強 の 頻 度 、 図 書 館 利 用 の 頻 度 に 関 す る 回 答 の 比 率 の 差 に つ い て 、 カ イ 二 乗 検 定 を 行 う 。
次 に 、 進 路 が 「 保 育 者 就 職 」 者 と 「 保 育 者 以 外 」 の 者 に 対 し て 、
2018年 度
GPAの 平 均 値 の 差 の 検 定 (
t検 定 ) を 行 う 。
3 - 3 .「 保 育 者 就 職 者 」 と 「 保 育 者 以 外 の 者 」 の 比 較 分 析 3 - 3 - 1 . 学 生 生 活 に 関 す る 分 析
( 1 ) 通 学 時 間
通 学 時 間 の 単 純 集 計 は 、 表
11の と お り で あ る 。
幼 児 教 育 学 科 第 一 部 の 保 育 者 就 職 者 、 保 育 者 以 外 の 者 と の 間 で 、 通 学 時 間 に 有 意 差 は み ら れ な か っ た ( χ
2(3,N=130)=3.580, n.s.)。 同 学 科 第 二 部 に お い て も 、 保 育 者 就 職 者 、 保 育 者 以 外 の 者 と の 間 で 、 通 学 時 間 に 有 意 差 は み ら れ な か っ た ( χ
2(2,N=60)=.401, n.s.)。
第 一 部 、 第 二 部 と も に 、 通 学 時 間 は 「
1時 間
30分 未 満 」 が 大 半 で あ る こ と が わ か っ た 。
表
11通 学 時 間
( 2 ) ア ル バ イ ト 時 間
ア ル バ イ ト 時 間 の 単 純 集 計 は 、 表
12の と お り で あ る 。
幼 児 教 育 学 科 第 一 部 の 保 育 者 就 職 者 、 保 育 者 以 外 の 者 と の 間 で 、 ア ル バ イ ト 時 間 に 有 意 差 は み ら れ な か っ た ( χ
2(4,N=124)=2.008, n.s.)。 同 学 科 第 二 部 に お い て も 、 保 育 者 就 職 者 、 保 育 者 以 外 の 者 と の 間 で 、 ア ル バ イ ト 時 間 に 有 意 差 は み ら れ な か っ た ( χ
2(3,N=56)=2.864, n.s.
)。
い ず れ の 類 型 に お い て も 、ア ル バ イ ト 時 間 が「
10時 間 以 上 」が 最 多 で あ っ た 。ア ル バ イ
30分未満 30分から1時間 未満
1時間から1時間 30分未満
1時間30分から 2時間未満 計 保育者就職(N=110) 16.4% 40.0% 33.6% 10.0% 100.0%
保育者以外(N=20) 15.0% 25.0% 55.0% 5.0% 100.0%
保育者就職(N=48) 33.3% 33.3% 33.3% 0.0% 100.0%
保育者以外(N=12) 25.0% 41.7% 33.3% 0.0% 100.0%
幼教第一部 (N=130) 幼教第二部 (N=60)
ト 時 間 は 、 学 業 や 学 修 時 間 に 直 接 的 に 影 響 す る 要 因 で あ る こ と か ら 、 実 際 の ア ル バ イ ト 時 間 に つ い て よ り 詳 細 に 実 態 を 把 握 す る 必 要 が あ ろ う 。
表
12ア ル バ イ ト 時 間
( 3 ) 教 員 へ の 質 問 の 頻 度
教 員 へ の 質 問 の 頻 度 の 単 純 集 計 は 、 表
13の と お り で あ る 。
幼 児 教 育 学 科 第 一 部 の 保 育 者 就 職 者 、 保 育 者 以 外 の 者 と の 間 で 、 教 員 へ の 質 問 の 頻 度 に 有 意 差 は み ら れ な か っ た ( χ
2(3,N=129)=3.421, n.s.)。 同 学 科 第 二 部 に お い て も 、 保 育 者 就 職 者 、 保 育 者 以 外 の 者 と の 間 で 、 通 学 時 間 に 有 意 差 は み ら れ な か っ た ( χ
2(3,N=59)=3.153, n.s.
)。
表
13教 員 へ の 質 問 の 頻 度
( 4 ) 授 業 以 外 の 調 べ 学 習 の 頻 度
授 業 以 外 の 調 べ 学 習 の 頻 度 の 単 純 集 計 は 、 表
14の と お り で あ る 。
幼 児 教 育 学 科 第 一 部 の 保 育 者 就 職 、 保 育 者 以 外 の 者 と の 間 で 、 授 業 以 外 の 調 べ 学 習 の 頻 度 に 有 意 差 は み ら れ な か っ た ( χ
2(3,N=129)=2.951, n.s.)。 同 学 科 第 二 部 に お い て も 、 保 育 者 就 職 、 保 育 者 以 外 の 者 と の 間 で 、 授 業 以 外 の 調 べ 学 習 の 頻 度 に 有 意 差 は み ら れ な か っ た ( χ
2(3,N=59)=.278, n.s.)。
前 項 の「 教 員 へ の 質 問 の 頻 度 」に 比 べ る と 、 「 授 業 以 外 の 調 べ 学 習 の 頻 度 」の ほ う が「 よ く す る 」 お よ び 「 時 々 す る 」 と 回 答 し た 比 率 が 高 い 。 教 員 に 質 問 す る よ り も 、 自 主 的 な 調
していない 2時間未満 2時間から 5時間未満
5時間から
10時間未満 10時間以上 計 保育者就職(N=106) 20.8% .9% 8.5% 23.6% 46.2% 100.0%
保育者以外(N=18) 22.2% 0.0% 0.0% 22.2% 55.6% 100.0%
保育者就職(N=46) 4.3% 0.0% 6.5% 26.1% 63.0% 100.0%
保育者以外(N=10) 0.0% 0.0% 0.0% 50.0% 50.0% 100.0%
幼教第一部 (N=124)
幼教第二部 (N=56)
しない あまりしない 時々する よくする 計 保育者就職(N=109)
13.8% 39.4% 38.5% 8.3% 100.0%保育者以外(N=20)
30.0% 30.0% 35.0% 5.0% 100.0%保育者就職(N=47)
23.4% 14.9% 48.9% 12.8% 100.0%保育者以外(N=12)
41.7% 25.0% 25.0% 8.3% 100.0%幼教第一部
(N=129)幼教第二部
(N=59)表
14授 業 以 外 の 調 べ 学 習 の 頻 度
( 5 ) 図 書 館 利 用 の 頻 度
図 書 館 利 用 の 頻 度 の 単 純 集 計 は 、 表
15の と お り で あ る 。
幼 児 教 育 学 科 第 一 部 の 保 育 者 就 職 者 、 保 育 者 以 外 の 者 と の 間 で 、 図 書 館 利 用 の 頻 度 の 比 率 に 有 意 差 は み ら れ な か っ た ( χ
2(3,N=127)=7.591, n.s.)。
他 方 、 同 学 科 第 二 部 に お い て は 、 保 育 者 就 職 者 、 保 育 者 以 外 の 者 と の 間 で 、 図 書 館 利 用 の 頻 度 の 比 率 に 有 意 差 が み ら れ た ( χ
2(3,N=57)=9.734, p<.05)。 第 二 部 の 学 生 ( 二 部 生 )は 、 保 育 者 就 職 者 が 、 保 育 者 以 外 の 者 よ り も 図 書 館 利 用 の 頻 度 が 有 意 に 高 い 。 こ の 結 果 の 背 景 に は 、 二 部 生 の 授 業 開 始 時 刻 が
18時 と 遅 く 、 図 書 館 利 用 が 可 能 な 時 間 帯 が 限 ら れ て い る こ と が あ る だ ろ う 。 図 書 館 利 用 の 時 間 も 、 大 学 に 滞 在 す る 時 間 も 限 ら れ た 二 部 生 に と っ て 、 保 育 者 と い う 進 路 を 選 択 す る 学 生 ほ ど 、 積 極 的 に 図 書 館 を 利 用 す る と い う 傾 向 が 読 み 取 れ る 。
表
15図 書 館 利 用 の 頻 度
3 - 3 - 2 .
GPAに 関 す る
t検 定
保 育 者 就 職 者 と 保 育 者 以 外 の 者 と の あ い だ で 、
GPAの 平 均 値 の 差 の 検 定 (
t検 定 ) を 行 っ た ( 表
16)。ま ず 、 幼 児 教 育 学 科 第 一 部 に お い て 、 進 路 が 保 育 者 就 職 者 群 と 保 育 者 以 外 の 者 群 と の 間 で 、
2018年 度
GPAの 平 均 値 を 比 較 し た 結 果 、
5% 水 準 で 有 意 差 が み ら れ 、(t(130)=2.37, p<.05)、 保 育 者 就 職 群 の 平 均 値 が 高 か っ た 。次 に 、同 学 科 第 二 部 に お い て 、進 路 が 保 育 者 就 職 者 群 と 保 育 者 以 外 の 者 群 と の 間 で 、
2018年 度
GPAの 平 均 値 を 比 較 し た 結 果 、5 % 水 準 で 有 意 差 が み ら れ 、(
t(59)=2.12, p<.05)、 保育 者 就 職 者 群 の 平 均 値 が 高 か っ た 。
しない あまりしない 時々する よくする 計
保育者就職(N=109) 11.9% 25.7% 52.3% 10.1% 100.0%
保育者以外(N=20) 0.0% 25.0% 60.0% 15.0% 100.0%
保育者就職(N=47) 23.4% 12.8% 51.1% 12.8% 100.0%
保育者以外(N=12) 25.0% 8.3% 50.0% 16.7% 100.0%
幼教第一部 (N=129) 幼教第二部 (N=59)
しない あまりしない 時々する よくする 計 保育者就職(N=108) 16.7% 28.7% 48.1% 6.5% 100.0%
保育者以外(N=19) 10.5% 26.3% 36.8% 26.3% 100.0%
保育者就職(N=45) 8.9% 15.6% 51.1% 24.4% 100.0%
保育者以外(N=12) 41.7% 8.3% 50.0% 0.0% 100.0%
幼教第一部 (N=127) 幼教第二部 (N=57)
表
16保 育 者 就 職 者 と 保 育 者 以 外 の
GPAに 関 す る
t検 定
以 上 よ り 、第 一 部 、第 二 部 と も に 、保 育 者 就 職 群 の
GPAの 平 均 値 が 有 意 に 高 い こ と が 明 ら か に な っ た 。 幼 児 教 育 学 科 の 場 合 、 教 養 科 目 も あ る が 、 幼 児 教 育 に 関 わ る 専 門 的 な 科 目 が 大 半 で あ り 、学 科 全 体 と し て 幼 児 教 育 を 意 識 し た 授 業 が 展 開 さ れ て い る 。GPA は そ れ ら の 評 価 を 反 映 し て い る 数 値 で あ る 。 学 生 は 、
2年 間 あ る い は
3年 間 の 成 績 を み て 、 自 身 の 保 育 者 と し て の 適 性 を 判 断 し て い る 可 能 性 が あ る 。 そ れ が 保 育 者 就 職 者 群 と 保 育 者 以 外 の 者 群 と の あ い だ の
GPAの 平 均 値 の 差 の 原 因 で あ る か も し れ な い 。あ る い は 、保 育 へ の 関 心 が 薄 く な っ て し ま っ た 結 果
GPAが 低 く な り 、 保 育 者 以 外 の 進 路 を 選 択 し て い る と い う 可 能 性 も 残 さ れ て い る 。 こ れ ら の 検 討 は 、 今 後 の 課 題 で あ る 。
4 . 考 察 と 結 論
本 稿 で は 、 秋 草 学 園 短 期 大 学 幼 児 教 育 学 科 の
IRデ ー タ の 分 析 を 行 っ た 。 そ の 知 見 を 整 理 し よ う 。
第
2節 で は 、 成 績 指 標 に 着 目 し た 分 析 を 行 っ た 。 第 一 に 、 成 績 評 価 の 「 不 可 」 の 数 に つ い て 学 年 ご と に 集 計 し た 結 果 、
1年 次 の 平 均 値 が 高 く 、 分 散 も 大 き い こ と が わ か っ た 。 こ れ は 、
1年 次 に 「 不 可 」 と な る 科 目 数 が 多 い こ と 、 さ ら に 、 そ の 数 の ば ら つ き が 学 生 間 で 大 き い こ と を 示 し て い る 。 第 二 に 、 卒 業 を 控 え て い る 第 一 部
2年 次 の 学 生 の
20% 弱 が 、1科 目 以 上 「 不 可 」 と な り 、 単 位 を 落 と し て い る こ と で あ る 。 第 三 に 、 統 計 的 有 意 差 は な い も の の 、 第 一 部 2 年 次 に 比 べ て 、 第 二 部
2年 次 の 「 不 可 」 が 多 い こ と で あ る 。 第 二 部 は 3 年 間 の 課 程 で あ る が 、 中 だ る み の 傾 向 が あ る の か も し れ な い 。 こ の 中 だ る み 傾 向 に つ い て は 、他 大 学 に お い て も 傾 向 と し て み ら れ て お り( 小 嶋 ら ,2018)、本 校 に お い て も そ う い っ た 傾 向 が 示 さ れ た 可 能 性 が あ る 。 第 四 に 、 入 試 方 式 と
GPA、 お よ び 、 入 試 方 式 と 「 不 可 」 数 の 関 係 性 に つ い て で あ る 。 第 五 に 、 入 学 時 点 で の 学 生 の 満 足 度 が 総 じ て 高 く 、 学 生 は 希 望 を も っ て 本 学 に 入 学 し た こ と が 明 ら か に な っ た 。
第
3節 で は 、幼 児 教 育 学 科 第 一 部・第 二 部 の
2019年
3月 卒 業 者 を「 保 育 者 就 職 」と「 保 育 者 以 外 」 の 者 に 分 類 し 、 両 者 の 学 生 生 活 、
GPAの 平 均 値 を 比 較 し た 。 第 一 に 、 第 一 部 ・
平均値 標準偏差 平均値 標準偏差
幼教一部GPA 2.73 0.38 2.50 0.48 2.37 * 幼教二部GPA 2.76 0.49 2.43 0.40 2.12 *
*P <.05 **P <.01 ***P <.001
保育者就職者 保育者以外
t 値