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量関係式処理法に基づいた知識ベースの構築法 谷岡 守*

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量関係式処理法に基づいた知識ベースの構築法

谷岡 守*

Method of Constructing the Knowledge−Base based on the method   of Processing the Relationship among Physical Quantities

Mamoru TANIOKA

 著者が提案している量関係式処理法は、この十数年で、力学(材料力学、機械力学等を含む)、電磁気学、量子力学、熱 力学、物理化学等に適用できる様に整備されてきたが、現在、自然科学、工学のそれぞれの分野に適用可能となった。また、

この量:関係式処理法}こ基づいた知識ベースをCSG−IMS/OS9システムを使用して構築し、このシステムの構築法、利用法 等の検討を進めてきた。これら検討の諸結果に基づいて、各種分野の法則性を取り扱う知識ベースの一般的な構築法の概要 を述べる。

1。 はじめに

 従来、各分野での法則等の表現に数式が使用されてきた が、1970年代後半以後のSI(国際単位系)の提案と各分 野でのSIの採用により、

物理量=数値×[単位] (i)

が法則等の表現に使用され始めている。すなわち、量表現 での関係式が使用されたことになる。

 著者の量関係式処理法(Method of Processing the Relationship among Physical Quantities, PRPQ法と略 記する)は、式(1)を前提とし、単位については、単位の大 きさの側面と次元の側面とを考慮して、数値関係の処理及 び単位の次元式処理を並行して行う。特に重要なのは、量 の相等性を第一に考える点である。次節以下にこの処理法

の基本概念を説明する1)〜6)。.

 研究の経過

 著者がこの種の研究を始めた当時は、各分野ごとに数式 による独自の表現形式で法則等の体系が取り扱われており、

さらに、一つの分野、例えば電磁気学の分野でも、多くの理 論体系があり、これら諸体系についての数式による統一的 枠組みの構築は、困難とされてきた。著者の初期の研究は、

SIを採用して、物理化学、分析化学、電磁気学等の分野の 諸法則を量関係式で表し、共通の表現形式で整理すること であった1)〜3)。さらに、電磁気学の検討の段階で、前述の

* 情報工学科

  平成5年8月31日受理

諸体系についての統一的枠組みの構築の困難さに直面し、

その困難さの原因を明確にし、一つの表現形式で表現可能 にする必要があった。検討の結果、次節で説明する新概念 を導入したPRPQ法が確立され、古典理論については適 用可能となった4)。その後、近代物理学にも適用可能とする ための検討を行い、式(1)の数値部分にエルミート演算子 を使用できる様に拡張した5)。この段階で、一応、PRPQ 法は、完成したものと考えている。

 一方、情報関連技術の急速な進歩を前にして、このPRPQ 法の処理手続きのソフト化、処理結果の知識ベース化の検 討を行った。特に、物理・化学的量が扱われる各種法則性 を、将来一つの知識ベース内に納めることを目標として、

著者と関連した諸分野の法則性の検討を進め、電磁気学に ついては、CSG−IMS/OS9データ・ベーース・システムを 採用して、知識ベース化の検討を行い、結果を本校紀要で

発表しナこ7)〜8)。

 本報告では、この量関係式処理法の構造を考慮した知識 ベースの一般的構造、その一般的な構築法について報告する。

2. 本研究で用いる諸概念

 本研究では、著者の提案するPRPQ法の諸概念と、こ のPRPQ法に基づいたデータ・ベース関連の概念とが使 用されており、この項では、これらをまとめておく。

(2)

2.1 PRPQ法と関連した諸概念

2.1.1. ハの表現と単位一般

 著者のPRPQ法では、式(1)の表現を若干変えて、あ る物理・化学的量を量記号Qで表し、この量記号Qを、形 式的な単位、著者が単位一般と読んでいるもの[UQ]と、こ

.の形式的単位で測った形式的な数値(?σとの積に等しいと おいている。すなわち、

Q = C?U[UQ]

積Vとの関係は、抽象的段:階では、

   V . 13 vU[uv] = (IU[ul])3

の様に表され、具体的段階では、

       vSI[.3] . (ISJ[.])3   1 vCGS[cm3] = (ICGS[cm])3    の様に表される。また、この2つの段階は、

(2)

とおく。ここで、イタリック字体のものQUは数値または、

エルミート演算子(量子力学で使用)、ローマン字体のもの Q,[UQ]は、量の次元を考慮する必要があるものである。

2.1.2 単位一般の意味

 式(2)中の[UQ]、すなわち、著者が量Qの単位一般と呼 んでいるものは、この形式的単位で測った形式的数値QU と共に、単位系をまだ決定していない段階で使用する概念 であり、次項の単位一般の次元式の代入もこの段階で可能 である。単位系を決定した後、例えばSIでは、

Q .. (?U[uQ] = QSJ[UQsi] (3)

の様に、数値と単位が同時に代入される。すなわち、単位 一般[UQ]は具体的単位の入れ物、単位一般で測った形式 的数値QUは具体的数値の入れ物の意味を持つ。

2.1,3 単位一般の次元式

 さらに上記単位一般[UQ]を、例えばSIの基本量の単位 一般を用いて、

{UQ] = [Uma *UIP *Uttr *UI6 *UG)f* UnC *ULn] (4)

の様に表している。ここで、[Um],【Ul],[Ut],[UI],[Uθ],

[Un〕,[UL]は、質量、長さ、時間、電流、絶対温度、物質 の量及び光度の単位一般である。

2.1.4 抽象的段階と具体的段階

 本研究の1つの目的は、法則等の単位系の選択方法に依 存しない表現を確立することである。式(2)またはこれに 式(4)を代入したものを法則等の表現に使用する段階を、具 体的な単位系を決定していない段階と言う意味で、抽象的 段階と呼び、SI, CGS等の具体的単位系を使用する段階 を具体的段階と呼んでいる。

 この2つの段階は、法則等に現れる各量についての相等 性を用いて結び付けられる。例えば、立方体の一辺1と体

1 = IU[Ul] =ISi[m] == ICGS[crri]

V = YU[UV]=VSI[m3]=VCGS[crn3]

(5)

(6う

(7)

で結び付けられている。ただし、式(6)、式(7)のISJ,

vs∬,1σGS, vcσ5は、それぞれ、[m],〔m3],[cm],[cm3]

で測った数値である。

2.1.5 抽象的段階の諸式の意味とその検証方法

 PRPQ法では、単位系の選択とは無関係の法則等の表 現、例えば、式(5)の表現形式を、自然科学・工学のすべ ての領域に適用する。逆に、この段階での諸式は、どの様 な単位系を選択しても成立しなくてはならない。この意味 で、過去の諸体系も包括できることになる。この段階の諸 式の検証は、関係した各量の相等性、上述の例では、式(7)

を使用し、具体的段階の式、上述の例では、式(6)を導い て、これらの式を用いて行われる。

2.1.6 具体的な単位系

 周知の様に、SIが現在各分野で多く使用されている単位 系であるが、QのSI単位は、式(4)に具体的なSI基本単 位([kg】,【m],[s],[A],[K],[mol]及び[CdDを代入す れば、

{UQsi]

= [kga * mP * sor * A6 * Kc * molC * cdn] (8)

が導かれる。一方、式(4)に具体的なCGS静電単位系の

基本単位([g],【cm】,[s],【esuA},【K】,[mol】及び[CdDを

代入すれば、新CGS静電単位系でのQの単位が、

[UQcGsesu]

=【9α*cmβ*sx*esuAδ*K∈*molく*Cdn]  (9)

で表される。また、式(9)のesuAをemuAで置き換える と、新CGS電磁単位系で.のQの単位が導かれる。すな

わち、

[UQcGsemu]

= [ga * cmP *sor *emuA6 * K  * mol〈 * Cdn] (10)

一36一

(3)

が成立する。ただし、式(9)と式(10)とは、著者が電磁気 学の検討のために、SIの単位導出法に従って導いた量Qの 単位である。また、式(9)及び式(10)は、一般的な量Qの 単位表現であるが、具体的な量の単位の名称は、SI単位の 名称の前にesuまたはemu付けたものを名称とする。例え ば、電流については、[A],[esuA},【emuA]が用いられる。

2.1.7 単位の大きさ

基本量のSI単位と.CGS単位との関係は、

1[kg] : 1000[g]

1[m] = 100[cm]

であり、さらに、電流の単位については、

   CCGS

       l     i6一[esuA] = Ei6[emuA]

1囚==

(11)

(12)

の関係が成立する4)。ただし、CCGS=2,998×IOIoであ り、これは、光速度Cの[cm*s−1]で測った数値である。

これら基本単位の大きさの関係と、式(8)〜式(10)とを用 いれば、組立単位についての大きさ関係が導かれる。すな

わち、

[UQsi]

[UQcGsesu]

[UQsi]

[UQcGsemuj

[UQcGsemu]

[UQcGsesu]

(looo)cr * (loo)p , (s2iCliiltGS)6

(looo)a * (loo)・・(養)6

(CCGS)6 (13)

が成立する。くどい様だが、Qの単位[UQCGS。,u}と

[UQCGS,m。]とは、従来の電磁気学での諸単位系の検討の ために、著者が導入した単位である。

2.2 データ・ベース関連の諸概念 22.1 フィールド、レコード、ファイル

 通常のデータ・ベースでは、1つのファイルは、多くのレ コードからなり、また、1つのレコードは、多くのフィー ルドから構成されている。さらに、検索のために、レコー

ド番号、特定のフィールド等(キー・フィールド)が使用 される。本研究では、この通常のデータ・ベース構造のも のを使用する。

を必要とする。この種の研究では、インタープリタ方式の ものが最適であるが、完成した知識ベースの利用の段階で は、コンパイラー方式のものが必要である。電磁気学と関 連したシステムの構築には、BASICレベルの言語を備え

.たCSG−IMS/OS9システムを使用した7)〜8)。

3.PRPQ法

  

 著者のPRPQ法は、数値間の相等性よりも、物理・化 学量の量としての相等性を第一一に考える方法であり、一つ の分野に多くの理論体系が用いられている時、これらの統 一的枠組みを構築するのに、有効な方法と考えている。こ の十年余の研究で、特に取扱いが困難であったのは、電磁 気学であった。逆に、この電磁気学の諸理論体系の統一的 枠組みの構築が可能な様にPRPQ法が整備されてきたと 言Kる。

3.1 電磁気学の問題点

 電磁気学は、百数十年の間に、時間をかけて整備されて はいるが、多くの理論体系が用いられており、教育者、研 究者の好みでその選択がなされてきた。この諸体系の中で 代表的なものとして、E−H対応及びE−B対応の理論体系 が用いられており、さらに、それぞれについて、有理化系

と非有理化系の理論体系が使用されている。それぞれの体 系については、首尾一貫したものではあるが、それら理論 体系間の関係は、あまり明確なものではなかった。

 以下に問題点4)を列記しておく。

1) 非有理化系の理論体系は、基本単位として、[g],【c ln],

同を用いる3元系であり、有理化系の理論体系は、基本単 位として、[kg〕,[m],[s],[A]を用いる4元系である。

2) 各理論体系は、それぞれ、一種類の単位系と密着して

いる。

3) 磁荷等の物理量では、E−H.対応体系とE一一B対応体 系で、量の次元まで異なることがある。.

4) 同種の量の単位換算表に、4πが現れている9)。

以上の点が、従来の体系そのままでは、著者のPRPQ法 で処理できない点であった。

3.2 電磁気学の問題点の解決法

 このため、以下の取扱い4)を行い、著者のPRPQ法で 処理可能とした。

2.2.2  言言吾

 通常のデータ・ベースでは、問い合わせ言語を備えてい るが、本研究では、さらに、これらデ7タ・ベース関連の 命令の他に、FORTRAN, BASICレベルの高級言語

3.2.1 使用する単位系

 PR,PQ法では、単位一般の単位次元式(4)に、具体的 な基本単位、例えば、SIでは、[kg],[m],[s],【A}等を代

(4)

入して、各量の単位を定義する。電磁気学についても、SI は、式(8)で、CGS静電単位系及びCGS電磁単位系は、

著者の提案した式(9)及び式(10)で定義したものを使用す る。組立単位の名称は、SIでの名称を基本とし、 CGS静 電単位系ではesuを、 CGS電磁単位系ではemuをSI.で の名称の前に付けて、それぞれの名称として使用している。

 さらに、電磁気学のそれぞれの量について、式(13)を用 いて各理論体系での単位の大きさ間の関係を導き、単位の 換算に使用する。

 以上の単位系は、すべて基本量を質量、長さ、時間、電流 とするいわゆる4元系であり、一方、従来CGS単位系は、

基本量を質量、長さ、時間とする3元系であるため、それ ぞれの単位定義式中の電流の単位[esuA]及び[emuA]を、

      [esuA] = [dynt*cm*s−i]

      [emuA] = [dyn;] (14)

と置いて、いわゆる3元化を行っている。

 この様な3元化を行っても、単位の大きさは変化しない

.とし、式(13)の関係が成立するものとする。これは、電磁 気学が本質的に4元系であり、(14)によって、次元的に2 つの別々の世界を構築したことになる。

 式(13)による換算の結果と従来の単位換算表9)と比較し たが、4πまたは(4π)2が従来の表では係数として入ってい』

る点を除いて数値は一致している3)〜4)。このため、従来の 単位換算表9)を、数値表現としてとらえ、この表に4π等が 現れるのは、一つの量の種々の理論体系での表現がすべて 同じ記号で表し、等しいと置いたことによると考えて、種々 の体系での量の大きさの検討をおこなった。

 著者の検討の結果9)、次項の量表現を用いれば、これま.

で述べてきた単位は、従来の対応したCGS単位と単位の 大きさが等しいことを確認している。

Table 1:量の大きさが体系の違いによらない場合 力学量

質量      :m 長さ    :1 時間       :t 力     :F 速度      :v 光速度   :C 運動量     :m エネルギム :E 電磁気量

電・      :Q 電場の強さ :E 電位差     :V 電流    :1 電流密度    :J 電気抵抗  :R 抵抗率     ●ρ 静電容量  =C 誘電分極    :P 電気感受率  xe 磁束密度    :B 磁束    :Φ インダクタンス :L

Table 2:体系により量の大きさ・次元の異なる場合

物理量名 有理化系と 有理化系

E−H対応と d−B対応 誘電 凡=qR

電束密度 4πDR=DIR

電束 4πΨR=ΨIR 透磁率 μR=4πμIR 磁場の強さ 4πHR=HIR

磁位 4πΦR=ΦIR 磁気抵抗 4πRmR=RmIR

磁荷 QmH.R=4πQm胴R μRQmB=QmH.a ハIRQmB=QmH.IR 磁気

a[メント mHR=4πmH.IR μRmB=mH・R ハ1RmB=mH・IR 磁化 MH,R=4πMH.i汽 μ凡MB=MH.R

ハIRMB=M田R

磁化率 xmHR=(4π)xmR・1R

?高aR=4πxmB・IR

μo・R)(mB・R=λ:mH・R ハ0・IRλ:mB・IR=λ:mH・IR ただし、μO.R及びμO.IRは、真空での透磁率

3.2.3 量関係式の表現 3.2.2 各量の表現

 それぞれの理論体系で使.用される各物理量は、一応、体 系によって量の大きさが異なるとして、量記号に下付き文 字H(E−H対応)、B(E−B対応)、 R(有理甲山)、 IR(非 有理化系)を付けて区別し、著者の検討の結果、どの体系 でも量の大きさが等しい場合、その下付き文字を除いて使 用している。この種の検討では、力学等と関連した量は、電 磁気学の体系の違いとは関係なく等しいと置き、また、本 質的な量である電荷、電流も理論体系にはよらない量とし

た。

 Table 1には、量の大きさが体系の違いによらない物理 量の一覧を、Table 2には、体系により量の大きさ・次元の 異なる場合の量関係を示した。これらの関係は、いわゆる 抽象的段階の表現であるが、それぞれ具体的段階で検証し てある。

 一つの体系、例えば、E−H対応有理化系理論のそれぞれ の式に前項の量関係を用いれば、他の体系の対応した式が 導かれる。すなわち、電磁気学が一つの枠組みの中に納め られたことになる。4つの理論体系での表現がすべて異な る例として、真空中での磁荷に関するクーロンの法則を取 り上げよう。E−H対応有理化系理論では、

       1    F=

      ziltFP6Tilo,R =t が成立する。真空中であるので、

QmH.R.1 ・ QmH・R・2

         psR = LtO・R          PIR = itO・IR が成立し、これにTable 2の

  ttR = 4TitlR QmH.R = 4TQmH.IR

r︸r

(15)

一38一

(5)

とを代入すれば、E−H対応非有理化系理論φ式

・・ モ・Qm ≒IQm 2・ぎ

が導かれる。また、式(15)にTable 2の QmH,R = ptRQmB を代入すれば、E−B対応有理化系理論の式

F = UO・R . SIItl}E:.Ll,SB・1 ・ QMB・2 . 1

  4r r2 r

が導かれる。また、式(16)にTable 2の QmH.IR = plRQmB を代入すれば、E−B対応非有理川町理論の式

     91tRl};!:一Sl!ls}一11}.B−1 QmB・2,1 F = pto・iR 

        r2      r

   それぞれ別の世界を構成しているので、;著者は、以下の手    続きで、この矛盾を取り除いている。

(16)  ガウスの単位系が使用されるのは、E−H対応及びE−

   B対応の非有理化系の理論体系であり、先ず、E−H対    応召理化系の諸式から、Table 2の換算式を用いて、上    述の2体系の式を導く、すなわち抽象的段階の諸式であ    る。この段階では、単位系として何を用いてもよい。こS    で電気的量には、QσσSesu [U QCGS.u]を、磁気的量には、

   QσσSemu[UQCGS。m。]を代入する。次に、それぞれの量の

(17) 単位を式(9)または式(10)の形式で表す。一般的には・式    中に[esuA]と【emuA]とが含まれる。ここで、式(12)から    導いた式

(18)

が導かれる。これらの4式は、4元系での抽象的段階の式

である。

[emuA] = CCGS [esuA] (20)

を用いて、単位をすべてCGS静電単位系の単位に変換す る。この処理で式の両辺の各項の単位の次元式が等しくな るので、式の両辺をその単位の次元式でわり、数式を導く。

これがガウスの単位系を用いた場合の、法則等の表現(数 式表現)である。

3.2.4 具体的な量関係式

 式(16)及び式(18)には、E−H対応非有理化系での 真空中の透磁率が含まれているので、先ず、真空中の透 磁率について具体的な検討を行う。教科書等9)によれば、

μo.R;4π10−7[H/m]である。 Table 2のμo.R=4πμo.IRと

式(12)を用いれば、CGS電磁単位系では、

      O・R pao・iR = Tt

     4T10−7[}1/m]

       4T

     10−7[kg*m*s−2*A−2]

     10−7[103g * 102cm * s 2 * lo2emuA−2]

     1[g * cm * s−2 * emuA 2]

     1[eniul 1/cin] (19)

となる。これを式(14)を用いて、3元化すれば、Pto.IR =1 が導かれ、式(16)と式(18)からμo.IRが消去され、従来の CGS電磁単位系の式となる。ただし、この場合、磁荷の 単位も3元化したものを使用しなくてはならない。

3.2.5 .ガウスの単位系.

 これまでに、従来のCGS静電単位系、電磁単位系を用 いた場合の説明を行ったが、ここでは、CGSガウス単位系 の場合について説明する。この場合、電気的量には、CGS 静電単位系の単位で測り、磁気的量:はCGS電磁単位系の 単位ではかる。前にも述べた様に、この.2つの単位系は、

3.2.6 電磁気学に関する著者らの検討のまとめ  著者の検討の結果3),4)17)より、

1) 従来の単位換算表9)を著者の数値換算表7)での一方の 数値を1と置いた表に対応させる。

2) 他の分野の単位構成法と同じものを使用し、従来の諸 結果との矛盾を、Table 2の量関係式の使用で解決する。

3) Table 2の使用を前提とすれば、著者の提案したCGS 静電単位系・電磁単位系(4元系)の単位は、従来のそれぞ れに対応するCGS静電単位系・電磁単位系(3純系)の単 位と大きさが等しく、互いに置き換えてもよい。すなわち、

1[emuA/cm] =〉 1[Oe]

1[emuWb] =〉 1[Mx]

1[emuT] =〉 1[G]

(エルステッド)

(マクスウェル)

(ガウス)

等が成立する。ここで⇒は単位の大きさが等しいことを 表す。=を使用しなかったのは、一方は、4元系の単位、他 方は、3元日の単位であるためである。.

3.3 量子力学に適用するための拡張

 量:子力学では、物理量をエルミートで表すが、この抽象 的表現にも式(2)を使用する。QUをエルミートに対応させ、

[UQ]は、その物理量の単位一般を表す5),また、具体的表 現では、式(3)、及び式(8)〜式(10)を使用するが、数値部 分に、例えばSIの単位で測った諸量の数値記号でつくられ たエ.ルミート演算子を代入する。PRPQ法の量子力学へ の適用については、著者らの報告5)を参照されたい。

(6)

4.PRPQ法とデータ・ベース・シス

テム

5.PRPQ法に基づいた知識ベース・シ

   ステム

 著者のPRPQ法は、理学及び工学のあらゆる分野の『量 と関連した法則性』の表現方法、整理方法、さらには各分 野の理論の枠組み構築方法等を含む一つのシステムである。

 「はじめに」の項で述べた様に、このPRPQ法を、物

理化学・分析化学2)、力学・材料力学、電気磁気学3)〜4)、量 子力学5)等の分野に適用しながら、絶えずこの方法を再構 築・整備してきた。一応完成した段階で認識論的検討を行 い、その結果を報告6)に示した。別の観点から見ると、こ の方法は、SI提案と同じく学際的な立場で、諸分野におけ る諸理論体系の統一的枠組みの構築を目指すものである。

 一方、時代の流れは急速であり、電子計算機関連技術の 進歩、すなわちハード・ウェア関連技術とソフト・ウェア 関連技術との進歩は急激なもので、この進歩への対応自体、

困難な状況にある.B著者も、この十数年、この種の研究の 効率的達成が、ハードウェアでは、主記憶、補助記憶、処理 速度と関連し、ソフトウェアでは、データ・ベース関連技術 と関連すると考えて、使用パソコン・ワークステーション 機種の更新(富士通製FM−8⇒富士通製FM−11AD2十

⇒シャープrV X68000ACE−HD⇒ソニー製NEWS)

及びソフト・ウェアの更新(FM−8ではOS9上で手作り データ・ベース⇒FM−11〜X68000では同じくOS9

上DBO9及びCSG−IMS⇒NEWSではUNIX上で

UNIFY)を行ってきた。

 パソコンレベルでも、X68000ACE−HDにOS9を乗 せ、このシステム上のCSG−IMSデータ・ベース・シス テムを使用する段階で、著者のPRPQ法と関連した研究 が可能となった。ワークステーションレベルでは、当然、

NEWS−UNIX上でのUNIFYシステムも使用可能であ るが、本学科のUNIFYシステムが完備されていないた め、必要なソフトの作成に時間がかかり、あまり研究はす すんでいない。

 ここで、知識ベース・システムについて考えておこう。住 所録データ・ベースや同窓会データ・ベースでは、通常の問 い合わせ言語を備えたデータ・ベース・システムで十分であ るが、著者の研究では、これでは不十分で、この種のデー タ・ベース.・システムを自由に変えるだけの言語を必要と する。著者が使用したCSG−IMS/OS9システムは、イン タープリタ方式のシステムの上に、BASICレベルの言語 をシステムが備えているため、この種の研究には最適のシ ステムであった。著者は、このレベルのシステムと、その システムで作成したプログラム群及びこれらを用いて構築 された内容とを併せて知識ベース・システムと呼んでいる。

 PRPQ法に基づいた知識ベース.1システムで構築され た内容、すなわち、ファイル・システムは、抽象的段階で の物理量辞書ファイル及び量関係式ファイルと、具体的段 階での物理量単位辞書ファイル、物理量数値辞書ファイル 及び各種量関係式ファイル等から構成されている。

Table 3には、 csG−IMs/os9システムを用いて、電 磁気学に関する知識ベース・システムを構築した際、作成

したファイル群を示した7)〜8)。

Table 3:PRPQ法知識ベース・ファイル・システム

ファイルの種類 ファイル名

抽象的段階 物理量辞書ファイル ハ関係式ファイル

QfAb

qfA.b 具体的段階

物理量単位系辞書ファイル ィ理量数値辞書ファイル e種量関係式ファイル Kウス系量関係式ファイル

QfUn, QfUn3 pfNm, QfNm−1 qfUn, RfDm qfUn3, RfDm3 qfG

これらのファイル群は、著者の 電磁気知識ベースのものである

 これらのファイルは、データ・ベース・シス子ムの持つ 命令及びこのシステムに備えられた言語(以後、システム 言語と呼ぶ)で作成されたサブ・プログラム群を使用して 構築される。もし、システムの言語が完備されていない場 合は、OSレベルでのC書語等を使用することになり、知 識ベースの構築により時間をかけざるを得ない。出来れば、

完備したシステム言語を備えたデータ・ベース・システム を採用すべきである。著者の検討では、この種のデータ・

ベース構築環境の違いは、構築の期間を大きくしてしまい、

研究計画の達成が困難となるので注意を要する。

 以後の説明では、一般的システムと関連したものである ので、データ・ベースのフィールド設定及びサブ・プログ ラムの機能を中心に述べる。

5.1 物理量辞書ファイル群及びこれらを構築す    るためのサブ・プロ.グラム群

 Table 3の例7)にもある様に、物理量辞書ファイルは、抽 象的段階の物理量辞書ファイルと具体的段階の物理量単位 辞書ファイル及び物理量数値辞書ファイルから構成されて

いる。

一40一

(7)

5.1.1 抽象的段階の物理量辞書ファイル

 PRPQ法で使用するあらゆる物理・化学量の、それぞ れについて抽象的段階の各種データを、レコードごとに格 納する。レコード内の各フィールドには、量番号(キー・

フィールド)、量名(キー・フィールド)、量性質番号1、量 性質番号2、4種の量記号、4種の数値・単位表示、3種の 単位の次元式等を格納する。

 量記号に4つのフィールドを取ったのは、電磁気学で最 大4種の量表現がなされているためである。量記号及び数 値・単位表示の8つのフィールドには、量として等しいも のを、単位の次元式の3つのフィールドには、E−H対応の 次元式及びE−B対応の次元式(最大2つの量のため、2つ のフィールドを使用、2量の単位の次元式の積がE−Hの単 位の次元式に一致する)を格納する。この他、3元化とガ ウス系の導出のために、電流の次元を示すフィールドを作 成している。

 以上のデータの格納には、通常のデータ・ベースの機能 をそのまま利用できる。このデータ格納操作は、例えば、電 磁気学7)については、Table 1、 Table 2をみながら、一つ 一つシステム構築者が入力しなくてはならない。

 著者は、分野の違いを量番号で判断しているが、違った 分野のものが追加されたり、量番号を書き変えると、レコー

ドの順番が無秩序になってしまう。このため、ファイルご と自動的に、量番号順にレコードを並び変えるプログラム が必要である。

 また、このファイルの内容は、PRPQ法の基本となる ファイルで、著者のオリジナリティはすべてこの中に含まれ ている。この後に示すすべてのファイルでは、キー・フィー ルドとしての量番号、量名を用いて、この抽象的物理量ファ イルの必要なレコードが引用される。

5.1.2 具体的段階の物理量単位辞書ファイル

 これは、各レコードに格納されるそれぞれの量について、

具体的段階の諸単位系の単位、単位の次元式(定義式)、単 位の大きさ関係等を各フィールドに格納しておくファイル である。電磁気学7)の研究では、式(8)〜式(10)使用する、

いわゆる4元系の場合と、さらに式(14)を用いて3元化 した場合を分けて、2つのファイルQfUnとQfUI・3を作成

した。

 単位系としては、SI[式(8)]、CGS静電単位系[式

(9)]、CGS電磁単位系[式(10)]を使用する。それぞれ の量について、抽象的段階の物理量辞書ファイルのそれぞ れのレコードより式(4)に対応した次元式、E−H対応の次 元式とE−B対応の2つの次元式を引用して、具体的な単 位の次元式を導く、さらに、式(13)を用いて、単位間の大 きさの関係を計算し、それぞれのフィールドに格納させる。

ここまでの操作は、システム構築者が入力する前の段階で、

システム言語で作成したサブ・プログラムによって処理し ている。それぞれの組立単位の名称は、通常のデータ・ベー スの操作によって、システム構築者が入力する。

 このファイルの構築には、データ・ベースの命令の他、シ ステム言語によって作成された上記各種機能を持つサブ・

プログラム、すなわち、

︶︶︶︶1234 各種単位記号作成サブ・プログラム 具体的単位の次元式作成サブ・プログラム 具体的単位の:大きさ関係導出サブ・プログラム 具体的3元化単位次元式導出サブ・プログラム 等が必要となり、これらをデータの入力プログラムにつけ 加えている。このファイルについても、ファイルごと量番 号順にレコードを並び変えるプログラムが必要である。

5ユ.3 具体的段階の物理量数値辞書ファイル

 このファイルには、各レコードに格納されるそれぞれの 量について、抽象的段階の物理量辞書ファイルの量数値・

単位表示から、具体的段階の諸単位系の単位で測られた場 合の数値記号を作成し、具体的段階の物理量単位辞書ファ イルの単位の大きさ関係と式(3)とを用いて各種数値記号 間の大きさ関係等を計算して、結果をそれぞれのフィーール

ドに格納している。

 格納されている数値記号は、SI、4元系のCGS静電単 位及び電磁単位に対応したものであり、量記号に上付き文 字、S∬、 CGSesu. OGSemuを用いて区別し、理論体系の 違いを下付け文字:、H ・R、 H・∬R、 BR、 B・JRを用いて区別

している。また、数値記号中の量を表す部分は、原則的に は、イタリック体で表示するが、ベクトル量の場合、ゴシッ ク体のものを使用する。

 このファイルの構築には、必要なデータが抽象的段階の 物理量辞書ファイル及び具体的段階の物理量単位辞書ファ イルに納められているため、一部はシステム言語のサブ・

プログラムを必要とするが、殆どはデータ・ベーース・シス テムの命令群で処理できる。ただし、ファイルごと自動的 に作成するには、システム言語のサブ・プmグラムが必要

である。

 この他、電磁気学の研究7)では、従来使用されていた単 位換算表9)との比較を容易な様に、数値記号の大きさ関係 を変形したファイルQfNm−1を構築している。

5.2 量関係式(表現)ファイル群及びこれらを構    識するためのサブ・プログラム群

 この量関係式(表現)ファイル群も、抽象的段階の量関係 式(表現)ファイルと、具体的段階の各種量関係式(表現)

(8)

ファイル群とがある。

5.2.1 抽象的段階の量関係式(表現)ファイルとこれを構    築するためのサブ・プログラム群

 電磁気学に4つの理論体系があり、抽象的段階でも、関係 式の量表示と、単位・数値表示(単位一般とこの単位で測っ た数値)とがあるので、8つの関係式表示フィールドが必要 であり、この他、関係式を導くために必要なデータを格納 するフィ一一ルド、関係式の次元的検討を行うためのフィー ルド等から一つのレコードが構成されててる。詳細な構造 については、著者の報告8)を参照されたい。

 ここでは、量関係 式の導出及び導かれた関係式の次元的 検討の方法を、少し詳しく述べることにする。

 抽象的段階での、各種法則等の一つ一つに対応するデー タを、一つのレコードに格納し、関係式番号(フィールド)

の内容(数値)で分類する。この他、法則等の性質を格納す るフィールドも必要である。

 A.量関係式の構成  量関係式を構成するには、

1) この式に含まれる量のデータを抽象的段階の物理量辞 書ファイルより取り出し、プログラム・バッハァに取り込ん でおく。このために、量名フィールドを作り、これをキー・

フィールドとして、抽象的段階の物理量辞書ファイルとリ ンクし、必要なデータをバッファに取り込む。この操作を 関係式中の:量の数だけ繰り返す。またこの操作を他のプロ グラムで自動的に行うため、量番号列のフィールドを作り、

これに、取り込んだ順番に量番号1、区切り文字、量番号2 等の列を作り、格納する。

2) 各量の前後の修飾のために、量前フィールド及び量後 フィールドを8個ずつ作り、入力する。

3) 量と量の間の演算子を7個作り、入力する。

以上のフィールドのデータとプログラム・バッファのデー タとを使用して、4つの量表示及び4つの数値・単位表示の 量関係式を構成し、それぞれのフィールドに格納する。た だし、量関係式中の量の数は最大8個として説明している。

 B.量関係式の次元解析等

 抽象的段階のE−H対応及びE−B対応の単位の次元式 を、上述の方法で、抽象的段階の物理量辞書ファイルから プログラム・バッファに取り込み、量関係式の構成の際、.入 力した7個の演算子を用いて、先ず、すべての量の単位の 次元式を含む量関係式の次元式を構成する。さらに、演算 子中の+,一,=を用いてそれぞれの量関係式を分割して項 領域に分け、項ごとに次元演算を行い、整理し、金項領域 の次元式を計算結果を+,一,=で結び付けた量関係式の次 元式を構成している。この式で、この量関係式の次元上の

正当性が確認出来る。.これらの関係式の次元式を格納する ために、4つのフィールドが必要である。

 C.プ。グラム

 このファイルを構築するためのプログラムでは、入力部 分は、データ・ベース・システムの命令であるが、その他 の部分は、すべてシステム言語で作成した以下のサブ・プ ログラム群がら作られている。

1) 抽象適段階の物理量辞書ファイルから必要なすべての 量のデータをプログラム・バッファに取り込むサブ・プロ

グラム。

2) プログラム・バッファのデータと入力した量前後修飾 データ及び量間演算子を用いて量関係式を構成するサブ・

プログラム。

3) 次元解析のためのサブ・プログラム等が必要である。

5.2.2 具体的段階の各種量関係式(表現)ファイル群とこ    れらを構築するためのサブ・プログラム群  具体的段階での量関係式は、電磁気学では4つの理論体 系と3つの単位系、すなわち、SI[式(8)参照]、及び著者の 提案するCGS静電単位系[式(9)参照】、 CGS電磁単位系

[式(10)参照]とがあり、単位系の選定が自由としているた め、12種類の表現が現れ、さらに、それぞれの単位表示を 用いる場合とそれぞれの単位の次元式を用いる場合がある ので、24通りの表現がある。また、従来から用いられてい るCGS静電単位系(3臨写)、 CGS電磁単位系(3直系)及 びCGSガウス単位系を使用したE−H、 E−B対応の非有 理化系理論での諸法同等が、式(14)及び式(20)を用いて 導かれる。この種の検討の結果を示す量関係式の表現も最 低6通り程度生じる。

 古典物理学では、上記の様に、電磁気学が最も多くの量 関係式表現を持つため、ファイル構造は、電磁気学でのファ イル構造を基本とすればよい。

 これらの量関係式表現を一つのファイルに格納してもよ いのであるが、電磁気学特有の問題までこのファイル中に 取り込むことになるので、以下の様に分割した方がよい。

1) PRPQ法により導かれた具体的段階の量関係式群、

すなわち、他の分野のものとの共通部分だけを一つのファ イルとする。

2) 上記1)中のE−H及びE−B対応非有理汐田でのCGS 静電単位系、CGS電磁単位系の量関係式を、式(14)で3 元化して導かれた量関係式群を一つのファイルとする。(従 来のCGS非有理化電磁気理論での諸式)

3) 著者の方法で導いたCGSガウス単位系での諸量関係 式を別のファイルとする。

一42一

(9)

 フィールド等

 これらの各ファイルの構造としては、一つのレコードに、

式番号、量関係式番号(キー・フィールド)、量関係式名、単 位系番号(キー・フィ〜ルド)、4つの理論体系での量関係式 それぞれについて単位表示及び単位の次元式表示の8個の フィールド等のフィールド群を準備して置く。さらに、一 つの法則等の格納には、3つのレコードを必要とし、単位 系番号が1の時、SI、2の時、 CGS静電単位系、3の時、

CGS電磁単位系にそれぞれ対応したレコードとなる。

 プログラム

 先ず、一つのファイルを構築するには、一つ一つの法則 等について、式番号、関係式番号、単位系番号を入力し、量 関係式番号をキー・フィールドとして、抽象的段階の量関 係式ファイルとリンクし、抽象的段階のファイルでの、量 番号列フィールド、各量の前後修飾フィールド、各量間の演 算子等フィールドの内容を読み取り、プログラム・バッファ に格納する。次に、バッファ中の量:番号列データから量関 係式を構成する量の番号を順次取り出して、これを一つ一 つ、ファイル中の該当レコード内の量番号フィールドに順 次格納しては、必要な物理量辞書ファイルとリンクし、こ れら辞書ファイルより各量の表現に必要なデータを読み取 り、順次バッハァ中に格納する。後は、バッファ中のデー タからそれぞれの量関係式表現を作り、それぞれのフィー ルドに格納するだけである。

 この場合、データ・ベースの命令で、一つ一つの法則等 について、式番号、関係式番号、単位系番号を入力し、こ れ以外のすべてのデータが、各種ファイルのどこかに格納 されているので、上記機能のサブ・プログラムで自動的に 新レコードが作成される。この操作の繰り返しで、一つの

ファイルが構築される。

 この様にして、一つの具体的段階の量関係式(表現)ファ イルごとに一つのプログラムを作成する必要があり、これ らは、システム言語を使用して作成される。

 以上が、PRPQ法に基づいた知識ベースの構築法の概

要である。

6. おわりに

 本研究の目的は、学際的視点、統一的視野で、理学・工学 と関連した広い分野での諸法則を取り扱う枠組みを明確に し、これら諸法則(量関係式)を格納した知識ベースの構築 を目指すものである。著者は、広領域の諸理論体系を整理・

統合するため、首尾一貫した単位一般の単位系の採用と、量 の相等性の重視とを基礎概念としたPRPQ法を確立した。

一方、量の等式、量の演算が処理可能なデータ・ベース・シ ステム(著者が知識ベースと呼んでいるもの)を構築するに

は、これまでのデータ・ベース・システムでは不十分であり、

各種機能を自由にプログラム化できる言語が備えられてい る必要がある。著者がこのレベルにあるCSG−IMS/OS9 と言うデータ・ベース・システムを使用できたことは、全 く好運であったと思っている。これを取り扱った体験を基 にして、PRPQ法に基づいた知識ベースの一般的構築法 を展開した。一般的システムを取り扱う場合、具体的なプ ログラムを記述しても、あまり意味がないのて、データ・

ベース・システムでのフィールド設定及びファイル構築に 必要なプログラム機能を中心に述べた。

 最後に、この種の研究は、データ・ベース・システムの 再構築の繰り返しの中で、徐々に完成されるもので、その 意味では、著者の研究7)〜8)は、さらに変更・整備される必 要があると思われる。

参考文献

(1)谷岡守;『SI単位系に基づいた量関係式の導入1一  量関係式の立式・演算規則一』,津山工業高等専門学  校紀要,第19号(1981),29

(2)谷岡守;『SI単位系に基づいた量関係式の導入2一  物理化学の領域への適用一』,津山工業高等専門学校  紀要,第23号(1985),87

(3)谷岡守,河合雅弘;『SI単位系に基づいた量関係式  の導入3一電磁気学の領域への適用一』,津山工業高  等専門学校紀要,第24号(1986),77

(4)谷岡守,河合雅弘;『量関係式処理法』,津山工業高等  専門学校紀要,第25号(1987),11

(5)谷岡守,河合雅弘;『:量子力学の分野に適用するため  の量関係式処理法(PRPQ法)の拡張』,津山工業高  等専門学校紀要,第27号(1989),47

(6)谷岡守,河合雅弘;「量関係式処理法の認識論的検討』,

 津山工業高等専門学校紀要,第28号(1990),55

(7)谷岡守,河合雅弘;「CSG−IMS/OS9による量関係式表  現変換システムの構築1一電磁気量辞書システムの構  築一』,津山工業高等専門学校紀要,第29号(1991),77

(8)谷岡守,河合雅弘;「CSG−IMS/OS9による量関係式  表現変換システムの構築2一電磁気量関係式変換シ  ステムの構築一』,津山工業高等専門学校紀要,第30  号(1992),31

(9)電気学会編集;「基礎電磁気学』34版,電気学

 会,(1987),251

参照

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