日本 海,』北 部 太 平 洋,及 び そ の 隣i接 海 域 沿 岸 に お・け る 褐 藻 ア ナ メG49σ7〃 勿07必703%吻Bory)
(1)
の種 内分類群
山 田 家 正
1は じめ に
褐 藻,コ ン ブ 科 の ア ナ メ属 は 大 西 洋 の ヨ ー ロ ッパ 沿 岸 を 除 く北 半 球 北 部 沿 岸 各 地 の 亜 潮 間 帯 に 大 き な 群 落 を 形 成 す る寒 流 系 の 海 藻 で あ る 。 分 布 域 が 広 い 割 に は 種 類 数 が 少 な く,現 在3種4品 種 の 計6分 類 群 が 認 め られ て い る に す ぎ な い 。 最 も広 く分 布 す 為 種 は ア ナ メ(Ac7伽os%〃2Bory)で,他 は ア ラ ス カ南 部 ふ ら カ リ フ ォ ル ニ ヤ に か け て 分 布 す る 乃.万 〃〃 傭%〃2Harveyと 日本 の 千 葉 県 大 原 町 沖 に 生 育 す る ナ ォ ノ ァ ナ ン(4.o肱7α θ%sθYamada)で あ る 。
.4.o吻 グ05〃鰐 と呼 ば れ て い る種 はG皿eljn(176$)に よ っ て カ ム チ ャ ッ カ 産 と推 定 さ れ る 材 料 に 基 き1勉 膨s・49α7襯 と し て 記 載 さ れ た 後,Turner
(1809)に よ る 形 態 の 詳 述,Bory(1826)に よ る!19〃 吻2属 設 立 を 経 て Postels&Ruprecht(1840)の 分 類 学 的 研 究 へ と続 い た 。Postels&Ruprecht
は 葉 状 部,主 と し て 中 肋 の 特 徴 か ら ・4.g吻61伽,ゑ.伽 ㍑ θ短,及 び 五 ド♪θ7'一
%s%勉 の3種 を 区 別 した 。 彼 等 の 記 述 した 分 布 域 は ・4.g〃zθ」̀痂 はKamtsc・
hatkaとUnalaskaIsL・(AleutianIsls.),ノ1.≠%ノ%θ 万 はPetropavlovsk (Kamtschatka),KaraginIsl.,Grさenland,HudsonBay,Canada,五.
ρθ7'%5%挽 はAwachlnskiiBay(Kamtschatka),UnalaskaIs1.,そ 、して,
∠4.ρθ7'%s%規 の 変 種 と して 記 載 さ れ た β.ρZ吻%θ%7π 勉 はSitka(AIaska), 原稿 受 領 日1980年4月30日
(1)本 研 究 の一 部 は 日本 植 物 学 会第44回 大 会(広 島,1979)で 発 表 した 。
[109コ
ヱヱ0 人 文 研 究 第60輯
γ.67αs舘cα⑳ ノ翅 θ はKamtschatkaとKodiakIs1.(Alaska)と な っ て い る6こ れ ら の 記 録 は 当 時 ロ シ ア を 始 め 各 国 が 盛 ん に 行 っ て い た 学 術 探 検 隊 が 持 ち か え っ た 標 本 を 基 に し て お り,正 確 な 採 集 地 が 不 明 な も の が 多 い に して も,
お お よ そ の 分 布 を 知 る 資 料 とな る。 しか し上 記3種 は そ の 後Setchell&Gar・
dner(1925)の 研 究 に よ り本 質 的 な 違 い は な く1種 で あ る と され,命 名 上 か ら
・49α7%〃2c7伽05%〃zBoryの 学 名 を 使 用 す べ き で あ る と し準 。 こ の 見 解 は 広 く受 入 れ ら れ 今 日に 至 っ て い る 。
しか し,北 海 道 周 辺 の ア ナ メはPostels&RuprechtやSetchell&Gar6
dnerの 述 べ た 形 質 とは 別 に,葉 面 カミ平 坦 で あ る か 凹 凸 が あ る か の2型 が あ る (2)(3)
こ とが 指 摘 され て い た(宮 部,1902;岡 村,1902;川 嶋,1967)。 結 局,平 坦 な葉 面 を 持 つ 個 体 は 寒 流 域 に の み 分 布 し,凹 凸 葉 を も つ 個 体 は 暖 流 の 影 響 の あ る 沿 岸 た 分 布 す る こ とが 明 ら か に さ れ た(1.Yamada1974)。 こ れ ら2型 は 体 を 構 成 す る 細 胞 層 数 な ど に 明 ら か に 差 が 認 め られ る(工Yamada,1977)。 そ し て こ の2型 に 加 え,山 田幸 男(1962)に よ っ て 新 種 と さ れ た ・44盈 醜 師6%∫ θ(テ ウ リ ア ナ メ)と 利 尻 ・礼 文 両 島 沿 岸 た 生 育 す る 別 な 個 体 群 の 計4分 類 群 が 北 海 道 ・ 周 辺 に 存 在 す る こ とが わ か っ た(1.Yamada,1974)。 又,そ れ ぞ れ 個 有 の 分 布 域 を もつ これ ら4分 類 群 は 少 く と も 人 為 的 に は 互 い に 交 配 可 能 で あ る こ と が 確 め ら れ(Nakahara&1Yamada,1974),遺 伝 的 に 近 縁 で あ る と思 わ れ1
る こ とか ら,・4.07伽os襯 の 種 内 分 類 群(品 種)と し て 記 載 さ れ た(1.Yam‑
ada,1974)。 こ れ らA.c7̀う70s吻zの4品 種 と ∠4.畝 α7αθ%s召 及 びA.声 粥 δ・
7勿 砺 〃zの 形 態 と分 布 の 概 略 を 第1図 と註 に 記 す 。'(4)
(2)宮 部(1902)は 北 海 道産 の アナ メに は 中肋 が広 く,孔 の周 辺 が 平 坦 で あ る も のが あ る と述 べ て い る。 これ はf.c7伽os%彫 を 指 して い る と考 え られ る。 又,宮 部 の 標 本 カバ ー(北 大,農,植 物 標 本 室)に ・4.魏ノπθ万 五 御7鰯oos%卿 と記 され て
い る もの が あ る。 これ はf,7%go鋤 勉 を指 す と考え られ る。
(3)岡 村(1902)の 記 載 に 「ひ らあ な め 」 と記 してあ る。 これ はf.σ7ゴう70s%〃2を指 す もの と考 え られ る。
(4)既 に報 告 され て い る アナ メ属6分 類 群 の 形 態 と分 布 の 概 略(第1図 参 照) ,幽・4.072う70sπ魏f.07め70躍 〃z(ア ナ メ):』葉 状部 は厚 く,葉面 孔 の周 囲は 平 坦,茎 部
円 柱状 で最 下 部 よ り付 着根 を 出す(第1図,A)。 寒 流 域 の 日高 以東 の道 東 太 平 洋岸, 千 島,サ ハ リン南東 沿 岸 に 分布 。f.7%go3%〃zI.Yamada(ザ ラ アナ メ):葉 面孔 の周
日本 海,北 蔀 太 平 洋及 び そ の 隣接 海 域 沿 岸 に おけ る褐
藻 アナ メ(A8Pα7π勿¢67ゴわ70s%〃zIBory)の 種 内分 類 群 11ヱ
一 嘱 噛 一鱒 卿 囎 働 一
δ b 汐 紘 ρ .り ρ ρ 観 釦っ 9
遡い︒︒趣鱗 麟曝雛謬欝溌.融Qσ櫨藤羅
A
o
'、 一 、'、 一、'、'、
黙罷
薦 灘 灘
ξ 鍛 瞭
B
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o
'㌔'、'、'o翻rL'、 ン
炉 、'、6麟 ■■國
'
、'、'、'、 ●國へ'、'、'
鱗 欝 一
q
E瀦
第1図 ア ナ メ属 各 分 類 群 の 形 態 。A:.4.c76う70棚 翅f.67ゴ670s%初,B:£7%go5.
㏄観,C二 £7ピs観7̀ε πs¢,D=f.y嬬 ゴs乃〃 ゴθπ86,E:オ.o加 駕6π ε6,F:ば4.万 彿 う.
7初'%駕(註4参 照 ,図A‑Dは 工Yamada1974に よ る)、
囲 は も り上 り全 体 に 凹 凸 が 顕 著,茎 根 部 はf.c7勿705π 〃zと 同 じ(第1図,B)。
北 海 道 の 暖 流 域(日 高 か ら根 室 納 沙 布 岬 に 至 る 寒 流 域 を 除 く全 沿 岸)武 蔵 堆,津 軽 海 峡 に 面 す る 本 州 北 部,エ トロ フ,ク ナ シ リ 両 島 の オ ホ ー ツ ク海 沿 岸,シ コ タ ン 島
の 一 部,サ ハ リ ン 西 南 岸,ウ ラ ジ オ ス トッ ク 付 近 。
f.7お 勿 擁2η361.Yamada(リ シ リ ア ナ メ):葉 状 部 はf ,7%gos%甥 に 同 じ 。 茎 部 や や 扁 圧,茎 部 の 途 中 か ら 細 長 い 付 着 根 を 出 す(第1図,C)。 利 尻 ・ 礼 文 両 島 沿 岸 の み に 分 布 。
f.y罐6s砺7吻sθ1.Yamada(テ ウ リ ア ナ メ):葉 状 部 はf.7%80s%御 と 同 様 で あ る が や や 小 さ く円 形 を 呈 す る も の が 多 い 。 茎 部 は 著 し く扁 圧,幅 広 く,茎 の 上 部 か ら も 細 長 い 付 着 根 を 出 す(第1図,D)。 焼 尻 ・天 売 両 島 沿 岸 の み に 分 布(山 田
し
112 人 文 研 究 第60輯
以上 の よ うな経 緯 か ら,筆 老 は 日本 北 部 周 辺 以 外 の沿 岸 に おい て もい くつ か の異 な る個 体 群 が 存 在 す る可 能 性 が あ る こ と,f.67伽o膨 〃zが 最 も広 く分 布 す る と推 定 され る こ とな どを示 唆 した(1.Yamada,1974)。 こ の点 を 明 確 に す るに は生 育地 で の 調 査 が 必要 で あ るが,地 理 的条 件 が悪 い地 域 が多 い こ とか
ら関 連 ず る報 告 も少 な く,又 筆 者 自身 も調 査 の機 会 を未 だ得 て い な い。
そ こで まず 世 界 各 地 の研 究 機 関 付 属 標 本 室 に 集積 され て い る標 本 を 調査 し, 形 態 と分 布 に 関 す る整 理 を 行 って み た 。 そ の結 果,各 地 域 の 個体 群 に っ い て具 体 的 な資 料 が 若 干 得 られ た ので 報 告 す る。 本 稿 セ は 日1本海,ナ ホ ー ツク海 ・ ベ ー リソ グ海 ,及 び太平洋北東岸につい て報告 し,そ の他 の地域については別稿 で報 告 した い。
稿 を 進 め る に あ た り,こ の 研 究 に 多 大 の 御 援 助 と御 助 言 を 戴 い た 北 大 理 学 部 黒 木 宗 尚 教 授,吉 田 忠 生 博 士,ソ 連 コ マ ロ フ 植 物 研 究 所 のA.D.Zinova,Ju.E。Petrov,K.L.Vin.
Ogradova,L .P.P¢restenkoの 諸 博 士 及 びL.SMargolin氏,海 洋 研 究 所 ・肌B.
Vozzh≠skaya博 士,フ ラ ソ 冬 国 立 自 然 史 博 物 館P・Bourrelly博 士,コ ペ ソ ハ ー ゲ ソ 大 学 胞 子 植 物 研 究 所T.Christensen教 授,P.MPedersen博 士,工B.Ransen博
士,ル ン ド大 学 αAlmborn博 士 に 厚 く御 礼 申 し上 げ る 。 又,標 本 を 送 っ て 頂 い た カ ナ ダ,ブ リ テ イ シ ユ ・コ ロ ン ビ ァ 大 学R.F、Scagel教 授,バ ム フ ィ ー ル ド臨 海 実 験 所L.
UDrueh1博 士,韓 国 ジ ウ ル 大 学 李 仁 圭 博=ヒに 御 礼 申 し上 げ る 。 又,標 本 観 察 の 機 会 を 与 え ら れ た 日本 学 術 振 興 会 に 御 礼 申 し上 げ る。
∬.材 料
観 察 に用 い た 標 本 は下 記 標 本室 に 収 蔵 され て い る合 計386点 で あ る。 括 弧 内
幸 男,1962)。
・4・o肋726ηsθ'Yamada(オ オ ノ ア ナ メ):葉 状 部 は 薄 く細 長 い 。 表 面 の 質 は や や 粗 く,葉 面 孔 は 不 定 形 で 周 囲 は 平 坦,茎 部 は 長 く不 規 則 に 両 縁 に ふ く ら み,そ こ か ら長 い 付 着 根 を 出 す(第1図,E)。 千 葉 県 大 原 町 沖 に の み 生 育 す る(Y.Yam・
ada,1961)o
A.戸 励7毎 謝 御Harvey:葉 状 部 は 成 体 で しわ が 多 く,孔 は 殆 ん ど な い 。 茎 根 部 は ・4.o加7α θ%sθ と 同 様 で 茎 部 よ りふ さ 状 に 付 着 根 を 出 す 。 ア ラ ス カ 南 部 よ り カ
リ フ ォル ニ ア に か け て 分 布 す る(SetchellandGardロer、1925)ひ
日本 海,北 部 太 平 洋 及 びそ の隣 接海 域 沿 岸 に お け る褐 藻 アナ メ(∠【9々7%彿Cア飴70εκ〃zBory)の 種 内 分類 群
に各 標 本 点数 を示 す 。 .
113
1 2 3 4
5.
6 7
DepartmentofBotany,UniversityofBritishColumbia, canada(UBC)(30)
CryptogamicDepartment,KomafovBotanicalInstituteof' theAcademyofSciencesoftheUSSR,Leningrad,USSR
(220)
InstituteofOceanoIogyoftheAcademy .ofSciencesof theUSSR,・Moscow,USSR(8)
Mus合umnationald'histoirenatuτelle,Paris,France (PC)ワ(40)
InstitutforSporeplanter,'UniversityofCopenhagen,Den・
mark(66)
、BotanicalMuseumプUniversityofLund,Sweden(20) DepartmentofBotany,SeoulNationalUniversity,Korea (2)國
「
皿。 結 果 と 考 察
観 察 した 標 本 の うち,古 い もの に は採 集 記 録 の不 備 な もの もあ るが,判 別 で き る記 録 をも とに 地域 別 に 整 理 した 結 果,次 の10地 域 に 区 分 された 。 数 量 の 多 少 は あ って も現 在 まで に 報 告 され て い る ア ナ メの分 布 域 を 一 応 網 羅 して い る と 考 え られ る。 括 弧 内 に 各標 本 点 数 を示 す。
1。
2.
3.
4.
5.
6.
'7 .
8.
9.
10.
日 本 海(51) オ ホ ー ッ ク海(19) 千 島 列 島(40).
カ ム チ 商 力半 島 東 岸(48)
ベ ー リ ソ グ海(ア リ ウ シ ャ ン 列 島 を 含 む)'(30) 北 極 海(3)
ア ラ ス カ(35)
北 米 ・,カナ ダ 太 平 洋 岸(14) 北 米 ・ カ ナ ダ大 西 洋 岸(43)
グ リ ー ソ ラ ソ ド(70)
、
ヱヱ4 人 文 研 究 第60輯
これ ら の 地 域 の うち 本 稿 で 報 告 す る の は1〜8ま で で あ る 。 各 地 域 を ユ.白本 海,2.オ ホ ー ツ ク海,3.カ ム チ ャ ッ カ 半 島 東 岸 とベ ー リ ン グ海,4.ア ラ ス カ,
カ ナ ダ,北 米 の 太 平 洋 岸 に 分 け て 形 態 と分 布 の 特 徴 を 述 べ る 。
A,cribrosum・
f,cribrosum f,rugosum f,rishirier〕Se f。y(】kishirlense A,ohGroense
柚 ン や ・li・(巨'奪)
Zolobl
⊂qpe
sokhαlinskii 8qy
8。
Musoshi臥 φ り
τerpemo3qy
日本 海 の アナ メの分 布
、
日本 海,北 部太 平 洋 及 び そ の隣 接 海 域 沿 岸 に おけ る褐 藻 ア ナメ(48σ 〆%解̀ノ伽03〃 吻Bory)の 種 内分 類 群115
同 定 され た 種 内 分 類 群 とそ の 分 布 域(既 報 を 含 む)は 次 の 通 りで あ る 。 (1)f.勉gos鰯2:ピ ヨ トル 大 帝 湾 以 北 の大 陸 沿 岸,サ ハ リ ソ 西 岸,北 海
道 西 岸,武 蔵 堆
(2)f・yα 々お苑"詑%s6:Posieta湾(ウ ラ ジ オ ス ト ッ ク の や や 南 の 小 湾), 韓 国 北 東 岸 巨 津(Keo3in),北 海 道,天 売 ・焼 尻 両 島
(3)f.7ゴs砺7∫ 醐sθ:利 尻 ・礼 文 両 島
標 本 が 採 集 さ れ た 地 点 は 巨 津 以 北,タ タ ー ル(間 宮)海 峡 に 至 る大 陸 沿 岸 及 び サ ハ リ ソ西 岸 で あ る。 最 も広 く分 布 す る も の はf.㍑gOs%勉 で,ピ ヨ トル 大 帝 湾 以 北,北 海 道 西 岸 以 北 の 日 本 海 沿 岸 に 生 育 す る。 す で に 述 べ た よ うに こ の 品 種 は 暖 流 の 影 響 を うけ る 沿 岸 に み ら れ,ピ ヨ トル 大 帝 湾 と サ ハ リ ソ 南 西 岸 で の 存 在 が 知 ら れ て い た 。 今 回 多 く の 標 本 に よ り分 布 域 も 日 本 海 北 部 に 広 い も の で あ る こ とが 確 認 さ れ,日 本 海 の ア ナ メ の 主 体 を な す こ と が わ か っ た 。 ピ ョ ト ル 大 帝 湾 付 近 に は 後 述 す る よ うにf.ツ 説 ゴs腕7伽sε も み つ か っ た が,大 陸 沿 岸 で の 南 限 は ほ ぼ こ の 付 近 に あ る と考 え られ る 。ナ ホ トカ の 東 に あ るSudzuxeか
ら採 集 さ れ た 標 本 を 第5図,Aに 示 す 。こ の 標 本 は 北 海 道 留 萌,宗 谷 岬,或 は 網 走 付 近 の 型 に よ く似 て い る 。サ ハ リ ソ 西 岸 のf.㍑gos吻zは 北 海 道 の 室 蘭 付 逓 の̀
型 と似 て い る 。 しか し 日 本 海 最 北 部 リ タ タ ー ル 海 峡 付 近 の も の に はf.C励70・
s吻2に 近 い 形 態 を 示 す 標 本(第5図,B)も み ら れ た 。 こ の 点 に 関 し て は オ ホ ー ツ ク海 北 西 部 の ア ナ メ と 関 連 す る こ とで あ る が ,オ ホ ー ツ ク海 の 標 本 が 少 な く,し か も形 態 の 同 定 が は っ き り とは で き な い た め に こ れ 以 上 の 議 論 は で き な い 。 し か し,海 流 な ど か ら 考 え る と 日 本 海 のf.鰯810錫 吻 が タ タ ー ル 海 峡 を 経 由 し て オ ホ ー ツ ク海 に ま で 連 続 して 分 布 す る とは 考 え に く い 。 お そ ら く タ タ 一 ル 海 峡 のAgniebo(第2図)の 標 本 がf.勉gos%鋭(5) の 最 北 の も の で あ ろ,
う。1'
次 に 問 題 に な る の はf.y磁 醜 〃伽sθ で あ る 。 従 来,こ の 品 種 は 天 売 ・焼 (5)!L彦%㍑ θ7ゴPost.etRupr.Sakhalin,Agniebo,1919,1eg.Krishtofovich,
(Herb.Leningrad).
ヱヱ6 人 文 究 研 第60輯
尻 両 島 沿 岸 に のみ 生 育 す る特 異 な 分類 群 と考 え られ てい た が,今 回 観 察 した 韓 .国・ 巨 津 産 の ア ナ メ(第5図,D)は 疑 い もな くf・ 夘 肋 腕γ伽sθ の特 徴 を 有 してい る。 しか も,巨 津 付 近 は 韓 国 に お け る アナ メの南 限 に位 置 す る と考 え られ る こ と,他 の型 の も のは み つ か ら ない こ と,か な り大 きな群 落 を作 る と考
(6) え
られ る こ と,な どか ら この 品 種 が 巨津 以北 に 更 に 分 布 して い る こ とが考 え ら れ る。 そ して 更 に,ソ 遠 産 の標 本 を 調 べて い る らち に ピ ョ トル 大 帝湾 南 部 の Posieta湾 の標 本(第5図,C)がf.夕 磁 酌 〃纏sθ と同様 の形 態 を有 す る こ とを み い だ した 。 この こ とか ら こ の品 種 はPosieta湾 か ら巨 津 に至 る北 朝 鮮 の沿岸 に 分 布 す る可 能 性 も あ る。 北 海 道 の天 売 ・焼 尻 両 島 沿岸 と大 陸 沿 岸 の 生 態 的 条 件 の共 通 性 に つ い て は 不 明で あ るが,,こ の よ うな とび離 れた 分 布 が何 を 意 味 す る のか 今 後 の検 討 課 題 の一 つ で あ ろ う。
ゴ ノ
今 回 観 察 した 標 本 セこはf.7ゴs砺7ゴ 醐sθ 類 似 の も の は み られ な か っ た 。 2.オ ホ ー ツ ク海(第2図 及 び 第3図)
同 定 さ れ た 種 内 分 類 群 及 び 同 定 で き な い 個 体 群 は 次 の 通 りで あ る。
(1)f.c励70脇 〃2:サ ハ リ ソ 南 東 岸,中 部 千 島 以 北,南 千 島 太 平 洋 岸 (2)f.物go謝 初:北 海 道 及 び 南 千 島 の オ ホ ー ッ ク 海 沿 岸
(3)同 定 で き な い も の:ナ ホ ー ツ ク海 北 西 部
オ ホ ー ッ ク海 北 部 と東 部 か ら の 標 本 が な い た め に,こ の 海 域 全 体 の 考 察 は で き な い 。 観 察 した 標 本 の 大 部 分 は サ ハ リ ン南 東 岸 と千 島 列 島(大 部 分 は 南 千 島) か ら 採 集 さ れ た も の で あ る。
サ ・・リソ 南 東 岸 は 南 下 す る 寒 流(EastSakhalinCurrent)の 勢 力 下 に あ っ て 水 温 は 低 く,北 海 道 の オ ホ ー ツ ク海 沿 岸 「と比 較 的 近 い 位 置 に あ るに もか か わ ら ず,海 象 は 全 く異 な っ て い る 。 そ の た め にTerpenia湾 な どか ら典 型 的 な f.07必70s麗 勉 の 標 本(第6図,C)が 得 られ て い る 。 こ の 地 域 の ア ナ メに つ い
(6)季 仁 圭博 士 の私 信 に よ るb
日本海,北 部 太 平 洋 及 びそ の隣 接 海 域沿 岸 に おけ る褐
藻 アナ メ(∠49α7π〃Zo7ゴ670s%η¢Bory)の 種 内 分類 群 47 て は 既 報(1.Yamada,1974)で 述 べ た よ うにf.c75b70膨 〃2の み が 分 布 す る が,そ れ が 再 確 認 さ れ た 。 オ ホ ー ツ ク海 で は,海 流 は 反 時 計 廻 りで あ る の で, こ の ξ・.c励70s吻zは 系 統 的 に は 千 島 列 島 北 部 のf・o励70s%〃zに 由 来 す る と 考 え られ る 。 そ の よ うに 考 え る と オ ホ ー ツ ク 海 の ソ連 沿 岸 はf.oγ 必70s%挽 の み で あ る と推 定 す る こ とが で き る が,北 西 部 の シ ヤ ン タ ル(Shantar)島 付 近 、(
7)(8)
の 標 本(Uda産,第6図lA,Dshukdshandran産,第6図 ・B) 、は 明 確 に 同 定 す る こ と が で き な か っ た 。 しか しf.c励"s塀zか 又 はf,剛90鋤 勉 類 似 の も の で あ る と思 わ れ る 。
千 島 列 島 の 標 本 は ク ナ シ リ,シ コ タ ソ 両 島 産 が 夫 々15,16点 あ る が,そ れ 以
し
外 は エ トβ ラ 島5点,ハ ボ マ イ 諸 島2点,シ ム シ ル 島2点 に す ぎ な い 。 分 布 図' (第3図)の シ ュ ム シ ュ,パ ラ ム シ ル,ケ トイ め 標 本 は 既 報(1.Yamada,1974) に よ っ たo前 に 述 べ た よ うに,ク ナ シ リ,・ゴ ト ロ フ 両 島 の オ ホ ー ツ ク 海 沿 岸 は 宗 谷 暖 流 の 影 響 が あ る た め にf・7%810謝 〃2が 分 布 し て お り,今 回 の 観 察 に よ っ て も そ の こ とが 確 認 さ れ た 。 ク ナ シ リ 島 の 太 平 洋 沿 岸 や シ コ タ ソ 島 はf.07・
必70sπ 窺 とf.7%gos錫 吻 の2品 種 が あ る こ とが 知 ら れ て い る(1。Yalnada, 1974)が ・ これ は オ ホ ー ツ 晦 .より太 平 洋 嘆 入 す る 水獅 ミあ る こ と矯 して
い る 。 し か し今 回 観 察 した シ コ タ ン 島 の 標 本(第6図 デD)は 大 多 数 がf.07族 70s%〃 ¢ で あ っ た 。 ウ ル ヅ ブ 島 以 北 に はf。67乃70sπ 窺(第6図,E)し か な く 千 島 列 島 を 南 下 す る親 潮 と密 接 な 関 係 が あ る こ とガミ再 確 認 さ れ た 。
3.カ ム チ ャ ッ力半 島 東 岸 及 び べ 一 リン ゲ海(第3図)
同 定 さ れた 種 内 分類 群 及 び 同 定 で きな い 個 体群 は 次 の通 りで あ る。
(7)第6図,A,B,以 外 に 次 の 標 本 が あ る 。
SakhalinskiiBay,CapeLutke,Oct2,1957,leg.Selitskaya&Vozzhinskaya (Herb。Moscow).
(8)July,1844,Middendorffに よ る 採 集 で あ る が,Dshukdsha職dranと い う地 名 が 現 在 の ど こ に な る の か 不 明 で あ る 。 しか しUdaの 標 本 もMiddendorffが 採 集 した も の で あ り,又 彼 の 探 検 ル ー ト91か ら 考 え て も シ ャ ン タ ル 島 付 近 と 考 え ら れ る 。
118 人 文 研 究 第60輯
1
、雫び)o
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篇翻 ・・∵ 一 、幽
謙 !
辞
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,O‑Pe曾r。P。vl。 》5k
第3図 オ ホ ー ツ ク海,ベ ー リソ グ海 の ア ナ メ の分 布(符 号 は第 一 図 に 同 じ) (1)f・ ・励7・s蹴 ・ こ の 地 域 の 々まぽ 全 域
(2)同 定 で き な い チ ユ コ ト カ(Tchkotka)の 個 体 群 '(3)同 定 で き な い 個 体 群
,"・49鷹%〃2ρ θ7'%s%〃2Post.etRupr."類 似 個 体 群 の 内 湾 型:カ ム チ ャ ッ カ
こ の 海 域 の 主 な 分 類 群 はf.6励70s襯 で,分 布 範 囲 は カ ム チ ャ ッ カ 東 岸,1 (9)N.N.バ ラ ン ス ク他 編(1959)
よ る 。
:祖 国の 地 理 と探 検 家 た ち,モ ス ク ワ(露 語)に
●
日本 海,北 部 太平 洋 及 び そ の 隣接 海 域 沿 岸 に おけ る褐
藻 アナ メ(4gα7π 魏c励70∫%吻Boryン の種 内分 類 群 119 Karagin島,Komandorskii諸 島,StMatthews島,ペ ー リ ソ グ 海 峡 近 く
のLavrentia湾,及 び ア リ ウ シ ャ ソ 列 島 のUnalaska島 な ど 広 い 地 域 に 亘 っ て い る。 こ の 地 域 めf.c7歪6γosπ 鯛 は,葉 体 は 厚 く,中 肋 は 幅 広 く,茎 部 太 く全 体 に 剛 直 な 感 じ を 持 つ(第7図)。 標 本 と して は カ ム チ ャ ッ カ のPetrOP‑
avlovsk付 近(第7図,B>と そ の 北 部 のKronotskii湾 か ら採 集 され た も の が 最 も多 く,つ い でKomandorskii諸 島 の 最 大 の 島Bering島(第7図,A)
⑩
の も の が 多 い 。 ベ ー リ ソ グ海 北 部 のLavrentia湾 産 の 標 本 は や や 若 い 個 体 で
・特 徴 は 明 確 で は な い が
,f.67必70s%鋭 と 同 定 で き る。 ベ ー リ ン グ海 のStMaむ thews島 の 標 本(第7図,D)は 若 い 個 体 ぐ2個 体)で あ る が,葉 状 部 はf.
cγ伽os%窺 の 特 徴 を 示 す 。Unalaska島 の 標 本(第7図,C)ぽ ヵ ム チ ャ ッ カ 東 岸 のf.c7伽o謝 〃zと 同 様 で あ る 。
しか し,同 定 で き な い 標 本 が2型 あ る。 そ の 一 つ は ベ ー リ ン グ 海 北 部 の Anadilskii湾,Tchkotka付 近 か ら採 集 さ れ た11個 体 悌8図,C)で1前
に 述 べ た 日 本 海 の £ 剛805〃 〃2に 似 た 形 態 を 示 す 。 従 っ て 典 型 的 なf.67勿 処
ノ
os襯 は べ ー リ ソ グ 海 峡 近 くに は 生 育 しな い 可 能 性 も あ る 。 これ に 関 連 し て 北
⑪
極 海 で は 標 本 が 僅 か3ケ 体 し か な く,し か もい つ れ も不 完 全 な 個 体 で あ る の で 同 定 は で き な か った が,Novo・Sibilskii島 の も の はf.o励70s%〃z類 似 の も
の と考 え ら れ る。 、
残 りの 同 定 で き な い 標 本 は カ ム チ ャ ッ カ 産 で,か っ てPostels&Ruprecht (1840)に ょ っ て 記 載 さ れ た149α7%〃zρ θ7'%s%魏 に よ く似 た も の で あ る(第8 図,A)。 こ の 標 本 の ラ ベ ル に は ・4.ρ6π%s%〃zvarj鵤sε ゼoα⑳7〃z6P.R, Exp.Litke,Det.Postels,Kamtschatkaと 記 さ煎 て お り,正 確 な 採 集 地 及
@
び 日付 は 不 明 で あ る 。Litke探 検 隊 に よ る標 本 はPetropavlovskか ら採 集 さ
⑩A.伽 γη θγ2PQst.etRu茎}r.Aug.6,1881,leg.Dobrotworsky,detE.S.
Zinova,Herb.Leningrad.'
⑳(1)Wrange1島,1935,leg.'Ushakov,ト ロ 「 ル に よ る,標 本 はfragment。
(2)Novo‑Sibiliskii島,1947,IdgKorotkevich,det.,A.DZinova,標 本 は
2ケ 体 で あ る が い つ れ もfragment。
⑫Litke探 検 隊 は1826‑1829年 に カ ム チ ヤ ッ カ 周 辺 の 調 査 を 行 っ て い る(註9に
よ る)。
ヱ20 人 文 研 究 第60輯
れ て い る こ と,他 に もAρ θ7劾sπ〃2の 名 でPetropavlovskか ら 採 集 さ れ た
㈱ 標
本 が あ る こ と な ど か ら お そ ら く こ の 付 近 か ら採 集 き れ た も の で あ ろ う。 こ の 藻 体 は 葉 面 孔 が 非 常 に 小 さ く且 つ 少 な い こ と,葉 状 部 に は ひ だ が 多 い こ と な ど の 特 徴 を も ち 、f.c励70脚 〃zと は 全 く異 な っ て お り,別 な 個 体 群 と し て 存 在 す る 可 能 性 が あ る 。 そ し て 更 に,次 に 述 べ る ア ラ ス カ か ら 北 米 に か け て 分 布 す る ア ナ メは こ の"Aρ6吻 鋤 〃Z"類 似 の 個 体 群 に 含 ま れ る と考 え ら れ る こ とか ら こ の 個 体 群 は カ ム チ ャ ッ カ か ら ア リ ウ シ ャ ソ 列 島 を 経 て ア ラ ス カ,カ ナ ダ, 北 米 に 至 る 分 布 域 の 広 い も の で あ る と推 定 した 。 そ して,カ ム チ ャ ッ カ 産 の も の,・或 は 次 に 述 べ る ア ラ ス カ のKodiak島 の 標 本(第8図,B)は 葉 状 部 に ひ だ が 多 い こ と,葉 状 部 基 部 が 著 し く心 臓 型 を 呈 す る こ と な ど の 点 か ら み て,こ
⑭ の"A.♪ θ吻 謝 勉"類 似 個 体 群 の 内 湾 型 で は な い か 推 定 した 。
4.ア ラ ス カ,カ ナ ダ,北 米 の 太 平 洋沿 岸(第4図)'
同 定 され た 種 内 分 類 群 と同 定 で き な い 個 体 群 は 次 の 通 りで あ る 。
(1)f.c7勿70s%勉:Kodiak島
(2)同 定 で き な い 個 体 群,̀趾.ρ 〃'%s%鋭"類 似 個 体 群 の 内 湾 型:Kodiak 島,Sitka(Baranof島)
(3)同 定 で き な い 個 体 群,"孟.カ67伽 膨 初"類 似 個 体 群 の 外 洋 型:ア リ ウ シ ャ ン 列 島 のUnimak島 か ら北 米 ワ シ ン ト ン州SanJuan島 ま で 。
㈱ ・4・ρθ7伽sπ 御 と記 さ れ て い る標 本 の 中 に は 筆 者 の 判 断 で はLo7伽os%初 に 他 な らな い と 考 え られ る も の が 数 点 あ る 。 しか し明 か に 他 と区 別 す べ き 特 徴 を も つ 標 本 が あ る 。 そ れ のKamtschatka産 の も の と し て は 次 の 二 点 が 挙 げ られ る 。 1、Fπ̀%sρ θ7'%s%sMert.Ka血tschatka,Petropavlovsk,Ieg。Mestens;
2.48α ノ%勉 ρθプ魏3%〃zf.δ7α εsゴoαθノ∂7〃z8P.etR.,Kamtschatka,legN.
凡Woronichin(Herb.Leningrad)。
⑭ 既 報(1.Yamada,1974)でf.c7伽o∫ 吻2に お い て も 外 洋 で は 体 が 細 長 く, 内 湾 で は 葉 状 部 の 基 部 が 広 くな り心 蔵 形 に な る こ と を 述 べ た 。
日本 海 ∫北 部 太 平 洋 及 びそ の隣 接 海域 沿 岸 に おけ る褐 ,藻アナ メG4gα ノπ郷c72δ70画 彿Bory)の 種 内分 類 群
嘱
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121
こ の 他,こ の 沿 岸 に は 別 種 五 即 鰯 勉 ガ 励 擁 α臨 〃2が 分 布 し て い る。 分 布 域 '(第4図)はDuke島'(ア ラ ス カ)か
ら カ リ フ ォ ル ニ ア のLaJollaま で と され て い る(Druehl,1969)。
ア ラ ス カ南 部 沿 岸 は ア ラ ス カ 海 流
\(暖流 系)の 影 響 下 に あ っ て 海 況 は べ 一 リ ソ グ海 と異 っ て お り,,ア ナ メ の 形 態 も 特 異 で あ る 。 最 も 広 く分 布 ず る ア
ロ リ ノ メ ロ
ナ メは 前 項 で 述 べ た よ うに,葉 面 孔 の 小 さ い も の(第8図,D)で,北 米 に 至 る 沿 岸 か ら採 集 さ れ ∠4.0励70鰯 勉 と記 録 さ れ た 標 本 は 数 ケ体 を 除 き(後
・述)殆 ん ど こ の 型 で あ る。 こ れ ら は 葉 状 部 の 形 態 か ら み てf.c励70鋤 〃z及
びf.鰯gosπ 初 とは 明 らか に 異 な っ て お り独 立 した 個 体 群 で あ る と考 え ら れ るq前 項 で 述 べ た ひ だ の 多 いA.ρ θF '%sπ挽 類 似 個 体 群 の 内 湾 型 はKod・
第4図 層ア ラス カ ・カナ ダ ・北 米太 平 洋 沿 岸 の ア ナ メ と4.戸 励 短 σ薦 物 の分 布(符 号, は 第一 図 に 同 じ)
iak島(第8図,B),Sitka(Baranof島)な ど こ の 沿 岸 の 北 よ り の 地 点 で み ら れ る の に 対 しSitka付 近 か ちVancouver島 に 至 る 沿 岸 で 採 集 さ れ て い る も の は 第8図,Dで 示 し たUnimak島 産 の ひ だ の 少 な い 型 に 華 本 的 に 同 じ も の で あ る 。 こ の 型 を"・4.ρ θ伽S%〃2"類 似 個 体 群 の 外 洋 型 と 名 づ け た 。 従 っ て,内 湾 型 と外 洋 型 を 同 一 群 に 含 め て 考 え れ ば"!1.ρ θ吻 膨 御"類 似 個 体 群 は カ ム チ
ャ ッ カ か ら ア リ ウ シ ャ ン 列 島 を 経 て 北 米 に 至 る 分 布 範 囲 の 広 いA.cr伽oε 〃勉
の 一 つ の 種 内 分 類 群 と考 え る こ とが で き る 。 ・ ・
ヱ22 人 文 研 究 第60輯
乏 こ ろ で,こ の 沿 岸 に は 上 記 個 体 群 と異 な る も の が 数 ケ体 あ る と 前 に 述 べ
・ た 。 そ の 一 つ はDall島(第4図)か ら採 集 さ れ た 標 本 で 体 は 小 さ い が 葉 面 孔⑮
は 大 き くf.c7伽os%勉 に 近 い 形 態 を 有 し て い るQこ れ は 僅 か1ケ 体 で あ る の で 判 然 と し な い が,f.c7伽os%〃zがKodiak島 ま で 分 布 して い る の で 更 に 南 に 生 育 す る 可 能 性 が あ る と い う点 で 注 目 した い 。
⑯
他 の 一 つ はBaranof島 及 びDuke島 か ら 採 集 され た 数 点 の 標 本 で,い つ れ も葉 面 に 孔 が 全 く な い とい う特 徴 を も っ て い る。 こ れ ら ほ す べ てAc7伽o,
● %魏 と 同 定 さ れ て い る が,筆 者 は ム.ノ伽 うガ α劾 〃2の 幼 体 と の 比 較 の 結 果,こ
㈲
れ ら は ・4.ガ励 擁 α脇 〃2の 若 い 個 体 で あ る と判 断 した 。 こ の 問 題 に つ い て は ま.
だ 検 討 の 余 地 が あ り,又 本 稿 の 主 題 で は な い の で 別 な 機 会 に 報 告 した い 。 た だ 従 来,・4.c7伽o鋤 〃zと 同 定 さ れ て い る 標 本 に はA万 〃2わ吻 伽 〃2に 属 す る と 思 わ れ る も の が あ り う る こ とを 指 摘 して お き た い 。
以 上 述 べた 結 果 か ら 日本 海 及 び北 部 太 平 洋 沿 岸 に おけ る み.c7伽os%〃zの 種 内 分 類 群 及 び個 体 群 は 次 の様 に 整 理 され る。
1.種 内 分 類 群
1.揺 癬 ・5%燃 ベ ー リ ン グ 海,カ ム チ ・ ・ 練 岸,ア リ ウ シ ャ ン 列 島 ア
ラ ス カ(Kodiak島 ま で)千 島 列 島(南 千 島 は 太 平 洋 岸 の み),サ ハ リ ン 東
⑱UBC,No.20810,Alaska,DallIsland,CapeMuzon。Co11.エM.,eta1., June13,1965
⑯UBC;Nos.20421,Alaska,BaranofIsland,PQrtConclusion,Coll.R.D., etal.,June.15,1965.
UBC,N・ ⑳48ZAI・ ・k・,D・k・1・1・nd,C・ILR・D・i・kil1・ndエG・ee・,J…
11,1965, ,、
⑰ 既 報(1,Yamada,1974)でBaranof島 の 標 本 が 特 異 な 形 態 を 示 す こ と に 触 れ た 。 又,Drueh1(1969)は ・4。∫魏 δ7ゴσ伽 〃zの 北 限 はDuke島 で あ る と し た 。 そ の 根 拠 と した 標 本(UBC,20489)を 筆 者 は 観 察 し て い な い が,註16で 述 べ た 標 本 (UBC,20487)と ほ ぼ 同 一 の も の と思 わ れ る 。 しか しDuke島 よ り更 に 北 に 位 置 す るBaranof島 の標 本(UBC,20421)はDrueh1に よ っ て 引 用 さ れ て い な い 。
人 文 研 究 第60輯 123
魅或i儲激
伽 ・一 み一 ・・∴ り腰 …葦詳曇 鞭 織 妻灘 「「繋 」 序
ll
綴
B 6
C
D第5図 日 本 海 の ア ナ メ 。A:f.7%gos%吻(Herb.Leningrad,!1.伽7η ε7ゴ,Sud,
zuxe,Sept.16,1934,Exp.Zin.,Det.E.S.Zinova);B:f.7πgos鋸 〃z(Herb.
Leningrad,Ac7狛70sz鰍,Sakhahn,Xoe,Aug.IO,1953,Co11.Selitskaya,
Det.Vozzhinskaya);C:f.yα んゴs乃"ゴ θπ5θ(Herb.Leningrad,〆Loノ ぎ δ70s%吻,
PetertheGreatBay,Posieta,July2,1964);D:f.夕 盈2曲 〃2θ ηs6(Herb.
SeoulNat.Univ.韓 国 北 『東岸,巨 津,Sept.28,1972,Coll.1.K.Lee)。
ヱ24
日本 海,北 部 太 平 洋 及 び そ の 隣 接 海 域 沿 岸 に お け る褐 藻 ア ナ メ(!lgα7π 〃z̀7飴70∫%〃3Bory)の 種 内 分 類 群
A B.
麟
マ ワ ロ
罐 聡
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'・「●9蓼6∴
兆髪:〉繋じO
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̀乳ジ .縫顔 薪 三駕
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毒ゼ'・.'● ○ψ 璽'パ.鯉 三・.轡・
..o而 ●9 曜
.魯..「 禰・.〜記 墾 鉱 ボ
も
◎ 二い 二 .、E
第6図 オ ホ ー ッ ク 海,千 島 の ア ナ メ
A:同 定 で ぎ な い 標 本(Herb.Leningrad,・4.' (1844P
4.伽7〃 θ7ぎOkhotskSea,Dshukdshandran
,July,1844,
4.
η
.:殉
伽7駕7zOkhotskSea,Uda, )Col1.Middendorff.);B:同 定 で き な い 標 本(Herb.Leningrad,
Co11.Middendo.
rff);C:f.07ゴ う70s%初(Herb.Leningrad,ノ1.07ゴ わ70sπ 窺,Sakhalin,Terpe・
nia,Sept.15,1963,Co11.Golikov);D:f.c7あ70s%〃2(Herb .Leningrad,
、407ゴ ∂703%〃2,Kurile,Sikotan.Isl.,Sept .30,1955,Coll.A.Ovginnikova,
Det.A.D.Zinova);E:f.o励703π 初(Herb .Moscow∠4.c7狛70s麗 甥,Kurile,
ShimshirIs1.,Sept.10,1967,Co11.Vozzhinskaya).
」
人 文 研 究 第60輯 ヱ25
A 8
ノ
/
じ 一 ㍊ ・・ 一 、D驚
第7図 ベ ー リ ン グ 海 の ア ナ メ
A=f.c7'670sπ 彿(Herb.Leningrad,〕 ∠4,彦%7π ε7¢,Komandorskii,BeringIsl.
1928,Col1.E.Kordakova,Det.E.S.Zinova);B:f.07あ705π 勉(Herb.
Leningrad,∠4.伽 プπ爾,Kamtschatka,PetropavlovskP,Herb.Mer.
tens,Det.E,S.Zinova,);C:f.c7必70s%勉(Herb.UBC,No.26890, UnaIaskaIsl.,SkanBay,July17,1966,Co11.P.ChamutandR.Driskill);
D:f.c7♂ δ70s%勉(Herb.Leningrad,sentfrQmHerb.Univ。Calif.,St.Ma‑
tthewsIsl.,July16,1953,Col1.W.H.Hansen,#6F1)
126
日本 海,北 部 太 平 洋 及 び そ の 隣 接 海 域 沿 岸 に お け る 褐 藻 ア ナ メ(∠49α7π 〃zcノ ゴゐ703z6〃zBory)の 種 内 分 類 群
A
C D
8
第8図 ベ ー リ ン グ 海,ア ラ ス カ 沿 岸 の ア ナ メ
A:"∠4.ρ θ7魏 謝 〃3"類 似 個 体 群 の 内 湾 型 と し だ も の(Herb.Leningrad,、4.勿 、
7薦3%彿f.67αssゴcβ θ,プb7卿gPost.etRupr.,Kamtschatka,Exp.Litke,Det .
Postels),B:同 内 湾 型(Herb.Lepingrad,・4.ρ θγ'πs%勉f.塑7α ∬2cα θゆ7初 θ
PostetRupr.,KodiakIsl.,1833,Col1.Wrange1),C:チ ユ コ ト カ 個 体 群 の
1標 本(Herb.Leningrad,Ac7狛70sπ 初,」BeringSea,Tchukotka,Au募
13‑15,1962,Co1LJu.EPetrov),D:"!1,ρ θ7'%sπ 吻"類 似 個 体 群 の 外 洋 型 と し た も の(Herb,UBC,No.26851,A【07め70s%〃2,AleutianIslsUnimak
Is1.,IkatanPeninsula,IJuly19,1966,Coll.R .lDriskillandP.Chamut,
Det.L.D.Drueh1)
、
日本 海,北 部 太 平 洋及 びそ の隣 接 海 域 沿 岸 にお け る褐
藻 アナ メ(49α7〃 〃ZC7ゴ∂ノ0ε%〃zBory)の 種 内 分類 群 ヱ27 南 部,北 海 道 の 寒 流 域 ・
2.f.㍑80s%〃2:日 本 海(ピ ヨ トル 大 帝 湾 以 北 の 大 陸 沿 岸,北 海 道 西 岸,サ ハ リ ソ 西 岸)ジ 北 海 道 及 び 南 千 島 の オ ホ ー ツ ク 海 沿 岸 ,根 室 海 峡,室 蘭 以 南 本 州 北 部 の 沿 岸
3.f.72s碗7伽s6:北 海 道,利 尻 ・礼 文 両 島 の 沿 岸
4.f3盈6s配7∫ θπ∫θ:北 海 道,天 売 ・焼 尻 両 島 沿 岸,Posieta湾(ピ ョ ト ル 大 帝 湾 南 部),巨 津(韓 国 北 東 部)
●
H
噸‑占2 QU 4
明 確 に 同 定 で きな い 個 体 群,
オ ホ ー ツ ク 海 北 西 部 の 個 体(f.C7伽OS%鋭 類 似)・
ベ ー リ ソ グ 海,チ ュ コ トカ の 個 体 群 北 極 海 の個 体(1部f.c7伽os%駕 類 似)
"Aカ6γ 伽s%〃z"類 似 個 体 群(内 湾 型):カ ム チ ヤ
ッ カ,ア ラ ス カ のKodiak 島,Sitka
'5."∠4.ρ 〃 彦%s%勉"類 似 個 体 群(外 洋 型):ア リ ウ シ ヤ ン 列 島 のUnimak
島 よ り北 米SanJuan島 に 至 る 沿 岸o
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ノ