宇宙航空研究開発機構研究開発資料
JAXA Research and Development Memorandum プロペラにおける風車状態の空力特性
奥山 政広,小林 宙, 西沢 啓
2015年3月
宇宙航空研究開発機構
Japan Aerospace Exploration Agency
宇宙航空研究開発機構研究開発資料JAXA-RM-14-010
奥山政広*1,小林宙*1,西沢啓*1
Aerodynamic Characteristics of Windmilling on Propeller
Masahiro OKUYAMA
*1, Hiroshi KOBAYASHI
*1and Akira NISHIZAWA
*1Abstract
Regenerative brake is derived from the windmilling of propeller on the electric propulsion. In the paper, the aerodynamic characteristics on the windmilling of propeller are grasped for the considering the regenerative brake.
Keywords: Windmilling, Propeller, Aerodynamic Characteristics, Electric propulsion, Regenerative Brake
概要
電動モータを用いたプロペラ駆動では,プロペラの風車状態において,負トルクが生じ動力回生が可能 となる.ここでは,プロペラによる動力回生を検討するため,風車状態の空力特性を把握する.そのなか で空力特性は,プロペラ風洞試験の干渉修正にまで及んでいる.
*
平成26
年12
月19
日受付(Received 19 December, 2014
)*1
航空本部 航空技術実証研究開発室(
Aviation Program Group, Unmanned and Innovative Aircraft Team, Institute of Aeronautical Technology
)0.はじめに
プロペラ航空機において作動するプロペラは,プロペラ・ブレードに対する相対速度の迎角により作動状態 が異なる.プロペラが推力を発生する推進状態以外で,特に,プロペラに作用する負推力から負トルクが生じ る風車状態は,レシプロ・エンジン駆動の飛行機において,急降下時にプロペラが受ける空力状態である.プ ロペラ軸の危険な過回転を防止するために,風車状態の空力特性が過去に検討されている1).
一方,プロペラの駆動に電動モータを用いる場合,プロペラの風車状態において,負トルクが生じ動力回生 が可能となる.航空機用電動推進システム技術の飛行実証(
FEATHER
)では,プロペラの風車状態による動力 回生を,要素技術の1
つとして着目している2).ここでは,プロペラによる動力回生を検討するため,プロペラにおける風車状態の空力特性を古典的な手法 により把握する.そのなかで空力特性は,プロペラ風洞試験の干渉修正にまで及んでいる.
1.プロペラ機の滑空飛行
プロペラ推力を止めた飛行機が,定常な滑空状態にある場合,力の釣り合い式は,図
1-1
のように機体の質 量m
,降下角γ-
,負の縦姿勢角θ
-
,迎角
α
,揚力L
,および抗力D
,プロペラの抗力D
P,一様流より速度が遅 くなるプロペラ後流による機体抗力の減少分ΔD
W,および干渉を含んだプロペラの抗力
D
P’
,ならびに重力 加速度g
として
sin cos
'
cos sin
' '
mg D
D
mg D
L
D D
D
P P
W P
P
(1-1)
になる.プロペラは,その作用力線が機体軸に一 致するように設置されているとする.また,式
(1-1)
からtan
γ-が
' sin ' cos 1
sin '
cos tan '
D D C C D
D D L
D D
P D L
P P P
(1-2)
主な記号a
,a’
:プロペラの軸方向および回転方向の干渉係数B
:プロペラのブレード数c
:ブレードのr
での翼弦長C
:風洞断面積C
-:降下率c
d:局所抗力係数C
D:抗力係数c
l:局所揚力係数C
L:揚力係数C
P:パワー係数C
T:推力係数C
-T:プロペラの抗力係数D
:抗力,プロペラ直径g
:重力加速度J
:プロペラの進行率L
:揚力m
:機体の質量n
:プロペラ回転数P
:プロペラパワーQ
:プロペラトルクr
:ブレードの半径位置R
:プロペラ半径Re
:レイノルズ数s
:翼素剛率(ソリディティ)S
:主翼基準面積,プロペラ回転円板面積T
:プロペラ推力U
:一様流速度V
:合成速度,一様流速度w
:誘導速度α
:迎角,面積比 β:プロペラピッチ角 γ-:降下角η:推進効率
η-P:風車状態でのプロペラの効率 θ-:負の縦姿勢角
ρ:飛行高度の大気密度 τ:回転円板推力係数
図
1-1
プロペラ機の定常滑空の釣り合いhorizontal
body axis
γ-
α
θ-L
D
mg U
D
P’ U
HU
VU
P’
0.はじめにプロペラ航空機において作動するプロペラは,プロペラ・ブレードに対する相対速度の迎角により作動状態 が異なる.プロペラが推力を発生する推進状態以外で,特に,プロペラに作用する負推力から負トルクが生じ る風車状態は,レシプロ・エンジン駆動の飛行機において,急降下時にプロペラが受ける空力状態である.プ ロペラ軸の危険な過回転を防止するために,風車状態の空力特性が過去に検討されている1).
一方,プロペラの駆動に電動モータを用いる場合,プロペラの風車状態において,負トルクが生じ動力回生 が可能となる.航空機用電動推進システム技術の飛行実証(
FEATHER
)では,プロペラの風車状態による動力 回生を,要素技術の1
つとして着目している2).ここでは,プロペラによる動力回生を検討するため,プロペラにおける風車状態の空力特性を古典的な手法 により把握する.そのなかで空力特性は,プロペラ風洞試験の干渉修正にまで及んでいる.
1.プロペラ機の滑空飛行
プロペラ推力を止めた飛行機が,定常な滑空状態にある場合,力の釣り合い式は,図
1-1
のように機体の質 量m
,降下角γ-
,負の縦姿勢角θ
-
,迎角
α
,揚力L
,および抗力D
,プロペラの抗力D
P,一様流より速度が遅 くなるプロペラ後流による機体抗力の減少分ΔD
W,および干渉を含んだプロペラの抗力
D
P’
,ならびに重力 加速度g
として
sin cos
'
cos sin
' '
mg D
D
mg D
L
D D
D
P P
W P
P
(1-1)
になる.プロペラは,その作用力線が機体軸に一 致するように設置されているとする.また,式
(1-1)
からtan
γ-が
' sin ' cos 1
sin '
cos tan '
D D C C D
D D L
D D
P D L
P P P
(1-2)
主な記号a
,a’
:プロペラの軸方向および回転方向の干渉係数B
:プロペラのブレード数c
:ブレードのr
での翼弦長C
:風洞断面積C
-:降下率c
d:局所抗力係数C
D:抗力係数c
l:局所揚力係数C
L:揚力係数C
P:パワー係数C
T:推力係数C
-T:プロペラの抗力係数D
:抗力,プロペラ直径g
:重力加速度J
:プロペラの進行率L
:揚力m
:機体の質量n
:プロペラ回転数P
:プロペラパワーQ
:プロペラトルクr
:ブレードの半径位置R
:プロペラ半径Re
:レイノルズ数s
:翼素剛率(ソリディティ)S
:主翼基準面積,プロペラ回転円板面積T
:プロペラ推力U
:一様流速度V
:合成速度,一様流速度w
:誘導速度α
:迎角,面積比 β:プロペラピッチ角 γ-:降下角η:推進効率
η-P:風車状態でのプロペラの効率 θ-:負の縦姿勢角
ρ:飛行高度の大気密度 τ:回転円板推力係数
horizontal
body axis
γ-
α
θ-L
D
mg U
D
P’ U
HU
VU
P’
0.はじめにプロペラ航空機において作動するプロペラは,プロペラ・ブレードに対する相対速度の迎角により作動状態 が異なる.プロペラが推力を発生する推進状態以外で,特に,プロペラに作用する負推力から負トルクが生じ る風車状態は,レシプロ・エンジン駆動の飛行機において,急降下時にプロペラが受ける空力状態である.プ ロペラ軸の危険な過回転を防止するために,風車状態の空力特性が過去に検討されている1).
一方,プロペラの駆動に電動モータを用いる場合,プロペラの風車状態において,負トルクが生じ動力回生 が可能となる.航空機用電動推進システム技術の飛行実証(
FEATHER
)では,プロペラの風車状態による動力 回生を,要素技術の1
つとして着目している2).ここでは,プロペラによる動力回生を検討するため,プロペラにおける風車状態の空力特性を古典的な手法 により把握する.そのなかで空力特性は,プロペラ風洞試験の干渉修正にまで及んでいる.
1.プロペラ機の滑空飛行
プロペラ推力を止めた飛行機が,定常な滑空状態にある場合,力の釣り合い式は,図
1-1
のように機体の質 量m
,降下角γ-,負の縦姿勢角θ-,迎角α
,揚力L
,および抗力D
,プロペラの抗力D
P,一様流より速度が遅 くなるプロペラ後流による機体抗力の減少分ΔD
W,および干渉を含んだプロペラの抗力
D
P’
,ならびに重力 加速度g
として
sin cos
'
cos sin
' '
mg D
D
mg D
L
D D
D
P P
W P
P
(1-1)
になる.プロペラは,その作用力線が機体軸に一 致するように設置されているとする.また,式
(1-1)
からtan
γ-が
' sin ' cos 1
sin '
cos tan '
D D C C D
D D L
D D
P D L
P P P
(1-2)
主な記号a
,a’
:プロペラの軸方向および回転方向の干渉係数B
:プロペラのブレード数c
:ブレードのr
での翼弦長C
:風洞断面積C
-:降下率c
d:局所抗力係数C
D:抗力係数c
l:局所揚力係数C
L:揚力係数C
P:パワー係数C
T:推力係数C
-T:プロペラの抗力係数D
:抗力,プロペラ直径g
:重力加速度J
:プロペラの進行率L
:揚力m
:機体の質量n
:プロペラ回転数P
:プロペラパワーQ
:プロペラトルクr
:ブレードの半径位置R
:プロペラ半径Re
:レイノルズ数s
:翼素剛率(ソリディティ)S
:主翼基準面積,プロペラ回転円板面積T
:プロペラ推力U
:一様流速度V
:合成速度,一様流速度w
:誘導速度α
:迎角,面積比 β:プロペラピッチ角 γ-:降下角η:推進効率
η-P:風車状態でのプロペラの効率 θ-:負の縦姿勢角
ρ:飛行高度の大気密度 τ:回転円板推力係数
図
1-1
プロペラ機の定常滑空の釣り合いhorizontal
body axis
γ
-
α
θ
-
L
D
mg U
D
P’ U
HU
VU
P’
と表される.ここで,
C
L/C
Dは機体の揚抗比で,揚力係数C
Lおよび抗力係数C
Dは,飛行高度の大気 密度ρ
と主翼基準面積S
からS U C ∆
S U C L
∆ L
2 2
2 1 2 1
ρ ρ
=
=
(1-3)
である.
対気速度の関係は,図
1-1
のように滑空速度U
,水平速度U
H,および鉛直速度U
V,ならびにプロ ペラ軸方向の一様流成分U
P,機体による一様速度の干渉係数k
(1
≧k
),およびプロペラ面が受ける 一様速度U
P’
からα α
γ γ
cos '
cos sin
cos
kU kU U
U U
U U
U U
P P
P V H
=
=
=
=
=
(1-4)
である.そこで,式
(1-4)
に式(1-1)
を代入するとmγ U
∆ U ∆
mγ U
∆ U L
V P H P
α α cos '
sin '
= +
= −
(1-5)
を得る.対気速度は,式
(1-3)
および式(1-1)
より( )
L
SC
P∆
U mγ ρ
α γ ' sin cos
2 +
= (1-6)
になる.あらためて降下率
C
-を導入すれば, 式(1-5)
および式(1-4)
からmγ
U
∆
∆U mγ
U
∆ U ∆U
C
V P' cos +
P'
P+ =
=
= α
(1-7)
である.さらに,プロペラが風車状態において入力として
D
PU
P’
を与え,出力として軸パワーP
Sが発 生しているときのプロペラの効率 η-PをP
∆
PU
S P'
≡ P
η (1-8)
と定めれば,式
(1-7)
は式(1-9)
のようにプロペラ特性と結び付けて表される.mγ
U k ∆
∆U P
C
P W PS
− ∆ +
= η
(1-9)
プロペラの抗力D
Pは,負の推力T
-であるため,プロペラの抗力係数C
-Tをn
2( ) 2R
4C
TT
= ρ (1-10)
として導入する.ここで,
n
はプロペラ回転数[rps]
,R
はプロペラ半径とする.また,プロペラの進 行率J
はn ( ) R J U
P2
= ' (1-11)
とする.これらから,
D
Pの係数は 0.はじめにプロペラ航空機において作動するプロペラは,プロペラ・ブレードに対する相対速度の迎角により作動状態 が異なる.プロペラが推力を発生する推進状態以外で,特に,プロペラに作用する負推力から負トルクが生じ る風車状態は,レシプロ・エンジン駆動の飛行機において,急降下時にプロペラが受ける空力状態である.プ ロペラ軸の危険な過回転を防止するために,風車状態の空力特性が過去に検討されている1).
一方,プロペラの駆動に電動モータを用いる場合,プロペラの風車状態において,負トルクが生じ動力回生 が可能となる.航空機用電動推進システム技術の飛行実証(
FEATHER
)では,プロペラの風車状態による動力 回生を,要素技術の1
つとして着目している2).ここでは,プロペラによる動力回生を検討するため,プロペラにおける風車状態の空力特性を古典的な手法 により把握する.そのなかで空力特性は,プロペラ風洞試験の干渉修正にまで及んでいる.
1.プロペラ機の滑空飛行
プロペラ推力を止めた飛行機が,定常な滑空状態にある場合,力の釣り合い式は,図
1-1
のように機体の質 量m
,降下角γ-
,負の縦姿勢角θ
-
,迎角
α
,揚力L
,および抗力D
,プロペラの抗力D
P,一様流より速度が遅 くなるプロペラ後流による機体抗力の減少分ΔD
W,および干渉を含んだプロペラの抗力
D
P’
,ならびに重力 加速度g
として
sin cos
'
cos sin
' '
mg D
D
mg D
L
D D
D
P P
W P
P
(1-1)
になる.プロペラは,その作用力線が機体軸に一 致するように設置されているとする.また,式
(1-1)
からtan
γ-が
' sin ' cos 1
sin '
cos tan '
D D C C D
D D L
D D
P D L
P P P
(1-2)
主な記号a
,a’
:プロペラの軸方向および回転方向の干渉係数B
:プロペラのブレード数c
:ブレードのr
での翼弦長C
:風洞断面積C
-:降下率c
d:局所抗力係数C
D:抗力係数c
l:局所揚力係数C
L:揚力係数C
P:パワー係数C
T:推力係数C
-T:プロペラの抗力係数D
:抗力,プロペラ直径g
:重力加速度J
:プロペラの進行率L
:揚力m
:機体の質量n
:プロペラ回転数P
:プロペラパワーQ
:プロペラトルクr
:ブレードの半径位置R
:プロペラ半径Re
:レイノルズ数s
:翼素剛率(ソリディティ)S
:主翼基準面積,プロペラ回転円板面積T
:プロペラ推力U
:一様流速度V
:合成速度,一様流速度w
:誘導速度α
:迎角,面積比 β:プロペラピッチ角 γ-:降下角η:推進効率
η-P:風車状態でのプロペラの効率 θ-:負の縦姿勢角
ρ:飛行高度の大気密度 τ:回転円板推力係数
図
1-1
プロペラ機の定常滑空の釣り合いhorizontal
body axis
γ-
α
θ-L
D
mg U
D
P’ U
HU
VU
P’
( ) α
ρ
2 2 2 2
2
2 2 cos
2
1 k
J C S
R S
U
∆
P=
T(1-12)
で示せる.それゆえ,
tan
γ-,U
およびC
-は,それぞれ式(1-13)
,式(1-14)
,および(1-15)
を得る.( )
( ) C ∆ U S
C C J
k C C S
R C
C
C C J
k C C S
R
∆W W
∆
∆W
∆ T
∆ L
∆
∆W
∆ T
2 2
2 2 2
2 3 2 2
2 , 1
sin sin cos 2
2
cos cos 2
1 2
tan α α α ρ
α α
γ = ∆
+
−
− +
=
∆∆
(1-13)
( ( ) )
L
W
SC
T∆ C
R n U mγ
ρ
α α
ρ
γ 2 sin sin
cos
2 +
2 4− ∆
= (1-14)
( ) ( )
( ( ) )
L
W T
∆
∆W
∆ T
∆ L
∆
∆W
∆ T
SC
∆ C
R n mγ
C C J
k C C S
R C
C
C C J
k C C S
R U C
ρ
α α
ρ γ
α α α
α α γ
γ γ
sin sin
2 cos
2
sin sin cos 2
2
cos cos 2
1 2 cos
tan cos
2 4
2 2 2 2
2 3 2 2
∆
− +
+
−
− +
=
=
(1-15)
機体の迎角が小さければ,
sinα
≈α
およびcosα
≈1
,ならびにα
の掛かかる項を他項と比較して無視 することにより,式(1-13)
,式(1-14)
,および式(1-15)
は,それぞれ式(1-16)
,式(1-17)
,および式(1-18)
へ簡略化される.なお,空気がプロペラ回転面へ直角に流入しなくなると,空力不つりあいが発生す るため,α
の大きさに従いプロペラの空力不つりあいは大きくなると考え得る.( )
∆ L
∆
∆W
∆ T
C
C C
C C J
k C S
R −
∆+
≈
22 2
2 1 2
tan γ (1-16)
SC
LU mγ ρ cos γ
≈ 2 (1-17)
( )
3 2 2
2 2
2 cos
2 1 2 cos
L
∆
∆
∆W
∆ T
C C S mγ C
C C J
k C S C R
ρ
γ γ
+ −
≈
∆(1-18)
浅い滑空であれば,
cos
γ-~1
から,さらに簡略でき,式(1-17)
および(1-18)
は,式(1-19)
および式(1-20)
になる.SC
LU mγ ρ
~ 2 (1-19)
( )
3 2 2
2 2
2
2 1 2
~
L
∆
∆
∆W
∆ T
C C S mγ C
C C J
k C S
C R ρ
+ −
∆(1-20)
2.プロペラの風車状態特性 プロペラ半径
R
でブレード 数B
を持つプロペラにおいて,図
2-1
で示されるように,r
位 置における微小半径長さdr
当 たりの翼素に作用する,プロ ペラ軸後方への抗力dD
Pおよ び回転による発生トルクdQ
は,単位半径長さ当たりの揚 力L’
および抗力D’
,ならびに 合成流の流入角φ
,および誘 導迎角α
iから,式(2-1)
および(2-2)
で表される.速度ベクト ルの関係は,対気速度の一様 流U
P と プ ロ ペ ラ 回 転 数 をn[rps]
とするブレードの周速度2πnr
から成る合成速度V
が,プロペラ回転面から流入角
φ
をとり,ブレードから流れ出る自由渦によりV
へ直角に誘導速度w
がα
iの角度で誘起され,その合成された速度V
Rが生じる.
dD
P B L cos
i D sin
i (2-1)
dQ B L sin
i D cos
i r (2-2)
また,局所揚力係数c
l,局所抗力係数c
d,およびr
位置での翼弦長c
から
L V V c c dr V c
lc dr
i l
R
R
( 1 )
cos 2 ) 1 1 2 (
1
2 2 2
(2-3)
D V c c dr V c
dc dr
i d
R
( 1 )
cos 2 ) 1 1 2 (
1
2 2 2
(2-4)
が与えられる.ここで,
ρ
は対気密度,およびΓ
は翼素まわりの循環になる.そこで,翼素の抗力係 数dC
DP,および発生のパワー係数dC
Pを次式で定める.
n
2 2R
4dC
DPdD
P (2-5)
3
2
52
R n dC
PndQ
(2-6)
式
(2-5)
および(2-6)
のn
は,図2-1
の速度関係でn V r
2
cos (2-7)
になるため,以上から式に代入して整理すると,局所無次元半径当たりの抗力係数および発生するパ ワー係数は
d i i dl iDP
c
c sc
r r
d
dC
tan
cos cos 4
cos
2 2 3 3
(2-8)
d i i dl iP
c
c sc
r r
d dC
tan 1 cos
cos 4
sin
2 2 4 4
(2-9)
と
c
d およびc
l/c
dに関して得られる.ここで,次式で定められるように,s
はBc/(2πr)
で定義した翼素 剛率(ソリディティ)で,r’
およびc’
はそれぞれr
およびc
をR
で割った無次元半径および翼弦長と する.図
2-1
翼素における速度ベクトルと力ベクトルL’
D’
dD
PdQ/r
α
Pβ α
iφ α
eU
P2πnr V
Rw
α
iφ
V
2πn(1+a’)r U
P(1 − a) φ − α
i@ r plane of
rotation
r c B r s Bc
R c c
R r r
′
= ′
≡
′ =
′ =
π
π 2
2
(2-10)
図
2-1
のように,誘導速度により生じる速度の干渉係数を導入して,プロペラの軸方向および回転 方向の干渉係数を,それぞれa
およびa’
にとれば,誘導迎角および流入角からi i
a a
α ϕ ϕ α
tan tan tan tan
′ =
= (2-11)
で表される.また,次の関係がある.
( )
( )
( ) ( a )
r J
a a
a r r J J
i i
i i i
′ −
− =
+ ′
− =
+ ′
−
= ′
−
= ′
cos 1 cos
sin cos 1 cos
cos 1
tan 1 tan
π α ϕ
α ϕ
α ϕ
α
ϕ α π
ϕ ϕ π
(2-12)
式
(2-8)
および(2-9)
を,これらで置き換えれば( )
( ) + ′
− + ′
−
′ +
′ = a
a r J c c a
sc r r
d dC
d l i d
∆P
1
1 cos
' 1 4
3 2 3
π α
ϕ
π (2-13)
( )
( ) −
− +
−
′ −
′ = a
a J
r c
c a sc
J r r
d dC
d l i d
P
1 ' 1 ' sin
1 4
2 2 2
2
π
α ϕ
π (2-14)
になる.
式
(2-13)
の抗力係数および式(2-14)
のパワー係数を,局所抗力と発生する局所パワーに変換する.そこ で,φ
-α
iは
+ ′
−
= ′
−
−a a r
i
J 1
tan
11 α π
ϕ (2-15)
であるから,置き換えて
( ) ( )
+ ′
− + ′
+ ′
−
′
′ +
′ =
′ =
−a
a r J c c a
a r J c a
J r s R U r
d R dC r n
d d∆
d d l
P
∆P
P
1
1 1
tan 1 cos
' 2 1
1 3 2
2 3 2 2 2 4
π π
π
ρ ρ (2-16)
( ) ( )
−
− +
+ ′
−
′
′ −
′ =
′ =
−a
a J
r c
c a
a r J c a
J r s R U r
d R dC r n
d dP
d d l
P P
S
1 ' 1 ' 1
tan 1 sin 2 1
1 2 2
2 3 2
3 5
π
π π
ρ ρ (2-17)
となる.これらの式で
c
d,およびc
l/c
dは,式(2-18)
の内訳をとる負の有効迎角α
eの関数になる.
+ ′
− + ′
−
=
− +
−
=
−a a r
i
J
e
1
tan
1π 1 β
α ϕ β
α (2-18)
式
(2-17)
で,(c
l/c
d)(α
e)
は負側でも局大値(cl/cd)
max(α
e,max)
を持ち,式中の他の項より大きい値になり,c
d(α
e)
は正側から負側の(c
l/c
d)(α
e)
局大値にかけて,変化がほぼ一定と考える.それゆえ,dP
s/dr’
の局大値は,
α
e,maxの近傍で実現すると考える.また,α
e,maxにおいて,β
とJ
は,式(2-19)
の関係であり,β
を小さくして負に移行させるに連れて,J
が小さく,つまり速度が一定な場合,(c
l/c
d)(α
e,max)
になるn
が大きくなると考える.さらに,式(2-17)
では,係数1/J
が掛かっているので,β
に対するdP
s/dr’
の局 大値は,J
が小さくなれば大きくなると考える.
tan
,max1
1 a
ea r
J (2-19)
プロペラの風車状態において,与えたパワー
U
PdD
Pから軸パワーdP
Sが出力されるため,局所効率dP
S/(U
PdD
P)
が定まり,式(2-16)
と式(2-17)
からDP P
d l d l
P P
S
JdC dC
a a r J c
c a
a J
r c
c a
a dD
U dP
1 1 1 1 1
1
(2-20)
と
c
l/c
dに関する簡潔な式を得る.誘導迎角あるいは干渉係数が求められたとして,プロペラ全体の特性は,ブレード位置
r’
の局所特 性を,ハブの位置r
h’
から先端の位置1
まで積分(和分)して得られる.ただし,おおよその特性を 把握する場合には,位置r’=0.75
辺りの特性で代表させることができると考える.また,別定義の軸パワーの局所パワー係数
dP
Cは,式(1-11)
と式(2-17)
を使い式(2-21)
で示される.なおこのパワー係数は,地上が
D
Pを吸収する風車での効率になる.
a
a J
r c
c a
a r J c a
J r s R
U r d dP r
d dP
d d l
P S
C
1
' 1 ' 1
tan 1 sin
1 2
2
1 /
1 2 2
3 2
(2-21)
3.プロペラ・ブレードの翼型特性例
ブレードの翼型の特性として,
NACA4412
3)を取り上げる.NACA4412
翼型は翼弦長に対して,キャ ンバーの最大高さ4%
,その位置40%
,および厚み12%
を持つ.また,キャンバーの最大高さの影響 を受ける無揚力迎角α
0は,-4
°になる.この特性のReynolds
数Re
は,Re = 3.0×10
6の値であり,図
3-1
のように,揚力特性は,正および負の迎角別々に近似式を求める.ここに示される迎角α
は,以上に述べた
α
eの-α
eに相当する.図
3-2
には,揚抗比特性を示す.正の最大揚抗比が迎角約5
°において約120
なのに対し,風車状 態で使用する負の最大揚抗比は迎角約-12
°において約-60
になる.c
l/c
d~c
dでは,それぞれの変化 の関係が分かる.翼厚が同じ対称翼型
NACA0012
3)の揚抗比特性が,図3-3
である.最大揚抗比は,正負ともに約±9
° 近傍において約90
を取っている.c
l/c
d~c
dの特性は,正負で対称を示している.y = ‐9.743E‐06x4‐8.094E‐04x3‐1.012E‐02x2+ 7.249E‐02x + 3.996E‐01
‐1
‐0.5 0 0.5 1
-30 -20 -10 0
cl
α[deg.]
cl,4412
y = ‐2.288E‐03x6+ 7.707E‐03x5+ 1.114E‐03x4‐ 8.690E‐03x3+ 4.696E‐03x2‐1.337E‐03x + 7.046E‐03
0 0.005 0.01 0.015 0.02
-1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2
cd
cl cd,4412
y = 1.803E‐05x4‐8.433E‐04x3+ 7.498E‐03x2+ 8.470E‐02x + 4.215E‐01 0
0.5 1 1.5 2
0 10 20 30
cl
α[deg.]
cl,4412
図
3-1 NACA4412
の揚抗力特性(参考文献3
のデータに基づく)値は,
α
e,maxの近傍で実現すると考える.また,α
e,maxにおいて,β
とJ
は,式(2-19)
の関係であり,β
を小さくして負に移行させるに連れて,
J
が小さく,つまり速度が一定な場合,(c
l/c
d)(α
e,max)
になるn
が大きくなると考える.さらに,式(2-17)
では,係数1/J
が掛かっているので,β
に対するdP
s/dr’
の局 大値は,J
が小さくなれば大きくなると考える.( α β )
π + ′ = +
−
′ tan
,max1
1 a
ea r
J (2-19)
プロペラの風車状態において,与えたパワー
U
PdD
Pから軸パワーdP
Sが出力されるため,局所効率dP
S/(U
PdD
P)
が定まり,式(2-16)
と式(2-17)
から∆P P
d l d l
P P
S
JdC dC
a a r J c
c a
a J
r c
c a
a d∆
U dP
=
+ ′
− + ′
− + ′
− ′ + ′
= −
1 1 1 1 1
1
π π
(2-20)
と
c
l/c
dに関する簡潔な式を得る.誘導迎角あるいは干渉係数が求められたとして,プロペラ全体の特性は,ブレード位置
r’
の局所特 性を,ハブの位置r
h’
から先端の位置1
まで積分(和分)して得られる.ただし,おおよその特性を 把握する場合には,位置r’=0.75
辺りの特性で代表させることができると考える.また,発生する軸パワーの局所効率に相当する局所パワー係数
dP
Cは,式(1-11)
と式(2-17)
を使い式(2-21)
で示される.( )
−
− +
+ ′
−
′
′ −
′ =
′ =
−a
a J
r c
c a
a r J c a
J r s R
U r d dP r
d dP
d d l
P S
C
1
' 1 ' 1
tan 1 sin
1 2
2
1 /
1 2 2
3 2
π π
π π
ρ (2-21)
3.プロペラ・ブレードの翼型特性例
翼型の特性として,
NACA4412
3)を取り上げる.NACA4412
翼型は翼弦長に対して,キャンバーの 最大高さ4%
,その位置40%
,および厚み12%
を持つ.また,キャンバーの最大高さの影響を受ける 無揚力迎角α
0は,-4
°になる.この特性のReynolds
数Re
は,Re = 3.0×10
6の値であり,図3-1
のよ うに,揚力特性は,正および負の迎角別々に近似式を求める.ここに示される迎角α
は,以上に述べ たα
eの-α
eに相当する.y = -9.743E-06x4- 8.094E-04x3- 1.012E-02x2+ 7.249E-02x + 3.996E-01
-1 -0.5 0 0.5 1
-30 -20 -10 0
cl
α[deg.]
cl,4412
y = -2.288E-03x6+ 7.707E-03x5+ 1.114E-03x4- 8.690E-03x3+ 4.696E-03x2- 1.337E-03x + 7.046E-03
0 0.005 0.01 0.015 0.02
-1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2
cd
cl cd,4412
y = 1.803E-05x4- 8.433E-04x3+ 7.498E-03x2+ 8.470E-02x + 4.215E-01 0
0.5 1 1.5 2
0 10 20 30
cl
α[deg.]
cl,4412
図
3-2
には,揚抗比特性を示す.正の最大揚抗比が迎角約5
°において約120
なのに対し,風車状 態で使用する負の最大揚抗比は迎角約-12
°において約-60
になる.c
l/c
d~c
dでは,それぞれの変化 の関係が分かる.翼厚が同じ対称翼型
NACA0012
3)の揚抗比特性が,図3-3
である.最大揚抗比は,正負ともに約±9 °
近傍において約90
を取っている.c
l/c
d~c
dの特性は,正負で対称を示している.図
3-1 NACA4412
の揚抗力特性(参考文献3
のデータに基づく)プロペラの翼型は,推進状態で大きな正の揚抗比を得るため,正のキャンバーが付いている.プロ ペラで風車状態の範囲では,対称翼型と比べ,揚抗比が小さくなる.なお風車では,翼型が逆キャン バーになっており,負の揚抗比が大きく取れる.
‐80
‐60
‐40
‐20
0 20 40 60 80 100 120 140
-20 -10 0 10 20 30
cl/cd
α[deg.]
cl/cd,4412
‐80
‐60
‐40
‐20
0 20 40 60 80 100 120 140
0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05
cl/cd
cd
cl/cd,4412
‐100
‐80
‐60
‐40
‐20
0 20 40 60 80 100
-20 -10 0 10 20 30
cl/cd
α[deg.]
cl/cd,0012
‐100
‐80
‐60
‐40
‐20
0 20 40 60 80 100
0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05
cl/cd
cd
cl/cd,0012
図3-2 NACA4412
の揚抗比特性(参考文献3
のデータに基づく)図
3-3 NACA0012
の揚抗比特性(参考文献3
のデータに基づく)プロペラの翼型は,推進状態で大きな正の揚抗比を得るため,正のキャンバーが付いている.プロ ペラで風車状態の範囲では,対称翼型と比べ,揚抗比が小さくなる.なお風車では,翼型が逆キャン バーになっており,負の揚抗比が大きく取れる.
‐80
‐60
‐40
‐20
0 20 40 60 80 100 120 140
-20 -10 0 10 20 30
cl/cd
α[deg.]
cl/cd,4412
‐80
‐60
‐40
‐20
0 20 40 60 80 100 120 140
0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05
cl/cd
cd
cl/cd,4412
‐100
‐80
‐60
‐40
‐20
0 20 40 60 80 100
-20 -10 0 10 20 30
cl/cd
α[deg.]
cl/cd,0012
‐100
‐80
‐60
‐40
‐20
0 20 40 60 80 100
0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05
cl/cd
cd
cl/cd,0012
図3-2 NACA4412
の揚抗比特性(参考文献3
のデータに基づく)図
3-3 NACA0012
の揚抗比特性(参考文献3
のデータに基づく)プロペラの翼型は,通常状態で大きな正の揚抗比を得るため,正のキャンバーが付いている.プロ ペラで風車状態の範囲では,対称翼型と比べ,揚抗比が小さくなる.風車では,翼型が逆キャンバー になっており,負の揚抗比が大きく取れる.
-80 -60 -40 -20 0 20 40 60 80 100 120 140
-20 -10 0 10 20 30
cl/cd
α[deg.]
cl/cd,4412
-80 -60 -40 -20 0 20 40 60 80 100 120 140
0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05
cl/cd
cd
cl/cd,4412
-100 -80 -60 -40 -20 0 20 40 60 80 100
-20 -10 0 10 20 30
cl/cd
α[deg.]
cl/cd,0012
-100 -80 -60 -40 -20 0 20 40 60 80 100
0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05
cl/cd
cd
cl/cd,0012
図
3-2 NACA4412
の揚抗比特性(参考文献3
のデータに基づく)図
3-3 NACA0012
の揚抗比特性(参考文献3
のデータに基づく)4.プロペラの作動状態
可変ピッチプロペラの作動状態は,表
4-1
のように分けられる.これら以外には,回転を止めるフェ ザー状態がある.なお,対称翼型を持つプロペラでは,ブレーキ状態は無い.また,反転ブレードに した逆回転作動は,順回転作動からの連続的な設定はできない.反転ブレードの逆回転において,設 定翼素では風車と同じ通常状態を実現できる.しかし,逆回転なのでブレードのピッチ角分布が逆に なるため,ブレード全体では空力特性が悪化する.電動モータによるプロペラ駆動では,順回転作動の推進状態からブレーキ状態を経て風車状態に移 行すれば,トルクが負となり発電に転じる.
表
4-1
プロペラの作動状態種類 ピッチ角
α
e(
有効迎角)
-α
0(
無揚力迎角)
およびベクトル関係図推力 トルク
順 回 転 作 動
推進状態 正 正 正 正
ブレーキ状態 正,
負小
0
・負小 負 正風車状態 正,
負小・中
負中 負 負
リバース状態 負中・大(リ バースピッ チ)
負大 負 正
逆 回 転 作 動
反転ブレード
(
正)
負 (負)U(1+a) 2πn(1-a’)r
α
edT
dQ/r
α
0dT
dQ/r U
2πn r
U(1-a) α
e2πn (1+a’)r
dT dQ/r
α
edQ/r 2πn (1+a’)r
U(1-a)
dT
α
edT U(1-a)
2πn (1+a’)r dQ/r
5.プロペラ・ブレードのピッチ角分布
プロペラの中心からの距離
r
,半径R
および直径2R
とし,幾何ピッチPitch
およびピッチ角(羽根 角)β
から
Pitch 2 r tan (5-1)
であり,ピッチ比
PitchRatio
は
tan
2 r
R Pitch
PitchRatio (5-2)
と示せる.ここで,
r’ = r/R
とする.式(5-2)
から,β
について次式で表せる.
r PitchRatio
tan
1 (5-3)
なお,
r’
の代表として一般にr’=3/4=0.75
が取られる.一様流速度
U
を持つとき,プロペラへの流入角φ
と回転数n[rps]
との関係は n R J U
r J r R n
U nr
U
, 2 2
tan 2
(5-4)
である.ここで,進行率
J=U/(n(2R))
を導入している.これから
r J
tan
1 (5-5)
として
φ
が求まる.式(5-3)
と式(5-5)
とは,β
とφ
,およびPitchRatio
とJ
とがそれぞれ対応をしてい て,同じ式になっている.迎角α
Pとすれば
P
(5-6)
の関係がある.ただし,実際にはブレードからの自由渦による誘導速度で誘導迎角
α
iが生じる.回転するプロペラにおいて,ブレード半径方向の
α
Pを一定にするには,β
の半径方向分布を
tan
10 . 75 tan
0.75 r (5-7)
とする.ここで
β
0.75は,r’=0.75
位置を基準にしたときの設定ピッチ角で,このとき75 . 0 75
.
0
0 . 75 tan
PitchRatio (5-8)
75 . 0 75
.
0
2 0 . 75 R tan
Pitch (5-9)
の関係がある.図
5-1
には,ブレードのピッチ角分 布例を示す.実際のブレードは,図5-1
のピッチ角 分布の曲線そのままではなく,特に根の部分が正さ れる.可変ピッチに対応するには,可変ピッチ角±
β
Vか らピッチ角β
Pは,式(5-10)
になる.
P
V(5-10)
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1
β[deg.]
r'=r/R
β
0.75=12 °
図
5-1
ピッチ角分布計算(β
0.75=12°
) 5.プロペラ・ブレードのピッチ角分布プロペラの中心からの距離
r
,半径R
および直径2R
とし,幾何ピッチPitch
およびピッチ角(羽根 角)β
からPitch = 2 π r tan β (5-1)
であり,ピッチ比
PitchRatio
はβ π tan
2 r
R Pitch
PitchRatio = = ′ (5-2)
と示せる.ここで,
r’ = r/R
とする.式(5-2)
から,β
について次式で表せる.
=
−′
r PitchRatio
β tan
1π (5-3)
なお,
r’
の代表として一般にr’=3/4=0.75
が取られる.一様流速度
U
を持つとき,プロペラへの流入角φ
と回転数n[rps]
との関係は( ) n ( ) R J U
r J r R n
U nr
U
, 2 2
tan 2 =
= ′
= ′
= π
π
ϕ π (5-4)
である.ここで,進行率
J=U/(n(2R))
を導入している.これから
=
−′ r J
ϕ tan
1π (5-5)
として
φ
が求まる.式(5-3)
と式(5-5)
とは,β
とφ
,およびPitchRatio
とJ
とがそれぞれ対応をしてい て,同じ式になっている.迎角α
Pとすればα
Pβ
ϕ = − (5-6)
の関係がある.ただし,実際にはブレードからの自由渦による誘導速度で誘導迎角
α
iが生じる.回転するプロペラにおいて,ブレード半径方向の
α
Pを一定にするには,β
の半径方向分布を
= tan
−10 . 75 ′ tan β
0.75β r (5-7)
とする.ここで
β
0.75は,r’=0.75
位置を基準にしたときの設定ピッチ角で,このとき75 . 0 75
.
0
= 0 . 75 π tan β
PitchRatio (5-8)
75 . 0 75
.
0
2 π 0 . 75 R tan β
Pitch = (5-9)
の関係がある.図
5-1
には,ブレードのピッチ角分 布例を示す.実際のブレードは,図5-1
のピッチ角 分布の曲線そのままではなく,特に根の部分が正さ れるる.可変ピッチに対応するには,可変ピッチ角±
β
Vから ピッチ角β
Pは,式(5-10)
になる.β
P= β + β
V(5-10)
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1
β[deg.]
r'=r/R
β
0.75=12 °
図