長崎県民の健康・スポーツに関する調査研究
‑地域別にみた成人の健康の様相
菅原正志・田原靖昭
(昭和56年4月30日受理)
Investigation of Health and Sports Activity in Nagasaki Prefecture
‑Health Condition of Adults in Different Areas
Masashi SUGAHARA and Yasuaki TAHARA
I.目的
ある地域の健康・スポーツに関する理解度,関心度,実施状況等を知ることは,その地域に
4)
おける行政や指導の面で欠くことが出来ないことである.我々は前報(神ら)の目的に示した ように最も身近な県内での健康・スポーツに関する調査を実施した.本報では成人について前
4)
報表1に示す地域類型に従って成績を報告する.
Ⅱ.方法
コミュニティ・スポ‑ツ,健康,体力に関する調査(一般用)質問紙にて長崎県下21市町村 の中から小学5年,中学2年そして高校2年の保護者2752名を対象に1978年7月から同年10月 に調査した.
調査対象地域は人口数,産業構造の面から次のように分類した. 1都市部, 2地方中心都 市, 3都市周辺地城, 4農漁村地域, 5その他の地域そして6新構想のニュータウンである
3)4)
(前報参照).またこの6つの類型をさらに1と6を都市部2, 3, 5を都市近郊, 4は農 漁村地域でありこれを本土と離島にそれぞれ分類した.
さらに上記分類を文部省の地域住民スポーツ振興指定市町村設置事業又は総理府の体力つく り運動推進地方事業の指定を受けた市町村を指定地域,それ以外を非指定地域に分類した(描
3)
定市町村については神らの報告を参照).
Ⅱ.結果と考察
A.職業・起床・帰宅・就寝時間
「職業」は男で地域類型により特徴が見られた.すなわち第1,第6類型の都市部には会
m
菅原正志・田原靖昭杜,銀行,学校などの事務系労働者や医者,教師,弁護士,会社や役所の課長以上など専門 管理者の割合が比較的多く,第2,3,5類型の都市近郊には工員,自動車修理,製造・加 工,運転手,道路工夫,日雇い,大工等の技能・作業職従事者,第4類型の農漁村地域に は,農耕,養蚕,蓄産,林業,漁業などの農林漁業従事者がそれぞれ多かった.また女はほ とんどが主婦である.
「年収」は都市部で53%が300‑500万円,都市近郊で50%が200‑400万円そして農漁村地 域は54%が100‑300万円がそれぞれ多かった.
「対象者の年令」は男の70%が40才代であり,女は41%が30才代54%が40才代であっ た.
「起床時間」は地域別に差はなく,また性差もなく6.nnrサ
・00‑6:30の時間帯が多かった.また
男の「家庭への帰宅時間」は地域では異なり,農漁村地域が早く,次いで都市近郊であり, 最も遅いのは都市部の19:00‑20:1であった.帰宅時間については通勤距離や交通の便など が影響しているものと思われる.
「就寝時間」は男では都市部,都市近郊そして農漁村ともに99・nn蝣一蝣9^5蝣noの時間帯であ り,女では都市部23:1:30,都市近郊22:oilu。・そして農漁村地域‑22:30と
都市部の方が夜更かしの傾向である.また女の方が就寝時間は男よりも遅かった.
VA 50
B.健康・運動について
全
1.既往歴について体20 これまでかかった主な病気 について回答は次のようであ った.
「高血圧」 : 45才以上にな ると高血圧性疾患が多くなっ て来るが,本成績では男女は ぽ10%前後の訴え率があっ た.これは対象者の年齢が男20 30‑40才代であるのでそれは
ど高くなかったのであろう.
図1で示すように都市部より も都市近郊,農漁村地域の訴 え率が若干上回っており,農 漁村地域のうち本土よりも離 島の方が高くなっている.こ の傾向は,高血圧性疾患が都 市よりもむしろ町村に多いと
6)
いう事実とよく一致してい
1)
る.また旗野らは農村部にお いての異常の第1位は高血圧 であるとしている.このよう に高血圧が農漁村地域に高率 なことは食生活等に問題があ
女
S S = t
20
圧 = i
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農漁村郁市近郊郁市部
描 I ‑ . ,
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農漁村都市近郊都市部
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農漁村 都市近郊 都市部
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農漁村 都市近郊 都市部
非指定
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批 r 農漁村
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都市部
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農漁村都市近郊都市部
図1.
郁農本離 rf漁上島 近付
m対
指定非指定 これまでかかった主な病気一高血圧‑の訴え事
3 非 指 定
3 指 ‑ ^
5E3胴田
2 指 定
t o 蝣
;
‑
‑ ウ : l l
5その他 4農漁村
3都市周辺 2地方都市 ‑都市部
非指定 指定
全体 5その他 4農漁村 3郁市周辺 2地方都市 ‑都市部 非指定 指定
全体 3
非 指 定 3 指 定 2 非 指 ‑ ' 蝣 i * 2 指 定 6 二 L I タ ウ ン
44
指非 定指
定
3 非 指 定 3 指 定 2 非 指 定 2 指 定
ォ311rl,‑タウン
5その他 4農漁村 3 都 市 周 辺 2 地 方 都 市
‑都市部
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‑ ・
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指定
全体
44
指非
・‑if f日 悲
りそうである.
「胃および十二指腸潰療」 : 胃および十二指腸潰疫は男に
6)
多い傷病の一つである.図2 を見てもやはり男が女より高 ,率である.潰癌は,食事等の 影響もあろうが,日常生活か らくる精神的ストレスの影響 によることも多々あろう.也 域別にみると,都市部と都市 近郊にその訴え率が高くなっ ている.また「慢性胃炎」に 関しても「胃および十二指腸 潰蕩」と同様の傾向であっ た.
「糖尿病」 :糖尿病は過去 20年間に約13倍と急激に増加 してきた.これは分泌代謝系 の異常によってひき起こされ るものであり,人口1000人当 りの繰越件数でみた有病率で は2.5 (昭和53年)となって
6)
いる.本成績では男4%,女 1%が訴えている.地域別で は,都市部において7%であ 類型り他の地域よりも高い.
図2.これまでかかった主な病気一胃・十二指腸溝癌‑の訴え率「神経痛」 :男女とも約18
%の訴えがあり,地域別には第3と第4類型すなわち図3に見られるように都市近郊と農漁 村地域に多く見られた.
「関節痛」 :男女ともに10%前後の訴えがあり,都市部と都市近郊に高かった.
「腰痛」 :腰痛はヒトの80%が経験者であり,直立姿勢をとる人類には宿命的なものであ る.男で31%,女で)%が腰痛を訴えている.寓4に示すように男の地域別では,第1類型 の30%,第6類型の36%と都市部において高率となっている.腰痛を予防するためには運動
5)
等によって行わなければならない.勝木によると,腰部の筋力の不足と精神的ストレスが腰
痛を発生させる主因とし,それを解消するには運動が効果的であるとされ,余暇時間におけ
る運動を奨めている.
%400
2
全体
4 非 指 定 4 指 定 3 非 指 定 3 指 定 2 非 指 定 2 指 定
6 ニ ュ ー タ ウ ン
5その他4農漁村3都市周辺2地方都市‑都市部非指定m&
全体
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6 ニ ュ ー タ ウ ン
5その他4農漁村3都市周辺2地方都市‑都市部非指定指定
全体
33 44
指非指非定指定指
定定
2 E 3 温 田 2 指 定
6ニュータウン
5その他4農漁村
3都市周辺 2地方都市
‑都市部
非指定指定
類型
図4.これまでかかった主な病気一腰痛‑の訴え率
都農本離 市漁土畠
近付首
郊漁 持相場 首相
農漁村
桃 山
' ‑
) 描
都市部
欄蛸首 相
農漁村都市近郊都市部
郁農本離 rfi漁上島 近付
郊
郁農本離 I f漁1‑ 1(.1i 近村 郊
相場 首相
農漁村郡市近郊都市部
棚鵬 首相
農漁村都市近郊都市部
指定非指定 これまでかかった主な病気一神経痛‑の訴え率 図3.
2.最近の健康状態について
「食欲」 :食欲に関しての問題があるとしたのは全体で8%であり,第4類型の農漁村 地域の人に問題ありが高かった.
「すいみん」 :問題ありが男よりも女に高い(14%).第4類型の農漁村地域が高率で男 12%,女16%であった.
「渡れやすさ」 :男29 形,女43%で女が問題あり が高かった.地域別には著 明な差はなかった.
「息切れ」 :図5に示す ように息切れは,都市部が 問題ありが高く男21%,女 31%であった.地域別には 都市部,都市近郊は高く, 農漁村地域は低かった.
息切れは,運動不足によっ男20 てひき起こされるものであ
り,予防の為にも身体の鍛 練が望まれる.
「胃の調子」 :男女とも 28%とほぼ同じであった.
地域別には第2, 3そし て第5類型の都市近郊に問 題ありが高かった・女
「便通」 :男10%,女23
%で女が便秘の訴えが高 い.地域別には男で第1, 第8類型の都市部が高く, 女では第2, 3そして第5 類型の都市近郊が高くなっ ている.
20
増首相
農漁村
郁市近郊t
hr川4日J叫川
棚柑 首相
農漁村 郁市近郊 郁市部
‑
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農漁村 都市近郊 都市部
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農漁村 郁市近郊 郁市部
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農漁村
耶巾
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^ 都 市 部
都農本離 「臣魚土島
指定非指定 図5.最近の健康状態‑息切れ‑の訴え事
「かぜをひきやすい」 :男20%,女24%であり,地域別には男で第1, 4そして第6類 型の都市部,農漁村地域が高く,女では第4類型の農漁村地域がそれぞれ高かった.
「腰痛,肩痛その他の関節痛」 :図6に示すように男41%,女44%が問題ありと答えて いる.地域別には,男女ともに第1, 4そして第6類型の都市部,農漁村地域に高くなっ ている.また指定地域よりも非指定地域が高い.
「肩こり」 :男36%,女55%と女に肩こりが高い.地域別には男が第2, 3, 5類型, 女が第2類型がそれぞれ高く,いわゆる都市近郊地域が高かった.また指定地域よりも非 指定地域が高い.
「いらいら」 :男18%,女30%と女が高い.地域別には男が都市部でのいらいらが高 く,女では農漁村地域が高い.
「勤労意欲」 :前述のいらいら傾向と同じで,男は都市部,女は農漁村地域でそれぞれ
96 菅原正志・田原靖昭
2E3澗臣
2 指 定 6 ニ ュ ー タ ウ ン
5 そ の 他 4 農 漁 村 3 郁 市 周 辺 2 地 方 都 市
‑都市部
33 44
指非指非 定指定指
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蝣 J
j 3 指 定 2 非 指 定 2 指 定
ォ O l l r l . ‑ タ リ ン
5その他 4農漁村 3郁市周辺 2地方都市
非指定 ‑都市部
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‑ J
全体
44
指非 '<ii指
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非指定指定 2
非指 Jo ) 2 指 定
6 ニ ュ ー タ ウ ン
5その他 4農漁村 3都市周辺 2地方都市
‑都市部
類型
33 44
指非指非
違指蝣ォJl指
'ii 'i¥L
勤労意欲に問題ありが高い.
以上最近の健康状態につい ての調査結果は,運動不足か らくる体力低下によるところ が大きく,適度な運動により 解消されよう.また不調を訴
える率は男よりも女に高いこ とから,家庭の主婦の補償体 操が望まれる.
3.タバコ,アルコールについ て
「1日のタバコの平均本 数」 :タバコが健康に及ぼす 影響については, 1964年アメ
リカ保健教育福祉省, 1962年 ロンドン王立医師会の報告以 来,肺ガン,虚血性心疾患と の関連性が認められるように
8)
なった.また小川らは成人男 子の喫煙と健康状態の調査 で,喫煙者に肩こり,腰痛, 食欲減退,息切れ等の症状が
多く認められたと報告してい る.
我が国の喫煙率は世界の上 位であり,男73.1%,女15.4
%である.しかしこの率も最
図6.最近の健康状態一腰痛・肩痛その他の関節痛‑の訴え率近ではしだいに減少してい る.本成績での喫煙率は男67%,女5%で全国平均よりも低かった.男について地域別に みると,第1類型の非喫煙者は38%で最も高率で,また第5類型では,喫煙者が78% (罪 喫煙者22%)と最も高率である.喫煙者の中で1日の本数は11'本が29%と最も多かっ
m
「アルコール類の量」 :男は74%,女は16%が飲むと回答.地域別で男女ともに多いの は第1, 6類型の都市部であり,これは社会的要因が多く,いわゆる仕事のあと飲む機会 が多いのであろう.男のうち毎日飲むが全体の48%であった.
4. 1日の歩行時間について
交通機関の発達に伴ない,人はマイカー等に乗り1日の歩行時間が減少して来た.歩行
時間が減少すると結果的には運動不足となり体の変調を訴えることが多くなる.本成績で
男女ともに歩行時間は10分未満が比較的多かった.地域別では,歩行時間の長いのは都市
部であり40‑59分であった.またマイカーによる通勤,買物は男16%,女3%である.普
た交通が比較的不便と思われる都市近郊(第3類型)にマイカー利用が多く,このような 地域での歩行時間は少なかった.
2)
このように歩行時間が都市部に長かったのは,池上の報告でも同様であった.その理由 としてショッピングセンターや職場と住宅との距離が農村よりも都市部が大きく,また都 市部では交通混雑等のために通勤には公的交通機関を利用することが多く,従って駅まで 歩くのに対し,農村ではマイカーを使うことが多くなってきたことがあげられるとしてい
る.
5.日頃の健康法(運動)について
自己の健康を守ろうとする考え方は万人が持つところであるが,それを実行することは
%容易でない.ましてそれを持
40
令
体20
郁農本離 rf)漁土畠 近村 郊
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相懸 農漁 村
農漁村 都市近郊 都市部
棚憎 音漁 村
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都市部 都農本離
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都市近郊 郁市部
用 c v
= ^ :
農漁村都市近郊都市部
指定非指定 図7.日頃の健康法(運動等)の実施率
続させることはなおさら困難 である.
日頃から健康法を実施して いると回答したのは男21(
女14%で男の方が高かった.
地域別には男で第1, 6類型 の都市部が高いのに対しその 他の都市近郊や農漁村地域は
2)
低い.このことは池上の調査 でも同様であった.これから 女の場合は第2, 3, 5類型
といった都市近郊が高かった (図7).また指定地域が非 指定地域よりも健康法を実施 している率が高い.この事は
<>:
神らの報告にもあったよう に,スポ‑ツ振興指定市町村 のスポーツ活動‑の参加率が 非指定地域よりも高かった事 実からしても,指定地域が健 康法に関心が高いことが推測 出来る.
以上のように日頃から健康 法を実施している者の率が割 合に低く,もっと高くなるよ うな指導等の対策が望まれ
る.6.運動に対する満足度について
図8に示すように現在実施している連動に満足していると答えたのは男71%,女69%で
ある.地域別では第2, 3, 4そして5類型の都市近郊,農漁村地域が満足していると回
98
答した者が多い.一方不満 足とした者の多かった地域 は第1, 6類型の都市部で ある.都市部に在住する者 は,体育の施設そして運動男 の機会には,他の地域より も恵まれた環境に在りなが ら十分に満足していない.
また「運動が出来ない原 因」については,その理由 の第1位は"時間がない〝
が男'%,女46%と半分を 占めていた.地域別には男 の場合第2, 6類型のよう に比較的通勤に時間を要す る地域が高かった.また女 の場合には第3, 4類型が 高かった.
次に理由の第2位は"や る気がない〝が男¥%,女 25%となっている.また 第6類型のニュータウンで は,女に"相手がいないか ら〝が16%と新興住宅地ら しい面が見られた.
女
C.余暇時間(自由時間)と その活動について
菅原正志・田原靖昭
4 非 指 定 4 指 定 3 非 指 定 3 指 定
2 非 指 ‑ 蝣 ・ 蝣 y
2 指 定
6 ニ ュ ー タ ウ ン
5その他 4農漁村 3郁市周辺
2地方郡市 l都市部
非指定 指定
全体
6 二 L I タ ウ ン
5その他
4農漁村 3郁市周辺 2地方都市
‑都市部
指定 非指定
22 33 44
指非指非指非 定指
定
Hi *,'‑>
図8.現在の運動に対する満足度
定指定指
'ill ''」
1.平日の余暇時間について
「余暇時間は」 :男で75%,女で78%までが3時間以下であり,地域別には第4類型の 農漁村地域の自由時間が4時間以下と長い.
7)
最近調査された長崎県民の平日の余暇時間は5時間31分でありそれから比べると少ない といえる.
「余暇時間の利用は」 :表1に示すように第1位はテレビであり,男51%,女54%と半 分はテレビを見ている.地域別にみると都市近郊や農漁村地域のテレビが高かった.この テレビ視聴に関しては全国的な傾向で長崎県もそうであった.
次に第2位は男で新聞,雑誌であり,これは都市部に高い.女の場合には.家庭・子供 とのだんらんが都市近郊で高率であった.また都市においては比較的テレビ,ラジオが低 く,庭いじり,けいこごとなどの趣味活動が10%台であった.余暇時間のうちスポーツと 回答したのは都市部の3‑6%と低かった.
7)
NHKの調査では,本,新聞,雑誌いわゆる教養文化的時間は大都市ほど余暇時間に占
める割合は高くなっており,長崎県内においても都市部に教養文化的時間は高くなってい
る.また主婦のけいこごと,趣味が最近増加していると言われているが,本成績も同様で あった.
表1.平日の余暇時間活動
項 目
金 指 非 都 地 都 農 そ こ ユ 指 市 霊 雷 漁 の ター ウ 体 定 定 郡 市 辺 村 他 ン
類 型
1 2 3 4 5 6
坐
① ハイキングやキャンプなどの野外活動 52 54 49 53 56 48 45 11 11 11 16 12 12 10 19 13
1 2 1 3 1 1 1 9 8 9 7 4 9
10 9 9 14 11 13 8 9 17
3 3 5 2 1 6
1 1 1 4 1 1 1 1 0 1 1 1 1 1 2 1 0 1 3 6 1 1 5 5 6 7 4 5 4 6 1 1 1 4 4 0 1 0 0 1 0 0 1 0 (り 旅行
⑨ ど, しようぎ, マージャンなど (∂ 休養
① 庭いじり,手芸などの趣味活動
⑥ 読書(書籍)
⑦ 野球, テニス,バレI ポIルなどのスポーツ 伝) 団体の活動や講習会に参加する
(り つり
体 ⑲ 家族や子どもとだんらん
⑪ 映画,観劇,音楽会など
⑱ パチンコ
⑱ 買物,訪問 1 1 1 1 1 1 1 1 1
① ハイキングやキャンプなどの野外活動 51 51 51 42 47 49 54 46 54 12 12 12 16 15 13 10 22 10 5 2 2 3 4 2 9 10 8 13 6 6 10 10 5 7 6 8 5 7 12 6 6 10 3 3 4 6 6 2 3 0 7 6 2 3 1 0 1 0 1 1 1 1 0 0
6 6 3 6 11 6
5 1 3 0 2 2 1 1 1 4 7 1 1 1 0 0 1 1 0 (参 旅行
㊥ ど, しようぎ, マージャンなど
④ 休養
(り 庭いじり,手芸などの趣味活動 (り読書(書籍)
男 ⑦ 野球, テニス,バレI ボIルなどのスポI ツ β) 団体の活動や講習会に参加する
(り つり
⑲ 家族や子どもとだんらん
⑱ 映画,観劇,音楽会など
⑲ パチンコ
⑳ 買物,訪問 1 1 0 0 1 0 0 3 0
女
① ハイキングやキャンプなどの野外活動 (り 旅行
(り ど, しようぎ,マI ジャンなど
④ 休養
㊥ 庭いじり,手芸などの趣味活動
⑥ 読書(書籍)
(力 野球, テニス,バレI ボールなどのスポIツ
54 53 57 57 57 51 11 11 10 16 7 11 10 14 17
0 0 0 0 0 0 0 0 0 7 8 7 5 7 3 8
13 13 11 27 15 13 10 13 27 3 2 3 4 3 3 2 3 3 1 0 1 1 1 0 1 0 0 塞 撃 の活動や講習会に参加する 1 1 1 1 2 1 0 3 0 0 0 0 0 1 0 0 0
⑲ 家族や子どもとだんらん
⑪ 映画,観劇,音楽会など
⑲ パチンコ
7 10 9 8 7 10 10 2 2 1 1 1 1 5 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
⑱ 買物, 訪問 1 1 1 1 2 2 1 0
2.休日について
「休日の有無」 :都市部においては90%以上,都市近郊では80%以上そして農漁村地域 では70%以上が休日ありとしている.ここで農漁村の休日なしは約30%であるが,これは 農業等の専業が減少し,兼業が増加したために休日に農業等を行なっているものと思われ
る.
「休日の活動」 :第1位はテレビであり男%,女38%で平日のテレビより低くなって
in;刀 菅原正志・田原靖昭
いる.地域別には都市近郊,農漁村地域が高い.第2位は男で農漁村の昼寝,都市部の庭い じり,女は都市部の家庭や子供とのだんらんんや買物,訪問が多かった.またスポーツは都 市部の10%と平日に比べて高くなっている.
3.今後やってみたい余暇活動について
余暇活動をやってみたいと答えた人は約50%でこれは性差,地域差はなかった.
次にやってみたい活動は平日で庭いじり,手芸などの趣味活動や読書等の教養を高める傾 向にある.また休日では野球,テニス,バレー等のスポーツ活動やつり,家庭や子供とのだ んらんがそれぞれ多い.これらは全地域に共通することである.
さらにまた連休には,全地域が一致して旅行と回答した割合が高い.
休日の余暇時間には何かをやってみたいとする者が多いが,実際に実行する者は少な い.
Ⅳ.まとめ
長崎県下21市町村の県民の健康・スポーツに関する調査を成人2752名について実施し, 21市 町村を人口数,産業構造の面から6類型,すなわち都市,地方都市,都市周辺,農漁村,その 他の地域そしてニュータウンに類型し,健康の様相を地域別に比較した.その結果は次のよう
にまとめられる.
A.各対象地域の「職業」はそれぞれの地域の特色を表わしていた.また職業からの「収入」
は都市が最も高く,次いで都市近郊,農漁村の順である. 「帰宅の時間帯」は都市部ほど遅く なっており「就寝時間」も従って都市部はど遅い.しかし「起床時間」は地域別には差がなか った.
B.これまでかかった主な病気のうちに「高血圧」 「神経痛」は農漁村に高く, 「胃・十二指 腸潰療」 「糖尿病」 「関節痛」 「腰痛」は都市部およびその近郊に高い.また上記男女の地域
的差異は明瞭でない.
最近の健康状態では「食欲」 「すいみん」は農漁村に問題があり, 「息切れ」 「胃の調子」
「便通」は都市部およびその近郊に問題があった.また「かぜをひきやすい」 「腰痛,肩痛お よび関節痛」は都市部および農漁村に問題があり, 「いらいら」や「勤労意欲」は男で都市 部,女で農漁村で問題があった.
タバコ,アルコールについては, 「タバコ」は都市部での喫煙率が低く,農漁村での喫煙率 が高かった. 「アルコール」はこれと逆であり,都市部に高率であった.
C. 「歩行時間」は都市部はど長く,都市近郊や農漁村ではマイカ‑による通勤や買物が多い 為に歩行時間が短い. 「日頃の健康法」を実施しているのは,男で都市部が高く,女では都市 近郊が高かった. 「運動に対する満足度」は都市部で不満であるのに対し,都市近郊そして農 漁村地域では満足の者の率がそれぞれ高かった. 「運動が出来ない原因」は,時間がないが最
も多く,男が都市近郊,女は農漁村地域の訴えが多かった.
D. 「平日の余暇時間(自由時間) 」については,男では農漁村が4時間と最も長く,女では
こユ‑タウン(都市周辺)が同じく4時間と最も長い. 「余暇時間の活動」は約半数がテレビ
を見ておりこれは都市近郊又は農漁村に高い.都市部に高かったのは男で新聞,雑誌,女では
家庭での子供とのだんらん,趣味活動がそれぞれ高かった.余暇時間にスポーツと回答したの
は都市部で3‑6%と低かった. 「休日の活動」に関しても平日の余暇時間とほとんど変化な
かったが,テレビが約40%と平日の約50%に比べると低くなっていた.またスポーツが10%と 平日に比べわずかに高かった. 「今後やってみたい余暇活動」は半数が何かやりたいと思って おり,その活動は趣味活動が最も多く,次いでスポーツ活動であり,これは全地域共通してい た.
已.文部省の地域住民スポーツ振興指定市町村設置事業又は総理府の体力つくり運動推進地方 事業の指定を受けた指定地域とそれ以外の非指定地域との比較では,腰痛,高血圧,肩こり等 は非指定の方が訴え率が高かった.また日頃の健康法に関しては,指定地域に実施率が高かっ たが,その他の項目については明瞭な差は認められなかった.
参考・引用文献
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