幾何学序論2
第
1章 ユークリッド距離空間,
1.2
写像の連続性
市原一裕
2017
年
10月
02日(月)2限
ε-
近傍
復習:
微分積分学で関数
f :R→Rの連続性の定義を学んだ。
関数が連続
f
が点
a∈Rで連続であるとは,
ε-δ論法で
∀ε >0 ∃δ >0 ∀x∈R (|x−a|< δ−→ |f(x)−f(a)|< ε)
が成り立つこと。
では,写像
f :X→Yでは?
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連続写像の定義
定義
3.2.1X
と
Yをそれぞれ
Rmと
Rnの部分距離空間とする。
f :X→Y
が点
p∈Xで連続
(continuous at p)であるとは,
∀ε >0 ∃δ >0 ∀x∈X (dm(x, p)< δ−→dn(f(x), f(p))< ε) (1)
が成り立つことをいう。
ここで,
dmと
dnはそれぞれ
Rmと
Rn上のユークリッドの距離関数。
X
上のすべての点で連続であるとき,
fは
Xで連続であるという。
注意
トポロジーでの連続写像を考えたいので,この定義を距離関数を使わな
いで書き換えたい.
近傍(きんぼう)
ユークリッド距離空間
Rmの部分距離空間
Xが与えられたとき,
Xの点
pの「近傍」を次のように定義する。
定義
3.1.16p∈X
と
δ >0に対して,
Nδ(p;X) :={x|x∈X d(x, p)< δ}
を
Xにおける点
pを中心とする半径
δの近傍
(neighborhood)という。
定義からわかるように
Nδ(p;X) =Nδ(p;Rm)∩X
となっていることに注意。
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近傍と連続写像
近傍を用いて,連続を表現すると次のようになる。
定理
3.2.2f :X→Y
が点
pで連続であるための必要十分条件は次が成立すること。
∀ε >0 ∃δ >0 f(Nδ(p;X))⊂Nε(f(p);Y) (2)
不連続な写像
写像の連続性を理解する為には,連続ではない事をとらえることも重要。
部分ユークリッド距離空間
X,
Yに対して,
写像
f :X→Yが点
a∈Xで不連続であることを距離を用いて表すと,
∼(∀ε >0 ∃δ >0 ∀x∈X (dX(x, a)< δ−→dY(f(x), f(a))< ε))
≡ ∃ε >0 ∀δ >0 ∼(∀x∈X (dX(x, a)< δ−→dY(f(x), f(a))< ε))
≡ ∃ε >0 ∀δ >0 ∃x∈X dX(x, a)< δ
かつ
dY(f(x), f(a))≥εが成立するということになる。
近傍を用いて表すと,
∼(∀ε >0 ∃δ >0 f(Nδ(a;X))⊂Nε(f(a);Y))
≡ ∃ε >0 ∀δ >0 f(Nδ(a;X))̸⊂Nε(f(a);Y)
≡ ∃ε >0 ∀δ >0 ∼(∀y (y∈f(Nδ(a;X))−→y∈Nε(f(a);Y)))
≡ ∃ε >0 ∀δ >0 ∃y (y∈f(Nδ(a;X))
かつ
y̸∈Nε(f(a);Y))が成立するとなる。
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連続写像に関する様々な定理
ここで連続写像の定性的な性質をいくつか見ておこう。
以下,
X,
Y,
Z,
Wなどは全てユークリッド部分距離空間とする。
補題
1.2.1写像
f :X→Yが連続であることと,
f :X →f(X)が連続であること は同値である。
定理
1.2.2【合成写像の連続性】
2つの連続写像
f :X →Yと
g:Z→Wが
f(X)⊂Zをみたすとき,
f
と
gの合成写像
g◦f :X →Wは連続である。
系
1.2.3A⊂X
とする。
f :X →Yが連続ならば,
fの
Aへの制限写像
f|A:A→Yも連続である。
連続写像に関する様々な定理
定理
1.2.42つの連続写像
f, g:X →Rを考える。このとき,
(1)
写像
f +g:X→R,
(f +g)(x) =f(x) +g(x)は連続である。
(2)
写像
f g:X→R,
(f g)(x) =f(x)g(x)は連続である。
(3)
写像
fg :X− {x|g(x) = 0} →R
,
fg(x) = f(x)
g(x)
は連続である。
系
1.2.5X ⊂Rm
上の多項式関数
(polynomial function)p:X→R, (x1, . . . , xm)7→ ∑
有限和
ai1,...,imxi11· · ·ximm
は連続である。
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連続写像と直積集合
定理
1.2.6写像
f :X→Y,
g:X→Zに対して,
h:X→Y ×Z, x7→(f(x), g(x))
が連続であるための必要十分条件は
fと
gが共に連続であること。
系
1.2.7写像
f :X→Z,
g:Y →Wが連続であるための必要十分条件は写像
h:X×Y →Z×W, (x, y)7→(f(x), g(y))が連続であること。
練習問題
(1)練習問題
1.2.1f :R→R
,
f(x) = 2x+ 1が連続関数であることを
ε−δ論法で示しな さい.
練習問題
1.2.1f :R2→R
,
f(x, y) =x+yが点
(x, y) = (1,1)で連続であることを示し なさい.
練習問題
1.2.3合同変換
f :Rm →R⋗は連続写像であることを示しなさい.
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練習問題
(2)練習問題
1.2.4R
における点
pの半径
δの近傍を書きなさい.
練習問題
1.2.5X =R× {0}
を
R2の部分距離空間と見るとき,
X内の点
pの
Xにお ける近傍
Nδ(p;X)を集合として表なさい.
練習問題
1.2.6f :R→R
,
f(x) = 2x+ 1が連続であることを近傍を使って示しなさい.
練習問題
(3)練習問題
1.2.7写像
f :R→Rを次のように定義します。
f(x) = {
1 (x∈Q) 0 (x∈R−Q).
このとき,
fはすべての点で不連続であることを示しなさい。
練習問題
1.2.8系
1.2.7を使って,写像
f :R3→R2,
f(x, y, z) = (x+y, y−z)が連続 写像であることを示しなさい。
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