宮城教育大学機関リポジトリ
成人脳性麻癖者を対象とした研究においてどのよう な機能が取り上げられてきたか― 参加 という視 点に着目して―
著者 安倍 優子, 平野 幹雄
雑誌名 宮城教育大学特別支援教育総合研究センター研究紀
要
号 7
ページ 55‑67
発行年 2012‑06
URL http://id.nii.ac.jp/1138/00000702/
Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja
< 研 究 報 告 >
成 人 脳 性 麻 癖 者 を 対 象 と し た 研 究 に お い て ど の よ う な 機 能 が 取 り 上 げ ら れ て き た か
一 参 加 " と い う 視 点 に 着 目 し て ‑
安 倍 優 子 ( 東 北 文 化 学 園 大 学 ) 平野幹雄(東北文化学園大学・
宮城教育大学特別支援教育総合研究センター)
要 約
本 稿 は 、 脳 性 麻 庫 者 の 成 人 期 に 関 す る 先 行 研 究 に お い て ど の よ う な 機 能 が 取 り 上 げ ら れ て き た か を 概 観 し た 上 で 、 得 ら れ た 知 見 に つ い て 整 理 し たO 調 査 項 目 を 整 理 し た 結 果 、 身 体 機 能 は 、 移 動 、
ADL
、 摂 食 や 喉 下 障 害 を 含 む 内 臓 ・ 呼 吸 障 害 、 側 室 事 ・ 股 関 節 脱 臼 に 関 す る 項 目 が 取 り 上 げ ら れ て い たO そ の 他 、 知 的 機 能 、 精 神 機 能 、 社 会 機 能 に つ い て も 取 り 上 げ ら れ 、 社 会 機 能 に つ い て は 、 就 労 や 進 路 を 含 む 仕 事 に 関 す る 項 目 、 居 住 状 況 に 関 す る 項 目 等 や 、 そ の 他 旅 行 な ど も 取 り 上 げ ら れ て い た 。 具 体 的 に は 、 移 動 機 能 を 軸 と し て 他 の 項 目 と の 関 連 の 有 無 を 検 討 し て い る 研 究 が 多 く 、 成 人 期 に 至 り 移 動 能 力 を 喪 失 し て い る 例 が 多 か っ た 。 知 的 機 能 と 社 会 機 能 と の 関 連 も 取 り 上 げ ら れ て い たD こ う し た 結 果 を 受 け て 、 成 人 期 に お け る 社 会 参 加 に 関 し て 、 国 際 生 活 機 能 分 類(IC F )
の 参 加 " の 視 点 に 基 づ い て 、 ニ ー ズ や サ ポ ー ト 体 制 な ど を 明 ら か に し て い くことが重要であると考えた。
は じ め に
脳 性 麻 庫 児 ・ 者 を 対 象 と し た 研 究 は
1970年 代 頃 よ り な さ れ る よ う に な っ た 。 脳 性
麻 庫 児 を 対 象 と し た 研 究 が ほ と ん ど で あ り 、 主 に 早 期 発 見 お よ び 早 期 療 育 の 観 点 か ら 研 究 が 行 わ れ て き たO 一 方 で 、 近 年 で は 成 人 期 の 脳 性 麻 庫 者 を 対 象 と し た 研 究 も 散 見 さ れ る よ う に な っ たO そ の 背 景 に は 、 医 学 的 な 管 理 の 進 歩 な ど に よ っ て 脳 性 麻 庫 者 の 平 均 寿 命 が 伸 張 し た こ と が 関 連 し て い る も の と 推 察 さ れ る 。 た だ し 、 研 究 の 数 そ の も の は 脳 性 麻 庫 児 の 研 究 と 比 較 す る と 極 め て 少 な いO 手 塚 ・ 佐 藤 ・ 高 橋(1988)
も、「脳性 麻 庫 を 対 象 と し た 研 究 は 、 乳 幼 児 期 の 療 育 に 偏 り 成 人 期 に 注 意 が は ら わ れ る よ う に なり つ つ も 不 十 分 で あ る
J
と指摘している。成 人 期 の 脳 性 麻 症 者 を 対 象 と し た 研 究 の 多 く は 、 身 体 機 能 の 二 次 障 害 と 年 齢 と の 関 係 の 有 無 に 関 す る も の で あ っ た
o Turk(2009)
も 、 脳 性 麻 症 者 の 老 化 と 二 次 障 害 に 関 すJ戸 ︑
戸 ︑ J
る 研 究 の 多 く が 、 過 去
10
年 か ら15
年 の 間 に 報 告 さ れ た も の で あ る と 述 べ て い るO 一 方 、 文 献 を 通 読 し て み た と こ ろ 、 身 体 機 能 に お い て ど の よ う な 機 能 ( あ る い は 側 面 、 以 下 機 能 と い う 用 語 で 統 ー す る ) が 取 り 上 げ ら れ て き た か 、 身 体 機 能 以 外 に ど の よ う な 機 能 が 新 た に 取 り 上 げ ら れ て き た か は 研 究 毎 に 異 な っ て い たO 成 人 脳 性 麻 庫 者 の 日 常 生 活 が ど の よ う に 自 立 し う る か の 問 題 に つ い て の 報 告 は 極 め て 少 な い こ と ( 鈴 木 ・ 柴 田 ・ 藤田・梶浦・大下,2003)
、 一 方 で は 、 成 人 期 に お け る 保 健 医 療 支 援 お よ び 生 活 支 援 の 体 制 づ く り の 必 要 性 が 多 く 指 摘 さ れ て い る こ と ( 梶 浦 ,1988;
佐藤,2001;
広 瀬 ・ 八 田・藤原・宮前・藤田,2003)
を 併 せ て 鑑 み る と 、 ま ず は 身 体 機 能 に お い て ど の よ う な 機 能 が 取 り 上 げ ら れ て き た か に つ い て 概 観 し つ つ 、 そ う し た 成 人 期 特 有 の 問 題 に 対 応 す る た め に ど の よ う な 機 能 を 新 た に 取 り 上 げ る べ き か 議 論 す る 必 要 が あ る も の と 考 えられた口本 稿 に お い て は 、 脳 性 麻 庫 者 の 成 人 期 に 関 す る 先 行 研 究 に お い て ど の よ う な 機 能 が 取 り 上 げ ら れ て き た か を 概 観 し た 上 で 、 得 ら れ た 知 見 に つ い て 整 理 す る こ と を 目 的 と
した。
I I .
先 行 研 究 の 概 要今 回 筆 者 ら が 取 り 上 げ た 脳 性 麻 庫 者 の 成 人 期 を 対 象 と し た 先 行 研 究 は 、
PubMed
と 医 学 中 央 雑 誌 を 用 い て 「 脳 性 麻 癒 」 と 「 成 人 」 の 用 語 を 掛 け 合 わ せ て 検 索 し た 結 果 、 導 き 出 さ れ た 論 文 の 中 か ら 抽 出 し た も の で あ るO そ れ ら の 概 要 を 研 究 年 、 対 象 人 数 、 対 象 者 の 年 齢 、 疾 患 分 類 、 デ ー タ 収 集 の 方 法 、 対 象 者 の 分 類 方 法 で 整 理 し たO 以 下 で は 各 々 の 詳 細 に つ い て 順 に 概 説 す る ( 表1に 詳 細 を ま と め た の で 参 照 さ れ た し ¥)
0研 究 年 は 、 全 て が
1990
年 代 以 降 に な さ れ た も の で あ っ た 。対 象 者 の 人 数 に つ い て は 大 き く 四 つ に 分 け ら れ た 。
10人 未 満 の も の が 3件、 10人
から50
人 未 満 の も の が4
件、50
人 か ら100人 未 満 の も の が 6
件、100
人 以 上 の も の が8
件 で あ っ たO そ の 他 と し て 、 施 設 数 を 比 較 す る も の が1
件 あ っ たO対 象 者 の 年 齢 は 、 年 齢 群 に 焦 点 を あ て る と 大 き く 三 つ に 分 け ら れ たO す な わ ち 、 教 育 課 程 を 修 了 し た 成 人 初 期 か ら
40歳 ま で の も の が 7
件 、 成 人 期 お よ び そ れ 以 前 の 小 児 期 を 含 む も の が4
件 、 成 人 期 か ら そ れ 以 降 高 齢 期 に 至 る ま で の も の が3
件であった。成 人 期 か ら そ れ 以 降 の も の の 中 に は 高 齢 期 の み に 目 を 向 け た も の が
1
件 存 在 し たO そ の 他 記 載 の な い も の も8
件 あ っ た 。 ま た 、 平 均 年 齢 に つ い て 記 載 さ れ て い る も の を 整 理 す る と 以 下 の よ う に な っ たO す な わ ち 、 平 均 年 齢10
歳 代 が4
件、同じく20
歳 代 が3
件 、 同 じ く30歳 代 が 3
件 で あ っ た ( 記 載 の な い も の が12
件存在した)。脳 性 麻 庫 の 疾 患 分 類 に 焦 点 を あ て た と こ ろ 、 次 の よ う に 分 け ら れ た 口 痘 直 型 な ど の 病 型 に よ る 分 類 の も の が
3
件 と 、 麻 庫 領 域 に よ る 分 類 の も の が1 1件であった(記載の
な い も の が8
件存在した)。f o
F
︑
dデ ー タ 収 集 の 方 法 に つ い て は 以 下 の 四 つ に 分 け ら れ た 。 カ ル テ な ど の 診 療 時 の 情 報 に 基 づ く も の 10 件 、 ア ン ケ ー ト 調 査 に よ る も の 6 件 、 国 や 州 な ど の 単 位 で 圏 域 全 体 の 情 報 、 も し く は 脳 性 麻 庫 独 自 の デ ー タ ベ ー ス か ら 情 報 を 集 め て い る も の 5 件 、 カ ル テ か ら の 情 報 を 補 完 す る た め の も の も 含 め 電 話 や 直 接 の イ ン タ ビ ュ ー が 行 わ れ た も の 4件 で あ っ た
D表1.成人脳性麻揮者に関する研究の対象者の属性と概要
項目
内 訳件数
論文数 22
研究年 1990 年代 4
2000 年代 15
2010 年代 3
対象人数 0‑9 3
10‑49 4
50‑99 6
100‑ 8
施設数
対象者年齢 成人初期 ‑40
歳7
小児期 成人期 4
成人期 高齢期 3
記載なし 8
平均年齢比較 10 代 4
20 代 3
30 代 3
記載なし 12
疾 患
病型による分類 3
麻癖領域分類 1 1
記載なし 8
方 法 カルテなど診療時情報 10
アンケート調査 6
圏、州などの圏域情報、脳性麻痩独自
のデータベース 5
カルテ情報補完(電話やインタビュー)を
含 む
4
分類 年齢 5
重 症 度
3
二分脊椎などの他の股体不自由児・者
や健常児・者との比較 2
知 的 機 能
研 究 の 中 で 使 わ れ て い た 対 象 者 の 分 類 方 法 と し て は 、 次 の よ う な も の が 存 在 し た 。 つ ま り 、 年 齢 に よ る 分 類 5件 、 身 体 機 能 等 の 重 症 度 に よ る 分 類 3件 で あ っ た
D脳 性 麻 痘 以 外 の も の と 比 較 す る も の や 、 知 的 水 準 に よ る 分 類 を 用 い た も の も 存 在 し た 。 脳 性
‑ 57 ‑
麻 庫 以 外 の も の と し て 挙 げ ら れ て い た の は 、 二 分 脊 椎 な ど の 他 の 肢 体 不 自 由 や 、 健 常 児 ・ 者 と の 比 較 で あ っ たO
i l l .
成 人 期 を 対 象 と し た 調 査 の 具 体 的 な 項 目 に つ い て今 回 取 り 上 げ た 研 究 に お い て 、 カ ノ レ テ や ア ン ケ ー ト な ど か ら 収 集 さ れ て い た 項 目 と し て は 次 の よ う な も の が 存 在 し たO 整 理 す る に あ た っ て は 、 身 体 機 能 、 知 的 機 能 、 精 神 機 能 、 社 会 機 能 ( 社 会 参 加 を 含 むO 以 下 社 会 機 能 と い う 用 語 で 統 ー す る ) の 順 に 分
類した(詳細は表 2を参照されたし¥)。以下、順に記述するO
1.身体機能の項目
身 体 機 能 に 関 す る 各 項 目 に お い て 研 究 で 取 り 上 げ ら れ て い た の は 、 脳 性 麻 症 の 特 徴 で あ る 運 動 障 害 に 関 す る こ と で あ っ たO 具 体 的 に は 、 移 動 に 関 す る 項 目
14
件、ADL
に 関 す る 項 目6
件 、 摂 食 や 膜 下 障 害 を 含 む 内 臓 ・ 呼 吸 障 害 に 関 す る 項 目5
件、側室事・股 関 節 脱 臼 に 関 す る 項 目
4
件 で あ っ たO そ の 他 、 原 始 反 射 の 残 存 、 頚 椎 ・ 頚 髄 症 、 筋 緊 張 、 痛 み な ど の 項 目 が 取 り 上 げ ら れ て い るD2 .
知 的 機 能 の 項 目知 的 機 能 に 関 す る 項 目 は 、
11
件 の 研 究 に お い て 取 り 上 げ ら れ て い たD 具体的には、IQ
に 関 す る 項 目 と 算 数 や 国 語 の 学 力 に 関 す る 項 目 だ っ た 。3 .
精 神 機 能 の 項 目精 神 機 能 と し て 取 り 上 げ ら れ た 項 目 は 次 の よ う な も の が 存 在 し たO 抑 う つ に 関 す る 項目
3
件 、 仕 事 の 満 足 度 に 関 す る 項 目2
件 で あ っ たO そ の 他 、 主 観 的 健 康 感 、 身 の 回 り の 相 談 に 乗 っ て く れ る 人 の 有 無 な ど の 項 目 が 取 り 上 げ ら れ て い たO 項 目 、 評 価 法 は 各 々 異 な っ て お り 一 貫 し て い な か っ たO4 .
社 会 機 能 の 項 目社 会 機 能 と し て 取 り 上 げ ら れ た 項 目 は 次 の よ う な も の が 存 在 し たO 就 労 や 進 路 を 含 む 仕 事 に 関 す る 項 目
13件 、 居 住 状 況 に 関 す る 項 目 8件 、 屋 外 な ど で の 移 動 手 段 に 関 す
る項目8
件 、 教 育 状 況 に 関 す る 項 目7
件 、 結 婚 や 同 棲 に 関 す る 項 目5
件 で あ っ たO そ の 他 と し て 、 子 ど も の 有 無 、 居 住 地 域 、 就 労 時 間 や リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン に 関 す る も の 、 旅 行 な ど が 取 り 上 げ ら れ て い るO0 0
戸 ︑
u
vl
¥0表
2‑ 1
成人脳性麻揮者に関する研究の方法と調査項目と結果の概要身体機能 精神機能
日
股 内 日ま
聞 頚 臓 的
研究者 対象者人数 年齢
倶IJ霊行髄 移 A 機 精神面
育 脱 症 呼 動 D その他 青島 臼 吸 L
身長、体重、視力、握力 仕事の満足度、Y ‑ G性格検査、
御手洗
1 1 ( 1 ' 9 9 ; ) 4 0 / / / / / / O
共同作業所 」り、しびれ、冷え、痛み、
全国連絡会 共同作業所全国連 動作能力
安藤ら
3 5 0
絡 会 平 均3 0
歳2 1
e1' g ' ! i 1 )
社団法人全 社団法人全国コロ010
国コロニー協 二 一 協 会 平 均
3 4
歳 会3 3 6
/
上肢機能、昌語機能、現在 仕事満足度、主観的健康状態、身のの運動機能 回りの相談に乗ってくれる人の有 Q'Gradyら
1 1 7 010 O
無、なぜ障害者は雇用されない傾向3 1 ( ‑ 1 9 ‑ 9 5 )
にあるかについての考え、独居と雇用を達成するにあたり重要だった人 飛松
9 9 1 8
歳から3 3
歳平均O O
4 1 ( ; ‑ 9 9 9 ) 1 9 . 8
歳Woodら
2
歳以下から1 2
歳以O
GMFCSを分類5 1 ( 2 0 0 C
I)8 5
よまで
原始反射の残存、肘立て 完成時期、首すわり完成時 期、坐位完成時期、四つ這 横聞ら
2 5 9
平均2 4
歳8
カ月010 010
い完成時期、肘遣い完成6 l i 2 O ' O o )
時期、寝返り完成時期、独O
歩開始時期、発語時期
7
I~~t:o~ ら7 2 3 1 9 3
歳歳から6 5
歳 平 均010 O O O
歩行喪失についての満足/不満足( 2 0 0 1 )
van der コミユーケーション機能
8
IDussenら8 0 2 1
歳から3 1
歳010 O ( 2 0 0
1)原始反射の残存、肘立て 完成時期、首すわり完成時 中島
2 0
歳から4 1
歳平均 期、坐位完成時期、四つ這3 0 8 010 010
い完成時期、肘這い完成O 9 1 ( 2 0 O 3 ) 2 7
歳2
カ月 時期、寝返り完成時期、独歩開始時期、発語時期
佐久間 筋緊張冗進、原始反射の
1 0 ( 2 0 0 3 ) 2 3 0
~-010 010 O
残存*移動手段実用的に屋外などで使用しているもの
CP:
脳性麻痩SB:
二分脊椎ABI:
後天性脳損傷 0:項目として取り上げられていたもの社会的機能
移 結
動
f
士教f
主由皆 手 その他事 育 居 同 その他
E
受 棲職種、就職先規模別分類、 年齢、等級、進路
賃金、職業適性検査、職業 その他の肢体不自由との比較
O
レディネステスト、FQ検査、社会生活能力
作業種目・作業時間・疲労、施設形態
O
旅行、
1
週間における労働時 年齢、性別、生活状況、疾患分類 問、就業訓練を受けたか、あ010 O O
るいは受ける予定があるか の有無010 010
性、病型、障害等級、算数・国語学力経済的自立、通園経験、入 性別、初診月齢、未熟性体重、仮死、黄 園経験、 痘、新生児けいれん、日甫乳力、けいれん 発作、脳奇形、脳損傷、診断(痘性・ア
010
テ・失調)、麻痩領域、癒摘、 P丁目数、健康状態(周・新・幼)、最高移動能力到達 年齢、手術回数、重症心身障害
O 010 010
リハピ、リァーシヨン、」ども 生車椅年子月日、診断、外科手術、てんかん、のタイプ
」ども
010 010 O
経済的自立、通園経験、入 性別、初診月齢、未熟性体重、仮死、黄 園経験、 痘、新生児けいれん、日甫乳力、けいれん 発作、脳奇形、脳損傷、診断(痘性・ア
O O
テ・失調)、麻簿領域、癒病、 PT回数、健康状態(周・新・幼)、最高移動能力到達 年齢、手術回数、重症心身障害
O
治療・麻療の程度、下剤服用者数表2 ‑ 2 . 成人脳性麻揮者に関する研究の方法と調査項目と結果の概要(つづき)
a c
身体機能 精神機能 社会的機能
股 内 長日
聞 至買 臓
A
的 移 事吉研究者 対象者人数 年齢 動 主脅
倶
f
節 官通 移 機 精神面 イ士 教 住 その他寄 目覚 症 呼 動 D その他 能 手
事 育 居 同 その他
臼 汲 L F支 棲
1 1
宮本ら45 1 2
歳から27歳平均O
社会生活力 評価法の信頼性R妥当性( 2 0 0 5 ) 1 6
歳12 M i c h e l s e n
らCP
:41 6 29
歳から35歳平均O O O O O
」ども てんかん( 2 0 0 6 )
対称群224732歳2カ月CP:199
主観的健康感 居住地域 成人ヘルスケアへの移行、受けているへYoung
らSB:53 1 9
.4歳(他の疾患もO O O
同居者 ルスケアのタイプ1 3
( 2 0 0 6 ) A B I : 3 8 含む)
合計290立位、体重増加と持続の困 社会的情動的困難、不安、抑うつの 社会的喪失 摂食、生理的問題と治療、腿リリース
K r a k o v s k y
ら1 1
歳から29
歳 平 均010
難、流j延 診断、攻撃的行動、自傷行為 術、関節拘縮、ボトックス注射14 ( 2 0 0 7 ) 30 1 6 . 8
歳S t r a u s sら 4
歳から14
歳まで 原因、医学的状態1 5 ( 2 0 0 7 ) 58698 28513
人010 O 1 5
歳以上30185人1 6 v a n d e r S l o t CP:16
平均28歳 麻輝則、身長、体重、
BMI
、O O O O O
こども 年齢、性別、、身体関認知的機能レベル、ら
( 2 0 0 7 )
対称群1 6
皮下脂肪厚、筋緊張 生活時間調査1 7
鈴木ら62 1 9
歳から28歳O O O O O
( 2 0 0
7)身体的・精神的ニーズ リハビリァーション ①子どもの頃受けていた訓練とその内
1 8
j度遺ら3(
母2 ) 32
・2 1・ 37
歳(母) 容、②訓練終了の時期、③現在必要と( 2 0 0 9 )
感じている訓練や相談とその内容④その他
本間ら 筋緊張冗進、痛み フェイススケー
j
レとビジュアルアナ口1 9
( 2 0 0 9 ) 1153
歳 グスケールによる気分と痛みの主観的評価
20
馬場ら~ ~
小児リJ
、を行う施設の増加( 2 0 1 0 ) 2 1
j度遺ら53 20
代から30代が多010 OT
との信頼関係O O
リハピ、リァーション( 2 0 1
1) い30
歳以上28人 相談したいこと抑うつ性自己評価 地域生活移行 生活パターン・活動強度
平語ら
9高齢期65
歳から74 異性への関心、自己有能感の低下OT
介 入22 ( 2 0 11
) 歳O O
*移動手段.実用的に屋外などで使用しているもの
CP:
脳性麻痔SB:
二分脊椎ABI後天性脳損傷 0:
項目として取り上げられていたもの5 .
そ の 他 の 項 目 に つ い て上 記 に 分 類 し え な か っ た 項 目 と し て 、 性 別
5
件 、 年 齢3
件 、 て ん か ん の 有 無4
件 や 手 術 の 有 無 に 関 す る も の4
件 、 障 害 者 手 帳 の 等 級2
件 、 生 活 時 間1
件 な ど が 取 り 上 げられているO
N.
先 行 研 究 に お い て 得 ら れ た 知 見各 研 究 を テ ー マ で 分 類 す る と 大 き く 四 つ に 分 け ら れ た 。 す な わ ち 、 脳 性 麻 庫 に 特 徴 的 な 身 体 ・ 知 的 機 能 の 変 化 と 年 齢 と の 関 連 の 有 無 に 関 す る も の
(Wood
,& Rosenbaum
,2000; Bottos
,Feliciangeli
,Sciuto
,Gericke
,& Vianello
,2001;
中島,2003;
佐久間,2003; Young
,McCormick
,Mills
,Barden
,Boybell
,Law
,Wedge
,Fehlings
,Mukherjee
,Rumney
, &Williams
,2006; Krakovsky
,Huth
,Li
, &Levin
,2007)
、 脳 性 麻 庫 に 特 徴 的 な 身 体 ・ 知 的 機 能 の 変 化 と 職 業 ( 一 部 進 学 も 含 む ) の 関 連 の 有 無 に 関 す る もの(御手洗,1991;
安藤・上田,1991;
飛松,1999;
横関・中島・中村,2000;
鈴木・伊藤・藤井・宮嶋,
2007)
、 医 療 に 対 す る ニ ー ズ と 介 入 に よ る 変 化 の 関 連 の 有 無 に 関 す るもの(以下ニーズ・介入変化)(渡遺・山田・寺山,2009;
本間・吉田・谷口,2009;
馬 場 ・ 浦 川 ・ 坂 本 ・ 宮 本 ・ 田 中 ・ 脇 屋 ・ 小 無 田 ・ 兼 俵 ・ 矢 野 ・ 福 崎 ・ 永 木 ・ 小 柳 ,2010;
渡遷・山田,
2011;
平語・今寺,2011)
、 移 動 を 含 む 運 動 の 状 態 と 活 動 の 状 態 の 関 連 の 有 無 に 関 す る も の(vander Dussen
, Nieuwstraten,& Stam
,2001; van der Slot
,Roebroeck
,Landkroon
,Terburg
,van den Berg‑emons
,& Stam
,2007)
で あ っ たO そ の 他 と し て 、 脳 性 麻 症 の 特 性 を 概 観 し た も の(0'Grady,Crain
, &Kohn
,1995
)、社会 性 活 力 評 価 マ ニ ュ ア ル の 信 頼 性 と 妥 当 性 を 明 ら か に し た も の ( 宮 本 ・ 北 畑 ・ 福 田 ・ 岡 ・ 長,2005)
、 社 会 的 統 合 ( 同 棲 、 雇 用 、 子 ど も の 有 無 の 状 態 ) を 同 年 代 の 健 常 者 と 比 較 し て い る も の(Michelsen
,Uldall
,Hansen
, &Madsen
,2006)
が 挙 げ ら れ るO さ ら に 、 身 体 機 能 の 中 に は 、 移 動 の 獲 得 や 喪 失 、 現 在 の 機 能 と い っ た 移 動 能 力 を 中 心 に 検 討 し た もの(飛松,1999; Woodら
,2000; van der Dussenら
,2001;
鈴木ら,2007;
渡漫ら,2011)
と 、 側 湾 、 股 関 節 脱 臼 、 摂 食 峡 下 困 難 と い っ た 二 次 障 害 ( 移 動 も 含 む ) の 関 連 か ら 検討したもの(安藤ら,1991; Bottos
ら,2001;
佐久間,2003; Michelsen
ら,2006;
Krakovskyら
,2007; Staussら
,2007;
平語ら,2011)
が 多 か っ た 。 本 邦 だ け で み る と ニーズ・介入変化の研究(渡遅ら,2009;
本間ら,2009;
馬場ら,2010;
渡遅ら,2011;
平語ら,
2011)
は、2000
年 以 降 に な さ れ た も の で あ っ た 。さ て 、 以 上 の 研 究 に お い て 、 特 に 身 体 機 能 、 移 動 を 中 心 と し た 二 次 障 害 に よ る 機 能 の 喪 失 と 社 会 参 加 の 状 況 に 関 し て 次 の よ う な 知 見 が 得 ら れ て い る 。
Krakovskyら(2007)
は、1 1歳 か ら 29
歳 ま で の 脳 性 麻 庫 児 者25
名(うち83%
が 痘 直 型 の 脳 性 麻 庫 で あ っ た ) を 対 象 に 、 年 齢 と 身 体 機 能 と の 関 連 に つ い て ア ン ケ ー ト を は じ め と す る 複 数 の 方 法 を 用 い て 調 査 を お こ な っ たO そ の 結 果 、 成 人 期 に お い て 腹 ば い 、‑ 6 1 ‑
立 位 、 歩 行 、 そ し て 経 口 摂 取 の 四 つ の 重 要 な 機 能 の 喪 失 が あ る こ と を 明 ら か に し たO
鈴 木 ら
(2007)
は、19
歳 か ら28歳 ま で の 痘 直 型 両 麻 庫 者 62
名 を 対 象 に 調 査 を お こ な ったo 6歳 時 の 移 動 能 力 と 18
歳 時 の 移 動 能 力 を 比 較 し たO そ の 結 果 、 移 動 能 力 は9
歳 か ら1 1
歳 頃 が 最 高 状 態 を 示 す こ と と 、 そ の 後 低 下 す る 傾 向 が あ っ た こ と を 明 ら かに し たO 併 せ て 知 的 障 害 の 重 篤 さ と 学 齢 後 の 進 路 に は 負 の 相 関 が あ る こ と も 明 ら か に したO
Bottos
ら(2001)は、19
歳 か ら65
歳 ま で の 痘 直 型 脳 性 麻 症 者 及 び ア テ ト ー ゼ 型 脳 性 麻 庫 者72
名(平均年齢33
歳 ) を 対 象 と し 、 身 体 機 能 や 社 会 参 加 に つ い て の 調 査 を 行 っ たo
そ の 結 果 、 運 動 能 力 は 成 人 期 に 向 け 悪 化 す る こ と を 明 ら か に し たO ま た 、 独 歩 ま た は 他 の 支 持 的 移 動 能 力 に つ い て 、 多 く が 成 人 時 に 至 る ま で に 歩 行 能 力 を 失 う か 、 も し く は そ の 範 囲 が 狭 ま っ て い る こ と を 明 ら か に し た 。 摂 食 機 能 に つ い て も 、72
人中23
人 が 摂 食 困 難 を 示 し 、 長 も 一 般 的 だ っ た の は 、 礁 下 障 害 と 胃 食 道 逆 流 で あ っ た と し ているO さ ら に 社 会 参 加 に 関 し て 、 教 育 の レ ベ ル は 、 年 齢 グ ル ー プ 、 診 断 、 運 動 機 能 障 害 、 知 的 機 能 と 統 計 学 的 関 連 が あ り 、 知 的 機 能 は 仕 事 の 達 成 と も 統 計 学 的 に 関 連 し て い た と こ と を 明 ら か に し て い るDMichelsen
ら(2006)は 、 脳 性 麻 庫 者416人 と 同 年 代 の 健 常 者 2247人 を 比 較 し 、 一
般 雇 用 、 同 棲 、 子 ど も の 有 無 の 割 合 を 比 較 し たD そ の 結 果 、 一 般 雇 用 さ れ て い る 、 同 棲 を 経 験 し た こ と が あ る 、 子 ど も が い る と い う 三 つ の 条 件 を 全 て 満 た し て い な い 人 の 割 合 は 、 同 年 代 の 健 常 者 群 が4%
で あ っ た の と 比 較 し て 、 脳 性 麻 症 者 が55%
に 達 し て い た こ と を 明 ら か に し た 。 ま た 、 身 体 的 ま た は 知 的 障 害 の 重 症 度 が 低 い こ と は 独 居 を し て い る こ と を 予 測 し 、 身 体 的 そ し て 知 的 障 害 の 重 症 度 が 低 い こ と は 同 棲 の 経 験 が あ る こ と を 予 測 す る こ と を 明 ら か に し て い るOv .
考 察本 稿 に お い て は 、 脳 性 麻 庫 者 の 成 人 期 に 関 す る 先 行 研 究 に お い て ど の よ う な 機 能 が 取 り 上 げ ら れ て き た か を 概 観 し た 上 で 、 得 ら れ た 知 見 に つ い て 整 理 す る こ と を 目 的 と
したO
調 査 項 目 を 整 理 し た 結 果 、 身 体 機 能 に 関 し て は 次 の よ う な 項 目 が 取 り 上 げ ら れ て い たO つ ま り 、 移 動 に 関 す る 項 目 、
ADL
に 関 す る 項 目 、 摂 食 や 嚇 下 障 害 を 含 む 内 臓 ・ 呼 吸障害に関する項目、倶rJ奇・股関節脱臼に関する項目であったO そ の 他 、 原 始 反 射 の 残 存 、 頚 椎 ・ 頚 髄 症 、 筋 緊 張 、 痛 み な ど の 項 目 も 含 ま れ て い たO ま た 、 精 神 機 能 つ い て は 、 抑 う つ に 関 す る 項 目 、 仕 事 の 満 足 度 に 関 す る 項 目 、 主 観 的 健 康 感 、 身 の 回 り の 相 談 に 乗 っ て く れ る 人 の 有 無 な ど の 項 目 が 取 り 上 げ ら れ て い たO社会機能については、就 労 や 進 路 を 含 む 仕 事 に 関 す る 項 目 、 居 住 状 況 に 関 す る 項 目 、 屋 外 な ど で の 移 動 手 段 に 関 す る 項 目 、 教 育 状 況 に 関 す る 項 目 、 結 婚 や 同 棲 に 関 す る 項 目 、 子 ど も の 有 無 、 居
ウ ‑
f o
住 地 域 、 就 労 時 間 や リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン に 関 す る も の 、 旅 行 な ど が 取 り 上 げ ら れ て い たO
ま た 、 先 行 研 究 を 整 理 し た 結 果 、 次 の よ う な 知 見 が 得 ら れ たO 第 一 は 、 脳 性 麻 庫 に 特 徴 的 な 運 動 障 害 と 知 的 機 能 に 関 す る も の を 中 心 に 、 特 に 移 動 の 項 目 を 用 い た も の が 多 か っ た こ と で あ るD 具 体 的 に は 、 移 動 機 能 を 軸 と し て 他 の 項 目 と の 関 連 の 有 無 を 検 討 し て い る 研 究 が 多 い こ と 、 結 果 と し て 、 成 人 期 に 至 り 一 度 獲 得 し た 移 動 能 力 を 喪 失 し て い る 例 が 多 い こ と で あ る 。 第 二 は 、 身 体 機 能 に つ い て 側 湾 、 股 関 節 脱 臼 、 変 形 、 頚 椎 症 、 摂 食 ・ 嚇 下 機 能 の 低 下 、 筋 緊 張 の 充 進 な ど 脳 性 麻 庫 に 特 徴 的 な 変 化 が み ら れ た こ と で あ るO 第 三 は 、 知 的 機 能 と 社 会 参 加 と の 関 連 が 取 り 上 げ ら れ て お り 、 教 育 、 仕 事 、 居 住 状 況 な ど と 知 的 水 準 と の 関 連 が 示 さ れ た こ と で あ るO そ し て 、 身 体 的 ま た
は 知 的 障 害 の 重 症 度 が 低 い こ と は 独 居 し て い る こ と を 予 測 す る こ と 、 脳 性 麻 庫 の 特 徴 で あ る 運 動 障 害 と 知 的 機 能 の 影 響 が 成 人 期 に お い て も 重 大 で あ る こ と も 示 さ れ て い たO
さ て 、 こ こ ま で 取 り 上 げ て き た 先 行 研 究 の 最 も 評 価 さ れ る 点 は 、 成 人 期 の 脳 性 麻 療 者 が 対 象 と し て 取 り 上 げ ら れ て き た こ と そ の も の に あ るO 成 人 期 の 脳 性 麻 症 者 を 対 象 に し た 研 究 に 焦 点 が 向 け ら れ 始 め た か ら こ そ 、 彼 ら の 身 体 機 能 の 二 次 障 害 と 年 齢 の 関 係 や 、 移 動 能 力 の 長 期 的 な 変 化 を は じ め と し た 上 述 の 知 見 が 得 ら れ る に 至 っ た か ら で あるO ま た 、 身 体 機 能 に つ い て だ け で な く 、 徐 々 に で は あ る が 、 成 人 期 に お け る 社 会 機 能 に つ い て も 焦 点 が 当 て ら れ 始 め た と い う こ と も 大 き な 評 価 点 で あ る と 言 え よ う O
一 方 で 、 少 な く と も 次 に 述 べ る 二 つ の 問 題 点 が あ る も の と 考 え ら れ るO 第 一 は 、 前 述 し た よ う に 、 成 人 期 の 脳 性 麻 療 者 を 対 象 と し た 研 究 の 数 は 、 脳 性 麻 、 庫 児 を 対 象 と し た 研 究 と 比 較 す る と 未 だ に 極 め て 少 な い う え に 、 そ の ほ と ん ど が 身 体 機 能 の 移 動 能 力 の 年 齢 に よ る 推 移 と 二 次 障 害 の 出 現 と 種 類 に と ど ま っ て い る こ と で あ る 。 第 二 は 、 成 人 脳 性 麻 癌 者 の 知 的 機 能 や 、 社 会 機 能 に 関 し て は 、 知 見 が 集 積 し 始 め ら れ た 段 階 で あ り 、 そ の 項 目 は 、 移 動 手 段 、 教 育 、 仕 事 、 居 住 、 結 婚 の 有 無 の よ う に 限 ら れ た 項 目 の み が 取 り 上 げ ら れ て い る 状 況 に あ る こ と で あ る 。 さ ら に 、 社 会 機 能 に 触 れ た 研 究 は 、 社 会 機 能 そ の も の が 主 た る 項 目 と し て 取 り 上 げ ら れ て い た わ け で は な か っ た こ と も 問 題 で あ るO 例 え ば 、 就 労 は 移 動 能 力 と の 関 連 が 強 い と い う よ う に 身 体 機 能 中 心 の 結 論 が 導 か れ て い た こ と で あ るO 移 動 の 問 題 は 脳 性 麻 庫 に 特 徴 的 な 障 害 で あ る こ と は 明 ら か で あ る が 、 就 労 を 決 め る う え で 、 移 動 能 力 の み が 取 り 上 げ ら れ て お り 、 知 的 機 能 や 上 肢 機 能 も 含 め 多 面 的 に 捉 え ら れ て い な い の は 問 題 で あ るD
こ の よ う な 身 体 機 能 に よ り 社 会 機 能 の 障 害 を 分 類 す る と い う 考 え 方 は 、 世 界 保 健 機 関 ( 以 下
WHO)
が 以 前 提 唱 し て い た 国 際 障 害 分 類 ( 以 下ICIDH)
の 考 え 方 に 即 す と 次 の よ う に 捉 え ら れ よ うo ICIDH
は 、 障 害 を 機 能 ・ 形 態 障 害 、 能 力 障 害 、 社 会 的 不 利 の 三 つ の レ ベ ル に 分 け て 捉 え たO そ れ は 「 障 害 の 階 層 性 」 を 示 し た 点 で 画 期 的 な も の で あ っ たO し か し な が ら 、 障 害 を マ イ ナ ス と 捉 え て い る こ と 、 ま た 、 障 害 者 を と り ま‑6 3 ‑
く 環 境 の 整 備 度 合 い に よ っ て 活 動 や 参 加 の レ ベ ル は 大 き く 異 な る こ と が 考 慮 さ れ て い ないという批判があった。
WHOは改訂を重ね、 2001
年 に 国 際 生 活 機 能 分 類 ( 以 下ICF)
を採択した。ICFは
医 学 モ デ ル と 社 会 モ デ ル の 融 合 を 図 り 、 障 害 者 だ け で は な く 、 全 て の 人 を 対 象 に し て い る 。 構 成 要 素 は2部 門 か ら な り 、 第 1部 は 生 活 機 能 と 障 害 と し て 、
心 身 機 能 と 身 体 構 造 "(Body Function and Body Structures)
、 活動"( A c t i v i t i e s )
と 参 加 "(Participa t i o n )
のレベルに分けている(以下、これらICF
の 分 類 を 示 す 用 語 を 用 い る 際 には強調して示す)。加えて第2部 は 背 景 因 子 と し て 、 環 境 因 子 と 個 人 因 子 を あ げ て お
り、これら2部 門 の 相 互 関 係 で そ の 人 を 捉 え て い る
oICF
モ デ ル の 最 も 大 き な 特 徴 は 、 単 に 心 身 機 能 の 障 害 に よ る 生 活 機 能 の 障 害 を 分 類 す る と い う 考 え 方 で は な く 、 活 動 や 社 会 参 加 、 と く に 環 境 因 子 に 焦 点 を 当 て よ う と し て い る 点 で あ るO こ の よ う なICFの
レ ベ ル を 念 頭 に 、 上 述 の 身 体 能 力 、 移 動 能 力 と い っ た 項 目 を 分 類 す る と 、 活 動 " の 範 轄 に と ど ま り 、 参 加 " の 側 面 を 明 ら か に し た 知 見 は 旅 行 の 項 目 の み で あ っ たO参 加 " を 問 う 上 で 重 要 な こ と は 、 身 体 機 能 以 外 の 要 因 、 例 え ば 個 人 の ニ ー ズ 、 保 護 者 の 意 向 、 支 援 者 の 物 理 的 な 時 間 、 支 援 お よ び 就 労 等 の 場 所 ま で の 距 離 、 サ ポ ー ト 体 制 、 医 療 ・ 福 祉 で 支 援 を 行 う た め の 法 律 上 の 制 限 な ど 、 社 会 環 境 要 因 が 大 き い と 考 えるO 鈴 木
(2003)
も 、 就 労 に つ い て は 「 脳 性 麻 痩 固 有 の 問 題 よ り も そ の 時 代 の 社 会 環 境 要 因 が 優 位 で あ り 、 特 に そ の 経 済 と 労 働 環 境 、 福 祉 施 策 に 左 右 さ れ る 部 分 が 多 いj
と述べているO さ ら に 脳 性 麻 庫 児 ・ 者 の 多 く が 併 せ 持 つ 知 的 障 害 に つ い て 、 米 国 精 神 遅 滞 協 会
(AAMR)
の 理 論 モ デ ル に お い て も 、 「 精 神 遅 滞 を も っ 各 人 の 機 能 的 制 約 の 性 質 ・ 範 囲 ・ 軽 重 は 環 境 に よ っ て 、 ま た サ ポ ー ト の 有 無 に よ っ て 異 な る 」 と さ れ 、 当 事 者 に 必 要 と さ れ る サ ポ ー ト の あ り 方 が 重 視 さ れ て い るO こ の よ う な 社 会 参 加 の 範 囲 や ニ ー ズ 、 必 要 と さ れ る 能 力 、 必 要 な サ ポ ー ト の 有 無 は 、 年 齢 を 重 ね る に つ れ 、 社 会 と の 接 触 の 広 が り な ど と と も に 刻 々 と 変 化 し 、 複 雑 化 ・ 個 別 化 し て い く と 考 え ら れ る 。 すなわち、ICF
モ デ ル で の 参 加 " を 満 た す た め に は 、 障 害 を 持 ち な が ら も 、 そ の 人 が 居 住 地 域 に お い て そ の 人 ら し く 生 活 す る た め に 、 例 え ば 銀 行 に 行 く 、 お 金 を 管 理 す る、アノレバイトをするなどや、余暇活動としてカラオケに行く、友達と買い物に行く、習 い 事 を す る な ど 多 岐 に わ た る 個 別 性 を 明 ら か に す る 必 要 が あ るO そ の よ う な 当 事 者 の 立 場 か ら 検 証 さ れ る 参 加 " の 状 況 や ニ ー ズ ・ サ ポ ー ト 体 制 な ど を 明 ら か に し て い
く こ と が 重 要 で あ る と 考 え る 。
た だ し 、 脳 性 麻 庫 者 を 対 象 に こ う し た 側 面 を 明 ら か に し て い く た め に は 以 下 の 可 能 性 に 配 慮 す る 必 要 が あ る と 考 え る 。 つ ま り 、 脳 性 麻 庫 者 に は 知 的 障 害 を 伴 う 者 が 一 定 程 度 存 在 す る た め 、 知 的 障 害 の 有 無 あ る い は 軽 重 に よ っ て ニ ー ズ が 異 な っ て く る 可 能 性 で あ るO 実 際 、 脳 性 麻 庫 者 を 対 象 と し た 研 究 に お い て も 知 的 機 能 と 社 会 参 加 の 関 連 が 指 摘 さ れ て い る
(Bottosら
,2001; Michelsenら
,2006;
鈴木ら,2007)
。 ま た 、 研 究‑ 64 ‑
方 法 論 上 の 問 題 、 つ ま り 知 的 障 害 が 重 度 で あ る に つ れ 本 人 か ら の 聞 き 取 り が 難 し く 、 第 三 者 か ら の 聞 き 取 り に な ら ざ る を 得 ず 、 本 来 の ニ ー ズ と は 必 ず し も 一 致 し な い 可 能 性 が あ る こ と も 併 せ て 克 服 し な け れ ば な ら な い だ ろ う O そ の 課 題 の 克 服 の た め に は 、 対 象 を 自 己 回 答 が 出 来 る 者 に 限 定 し 、 本 人 と の 対 話 形 式 で そ の ニ ー ズ を 把 握 す る こ と が 一 つ の 解 決 方 法 で あ る と 考 え ら れ るD
謝 辞
本 論 文 を 執 筆 す る に あ た り 、 東 北 文 化 学 園 大 学 大 学 院 健 康 社 会 シ ス テ ム 研 究 科 の 佐 藤 直 由 教 授 に 多 大 な る ご 指 導 を い た だ い た こ と に 感 謝 申 し 上 げ ま す 。
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