利用者個人の行動や時間帯での比較分析,また利用者の
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(2) 用者のトリップの特性について分析がなされているもの. 分かる.一方で,19 日~21 日の利用者数も比較的多く,. の,その多くは,単一の交通機関利用によるトリップパ. 高頻度で利用している利用者層が存在していることが. ターンを解析するのに留まっているのが現状である.. 分かる.. ここで,本研究で得られたICカードデータは,複数の 表-1. 本研究で使用する DESUCA データの概要. ーンの変動をより詳細に把握することが可能である.そ こで本研究は,公共交通機関の料金払いで利用されてい るICカードから得られる利用者の公共交通利用履歴を用. 項目. 内容. データ期間. 平成22年6月1日(木)~平成22年6月30日(水) 年月日、カードNO、券種、 利用交通機関、乗車時間、降車時間、 乗車停留所、降車停留所、利用区分、移動距離 土佐電鉄・路面電車、土佐電鉄・バス、 土電ドリーム、高知県交通、県交北部交通. データ内容. いて,1日の間に行われる各利用者の複数トリップの特. 交通機関. 性を分析する.具体的には,高知市を中心とした公共交 通機関である路面電車とバスにて利用が可能なICカード DESUCAデータを用いて,時間的・空間的な特定トリッ. 7,000. プパターン依存度を定義し,日々の利用時間と経路のパ. 6,000. 100 90 80. 利用者数(人). ターンが存在しているのかどうか,もしくは異なってい るのかを分析するものである.. 2.本研究の分析対象. 5,000. 70 60. 4,000. 50 3,000. 40 30. 2,000. 累積利用者数比(%). 公共交通機関を対象として利用者の日々のトリップパタ. 20. (1) ICカード DESUCA. 1,000. 「ですか」は,平成21年1月25日に利用が開始された. 10 0. 0 1. 路面電車及びバスで利用可能なICカードで,土佐電氣鐵 道(株),土佐電ドリームサービス(株),高知県交通. 3. 5. 7. 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 N=31,788 利用日数(日). 図-2.DESUCAカード利用者の利用日数分布. (株),(株)県交北部交通と高知県交通のバス車両が 運行する高知高陵交通の須崎~杉の川・檮原間で利用す. 3.時間的空間的特定トリップパターン依存度の 分析. ることができる(図-1参照).カードは主に無記名式,紛 失時対応の記名式と定期券で構成されている.さらに, 年齢によってもカードが分類され,小学生までの小児用. (1) 分析方法. と,65歳以上のナイスエイジ,それに,大人(記名,無 記名),身障者を加えた合計5種類で構成されている.. a). トリップパターン 本研究では,ある個人がある日に利用した時刻(時間. 帯),停留所の組み合わせを一つのトリップパターンと し,利用者属性でその特性がどの程度異なるのかについ て考察を行う.なお,ここでの利用者属性とは, DESUCA カードで識別される種類(成人無記名・成人記 名・小児・シニア・身障者)を指している. b). 図-1.ICカードを利用可能な停留所の分布. 時間的特定トリップパターン依存度 各利用者が 1 ヶ月間で毎日同じ時間帯に公共交通を利. 用しているか否かについて,本研究では,ある 1 日にお. (2) 本研究で用いるデータ. いて出現した DESUCA データ利用履歴の中の時刻(1 時. 本研究で用いる IC カード DESUCA データは 2010 年 6. 月 1 日より 29 日間(6 月 4 日欠損)取得されたものである. 間単位) の組合せを 1 つの利用時間帯のトリップパター ンとして定義する.例えば,図-3 に示すように,ある人 データ取得 29 日間の内で,平日は 21 日間,休日(土・ 日)は 8 日間であった.分析に用いるデータの概要は表-1. が 1 ヶ月間に 3 トリップした場合に,トリップ 1 とトリ. の通りである.なお,29 日間の IC カードを利用した利. ップ 3 は同じ時間に公共交通を利用している.一方で,. 用者は 31,788 人であり,その利用状況は図-2 の通りであ. トリップ 2 では午後も公共交通を利用しており,利用時. る.図-2 より,29 日間で 1 日や数日利用しただけの利用. 間帯パターンとしてこの利用者は,1 ヶ月間で 2 つの利. 者は,IC カード利用者の 6 割以上を占めていることが. 用時間帯のトリップパターンがあり,その内の 1 つのパ 2.
(3) ターンは 2 トリップ発生している.ここで本研究では,. ぞれの傾向を見る.具体的には,空間的トリップパター. 最もトリップ数が多いトリップパターンが,発生した全. ン依存度と時間的トリップパターン依存度の25,50,75. トリップ数に対する構成比を時間的特定トリップパター. パーセンタイル値を算出し,それぞれの関係を見るもの. ン依存度として定義する.よって,図-3 の例であれば,. である.図より,「大人記名」・「大人無記名」の利用. この利用者の時間的特定トリップパターン依存度は約. 者は,他の利用者に比べて,日々の経路について,特定. 0.66 となる.. の経路を利用していることが分かる.しかしながら,空 間的特定トリップパターン依存度は最大で50%程度であ り,残りの半数は異なる経路で公共交通を利用している ことが分かる.「身障者」については,空間・時間帯共 にほぼ同等のパーセンタイル値であり,特に公共交通の 利用に傾向がないことが分かる.「小児」については,. 図-3. c). 図-7でも右上に多くプロットされていたこともあり,時. 時間的トリップパターンの集計例. 間・空間共に,他よりも高い値を取る傾向にあり,特に, 75パーセンタイル値周辺で,特に時間(約65%)も経路(約. 空間的特定トリップパターン依存度 本研究で分析する空間的特定トリップパターン依存度. 80%)も依存度が高いことが分かる.これは,小児が,. は,前述の時間的特定トリップパターン依存度と同じく, 小学校の通学のみに公共交通を利用しており,比較的決 ある利用者がデータ取得期間中に,最も多く利用したあ. まった経路を決まった時間帯にトリップしていることが. る 1 日のバス/電停の組合せを空間的特定トリップパタ. 考えられる.一方で,「65歳以上(ナイスエイジ)」につ. ーン依存度として定義する.具体的には,ある利用者が. いては,「身障者」の傾向と同様に特に決まった傾向は. 20 日の公共交通利用トリップがあり,15 日分は同じ停. 見られず,日々,異なる時間帯・経路に公共交通を利用. 留所の組合せが同順序で出現した場合に,この利用者の. していることが分かった.. 空間的特定トリップパターン依存度は 0.75 となる. 1 0.9. (2) 分析結果 前節で定義した時間的・空間的特定トリップパターン 依存度について,それぞれの関係をカード種別別に見る. ここで図-4~8では,カード種別により傾向が異なる のかどうかについて考察を行う.図-4~6より,「大人. 空間的トリップパターン依存度. 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2. 記名」,「大人無記名」,「身障者」については,図中. 0.1. 右上(時間帯・経路共に特定のトリップパターンに大き. N = 9494 0 0. く依存している傾向)よりも,左下(時間帯・経路共に. 0.1. 0.2. 0.3. 0.4. 0.5. 0.6. 0.7. 0.8. 0.9. 1. 時間的トリップパターン依存度. 特定のトリップパターンに大きく依存していない傾向). 図-4. 時間的空間的特定トリップパターン依存度の関係. に点が多くプロットされていることが分かる.これによ. (大人記名). り,多くの利用者は特定の時間帯・経路にパターンを持 1. たず,日々,様々な時間帯・経路に公共交通を利用して. 0.9. いることが分かる.また,左上(利用している時間帯は. 0.8. 空間的トリップパターン依存度. 固定されないが,経路が特定される傾向)にも時間のそ れよりも多くプロットされていることが分かる.「小 児」 については,図中の中心にプロットされる傾向に あり,前述の「大人記名」ならびに「大人無記名」より は,特定の時間帯・経路を利用していることが分かった (図-7参照).図-8には,「65歳以上(ナイスエイジ)」の傾. 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1. N = 7575. 向を示しており,図より,他の利用者よりも特に左下に. 0 0. 多くの利用者が該当しており,多くの高齢者は特定の時 刻・経路を利用していないことが分かる.. 図-5. 図-9には,各利用者の時間的・空間的特定トリップパ. 0.1. 0.2. 0.3. 0.4 0.5 0.6 時間的トリップパターン依存度. 3. 0.8. 0.9. 時間的空間的特定トリップパターン依存度の関係 (大人無記名). ターン依存度について,パーセンタイル値を用いてそれ. 0.7. 1.
(4) 1 0.9. 4.おわりに. 0.8. 空間的トリップパターン依存度. 0.7 0.6. 本研究では,ICカード「DESUCA」を用いて,公共交. 0.5. 通利用者の利用経路ならびに時間帯のトリップパターン. 0.4. について, 空間的,時間的特定トリップパターン依存度. 0.3. を定義し,各利用者ごとに依存度の分析をした.その結. 0.2. 果,利用経路・時間帯について,1ヶ月間で同じように. 0.1. 利用する利用者は少なく,多くの利用者は,日々,異な. N = 1334 0 0. 0.1. 0.2. 0.3. 0.4. 0.5. 0.6. 0.7. 0.8. 0.9. る時間帯に,異なる経路を利用していることが分かった.. 1. 時間的トリップパターン依存度. 図-6. 一方で,カード種別により特定のトリップパターンの傾. 時間的空間的特定トリップパターン依存度の関係 (身障者). 向があることも明らかとなった.. 空間的トリップパターン依存度. 1 0.9. 今後の課題としては,各利用者が持つ全トリップパタ. 0.8. ーンの類似度を評価する必要がある.本稿での分析は,. 0.7. 最も利用頻度が高いトリップパターンのみを対象として. 0.6. おり,実際にはそれ以外のトリップパターンでも最頻の. 0.5. パターンに似通ったパターンが存在することが想像でき. 0.4. る.よって,それらを考慮したトリップパターンの評価. 0.3. 方法の構築が必要になってくるものと考えられる.. 0.2 0.1. N = 1092. 謝辞. 0 0. 0.1. 図-7. 0.2. 0.3. 0.4 0.5 0.6 時間的トリップパターン依存度. 0.7. 0.8. 0.9. 1. 本研究を遂行するにあたって,株式会社ですか の内山 様におかれましては,大変貴重なデータをご提供いただ きました.ここに感謝の意を表します.. 時間的空間的特定トリップパターン依存度の関係 (小児). 空間的トリップパターン依存度. 1 0.9. 参考文献. 0.8. 1) 高 知 市 地 域 公 共 交 通 活 性 化 協 議 ホ ー ム ペ ー ジ : http://www.city.kochi.kochi.jp/soshiki/23/kasseik a.html (2010 年 11 月アクセス) 2) 絹田裕一,矢部努,中嶋康博,牧村和彦,齋藤健,田 中倫英:IC カードデータから所要時間及び移動履歴への データ変換方法に関する検討,土木計画学研究・講演集, Vol.38,CD-ROM,2008. 3) 北野誠一,中島良樹,井料隆雅,朝倉康夫:交通系 IC カードデータを用いた長時間の鉄道利用履歴の分析,土 木計画学研究・講演集,Vol.37,CD-ROM,2008. 4) 日下部貴彦,中島良樹,朝倉康夫:可視化技術を用い た交通系 IC カードデータの分析,土木計画学研究・論文 集,Vol.39,CD-ROM,2009. 5) 日下部貴彦,朝倉康夫:交通系 IC カードデータによる 鉄道利用者行動のバスケット分析,土木計画学研究・講 演集,Vol.41,CD-ROM,2010. 6) Bagchi, M. And White, P.R. : The potential of public transport smart card data, Transport Policy, Vol.12, 464-474, 2005. 7) Morency, C., Trepanier, M. And Agard, B. : Measuring transit use variability with smart-card data, Transport Policy, Vol. 14, 193-203, 2007. 8) Uniman, D.L.: Service Reliability Measurement Framework using Smart Card Data: Application to the London Underground, Master Thesis, Massachusetts Institute of Technology, 2009.. 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1. N = 5835 0 0. 0.1. 0.2. 0.3. 0.4. 0.5. 0.6. 0.7. 0.8. 0.9. 1. 時間的トリップパターン依存度. 図-8. 時間的空間的特定トリップパターン依存度の関係 (ナイスエイジ(65歳以上)). 1. 空間的トリップパターン依存度(パーセンタイル値). 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3. 大人記入 [N=9494] 大人未記入 [N=7575]. 0.2. 身障者 [N=1334] 小児 [N=1092]. 0.1. 65歳以上 [N=5835] 0 0. 0.1. 0.2. 0.3. 0.4. 0.5. 0.6. 0.7. 0.8. 0.9. 1. 時間的トリップパターン依存度(パーセンタイル値). 図-9. 時間的空間的特定トリップパターン依存度の関係(パー センタイル値). 4.
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