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利用者個人の行動や時間帯での比較分析,また利用者の

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Academic year: 2022

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(1)公共交通利用者の時間的・空間的な トリップパターンに関する基礎的研究 西内 1正会員. 日本大学助教. 裕晶1・James KING2・轟. 朝幸3. 理工学部社会交通工学科(〒274-8501 千葉県船橋市習志野台7-24-1-744) E-mail:[email protected]. 2. 3正会員. Postgraduate Student, Institute for Transport Studies, University of Leeds E-mail: [email protected] 日本大学教授 理工学部社会交通工学科(〒274-8501 千葉県船橋市習志野台7-24-1-744) E-mail:[email protected]. 本研究は, 高知市を中心に運行されている路面電車ならびにバスで利用されるICカード DESUCAから得られる公共交通利用履歴を用いて,公共交通利用者のトリップパターンを解析する. 特に,利用者の公共交通利用状況の時間的・空間的特定トリップパターン依存度を定義し,どの程度の利 用者が普段から同じ時刻(経路)に(を)利用しているのかを把握するものである.登録されているカー ドの種別ごとに,各利用者のトリップパターン依存度を分析した結果,多くの利用者は,日々異なる時間 帯(経路)を利用している傾向があるものの,カード種別ごとに利用状況に異なる利用状況の傾向も見ら れた.. Key Words :Trip Pattern, Smart Card Data, Public Transportation. 1. はじめに. 乗降駅における利用頻度把握の実証,および郵便番号情 報を用いた居住地の空間分析を行っている.その中で,. 近年,わが国の地方都市における公共交通路線の再編. 利用者個人の行動や時間帯での比較分析,また利用者の. はその都市の活性化のためにも急務であり,既に路線再. 空間分析が可能であることを示した.日下部ら4)は,鉄. 編に向けた様々な検討がなされている.例えば,市全域. 道ICカードデータから鉄道駅ごとの乗降数を色の濃さで. における路面電車や路線バスなどの公共交通機関を活性. 表現することで,改札通過数を2次元で表す可視化手法. 化し,持続的な公共交通体系を構築するために高知市公. の分析事例を示している.また,日下部ら5)は,利用者. 共交通総合連携計画の策定を進めている.その中で,公. が利用する駅の組み合わせをICカードデータのマーケッ. 共交通機関相互の乗り継ぎや公共交通機関への乗り換え. トバスケット分析を用いて解明している.そこでは,利. の利便性が確保できるように,交通結節点の設定を将来. 用者の行動パターンを定義したうえで,パターンとのず. 的な公共交通体系の指針として計画を進めている1).し. れに着目したところ,利用頻度が高いほど規範パターン. かしながら,公共交通の利用実態がデータから示された. に近い行動が発生することを示した.また,海外におけ. 上での検討はまだまだ少ないのが現状である.そんな中. るICカードデータを用いた研究動向として,Bagchiら6)は,. で,近年,多くの都市で公共交通の料金支払いに使用可. 英国におけるICカードデータについてトリップ特性につ. 能なICカードが多くの利用者に利用されており,その利. いて解析し,それを他の既存のデータのそれと比較を行. 用履歴データを用いた交通現象や交通行動の解析が進め. っている.Morencyら7)は,カナダにおいて得られるICカ. 2). られている.絹田ら は,バスICカードデータを利用実. ードデータを用いて,時間的・空間的に公共交通機関利. 態の把握や公共交通施策立案のデータベースとして活用. 用状況をクラスター分析を適用することにより解析して. するうえでのデータ作成・加工方法について検討してい. いる.Uniman8)は,ロンドンのICカードOysterのデータを. る.その中で,実際のデータを用いて算定された旅行速. 用いて,公共交通サービスの信頼性評価手法の枠組みを. 度が妥当であることを示した.また,バス専用レーンに. 提案し,既存のサービスレベルを向上した場合と所要時. よるバスの走行性向上の効果をデータから示した.北野. 間信頼性に関する情報提供を行った場合の利用者への影. 3). ら は,鉄道ICカードデータを用いた乗降駅間の流れや. 響分析を行っている.ここで,これらの研究では,各利 1.

(2) 用者のトリップの特性について分析がなされているもの. 分かる.一方で,19 日~21 日の利用者数も比較的多く,. の,その多くは,単一の交通機関利用によるトリップパ. 高頻度で利用している利用者層が存在していることが. ターンを解析するのに留まっているのが現状である.. 分かる.. ここで,本研究で得られたICカードデータは,複数の 表-1. 本研究で使用する DESUCA データの概要. ーンの変動をより詳細に把握することが可能である.そ こで本研究は,公共交通機関の料金払いで利用されてい るICカードから得られる利用者の公共交通利用履歴を用. 項目. 内容. データ期間. 平成22年6月1日(木)~平成22年6月30日(水) 年月日、カードNO、券種、 利用交通機関、乗車時間、降車時間、 乗車停留所、降車停留所、利用区分、移動距離 土佐電鉄・路面電車、土佐電鉄・バス、 土電ドリーム、高知県交通、県交北部交通. データ内容. いて,1日の間に行われる各利用者の複数トリップの特. 交通機関. 性を分析する.具体的には,高知市を中心とした公共交 通機関である路面電車とバスにて利用が可能なICカード DESUCAデータを用いて,時間的・空間的な特定トリッ. 7,000. プパターン依存度を定義し,日々の利用時間と経路のパ. 6,000. 100 90 80. 利用者数(人). ターンが存在しているのかどうか,もしくは異なってい るのかを分析するものである.. 2.本研究の分析対象. 5,000. 70 60. 4,000. 50 3,000. 40 30. 2,000. 累積利用者数比(%). 公共交通機関を対象として利用者の日々のトリップパタ. 20. (1) ICカード DESUCA. 1,000. 「ですか」は,平成21年1月25日に利用が開始された. 10 0. 0 1. 路面電車及びバスで利用可能なICカードで,土佐電氣鐵 道(株),土佐電ドリームサービス(株),高知県交通. 3. 5. 7. 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 N=31,788 利用日数(日). 図-2.DESUCAカード利用者の利用日数分布. (株),(株)県交北部交通と高知県交通のバス車両が 運行する高知高陵交通の須崎~杉の川・檮原間で利用す. 3.時間的空間的特定トリップパターン依存度の 分析. ることができる(図-1参照).カードは主に無記名式,紛 失時対応の記名式と定期券で構成されている.さらに, 年齢によってもカードが分類され,小学生までの小児用. (1) 分析方法. と,65歳以上のナイスエイジ,それに,大人(記名,無 記名),身障者を加えた合計5種類で構成されている.. a). トリップパターン 本研究では,ある個人がある日に利用した時刻(時間. 帯),停留所の組み合わせを一つのトリップパターンと し,利用者属性でその特性がどの程度異なるのかについ て考察を行う.なお,ここでの利用者属性とは, DESUCA カードで識別される種類(成人無記名・成人記 名・小児・シニア・身障者)を指している. b). 図-1.ICカードを利用可能な停留所の分布. 時間的特定トリップパターン依存度 各利用者が 1 ヶ月間で毎日同じ時間帯に公共交通を利. 用しているか否かについて,本研究では,ある 1 日にお. (2) 本研究で用いるデータ. いて出現した DESUCA データ利用履歴の中の時刻(1 時. 本研究で用いる IC カード DESUCA データは 2010 年 6. 月 1 日より 29 日間(6 月 4 日欠損)取得されたものである. 間単位) の組合せを 1 つの利用時間帯のトリップパター ンとして定義する.例えば,図-3 に示すように,ある人 データ取得 29 日間の内で,平日は 21 日間,休日(土・ 日)は 8 日間であった.分析に用いるデータの概要は表-1. が 1 ヶ月間に 3 トリップした場合に,トリップ 1 とトリ. の通りである.なお,29 日間の IC カードを利用した利. ップ 3 は同じ時間に公共交通を利用している.一方で,. 用者は 31,788 人であり,その利用状況は図-2 の通りであ. トリップ 2 では午後も公共交通を利用しており,利用時. る.図-2 より,29 日間で 1 日や数日利用しただけの利用. 間帯パターンとしてこの利用者は,1 ヶ月間で 2 つの利. 者は,IC カード利用者の 6 割以上を占めていることが. 用時間帯のトリップパターンがあり,その内の 1 つのパ 2.

(3) ターンは 2 トリップ発生している.ここで本研究では,. ぞれの傾向を見る.具体的には,空間的トリップパター. 最もトリップ数が多いトリップパターンが,発生した全. ン依存度と時間的トリップパターン依存度の25,50,75. トリップ数に対する構成比を時間的特定トリップパター. パーセンタイル値を算出し,それぞれの関係を見るもの. ン依存度として定義する.よって,図-3 の例であれば,. である.図より,「大人記名」・「大人無記名」の利用. この利用者の時間的特定トリップパターン依存度は約. 者は,他の利用者に比べて,日々の経路について,特定. 0.66 となる.. の経路を利用していることが分かる.しかしながら,空 間的特定トリップパターン依存度は最大で50%程度であ り,残りの半数は異なる経路で公共交通を利用している ことが分かる.「身障者」については,空間・時間帯共 にほぼ同等のパーセンタイル値であり,特に公共交通の 利用に傾向がないことが分かる.「小児」については,. 図-3. c). 図-7でも右上に多くプロットされていたこともあり,時. 時間的トリップパターンの集計例. 間・空間共に,他よりも高い値を取る傾向にあり,特に, 75パーセンタイル値周辺で,特に時間(約65%)も経路(約. 空間的特定トリップパターン依存度 本研究で分析する空間的特定トリップパターン依存度. 80%)も依存度が高いことが分かる.これは,小児が,. は,前述の時間的特定トリップパターン依存度と同じく, 小学校の通学のみに公共交通を利用しており,比較的決 ある利用者がデータ取得期間中に,最も多く利用したあ. まった経路を決まった時間帯にトリップしていることが. る 1 日のバス/電停の組合せを空間的特定トリップパタ. 考えられる.一方で,「65歳以上(ナイスエイジ)」につ. ーン依存度として定義する.具体的には,ある利用者が. いては,「身障者」の傾向と同様に特に決まった傾向は. 20 日の公共交通利用トリップがあり,15 日分は同じ停. 見られず,日々,異なる時間帯・経路に公共交通を利用. 留所の組合せが同順序で出現した場合に,この利用者の. していることが分かった.. 空間的特定トリップパターン依存度は 0.75 となる. 1 0.9. (2) 分析結果 前節で定義した時間的・空間的特定トリップパターン 依存度について,それぞれの関係をカード種別別に見る. ここで図-4~8では,カード種別により傾向が異なる のかどうかについて考察を行う.図-4~6より,「大人. 空間的トリップパターン依存度. 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2. 記名」,「大人無記名」,「身障者」については,図中. 0.1. 右上(時間帯・経路共に特定のトリップパターンに大き. N = 9494 0 0. く依存している傾向)よりも,左下(時間帯・経路共に. 0.1. 0.2. 0.3. 0.4. 0.5. 0.6. 0.7. 0.8. 0.9. 1. 時間的トリップパターン依存度. 特定のトリップパターンに大きく依存していない傾向). 図-4. 時間的空間的特定トリップパターン依存度の関係. に点が多くプロットされていることが分かる.これによ. (大人記名). り,多くの利用者は特定の時間帯・経路にパターンを持 1. たず,日々,様々な時間帯・経路に公共交通を利用して. 0.9. いることが分かる.また,左上(利用している時間帯は. 0.8. 空間的トリップパターン依存度. 固定されないが,経路が特定される傾向)にも時間のそ れよりも多くプロットされていることが分かる.「小 児」 については,図中の中心にプロットされる傾向に あり,前述の「大人記名」ならびに「大人無記名」より は,特定の時間帯・経路を利用していることが分かった (図-7参照).図-8には,「65歳以上(ナイスエイジ)」の傾. 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1. N = 7575. 向を示しており,図より,他の利用者よりも特に左下に. 0 0. 多くの利用者が該当しており,多くの高齢者は特定の時 刻・経路を利用していないことが分かる.. 図-5. 図-9には,各利用者の時間的・空間的特定トリップパ. 0.1. 0.2. 0.3. 0.4 0.5 0.6 時間的トリップパターン依存度. 3. 0.8. 0.9. 時間的空間的特定トリップパターン依存度の関係 (大人無記名). ターン依存度について,パーセンタイル値を用いてそれ. 0.7. 1.

(4) 1 0.9. 4.おわりに. 0.8. 空間的トリップパターン依存度. 0.7 0.6. 本研究では,ICカード「DESUCA」を用いて,公共交. 0.5. 通利用者の利用経路ならびに時間帯のトリップパターン. 0.4. について, 空間的,時間的特定トリップパターン依存度. 0.3. を定義し,各利用者ごとに依存度の分析をした.その結. 0.2. 果,利用経路・時間帯について,1ヶ月間で同じように. 0.1. 利用する利用者は少なく,多くの利用者は,日々,異な. N = 1334 0 0. 0.1. 0.2. 0.3. 0.4. 0.5. 0.6. 0.7. 0.8. 0.9. る時間帯に,異なる経路を利用していることが分かった.. 1. 時間的トリップパターン依存度. 図-6. 一方で,カード種別により特定のトリップパターンの傾. 時間的空間的特定トリップパターン依存度の関係 (身障者). 向があることも明らかとなった.. 空間的トリップパターン依存度. 1 0.9. 今後の課題としては,各利用者が持つ全トリップパタ. 0.8. ーンの類似度を評価する必要がある.本稿での分析は,. 0.7. 最も利用頻度が高いトリップパターンのみを対象として. 0.6. おり,実際にはそれ以外のトリップパターンでも最頻の. 0.5. パターンに似通ったパターンが存在することが想像でき. 0.4. る.よって,それらを考慮したトリップパターンの評価. 0.3. 方法の構築が必要になってくるものと考えられる.. 0.2 0.1. N = 1092. 謝辞. 0 0. 0.1. 図-7. 0.2. 0.3. 0.4 0.5 0.6 時間的トリップパターン依存度. 0.7. 0.8. 0.9. 1. 本研究を遂行するにあたって,株式会社ですか の内山 様におかれましては,大変貴重なデータをご提供いただ きました.ここに感謝の意を表します.. 時間的空間的特定トリップパターン依存度の関係 (小児). 空間的トリップパターン依存度. 1 0.9. 参考文献. 0.8. 1) 高 知 市 地 域 公 共 交 通 活 性 化 協 議 ホ ー ム ペ ー ジ : http://www.city.kochi.kochi.jp/soshiki/23/kasseik a.html (2010 年 11 月アクセス) 2) 絹田裕一,矢部努,中嶋康博,牧村和彦,齋藤健,田 中倫英:IC カードデータから所要時間及び移動履歴への データ変換方法に関する検討,土木計画学研究・講演集, Vol.38,CD-ROM,2008. 3) 北野誠一,中島良樹,井料隆雅,朝倉康夫:交通系 IC カードデータを用いた長時間の鉄道利用履歴の分析,土 木計画学研究・講演集,Vol.37,CD-ROM,2008. 4) 日下部貴彦,中島良樹,朝倉康夫:可視化技術を用い た交通系 IC カードデータの分析,土木計画学研究・論文 集,Vol.39,CD-ROM,2009. 5) 日下部貴彦,朝倉康夫:交通系 IC カードデータによる 鉄道利用者行動のバスケット分析,土木計画学研究・講 演集,Vol.41,CD-ROM,2010. 6) Bagchi, M. And White, P.R. : The potential of public transport smart card data, Transport Policy, Vol.12, 464-474, 2005. 7) Morency, C., Trepanier, M. And Agard, B. : Measuring transit use variability with smart-card data, Transport Policy, Vol. 14, 193-203, 2007. 8) Uniman, D.L.: Service Reliability Measurement Framework using Smart Card Data: Application to the London Underground, Master Thesis, Massachusetts Institute of Technology, 2009.. 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1. N = 5835 0 0. 0.1. 0.2. 0.3. 0.4. 0.5. 0.6. 0.7. 0.8. 0.9. 1. 時間的トリップパターン依存度. 図-8. 時間的空間的特定トリップパターン依存度の関係 (ナイスエイジ(65歳以上)). 1. 空間的トリップパターン依存度(パーセンタイル値). 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3. 大人記入 [N=9494] 大人未記入 [N=7575]. 0.2. 身障者 [N=1334] 小児 [N=1092]. 0.1. 65歳以上 [N=5835] 0 0. 0.1. 0.2. 0.3. 0.4. 0.5. 0.6. 0.7. 0.8. 0.9. 1. 時間的トリップパターン依存度(パーセンタイル値). 図-9. 時間的空間的特定トリップパターン依存度の関係(パー センタイル値). 4.

(5)

参照

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