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3.東北地方太平洋沖地震の地震記録

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度). Ⅰ‑350. 東北地方太平洋沖地震における芝浦工業大学豊洲校舎の地震記録 芝浦工業大学 長崎大学 ビーエムシー. 正会員 正会員 正会員. 1.はじめに. 紺野克昭 西川貴文 阿部雅人. 芝浦工業大学大学院 東京大学. 学生員 正会員. ○須山幸太朗 藤野 陽三. 3.東北地方太平洋沖地震の地震記録. 芝浦工業大学豊洲キャンパスには,構造物,地盤内の. 集録装置の地震記録については,同装置の不調により,. 計 24 箇所に 3 成分加速度センサー,構造物内の計 4 箇所. S 波到着後の 5 分間のみ記録している.各加速度センサー. に 3 次元デジタル変位計が設置され,高密度な地震観測. の地震記録から求まる計測震度は 4.2~5.9 で,最小値は. システムが構築 されている 1 ).これらは校舎竣工年の. 地盤内 GL-40m で,最大値は教室棟 7 階で得られている.. 2005 年と 2010 年の 2 回に分けて整備された.今回は,こ. 地盤内(GL-1m)および守衛小屋内では,それぞれ 5.0,. の地震観測システムの概要を報告するとともに,2011 年. 5.1 で,震度 5 強の地震動であった.. 3 月 11 日の東北地方太平洋沖地震で得られた地震記録の. 今回は,免震装置の上方と下方に設置された加速度セ. 簡単な解析結果を報告する.. ンサーNo.12 と No.5 に注目し,本震と前震,余震の記録. 2.地震観測システムの概要. を用いて免震層の特性について若干の検討を行ったので. 対象地(図1)は埋立地である江東区豊洲に位置し,. 報告する.使用した地震の震央位置と諸元をそれぞれ図. 長辺が約 180m,短辺が約 110m,幅 30~50m の L 字型の. 2,表1に示す.なお,図2中の枠線は本震の震源断層. 連続した基礎スラブ上に4種類の免震装置(積層ゴムア. (450×200km)を示している 2).表1には,免震層上下. イソレーター,同一体型鋼製 U 型ダンパー,鉛ダンパー, の最大加速度値,2乗平均平方根(RMS)を示しており, 弾性すべり支承)が配置され,その上に交流棟,教室棟, 上下の比は本震で低減していることが分かる. 研究棟が建造されている.交流棟は独立しているが教室. 図3に変位計 D1 で得られた免震装置上下の水平面内の. 棟と研究棟は結合している.対象構造物が支持層として. 相対変位軌跡を示す.CH1 方向に 11cm,CH2 方向に. いる埋没段丘礫層(洪積層)の上には,沖積層と埋立土. 4.5cm と大きな相対変位が生じていたことが分かる.また,. が 35~45m 程度の厚さで堆積している.そのため,軟弱地. このときの周期は約 2.6 秒であった.ここで,CH1,CH2. 盤上での免震装置の効果・性能を検討することを目的と. (図1中の矢印)は,校舎の短辺,長辺に沿っており,. し,2005 年の竣工時に,図1に示すように免震装置を挟. 方位はそれぞれ N45°W,N45°E である.図4に本震に. むように免震装置の下側の基礎スラブ上に 5 基,上側の. おける No.12, 5 の加速度波形記録を示す.図5に各地震. 地下 1 階と地上 1 階に 7 基,および,建物から水平方向. の No.5 における加速度フーリエスペクトルを示す.スペ. に約 6m 離れた地盤内(GL-1,-40m)に 2 基の計 14 基のサ. クトルは S 波初動部(本震については主要動開始部)か. ーボ型加速度センサー(SV-355T,東京測振)が設置され. ら 40.96 秒間の区間の波形に対し,バンド幅 0.2Hz の. ている(図1の●印) .さらに,2010 年には上部構造の応. Parzen ウィンドウを用いて平滑化を行い求めている.3. 答特性評価や構造物全体の維持管理,損傷評価などを目. つの前震,余震のスペクトルは同程度で,本震に較べて. 的に,上部構造に 10 基,基礎スラブ上に 1 基,地盤上に. オーダーが1~2小さいことが分かる.図6には各地震. 1 基のサーボ型 LAN ネットワーク加速度センサー(CV-. における No.12 と No.5 のスペクトル比を示している.前. 374,東京測振)を設置している(図1の■印).また,. 震,余震の長周期側のピーク周期は 2 秒前後であるが,. 同時に教室棟と研究棟の免震層内にそれぞれ 2 基の変位. 本震ではこのピークは長周期側に移動し,ピークも明瞭. 計を設置している(図1の▼印).地震記録は,加速度セ. でなくなっていることが分かる.また,全体的に前震,. ンサーと変位計については,これらと専用線で結ばれた. 余震で見られるピークは本震でも見られるが,振幅は小. 1台の集録装置に保存される.一方,LAN ネットワーク. さく,長周期側に移動している傾向があることが分かる.. 加速度センサーは各センサー内に保存される.いずれも. 4.まとめ. 100Hz サンプリングである.時刻校正は,集録装置につい. 本報では,埋立地の軟弱地盤上に免震構造を有する構. ては直接 GPS を用いて行っている.一方,ネットワーク. 造物の高密度地震観測システムを紹介した.また,東北. センサーについては,GPS に接続している学内の NTP サ. 地方太平洋沖地震で得られた加速度記録を基に,免震装. ーバーを用いて行っている.観測システムのより詳細に. 置上下のスペクトル比が前震,余震のそれに較べて,ス. ついては,参考文献1)を参照されたい.. ペクトル比の値は小さくなり,ピーク周期も伸びる傾向 が見られたことを示した.. キーワード 連 絡 先. 地震観測,免震構造,東北地方太平洋沖地震 〒135-8548 江東区豊洲 3-7-5,Tel 03-5859-8357,[email protected]. ‑699‑.

(2) 土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度). Ⅰ‑350. 交流棟(7F, 高 31m). 守衛小屋(1F). 研究棟(14F,高 68m) ■14F. ■14F 教室棟(7F, 高 31m) ■9F ■7F ■7F ■4F. CH1. ■9F ■7F ■4F. ■4F ■1F CH2. ●1F ●B1 ●M. ●1F ●M. ●1F ●B1 ●B1▼●M ▼●M ▼●■M. No12(1F)→ ● No5(M)→ ●▼D1. 図1. 地震観測機器の位置(●加速度センサー,▼デジタル変位計,■LAN ネットワーク加速度センサー;M=免震層の基礎スラブ上). 表1. 解析に使用した本震と前震,余震の諸元. 本震. 深さ. 月日時. km. 3/11/14:46. 24. MJ. 震央地域名. 9.0. 震央距 離 km. 東北地方. 380. 太平洋沖. 1. 3/09/11:45. 8. 7.3. 三陸沖. 429. 2. 3/22/18:19. 10. 6.3. 福島県沖. 270. 3. 3/19/18:57. 20. 6.1. 茨城県北部. 141. 最大加速度*(上段) RMS (下段). 30.7. 42.5/ 42.2 (1.01) 6.9/5.9(1.17) 2.6/2.3(1.13) 7.3/5.4(1.35). 加速度 (gal) 加速度スペクトル(gal*s). 38.5 ※数字は図4横軸の時間t に対応 ※赤線はt =25.4-30.7s間の軌跡. -5. 0 CH2 (cm). 図2 解析に使用した 本震と前震,余 震の震央位置. 5. 図3 変位計 D1 の水平面内 の粒子軌跡. No.12(max:120.7gal). No.5(max:85.4gal). CH2(N45°E). 100 50. 0. 0. -50. -50 -100 10 03/11/14:48:53. スペクトル比 (No.12/5). 25.4. 3.9/2.9 (1.36). CH1(N45°W). 0. 図6. 29.3. -10. 14.1/11.2(1.26). -100. 図5. 26.6. -5. 50. 図4. 0. 2.3/2.0(1.17). No.5(max:118.0gal). 100. 28.0. 132.2/118.2(1.12). *水平 2 成分合成値(gal).数値は加速度センサーNo.12/No.5 の値,()内の数値 はこれらの比.**水平2成分の 2 乗平均平方根(RMS).数値は加速度センサ ーNo.12/No.5 の値, ()内の数値はこれらの比.. No.12(max:94.7gal). 2011/03/11 14:48:53-14:53:53. 5. **. CH1 (cm). 発生. EQ. 20. 30. 40. 50. 0. 10. 時間t (s). 20. 30. 40. 50. 時間t (s). 本震における No.12(免震層上一階)と No.5(免震層の基礎スラブ上)の水平2方向の加速度記録(主要動部) 10. 3. 10. 2. CH1. 101 10 10 10. -2. 0.1. 3. 10. 2. CH2. 101. 0. -1. 10. 10 本震 EQ2. EQ1 EQ3. 1 周期 (s). 10. 0. 10. -1. 10. -2. 0.1. 本震 EQ2. EQ1 EQ3. 1 周期 (s). 10. 各地震における No.5 の加速度フーリエスペクトル 10. 10. CH1. 1. EQ1 EQ3. 1 本震 EQ2. 0.1 0.1. 本震 EQ2. 1 周期 (s). EQ1 EQ3. CH2 10. 0.1 0.1. 1 周期 (s). 10. 各地震における No.12 と No.5 の加速度フーリエスペクトル比. 謝. 辞:地震観測システムに関して,(株)東京測振 石井誠寿氏,芝浦工大施設課の方々に大変お世話になりました.本研究の一部は科学 技術振興機構 CREST(研究代表:藤野陽三)の助成を受けています.記して感謝申し上げます. 参考文献:1)芝浦工業大学豊洲校舎(免震構造)における地震観測(暫定版)HP:http://www.eq.db.shibaura-it.ac.jp/Mensin/index.shtml, 2)八木勇治:2011 年 3 月 11 日東北ー太平洋沿岸地震(暫定 Ver3)HP:http://www.geol.tsukuba.ac.jp/~yagi-y/EQ/Tohoku/. ‑700‑.

(3)

参照

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