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1 .支承の基礎知識

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(1)

支承の設計から管理までの  課題・留意点・補修事例 

鵜野  禎史 

(一社)日本支承協会 

(2)

支承の設計から管理までの 課題・留意点・補修事項

平成27116日土木学会「実務者のための橋梁維持管理」

(3)

講習内容の内訳

① 支承の基礎知識

② 支承点検の方法

③ 支承の損傷事例(常時、地震時)

④ 補修設計時の留意点

⑤ 支承の取替事例

⑥ 長期防錆仕様について

⑦ 鋼製支承の補修事例

1

(4)

1 .支承の基礎知識

2

支承の基礎知識を理解し、点検・補修時に活用 する。具体的には点検すべき個所および損傷個 所の把握などがある。

(5)

1)上部構造から伝達される荷重(鉛直、水平)を確 実に下部構造へ伝達(荷重伝達機能)

2)活荷重、温度変化等による上部構造の伸縮や回転 に追随し、上部構造と下部構造の相対的な変位を 吸収(変位追随機能)

変位追随、荷重伝達

主桁

活荷重

基本的な機能

回転追随 荷重伝達

支承 活荷重によるたわみ

4

上部構造の質量 上部構造の伸縮

(6)

5

基本的な機能

鋼製支承

鉛直荷重

水平変位 回転変位

鉛直荷重 水平変位 回転変位

ゴム支承

下部構造 下部構造

(7)

振動に対する付加的な機能

1)履歴減衰等により構造物 の地震時応答を小さくす る機能(減衰機能)

2)構造物を長周期化するこ とにより地震時の揺れを 小さくする機能

(アイソレート機能)

3)ダンパー等により地震時 の揺れを早く抑える機能

(振動制御機能)

6

(8)

7

鉛直力支持の機構

道路橋支承便覧(H16.4 日本道路協会)より

(9)

8

水平移動の機構

道路橋支承便覧(H16.4 日本道路協会)より

(10)

9

回転の機構

道路橋支承便覧(H16.4 日本道路協会)より

(11)

10

鋼製支承の種類

線支承(LB) 支承板支承(BP) 一本ローラー支承(RO)

ピン支承(PN) ピボット支承(PV)

Fix、Mov

複数ローラー支承(RO)

Fix、Mov Mov

Fix Fix Mov

(12)

11

線支承

下沓(鋳鋼) 上沓、ソールプレート

アンカーボルト 低い

ピンチプレート

(上向きの力対策)

■シンプルな構造

■支承高さが低い

摩擦係数

=0.25

(13)

12

支承板支承(BP支承)

■支承高さが低い

■摩擦係数が線支承に比べ低い

高力黄銅支承板支承 密閉ゴム支承板支承

摩擦係数 =0.15 摩擦係数 =0.10

(14)

13

支承板支承(BP・B支承)

下沓(鋳鋼) ゴムプレート、

圧縮リング

シールリング 中間プレート、

PTFE

上沓 サイドブロック

セットボルト

アンカーボル

(15)

14

支承板支承のレベル2地震動対応

レベル1地震動対応 レベル2地震動対応

kh=0.25 V=0.1Rd

リブ付き ベースプレート

丸鋼 異形棒鋼

khc=0.89 V=0.3Rd

L型サイド ブロック

コ型サイド ブロック

道路橋示方書 平成8年12月以降

(16)

ベアリングプレート支承

(BP・Bの標準設計ラインナップ)

・鉛直反力:全16種類(400〜5000kN)

・ 400kN ・ 600kN ・ 800kN  ・1000kN

・1250kN ・1500kN ・1750kN ・2000kN

・2250kN ・2500kN ・2750kN ・3000kN

・3500kN ・4000kN ・4500kN ・5000kN

・大きい反力、個別設計も対応可能

・可動支承の全可能移動量:±55mm

・移動量は任意に設定可能

15

・支承タイプ:固定支承、可動支承

(17)

16

支圧型ピン支承

■回転は1方向に限定さ れる(円柱面接触)

■一般的に使用されるピ

ン支承である

(18)

17

せん断型ピン支承

■回転は1方向に限 定される

■大きな水平力や上

向きの力に対して

最も安定している

(19)

18

ピボット支承(PV)

■回転方向は全方向 である(球面接触)

■球面部で鉛直力およ

び水平力の両方を

支持

(20)

19

ピンローラー支承

上沓(鋳鋼)

下沓(鋳鋼)

ローラー部 底板(鋳鋼)

■ピン支承に移動機構と してローラーを組み合 わせたもの

■回転は1方向に限定さ れる(円柱面接触)

■移動方向は1方向に 限定される(移動方向 と回転方向を変えるこ とは可能)

摩擦係数 μ=

0.05

(21)

20

ピンローラー支承の構造(1)

支圧板(C-13B)

端片

サイドプレート

ローラー(C-13B) ピニオン

連結板

ラック

カバー

底板(鋳鋼)

(22)

ピンローラー支承の構造(2)

下沓(鋳鋼) サイドブロック ピン

上沓(鋳鋼)

アンカーボルト セットボルト

キャップ、ナット

21

(23)

22

ローラーの種類

SC450 SS400

C-13B SC450

CWA

普通ローラー

材質:SS400,S30C,S35C

高硬度ローラー

材質:C-13B,SNCM439,SNCM447

高硬度ローラー(ステンレス系肉盛溶接) 材質:SCMn2A(S35C)+CWA

注)一般的に4本以上のローラーを有する。

注)一般的に12本のローラーを有する。

注)一般的に12本のローラーを有する。

(24)

23

ローラー種類による大きさ比較

接触する相手材は、

同材質または同硬度 を有する材料が必要

(25)

24

ゴム支承の種類

1)固定型・可動型 2)すべり型

3)パッド型

4)分散型ゴム支承

5)免震支承

(高減衰

ゴム支承)

5)免震支承

(鉛プラグ入り ゴム支承)

ゴム支承本体

高減衰ゴム 鉛プラグ 天然ゴム

クロロプレン合成ゴム

天然ゴム

(26)

補強材なし

鉛 直 荷 重 に よ り ゴ ム が 側 方にはらみ出す

(鉛直たわみ量大)

上下補強材を接着

補 強 材 と ゴ ム と の 間 の 接 着 力 に よ り 側 方 へ の は ら み出しを抑制

(鉛直たわみ量中)

中間補強材を追加

中 間 補 強 材 と ゴ ム と の 接 着 力 に よ り 側 方 へ の は ら み出しをさらに抑制

(鉛直たわみ量小)

積層ゴム支承の原理

積層数を増やすことにより鉛直方向の剛 性を大きくできる(撓みにくくする)

補強鋼板

25

(27)

26

ゴム支承の履歴曲線

分散型ゴム支承 免震支承

(28)

履歴曲線と等価減衰定数

水 平 力

⊿W Fmax

−δmax

−Fmax

δmax 水平変位

履歴曲線

ゴム支承をせん断変形さ せた時に得られる水平変 位と水平力との関係をグラ フ化したもので履歴曲線に より囲まれた分だけエネル ギー吸収がされたこととな る。

等価減衰定数

左図に示す着色部面積に 対するハッチング部(履歴 曲線)の面積の比率で次 式により求められる。

注)運動エネルギーは熱エネルギーに 変換される

27

(29)

ゴム支承用語

一次形状係数( S1 ) te b

a 2

b 1 a

S ( + )

= ・

二次形状係数( S2) te 4

b 2 a

S

Σ

= または

a

b

te

ゴム総厚 Σte=te×n層

28

(30)

せん断ばね定数(水平剛性)の算定法

KB=

ここに,KB:水平剛性(

N/mm

)

A:補強鋼板面積( mm

2)

G:せん断弾性係数( N/mm

2)

Σte:ゴム総厚(=一層ゴム厚×層数)

水平力分散型ゴム支承

te A・G

■面積が大きいほど,またせん断弾性係数が大きいほ ど水平剛性は大きく(硬く)なる。

■ゴム総厚が大きいほど水平剛性は小さく(柔らかく)

29 なる。

(31)

鉛直ばね定数(鉛直剛性)の算定法

Kv=

Kv:鉛直剛性( N/mm

)

Ae:補強鋼板面積または有効面積( mm

2)

:縦弾性係数(

N/mm

2)で次式による

但し,α=

35 S1:一次形状係数

水平力分散型ゴム支承

te A

e

E・

S1が大きいほど,またせん断弾性係数が大きい ほど鉛直剛性は大きくなる。

■ゴム総厚が大きいほど鉛直剛性は小さくなる。

G S

E = α・β・ ・

1

30

(32)

積層ゴムのばね性能と鉛の減衰性能を併せ持つ支承

○鉛は常温で再結晶化するためメンテナンスフリー

○履歴曲線はバイリニア形状を示す

○鉛の比率を変えることにより自由なばね性能と減 衰性能を設定できる

鉛プラグ入りゴム支承

-400 0 400

-200 0 200

水平変位(mm)

(kN)

幅が 広い

31

(33)

特殊配合によりゴム自身に減衰性能を付加させた 高減衰ゴムを用いた積層ゴム支承

○天然ゴムよりも伸びがよいため大変形に追随

○履歴曲線はバイリニア形状を示す

○ゴム材料3種(G8,G10,G12)およびゴム支承形 状でばねを調整

高減衰ゴム支承

32

(34)

33

ゴム支承の据付け手順

1.架設時鉛直方式

架設温度に関係なく鉛直(近い状態)でゴム支承を設置する方

2.予変形方式

1)工場予変形方式

ゴム支承をあらかじめ工場でせん断変形させる方式 2)現場予変形方式

ゴム支承の設置に合わせて現場でせん断変形させる方式 3.除変形方式

1)プレスライド方式

架設中にゴム支承のせん断変形を拘束してベースプレート上 を可動できる方式

2)ポストスライド方式

架設完了後、油圧ジャッキ等でゴム支承を正規の形状にせん 断変形させる方式

(35)

34

ゴム支承の据付け手順

1.架設時鉛直方式

道路橋支承便覧(H16.4 日本道路協会)より

(36)

35

ゴム支承の据付け手順

2.予変形方式

1)工場予変形方式

道路橋支承便覧(H16.4 日本道路協会)より

(37)

36

ゴム支承の据付け手順

3.除変形方式

2)ポストスライド方式

道路橋支承便覧(H16.4 日本道路協会)より

(38)

37

鋼製支承とゴム支承の特徴

2)ゴム支承

・大きな変形性能が期待できる

・地震力のような衝撃的な力を緩衝して伝達できる

・各個撃破が生じにくい

・水平移動に方向性がない

・免震化が容易である

・水平ばねを調整して下部構造に伝達される地震時水平力 の調整が容易である

1)鋼製支承

・大きな変位(水平変位、回転変位)や大反力に対応可能

・構造寸法を小さくできる

・上向きの力に対し支持(抵抗)することが容易である

・鉛直剛性が大きい

・可動支承は施工時の温度補正が容易である

(39)

2.支承点検の方法

点検の目的

支承の損傷状態と損傷程度を的確に把握し、

橋梁への影響等の有無を把握する!

38

(40)

点検の種類

通常点検と詳細点検(日本支承協会案)

●通常点検(外観目視による点検)

浮き錆び

土砂・塵芥の堆積状況

ボルトの緩み(セットボルト、アンカーボルト)

伸縮部からの漏水 上部工疲労亀裂 移動量不足

ゴム支承の亀裂

●詳細点検(測定器具等用いた点検)

機能確認(変位計を用いた点検)

内部点検(防塵カバー等をはずして内部の発錆、土 砂・塵芥の内部への堆積を点検)

39

(41)

通常点検

浮き錆び(塗装仕様)

■塗膜が劣化し、内部から錆が部分的に生じている状態

■補修の緊急性は低い

40

(42)

浮き錆び(溶融亜鉛めっき)

■亜鉛めっきされたゴム支承の発錆状況( 10

年経過)

■湾岸部にあるため腐食の進行が早い

■融雪剤散布により塩分を含んだ水が漏水により支承

の腐食を促進

通常点検

41

(43)

通常点検

土砂・塵芥の堆積

■端支点に多く見られる(吹き溜まりになりやすい)

■鉛直荷重支持機能は保持しているが、移動・回転機

能を阻害しているケースがある

■発錆の原因となりやすい

■機能阻害の状況により緊急性が異なる

点検時に清掃するのが望ましい 42

(44)

通常点検

ボルトの緩み(セットボルト、アンカーボルト)

■セットボルトの緩みおよび抜け落ち

■アンカーボルトの緩みおよび抜け出し

■ボルトの緩みについてはハンマーで叩いて確認する

43

(45)

通常点検

伸縮部からの漏水

■アバットパラペット面が湿潤している

■錆が進行し、断面欠損を引き起こしているケースが多い

■緊急性は高い

パラペット面に伸 縮部からの漏水跡 が観察できる。常 に湿潤状態となり、

桁のHTBや支承ア ンカーボルトに断 面欠損が見られる。

伸縮装置からの漏水

支承補修時に漏水対策を講じる 44

(46)

通常点検

上部工の疲労亀裂

■ソールプレート止端部の主桁フランジおよびウェブに

亀裂が生じている

■支承の回転機能が消失しているために生じる現象

■緊急性は高い

ソールプレート 支承

亀裂

回転 支承が回転しないため に桁に応力集中により 疲労破壊が生じている

45

(47)

通常点検

可動支承の移動量不足

■下部工の予期しない変位により支承中立位置がずれ、

本来の温度変化による移動量が確保できない

■不足量により緊急性が異なる

ピボットローラー支承 遊間不足

写真は,夏場(桁が 伸びている状態)に おいて正常な状態を 示す。

桁端側

パラペット

46

(48)

通常点検

ゴム支承の過変形

■下部工の予期しない変位により支承中立位置がずれ、

許容値(

70%

)を超えるせん断変形が生じている

■変形量により緊急性が異なる

移動

橋台が土圧により前 面に押し出される等 の下部工の移動によ る要因が考えられる

47

(49)

通常点検

ゴム支承の亀裂

■寒冷地域に多く見られる

■原因の多くは、オゾン劣化と思われる

■亀裂の状況(幅、深さ)によっては緊急を要する

オゾンによる亀裂は、

引張状態のゴム部分 に生じる。

亀裂深さが被覆ゴム より深いかを確認

48

(50)

詳細点検

機能確認(変位計を用いた点検−1)

■橋軸、橋軸直角方向の回転による鉛直変位を変位計

を用いて測定(回転変位追随機能)

■機能不良が確認された場合は早急に機能回復を行う

鉛直変位計

橋軸方向 橋軸直角方向

49

(51)

詳細点検

機能確認(変位計を用いた点検−2)

■橋軸、橋軸直角方向の水平変位を変位計を用いて測

定(水平変位追随機能)

■機能不良が確認された場合は早急に機能回復を行う

水平変位計

橋軸方向 橋軸直角方向

50

(52)

詳細点検

内部点検(防塵カバー等をはずして内部の発錆、

土砂・塵芥の内部への堆積を点検)

■ローラー支承などのカバープレートを取りはずして内

部の詳細な点検を行う

■内部清掃を行い、土砂・塵芥などを取り除く

■若返り工法、グリスアップ工法などの補修を行い、機

能回復を行う

連結板

カバープレート

ピンローラー 支承の例

51

(53)

詳細点検

内部点検(防塵カバー等をはずして内部の発錆、

土砂・塵芥の内部への堆積を点検)

■ローラー支承などのカバープレートを取りはずして内部

の詳細な点検を行う

1本ローラー支承の例

52

(54)

30 年以上経過しても健全な支承の例

1972

年竣工

●新潟県の河川に跨る鋼橋に用いられたピンローラー 支承

●定期的に塗装の塗り替えが行われている

53

(55)

54

3.支承の損傷事例

54

(56)

■土砂、塵芥の堆積

●支承周辺に伸縮装置からと思われる土砂が堆積し,

錆が発生(特に端支点)

●水平変位追随機能が消失

I

常時の損傷事例

RCホロー桁

BP支承 BP支承

55

(57)

■腐食

普通ローラー支承の事例 1本ローラー支承の事例 BP支承の事例

錆の発生。

水平変位追随機能が消失 断面欠損の可能性あり

56

(58)

•57

■腐食

ゴム支承の鋼材部の錆発生

ストッパー部の断面欠損の可能性あり

被覆ゴムの はがれ

●桁連結工法で施工された中間支点部のゴ ム支承

●連結された床版部から漏水あり 57

(59)

溶融亜鉛めっき仕様の支承の発錆事例

海上部に設置されている,設置 20年以上経過した鋼製支承 塩分を含んだ海風による影響

寒冷地の橋台部に設置されてい るゴム支承で,伸縮部からの漏 水により鋼製部品に著しく錆が 発生している。融雪剤の塩化カ ルシウムの影響と思われる。

58

(60)

溶出した亜鉛イオンは水分との反応によって水酸化亜鉛になり、さらに大 気中の炭酸ガス等の酸性物質と徐々に反応して、水に不溶の塩基性炭酸 亜鉛等が生成する。その結果、表面は不動態層(安定な白錆)として、沈 着・安定化し、亜鉛の保護層として機能する。

亜鉛の安定な白錆の主成分

これに対し,塩類の影響下で急速に腐食した場合は不安定な白錆が生じ る。

これは吸湿性でかさ高く,湿潤状態においては糊状,乾燥状態では粉 状をしており,ルーズで表面に固着しておらず,風により流出して亜 鉛が急速に消耗するため,早期に錆びが発生する。

ZnO O

H CO

ZnO

2 2

4 ・ ・

ZnO OH

Zn

ZnCL

2

4 ( )

2

亜鉛への塩類の影響について

59

(61)

1978 年に供用開始された 溶融亜鉛めっき支承の状況

■西日本高速道路 近畿自動車道で供用中の溶融亜鉛 めっき支承の状況

■飛来塩分の影響を受けない地域であるため健全な状 態が保たれている。

60

(62)

1本ローラー支承の損傷例

ローラーの逸脱

(回転方向と移動方向が不一致の場合起こりえる現象)

ローラーが逸脱

■ローラーの脱落

鉛直荷重支持機能消失 水平変位追随機能消失

61

(63)

複数ローラー支承の損傷例

ローラーが逸脱

■ローラーの脱落

ローラーが、連結板及びカバーと共に逸脱。

鉛直荷重支持機能消失 水平変位追随機能消失

62

(64)

■鋼製支承の過移動

可動BPA支承が過移動し,

ストッパーに接触している。

沓座モルタルにひび割れ発生。

1本ローラー支承の過移動 上沓のずれ

ストッパーが接触

ひび割れ

ピンローラー支承の過移動 鉛直荷重支持機能消失(特にローラー系)

水平変位追随機能消失

63

(65)

ピボットローラー支承の損傷例

橋軸方向

接触痕

橋軸直角方向

ローラー部

接触痕 接触痕

■接触

水平変位追随機能の悪化

(抵抗力の付加)

64

(66)

ゴム支承の損傷事例

亀裂発生 亀裂発生

免震支承 パッド型ゴム支承

CR系ゴム使用)

亀裂発生箇所 亀裂発生箇所

上下鋼板

ゴム支承本体 下沓

上沓 橋梁中央側

ゴム支承変形時の鋭角側に 端支点側

クラックが発生。

■ゴム支承のオゾン劣化

65

(67)

オゾン劣化のメカニズム

C C

二重結合状態

O

3

C C O

O

O

オゾン劣化

一重結合に変化

ゴムの分子構造がオゾンアタックにより,二重結合から一重に 変化することにより,引張力に対し切れやすい状態となる。

一般的に寒冷地に発生しやすいと言われているが 全国規模で生じていると思われる。

66

(68)

■支承のストッパーの破断

想定外の移動,地震力によりストッパーが破損。

鉛直力支持機能,変位追随機能は保持されている。

破損したストッパー

BP・A支承

地震時の損傷事例

67

(69)

■ピン支承ピンの破断

橋軸直角方向地震力によりピン中央部で 引張破断。

軸部の破断

68

(70)

■ 1本ローラー支承損傷事例

(コロウェルドローラー)

中央軸部が破損し,片側ローラーが逸脱。

注)コロウェルドローラー・・・ステンレス系溶接肉盛り により表面支圧強度を高めたローラー

溶接肉盛り 軸部破断

69

(71)

■ピンローラー支承におけるピン、ローラーの 逸脱事例

橋軸直角方向水平力により,ピンが破断後に抜け落ち 橋軸方向の移動により,ローラーが逸脱。

ローラー の逸脱 ピンの逸脱

ローラー 接触痕

脱落した ローラー・歯車

70

(72)

■ゴム支承の破断・亀裂

過大な地震力載荷で、

ゴム支承の破断及び亀裂。

71

(73)

■ゴム支承サイドブロックの破断・変形

設計荷重以上の載荷 で、サイドブロックの 破断及び変形。

72

(74)

■上部工の損傷

下フランジの座屈 腹板の座屈

セットボルトの破断

曲げに伴う引張力でセットボルトが破断。

主桁腹板および下フランジが座屈。

主桁補強が必要。

73

(75)

■上部工の損傷

ピン支承は,ほとんど損傷なし。

上沓が回転し,下フランジに局部的な 圧縮・引張が生じた。

74

(76)

■沓座モルタルの損傷

(鉛直力支持機能は 保持されている)

化粧モルタル部分が破損 アンカーボルトを起点として 橋台にひび割れが発生

ひび割れ

75

(77)

■掛け違い橋脚パラペット部の損傷事例

中空床版橋側

箱桁橋側 パラペット基部損傷

PC箱桁橋

中空床版橋

可動BP支承

せん断型ピン支承

可動

BP

支承のストッパーが機能し、パラペット頂部 に水平力が作用したため、パラペット部が中空床版 橋側に引っ張られて損傷。

76

(78)

■中間固定橋脚の損傷事例

ピン支承(固定支承)には,ほとんど損傷がなく 橋脚頂部に地震時水平力が作用したため段落とし 部で損傷が生じている。

77

(79)

4.補修設計時の留意点

78

(80)

工法の選定

① 沓座モルタルの補修

支承に損傷がなく、沓座モルタルにひび割れが確認 できた場合

② 若返り工法(機能回復と防錆)

機能回復を基本とし、溶射による長期防錆を併用す ることにより支承の延命を行う。

注)溶射工法は機能回復が含まれないため、若返り工法を行うことが重要。

支承交換

機能が著しく損傷し、回復が困難と思われる支承に ついては、支承交換を行う。また、耐震補強によりタイ プBの支承とする場合は交換が基本となる。

支承の損傷度による評価は、未だ確立されたものはない ため管理者の判断による。

79

(81)

支承交換を前提とした補修設計を 行う場合の注意事項

■事前に現場調査が必要

■施工スペースの確認

■図面以外に記載されていない添加物

(電纜、排水ほか)がないかを確認

■仮受け用ジャッキの設置箇所の検討

■足場工および支承搬入経路の検討

■既設支承が撤去可能かの検討

■その他

80

(82)

支承交換時の引き出し方向と 仮受け用ジャッキの設置

鋼鈑桁で端対傾構がある場合

主げた直下にジャッキを設置。支承交換は橋軸直角 方向に行う。

ジャッキ 支承

注)支承からの縁端距離が短い場合は、

仮受け用ブラケットを設置する。

仮受け用 ブラケット ジャッキ

81

(83)

鋼鈑桁で端横桁がある場合

端横桁直下にジャッキを設置。支承交換は橋軸方向 に行う。

支承交換時の引き出し方向と 仮受け用ジャッキの設置

ジャッキ 支承

ジャッキ

引き出し方向

主桁 横桁

注)外桁には、仮受け用ブラケット を設置する。

ジャッキ

82

(84)

鋼箱桁で2沓/箱の場合

主桁腹板直下にジャッキを設置。支承交換は橋軸直 角方向に行う。

支承交換時の引き出し方向と 仮受け用ジャッキの設置

支承 ジャッキ

ジャッキ 引き出し方向

引き出し方向 支承

83

(85)

鋼箱桁で1沓/箱の場合

主桁腹板直下にジャッキを設置。支承交換は橋軸角 方向に行う。

支承交換時の引き出し方向と 仮受け用ジャッキの設置

ジャッキ

ジャッキ

引き出し方向 支承

84

(86)

85

支承取り替え方法(鋼橋の例)

①既設支承(1本ローラー)

桁の補強

②ジャッキアップ

ジャッキ

仮受け台

③沓座斫り完了

1

本ローラー支承

ゴム支承

85

④既設支承撤去

(87)

支承取り替え方法(鋼橋の例)

⑥新設アンカーボルト孔の削孔

⑤ソールプレート撤去

1

本ローラー支承

ゴム支承

86

⑦ベースPL、アンカーBの設置 ⑧無収縮モルタル注入

(88)

87

支承取り替え方法(鋼橋の例)

⑨ベースPLとアンカーBの溶接

1

本ローラー支承

ゴム支承

87

⑩溶接部PT検査

⑫取替用ゴム支承の搬入

⑪ベースPL設置完了

(89)

支承取り替え方法(鋼橋の例)

⑭現場塗装

⑬支承とベースPLの溶接

⑮完了

1

本ローラー支承

ゴム支承

88

(90)

既設アンカーボルトとベースプレートとの溶接

ベースプレート

既設アンカーボルト 溶接用開先

ベースプレート

既設アンカーボルト

ベースプレートに開先を設け、既設アンカーボルトとの溶接に よる一体化を図る。また、ベースプレート方式を採用すること により、支承据付け時の位置調整が容易となる。

既設部材の再利用

89

(91)

コンクリートに埋め込まれているアンカーボルトは、

撤去が難しいため上沓と共に再利用を行う。

既設部材の再利用

6

240

6

橋軸直角方向 既設上沓

橋軸方向

既設アンカー "A"

既設上沓平面図

コンクリート橋に用いられた線支承をゴム支承 切断

に変更した例(上沓および上下アンカーボルト の再利用)

90

(92)

固定装置付きジャッキの使用

支承取り替え工事は、一般的に路面の交通を解放し た状態で行われるため安定した支持性能を持つ固定 装置付ジャッキを使用するのがよい。

固定装置付きジャッキ

91

(93)

桁下空間の作業スペースの確保(1)

桁下空間内での沓座モルタルは つり作業

削岩機による沓座モルタルのはつ り作業(橋脚前面に作業足場を設 ける)

92

(94)

桁下空間の作業スペースの確保(2)

既設アンカーボルトとベースプレートの溶接作業 切断した鉄筋は、作業終了後復旧した後、コンク リートを打設する

桁下に作業空間が ない場合、コンク リートをはつり とって桁下空間を 確保するなどの対 策が必要

下部工主鉄筋

下部工主鉄筋 本来の桁下空間

93

(95)

5.支承の取り換え事例

94

(96)

沓座コンクリートの強度不良 による沈下に伴い、下沓に 割れ発生。

補修前 補修後

沓座 割れ

の圧壊 ベースプレート

新支承

(溶接固定)

■現状復旧(全取り替え)の例

線支承から、 線支承

95

(97)

■現状復旧(全取り替え)の例

BP・A支承 BP・B支承

火事で焼失

支承も火災の影響大(可動支承)

上沓下面すべり面の 機能障害あり

支承取り替え完成図

ベースプレート方式

既設アンカーボルト利用

96

(98)

普通ローラー支承 高硬度ローラー支承

既設アンカーボルト 再利用

普通ローラー支承から高硬度ローラー支承に取り替え

高硬度ローラー支承・・・ステンレス系材料(C-13B)を用い、焼き 入れすることにより硬度を高め、支圧強度を高めている。

ローラー径が小さくなり、本数も2本程度となる。

■現状復旧(全取り替え)の例

補修前 補修後

97

(99)

■現状復旧(部分取り換え)の例

サイドブロック等の取り付けボルトの損傷対策

折損したボルト頭 部にジグを点溶接 し、潤滑剤塗布で 取り出す。

作業空間等の検討 必要。

ボルトの破断。

ボルトが、埋まっている状態。

折損し、埋まってい るボルトの取り出し

98

(100)

ローラーの脱落防止装置設置例

一本ローラー支承

ローラー脱落防止装置

■現状復旧(部分取り換え)の例

逸脱したローラーを元の位置にもどし、ローラー 脱落防止装置を設置。

99

(101)

鋼製支承からゴム支承への取り替え

既設ピンローラー支承 取り替えゴム支承

ピンローラー支承等 ゴム支承 レベル

1

地震対応 レベル

2

地震対応

タイプB(レベル2地震動対応)

■耐震補強(全取り替え)の例

タイプA(レベル1地震動対応)

分散・免震形式 鋼製台座設置

100

(102)

機能分離型支承への交換事例

水平ゴム支承 鉛直支承

(BP・B支承)

■耐震補強(全取り替え)の例

レベル

1

地震対応 レベル

2

地震対応

101

(103)

ベアリングプレート

ベースプレート

橋軸直角方向 橋軸方向

上沓 サイドブロック

下沓 アンカーボルト

BP

A

支承等

BP

B

支承 レベル

1

地震対応 レベル

2

地震対応

6

橋軸直角方向 橋軸方向

上沓 サイドブロック

下沓

ステンレス板 PTFE

中間プレート ゴムプレート

サイドブロック 構造変更

地震時耐荷力の増大 約3倍

既設BP・A支承

新BP・B支承

■耐震補強(全取り替え)の例

支承協会 標準支承 102

(104)

既設上沓 エポシキ系樹脂充填

ベースプレート

ゴム支

・既設上沓が取り出せないので、レベル1 地震動のゴム支承への 交換が多い。

既設アンカーボルト

タイプA タイプA

1本ローラー支承等 ゴム支承

鋼製支承(

1

本ローラー)からゴム支承への取替え

■コンクリート橋のケース

・レベル2地震動対応は、アンカーバー部の補強が必要

アンカーバー

103

(105)

1510

調整箇

1120 既設鋼製支承上沓

6

既設アンカーボルト

1370 1830

補強リブ

既設アンカーボルト ベースプレート ゴム支承本体 調整プレート 橋軸方向

1510

20

385 50371

421100

906

1380

1375 1830 橋軸直角方向 1460

920

1120

鋼製支承(ピン支承)からゴム支承への取替え

ピン支承上沓を残してその下に ゴム支承を設置する。

■コンクリート橋のケース

アンカーバー 既設上沓

レベル2地震動対応は、アンカー バー部の補強が必要

104

(106)

6.長期防錆仕様について

105

金属溶射を用いた長期防錆仕様

(107)

支承部の長期防錆の必要性

■支承部(特に端支点)は、伸縮装置からの漏水や吹

きだまりにより塵芥が堆積しやすく、錆による劣化 が多く見られる。

■湾岸部および海上部に使用する支承は、常に海水

飛沫(飛来塩分量が多い)を受け、かつ高温多湿状 態となり、錆の発生しやすい環境となるケースが多 い。

■重防食塗装は塗り替えが必要であり、溶融亜鉛

めっきは、飛来塩分が多い地域ではその防錆効果 も半減することがわかっている。

■このため、溶融亜鉛めっきよりもさらに耐食性の高

い長期防錆仕様が必要となる。。

106

(108)

防食法  環    境 

飛来塩分量が少ない      飛来塩分量が多い 塗装 一般塗装 

重防食塗装  耐候性鋼材 

溶融亜鉛めっき  金属

溶射

封孔処理  重防食塗装 

各種防食法の環境別適用範囲

(鋼道路橋塗装・防食便覧より抜粋)

『腐食環境の良くない場合は、重防食塗装や金属溶射、および それらと同等の耐食性を有する防錆仕様を採用することが望 ましい』 と記述

支承のような複雑な構造では、重防食塗装は 塗替え等の維持管理性に課題が多い

107

(109)

支承の発錆事例(亜鉛めっき仕様)

海上部に架かる橋梁支承の腐食実例(供用後20年経過)

ローラー支承のカバー プレート等の板厚の薄 い箇所に早期に著しい 錆が発生しやすい。

108

(110)

溶射材料による分類

a : 亜鉛アルミニウム合金溶射

b : アルミニウム・マグネシウム溶射

109

(111)

■亜鉛

85%

,アルミニウム

15%

の合金線材による金属溶射

■日本支承協会における支承の若返り工法において,

30000

個以上の実績を有している。

■溶射方法は、アーク溶射、フレーム溶射の

2

種類

■フレーム溶射は、皮膜の均質性に優れ、アーク溶射は,

密着性に優れている。

■溶射後、封孔処理を施すことにより防錆効果を発揮する。

亜鉛・アルミニウム溶射

( ZnAl 溶射)

110

(112)

■アルミニウム

95%

、マグネシウム

5%

の合金線材による金 属溶射

1984

年頃より海底油田基地において,使用実績有り

■溶射方法は、フレーム溶射、プラズマ溶射がある。

■溶射後、封孔処理を施すことにより防錆効果を発揮する。

■さらに長期防錆を行う場合は、封孔処理後フッ素系塗装 を行うケースがある。

アルミ・マグネシウム溶射

( AlMg5 溶射)

111

(113)

②金属溶射

鋼部材への防食法

防食法

被覆防食

非金属被覆

金属被覆 耐候性材料

環境改善

電気防食

・・・塗装、防錆キャップ等

・・・亜鉛メッキ、金属溶射、

クラッド等

・・・耐候性鋼材、ステンレス鋼材等

・・・構造の改善、除湿等

・・・流電陽極方式、外部電源方式等

鋼道路橋塗装・防食便覧(H17.12)日本道路協会より引用

112

(114)

金属溶射とは

溶射は、コーティング材料を加熱により溶融もしくは 軟化させ(溶)、微粒子状にして加速し被覆対象物表面に 衝突させて(射)、偏平につぶれた粒子を凝固・堆積させ ることにより皮膜を形成するコーティング技術の一種。

溶射皮膜 境界面 母材

113

注)溶融亜鉛めっきは、

メッキ層と母材との間 に合金層が形成される ため密着性に優れる

(115)

溶射法の種類

溶射法

ガス式溶射

電気式溶射

高速フレーム溶射

フレーム溶射

アーク溶射

プラズマ溶射

線爆溶射

溶棒式 粉末式 溶線式

粉体供給型 溶線供給型

現在のAlMgプラズマ溶射工法

114

(116)

フレーム溶射

【フレーム溶射】

酸素・アセチレン混合ガスの燃焼炎 などのようなガス炎を溶射の熱源に利 用する溶射方法をフレーム溶射と呼ぶ。

溶射材料の形態により、溶線式、溶 棒式、粉末式に分類される。

【高速フレーム溶射】

高圧の酸素と炭化水素系燃料ガスな どの燃焼炎を利用したフレーム溶射法 の一種。燃焼室の圧力を高めることに より、連続燃焼炎でありながら爆発溶 射炎に匹敵する高速火炎を発生させる ことができ、溶射粉末が高速度で基材 に衝突しち密な膜を形成する。

溶線式フレーム溶射

溶棒式フレーム溶射

粉末式フレーム溶射

115

(117)

アーク溶射

2本の金属ワイヤの間にアークを発生させ、アークの熱によってワ イヤを溶融し、その溶融速度にあわせてワイヤを送給しながら圧縮 空気などのガス噴射によって溶滴を微細化させ、被覆対象物に向 かって吹きつけ皮膜を形成させる溶射法。

アルミニウム、亜鉛、銅、鋼などの金属の溶射に多く用いられる。

116

(118)

プラズマジェットを用いた金属溶射

①ワイヤーを対極としてアークを発生

②アーク放電によりプラズマジェット をガン中に発生

③プラズマジェット中に供給されたワ イヤーが溶融

④溶融粒子がプラズマジェットに加速 され、基材に吹き付けられる

基材温度は 100度以下 プラズマ発生 6000〜8000度

117

(119)

試験前

塩水噴霧試験(Znめっき)

18

週目

3024

時間)

8

週目

1344

時間)

118 300時間程度で内部に赤錆の色が見えるようになる

(120)

試験前

塩水噴霧試験( AlMg5 溶射+封孔処理)

8

週目

1344

時間)

18

週目

3024

時間)

119 3000時間後もほとんど錆は発生していない

(121)

長期防錆仕様の耐食性予測

■溶融亜鉛めっきの基準膜厚

ボルト類以外 JIS H 8641 HDZ55550g/m2) ボルト類 JIS H 8641 HDZ35350g/m2)

■亜鉛めっき皮膜の90%が消耗した期間を耐用年数とする。(防 錆防食便覧,HDZ55の場合550×0.9=495g/m2

■溶融亜鉛めっきの年間腐食減量値と耐用年数

年間腐食減量値 耐用年数 都市部,田園地域 3〜10g/m2 165〜49.5 平常時に海水飛沫を受けない

湾岸地域 10〜30g/m2 49.5〜16.5 頻繁に海水飛沫を受ける海岸

地域や風道等地形の悪い場所 30〜200g/m2 16.5〜2.5    注)耐用年数は,HDZ55の場合を示す。

120

■溶融亜鉛めっきを基本として,耐食性試験の結果を基に予測を 行う。

AlMg溶射の場合、初期の錆発生時間が約10倍以上あるため、

上記の約10倍の耐食年数が想定される。

(122)

金属溶射+フッ素塗装した施工事例

●溶射+塗装(エポキシ樹脂塗装+フッ素樹脂塗装)

●ボルト フッ素焼付け塗装またはダクロ処理等の長期防錆タイプを採用

●ボルト締付け時にボルト頭またはナットのコーナー部を損傷するケースが あるため,締付け時に損傷しない防食方法(特殊金属溶射等)またはボルト キャップ等による二重防食を行うのが望ましい。

ボルトキャップ

121

(123)

7.鋼製支承の補修事例

122

(124)

補修前

ローラー内部

■グリスアップ工法

(既設支承の機能回復)

表面の浮き錆

123

(125)

高圧水による洗浄、および 清掃後,特殊充填材の充填

注)特殊充填材・・・防錆潤滑剤を含浸 させたスポンジ系充填材

補修状況

損傷大な部品は交換し、そ の他は既設のものを利用 沓座モルタルを補修

124

(126)

完 成

125

(127)

表面の浮き錆 ローラー内部

補修前

■若返り工法

(既設支承の防錆・グリスアップ)

ローラー内部の状況は開けてみな ければわからない場合が多い

126

(128)

全景 ローラー内部の状況

ブラスト後の状況

ブラストにより塗膜を完 全に除去

ローラーはステンレス溶接肉盛 りタイプ(コロウェルド)のた めローラー本体は健全

127

(129)

溶射状況 溶射後のローラー内部

亜鉛アルミ溶射施工

亜鉛アルミ合金線材を用いた フレーム溶射

溶射直後の状況

128

(130)

ローラー部へのグリスアップ 完成状況

グリスアップ施工

転がり部および摺動部へのグリ ス塗布

129

(131)

■上沓遊間の確保

施工前の状況

左側上沓ストッパーが下沓凸部と接触しており,移動機能 を阻害している。

130

130

(132)

準備工

ガス切断による熱影響を抑えるために熱伝導遮断材を設置する。

131

131

(133)

上沓ストッパー切断

ガス切断のため,トーチが桁下面と上沓ストッパーと の間に挿入可能か確認が必要

132

切断状況 切断完了状況

132

(134)

仕上げ

グラインダーにより切断面を仕上げる。

仕上げ面は,既設支承が亜鉛めっきの場合はジンクリッ チ塗装,塗装仕様の場合は既設の仕様に合わせる。

133

133

(135)

完 成

上沓と下沓凸部との間に所定の遊間が確保できたことを 確認する。

134

134

参照

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